JP2016110093A - 可変形状ミラー、それを備えた光学システム及び眼科装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 実装基板(第3の基板)を備えた可変形状ミラーにおいて、接合部の変形を抑制する。【解決手段】 実装基板(第3の基板)300を、射影面積が相対的に大きいミラー基板(第2の基板)200に対向して配置し、ミラー基板200と実装基板300とを、アクチュエータ基板100とミラー基板200が反射部材202の面内方向と平行な面内方向(XY方向)において重ならない領域で接合する。【選択図】 図3

Description

本発明は、可変形状ミラー、それを備えた光学システム及び眼科装置に関する。
静電引力、電磁力によって変位させるタイプの可変形状ミラーは、光を利用した様々な分野への応用が期待されている。例えば、眼底検査装置、天体望遠鏡などに入る補償光学用の波面補正デバイスとして利用することができる。
特許文献1には、櫛歯電極を用いたアクチュエータをメンブレンミラーと接合させた可変形状ミラーが開示されている。1つのアクチュエータは、複数の可動櫛歯電極と複数の固定櫛歯電極を有し、複数の可動櫛歯電極と複数の固定櫛歯電極は、間隔を隔てて面内方向に交互になるように配置されている。各アクチュエータの可動櫛歯電極を面内方向と垂直方向な方向に個別に移動させることでメンブレンミラーの形状を制御することができる。
一方、アクチュエータを備えたアクチュエータ基板は、それを駆動させるための駆動回路を備えた実装基板と、直接的に又は、別の基板などを介して間接的に張り合わせて実装される。
米国特許第6384952号公報
特許文献1のようなアクチュエータとメンブレンミラーとを接合させる接合部は、アクチュエータ基板やメンブレンミラーに比べると非常に小さい。そのため、アクチュエータ基板と実装基板とを張り合わせる際に加圧すると、特定の接合部に負荷がかかり、その接合部が変形して破損の原因となりうる。
そこで、本発明では、実装基板を備えた可変形状ミラーにおいて、上記の接合部の変形を抑制することを目的とする。
本発明は、複数のアクチュエータを備えた第1の基板と、前記複数のアクチュエータと接合部を介して接合された反射部材を備えた第2の基板と、前記複数のアクチュエータを駆動させる駆動回路を備えた第3の基板と、を有する可変形状ミラーの製造方法であって、基板を前記反射部材の面内方向と平行な面に射影したときに外周で規定される面積を射影面積とし、接合部を介して接合された、複数のアクチュエータを備えた第1の基板と反射部材を備えた第2の基板とを準備する工程と、前記複数のアクチュエータを駆動させる駆動回路を備えた第3の基板を、前記第1の基板と前記第2の基板のうち射影面積が大きい基板に対向して配置する工程と、前記第1の基板と前記第2の基板のうち射影面積が大きい基板と前記第3の基板とを、前記第1の基板と前記第2の基板が前記反射部材の面内方向と平行な面内方向において重ならない領域で接合する工程と、を有していることを特徴とする。
また、本発明の別の態様は、複数のアクチュエータを備えた第1の基板と、前記複数のアクチュエータと接合部を介して接合された反射部材を備えた第2の基板と、前記複数のアクチュエータを駆動させる駆動回路を備えた第3の基板と、を有する可変形状ミラーであって、基板を前記反射部材の面内方向と平行な面に射影したときに外周で規定される面積を射影面積とし、前記第3の基板は、前記第1の基板と前記第2の基板のうち射影面積が大きい基板に対向して、前記第1の基板と前記第2の基板のうち射影面積が大きい基板と接合されていることを特徴とする。
本発明によれば、実装基板(第3の基板)を備えた可変形状ミラーにおいて、接合部の変形を抑制することができる。
実施形態1に係る可変形状ミラーの一例を示す模式図 課題を説明するための図 実施形態1に係る実装基板とミラー基板との接合工程の一例を示す模式図 実施形態1に係る可変形状ミラーのアクチュエータ基板とアクチュエータの構成の一例を示す模式図 アクチュエータの駆動について説明するための図 実施形態1に係るアクチュエータの製造方法及びミラー基板との接合工程の一例を示す模式図 実施形態1に係る反射部材の露出工程の一例を示す模式図 実施形態2、3に係る可変形状ミラーの一例を示す模式図 実施形態2に係る実装基板とミラー基板との接合工程の一例を示す模式図 実施形態2、3に係るアクチュエータ基板とミラー基板の一例を示す模式図 実施形態4に係る可変形状ミラーの一例を示す模式図 実施形態5に係る眼科装置の一例を示す模式図
本発明に係る可変形状ミラーについて、図を用いて詳細に説明する。なお、本発明は実施形態の構成に限られない。
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係る可変形状ミラーの模式図を表している。図1(a)は、可変形状ミラーの反射部材の反射面Rが露出している側(+Z方向)から見た模式図である。図1(b)は、図1(a)のA−A’における可変形状ミラーの断面模式図である。可変形状ミラーは、複数のアクチュエータ101を備えたアクチュエータ基板(第1の基板)100と、複数のアクチュエータ101と接合部201を介して接合された反射部材202を備えたミラー基板(第2の基板)200と、を有している。さらに、可変形状ミラーは、複数のアクチュエータ101を駆動させる駆動回路を備えた実装基板(第3の基板)300を有している。
図1(c)は、アクチュエータ基板100とミラー基板200それぞれを、反射部材202の面内方向と平行な面(XY面)に射影したときにそれぞれの外周で規定される面積(以下では、射影面積という)の関係を示す図である。本実施形態では、アクチュエータ基板100の射影面積S1が、ミラー基板200の射影面積S2よりも小さい構成である。L1、L2それぞれは、アクチュエータ基板100を反射部材202の面内方向と平行な面(XY面)に射影したときの外周、ミラー基板200を反射部材202の面内方向と平行な面(XY面)に射影したときの外周を表している。
