JP6308422B2 - 表示体 - Google Patents

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本発明は、絵柄により情報を表示する表示体に関するものである。
従来、硝子窓、硝子扉、透明な壁、又は、透明な間仕切り等を構成する透明基材の表面に、着色インキ等から成る透明又は不透明な着色層を、文字、図形、模様等の所望の絵柄状に形成した表示体が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。この表示体により、商品、店舗、企業、サービス等の広告や宣伝を行ったり、出入り口、禁煙、営業中等の各種情報の表示を行ったりしている。
特開平6−12017号公報 実開平3−45932号公報 実用新案登録第3152336号公報
しかしながら、上記従来の表示体においては、透明基材と空気との界面の屈折率差に起因して、日光等の周囲光が透明基材の表面及び裏面で反射する。そのため、反射光が絵柄に重畳して、絵柄の鮮明な視認を阻害する。
また、観察者は、どの方向から表示体を観察しても、不鮮明ではあるが何らかの絵柄が存在していることは把握できる。そのため、観察者にとって意外性がない。
従って、上記従来の表示体では、観察者の興味を強く引くことができず、広告性が十分に高くない。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、広告性を向上できる表示体を提供することを目的とする。
本発明による表示体は、
可視光線帯域の最短波長以下の間隔で配列された微小突起によって形成された凹凸面を有する透明な凹凸構造体と、
前記凹凸構造体の前記凹凸面上の一部分に設けられた透明な絵柄層と、
を備える。
本発明による表示体において、
前記絵柄層は透明インキを用いて形成されていてもよい。
本発明による表示体において、
前記絵柄層の表面は、前記凹凸面よりも平坦であってもよい。
本発明による表示体において、
前記絵柄層の反射率は、前記凹凸構造体の反射率より高くてもよい。
本発明による表示体において、
前記絵柄層は絵柄を表示し、当該絵柄は情報を表示してもよい。
本発明による表示体において、
前記絵柄は、バーコード又は2次元コードを含んでもよい。
本発明による表示体の製造方法は、
可視光線帯域の最短波長以下の間隔で配列された微小突起によって形成された凹凸面を有する凹凸構造層を形成する工程と、
前記凹凸構造層の前記凹凸面上の一部分に透明インキを印刷して絵柄層を形成する工程と、
を備える。
本発明によれば、広告性を向上できる。
本発明の一実施形態に係る表示体を示す平面図である。 図1の表示体のA−A線に沿った断面図である。 図2の凹凸構造層を示す斜視図である。 凹凸構造層の凹凸面の一例を示す平面写真である。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。なお、本件明細書に添付する写真以外の図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1は、本発明の一実施形態に係る表示体100を示す平面図である。図2は、図1の表示体100のA−A線に沿った断面図である。図1,2に示すように、表示体100の形状は、例えば平板形状である。但し、表示体100は、その形状を平板形状とする場合に限らず、その用途に応じて、平坦なフィルム形状、平坦なシート形状(相対的に厚みの薄い順に、フィルム、シート、板と呼称する)とすることもでき、また平坦な形状に代えて、湾曲形状、立体形状を呈したフィルム形状、シート形状、板形状とすることもできる。
図1,2において、xy方向は、表示体100の板面の面内方向であり、z方向は表示体100の板面の法線方向である。「板面(フィルム面、シート面)」とは、対象となる板状(フィルム状、シート状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となる板状部材(フィルム状部材、シート状部材)の平面方向と一致する面のことを指す。
表示体100は、透明な凹凸構造体10と、透明な絵柄層20と、を備える。
凹凸構造体10は、可視光線帯域の最短波長以下の間隔で配列された微小突起11によって形成された凹凸面12を有する。凹凸構造体10は、この凹凸面12を有する凹凸構造層15と、凹凸構造層15を支持する透明基材16と、を有する。
