JP6308790B2 - 可変形状ミラー及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、可変形状ミラー及びその製造方法に関するものである。
可変形状ミラーは、光学デバイスであり、補償光学用の波面補正デバイスとして利用できるため、例えば、眼底検査装置や天体望遠鏡など、様々な光分野への応用が期待されている。特許文献1には、反射層を有する一定膜厚の可変形層が複数の接合部を介して複数の静電アクチュエータに接合された可変形状ミラーが提案されている。この可変形状ミラーは、複数の任意の位置にて接合された静電アクチュエータの駆動によって、可変形層を個別に略垂直下方向に引っ張ることで、任意の形状を形成するものである。特許文献2には、光ディスク情報入出力装置の光ピックアップ装置に用いる形状可変鏡が提案されている。具体的には、ミラー基材に設けられた凸部においてアクチュエータと接合した形状可変ミラーが開示されている。
米国特許第7929195号明細書 特開2008−40304号公報
特許文献1の可変形状ミラーでは、前記接合部付近の可変形層は、接合部の平面形状によって理想形状よりも傾きが小さくなるため、可変形状ミラーの理想面形状からずれが発生する。例えば図6のx線で示した理想面形状となるように複数のアクチュエータを駆動させた場合において、特許文献1と同様の構成において得られるミラー形状をシミュレーションした結果をb、cで示す。ミラーの厚みは、bが1.2μm、cが3.0μmである。図6から、特許文献1の構成において得られるミラーの形状は、ミラー基材の厚みに関わらず、理想面形状から大きなずれが生じているのがわかる。このため、この可変形状ミラーを有する波面補正光学系は、この理想面形状からのずれによって補正できない収差が残り、解像度などの光学性能の向上について課題があった。特許文献2の形状可変ミラーにおいても、ミラー基材は、アクチュエータに接合される凸部を除き、形状可変部となる領域が同じ厚さになっている。このため、ミラー基材の形状は、アクチュエータとの接合部の周囲において可変量が小さくなり、理想面形状からのずれが発生し、特許文献1と同様の課題が生じる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、可変形状ミラーの理想面形状からのずれを低減し、可変形状ミラーを有する波面補正光学系の解像度などの光学性能を向上させることが可能な可変形状ミラーを提供することにある。また、本発明の目的は、上記課題を解決するための可変形状ミラーの製造方法を提供することにある。
本発明に係る可変形状ミラーは、複数のアクチュエータが、それぞれ複数の接合部を介して、連続する反射面を有する1つのミラー基材に接合された可変形状ミラーである。そして、前記ミラー基材は、前記反射面の反対側の面に前記複数の接合部の周囲に設けられた複数の第1の領域と、前記第1の領域の周囲に位置すると共に、前記接合部とは別の位置に設けられた第2の領域と、を有しており、前記第1の領域の厚さは前記第2の領域の厚さよりも薄い
また、本発明に係る可変形状ミラーの製造方法は、複数のアクチュエータが、それぞれ複数の接合部を介して、連続する反射面を有する1つのミラー基材に接合された可変形状ミラーの製造方法であって、次の工程を含む。シリコン層、絶縁体層、及びハンドル層の3層をこの順に有する第1基板を用意する工程。前記シリコン層の前記接合部となる領域の周囲に、前記シリコン層の厚さが他の部分の厚さより薄い領域を形成する工程。第2基板に複数のアクチュエータを形成する工程。前記シリコン層の接合部と前記アクチュエータの接合部とを接合して、前記第1基板と前記第2基板とを接合する工程。前記第1基板の前記ハンドル層及び前記絶縁体層を除去する工程。
本発明によれば、接合部の周辺において、ミラー基材が変形し易いので、従来よりも可変形状ミラーの形状を所望の形状に近づけることができる。
本発明の第1の実施形態に係る可変形状ミラーを示す平面図と断面図。 本発明の第2の実施形態に係る可変形状ミラーの製造方法を示す断面図。 本発明にかかる可変形状ミラーの変形例を示す平面図と断面図。 本発明の実施形態にかかる可変形状ミラーのアクチュエータ部の平面図及びアクチュエータ部の製造方法を示す断面図。 本発明にかかる可変形状ミラーの別の変形例を示す平面図と断面図。 有限要素法によるミラー面の断面プロファイルのシミュレーション結果を示す図。 本発明にかかる光学補償システムとそれを用いた眼科装置の概要図。 実験に用いた可変形状ミラーの有効径とその周辺の接合部位置を示す図。 第2の領域のミラー基材の厚さが1.2μmの可変形状ミラーの形状についてのシミュレーション結果を示す図。 第2の領域のミラー基材の厚さが5μmの可変形状ミラーの形状についてのシミュレーション結果を示す図。 本発明にかかる可変形状ミラーを用いた波面補正デバイスにおける波面収差の残渣のシミュレーション結果を示す図。 本発明にかかる可変形状ミラーのさらなる変形例を示す断面図とミラー面の断面プロファイルのシミュレーション結果を示す図。