図1(b)で示すように、実装基板300は、アクチュエータ基板100とミラー基板200のうち射影面積が大きいミラー基板200に対向して配置されている。そして、実装基板300は、ミラー基板200とアクチュエータ基板100とが反射部材202の面内方向に平行な面内方向において重ならない領域Kで、ミラー基板200と接合されている。この構成による効果について以下で述べる。
図2(a)は、アクチュエータ基板100の射影面積とミラー基板200の射影面積が同じ場合に、実装基板300をミラー基板200と接合させる工程を表している。この工程では、アクチュエータ基板100と実装基板300と接合させるために、製造装置の制約から、アクチュエータ基板100に対して外力を加えることになる。なお、図2(a)では、外力の方向を矢印で表している。この場合、アクチュエータ基板100と反射部材202の間に配置された接合部201にも外力の一部が伝達される。一般的に、接合部201によるアクチュエータ101と反射部材202との接合面積(接合部201の幅)は、ミラー基板200の射影面積に対して10000分の1以上100分の1以下であり、接合部201は非常に小さい。つまり、接合部201は機械的強度が弱い。このため、外力の影響により接合部201が変形してしまう。この変形により、アクチュエータ101の駆動を反射部材202に伝達させることが不十分になったり、駆動時に破損したりする恐れがある。なお、実装基板300をアクチュエータ基板100と接合させる場合も同様に、接合部201に外力が加わり、同様の問題が生じる。
また、ミラー基板200の射影面積がアクチュエータ基板100の射影面積より大きい場合を考える。図2(b)は、実装基板300を、ミラー基板200に対して射影面積が相対的に小さいアクチュエータ基板100と接合させる工程を表している。この構成では、アクチュエータ基板100と実装基板300と接合させるために、射影面積が相対的に大きいミラー基板200を加圧することになる。このため、接合部201に外力がかかってしまい、図2(a)と同様な問題が生じる。また、アクチュエータ基板100の射影面積がミラー基板200の射影面積より大きく、実装基板300を、アクチュエータ基板100に対して射影面積が相対的に小さいミラー基板200と接合させる場合も同様の問題が生じる。
これに対して、図3(a)で示すように、本実施形態では、実装基板300をアクチュエータ基板100に対して射影面積が相対的に大きいミラー基板200と接合させている。この構成では、アクチュエータ基板100と実装基板300と接合させるために、ミラー基板200と実装基板300が直接接合される領域に外力を加えることができる。具体的には、ミラー基板200とアクチュエータ基板100とが反射部材202の面内方向に平行な面内方向において重ならない領域Kで、外力を加えることができる(矢印で示す)。このため、接合部201に外力をかけずに、ミラー基板200と実装基板300を接合することができる。よって、接合部201の変形を抑制することができる。
図1(b)で示すように、ミラー基板200は、補正する光を反射する光反射機能を有する反射部材202を有している。そして、反射部材202の2つの表面のうち紙面上側の表面が反射面Rとなる。この反射部材202は、アクチュエータ基板100を覆う構成である。また、ミラー基板200は、SOI(Silicon on Insulator)基板で構成され、ハンドル層(Si)、ボックス層(酸化シリコン)が除去されて、活性層(Si)からなる反射部材202が露出した構成である。また、反射部材202には、アクチュエータ101と接合するための接合部201が設けられている。なお、反射部材202は、ハンドル層、ボックス層が除去された領域に、金などの金属が成膜されて反射面が構成されていてもよい。また、この反射部材202はアクチュエータ101によってその形状が変化されるように薄膜で構成されている。具体的には、反射部材202の厚さは500nm以上3μm以下の範囲内である。
図1(b)で示すように、実装基板300は、ミラー基板200の反射部材202に、光が入射して反射する側に配置されている。このため、実装基板300は、反射部材202を露出させるように開口部を有している。また、実装基板300の駆動回路(不図示)は、ミラー基板200に形成された導電部材(不図示)を介して、アクチュエータ101と電気的に接続されている。具体的には、ボンディングワイヤ400によって駆動回路とアクチュエータ101とは電気的に接続される。より具体的には、第1のボンディングワイヤ401によって、アクチュエータ101とミラー基板200の導電部材とが電気的に接続されている。そして、第2のボンディングワイヤ402によって、第1のボンディングワイヤ401が電気的に接続されたミラー基板200の導電部材と実装基板300の駆動回路とが電気的に接続されている。
アクチュエータ基板100について、図4を用いて説明する。図4(a)は、アクチュエータ基板100を、ミラー基板200、実装基板300を除いて、+Z方向から見た模式図である。B−B’線の断面図が図1(b)に対応する。このアクチュエータ基板100は、複数のアクチュエータ101を有している。また、ミラー基板200の反射部材202とアクチュエータ101は接合部201を介して接合されている。それ以外に、アクチュエータ基板100は、接合領域102で接合部201を介して反射部材202と接合されている。この接合領域102はミラー基板200の反射部材202が露出された領域以外に対応して配置されることが好ましい。
図4(b)は、アクチュエータ101の+Z方向から見た図であり、図4(c)は、図4(b)のC−C’線における断面模式図である。
