JP2005091577A - 光学制御素子及び光学制御素子アレイ - Google Patents
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Abstract
【課題】 同心円状に配置した複数のリング状薄膜が、可撓梁を介して一つの駆動部で駆動できて、アクチュエータの数、スペースに無駄が無く、効率的且つ高品質な光学制御素子を得る。
【解決手段】 同心円状に配置した複数のリング状薄膜35の高さを相対的に変位させてリング状薄膜35に照射される光の光学現象を制御する光学制御素子100であって、リング状薄膜35に直径方向で固着される可撓梁と、この可撓梁の長手方向中央部を同心円の中心軸方向に変位させる駆動部とを設け、駆動部の非駆動時に、リング状薄膜が平面に配置され、駆動部の駆動時に、同心円状に配置したリング状薄膜が凹曲面に配置されるように構成した。
【選択図】 図1
【解決手段】 同心円状に配置した複数のリング状薄膜35の高さを相対的に変位させてリング状薄膜35に照射される光の光学現象を制御する光学制御素子100であって、リング状薄膜35に直径方向で固着される可撓梁と、この可撓梁の長手方向中央部を同心円の中心軸方向に変位させる駆動部とを設け、駆動部の非駆動時に、リング状薄膜が平面に配置され、駆動部の駆動時に、同心円状に配置したリング状薄膜が凹曲面に配置されるように構成した。
【選択図】 図1
Description
本発明は、フォトリソグラフィ工程に使用されるオンディマンドのデジタル露光装置、デジタル露光による画像形成装置、ブロジェクタ等の投影表示装置、ヘッドマウントディスプレイ等のマイクロディスプレイ装置等に用いて好適な光学制御素子及び光学制御素子アレイに関する。また、紫外から可視、赤外、それより長波の電磁波における波面制御素子、及び波面制御素子アレイに関する。
光学制御素子には、光波などの電磁波の送信特性や受信特性などを可変可能にしたものがある。この種の光学制御素子として、Si半導体微細加工技術を用いた可変焦点ミラーがある。この可変焦点ミラーは、円形ダイヤフラムと対向電極との間に静電気力を印加し、このときにできる凹面をミラーとして用いる。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
特開2002−243918号公報
特開2002−189193号公報
特開2002−22915号公報
特開2000−2842号公報
特開平7−261100号公報
例えば、上記特許文献3に開示される光学制御素子(可変焦点ミラー)15は、図10に示すように、シリコンゴムなどの柔軟性有機膜にアルミニウム等の金属膜を蒸着等によって形成して、反射面である能動曲面17とするものである。この能動曲面17を、複数の領域、例えば矩形領域に仮想的に分割し、この矩形領域の各頂点位置であって、能動曲面17の裏面側に、リニアアクチュエータ19を2次元方向にアレイ状に配設している。そして、これらリニアアクチュエータ19の駆動を制御して反射面を能動曲面17として任意の形状に制御し、ミラーの焦点位置及び焦点の数を可変可能としている。
従来例の可変焦点ミラー、可変焦点レンズ、変形ミラー、波面制御ミラーを目的とした光学制御素子では、能動曲面を、複数の領域、例えば矩形領域に仮想的に分割し、この矩形領域の裏面側にリニアアクチュエータを接続して矩形分割領域を独立に制御しようとすると、変位制御するための駆動部の数が多くなり、面積効率が悪く実用的でなかった。さらに矩形分割領域を独立に形成、制御すると、矩形分割領域間の形状・特性に大きなバラツキが生じ、品質や信頼性の低下することが危惧された。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、アクチュエータの数、スペースに無駄が無く、効率的且つ高品質な光学制御素子を得ることにある。また、画素単位で一つの梁或いは数本の梁が変位する従来構造に比べて形成画像の解像度を高めることができる光学制御素子を得ることにある。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、アクチュエータの数、スペースに無駄が無く、効率的且つ高品質な光学制御素子を得ることにある。また、画素単位で一つの梁或いは数本の梁が変位する従来構造に比べて形成画像の解像度を高めることができる光学制御素子を得ることにある。
上記目的を達成するための本発明に係る請求項1記載の光学制御素子は、同心円状に配置した複数のリング状薄膜の高さを相対的に変位させて該リング状薄膜に照射される光の光学現象を制御する光学制御素子であって、前記同心円状に配置したリング状薄膜に直径方向で固着される可撓梁と、該可撓梁の長手方向中央部を前記同心円の中心軸方向に変位させる駆動部とを具備したことを特徴とする。