この表示体100では、凹凸構造層15が、いわゆるモスアイ構造体として機能する。結果として、表示体100は、凹凸構造層15の凹凸面12において、極めて優れた反射防止機能を発揮することができる。
絵柄層20は、凹凸構造体10の凹凸面12上の一部分に設けられている。
良好な視認性を確保する観点から、表示体100の可視光透過率が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
以下、表示体100の各構成について説明する。
<透明基材16>
透明基材16としては、表示体100の形状に応じた形状や、表示体100の用途に応じた厚さ及び強度を有する既知の透明基材を適宜選択して用いることができ、特に限定されない。透明基材16に用いられる材料としては、例えば、透明無機材料や透明樹脂を例示することができる。透明無機材料としては、例えばソーダ硝子、カリ硝子、鉛ガラス等の硝子、PLZT等のセラミックス、石英、蛍石等を例示することができる。一方、透明樹脂としては、例えば、トリアセチルセルロース等のアセチルセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレンやポリメチルペンテン等のオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテルサルホンやポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、アクロニトリル、メタクリロニトリル、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマ一等を挙げることができる。
透明基材16は、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。ここで、透明基材16の透過率は、JISK7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
透明基材16の厚みは、表示体100の用途に応じて適宜設定することができ、特に限定されないが、通常20〜5000μmであり、透明基材16は、ロールの形で供給されるもの、巻き取れるほどには曲がらないが負荷をかけることによって湾曲するもの、完全に曲がらないもののいずれであってもよい。
透明基材16の構成は、単一の層からなる構成に限られるものではなく、複数の層が積層された構成を有してもよい。複数の層が積層された構成を有する場合は、同一組成の層が積層されてもよく、また、異なった組成を有する複数の層が積層されてもよい。ただし、多層で形成されている場合には、隣接する層間での反射を抑制する観点から、隣接する層の屈折率差が0.03以下となっていることが好ましく、0.01以下となっていることがより好ましい。また、透明基材16と凹凸構造層15とが別の材料から形成される場合には、透明基材16と凹凸構造層15との密着性を向上させ、ひいては耐摩耗性を向上させるためのプライマー層を透明基材16上に形成してもよい。このプライマー層は、透明基材16および凹凸構造層15との双方に密着性を有し、透明なものである。プライマー層の材料としては、電離放射線硬化樹脂や熱硬化樹脂などを用いることが出来る。
<凹凸構造層15>
図2〜図4に示すように、凹凸構造層15は、可視光線帯域の最短波長以下の間隔で配列された微小突起11によって形成された凹凸面12を有している。そして、ここで、微小突起11の「微小」とは、可視光線帯域の最短波長以下の間隔で配列される程度に微小であることを意味している。また、可視光線帯域の最短波長は、表示体100が使用される環境下における可視光線帯域の最短波長を指している。したがって、表示体100が使用される環境下に制限された光源からの光のみが存在する場合には、当該光源から射出される可視光の最短波長が、ここでいう可視光線帯域の最短波長となり、それ以外の場合には、一般的な可視光線帯域の最短波長として380nmを、ここでいう可視光線帯域の最短波長として採用する。