本発明の可変形状ミラーでは、反射面が設けられたミラー基材の接合部においてアクチュエータが接合されている。そして、接合部の周辺において、ミラー基材を変形し易くするために、ミラー基材の反射面とは反対側の面の接合部の周囲に、他の部分(第2の領域)よりも厚さの薄い薄部(第1の領域)が設けられている。ここでいう接合部は、ミラー基材にアクチュエータが接合される部分を指している。後述の実施形態や実施例では、ポストおよび/またはパッドが形成された部分が接合部となっている。また、後述の実施形態や実施例では、静電櫛歯型のアクチュエータを用いているが、その形態は可変形状ミラーの用途に応じて公知の構成を適用すればよい。上記特許文献1や特許文献2で用いられている様なアクチュエータを用いることもできる。
本発明の可変形状ミラーとその製造方法の好ましい実施形態を挙げて、本発明の構成と作用および効果を説明する。
(可変形状ミラーの構成)
図1を参照しながら本発明にかかる可変形状ミラーの実施形態について説明する。図1(b)は、可変形状ミラーの平面図であり、図1(a)は平面図である図1(b)のA−B断面図である。可変形状ミラーは、ミラー基材2と反射膜3を含むミラー部1及びアクチュエータ部8を有する。ミラー部1は、ポスト6及び周縁接合部材7を介してアクチュエータ部8に接合されている。ポスト6は、ミラー基材2の接合部とアクチュエータ部8の接合部である可動部9に設けられた接合パッド14とに接合されている。周縁接合部材7は、ミラー基材2の周縁に設けられた周縁接合部とアクチュエータ部8側の周辺固定部13上に設けられた接合パッド14とに接合されている。ミラー基材2の周縁とアクチュエータ部8の周辺固定部13とは必要に応じて接合すればよく、省略することも可能である。
図1(b)の可変形状ミラーは、連続する反射面を有する1つのミラー部1に7個のアクチュエータが接合されている。図1(a)、(b)に示す様に、ミラー基材2の反射面とは反対側の面に設けられたミラー基材の接合部の周囲、及び、周縁接合部の内側には、ミラー基材2の厚みを薄くして凹部となった第1の領域(薄部)4、5が設けられている。また、その周囲に第1の領域よりも厚い第2の領域が設けられている。言い換えると、ミラー部1は、接合部の周囲にミラー基材2が或る厚さの第1の領域を有し、接合部間に第1の領域よりミラー基材の厚さの厚い第2の領域を有している。接合部におけるミラー基材の厚さは、第1の領域(薄部)4と同じ厚さでも、第2の領域と同じ厚さでもどちらでも構わない。ただし、後に説明する製造上の理由から、接合部におけるミラー基材の厚さは、第1の領域(薄部)4よりも厚いのが好ましく、第2の領域と同じ厚さがより好ましい。以下、接合部におけるミラー基材の厚さが第2の領域と同じ構成を中心に説明をする。なお、薄部5は、周縁接合部においてミラー基材2が変形し易くするために設けられるものである。ミラー基材2の周縁で接合しない場合は、薄部5を設ける必要はない。
アクチュエータ部8は、固定部10および周辺固定部13と可動部9とが、弾性体11で接合された構成を有している。固定部10、周辺固定部13及び可動部9と、弾性体11との間には、絶縁層12が配置され、これらを互いに電気的に絶縁している。ミラー部の所望形状に応じて、可動部9に個別に接続された配線(不図示)を介して電圧が印加され、電圧を印加していない状態の反射面に対して垂直方向に、可動部9が個別に変位することでミラー部1が変形する。アクチュエータ部の固定部、可動部などについては、後で図4を用いて詳しく説明する。
例えば、ミラー部1の中央の可動部9を下側に変位させると、可変形状ミラー部1を凹形状にすることが可能になる。このとき、可変形状ミラー部1は、ミラー基材2のポスト6の周囲、及び、周縁接合部材7の内側に膜厚の薄い第1の領域(薄部)4、5を有するため、ポスト6の周囲、及び、周縁接合部材7の内側でミラー基材2は柔軟に変形し易くなる。また、ポスト間に設けられている第2の領域は、第1の領域よりもミラー基材2が厚く剛性が高いため、ポスト6間のミラー基材2を滑らかな曲線で変形させることができる。その結果、ミラー部1の形状は、所望の理想面形状に近づけることができる。図6のx線で示した理想面形状となるように複数のアクチュエータを駆動させた場合、本発明の構成において得られるミラー形状をシミュレーションした結果をaで示す。ミラー基材の材質としてシリコンを想定し、ミラー基材の厚みは、接合部周辺の第1の領域で1.2μm、第2の領域で5μmである。図から分かるように、本発明に係る可変形状ミラーは、特許文献1より理想面形状からのずれを小さくすることが可能になる。