アクチュエータ101は、可動櫛歯電極104、固定櫛歯電極105、可動部106、バネ部107、支持部108a、108bによって構成されている。可動部106は、バネ部107の一端に連結されており、可動櫛歯電極104及び反射部材202と接続されている。バネ部107の他端は支持部108aに固定されている。可動櫛歯電極104及びバネ部107は可動部106の側壁と接続しており、反射部材202(図1(b)参照)は、可動部106の比較的広い面積をもつ上面と接合している。すなわち、可動部106の上面は、反射面R(図1(b)参照)の側と反対の側の反射部材202の裏面に接合している。バネ部107は、可動櫛歯電極104と可動部106が反射面Rの法線方向(+Z方向)に変位するのは許容するが法線方向以外の方向に変位するのを抑制する抑制手段として機能する。ここでは、抑制手段を、弾性体のバネ部107で構成しているが、可動部106の法線方向への変位は許容するが法線方向以外の方向への変位を抑制して可動部106をガイドするガイド手段などで構成することもできる。可動櫛歯電極104と電気的に繋がっている支持部108aは、固定櫛歯電極105と電気的に繋がっている支持部108bから、両者の境界部に形成された絶縁部により絶縁されている。
可動櫛歯電極104は可動部106のXZ面に平行な側壁よりY方向に伸びており、固定櫛歯電極105は支持部108bのXZ面に平行な側壁よりY方向に伸びている。すなわち、可動櫛歯電極104は、反射部材202(図1(b)参照)と距離を隔てて位置し、可動部106によって支持されて反射面に対して平行な方向に延出している。また、固定櫛歯電極105は、支持部108bによって支持されて反射面に対して平行な方向に延出し、且つ可動櫛歯電極104とギャップを隔てて交互に配置されている。可動部106及び支持部108bの側壁が対向しているため、可動櫛歯電極104と固定櫛歯電極105は互いに向き合うように配置され、且つそれぞれの櫛歯が交互に並ぶように配置されている。つまり、可動部106の可動櫛歯電極104を支持する部位と、支持部108の固定櫛歯電極105を支持する部位とは、可動櫛歯電極104の変位の際に可動櫛歯電極104と固定櫛歯電極105とがギャップを維持してすれ違えるように配置されている。また、可動櫛歯電極104と固定櫛歯電極105とは、Z方向に段差が生じるように配置されている。
次にアクチュエータ101の可動部106の駆動方法について、図5を参照して説明する。図5は可動櫛歯電極104と固定櫛歯電極105が交互に配列した部分の断面図である。それぞれ可動櫛歯電極104と固定櫛歯電極105に符号が逆の電荷を与えることで可動櫛歯電極104をZ方向に可動することができる。可動櫛歯電極104と固定櫛歯電極105に電位差を与えた時に働くZ方向の静電引力Fzは以下の式(1)で表わされる。
Figure 2016110093

ここでε:真空の誘電率、N:櫛歯電極間ギャップの数、h:可動櫛歯電極104と固定櫛歯電極105のオーバーラップ長、Vm:可動櫛歯電極104の電位、Vf:固定櫛歯電極の電位、g:櫛歯電極間ギャップ幅である。
例えば図5に示すように可動櫛歯電極104と固定櫛歯電極105を配置した場合に、可動櫛歯電極104を−Z方向に可動させるには以下の方法が挙げられる。まず図5(a)に示した電圧印加直後の状態のように、可動櫛歯電極104と固定櫛歯電極105にそれぞれ符号が逆の電荷を与えることにより静電引力が発生し、電極同士が互いに引き合う。これにより可動櫛歯電極104は固定櫛歯電極105に近づこうとするが、X方向に関しては左右概均等に静電引力を受けるので、−Z方向に変位することになる。これに伴い、可動櫛歯電極104に接続されている可動部106が変位し、可動部106と接合部201を介して接合された反射部材202の一部の領域が変位する。
続いて、図5(b)に示すようなつりあい状態となる。すなわち、バネ部107(図4(b)、(c)参照)の復元力と、可動部106を可動させた静電引力が釣り合う位置で、可動櫛歯電極104が停止する。
続いて、可動櫛歯電極104と固定櫛歯電極105との電位差を0にすると、図5(c)に示すように、電荷が与えられない状態となる。電圧開放後、バネ部107(図4(b)、(c)参照)の復元力により可動櫛歯電極104は初期位置にまで戻る。この変位後の様子を図5(d)に示す。本実施形態では静電引力による変位を記載したが、静電斥力による変位も可能である。
このようにして、各アクチュエータ101の可動部106の可動量を調節しながら、反射部材202のアクチュエータ101と接合された領域を変位させることで、反射部材202の形状を変えることができる。
可動量に関しては、静電容量値を測定することで可動量を見積もることができるので、フィードバック制御をすることが可能である。また、アクチュエータ101の駆動する環境は、真空中でもよいし、空気中でもよい。
本実施形態のアクチュエータ101の製造方法について、図6を用いて、具体的な材料や数値を用いて説明する。図6は、図4(b)に示すC−C’線に沿った断面図である。
まず、図6(a)に示すように、アクチュエータ基板100を用意する(S101)。アクチュエータ基板100は、SOI基板である。SOI基板のハンドル層(Si)110の厚みは525μmであり、ボックス層(酸化シリコン)111の厚みは1μm、活性層(Si)112の厚みは1μmである。アクチュエータ基板100は、20(縦)×20(横)mmの大きさである。
次に、図6(b)に示すように、アクチュエータ基板100の両面に絶縁層113a、113bのパターンを形成する(S102)。熱酸化による酸化シリコン(酸化シリコン)を絶縁層113a、113bとして形成した後に、レジストパターン(不図示)を形成する。レジストパターン(不図示)をマスクにして、絶縁層113a、113bをエッチングする工程である。例えば、エッチングには、フロン系ガスである四フッ化メタン(CF)、二フッ化メタン(CH)、三フッ化メタン(CHF)、などによるプラズマエッチングを利用する。これらのフロン系ガスは、単独または他のフロンガスと混合して、さらには、アルゴン(Ar)やヘリウム(He)などの不活性ガスと混合して使用され得る。