凹凸構造層15は、樹脂を含有してなる層とすることができ、更に、樹脂組成物の硬化物からなる層とすることができる。凹凸構造層15の形成に用いられる樹脂組成物は、少なくとも樹脂を含み、必要に応じて重合開始剤等その他の成分を含有する。凹凸構造層15と透明基材16との界面における反射を抑制する観点から、凹凸構造層15と透明基材16との屈折率差が0.03以下となっていることが好ましく、0.01以下となっていることがより好ましい。凹凸構造層15の形成に用いられる樹脂としては、透明な材料であれば特に限定されない。例えば、アクリレート系、エポキシ系、ポリエステル系等の電離放射線硬化性樹脂、アクリレート系、ウレタン系、エポキシ系、ポリシロキサン系等の熱硬化性樹脂、アクリレート系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系等の熱可塑性樹脂等の各種材料及び各種硬化形態の賦型用樹脂を、凹凸構造層15の形成に用いることができる。
凹凸構造層15の形成に用いられる樹脂としては、微小突起11の成形性及び機械的強度に優れる点から電離放射線硬化性樹脂が好ましい。電離放射線硬化性樹脂とは、分子中にラジカル重合性及び/又はカチオン重合性結合を有する単量体、低重合度の重合体、反応性重合体を適宜混合したものであり、重合開始剤によって硬化されるものである。なお、非反応性重合体を含有してもよい。なお、電離放射線とは、分子を重合させて硬化させ得るエネルギーを有する電磁波または荷電粒子を意味し、例えば、すべての紫外線(UV、UV−B、UV−C)、可視光線、ガンマー線、X線、電子線等が挙げられる。
樹脂組成物は、さらに必要に応じて、界面活性剤、重合開始剤、離型剤、光増感剤、酸化防止剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、粘度調整剤、密着性向上剤等を含有することもできる。
次に、凹凸構造層15の寸法について説明する。モスアイ構造による反射防止機能では、モスアイ構造体とこれに隣接する媒質との界面における有効屈折率を、厚み方向に連続的に変化させて反射防止を図るものである。このため、凹凸構造層15の凹凸面12は、凹凸構造層15の板面に沿って可視光線帯域の最短波長以下の間隔dで配列された微小突起11によって形成されている。ここで、この間隔dに係る隣接する微小突起11とは、いわゆる隣り合う微小突起11であり、透明基材16側の付け根部分である微小突起11の裾の部分が接している二つの突起である。凹凸構造層15では微小突起11が密接して配置されることにより、微小突起11間の谷の部位を順次辿るようにして線分を作成すると、平面視において各微小突起11を囲む多角形状領域を多数連結してなる網目状の模様が作製されることになる。間隔dに係る隣接する微小突起11は、この網目状の模様を構成する一部の線分を共有する突起である。また、間隔dは、図3に示すように、表示体100の板面に沿った、隣接する二つの微小突起11の頂部13間の距離とすることができる。
ただし、凹凸構造層15に対して優れた反射防止機能を付与する観点からは、凹凸構造層15をなす微小突起11が次のように形成されていることがより好ましい。まず、凹凸構造層15の微小突起11は、表示体100の板面に沿って、70nm以上300nm以下の間隔dで設けられていることが好ましく、70nm以上180nm以下の間隔dで設けられていることがより好ましい。また、反射防止フィルム20のフィルム面への法線方向ndに沿った微小突起11の高さHは、50nm以上300nm以下となっていることが好ましく、100nm以上250nm以下となっていることがより好ましい。
なお、凹凸構造層15の凹凸面12及び微小突起11に関する各種寸法及び形状は、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope;AFM)又は走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)を用いて、特定することができる。図4は、実際に原子間力顕微鏡により求められた拡大写真である。
凹凸構造層15の厚みは、特に限定されないが、一例として10〜300μmとすることができる。なお、この場合の凹凸構造層15の厚みとは、図2に示すように、凹凸構造層15の透明基材16側の界面から、当該凹凸構造層15の凹凸面12をなす微小突起11の頂部13までの表示体100の板面への法線方向ndに沿った高さtを意味する。
以上のような凹凸構造層15では、当該凹凸構造層15単体での可視光透過率は90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましい。
