JP6327833B2 - 眼科装置 - Google Patents

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Description

本発明は、眼底を撮像可能な眼科装置に関し、特に補償光学系を備えた眼科装置に関するものである。
近年、眼科用の撮像装置として、眼底に2次元的にレーザ光を照射し、その反射光を受光して画像化するSLO(Scanning Laser Ophthalmoscope:走査レーザ検眼鏡)が開発されている。また、眼科用の撮像装置として、低コヒーレンス光の干渉を利用したイメージング装置が開発されている。低コヒーレンス光の干渉を利用したイメージング装置は、OCT(Optical Coherence Tomography:光干渉断層装置)と呼ばれ、特に、眼底あるいはその近傍の断層像を得る目的で用いられている。OCTの種類としては、TD−OCT(Time DomainOCT:タイムドメイン法)や、SD−OCT(Spectral Domain OCT:スペクトラルドメイン法)等を含め、種々のものが開発されてきている。特に、眼科用の撮像装置は、近年において、照射レーザの高NA化等によって更なる高解像度化が進められている。
しかしながら、眼底を撮像する場合には、角膜や水晶体等の眼の光学組織を通して撮像をしなければならない。そのため、高解像度化が進むに連れて、これら角膜や水晶体により発生する収差が撮像画像の画質に大きく影響するようになってきた。
そこで、眼の収差を測定し、その収差を補正する補償光学(Adaptive Optics:AO)機能を光学系に組み込んだ、AO−SLOやAO−OCTの研究が進められている。例えば、非特許文献1に、AO−OCTの例が示されている。これらAO−SLOやAO−OCTは、一般的にはシャックハルトマン波面センサ方式によって眼の波面を測定する。シャックハルトマン波面センサ方式とは、眼に測定光を入射し、その反射光をマイクロレンズアレイを通してCCDカメラに受光することによって波面を測定するものである。測定した波面を補正するように反射型光変調素子を駆動し、それらを通して眼底の撮像を行うことにより、AO−SLOやAO−OCTは高分解能な撮像が可能となる。
反射型光変調素子には可変形状ミラーと反射型液晶素子があるが、反射型液晶素子は偏光方向があるため2個の素子が必要であり光学系が大きくなる。また、波長依存が大きいため眼底の観察でしばしば行われる多波長での観察には適していない。以上より反射型光変調素子には可変形状ミラーを用いることが望ましい。
可変形状ミラーはミラー形状を変形させることで有効径内に光軸方向の光路長差を生じさせ、波面を補正する。ここでは有効径内の2か所のミラー面の光軸方向の座標の差を変位量と呼ぶ。ミラーは反射型素子であるため、必要な最大変位量は、補正したい最大光路長の半分である。
可変形状ミラーは複数のアクチュエータにより連続したミラー面を変形させるタイプと、複数のセグメントに分割されたミラーをそれぞれ個別のアクチュエータで光軸方向に並進駆動するタイプがある。さらに複数のセグメントに分割されたミラーをそれぞれ個別のアクチュエータで光軸方向の並進動作および2軸の傾き動作が可能なタイプがある。
特許文献1には、眼底からの収差を含んだ反射光を補正する際に、少なくとも2つの反射型光変調素子を用いて補正量を増やすことが開示されている。
特許文献2には、直径12mm、最大変位量16μm、85分割の反射型光変調素子をもちいて模型眼に入射する光束の収差を補正したところ残存収差RMSを0.093μmに補正できたことが開示されている。しかし、有効径におけるミラー分割数については開示されていない。
非特許文献1には、波面補正の精度を表すストレール比と反射型光変調素子を駆動するアクチュエータ数との関係、および人眼の収差に必要なアクチュエータの変位量が示されている。
特開2005−224327号公報 特開2007−21044号公報
N.Doble et al,Applied Optics,Vol.46,No.20,10 July 2007
眼底の進行性疾患は早期発見が重要である。このため視細胞レベルまで詳細に観察できる観察装置が望まれる。視細胞には黄斑部を中心に分布する2〜5μm程度の大きさの錐体細胞と、黄斑部以外に多く分布する2μm程度の大きさの杆体細胞の2種類がある。黄斑部の中心窩では錐体細胞のサイズが2μm程度と小さい。よって眼底疾患を早期に発見するには2μm程度の分解能が必要である。
前述の通り眼科装置では、高分解能を得るために補償光学機能を組み込んだ装置が開発されているが、被検眼が有する光学収差には個人差があるため、被検眼によっては視細胞の鮮明な画像を得られない場合があるという問題があった。
特許文献1には、複数の可変形状ミラーを用いることにより、所望の補正量を得ることが開示されているが、光学系をコンパクトに構成することが難しくなる。
特許文献2には、単一の可変形状ミラーで残存収差RMSを0.093μmに補正できたことが開示されているが、この残存収差量ではストレール比を0.8以下にできず、十分な光学特性を確保できていない。
本発明は、視細胞レベルまで詳細な観察が可能な光学特性を有し、更に、光学系をコンパクトにすることが可能な眼科装置を提供するものである。