また、上記目的を達成するための本発明に係る請求項2記載の光学制御素子は、同心円状に配置した複数のリング状薄膜の高さを相対的に変位させて該リング状薄膜に照射される光の光学現象を制御する光学制御素子であって、前記同心円状に配置したリング状薄膜の直径方向に平行して並列されると共に前記リング状薄膜にそれぞれ固着される複数の可撓梁と、該可撓梁の長手方向中央部を前記同心円の中心軸方向に変位させる駆動部とを具備したことを特徴とする。
上記した各光学制御素子では、同心円状に配置した複数のリング状薄膜が、可撓梁を介して一つの駆動部で駆動され、アクチュエータの数、スペースに無駄が無く、効率的且つ高品質な光学制御素子が得られるようになる。
請求項3記載の光学制御素子は、請求項1又は2記載の光学制御素子であって、前記駆動部が可動膜を有して成り、該可動膜に前記可撓梁の長手方向中央部が固定されたことを特徴とする。
この光学制御素子では、同心円状に配置した複数のリング状薄膜からなる光機能部と、駆動部とがそれぞれ機能別に分離された構造となることにより、相互間の制約が排除され、光機能部の品質(例えばリング状薄膜の精度等)や、駆動部の特性等が独立で設計可能となる。また、光機能部の下に駆動部を配置する構造が可能となることから、駆動部がリング状薄膜の下に隠され、光機能部の有効面積が大きくなる。光機能部の下に駆動部を配置する構造では、リング状薄膜が垂直に変位可能となり、リング状薄膜同士の隙間が小さく設定可能となる。駆動部によって駆動される可撓梁が、複数のリング状薄膜と一体構造物となるので、リング状薄膜の高さの均一性が容易に確保可能となる(光機能部の平坦性が容易に高められる)。
請求項4記載の光学制御素子は、請求項1又は2記載の光学制御素子であって、前記駆動部が静電気力を駆動力として用いる静電マイクロアクチュエータであることを特徴とする。
この光学制御素子では、駆動部が静電マイクロアクチュエータで構成される。静電マイクロアクチュエータは、例えば基板と、この基板に対して空隙を隔てて支持された可動膜とで構成され、印加電圧によって可動膜に静電気力を作用させて、可動膜を基板に対して変位させることで、高速応答が可能となる。また、CMOS回路による低電圧駆動が可能であり、さらに素子の作製も容易であることから集積化と低コスト化が可能となる。
請求項5記載の光学制御素子は、請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の光学制御素子であって、前記駆動部の非駆動時に、前記同心円状に配置したリング状薄膜が平面に配置され、前記駆動部の駆動時に、前記同心円状に配置したリング状薄膜が凹曲面に配置されることを特徴とする。
この光学制御素子では、通常時、同心円状に配置した複数のリング状薄膜が同一平面に配置され、光機能部のこれらの面が通常の全反射ミラーとして機能し、入射光が正反射される。一方、駆動部が駆動されると、可撓梁の変位が端部から中央部に向かって徐々に大きくなり、同心円状に配置した複数のリング状薄膜が中心側のものほど大きく下がり、その結果、光機能部が凹曲面となる。つまり、通常時正反射、電圧印加時集束の素子が得られる。
請求項6記載の光学制御素子は、請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の光学制御素子であって、前記駆動部の非駆動時に、前記同心円状に配置したリング状薄膜が凸曲面に配置され、前記駆動部の駆動時に、前記同心円状に配置したリング状薄膜が平面に配置されることを特徴とする。
この光学制御素子では、通常時、同心円状に配置した複数のリング状薄膜が凸曲面に配置され、光機能部が凸面鏡として機能する。一方、駆動部が駆動されると、可撓梁の変位が端部から中央部に向かって徐々に大きくなり、同心円状に配置した複数のリング状薄膜が中心側のものほど大きく下がり、その結果、光機能部が同一平面に配置される。つまり、通常時発散、電圧印加時正反射の素子が得られる。
請求項7記載の光学制御素子アレイは、請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の光学制御素子を用いた光学制御素子アレイであって、一つの前記光学制御素子が画素を成し、複数の該光学制御素子が1次元又は2次元状に配列されたことを特徴とする。
この光学制御素子アレイでは、同心円状に配置した複数のリング状薄膜が1画素単位で変位し、画素単位で一つの梁或いは数本の梁が変位する従来構造に比べて形成画像の解像度が高められる。