なお、図1(b)では、連続した反射面を有する可変形状ミラー部1に7個のアクチュエータが接合された構造を示しているが、これは一例であり、アクチュエータの個数を増やすことで、より複雑なミラー面形状を精度良く実現することが可能になる。また、図1では、薄部は接合部を取り囲む連続した溝、即ちドーナツ状の溝に設けられているが、この形状には限定されない。例えば、図3に示したように、接合部の周りに薄部が対称的にかつ離散的に配置されていても構わない。この場合、自身と、隣接する接合部と、を結ぶ線上に薄部が形成されているのが好ましい。薄部が離散的に設けられていると、ミラー基材の物理的強度が増す点で好ましいが、理想形状により近いミラー形状を実現するには、図1の様にドーナツ状の溝が好ましい。
図1では、ミラー基材2が薄部4、5よりも厚い部分、即ち第2領域および接合部の断面形状を矩形としている。しかし、図5(a)に示すように、薄部(第1の領域)と非薄部(第の2領域)との境界(特に薄部の底の角部)において、ミラー基材2の厚さが連続的に徐々に変化しているのも好ましい。言い換えると、薄部は、該薄部と該薄部の外側のミラー基材の部分との境界の近辺において、応力集中が起きない様な曲面的形状を有している。このため、アクチュエータ部8を動作させて可変形状ミラー部1を変形させた時に、薄部4と非薄部の境界に働く力が分散されて集中しにくいため、可変形状ミラーの耐久性を向上させることができる。以上より、本実施例に係る可変形状ミラーは、ミラーの理想面形状からのずれを小さくしつつ、耐久性を向上させることが可能になる。あるいは、図12(a)に示すように、接合部においてミラー基材2の膜厚が厚くなっており、接合部のミラー基材2が厚くなっている部分Sの径が、ポスト6側(接合部側)よりも反射面側で小さくなっている形状も好ましい。このような形状は、接合部となる領域の周囲のミラー基材2の厚さを他の部分の厚さより薄くした後に、前記接合部におけるミラー基材2をミラー基材2の反射面と平行な方向にエッチングして形成することができる。
図12(b)に、接合部のミラー基材2が厚くなっている部分Sの断面形状を変更したミラー変形例のシミュレーション結果を示す。x線で示した理想形状に対して、図1(a)のように接合部のミラー基材2が厚くなっている部分Sの径が一定の形状を採用した場合に得られるミラー面をd線、図12(a)の形状を採用した場合に得られるミラー面をe線で示す。d線、e線どちらの場合も、可変形状ミラーを構成するシリコン層の厚さやアクチュエータの駆動量等は同じである。シミュレーションの結果から、e線はd線よりもミラー面の理想形状に近づいていることがわかる。図12(a)の形状は、ミラー基材2の厚みが比較的薄い場合や、接合部に接合するポスト6の寸法が大きい場合の対策として有効である。
(可変形状ミラーの製造方法)
次に、図2を参照しながら本発明の実施形態にかかる形状可変ミラーの製造方法について説明する。図2は、第2の実施形態に係る可変形状ミラーの製造方法を示す断面図であり、図1(b)のA−B断面におけるプロセス断面図である。本実施形態に係る可変形状ミラーの形成方法は、ミラー基材となるSOI基板20のSOI層21に薄部を形成して、このミラー基材をアクチュエータ部に移設するものである。
まず、シリコン層、絶縁体層、及びハンドル層の3層からなる第1基板として、例えばSOI基板20を準備する。SOI基板20は、シリコンからなるSOI層21とハンドル層23とその間の酸化シリコンからなるBOX層22を有している。次に、図2(a)に示すように、ミラー基材となるSOI層21に第1の領域となる薄部4、5を形成し、ミラー基材の接合部にポスト6を形成し、及び、ミラー基材の周縁接合部に周縁接合部材7を形成する。第1の領域となる薄部4、5を形成する際にはSOI層21上に、薄部4、5を形成する領域に対応した開口を有するエッチングマスク(不図示)を形成する。このエッチングマスクは、フォトリソグラフィで形成するレジストパターンが好適である。
次に、前記レジストマスクをエッチングマスクとして用いて、ドライエッチング法で、溝を形成する。その後、例えば酸素アッシング法によって前記レジストマスクを除去することで、SOI層21に薄部4、5を形成する。SOI層21のシリコンのエッチング深さ制御は、時間制御によって行う。この時、シリコンエッチング速度は、エッチング終点制御が十分に可能な比較的遅い条件を用いると良い。このように、接合部の周囲の薄部を、ミラー部1をアクチュエータ部8に接合する前に、ハンドル層のある状態でミラー基材2に形成しておくため、薄部を比較的簡易に形成することが可能になる。
次に、ミラー基材となるSOI層21上の薄部4で囲まれた接合部にポスト6を形成し、薄部5の外側の周縁接合部に周縁接合部材7を形成すると、図2(a)に示すように、ポスト6及び周縁接合部材7の周囲に薄部を有する構造が形成される。ポスト6及び周縁接合部材7の形成には、例えば、Auバンプを、例えば、電解メッキ法によって形成する。なお、ポスト6としてAuバンプの例を挙げたが、他の形成方法で形成しても良く、次工程の接合方法によっては半田など他材料を用いても良い。
