JP5435100B1 - 反射防止物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】モスアイ構造を賦型する賦型版が劣化した場合であっても、当該賦型版の再生産を伴わずに、十分な反射防止性能を有する反射防止物品を低コストで提供すること。
【解決手段】微小突起が密接して配置され、隣接する前記微小突起の間隔が、反射防止を図る電磁波の波長帯域の最短波長以下である反射防止面3Aが形成されている反射防止物品1Aであって、反射防止面3Aは、第1の凹凸形状パターンからなる主領域31Aと、主領域31Aにより囲まれた閉領域として形成された修復領域32Aと、からなり、修復領域32Aは、第1の凹凸形状パターンと略同一の第2の凹凸形状パターンからなる閉領域である反射防止物品1Aとする。
【選択図】図2

Description

本発明は、反射防止を図る電磁波の波長帯域の最短波長以下の間隔で多数の微小突起を密接配置して反射防止を図る反射防止物品に関するものである。
近年、フィルム形状の反射防止物品である反射防止フィルムに関して、透明基材(透明フィルム)の表面に多数の微小突起を密接して配置することにより、反射防止を図る方法が提案されている(特許文献1〜6参照)。この方法は、いわゆるモスアイ(moth eye(蛾の目))構造の原理を利用したものであり、入射光に対する屈折率を基板の厚み方向に連続的に変化させ、これにより屈折率の不連続界面を消失させて反射防止を図るものである。
このようなモスアイ構造は、多数の微小突起からなる微細な凹凸形状を反転させた形状を有する金型等の製造用の賦型版を用いて、その凹凸形状を任意の樹脂層に転写(賦型)することによって製造されるのが一般的である。従ってモスアイ構造の反射防止フィルムを製造する方法としては、基板上に紫外線硬化性樹脂等の硬化性樹脂によって樹脂層を形成した後、上記のような製造用の賦型版を用いて当該樹脂層の表面にモスアイ構造を賦型し、更に当該樹脂層を硬化させることによって形成する方法を用いることができる。このような製造方法によれば、簡易な方法で、且つ、高い製造効率で反射防止フィルムを連続的に製造することができる。
又、上記モスアイ構造の賦型版としては、レーザー干渉法によって凹部が形成された金型(例えば、特許文献1〜3)や、陽極酸化法によって凹部が形成された金型(例えば、特許文献4〜6)が用いられている。なかでも陽極酸化法は、凹部が形成される位置をランダムにすることができること、大面積にわたって均一な形状を有する凹部を形成できること等において利点を有することから、反射防止物品製造用の賦型版としては、陽極酸化法によって形成されたものが広く用いられるに到っている。
この反射防止物品は、モスアイ構造の賦型に供する凹凸形状を周側面に形成したいわゆるロール版を賦型版として使用して、ロール・ツウ・ロール方式により効率良く生産することが望まれており、このようなロール版により生産する場合の工夫が種々に提案されている(特許文献7)。
ところで、上記のようなロール版によってモスアイ構造を賦型された反射防止物品は、必然的に、略均一な凹凸形状パターンが連続的に繰返されてなる単一の凹凸形状領域が、その表面に形成されたものとなる。現状においては、実際に製品として流通、或いは使用されている反射防止物品のモスアイ構造はそのような単一領域からなるものに限られている。
一方で、上記のロール版は、生産により劣化し、その結果、反射防止物品の特性が劣化する場合がある。この点を詳細に検討したところ、微細な凹凸構造が、賦型後の剥離の際に、賦型に供した樹脂層に付着して金型より部分的に引き剥がされる場合が発生し、これによりロール版に点状又はエリア状の欠陥が生じることが判った。
反射防止物品のモスアイ構造を上記のような単一領域からなるものとするという前提に立つ限りは、このように金型が劣化した場合には、劣化前と同様の微細な凹凸構造を有する金型を再生産して、金型を交換する必要があった。この金型交換にかかる多額の費用を低減させるための方法として、特許文献2には、モスアイ構造の賦型に用いる金型として、微細凹凸形状を最初に造形した原型(マザー版)ではなく、該原型から1回、或いは2回以上の型取・反転による複製工程を経て作製した複製型(マスター版)を用いる方法が開示されている。金型のマスター版は、マザー版から用意に再生産できるので、この方法は、工業的生産性、コスト等に優れており、金型が劣化した場合の交換を容易にすることができる。
しかしながら、金型はもちろんのこと、例えば樹脂性の賦型版であっても、微細な劣化の都度に、それらの反射防止物品製造用賦型版を再生産して交換する方法は、上記工夫にもかかわらず、依然として、反射防止物品の生産ラインのランニングコストを引き上げる大きな要因となっており、生産ライン全体のランニングコストをより低く抑えることができる新たな方法が求められていた。