本発明に係る光学制御素子によれば、同心円状に配置したリング状薄膜に直径方向で固着される可撓梁、若しくは、同心円状に配置したリング状薄膜の直径方向に平行して並列されると共にリング状薄膜にそれぞれ固着される複数の可撓梁と、可撓梁の長手方向中央部を同心円の中心軸方向に変位させる駆動部とを具備したので、同心円状に配置した複数のリング状薄膜が、可撓梁を介して一つの駆動部で駆動できるので、アクチュエータの数、スペースに無駄が無く、効率的且つ高品質な光学制御素子を得ることができる。
本発明に係る光学制御素子アレイによれば、請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の光学制御素子を用いた光学制御素子アレイであって、一つの光学制御素子が画素を成し、この光学制御素子が1次元又は2次元状に配列されているので、同心円状に配置した複数のリング状薄膜が1画素単位で変位することになり、画素単位で一つの梁或いは数本の梁が変位する従来構造に比べて形成画像の解像度を高めることができる。また、紫外から可視、赤外、それより長波の電磁波における波面制御素子、及び波面制御素子アレイの作製が可能になる。
以下、本発明に係る光学制御素子及び光学制御素子アレイの好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る本発明に係る光学制御素子の第1の実施の形態を説明する平面図、図2は図1のA−A断面図、図3は図1のB−B断面図、図4は図2に示した光学制御素子の駆動状態を表した動作説明図、図5は図3に示した光学制御素子の駆動状態を表した動作説明図である。
図1は本発明に係る本発明に係る光学制御素子の第1の実施の形態を説明する平面図、図2は図1のA−A断面図、図3は図1のB−B断面図、図4は図2に示した光学制御素子の駆動状態を表した動作説明図、図5は図3に示した光学制御素子の駆動状態を表した動作説明図である。
光学制御素子100は、固定部31と、この固定部31の円形開口33に配置した複数のリング状薄膜35と、可撓梁37と、駆動部39と、基板41とを主要な構成部材として有している。リング状薄膜35は、内側からリング状薄膜35a、35b、35c、35d、35e、35fの合計6つのものからなるが、その数はこれに限定されるものではない。また、本実施の形態において、中心のリング状薄膜35aは、円形状としたが他のものと同様にリング状であっても勿論よい。
リング状薄膜35は、光学制御素子100の反射膜として機能し、例えばアルミ薄膜等の金属薄膜からなる。なお、このリング状薄膜35には、反射率を高めるための図示しない誘電多層膜が被着されてもよい。
同心円状に配置したリング状薄膜35の下方には直径方向で可撓性を有した細長の可撓梁37が固着されている。可撓梁37は、例えばアルミ薄膜等によって形成することができる。同心円状に配置した複数のリング状薄膜35は、この可撓梁37に固着されることで、この可撓梁37を介して直径方向が一体に接続されている。複数のリング状薄膜35は、通常状態(駆動部39が可撓梁37を駆動していない状態)で、同一表面に配置される。
なお、本実施の形態において、リング状薄膜35は、円環形状であるが、この他、三角形、四角形、六角形、八角形等の多角形の環状体であってもよい。
可撓梁37の下方には駆動部39が配設され、この駆動部39は可撓梁37に固定される。駆動部39は、基板41に支持される可動膜43と、図示しない下部電極とを有している。可動膜43は、弾性を有して矩形状に形成され、長手方向中央部が可撓梁37の長手方向中央部に固着され、長手方向両端部が支持部45を介して基板41に支持されている。そして、可動膜43は、犠牲層によって形成された空隙47を隔てて基板41に対して平行に対向配置される。
このように、光学制御素子100は、リング状薄膜35からなる光機能部49と駆動部39とが結合された構造となっている。
ここで、本実施の形態では、光の正反射におけるリング状薄膜35のサイズ(一つの環状体の半径方向の幅寸法)は、光機能部49に照射される光の波長λに対してλ/10〜10λに設定される。また、隣接するリング状薄膜35a〜35fの間隔は、個々の幅より小さく設定される。このようなサイズを有することで、光の波長をλとしたとき、例えばリング状薄膜35のサイズがλ〜10λの場合には拡散、回折の光機能が得られ、リング状薄膜35のサイズがλ/2〜λの場合には回折、フォトニックバンド効果が得られ、リング状薄膜35のサイズがλ/20〜λ/2の場合には量子効果(量子光学効果)、吸収、屈折率制御等の種々の光機能が得られる。なお、本実施の形態では、光の正反射、集束、発散機能が得られる全反射ミラー、凹面鏡、凸面鏡(即ち、可変焦点ミラー)の場合を例に説明する。