上記課題を解決するための本発明は、被検眼の画像を取得する眼科装置であって、測定光および戻り光の少なくとも一方を変調する反射型光変調素子と、前記被検眼にて発生する収差を測定する収差測定手段と、前記収差測定手段の測定結果に基づいて前記反射型光変調素子を制御して前記戻り光の波面収差を補正する制御手段とを有し、前記反射型光変調素子は、有効径が7.5mm以下である反射ミラーと、前記有効径内で前記反射ミラーに作用する61個以上の、最大変位が7.5μm以上のアクチュエータを有することを特徴とする。
本発明の眼科装置によれば、より多くの被検眼に対して2μm程度の分解能を得ることが出来るため、杆体細胞や黄斑部の中心窩の錐体細胞、視神経、末梢血流の観察を含めた眼底の詳細な観察が可能となる。特に、黄斑部の錐体細胞で異常が起こる錐体ジストロフィやスタルガルト病、杆体細胞で主に異常が起こる網膜色素変性症、視神経の委縮が起こる緑内障、末梢血流の異常が起こる糖尿病網膜症や網膜静脈分枝閉塞症、等の眼底疾患の早期発見が可能となる。
また、反射ミラーの有効径が7.5μm以下であるため、反射型光変調素子を小型化することができ、光学系もコンパクトに構成することが可能である。
本発明の実施例1における眼科装置の全体構成を説明する図である。 本発明の眼科装置に用いる反射型光変調素子の構成を示す図である。 本発明の眼科装置に用いる反射型光変調素子のアクチュエータ配置を示す図である。 図2の反射型光変調素子のアクチュエータの構造を示す斜視図である。 (a)図4のアクチュエータの上面図である。(b)図4のアクチュエータの断面図である。 図4のアクチュエータの駆動状態を示す断面図である。 本発明の実施例2における眼科装置の全体構成を説明する図である。
反射型光変調素子は、反射ミラーと反射ミラー面内方向に配置された複数のアクチュエータにより構成され、各アクチュエータが特定の反射ミラー領域に作用することにより、反射ミラーが光軸方向に変形する。所望の形状を再現するためには、アクチュエータ数とアクチュエータのストローク量をともに大きくすることが必要である。これはZernikeモードの空間周波数が高次ほど大きくなるため、これに対応してアクチュエータ数を大きくする必要があるためである。
眼底を観察する際の分解能は、眼底上のビームスポット径ω1と同等と考えた場合、入射ビーム径ω0と波長λと眼の焦点距離fを用いて下記式であらわされる。
ω1=ω0・f/{π・(ω0/2)2/λ}
人眼の焦点距離fは約17mm、入射可能な最大ビーム径ω0は約7mmであるから、視細胞を観察可能とするスポット径ω1=2μmを実現するために必要な波長は約650nm以下となる。実際には眼底上のスポット径が解像できる限界ではなく、コントラスト大きい像であれば例えばスポット径ω1=3μmでも2μmの対象物を判別できる。この場合、必要な波長は約970nm以下である。
以上は収差の無い光学系での試算だが、実際の光学系ではさらに眼球内等を光が通ることによる波面のゆがみを補正する必要がある。また、波面補正後のビームスポットのストレール比は0.8が回折限界とされ、これ以下では所望の分解能が得られないとされている。ストレール比Sと残収差のRMS値Wとの関係は下記式であらわされる。
W=(1−S)1/2 ×λ/2π
したがってストレール0.8以上は、波長650nmでRMSが0.046μm以下、波長970nmでRMSが0.068μm以下に相当する。しかしながら、従来、眼科装置に適した有効径サイズでこのような性能を満足する反射型光変調素子は無かった。
この課題を解決するために本発明は、波面収差に用いる反射型光変調素子が、連続する反射面を有する可変形状ミラーであって、有効光学系内のアクチュエータ数が61個以上、ストローク長7.5μm以上、有効径7.5mm以下であることを特徴とする。この反射型光変調素子によれば、波面補正後のストレール比を0.8以上とでき、設計した所望の分解能を発揮することが可能となる。また、光学系も小型化可能となる。
眼科装置は、観察部位や観察方法により異なる波長の光が用いられる。眼底部の観察には水の吸収の影響が小さい850nm帯(850nm±50nm)がよく用いられる。非特許文献1の第8頁の記載に基づけば、瞳に入射するビーム径7.5mmの光学系でストレール比を0.8以上にするためには、波長850nmの場合、ミラーの有効径を径方向に9分割以上(アクチュエータ数で61個以上)する必要がある。より高分解能を得るためには波長を短くするが、可視光領域に入ると観察光の影響で被検者の視点が動きやすくなるため、波長750nm程度までが好ましく、この場合の必要な分割数は10分割以上(アクチュエータ数で80個以上)である。本発明では、850nm帯以下、即ち最大900nm以下の波長の光を用いて観察を行うものとする。
反射型光変調素子として、連続したミラー面を変形させるタイプの可変形状ミラーについて、有効径内の具体的なアクチュエータ数を考える。ここでは2次元平面内でアクチュエータを配置する場合、代表的には図3に示すような三角格子および正方格子の配置が考えられる。径方向に9分割する場合、アクチュエータの数は三角格子の配置で図3(a)に示すように61個、正方格子の配置で図3(d)に示すように69個である。径方向に10分割する場合、アクチュエータの数は三角格子の配置で図3(b)に示すように85個、正方格子の配置で図3(e)に示すように80個である。径方向に11分割する場合、アクチュエータの数は三角格子の配置で図3(c)に示すように109個、正方格子の配置で図3(f)に示すように97個である。
並進駆動のみのセグメントミラーの場合、同じ解像度を得るためには連続したミラー面を変形させるタイプと比べて20倍程度の分割数が必要なことが分かっている。一方、並進駆動および2軸の傾き動作が可能なセグメントミラーの場合、本質的に連続したミラー面を変形させるタイプと同じであり、同じ分割数で同等の解像度を得ることが出来る。本発明では、並進駆動および2軸の傾き動作が可能なセグメントミラーのみ、連続する反射面を有する可変形状ミラーに含めるものとする。