ところで、図4に示された凹凸構造層15において、微小突起11は不規則的に配置されているが、微小突起11の配列は、不規則的でも規則的でもよい。ただし、干渉模様の発生を防止する観点からは、微小突起11の配列が不規則的であることが好ましい。
凹凸構造層15の構成は、単一の層からなる構成に限られるものではなく、複数の層が積層された構成を有してもよい。複数の層が積層された構成を有する場合は、同一組成の層が積層されてもよく、また、異なった組成を有する複数の層が積層されてもよい。ただし、多層で形成されている場合には、隣接する層間での反射を抑制する観点から、隣接する層の屈折率差が0.03以下となっていることが好ましく、0.01以下となっていることがより好ましい。
<絵柄層20>
絵柄層20は、文字、数字、図形、模様、パターン、柄などの絵柄を表示する。複数の絵柄が組み合わされていてもよい。図1の例では、絵柄層20は図形を表示している。表示体100は、この絵柄により、例えば、商品名、店舗名、施設名、各種コード、バーコード、2次元コード、符号、記号、装飾絵柄、広告、標識、案内などの情報を表示する。
絵柄層20は、例えば、透明インキを用いて形成されている。透明インキは、例えば、可視光の透過率が80%程度以上のものであれば、特に限定されない。
絵柄層20の表面は、凹凸面12よりも平坦である。即ち、絵柄層20の表面はモスアイ構造になっていない。具体的には、絵柄層20の表面の十点平均粗さRz(JIS B 0601(1994年版))は、30nm以下であり、好ましくは10nm以下である。一方、凹凸面12の十点平均粗さRzは、30nmより大きく、好ましくは50nm以上である。
このように、絵柄層20の表面はモスアイ構造になっていないため、絵柄層20の反射率は、凹凸構造層15の反射率より高い。
次に、表示体100の製造方法について説明する。
(第1の製造方法)
まず、電離放射線硬化型樹脂を賦型処理して、凹凸構造層15を形成する。
次に、凹凸構造層15の凹凸面12上の一部分に透明インキを印刷して絵柄層20を形成する。この時、絵柄層20が形成されない領域の微小突起11が損傷しないよう、インクジェット法などの非接触の印刷法により形成することが好ましい。但し、絵柄層20が形成されない領域の微小突起11が損傷しなければ、非接触の印刷法以外の各種形成方法を用いてもよい。例えば、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷などの各種印刷法を用いてもよい。
次に、透明基材16を凹凸構造層15に積層する。斯かる積層は、例えば、凹凸構造層15の凹凸面12に向かい合う面上に、透明樹脂を有機溶剤に溶解してなる樹脂液を所望の厚みに塗工し、溶剤を乾燥除去して該樹脂液を固化せしめ、固化した膜を透明基材16とせしめる、いわゆるキャスティング法で行う。このようにして、表示体100が得られる。
あるいは、接着剤を用いて透明基材16と凹凸構造層15とを接着して、表示体100を得てもよい。接着剤としては、粘着剤(感圧接着剤)、2液硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、熱熔融型接着剤等の公知の接着形態のものが各種使用出来る。又、これら接着剤の材料としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ゴム等公知の樹脂から選択し、適宜配合とすれば良い。この場合、接着剤からなる接着層が透明基材16と凹凸構造層15との間に介在されるようになる。
(第2の製造方法)
まず、透明基材16上に未硬化で液状の電離放射線硬化型樹脂を塗布して樹脂層を形成し、該樹脂層を賦型処理して硬化せしめ、これにより凹凸構造層15を透明基材16上に形成する。
次に、凹凸構造層16の凹凸面12上の一部分に透明インキを印刷して絵柄層20を形成する。このようにして、表示体100が得られる。
<<表示体100の作用効果>>
次に、表示体100の作用効果について、主に図1,2を参照して説明する。以上のような表示体100によれば、凹凸構造層15により、正面方向(z方向)からの入射光に対する屈折率を表示体100の厚み方向(z方向)に連続的に変化させ、これにより屈折率の不連続界面を消失させて反射防止を図ることができる。従って、凹凸構造層15の凹凸面12と空気との界面での周囲光の反射が、反射光を視認困難な程度(例えば、約0.5%以下の反射率)にまで低減する。