駆動部39の下部電極は、空隙47を介して可動膜43に対面している。そして、可動膜43には図示しない可動電極が設けられるか、或いは金属膜からなることで可動膜43自身が電極として機能するようになっている。つまり、駆動部39は、静電気力を駆動力として用いる静電マイクロアクチュエータとなっている。静電マイクロアクチュエータ方式の駆動部39は、下部電極と可動電極とに電圧を印加することによって、可動膜43に静電気力を作用させ、可動膜43を基板41に対して変位させることで、高速応答が可能となる。
即ち、下部電極と可動電極とに電圧Vが印加されることにより、可動膜43に電荷が静電誘導される。この電荷と基板41の下部電極との間に作用する静電気力により、可動膜43は、基板41側へ吸着されて弾性変形する。一方、電圧Vの印加が解除され、静電気力による吸着力がなくなると、可動膜43は、弾性復帰力によって再び中央部が基板41から離れて、空隙47を隔てた位置に配置される。
光学制御素子100では、このような駆動部39の可動膜43による駆動により、可撓梁37の中央部が基板41に対して接近・離反方向(図2の上下方向)に移動する。この際、可撓梁37の変位量は、中央部で最大となり、端部に向かうにしたがって徐々に小さくなる。その結果、リング状薄膜35が中心側のものほど大きな変位量で移動し、凹曲面を形成するようになっている。また、駆動部39の非駆動時に、リング状薄膜35は、弾性復元力により同一平面に再配置される。
従って、通常時、リング状薄膜35の上面は同一平面に配置され、光機能部49が通常の全反射ミラーとして機能し、入射光が正反射される。一方、駆動部39が駆動されると、リング状薄膜35の上面が凹曲面となり、入射した光が集束される。つまり、通常時正反射、電圧印加時集束の素子が得られる。
このような静電マイクロアクチュエータ方式による駆動部39によれば、CMOS回路による低電圧駆動が可能であり、光学制御素子100の作製も容易であることから集積化と低コスト化が可能となる。
なお、本実施の形態では、駆動部39が平行平板型の静電マイクロアクチュエータである場合を例に説明するが、この他駆動部39は、垂直変位型の櫛歯型静電マイクロアクチュエータ(comb-drive)、圧電型アクチュエータ、電磁型アクチュエータであってもよい。
次に、上記のように構成された光学制御素子100の動作を説明する。
光学制御素子100は、通常状態(駆動部39の非駆動時)で、可動膜43が空隙47を隔てて基板41から離反した位置に配置され、その結果、図2、図3に示すように、水平な可撓梁37に接続されたリング状薄膜35は、上面が同一平面状に配置される。この状態で、光機能部49に光が照射されると、入射光は、同一平面となって反射面を構成するリング状薄膜35の表面によって正反射される。
光学制御素子100は、通常状態(駆動部39の非駆動時)で、可動膜43が空隙47を隔てて基板41から離反した位置に配置され、その結果、図2、図3に示すように、水平な可撓梁37に接続されたリング状薄膜35は、上面が同一平面状に配置される。この状態で、光機能部49に光が照射されると、入射光は、同一平面となって反射面を構成するリング状薄膜35の表面によって正反射される。
一方、下部電極と可動電極とに電圧Vが印加されると、上記の作用によって可動膜43が基板41側へ吸着されて弾性変形され、図4、図5に示すように、可撓梁37の中央部が下方へ撓み、リング状薄膜35が中央のものほど大きく下方へ変位する。この状態で、光機能部49に光が照射されると、その反射光は、凹曲面となったリング状薄膜35によって集束されることになる。
また、下部電極と可動電極とに印加される電圧Vが解除されると、可動膜43が基板41に対して空隙47を隔てた位置に弾性復帰され、可撓梁37の中央部が上側へ移動されて、リング状薄膜35が同一平面状に配置され、入射光が再び正反射されることになる。
上記の光学制御素子100によれば、能動曲面において、マイクロオーダーの分割領域やナノオーダーの分割領域が変位制御可能となり、画素単位で数本の梁を変位させる従来構造では発現が困難であった種々の光機能を発現させることができるようになる。また、同心円状に配置した複数のリング状薄膜35が、可撓梁37を介して一つの駆動部39で駆動され、アクチュエータの数、スペースに無駄が無く、効率的且つ高品質な光学制御素子が得られるようになる。
また、同心円状に配置した複数のリング状薄膜35からなる光機能部49と、駆動部39とがそれぞれ機能別に分離された構造となることにより、相互間の制約が排除され、光機能部49の品質(例えばリング状薄膜35の精度等)や、駆動部39の特性等が独立で設計可能となる(従来では、駆動部となる梁自体を光機能部としていた)。また、光機能部49の下に駆動部39を配置する構造が可能となることから、駆動部39がリング状薄膜35の下に隠され、光機能部49の有効面積が大きくなる。光機能部49の下に駆動部39を配置する構造では、リング状薄膜35が垂直に変位可能となり、リング状薄膜35同士の隙間が小さく設定可能となる。駆動部39によって駆動される可撓梁37が、複数のリング状薄膜35と一体構造物となるので、リング状薄膜35の高さの均一性が容易に確保可能となる(光機能部49の平坦性が容易に高められる)。