次に、図6(c)に示すように、支持部108b(図4(b)参照)と電気的にそれぞれ繋がる貫通電極114を形成する(S103)。アクチュエータ基板100の裏面にレジストパターン(不図示)を形成する。レジストパターン(不図示)をマスクにして、活性層(Si)112及びボックス層(酸化シリコン)111をエッチングし、貫通孔を形成する。さらに、電極材料となるチタン(Ti)及び金(Au)を積層成膜した後、レジストパターン(不図示)を形成する。レジストパターン(不図示)をマスクにして、金(Au)及びチタン(Ti)をエッチングする。
次に、図6(d)に示すように、櫛歯形状を形成する時のマスクを形成する(S104)。アクチュエータ基板100の表面にレジストパターン115を形成し、アクチュエータ基板100の表面の絶縁層113bをエッチングする。絶縁層113bのエッチングには、S102で例示したフロン系のガスによるプラズマエッチングを利用する。
次に、図6(e)に示すように、アクチュエータ基板100の表面から可動櫛歯電極104及び固定櫛歯電極105を形成する(S105)。S104で形成したレジストパターン115及び絶縁層113bをマスクにして、ハンドル層(Si)110をエッチングする工程である。ハンドル層(Si)110をエッチングして、所望の櫛歯形状を形成するためには、断面垂直性の高いエッチングが可能なICP−RIE(:Inductive Coupled Plasma−Reactive Ion Etching)などを用いる。ICP−RIEを用いることにより、高アスペクトで微細な櫛歯構造を形成することができる。ここで、ハンドル層110に、絶縁部となる溝も形成する。
次に、図6(f)に示すように、櫛歯の段差を形成する(S106)。固定櫛歯電極105の段差を形成するために、裏面の絶縁層(酸化シリコン)113aをマスクにして、活性層(Si)112とボックス層(酸化シリコン)111をエッチングする。さらに、固定櫛歯電極105のシリコン(Si)をエッチングする。また、可動櫛歯電極104側の段差を形成するために、表面のレジストパターン115と裏面のレジストパターン(不図示)を剥離した後に、表面の絶縁層(酸化シリコン)113bをマスクに、可動櫛歯電極104のシリコン(Si)をエッチングする。シリコン(Si)層及び絶縁層のエッチングには、S102で例示したフロン系のガスによるプラズマエッチングや、S104で例示したICP−RIEなどを利用する。ここでは、アクチュエータ基板100をエッチングすることにより固定櫛歯電極105及び可動櫛歯電極104を同時に形成する。そして、固定櫛歯電極105と可動櫛歯電極104との間に、紙面上下方向の段差を形成する。
次に、図6(g)に示すように、ボックス層(酸化シリコン)111をエッチングする(S107)。ボックス層(酸化シリコン)111のエッチングでは、0.5%フッ化水素酸(HF)によって、ボックス層(酸化シリコン)111を選択的にウェットエッチングする。ボックス層(酸化シリコン)111を選択的にエッチングするためには、フッ化水素酸のほか、フッ化アンモニウム(NHF)水溶液、フッ化水素と過酸化水素との混合液など、フッ素イオンを含む水溶液であれば可能である。
続いて、アクチュエータ基板100とミラー基板200との接合工程について図6(h)を用いて説明する。図6(h)に示すように、S107までで形成したアクチュエータ基板100とミラー基板200を接合する(S108)。ミラー基板200は、SOI基板である。SOI基板のハンドル層(Si)203の厚みは525μmであり、ボックス層(酸化シリコン)204の厚みは1μm、活性層(Si)205の厚みは1μmである。また、ミラー基板200は、32(縦)×32(横)mmの大きさである。
接合工程の前に、ミラー基板200を以下のように処理する。まず、ミラー基板200の表面に、熱酸化による酸化シリコンの絶縁層(不図示)を形成する。その後、レジストパターン(不図示)を形成することとS107で例示したウェットエッチングにより、絶縁層のパターニングを行う。次に、ミラー基板200の活性層205側に、レジストパターン(不図示)とS102で例示したフロン系のガスによるプラズマエッチングなどにより、接合部201であるポストを形成する。
アクチュエータ基板100とミラー基板200の接合は、シリコンとシリコン(Si−Si)などのフュージョン接合で可能である。フュージョン接合のメリットは、可動部106の可動方向である紙面上向き方向に対して接合の位置精度が高く、他の部材が不要なことなどが挙げられる。また、低温プロセスで接合できるバンプ接合や接着剤などによる接合も可能である。
続いて、図7を用いて、反射部材202の反射面Rを露出させる工程について説明する。まず、図7(a)に示されるように、アクチュエータ基板100を保護するためにはアクチュエータ基板100より射影面積の大きなミラー基板200の縁部でエッチング液の浸入がないように治具40でシーリングする。
次に、図7(b)に示すように、ミラー基板200のハンドル層(Si層)203とボックス層(酸化シリコン)(不図示)を選択的にエッチングする(S109)。ハンドル層(Si)203を選択的にエッチングするためには、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)や、水酸化カリウム(KOH)などの薬液であれば可能である。露出したボックス層(酸化シリコン)を選択的にエッチングするためには、S107で例示したウェットエッチングにより可能である。この工程により、反射部材202となる活性層(Si)が露出され、反射面Rが露出される。