ここで、図2に示すように、光源LSからの照明光L1が表示体100の板面に対して斜め方向から凹凸面12及び絵柄層20に入射している場合を考える。光源LSは、ある程度の指向性を持ったものであるとする。この時、照明光L1の反射光L2,L3が観察されない方向(正面方向等)から観察する観察者O1は、透明な凹凸構造体10及び透明な絵柄層20を視認し難い。絵柄層20は、凹凸面12上の一部分に設けられているため、その面積を小さくしておけば、特に視認し難い。即ち、観察者O1は、表示体100の存在に気付き難い。
一方、観察者O2が、照明光L1の反射光L2,L3が観察される斜め方向から表示体100を観察する時、モスアイ構造を有する凹凸構造体10の反射率は小さいため、凹凸構造体10の絵柄層20が設けられていない領域からの反射光L2の光量は、非常に小さい。ところが、表面が平坦な絵柄層20の反射率は相対的に大きいので、絵柄層20からの反射光L3の光量は、反射光L2の光量よりも大きい。従って、観察者O2は、凹凸構造体10の絵柄層20が設けられていない領域はほとんど視認できず、絵柄層20は相対的に視認し易い。これにより、絵柄層20の絵柄が空気中に立体的に浮出しているように(空中に浮かんでいるように)視認できる。例えば、絵柄は黒色に視認できる。
このように、本実施形態によれば、表示体100を観察する方向に応じて絵柄層20の絵柄が見えたり見えなかったりするので、絵柄が突然見えるという意外性がある。従って、観察者の興味を強くひくことができるので、広告性を向上できる。
また、絵柄層20の絵柄を観察できる方向が限定されているので、絵柄がバーコード等を含む場合には、バーコード等が不特定多数の人間に視認され難いため、偽造防止性を向上できる。
<<表示体100の具体的な適用例>>
このような表示体100の用途として、例えば、店舗のショーウィンドウ、陳列ケースの窓、店舗や事務所等の窓、天窓、扉、透明な壁乃至間仕切、車輛、船舶、航空機等の乗物の窓、額縁の硝子板、透明な瓶、透明な箱、透明な包装容器等を挙げることができる。
特に、表示体100を店舗のショーウィンドウとして用いた場合、次のような効果がある。ここでは、図2の表示体100の凹凸面12が設けられていない側に商品が展示されており、絵柄層20の絵柄は矢印であるとして説明する。
まず、観察者がショーウィンドウとしての表示体100を視界に入れながらx方向の正方向側から負方向側に歩いている時、絵柄層20からの反射光L3を直接視認できる位置(観察者O2の位置)に達すると、突然、絵柄としての矢印が視認される。観察者は、矢印に興味をひかれ、歩行しながら矢印が示す方向のショーウィンドウの内部に展示された商品を観察する。そして、観察者がショーウィンドウの正面付近(観察者O1の位置)に達すると、絵柄層20からの反射光L3を直接視認できる位置から外れるため、矢印は視認されなくなり、展示された商品をより鮮明に観察できる。
また、絵柄層20を用いて、ショーウィンドウの内部に展示された商品の情報を表すバーコード、QRコード(登録商標)等を表示した場合にも、観察者は、歩行中にバーコード等を突然視認できる。これにより、観察者は、バーコード等に興味をひかれ、ショーウィンドウの内部に展示された商品を観察する。この時、観察者は、携帯電話やスマートフォン等を用いてバーコード等により商品の情報を取得することができる。
<<追加、変形、その他>>
なお、上述した例に対して様々な追加や変更を加えることが可能である。以下、変形の一例について説明する。
例えば、透明基材16の両面に凹凸構造層15を設けてもよい。これにより、透明基材16と空気との界面での反射光を低減できるので、斜め方向から観察した時に絵柄がより鮮明に視認可能になると共に、正面方向から観察した時に表示体100がより視認し難くなる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。この実施例では、前述の第1の製造方法を用いている。また、この実施例では、凹凸構造層15を反射防止フィルムと称する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