また、上記の光学制御素子100は、画素を単位とする素子として説明したが、複数のものを1次元又は2次元状に配列することで光学制御素子アレイを構成することができる。この光学制御素子アレイによれば、同心円状に配置した複数のリング状薄膜35が1画素単位で変位し、画素単位で一つの梁或いは数本の梁が変位する従来構造に比べて形成画像の解像度が高められる。
上記した第1の実施の形態による光学制御素子100は、構造、使用材料、製造方法において、以下のバリエーションで変更が可能となる。
即ち、下部電極及び可動膜43は、導電性を有する材料として例えば結晶Si、多結晶Si、金属(Cr、Mo、Ta、Ni等)、金属シリサイド、導電性有機材料などが好適に使用可能である。
即ち、下部電極及び可動膜43は、導電性を有する材料として例えば結晶Si、多結晶Si、金属(Cr、Mo、Ta、Ni等)、金属シリサイド、導電性有機材料などが好適に使用可能である。
また、この導電性を有する材料上には、保護用の絶緑膜(例えばSiO2、SiNx)を積層してもよい。可動膜43としては、SiO2、SiNx、BSG、金属酸化膜、ポリマー等の絶縁性の薄膜に金属などの導電性薄膜を積層したハイブリッド構造も使用可能である。
固定部31、可撓梁37は、本発明の主旨に沿うものであれば如何なる材料でもよい。例えば、これらの材料は絶縁性、導電性の何れでもよい。また、無機、有機の何れの材料であってもよい。また、固定部31、リング状薄膜35の少なくとも上面に、適宜な光機能材料、例えば、金属ミラー、多層膜ミラーを設けてもよい。
次に、本発明に係る光学制御素子の第2の実施の形態を説明する。
図6は初期状態において凸曲面となる第2の実施の形態の断面図、図7は図6に示した光学制御素子の動作説明図である。なお、図1〜図5に示した部材と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略するものとする。
この実施の形態による光学制御素子200は、リング状薄膜51の高さが中央のものほど高く設定されている。従って、図6に示す駆動部39の非駆動時に、リング状薄膜51の中央部51aが外側のものより高く配置され、凸曲面を形成する。一方、図7に示す駆動部39の駆動時には、外側より高く設定されたリング状薄膜51の中央部51aが下降され、リング状薄膜51の表面は同一平面に配置されるようになっている。
図6は初期状態において凸曲面となる第2の実施の形態の断面図、図7は図6に示した光学制御素子の動作説明図である。なお、図1〜図5に示した部材と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略するものとする。
この実施の形態による光学制御素子200は、リング状薄膜51の高さが中央のものほど高く設定されている。従って、図6に示す駆動部39の非駆動時に、リング状薄膜51の中央部51aが外側のものより高く配置され、凸曲面を形成する。一方、図7に示す駆動部39の駆動時には、外側より高く設定されたリング状薄膜51の中央部51aが下降され、リング状薄膜51の表面は同一平面に配置されるようになっている。
この光学制御素子200によれば、通常時、図6に示すように、同心円状に配置した複数のリング状薄膜51が凸曲面に配置され、光機能部53が凸面鏡として機能する。一方、駆動部39が駆動されると、図7に示すように、可撓梁37の変位が端部から中央部51aに向かって徐々に大きくなり、同心円状に配置した複数のリング状薄膜51が中心側のものほど大きく下がり、その結果、光機能部53が同一平面に配置される。つまり、通常時発散、電圧印加時正反射の素子が得られる。
なお、上記した各実施の形態による光学制御素子100、200によれば、一つの駆動部39によって細分化した複数の分割領域(同心円状に配置した複数のリング状薄膜35、51)を駆動可能としたので、従来、複数の駆動部(アクチュエータ)を設けなければならないために困難であった、1画素のより小さな細分化が可能となる。このことにより、上記した種々の光機能の発現を可能にさせている。一方、上記構成の実現可能な範囲であれば、より多くの駆動部39を設けることにより、光機能部49、53をさらに柔軟に駆動制御することが可能となる。