また、非特許文献1の第7頁の記載に基づけば、ほとんどの被検眼の波面収差を補正できる最大光路長差は15μm以下である。本発明の可変形状ミラーはストローク長7.5μm以上であることを特徴とする。可変形状ミラーは反射型であるため、これにより光路長差15μmの収差を補正することが可能である。
さらに、本発明の反射型光変調素子の有効径は7.5mm以下であることを特徴とする。従来技術で示されたアクチュエータ構造の場合、上記のような高アクチュエータ数、大ストローク長の反射型光変調素子を作製する場合、アクチュエータの高密度集積が困難であるため反射型光変調素子の有効径が瞳への入射ビーム径に比べて大きくなる。反射型光変調素子の有効径とは、可変形状ミラーにおけるビームを反射する有効領域の径のことであり、瞳に入射するビーム径とは別に設定可能である。眼科装置の光学系は、後述するように、各瞳共役位置(波面センサ、反射型光変調素子、スキャナ、眼の瞳)の間を望遠鏡光学系で繋いだ構成になっている。この際、各望遠鏡光学系が等倍であると収差を低減し易い。これは、偏心した各球面ミラーで出た非点収差を2枚のミラーを異なる方向に偏心させて補正する際の補正残渣を小さくできるためである。標準的な人の瞳孔径が7mm以下であることを考慮すれば、各望遠鏡光学系を等倍で構成した場合、瞳に入射可能な最大ビーム径は7mm程度、反射型光変調素子の有効径は組み立て誤差を含めても最大7.5mm以下で十分である。しかし、従来は、このような小型の反射型光変調素子を製作することは困難であった。そのため、従来の反射型光変調素子において、所望の収差補正能力を持たせようとすると有効径は10mm以上のより大きなものとなり、望遠鏡光学系の少なくとも一部を拡大光学系で構成せざるを得なかった。その結果、反射型光変調素子と、反射型光変調素子に隣接する球面ミラーとの間の光路長が大きくなるため、光学系が大きくなり、光学系の小型化は困難であった。また、偏心した各球面ミラーで出た非点収差を十分に除去することができず、波面収差の残渣を小さくすることができなかった。
本発明では、以下に示すアクチュエータ構造により、上述した高アクチュエータ数、大ストローク長、小有効径の可変形状ミラーを提供することが可能である。
上記記載の仕様を実現するための、本発明の反射型光変調素子である可変形状ミラーを説明する。アクチュエータの好ましい構造は、基板上にフォトリソグラフィーを用いた微細加工技術により形成したアクチュエータを2次元配置した構造である。高密度で高ストロークのアクチュエータとしては、可動櫛歯および固定櫛歯が空隙を介して噛み合わされた櫛歯アクチュエータ構造を用いることが出来る。可動櫛歯が光路方向に変位できるように弾性体で支持し、可動櫛歯と固定櫛歯との間に力を作用させることにより可動櫛歯が固定櫛歯に対して変位する。平行平板の静電アクチュエータが、ある印加電圧以上で可動電極が固定電極に引き込まれてコラプスするため、ストロークを大きくできないのに対し、櫛歯アクチュエータ構造は櫛歯面方向に移動するためストローク量を大きくことが可能である。櫛歯間に作用させる力は、静電力や電磁力を用いることが出来る。アクチュエータは反射ミラーの反射面とは反対側の面に作用部を介して接続される。
以下、本発明の実施の形態について図を参照しながら説明する。ただし、本発明は図示例のものに限定されるものではない。
本発明の眼科装置の実施例1としてSLO装置について説明する。本実施例では、被検眼の光学収差を反射型光変調素子を用いて補正して平面画像を取得し、被検眼の視度や光学収差によらず良好な平面画像が得られるようにされている。
図1を用いて、まず、本実施例におけるSLO装置100の概略構成について、具体的に説明する。光源101から出射した光は光カプラー131によって参照光105と測定光106とに分割される。測定光106は、シングルモードファイバー130−4、反射型光変調素子159、XYスキャナ119、球面ミラー160−1〜3,6〜9等を介して、観察対象である被検眼107に導かれる。測定光106は被検眼107によって反射あるいは散乱された戻り光108となり、ディテクター138に入射される。ディテクター138は戻り光108の光強度を電圧に変換し、その信号を用いて、被検眼107の平面画像が構成される。本実施例では、光学系の全体を主に球面ミラーを用いた反射光学系を用いて構成しているが、球面ミラーの代わりにレンズを用いた屈折光学系によっても構成することもできる。
つぎに、光源101の周辺について説明する。光源101は代表的な低コヒーレント光源であるSLD(Super Luminescent Diode)である。波長は830nm、半値全幅(FWHM)50nmである。ここでは、スペックルノイズの少ない平面画像を取得するために、低コヒーレント光源を選択している。また、光源の種類は、ここではSLDを選択したが、低コヒーレント光が出射できればよく、ASE(Amplified Spontaneous Emission)等も用いることができる。
また、波長は眼を測定することを鑑みると、近赤外光が適する。さらに波長は、得られる平面画像の横方向の分解能に影響するため、なるべく短波長であることが望ましく、ここでは830nmとする。観察対象の測定部位によっては、他の波長を選んでも良い。