[反射防止フィルム製造用金型の作製]
純度99.50%の圧延されたアルミニウム板を、小さいうねりとして表面粗さRzが30nm、大きいうねりが1μmとなるように研磨後、0.02Mシュウ酸水溶液の電解液中で、化成電圧40V、20℃の条件にて120秒間、陽極酸化を実施した。次に、第一エッチング処理として、陽極酸化後の電解液で60秒間エッチング処理を行った。続いて、第二エッチング処理として、1.0Mリン酸水溶液で150秒間孔径処理を行った。さらに、上記処理を繰り返し、これらを合計5回追加実施した。これにより、アルミニウム基板上に陽極酸化アルミニウム膜が形成された。最後に、フッ素系離型剤を塗布し、余分な離型剤を洗浄することで、反射防止フィルム製造用金型を得た。
[反射防止フィルム用樹脂の作製]
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)20重量部、アロニックスM―260(商品名;東亜合成社製)70重量部、ヒドロキシエチルアクリレート10重量部、及び、光開始剤としてルシリン(商品名;TPO社製)3重量部を溶解させ、活性エネルギー線硬化性組成物(紫外線硬化型樹脂組成物)を得た。
[反射防止フィルムの作製]
紫外線硬化型樹脂組成物を、上記で得られた反射防止フィルム製造用金型の表面が覆われ、厚さ20μmとなるように塗布・充填し、その上に光透過性基板として厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム社製)を斜めから貼り合わせた後、貼り合わせられた貼合体をゴムローラーで10N/cmの加重で圧着した。金型全体に均一な組成物が塗布されたことを確認し、フィルム側から2000mJ/cmのエネルギーで紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂組成物を硬化させた。その後、金型より剥離し反射防止フィルムを得た。
[絵柄の作製]
市販のインクジェットプリンター及び透明インキを用いて、反射防止フィルムの凹凸面12に所定の絵柄の絵柄層20を印刷した。
[ガラス又はアクリル板への貼合]
ノンキャリア粘着シートとしてPDS1(商品名;パナック社製)を使用し、反射防止フィルムをガラス又はアクリル板(透明基材16)に貼り合わせたものを各々1枚ずつ作成した。これにより、表示体100を得た。
(実施例2)
反射防止フィルムの作製の際、使用する光透過性基板を厚さ125μmのポリエチレンテレフタラートフィルム(東レ社製)、貼り合わせ時の加重を25N/cmに変更した以外は実施例1と同様にして、表示体100を得た。
(実施例3)
反射防止フィルムの作製の際、使用する光透過性基板を厚さ125μmのアクリルフィルム(三菱レイヨン社製)、貼り合わせ時の加重を25N/cmに変更した以外は実施例1と同様にして、表示体100を得た。
上記実施例1から実施例3において得られた表示体100を、観察方向を変えながら観察した結果、特定の方向から観察した場合に、絵柄が突然立体的に浮出して視認できた。
10 凹凸構造体
11 微小突起
12 凹凸面
13 頂部
15 凹凸構造層
16 透明基材
20 絵柄層
100 表示体

Claims (4)

  1. 可視光線帯域の最短波長以下の間隔で配列された微小突起によって形成された凹凸面を有する透明な凹凸構造体と、
    前記凹凸構造体の前記凹凸面上の一部分に設けられ、前記凹凸面よりも凹凸の高さが低い平坦な表面を有する透明な絵柄層と、 を備え、
    前記絵柄層の反射率は、前記凹凸面の反射率より高く、
    前記凹凸面及び前記絵柄層の表面の法線方向に対して傾斜した第1方向から、前記凹凸面及び前記絵柄層の表面に向けて光を照射したときに、前記絵柄層の表面から反射されて前記第1方向に応じた第2方向に進行する反射光の光量は、前記凹凸面で反射されて前記第2方向に進行する反射光の光量よりも多い、表示体。
  2. 前記絵柄層は透明インキを用いて形成されている、請求項1に記載の表示体。
  3. 前記絵柄層は絵柄を表示し、当該絵柄は情報を表示する、請求項1または2に記載の表示体。
  4. 前記絵柄は、バーコード又は2次元コードを含む、請求項3に記載の表示体。
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