薄部の部分のミラー基材の厚さ、薄部のサイズや形状、接合部のサイズやピッチ等は、用途に応じて波面補正デバイスにおいて許容される理想面形状からのずれの許容度等に基づいて決めればよい。薄部および非薄部の厚さが厚いほどミラー自体の強度は向上するが、ミラー変形に要するアクチュエータの駆動力も大きくなってしまう。そこで、波面補正デバイスに必要な最大変位量、接合部のピッチ、許容される理想面形状からのずれ許容度、アクチュエータの駆動力、ミラーのヤング率等に応じて、ミラーが破損しない範囲で薄部及び非薄部の厚みをできるだけ薄く設定するのが好ましい。また、薄部(第1の領域)は、接合部と同様に、理想面形状からのずれが存在する部分であることと、非薄部と比較して強度が小さいことから、薄部の幅は狭いほうが望ましい。接合部のミラー基材の厚みを薄部と同じ厚さにすることもできるが、薄部へのバンプ形成時のアライメントずれによって、バンプ周囲の薄部の幅が非対称になることが考えられる。そのため、上記方法の様に、接合部の厚さをSOI層の厚さのままにして周辺にだけ薄部を設ける方が、薄部の幅を薄部形成時のままに保つことができるため好ましい。
次に、図2(b)に示すように、第2基板に、ミラー形状を変形させるためのアクチュエータ部8を形成する。アクチュエータ部8は、例えば、静電櫛歯型アクチュエータであり、可動部9と固定部10、周辺固定部13を有し、可動部9と周辺固定部13上に、それぞれミラーの接合部に設けたポスト6および周縁接合部材7と接合されるパッド14を有する。なお、図2(b)では静電櫛歯部を図示していない。この可動部9と固定部10および周辺固定部13とは、弾性体11で接続されているが、絶縁体12で互いに絶縁されており、不図示の配線を用いて、各可動部9に個別に電圧を印加して、可動部9を個別に駆動させることができる。
続いて、ミラー基材に薄部4、5が形成された前記第1基板と、アクチュエータ部8が形成された前記第2基板とを、複数のポスト6及び周縁接合部材7と、アクチュエータ部側のパッド14を介して接合する。SOI層に設けたポスト6および周縁接合部材7をAuバンプ、アクチュエータ部8に設けたパッド14をAuパッドとした場合、AuバンプとAuパッドの接合は、次の様にするとよい。すなわち、例えば、ArプラズマによるAuバンプとAuパッド表面の有機物除去によって活性化した後に、AuバンプとAuパッドを接合する、常温のAu−Au表面活性化接合法を用いて行うとよい。なお、本実施形態の接合方法には、常温の表面活性化接合を用いたが、これに限定されることはない。例えば、上記ポストを半田バンプとして、パッド材料として例えばアルミ(Al)を選択して半田バンプ接合などを用いても良い。
次に、図2(c)に示すように、前記第1基板のSOI基板20のハンドル層23及び絶縁体層(BOX層)22を除去すると、アクチュエータ部8に、SOI層からなるミラー基材21が接合された構造を形成することができる。ハンドル層23の除去は、例えば、シリコンドライエッチングによって行う。このエッチング終点は、プラズマ発光分光法を用いて制御し、SOI基板20のBOX層22をエッチストッパー層として利用する。このシリコンドライエッチングにおいて、エッチストッパー層のBOX層22とハンドル層とのエッチング選択比が高い条件を用いることで、BOX層22が、SOI層21を保護するため、SOI層21がエッチングされることはない。なお、ハンドル層23の除去は、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)によるウェットエッチングで行っても良い。
BOX層22の除去は、例えば、バッファードフッ酸(BHF)によるウェットエッチングを用いて行う。この時、BOX層22の下層のSOI層(ミラー基材)21は、BOX層22と高いエッチング選択比を有するため、殆どエッチングされない。そのため、ミラー基材21のダメージがなくBOX層22の除去が可能である。なお、BOX層22の除去には、この他に、べーパーフッ酸によるドライエッチング法を用いても良い。次に、図2(d)に示すように、ミラー基材21上に、反射膜35を成膜してミラー部の反射率を向上させたミラー部材36としても良い。
以上に述べた様に、本実施形態の可変形状ミラーの形成方法は、少なくとも次の工程を含む。すなわち、SOI層、絶縁体層、及びハンドル層の3層からなる第1基板を用意する工程。前記SOI層の前記接合部となる領域の周囲に、他の領域(第2の領域)より厚さの薄い薄部(第1の領域)を形成する工程。第2基板に複数のアクチュエータを形成する工程。薄部に取り囲まれた前記SOI層の領域の接合部と前記アクチュエータの接合部とを接合して、前記第1基板と前記第2基板とを接合する工程。前記第1基板のハンドル層及び絶縁体層を除去する工程。こうした製造方法により、ミラー基材側の接合部をなす接合部を取り囲んで薄部を有する可変形状ミラーを、比較的簡易に形成することができる。本実施形態では、SOI層とアクチュエータの接合部を、ポストおよびパッドを介して接合している。
(アクチュエータ部の製造方法)
図4を用いて、本発明に係る可変形状ミラーに好適な静電櫛歯型アクチュエータを用いた、アクチュエータ部の構成およびその製造方法について説明する。アクチュエータ部8に静電櫛歯型アクチュエータを用いた場合、変位のストローク(最大変位量)が比較的小さく、例えば、10μmであるが、変位量を細かく制御できる利点がある。