次に、図3を参照して、実装基板300の実装方法について説明する。実装基板300は、アクチュエータ基板100の個々のアクチュエータ101の電極に給電するための駆動回路を有する基板である。実装基板300は61個の各アクチュエータ101の電極に規定電圧、ここでは100Vを独立して印加する。実装基板300は、ミラー基板200を挟んでアクチュエータ基板100と電気的に接続するため、61個のアクチュエータ101の駆動電極の数だけアクチュエータ基板100から実装基板300へ配線する必要がある。ここでは、アクチュエータ基板100とミラー基板200の電極パッド間とミラー基板200と実装基板300の電極パッド間を2段階でAuワイヤを配線することで実装基板300側からアクチュエータ基板100に給電する。ただし、配線方法は、この方法に限定するものではなくミラー基板200で貫通配線することでAuワイヤ配線数を減らすように電気的に接続してもよい。
まず、接合部201を介して接合された、複数のアクチュエータ101を備えたアクチュエータ基板100と反射部材202を備えたミラー基板200とを準備する。この準備工程は、上述したように、複数のアクチュエータ101を備えたアクチュエータ基板100と反射部材202を備えたミラー基板200を接合部201で接合させる工程を含んでいてもよい。また、この準備工程は、接合部201を介して接合された、複数のアクチュエータ101を備えたアクチュエータ基板100と反射部材202を備えたミラー基板200を購入するなどして得る工程を含んでいてもよい。
実装基板300は、反射部材202の反射面Rを露出させるために、20mmφの開口部を有している。そして、図3(a)で示すように、この開口部が反射部材202の反射面Rを露出されるように、ミラー基板200と実装基板300は、位置合わせされて接合される。なお、上述したように、ミラー基板200と実装基板300は、ミラー基板200とアクチュエータ基板100とが反射部材202の面内方向に平行な面内方向において重ならない領域Kに外力がかけられて接合される。なお、この接合には、任意の接着剤を用いることができる。実装基板300は、130(縦)×70(横)×1.6(厚み)mmの大きさのガラスエポキシ基板である。
次に、図3(b)に図示されるように、アクチュエータ基板100のアクチュエータ101に電気的に接続されているAuパッド(不図示)とミラー基板200のAuパッド(不図示)の間をボンディングワイヤ401により、ワイヤボンディングする。さらに、ミラー基板200のAuパッドと実装基板300の駆動回路に電気的に接続されているAuパッドの間をボンディングワイヤ402により、ワイヤボンディングする。このようにして実装基板300は実装され、可変形状ミラーが製造される。
(実施形態2)
図8は、本実施形態に係る可変形状ミラーの模式図である。図8(a)は、可変形状ミラーの反射部材の反射面Rが露出している側(+Z方向)からみた模式図である。図8(b)は、図8(a)のD−D’における可変形状ミラーの断面模式図である。図8(c)は、アクチュエータ基板100とミラー基板200それぞれを、反射部材202の面内方向と平行な面(XY面)に射影したときにそれぞれの外周で規定される面積(以下では、射影面積という)の関係を示す図である。本実施形態は、実施形態1と同様に、アクチュエータ基板100の射影面積S1が、ミラー基板200の射影面積S2よりも小さい構成である。L1、L2それぞれは、アクチュエータ基板100を反射部材202の面内方向と平行な面(XY面)に射影したときの外周、ミラー基板200を反射部材202の面内方向と平行な面(XY面)に射影したときの外周を表している。
図8(b)で示すように、実装基板300は、アクチュエータ基板100とミラー基板200のうち射影面積が大きいミラー基板200に対向して配置されている。そして、図9(a)で示すように、実装基板300は、ミラー基板200とアクチュエータ基板100とが反射部材202の面内方向に平行な面内方向において重ならない領域Pで、ミラー基板200と接合されている。そのため、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
本実施形態は、実施形態1とは、駆動回路とアクチュエータ101との電気的な接続構成が異なっている。以下では、実施形態1との構成上の差異について説明する。
図10(a)は、本実施形態のアクチュエータ基板100の一例を示す模式図であり、アクチュエータ基板100を、ミラー基板200、実装基板300を除いて、+Z方向から見た模式図である。図10(a)のE−E’線の断面図が図8(b)に対応する。また、図10(b)は、本実施形態のミラー基板200の一例を示す模式図であり、ミラー基板200を、アクチュエータ基板100、実装基板300を除いて、−Z方向から見た模式図である。図10(b)のF−F’線の断面図が図8(b)に対応する。
図8(b)で示すように、ミラー基板200の反射部材202とアクチュエータ101は、接合部211を介して接合されている。それ以外に、アクチュエータ基板100は、アクチュエータ101以外と接合する接合領域120(図10(a)参照)で接合部212(図10(b)参照)を介して反射部材202と接合されている。この接合領域120はミラー基板200の反射部材202が露出された領域以外に対応して配置されることが好ましい。
ミラー基板200は、アクチュエータ101と接合する接合部211と、アクチュエータ基板100の接合領域120と接合する接合部212と、導電部材220と、を有している。接合部211は導電性を有しており、導電部材220と接合部211は、ミラー基板200に形成された不図示の電気配線で電気的に接続されている。また、図8(b)で示すボンディングワイヤ400は、導電部材220と実装基板300の駆動回路とを電気的に接続している。