特表2001−517319号公報 特開2004−205990号公報 特開2004−287238号公報 特開2001−272505号公報 特開2002−286906号公報 国際公開第2006/059686号パンフレット 特開2005−156695号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、例えば、モスアイ構造を賦型する賦型版が劣化した場合であっても、当該賦型版の再生産を伴わずに、十分な反射防止性能を有する反射防止物品を低コストで提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、賦型版の劣化に対する対処方法として、必ずしも、新たな賦型版を再生産する必要はなく、劣化した賦型版の当該劣化部分のみを修復することにより、反射防止物品のモスアイ構造を、それぞれ異なる凹凸形状パターンからなる複数の領域からなるものとしても、必要とされる反射防止性能を発揮しうることは可能である、との着想に至り、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1) 微小突起が密接して配置され、隣接する前記微小突起の間隔が、反射防止を図る電磁波の波長帯域の最短波長以下である反射防止面が形成されている反射防止物品であって、前記反射防止面は、第1の凹凸形状パターンからなる主領域と、前記主領域により囲まれた閉領域として形成された修復領域と、からなり、前記修復領域は、前記第1の凹凸形状パターンと略同一の第2の凹凸形状パターンからなる閉領域である反射防止物品。
(1)によれば、反射防止物品の反射防止面の凹凸形状の一部の形状パターンが異なるものである場合に、それらの形状パターンを略同一とすることにより、全ての領域が同一の形状パターンである反射防止物品と実質的に同等の性能を発揮しうる。例えば、反射防止面の一部が劣化した場合に当該劣化領域を修復領域とした場合に、劣化前と実質的に同等の反射防止性能を発揮することができる。
(2) 前記修復領域は、前記反射防止面の一方の表面の10%未満の面積範囲に形成されている(1)に記載の反射防止物品。
(2)によれば、部分的修復処理により継続使用可能な範囲の軽微な劣化部分を有する賦型版の部分的修復による継続使用を促進して賦型版の交換コストを低減する事ができる。
(3) 前記修復領域は、前記主領域との境界が、180°未満の内角と180°を超える内角を結ぶ線分によって形成される閉領域形状である(1)又は(2)に記載の反射防止物品。
(3)によれば、主域領域とは異なる凹凸形状パターンを有する修復領域の存在にかかわらず、修復領域の存在が視認される確率が低下するため、反射防止物品の意匠性を向上させることができる。又、境界を上記のごとき形状とすることにより、例えば当該反射防止物品が無断複製された場合に、その履歴を明白なものとする上でも有効である。
(4) 前記主領域の表面と前記修復領域の表面との平均高低差が0.01μm以上100μm未満である(1)から(3)のいずれかに記載の反射防止物品。
(4)によれば、主域領域とは異なる凹凸形状パターンを有する修復領域の存在にかかわらず、実施上十分な反射防止性能を担保することができる。又、修復領域の存在が視認される確率が低下するため、反射防止物品の意匠性を向上させることができる。
(5) 前記修復領域と前記主領域との境界に前記修復領域を囲んで形成される修復領域側壁が存在する場合において、前記修復領域側壁は、前記反射防止面に対して略垂直に形成されている(1)から(4)のいずれかに記載の反射防止物品。
(5)によれば、主域領域とは異なる凹凸形状パターンを有する修復領域の存在にかかわらず、修復領域の存在が視認される確率が低下するため、反射防止物品の意匠性を向上させることができる。
(6) 前記修復領域の光線反射率が前記領域の光線反射率の100%以上145%以下である(1)から(5)のいずれかに記載の反射防止物品。
(6)によれば、主域領域とは異なる凹凸形状パターンを有する修復領域の存在にかかわらず、反射防止面が主領域のみからなるものとした場合と比較して、反射防止物品の反射防止性能を、実用上、支障のない範囲に保持することができる。又、修復領域の存在が視認される確率が低下し、又、主領域するため、反射防止物品の意匠性を向上させることができる。
モスアイ構造を賦型する賦型版が劣化した場合であっても、当該賦型版の再生産を伴わずに、十分な反射防止性能を有する反射防止物品として製造可能な反射防止物品を低コストで提供することができる。
一般的な反射防止物品の構成を模式的に説明した斜視図である。 本発明の反射防止物品の構成を模式的に説明した斜視図である。 本発明の反射防止物品の構成を模式的に説明した平面図及び断面図である。 本発明の反射防止物品の一実施形態に係る平面模式図である。 本発明の反射防止物品の一実施形態に係る断面模式図である。 従来の反射防止物品の一般的製造工程を模式的に示す概念図である。 反射防止物品製造用賦型版の修正方法を模式的に示した概念図である。
<反射防止物品>