例えば、図8、図9に示すように、図1のB−B方向に平行な複数(図1の場合では11個)の可撓梁37を並列させ、それぞれの可撓梁37に、駆動部39を固着した構造とする。従って、中心のリング状薄膜35a以外は、直径方向両端の二箇所がそれぞれ駆動部39、39に固着されることとなる。この場合、駆動部39の数は可撓梁37と同数の11個となるが、上記した実施の形態よりもより自在な光機能部49の制御が可能となる。
即ち、個々の駆動部39の変位量をアナログ制御することにより、外側の駆動部39より内側の駆動部39の変位量を大きくすれば、リング状薄膜35に図9に示す凹曲面を形成することができる。そして、この変位量を相対的に調整することで、凹曲面の曲率半径、即ち、焦点位置も可変させることができる。また、内側の駆動部39より外側の駆動部39の変位量を大きくすれば、リング状薄膜35に凸曲面を形成することができる。さらに、並列した駆動部39の中央部のもの35aを境に、左右の変位量を非対称とする駆動制御を行えば、焦点位置の図中左右方向の移動も実現させることができる。
35、51…リング状薄膜
37…可撓梁
39…駆動部
43…可動膜
100、200…光学制御素子
37…可撓梁
39…駆動部
43…可動膜
100、200…光学制御素子
Claims (7)
- 同心円状に配置した複数のリング状薄膜の高さを相対的に変位させて該リング状薄膜に照射される光の光学現象を制御する光学制御素子であって、
前記同心円状に配置したリング状薄膜に直径方向で固着される可撓梁と、
該可撓梁の長手方向中央部を前記同心円の中心軸方向に変位させる駆動部と
を具備したことを特徴とする光学制御素子。 - 同心円状に配置した複数のリング状薄膜の高さを相対的に変位させて該リング状薄膜に照射される光の光学現象を制御する光学制御素子であって、
前記同心円状に配置したリング状薄膜の直径方向に平行して並列されると共に前記リング状薄膜にそれぞれ固着される複数の可撓梁と、
該可撓梁の長手方向中央部を前記同心円の中心軸方向に変位させる駆動部と
を具備したことを特徴とする光学制御素子。 - 請求項1又は2記載の光学制御素子であって、
前記駆動部が可動膜を有して成り、該可動膜に前記可撓梁の長手方向中央部が固定されたことを特徴とする光学制御素子。 - 請求項1又は2記載の光学制御素子であって、
前記駆動部が静電気力を駆動力として用いる静電マイクロアクチュエータであることを特徴とする光学制御素子。 - 請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の光学制御素子であって、
前記駆動部の非駆動時に、前記同心円状に配置したリング状薄膜が平面に配置され、前記駆動部の駆動時に、前記同心円状に配置したリング状薄膜が凹曲面に配置されることを特徴とする光学制御素子。 - 請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の光学制御素子であって、
前記駆動部の非駆動時に、前記同心円状に配置したリング状薄膜が凸曲面に配置され、前記駆動部の駆動時に、前記同心円状に配置したリング状薄膜が平面に配置されることを特徴とする光学制御素子。 - 請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の光学制御素子を用いた光学制御素子アレイであって、
一つの前記光学制御素子が画素を成し、複数の該光学制御素子が1次元又は2次元状に配列されたことを特徴とする光学制御素子アレイ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003322988A JP2005091577A (ja) | 2003-09-16 | 2003-09-16 | 光学制御素子及び光学制御素子アレイ |
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JP2003322988A JP2005091577A (ja) | 2003-09-16 | 2003-09-16 | 光学制御素子及び光学制御素子アレイ |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014178675A (ja) * | 2013-02-18 | 2014-09-25 | Canon Inc | 可変形状ミラー及びその製造方法 |
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2003
- 2003-09-16 JP JP2003322988A patent/JP2005091577A/ja active Pending
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