このため、実装基板300の駆動回路とアクチュエータ101は、ボンディングワイヤ400、導電部材220、ミラー基板200上の配線(不図示)、接合部211を介して、電気的に接続されている。各アクチュエータ101は、異なる導電部材220と電気的に接続される構成である。具体的には、図10(a)で示すように、アクチュエータ基板100は、19個のアクチュエータ101を有している。一方、図10(b)で示すように、ミラー基板200には、20個の導電部材220が形成されている。19個の導電部材220は、アクチュエータ101の可動櫛歯電極104(図4(b)参照)をアクチュエータ101ごとに駆動するための導電部材である。残りの1つ個の導電部材220は、19個のアクチュエータ101の固定櫛歯電極105(図4(b)参照)に共通して基準電位を与えるための導電部材である。
ミラー基板200の導電性を有する接合部211は、例えば、Auスタッドバンプであり、寸法は、例えば、バンプ径35μm、高さ40μmである。なお、接合部211は、Au電解メッキ法によって形成されたAuバンプでも良く、導電性のものであれば、他の材料を適用することができる。なお、この接合部211の寸法は、上述した値に限定されるものではなく、直径が小さすぎると接合強度が低下することが懸念され、大きすぎると、ミラーの形状に影響を及ぼすことが懸念される。そのために、接合部211の直径は20μm以上50μm以下が好ましく、接合部211の高さは、20μm以上50μmφ以下が好ましい。
また、本実施形態では、上述した電気的な接続構成を用いているため、実施形態1とは異なり、図8(b)のように、ミラー基板200とアクチュエータ基板100との間には、ボンディングワイヤは設けられていない。このため、図9(b)で示す実装工程の際に、アクチュエータ基板100にボンディングワイヤを接着する工程が不要となる。そのため、実装工程においても、接合部211、212へ外力をかけることがなく、接合部211、212の変形をより抑えることができる。
なお、本実施形態では、図8(c)に示すように、アクチュエータ基板100、ミラー基板200は、XY面内で矩形形状を有しているが、実施形態1のように円形であってもよい。
(実施形態3)
本実施形態では、実施形態2と異なり、アクチュエータと接合する接合部ではなく、アクチュエータ以外でアクチュエータ基板と接合する接合部で、アクチュエータの電気的接続をとる構成である。それ以外は、実施形態2と同様である。
接合領域120は、例えばAu薄膜などの金属を用いることができる。接合領域120の寸法は、例えば、40μm角で、厚さが300nmである。この寸法は、上述した値に限定されるものではない。
また、接合部212は、導電性を有し、例えば、Auスタッドバンプであり、寸法は、例えば、バンプ径35μm、高さ40μmである。また、接合部212は、Au電解メッキ法によって形成されたAuバンプでも良く、導電性のものであれば、他の材料を適用することができる。なお、この接合部212の寸法は、上述した値に限定されるものではなく、直径が小さすぎると接合強度が低下することが懸念され、大きすぎると、ミラーの形状に影響を及ぼすことが懸念される。そのために、接合部212の直径は20μm以上50μm以下が好ましく、接合部212の高さは、20μm以上50μmφ以下が好ましい。
アクチュエータ基板100の接合領域120とミラー基板200の接合部212の接合は、位置合わせを行った後に、例えば、表面活性化Au−Au接合法によって接合される。
本実施形態では、各アクチュエータ101は、異なるアクチュエータ基板100の接合領域120と、アクチュエータ基板100上に形成された配線(不図示)を介して、電気的に接続されている。そして、接合領域120は、ミラー基板200の接合部212と電気的に接続され、接合部212は導電部材220と、ミラー基板200に形成された不図示の電気配線で電気的に接続されている。また、図8(b)で示すボンディングワイヤ400は、導電部材220と実装基板300の駆動回路とを電気的に接続している。よって、駆動回路とアクチュエータ101は、ボンディングワイヤ400、導電部材220、ミラー基板200上の配線(不図示)、接合部212、接合領域120、アクチュエータ基板100上の配線(不図示)を介して、電気的に接続されている。
図10(a)で示すように、アクチュエータ101の数は19個に対し、接合領域120と接合部212は24個ある。19個のアクチュエータ101は、24個の接合領域120(及び接合部212)のうち19個の接合領域120(及び接合部212)と、1対1で接続されている。これは、アクチュエータ101の可動櫛歯電極104(図4(b)参照)をアクチュエータ101ごとに駆動するためである。また、残り5個の接合領域120うち1個の接合領域120と接合部212は、19個のアクチュエータ101の固定櫛歯電極105(図4(b)参照)に共通して基準電位を与える接合領域120と接合部212である。そして、残り4個の接合領域120と接合部212は、接合領域120と接合部212との接合部分の面内の回転対称性を考慮して形成された接合領域120と接合部212である。この4個の接合領域120と接合部212は、アクチュエータ101と電気的に接続されていない。
このような構成とすることで、ミラー基板200の反射部材202の反射面Rが露出した面と対応する領域に、配線を形成する必要がなく、配線による反射面Rの変形への影響を低減することができる。
(実施形態4)
図11(a)は本実施形態に係る可変形状ミラーの模式図である。本実施形態では、実施形態1と異なり、アクチュエータ基板100の射影面積がミラー基板200の射影面積よりも大きい構成である。これに伴い、実装基板300は、アクチュエータ基板100とミラー基板200のうち射影面積が大きいアクチュエータ基板100に対向して配置されている。そして、実装基板300は、ミラー基板200とアクチュエータ基板100とが反射部材202の面内方向に平行な面内方向において重ならない領域Tで、アクチュエータ基板100と接合されている。