光源101から出射された光は、シングルモードファイバー130−1と光カプラー131とを介して、参照光105と測定光106とに、96:4の割合で分割される。153は偏光コントローラである。
次に、参照光105の光路について説明する。光カプラー131によって分割された参照光105は光ファイバー130−2を介して、光量測定装置164に入射される。光量測定装置164は参照光の105の光量を測定し、測定光105の光量モニターとして用いられる。
つぎに、測定光106の光路について説明する。光カプラー131によって分割された測定光106は、シングルモードファイバー130−4を介して、レンズ135−4に導かれ、ビーム径7mmの平行光になるよう調整される。測定光106は、ビームスプリッタ158を通過し、球面ミラー160−1〜2にて反射され、反射型光変調素子159に入射される。ここで、反射型光変調素子159は、制御手段であるパソコン125からドライバ部181内の駆動ドライバ184を介して制御される。
次に、測定光106は、反射型光変調素子159にて変調され、球面ミラー160−3、6にて反射され、XYスキャナ119のミラーに入射される。ここでは、簡単のため、XYスキャナ119は一つのミラーとして記したが、実際にはXスキャナとYスキャナとの2枚のミラーが近接して配置され、網膜127上を光軸に垂直な方向にラスタースキャンするものである。また、測定光106の中心はXYスキャナ119のミラーの回転中心と一致するように調整されている。
ここで、Xスキャナは測定光106を紙面に平行な方向に走査するスキャナであり、ここでは共振型スキャナを用いている。駆動周波数は約7.9kHzである。また、Yスキャナは測定光106を紙面に垂直な方向に走査するスキャナであり、ここではガルバノスキャナを用いている。駆動波形はのこぎり波、周波数は64Hz、デューティ比は16%である。XYスキャナ119はパソコン125からドライバ部181内の光スキャナ駆動ドライバ182を介して制御される。
球面ミラー160−7〜9は網膜127を走査するための光学系であり、測定光106を角膜126の付近を支点として、網膜127をスキャンする役割がある。
また、117は電動ステージであり、矢印で図示している方向に移動することができ、付随する球面ミラー160−8の位置を、調整することができる。
ここで、電動ステージ117はパソコン125からドライバ部181内の電動ステージ駆動ドライバ183を介して制御される。球面ミラー160−8の位置を調整することで、被検眼107の網膜127の所定の層に測定光106を合焦し、観察することが可能になる。また、このような構成によれば、被検眼107が屈折異常を有している場合にも対応できる。
測定光106は被検眼107に入射すると、網膜127からの反射や散乱により戻り光108となり、再び光カプラー131に導かれ、シングルモードファイバー130−3を介して、ディテクター138に到達する。ディテクター138は例えば高速・高感度な光センサであるAPD(Avalanche Photo Diode)やPMT(Photomultiplier Tube)が用いられる。
ビームスプリッタ158にて分割される戻り光108の一部は、シャックハルトマン方式の波面センサ155に入射され、被検眼107で発生する戻り光108の収差が測定される。波面センサ155はパソコン125に電気的に接続されている。制御手段であるパソコン125は、波面センサ155の出力に基づいて反射型光変調素子159の駆動量を算出し、駆動ドライバ184を介して反射型光変調素子159へ駆動信号を供給して、アクチュエータを変位させる。そして、反射型光変調素子159の反射ミラーの変位量を制御する。
ここで、角膜126とXYスキャナ119と波面センサ155と反射型光変調素子159とは光学的に共役になるよう、球面ミラー160−1〜3,6〜9等が配置されている。
そのため、波面センサ155は被検眼107の収差を測定することが可能になっている。また、反射型光変調素子159は被検眼107の収差を補正することが可能になっている。
さらに、波面センサの測定結果により得られた収差に基づいて、反射型光変調素子159をリアルタイムに制御することで、被検眼107で発生する収差を補正し、より横方向の分解能の高い平面画像の取得を可能にしている。尚、本実施例では、測定光106と戻り光108の共有光路中に反射型光変調素子を配置しているため、反射型光変調素子159は測定光106と戻り光108の両方を変調している。測定光106の収差補正は眼底に照射スポットを絞るためであり、戻り光108の収差補正は眼底からの散乱光をディテクターに結像させるためである。この場合、光路が同一のため収差補正量は測定光106と戻り光108では同一となる。尚、測定光106或いは戻り光108のいずれか一方を変調して、戻り光108の波面収差を補正するように構成しても良い。測定光106を変調する場合は、被検眼107で反射された際に収差が相殺されるように、波面センサで得られた収差とは逆の収差をあらかじめ測定光に与えて、戻り光108の波面収差を補正する。戻り光108を変調する場合は、波面センサで得られた収差に基づいて被検眼107での収差を補正し、戻り光108の波面収差を補正する。ここでは、160−8は球面ミラーであるが、被検眼107の収差(屈折異常)によっては、球面ミラー160−8の代わりにシリンドリカルミラーを用いてもよい。また、新たなレンズを測定光106の光路に追加してもよい。尚、本実施例の光学系は等倍光学系で構成されている。