図4(a)は、可変形状ミラー101をアクチュエータ部102側から見た平面図である。可変形状ミラーは、図1に示したように複数のアクチュエータを備えているが、図4では1つのアクチュエータだけを示している。図4(b)〜(h)は、図4(a)のA―A’断面図であり、図4(a)の構造の製造方法を示す。作製する可変形状ミラー101は、アクチュエータ部102とミラー部103とを備えている。ミラー部103は、補正する光を反射する光学的反射機能を有する。ミラー部103は、光を反射するために反射面を持つ。このミラー部103はアクチュエータ部102を覆うように配置されている。
アクチュエータ部102は、可動櫛歯電極104、固定櫛歯電極105、可動部106、弾性体107、固定部108(108a、108b)によって構成されている。可動部106は、弾性体107に連結されており、可動櫛歯電極104及びミラー部103と接続している。さらに、可動部106の接合部はミラー部103の接合部と接合されている。弾性体107の一端は固定部108aに固定されている。可動櫛歯電極104及び弾性体107は可動部106の側壁と接続しており、ミラー基材103は可動部106の上面と接合部を介して接合している。可動櫛歯電極104は可動部106のyz面(x軸に対して垂直な面)に平行な側壁よりx方向に延出しており、固定櫛歯電極105は、可動部の支持部である固定部108bのyz面に平行な側壁よりx方向に伸びている。つまり、可動櫛歯電極104が設けられた可動部106の側壁と固定櫛歯電極105が設けられた固定部108bの側壁とは対向しているため、可動櫛歯電極104と固定櫛歯電極105は互いに向き合うように配置されている。そして、それぞれの櫛歯が間隔を隔てて交互に互い違いに並ぶように配置されている。
次に、このアクチュエータ部102の作製方法について説明する。ここでは、複数のアクチュエータを、SOI基板を加工して同時に形成する例を説明する。ただし、図では1つのアクチュエータしか示していない。初めに、図4(b)に示すように、SOI基板109を用意する(S101)。次に、図4(c)に示すように、SOI基板109の両面に絶縁層113のパターンを形成する(S102)。具体的には、熱酸化による酸化シリコン(SiO)を絶縁層113として形成した後に、レジストパターン(不図示)を形成し、該レジストパターンをマスクにして、絶縁層113をエッチングする。絶縁層113のエッチングには、例えばフロン系ガスである四フッ化メタン(CF)、二フッ化メタン(CH)、三フッ化メタン(CHF)などによるプラズマエッチングを利用する。これらのフロン系ガスは、単独または他のフロンガスと混合して、更には、アルゴン(Ar)やヘリウム(He)などの不活性ガスと混合して使用されうる。
次に、図4(d)に示すように、コンタクトホールパターン状の貫通電極114を形成する(S103)。まず、SOI基板109の裏面にレジストパターン(不図示)を形成し、該レジストパターンをマスクにして、シリコン活性層112及びBOX層111をエッチングして貫通孔を形成する。さらに、電極材料となるチタン(Ti)及び金(Au)を積層成膜した後、レジストパターン(不図示)を形成する。該レジストパターンをマスクにして、金(Au)及びチタン(Ti)をエッチングする。
次に、図4(e)に示すように、櫛歯形状を形成する時のマスクを形成する(S104)。SOI基板109のハンドル層110側の表面にレジストパターン115を形成し、ハンドル層110表面の絶縁層113bをエッチングしてパターニングする。絶縁層113bのエッチングには、S102で例示したフロン系のガスによるプラズマエッチングを利用する。次に、図4(f)に示すように、ハンドル層110から可動櫛歯電極104及び固定櫛歯電極105を形成する(S105)。S104で形成したレジストパターン115及び絶縁層113bをマスクにして、ハンドル層110をエッチングする工程である。ハンドル層110をエッチングして、所望の櫛歯形状を形成するためには、ハンドル層の表面に対して垂直方向のエッチングが可能なICP−RIE(Inductive−Coupled−Plasma−Reactive−Ion−Etching)などを用いる。ICP−RIEを用いることにより、高アスペクトで微細な櫛歯構造を形成することができる。
次に、図4(g)に示すように、櫛歯の段差を形成する(S106)。固定櫛歯電極105の段差を形成するために、裏面の絶縁層(SiO)113aをマスクにして、シリコン活性層112をエッチングする。そして、エッチングによりパターニングされた活性層112をマスクにしてBOX層111をエッチングする。さらに、エッチングによりパターニングされたBOX層111をマスクにして、固定櫛歯電極105のシリコン(Si)をエッチングする。また、可動櫛歯電極104の段差を形成するために、表面のレジストパターン115を剥離した後に、表面の絶縁層(SiO)113bをマスクに、可動櫛歯電極104のシリコン(Si)をエッチングする。シリコン(Si)層及び絶縁層のエッチングには、S102で例示したフロン系のガスによるプラズマエッチングや、S104で例示したICP−RIEなどを利用する。