この構成においても、図11(b)で示すように、ミラー基板200とアクチュエータ基板100とが反射部材202の面内方向に平行な面内方向において重ならない領域Tに外力を加えることができる(矢印で示す)。このため、接合部201を介することなく、アクチュエータ基板100と実装基板300に外力を直接加えることができる。よって、接合部201の変形を抑制することができる。
実装基板300は、複数のアクチュエータ101と接触しないように、アクチュエータ基板100と接合されている。これは、アクチュエータ101の可動量を大きくするためである。具体的には、図11(a)で示すように、複数のアクチュエータ101が配置された領域において、アクチュエータ基板100と実装基板300とは離間されている。
また、実装基板300の駆動回路(不図示)とアクチュエータ基板100のアクチュエータ101は、ボンディングワイヤ400によって電気的に接続されている。なお、アクチュエータ101の構成は、実施形態1と同じである。
(実施形態5)
実施形態1乃至4のいずれかの可変形状ミラーを、光路上で発生する光学収差(波面収差)を補償する波面補正デバイスとして用いた補償光学システムについて以下で述べる。具体的には、この補償光学システムを眼科装置の一つである走査型レーザー顕微鏡(Scanning Laser Ophthalmoscope:以下SLO装置と記述する)に適用した例を用いて説明する。SLO装置とは、光を眼底に照射し、視細胞・網膜神経線維束・血球動態等の観察を可能にする装置である。
本実施形態にかかるSLO装置の概略構成を図12に示す。光源501から出射した光は、単一モード光ファイバー502を伝播し、コリメータ503を通過して平行光線となる。平行光線は、測定光505として、光分割手段であるビームスプリッタ504を透過し、補償光学システムに導光される。光源501の波長は特に制限されるものではないが、特に眼底撮像用としては被験者の眩しさの軽減と分解能維持のために、800nm〜1500nm程度が好適に用いられる。
補償光学システムは、光分割手段であるビームスプリッタ506、波面センサ(取得ユニット)515、反射面をもつミラー部を備える可変形状ミラー(反射型光変調ユニット)508、それらに導光するための反射ミラー507−1〜4を有している。各反射ミラー507は、少なくとも被検眼511の瞳と波面センサ515、可変形状ミラー508とが光学的に共役関係になるように設置されている。
補償光学システムを通過した光は、光走査部509によって、1次元もしくは2次元に走査される。光走査部509で走査された測定光は、接眼レンズ510−1および510−2を通して被検眼511に照射される。接眼レンズ510−1および510−2の位置を調整することによって、被検眼511の視度にあわせて最適な照射を行うことが可能となる。ここでは接眼部にレンズを用いているが、球面ミラー等で構成しても良い。
被検眼511に照射された測定光は眼底(網膜)で反射もしくは散乱される。被検眼511の眼底で反射散乱された反射光は、入射した時と同様の経路を逆向きに進行し、ビームスプリッタ506によって一部が反射されて波面センサ515に入射し、光線の波面の測定に用いられる。波面センサ515には、公知のシャックハルトマンセンサを用いることができる。
ビームスプリッタ506を透過した反射散乱光は、ビームスプリッタ504によって一部が反射され、コリメータ512、光ファイバー513を通して光強度センサ514に導光されて受信される。光強度センサ514に入射した光は電気信号に変換され、画像処理手段517にて眼底画像へと加工される。
波面センサ515は制御ユニット516に接続されており、受光した光線の波面の情報を取得し、それを制御ユニット516に伝える。制御ユニット516は可変形状ミラー508に接続されており、可変形状ミラー508を、制御ユニット516から指示された形状に変形する。
制御ユニット516は、波面センサ515から取得した波面情報を基に、収差のない波面へと補正するようなミラー形状を計算する。そして、可変形状ミラー508がその形状を再現するために必要な各櫛歯電極の印加電圧差を算出して可変形状ミラー508へと送る。可変形状ミラー508は、制御ユニット516から送られる印加電圧差を実装基板の駆動回路を介して可動櫛歯電極と固定櫛歯電極との間に印加し、所定の形状になるようにミラー面を変形させる。このような波面センサ515による波面の測定と、その波面の制御ユニット516への伝達と、制御ユニット516による収差の補正の可変形状ミラー508への指示は、繰り返し処理されて常に最適な波面となるようにフィードバック制御が行われる。
本実施形態にかかる補償光学システムを用いると、可変形状ミラー508が大きく可動することができるため、広範囲にわたって収差を補償することができる。また、制御ユニット516からの指令にすばやく反応して補償することが可能となる。従って、本発明にかかる補償光学システムを用いたSLO装置は、被検眼で生じる収差を適切に補償することができるため、高分解能な撮像を得ることが可能となる。
100 アクチュエータ基板(第1の基板)
101 アクチュエータ
200 ミラー基板(第2の基板)
201、211、212 接合部
202 反射部材
300 実装基板(第3の基板)

Claims (21)

  1. 複数のアクチュエータを備えた第1の基板と、前記複数のアクチュエータと接合部を介して接合された反射部材を備えた第2の基板と、前記複数のアクチュエータを駆動させる駆動回路を備えた第3の基板とを有する可変形状ミラーの製造方法であって、
    基板を前記反射部材の面内方向と平行な面に射影したときに外周で規定される面積を射影面積とし、