本実施例では、測定光106を用いて、波面センサ155を用いた収差の測定を行っているが、収差の測定のために専用の光源を用いてもよい。また、収差の測定のために他の光路を構成してもよい。例えば、球面ミラー160−9と角膜126の間から、ビームスプリッタを用いて、収差の測定のための光を入射することができる。
反射型光変調素子159について説明する。反射型光変調素子159はミラー形状を変形させることにより有効径内に光軸方向の光路長差を生じさせる可変形状ミラーを用いる。図2を用いて、本実施例に用いる可変形状ミラー201を説明する。図2(a)は有効径内のアクチュエータ配置を示す図である。図2(b)は可変形状ミラーの断面図である。個々のアクチュエータ202で発生した駆動力は、それぞれの作用部210を介してミラー部203に作用し、ミラー部203を変位させる。アクチュエータの数は61個である。中心部のアクチュエータは6つのアクチュエータと隣接し、三角格子を形成する。可変形状ミラーの有効径は7.5mm、隣接するアクチュエータ間の間隔は860μm、最大変位量は10μmである。
本実施例の可変形状ミラーは、櫛歯電極を用いた静電駆動型である。図4および図5は実施例に用いる可変形状ミラー201のアクチュエータ構造を説明する図である。本実施例ではミラー部203(反射面を有する反射ミラー)が作用部210を介してアクチュエータ202に接続される。アクチュエータ202が駆動すると作用部210に力が加わり、ミラー部203が変位する。図5(a)はアクチュエータ202の上面図を示す。図5(a)では紙面横方向をx方向、紙面縦方向をy方向、紙面鉛直方向をz方向とする。図で示されているxy面は基板に平行な面である。アクチュエータ202は、可動櫛歯電極601、固定櫛歯電極602、可動部603、ばね604、支持部605(605a、605b)、作用部210によって構成される。可動部603は、ばね604に連結されており、可動櫛歯電極601及び作用部210と接続している。ばね604の一端は支持部605aに固定されている。本実施例では可動部603の形状は四角柱とし、4面ある側壁の内、xz面に平行な2面に可動櫛歯電極601が配置され、yz面に平行な2面にはそれぞれ前記一端が支持部605bに固定されているばね604が連結されている。また上面には可動部603の変位をミラー部203に伝達するための作用部210を有している。可動櫛歯電極601は、その一端が可動部603のxz面に平行な側壁で支持され、y方向(反射ミラーの反射面に平行な方向)に片持ち梁状(カンチレバー状)に延出しており、固定櫛歯電極602は、その一端が支持部605bのxz面に平行な側壁で支持され、y方向に片持ち梁状に延出している。可動部および支持部の側壁が対向しているため、可動櫛歯電極601と固定櫛歯電極602はお互いに向き合うように配置され、かつそれぞれの櫛歯が交互に並ぶように配置されている。可動櫛歯電極601の側面と固定櫛歯電極602の側面はz方向(反射ミラーの反射面の法線方向)の高さが異なっており、お互いに重なり合わない部分が存在する。図5(b)は可変形状ミラー201の断面図を示しており、本実施例における可動櫛歯電極601と固定櫛歯電極602の位置関係を示している。それぞれの位置関係は、固定櫛歯電極602に対して可動櫛歯電極601が上部に位置するように配置する。図示の都合上簡略化しているが、本実施例の櫛歯電極の本数は、1アクチュエータにつき可動櫛歯電極が40本、固定櫛歯電極が42本であり、櫛歯電極間のギャップ数は80箇所である。可動櫛歯電極601および固定櫛歯電極602はどちらも厚さ200μmであり、長さは200μmである。ばね604は可動部603のyz面に平行な側壁よりx方向に伸びており、支持部605aのyz面に平行な側壁に固定されている。本実施例でのばね603の寸法は、厚さ5μm、x方向長さ500μm、y方向幅300μmで形成する。固定櫛歯電極602とばね604はそれぞれ支持部605bと605aにより固定されている。可動櫛歯電極601と、固定櫛歯電極602にはそれぞれ異なる電圧を印加するため、絶縁用溝606により可動櫛歯電極601に属する支持部605aと、固定櫛歯電極602に属する支持部605bを電気的に分離している。分離した支持部605にそれぞれ配線を配置し電圧制御回路607に接続する。
ミラー部203は、アクチュエータ202を覆うように配置されており、作用部210を介してアクチュエータ202と連結している。上記構造で可動櫛歯電極601と固定櫛歯電極602との間に電圧を印加することにより、作用部210を光軸方向であるz方向に変位させることが可能である。
上記可変形状ミラーは、フォトリソグラフィーを用いた微細加工技術(MEMS技術)により作製した。作製された可変形状ミラーを搭載するチップのサイズは、2cm×2cm×0.5cm(XYZ寸法)であった。
図6は複数のアクチュエータ202が連結された図である。ミラー部203は、反射領域において連続した反射面を形成するように、複数のアクチュエータ202を覆うように配置される。ミラー部203は、連続した各アクチュエータ202を個別に駆動することによりミラー部203を所望の形状にすることが出来る。
以上のアクチュエータ構造により、アクチュエータを高密度、高ストロークで形成することが可能である。