次に、図4(h)に示すように、BOX層(SiO)111をエッチングして、可動櫛歯電極104及び固定櫛歯電極105をリリースする(S107)。BOX層111のエッチングは、例えば0.5%フッ化水素酸(HF)によって、BOX層111を選択的にウェットエッチングする。BOX層111の選択的なエッチングは、フッ化水素酸のほか、フッ化アンモニウム(NHF)水溶液、フッ化水素と過酸化水素との混合液など、フッ素イオンを含む水溶液などを用いることも可能である。なお、上述したアクチュエータ部及びその製造方法は一例であり、本発明は、これに限定されるものではない。
このように形成されたアクチュエータ部102は、図2を用いて説明したように、ミラー部と接合される。具体的には、アクチュエータ部102の可動部106の接合部にパッド120(図2の符号14に相当)が設けられ、ミラー部103の接合部に設けられたポスト(図2の符号6)に接合される。
前述したように、静電櫛歯型アクチュエータを用いた可変形状ミラーは、アクチュエータの変位のストロークが比較的小さいため、ミラー部1を構成するミラー基材2が薄いことが望ましく、例えば、ミラー基材2の厚みは、5μmである。アクチュエータ部に接合されるミラー部側の接合部の配置は、例えば、三角格子状に配置され、ピッチは、例えば800μmである。ミラー基材2の厚みが比較的薄いと、接合部に接合するポスト6の寸法が小さ過ぎると、可変形状ミラーを駆動中に、ミラーを突き破る可能性があるため、ポスト6を大きくする必要がある。また、ポスト6が小さいと、ミラー基材2とアクチュエータ部8の接合力が不足するため、ポスト6は、或る程度の大きさが必要である。ポスト6は、例えば、比較的小さい寸法の直径20μmφで、高さ20μm程度のAuバンプとするのが好ましい。可変形状ミラー部1は、ポストが或る程度の大きさを有することで、接合部の周囲及び周縁接合部の内側に、ミラー基材2が変形しにくい領域が発生してしまう。そのために、本実施例では、接合部の周囲及び周縁接合部の内側に、他の部分(第2の領域)よりも膜厚の薄い薄部(第1の領域)4、5を配置している。
以上説明した製造方法の例では、複数のアクチュエータとミラー基材を、微細なパターンを形成することが可能なフォトリソグラフィ技術を用いて加工している。そのため、一般的な機械加工と比較して、アクチュエータやミラー基材を構成するパターンを比較的小さくすることができ、理想面形状からのずれを小さくすることが可能になる。
(眼科装置)
以上説明した可変形状ミラーを、光学収差を補償する波面補正デバイスとして用いた補償光学システムについて、走査型レーザ顕眼鏡(Scanning Laser Ophthalmoscope:以下SLO装置と記述する)を例にとって説明する。SLO装置とは、光を眼底に照射し、視細胞・網膜神経線維束・血球動態等の観察を可能にする眼科装置である。
本実施形態にかかるSLO装置の概略構成を図7に示す。光源201から出射した光は、単一モード光ファイバー202を伝播し、コリメータ203を通過して平行光線となる。平行光線は、測定光205として光分割手段であるビームスプリッタ204を透過し、補償光学システム220に導光される。例えばレーザ光を出射する光源201の波長は特に制限されるものではないが、特に眼底撮像用としては被験者の眩しさの軽減と分解能維持のために、800〜1500nm程度(例えば、850nm帯以下)が好適に用いられる。補償光学システム220は、光分割手段であるビームスプリッタ206、波面センサ(収差測定ユニット)215、反射型光変調素子をなす可変形状ミラー(波面補正デバイス)208および、それらに導光するための反射ミラー207−1〜4から構成される。各反射ミラー207は、少なくとも被検眼の瞳と波面センサ215、可変形状ミラー208とが光学的に共役関係になるように設置されている。
補償光学システム220を通過した光は、光走査部209によって、1次元もしくは2次元に走査される。光走査システム209で走査された測定光は、接眼レンズ210−1および210−2を通して被検眼211に照射される。接眼レンズ210−1および210−2の位置を調整することによって、被検眼211の視度にあわせて最適な照射を行うことが可能となる。ここでは接眼部にレンズを用いているが、球面ミラー等で構成しても良い。
被検眼211に照射された測定光は眼底(網膜)で反射もしくは散乱される。被検眼211の眼底で反射散乱された光は、入射した時と同様の経路を逆向きに進行し、ビームスプリッタ206によって一部が反射されて波面センサ215に入射し、光線の波面測定に用いられる。波面センサ215には、公知のシャックハルトマンセンサを用いることができる。ビームスプリッタ206を透過した反射散乱光は、ビームスプリッタ204によって一部が反射され、コリメータ212、光ファイバー213を通して光強度センサ214に導光される。光強度センサ214に入射した光は電気信号に変換され、画像処理手段225にて眼底画像へと加工される。