    接合部を介して接合された、複数のアクチュエータを備えた第1の基板と反射部材を備えた第2の基板とを準備する工程と、
    前記複数のアクチュエータを駆動させる駆動回路を備えた第3の基板を、前記第1の基板と前記第2の基板のうち射影面積が大きい基板に対向して配置する工程と、
    前記第1の基板と前記第2の基板のうち射影面積が大きい基板と前記第3の基板とを、前記第1の基板と前記第2の基板が前記反射部材の面内方向と平行な面内方向において重ならない領域で接合する工程と、を有していることを特徴とする可変形状ミラーの製造方法。
  2. 前記接合部による前記アクチュエータと前記反射部材との接合面積は、前記第2の基板の射影面積に対して10000分の1以上100分の1以下であることを特徴とする請求項1に記載の可変形状ミラーの製造方法。
  3. 前記第1の基板と前記第2の基板のうち射影面積が大きい基板は、前記第2の基板であることを特徴とする請求項1又は2に記載の可変形状ミラーの製造方法。
  4. 前記第3の基板は、前記反射部材の反射面を露出するための開口部を有していることを特徴とする請求項3に記載の可変形状ミラーの製造方法。
  5. 前記アクチュエータと前記駆動回路を、前記第2の基板に形成された導電部材を介して、電気的に接続する工程を有することを特徴とする請求項3又は4に記載の可変形状ミラーの製造方法。
  6. 前記電気的に接続する工程は、
    前記導電部材と前記アクチュエータとを電気的に接続する第1のワイヤボンディング工程と、
    前記導電部材と前記駆動回路とを電気的に接続する第2のワイヤボンディング工程と、を有することを特徴とする請求項5に記載の可変形状ミラーの製造方法。
  7. 前記第1の基板と前記第2の基板のうち射影面積が大きい基板は、前記第1の基板であることを特徴とする請求項1又は2に記載の可変形状ミラーの製造方法。
  8. 前記第1の基板と前記第3の基板を、前記複数のアクチュエータと前記第3の基板とが接触しないように、接合する工程を有することを特徴とする請求項7に記載の可変形状ミラーの製造方法。
  9. 複数のアクチュエータを備えた第1の基板と、前記複数のアクチュエータと接合部を介して接合された反射部材を備えた第2の基板と、前記複数のアクチュエータを駆動させる駆動回路を備えた第3の基板とを有し、
    基板を前記反射部材の面内方向と平行な面に射影したときに外周で規定される面積を射影面積とし、
    前記第3の基板は、前記第1の基板と前記第2の基板のうち射影面積が大きい基板に対向して、前記第1の基板と前記第2の基板のうち射影面積が大きい基板と接合されていることを特徴とする可変形状ミラー。
  10. 前記接合部による前記アクチュエータと前記反射部材との接合面積は、前記第2の基板の射影面積に対して10000分の1以上100分の1以下であることを特徴とする請求項9に記載の可変形状ミラー。
  11. 前記第3の基板は、前記第1の基板と前記第2の基板が前記反射部材の面内方向と平行な面内方向において重ならない領域で、前記第1の基板と前記第2の基板のうち射影面積が大きい基板と接合されていることを特徴とする請求項9又は10に記載の可変形状ミラー。
  12. 前記第1の基板と前記第2の基板のうち射影面積が大きい基板は、前記第2の基板であることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載の可変形状ミラー。
  13. 前記第3の基板は、前記反射部材の反射面を露出するための開口部を有していることを特徴とする請求項12に記載の可変形状ミラー。
  14. 前記駆動回路は、前記第2の基板に形成された導電部材を介して、前記アクチュエータと電気的に接続されていることを特徴とする請求項12又は13に記載の可変形状ミラー。
  15. 第1のボンディングワイヤによって、前記導電部材と前記アクチュエータとが電気的に接続され、
    第2のボンディングワイヤによって、前記導電部材と前記駆動回路とが電気的に接続されていることを特徴とする請求項14に記載の可変形状ミラー。
  16. 前記接合部は、導電性を有し、
    前記駆動回路と前記アクチュエータは、前記第2の基板に形成された前記導電部材と、前記接合部と、ボンディングワイヤを介して、電気的に接続されていることを特徴とする請求項14に記載の可変形状ミラー。
  17. 前記第2の基板は、前記第1の基板と前記複数のアクチュエータ以外で接合する導電性を有する第1の接合部を備え、
    前記駆動回路と前記アクチュエータは、前記第2の基板に形成された前記導電部材と、前記第1の接合部と、ボンディングワイヤを介して、電気的に接続されていることを特徴とする請求項14に記載の可変形状ミラー。
  18. 前記第1の基板と前記第2の基板のうち射影面積が大きい基板は、前記第1の基板であることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載の可変形状ミラー。
  19. 前記第3の基板は、前記複数のアクチュエータと接触しないように、前記第1の基板と接合されていることを特徴とする請求項18に記載の可変形状ミラー。
  20. 入射する光の波面収差を補正する反射型光変調ユニットと、
    入射する光の波面の情報を取得する取得ユニットと、
    前記取得ユニットで取得された波面の情報に基づいて前記反射型光変調ユニットを制御する制御ユニットと、を有し、
    前記反射型光変調ユニットが請求項9乃至19のいずれか1項に記載の可変形状ミラーを有することを特徴とする光学システム。
  21. 請求項20に記載の光学システムを備え、
    前記入射する光が被検眼からの反射光であることを特徴とする眼科装置。
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