つぎに、測定系の構成について説明する。SLO装置100は、網膜127からの戻り光108の強度から構成される平面画像(SLO像)を取得することができる。網膜127にて反射や散乱されたレーザ光である戻り光108は、球面ミラー160−1〜3,6〜9、反射型光変調素子159、光カプラー131等を介してディテクター138に入射され、光の強度が電圧に変換される。ディテクター138で得られた電圧信号は、パソコン125内のADボード176にてデジタル値に変換され、パソコン125にてXYスキャナ119の動作や駆動周波数と同期したデータ処理が行われ、平面画像が形成される。ここで、ADボード176の取り込み速度は15MHzである。また、ビームスプリッタ158にて分割される戻り光108の一部は、波面センサ155に入射され、戻り光108の収差が測定される。波面センサ155はシャックハルトマン方式の波面センサである。得られた収差はZernike多項式を用いて表現され、これは被検眼107の収差を示している。Zernike多項式は、チルト(傾き)の項、デフォーカス(defocus)の項、アスティグマ(非点収差)の項、コマの項、トリフォイルの項等からなる。
つぎに、平面画像(SLO像)の取得方法について説明する。SLO装置100は、XYスキャナ119を制御し、ディテクター138で戻り光108の強度を取得することで、網膜127の平面画像を取得することができる。測定光106は角膜126を通して、網膜127に入射すると様々な位置における反射や散乱により戻り光108となり、ディテクター138に到達する。さらに、XYスキャナ109をX方向に駆動しながら、戻り光108の強度を検知すれば、各X軸の位置毎の情報を得ることができる。さらに、XYスキャナ109のX軸とY軸とを同時に駆動し、網膜127のある撮像範囲に対して、測定光106をラスタースキャンしながら戻り光108の強度を検知すれば、戻り光108の強度の2次元分布(平面画像)が得られる。
本発明の眼科装置の実施例2として、SLO装置とOCT装置との複合装置について説明する。本実施例では、被検眼の光学収差を、反射型光変調素子を用いて補正し、平面画像を取得するSLO装置と、断層画像を取得するフーリエドメイン方式のOCT装置とが複合されている。
先ず、図7を用いて、本実施例における複合装置109の概略構成について、具体的に説明する。図7には図1の実施例1と同じ構成には同一の符号が付されているので、共通する部分の説明は省略する。光源101から出射した光は光カプラー131によって参光105と測定光106とに分割される。測定光106は、シングルモードファイバー130−4、反射型光変調素子159、XYスキャナ119、Xスキャナ121、球面ミラー160−1〜9等を介して、観察対象である被検眼107に導かれる。被検眼107によって反射あるいは散乱された戻り光108となり、ディテクター138あるいはラインカメラ139に入射される。ディテクター138は戻り光108の光強度を電圧に変換し、その信号を用いて、被検眼107の平面画像が構成される。また、ラインカメラ139には参照光105と戻り光108とが合波(干渉)されて入射され、被検眼107の断層画像が構成される。光源101に関しては、実施例1と同様のため説明を省略する。低コヒーレント光源であるSLDは断層画像の撮像にも適する。
反射型光変調素子159はミラー形状を変形させることにより有効径内に光軸方向の光路長差を生じさせる、図2乃至図6に示されたアクチュエータ構造を有する反射型光変調素子を用いる。本実施例の反射型光変調素子は図2と同様に個々のアクチュエータ202で発生した駆動力を、それぞれの作用部210を介してミラー部203に作用し、ミラー部203を変位させる。本実施例は図3(e)に示すアクチュエータ配置を有し、アクチュエータの数は80個である。中心部のアクチュエータは4つのアクチュエータと隣接し、正方格子を形成する。反射型光変調素子の有効径は7mm、隣接するアクチュエータ間の間隔は820μm、最大変位量は8μmである。
つぎに、参照光105の光路について説明する。光カプラー131にて分割された参照光105はシングルモードファイバー130−2を通して、レンズ135−1に導かれ、ビーム径7mmの平行光になるよう、調整される。次に、参照光105は、ミラー157−1〜4によって、参照ミラーであるミラー114に導かれる。参照光105の光路長は、測定光106の光路長と略同一に調整されているため、参照光105と測定光106とを干渉させることができる。次に、ミラー114にて反射され、再び光カプラー131に導かれる。ここで、参照光105が通過した分散補償用ガラス115は被検眼107に測定光106が往復した時の光学的な分散の影響を、参照光105に対して補償するものである。
ここでは、日本人の平均的な眼球の直径として代表的な値を想定し、L1=23mmとする。さらに、117−1は電動ステージであり、矢印で図示している方向に移動することができ、参照光105の光路長を、調整・制御することができる。
また、電動ステージ117−1はパソコン125からドライバ部181内の電動ステージ駆動ドライバ183を介して制御される。