波面センサ215は、制御ユニットである補償光学制御機216に接続されており、受光した光線の波面を補償光学制御機216に伝える。補償光学制御機216は可変形状ミラー208に接続されており、補償光学制御機216から指示された形状に変形する。補償光学制御機216は、波面センサ215から取得した波面の測定結果を基に、収差のない波面へと補正するようなミラー形状を計算する。そして、可変形状ミラー208がその形状を再現するために必要な各櫛歯電極の印加電圧差を算出して可変形状ミラー208へと送る。可変形状ミラー208は、補償光学制御機216から送られる電位差を可動櫛歯電極と固定櫛歯電極との間に印加し、所定の形状になるようにミラー面を変形させる。
このような波面センサ215による波面の測定と、その波面の補償光学制御機216への伝達と、補償光学制御機216による収差の補正の可変形状ミラーへの指示は、繰り返し処理されて常に最適な波面となるようにフィードバック制御が行われる。なお、反射型光変調素子をなす可変形状ミラーは、測定光および戻り光の少なくとも一方の波面収差を補正するように設けられればよい。
一般に、SLO装置で観察する視細胞のサイズは5μm程度である。5μmオーダーの分解能を実現するためには、可変形状ミラーの波面収差の残差RMS値を0.025waves以下とする必要がある。本実施形態にかかる補償光学システムを用いると、可変形状ミラーを理想形状に近い形状にすることができるため、精度よく収差を補償することができ、波面収差の残差RMS値の0.025waves以下を実現することが可能となる。以上説明したように、本発明にかかる補償光学システムを用いたSLO装置は、被検眼で生じる収差を適切に補償することができ、高分解能な撮像を得ることが可能となる。
(実験例)
本発明にかかる可変形状ミラーについて、第1の領域と第2の領域との膜厚を変えた構成サンプル1〜6(下記の表1参照)について、シミュレーションを行った。シミュレーションを行うにあたっては、有限要素法の解析が可能な市販ソフト(ANSYS社製)を用いた。シミュレーションの条件は、下記の通りである。なお、接合部は、有効ミラー径の範囲だけでなく、可変形状ミラー全体に渡って一様に設けている。
可変形状ミラーの有効領域を、図8に示す。図において、実線で表した円が有効ミラー領域である。また、点線の交差位置が接合部に該当する。
可変形状ミラーの直径:15mmφ
有効ミラー径:7.5mmφ
ミラー基材:単結晶シリコン(ヤング率は130000、ポアソン比は0.3)
接合部の配置:三角格子状
接合部のピッチ:1082μm
接合部の径:30μmφ
第1の領域(薄部)の幅:30μm
理想形状:Astigma
有効ミラー径のミラー中心Oに対する変位量:
X軸交点(X1、X2) +3.75μm、
Y軸交点(Y1、Y2) −3.75μm
Figure 0006308790
各サンプルの、X軸およびY軸におけるシミュレーション結果を図9および図10に示す。各図において、理想形状を点線で示し、接合部の位置を矢印で示しておく。サンプル1、サンプル2について得られたシミュレーション結果を、それぞれ図9(a)、(b)に実線で示す。また、サンプル3、5について得られたシミュレーション結果を図10(a)、サンプル6について得られたシミュレーション結果を図10(b)に示す。図10(a)では、サンプル3を実線、サンプル5を1点鎖線で示している(これら実線と1点鎖線は殆ど重なっている)。
図9、図10のシミュレーション結果から、本発明に係る実施例に相当するサンプル1、3、5は、比較例であるサンプル2、6に比べて、接合部における理想形状からのずれが非常に小さいミラー面が得られることが確認できた。
続いて、サンプル1〜5の可変形状ミラーを用いた波面補正デバイスにおける波面収差の残渣を、Synopsys社の光学シミュレーションCODEVを用いて計算した。サンプル1、2の結果を図11(a)に示し(左側の点がサンプル1、右側の点がサンプル2)、サンプル3〜5の結果を図11(b)に示す(左側の点がサンプル3、中央の点がサンプル4、右側の点がサンプル5)。図11から、第1の領域のミラー基材の厚さを、第2の領域のミラー基材の厚さに比べて薄くするほど、残収差の低減が可能となることが確認できた。
1:可変形状ミラー部、2:ミラー基材、3:反射層(反射面)、4:薄部(第1の領域)、6:ポスト、7:周縁接合部材、8:アクチュエータ部

Claims (15)

  1. 複数のアクチュエータが、それぞれ複数の接合部を介して、連続する反射面を有する1つのミラー基材に接合された可変形状ミラーであって、
    前記ミラー基材は、前記反射面の反対側の面に前記複数の接合部の周囲に設けられた複数の第1の領域と、前記第1の領域の周囲に位置すると共に、前記接合部とは別の位置に設けられた第2の領域と、を有しており、前記第1の領域の厚さは前記第2の領域の厚さよりも薄いことを特徴とする可変形状ミラー。
  2. 前記第2の領域は、2つの隣り合う前記接合部の間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の可変形状ミラー
  3. 前記第1の領域は、それぞれ、前記複数の接合部の周囲を連続的または離散的に取り囲んで配置されていること特徴とする請求項1または2に記載の可変形状ミラー。
  4. 前記ミラー基材は、前記アクチュエータが接合されている面の第1の領域に凹部が設けられていること特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の可変形状ミラー。
  5. 前記ミラー基材は、前記第1の領域から前記第2の領域にかけて、徐々に厚さが厚くなっていること特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の可変形状ミラー。
  6. 前記ミラー基材は、前記ミラー基材の周縁接合部において前記複数のアクチュエータを固定する固定部に接合されており、前記固定部に接合された接合部の内側にも第1の領域が設けられていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の可変形状ミラー。
  7. 前記接合部において、前記ミラー基材と前記アクチュエータとの間にはポストおよびパッドが設けられていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の可変形状ミラー。
  8. 前記複数のアクチュエータのそれぞれは、前記ミラー基材に接続される可動部と、前記可動部によって支持されて前記ミラー基材の反射面に対して平行な方向に延出する可動櫛歯電極と、前記可動部を支持する支持部と、前記支持部によって支持され前記ミラー基材の反射面に対して平行な方向に延出し、かつ、前記可動櫛歯電極と噛み合って配置される固定櫛歯電極と、を備えることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の可変形状ミラー。
  9. 前記接合部のミラー基材の厚さが前記第1の領域よりも厚くなっており、前記接合部におけるミラー基材の径が、前記接合部側よりも前記ミラー基材の反射面側で小さくなっていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の可変形状ミラー。
  10. 波面収差を補正する補償光学システムであって、
    入射する光の波面収差を補正する反射型光変調素子と、 入射する光の波面収差を測定する収差測定ユニットと、 前記収差測定ユニットの測定結果に基づいて前記反射型光変調素子を制御する制御ユニットと、を有し、
    前記反射型光変調素子が請求項1乃至のいずれか1項に記載の可変形状ミラーを含んでいることを特徴とする補償光学システム。
  11. 被検眼の画像を取得する眼科装置であって、
    測定光および戻り光の少なくとも一方の波面収差を補正する反射型光変調素子と、前記被検眼にて発生する収差を測定する収差測定ユニットと、前記収差測定ユニットの測定結果に基づいて前記反射型光変調素子を制御する制御ユニットと、を有し、前記反射型光変調素子が請求項1乃至のいずれか1項に記載の可変形状ミラーを含んでいることを特徴とする眼科装置。
  12. 更に850nm帯以下の波長のレーザ光を出射する光源を有することを特徴とする請求項11に記載の眼科装置。
  13. 複数のアクチュエータが、それぞれ複数の接合部を介して、連続する反射面を有する1つのミラー基材に接合された可変形状ミラーの製造方法であって、
    シリコン層、絶縁体層、及びハンドル層の3層をこの順に有する第1基板を用意する工程、
    前記シリコン層の前記接合部となる領域の周囲に、前記シリコン層の厚さが他の部分の厚さより薄い領域を形成する工程、
    第2基板に複数のアクチュエータを形成する工程、
    前記シリコン層の接合部と前記アクチュエータの接合部とを接合して、前記第1基板と前記第2基板とを接合する工程、
    前記第1基板の前記ハンドル層及び前記絶縁体層を除去する工程、
    を含むことを特徴とする可変形状ミラーの製造方法。
  14. 前記第1基板と前記第2基板とを接合する工程の前に、前記シリコン層および前記アクチュエータのうちの少なくとも一方の前記接合部に、ポストまたはパッドを形成する工程を含むことを特徴とする請求項13に記載の可変形状ミラーの製造方法。
  15. 前記第1基板の前記ハンドル層及び前記絶縁体層を除去する工程の後に、前記シリコン層の前記接合部が設けられていない側の面に、反射膜を形成する工程を含むことを特徴とする請求項13または14に記載の可変形状ミラーの製造方法。
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