つぎに、測定光106の光路について説明する。尚、本実施例の光学系は等倍光学系で構成されている。光カプラー131によって分割された測定光106はシングルモードファイバー130−4を介して、レンズ135−4に導かれ、ビーム径7mmの平行光になるよう調整される。また、偏光コントローラ153−1又は2は、測定光106の偏光状態を調整することができる。ここでは、測定光106の偏光状態は紙面に平行な方向の直線偏光に調整されている。測定光106は、ビームスプリッタ158、可動式ビームスプリッタ161を通過し、球面ミラー160−1、160−2を介し、反射型光変調素子159にて入射・変調される。さらに、測定光106は偏光板173を通過し、球面ミラー160−3、160−4を介し、Xスキャナ121のミラーに入射される。ここで、偏光板173は戻り光108のうち紙面に平行な方向の直線偏光のみを反射型光変調素子159に導く役割がある。また、ここで、Xスキャナ121は測定光106を紙面に平行な方向に走査するXスキャナであり、ここでは共振型スキャナを用いている。駆動周波数は約7.9kHzである。さらに、測定光106は球面ミラー160−5〜6を介し、XYスキャナ119のミラーに入射される。ここで、XYスキャナ119は一つのミラーとして記したが、実際にはXスキャン用ミラーとYスキャン用ミラーとの2枚のミラーが近接して配置されるものである。また、測定光106の中心はXYスキャナ119のミラーの回転中心と一致するように調整されている。XYスキャナ119の駆動周波数は500Hz以下の範囲で可変できる。球面ミラー160−7〜9は網膜127を走査するための光学系であり、測定光106を角膜126の付近を支点として、網膜127をスキャンする役割がある。また、117−2は電動ステージであり、矢印で図示している方向に移動することができ、付随する球面ミラーである球面ミラー160−8の位置を、調整・制御することができる。電動ステージ117−2は電動ステージ117−1と同様に、電動ステージ駆動ドライバ183によって制御される。球面ミラー160−8の位置を調整することで、被検眼107の網膜127の所定の層に測定光106を合焦し、観察することが可能になる。初期状態では、測定光106は平行光の状態で、角膜126に入射するように、球面ミラー160−8の位置が調整されている。また、被検眼107が屈折異常を有している場合にも対応できる。測定光106は被検眼107に入射すると、網膜127からの反射や散乱により戻り光108となり、再び光カプラー131に導かれ、ラインカメラ139に到達する。また、戻り光108の一部は可動式ビームスプリッタ161で反射され、レンズ135−5を介して、ディテクター138に導かれる。ここで、172はピンホールを有する遮光板であり、戻り光108の内、網膜127に合焦していない不要な光を遮断する役割がある。また、遮光板172はレンズ135−5の合焦位置に共役に配置される。また、遮光板172のピンホールの直径は例えば50μmである。ディテクター138は例えば高速・高感度な光センサであるAPD(Avalanche Photo Diode)が用いられる。また、ビームスプリッタ158にて分割される戻り光108の一部は、波面センサ155に入射される。波面センサ155はシャックハルトマン方式の波面センサである。ここで、XYスキャナ119、Xスキャナ121、角膜126、波面センサ155、反射型光変調素子159は光学的に共役になるよう、球面ミラー160−1〜9が配置されている。そのため、波面センサ155は被検眼107の収差を測定することが可能になっている。また、反射型光変調素子159は被検眼107の収差を補正することが可能になっている。さらに、得られた収差に基づいて、反射型光変調素子159の反射ミラーの変位量をリアルタイムに制御することで、被検眼107で発生する収差を補正し、より横方向分解能の高い断層画像の取得を可能にしている。
つぎに、測定系の構成について説明する。複合装置109は、断層画像(OCT像)及び平面画像(SLO像)を取得することができる。
まず、断層画像の測定系について説明する。戻り光108は光カプラー131によって参照光105と合波(干渉)される。合波(干渉)された光142は、シングルモードファイバー130−3、レンズ135−2を介して、透過型グレーティング141に導かれ、波長毎に分光され、レンズ135−3を介してラインカメラ139に入射される。ラインカメラ139は位置(波長)毎に光強度を電圧に変換し、その電圧信号はフレームグラバー140にてデジタル値に変換されて、パソコン125にて、被検眼107の断層画像が構成される。ここでは、ラインカメラ139は1024画素を有し、合波(干渉)された光142の波長毎(1024分割)の強度を得ることができる。
つぎに、平面画像の測定系について説明する。戻り光108の一部は、可動式ビームスプリッタ161で反射される。反射された光は遮光板172によって不要な光が遮断された後、ディテクター138に到達し、光の強度が電気信号に変換される。得られた電気信号に対して、パソコン125にてXスキャナ121とXYスキャナ119との走査信号と同期したデータ処理が行われ、平面画像が形成される。ビームスプリッタ158にて分割される戻り光108の一部は、波面センサ155に入射され、戻り光108の収差が測定される。波面センサ155にて得られた画像信号は、パソコン125に取り込まれ、収差が算出される。得られた収差はZernike多項式を用いて表現され、これは被検眼107の収差を示している。Zernike多項式は、チルト(傾き)の項、デフォーカス(defocus)の項、アスティグマ(非点収差)の項、コマの項、トリフォイルの項等からなる。
つぎに、複合装置109を用いた断層画像(OCT像)の取得方法について説明する。
複合装置109は、XYスキャナ119を制御し、Xスキャナ121を固定ミラーとして用いて、ラインカメラ139で干渉縞を取得することで、網膜127の断層画像を取得することができる。戻り光108がディテクター138に導光されないように可動式ビームスプリッタ161を制御する。また、Xスキャナ121、XYスキャナ119は、パソコン125からドライバ部181内の光スキャナ駆動ドライバ182を介して制御される。ここでは、網膜127の断層画像(光軸に平行な面)の取得方法について説明する。
測定光106は角膜126を通して、網膜127に入射すると様々な位置における反射や散乱により戻り光108となり、それぞれの位置での時間遅延を伴って、ラインカメラ139に到達する。ここでは、光源101のバンド幅が広く、コヒーレンス長が短いために、参照光路の光路長と測定光路の光路長とが略等しい場合に、ラインカメラ139にて、干渉縞が検出できる。上述のように、ラインカメラ139で取得されるのは波長軸上のスペクトル領域の干渉縞となる。次に、波長軸上の情報である干渉縞を、ラインカメラ139と透過型グレーティング141との特性を考慮して、光周波数軸の干渉縞に変換する。さらに、変換された光周波数軸の干渉縞を逆フーリエ変換することで、深さ方向の情報が得られる。さらに、XYスキャナ119を駆動しながら、干渉縞を検知すれば、各X軸の位置毎に干渉縞が得られ、つまり、各X軸の位置毎の深さ方向の情報を得ることができる。
結果として、XZ面での戻り光108の強度の2次元分布(断層画像)を得ることができる。
つぎに、複合装置109を用いた平面画像(SLO像)の取得方法について説明する。
複合装置109は、XYスキャナ119のY軸方向のみとXスキャナ121とを動作・制御し、XYスキャナ119のX軸方向を固定し、ディテクター138で戻り光108の強度を取得することで、網膜127の平面画像を取得することができる。この際、参照光105の戻り光が光カプラー131に戻らないように光路を、不図示の遮蔽部材の光路中への挿入により遮蔽する。Xスキャナ121とXYスキャナ119は、パソコン125からドライバ部181内の光スキャナ駆動ドライバ182を介して制御される。また、複合装置109は、波面センサ155で測定した被検眼107の収差を用いて反射型光変調素子159を制御し、被検眼107等にて生じる収差を補正しながら平面画像を取得することができる。また、反射型光変調素子159をリアルタイムに制御しながら平面画像を取得することができる。具体的な平面画像の取得方法に関しては、実施例1と同様のため説明を省略する。
100 SLO装置
101 光源
105 参照光
106 測定光
107 被検眼
108 戻り光
155 波面センサ
159 反射型光変調素子
202 アクチュエータ
203 ミラー部
210 作用部
601 可動櫛歯電極
602 固定櫛歯電極
603 可動部
605 支持部

Claims (11)

  1. 被検眼の画像を取得する眼科装置であって、
    測定光および戻り光の少なくとも一方を変調する反射型光変調素子と、前記戻り光の波面収差を測定する収差測定手段と、前記収差測定手段の測定結果に基づいて前記反射型光変調素子を制御して前記戻り光の波面収差を補正する制御手段とを有し、前記反射型光変調素子は、有効径が7.5mm以下である反射ミラーと、前記有効径内で前記反射ミラーに作用する61個以上の、最大変位が7.5μm以上のアクチュエータを有すると共に、
    前記反射型光変調素子は、前記反射ミラーに接続する可動部と、前記可動部によって支持されて前記反射ミラーの反射面に対して略平行な方向に延出する可動櫛歯電極と、前記可動部を支持する支持部と、前記支持部によって支持されて前記反射ミラーの反射面に対して略平行な方向に延出し、かつ、前記可動櫛歯電極と交互に配置される固定櫛歯電極と、前記可動櫛歯電極および前記固定櫛歯電極に電圧を印加して、前記可動櫛歯電極および前記可動部を前記反射ミラーの反射面の法線方向に変位させる電圧制御手段と、を有し、前記反射ミラーの反射面の法線方向において前記可動櫛歯電極と前記固定櫛歯電極とが重なり合わない部分を有することを特徴とする眼科装置。
  2. 前記可動櫛歯電極は、前記可動部によって片持ち梁状に支持されることにより、前記反射ミラーの反射面に対して平行な方向に延出し、前記固定櫛歯電極は、前記支持部によって片持ち梁状に支持されることにより、前記反射ミラーの反射面に対して平行な方向に延出している請求項に記載の眼科装置。
  3. 前記反射ミラーは有効径内で連続した反射面を構成していることを特徴とする請求項に記載の眼科装置。
  4. 更に、850nm帯以下の波長のレーザ光を出射する光源を有することを特徴とする請求項に記載の眼科装置。
  5. 前記収差測定手段は、シャックハルトマン方式の波面センサであることを特徴とする請求項に記載の眼科装置。
  6. 前記光源から出射されたレーザ光を測定光として被検眼に導く光学系を有し、前記光学系は等倍の望遠鏡光学系を繋ぎ合せて構成されていることを特徴とする請求項に記載の眼科装置。
  7. 前記望遠鏡光学系は、前記被検眼からの戻り光を前記波面センサに導く光学系と共有されていることを特徴とする請求項に記載の眼科装置。
  8. 前記被検眼の角膜と前記波面センサと前記反射型光変調素子は光学的に共役の位置に配置されていることを特徴とする請求項に記載の眼科装置。
  9. 前記反射型光変調素子の前記アクチュエータが80個以上であることを特徴とする請求項に記載の眼科装置。
  10. 前記眼科装置が、走査レーザ検眼鏡装置であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の眼科装置。
  11. 前記眼科装置が、光干渉断層装置と走査レーザ検眼鏡装置の複合装置であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の眼科装置。
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