図1は、モスアイ構造を有する従来公知の一般的な反射防止物品である反射防止物品1の構成を模式的に説明した図である。反射防止物品1は、透明フィルムによる基材2に反射防止面3を配置して製造される。
基材2は、例えばTAC(Triacetylcellulose)、アクリル、PET(Polyethylene terephthalate)、PC(Polycarbonate)等の各種透明フィルムを適用することができる。反射防止物品1は、賦型金型等の反射防止物品製造用賦型版を使用して、基材2の表面に、硬化性樹脂4に微細な凹凸形状を形成して反射防止面3が形成される。
反射防止面3を構成する賦型用の硬化性樹脂4としては、アクリレート系の紫外線硬化性樹脂を好ましく用いることができる。又、その他これに限らず、エポキシ系、ポリエステル系等の各種紫外線硬化性樹脂、或いはアクリレート系、エポキシ系、ポリエステル系等の電子線硬化性樹脂、ウレタン系、エポキシ系、ポリシロキサン系等の熱硬化性樹脂等の各種材料及び各種硬化形態の樹脂を用いることもできる。更には、その他の熱可塑性樹脂についても、加熱押圧して賦型することにより用いることができる。
反射防止物品1は、この反射防止面3による微細な凹凸形状により厚み方向に徐々に屈折率が変化するように形成され、モスアイ構造の原理により広い波長範囲で入射光の反射を防止することができる。尚、反射防止物品は、その形状を平坦なフィルム形状とする場合に限らず、平坦なシート形状、平板形状(相対的に厚みの薄い順に、フィルム、シート、板と呼称する)とすることもでき、又、平坦な形状に代えて、湾曲形状、立体形状を呈したフィルム形状、シート形状、板形状とすることもでき、さらには各種レンズ、各種プリズム等の立体形状のものを用途に応じて適宜採用することができる。
又、反射防止面3に形成される微細な凹凸形状については、その凸部が単一の頂点を有する単峰性の凸部が多数形成されたものであってもよいが、これに限らない。例えば、少なくとも一部の凸部が複数の頂点を有する多峰性の凸部であることがより好ましい。このような頂点を複数有する多峰性の凸部は、単峰性の凸部に比して、頂点近傍の寸法に対する裾の部分の太さが相対的に太くなる。これにより、多峰性の凸部は、単峰性の凸部に比して機械的強度が優れていると言える。これにより頂点を複数有する多峰性の凸部が存在する場合、反射防止物品では、単峰性の凸部のみによる場合に比して耐擦傷性が向上するものと考えられる。さらに、具体的に反射防止物品に外力が加わった場合、単峰性の凸部のみの場合に比して、外力をより多くの頂点で分散して受ける為、各頂点に加わる外力を低減し、凸部が損傷し難いようにすることができ、これにより反射防止機能の局所的な劣化を低減し、さらに外観不良の発生を低減することができる。
これに対して、図2は、本発明の反射防止物品の一実施形態である反射防止物品1Aの構成を模式的に説明した図である。反射防止物品1Aは、基材2の表面に、硬化性樹脂4に微細な凹凸形状を形成して反射防止面が形成されている点においては、反射防止物品1と同様の構成を有する。但し、反射防止物品1Aは、単一の凹凸形状パターン領域からなる反射防止面3を備える反射防止物品1とは異なり、反射防止面3Aが第1の凹凸形状パターンからなる主領域31Aと、主領域31Aにより囲まれた閉領域である修復領域32Aとからなるものである点において従来公知の反射防止物品1とは異なる。
尚、反射防止面3の表面形状以外の基材2、及び、反射防止面3Aを形成するための硬化性樹脂4については、従来の反射防止物品1と同様である。
反射防止物品1Aの反射防止面3Aは、主領域31A及び修復領域32Aのいずれも、反射防止物品1における反射防止面3と同様に、硬化性樹脂4に微細な凹凸形状を形成したものである。又、主領域31Aの第1の凹凸形状パターンと修復領域32Aの第2の凹凸形状パターンは、略同一の凹凸形状パターンである。
主領域31Aと修復領域32Aがそれぞれ有する第1の凹凸形状パターンと、第2の凹凸形状パターンは、厳密には同一の形状パターンではない。修復領域32Aは主領域31Aに囲まれた閉領域であり、両領域の境界及び/又は領域間の形状パターンの差異は、目視、或いは、光学顕微鏡によって、或いは、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope;AFM)等によって客観的に認識可能なものである。
一方、「略同一」とは、二つの領域の凹凸形状パターンの形状面での差異が、その形状に起因する反射防止性能や意匠性等の性能面において、実用上支障となる問題を生じさせない範囲にあることを言うものとする。よって、「略同一」の範囲は個々の反射防止物品毎において変動する流動的概念である。反射防止物品1Aにおいて、反射防止面3Aが、凹凸形状パターンが厳密には同一でない主領域31Aと修復領域32Aから構成されているにもかかわらず、反射防止面が主領域31Aのみからなるものとしても、実用上支障のないという意味で、実質的に同等の作用効果を奏する限り、主領域31Aと修復領域32Aの凹凸形状パターンは、本明細書で言うところの「略同一」の範囲である。
従来の反射防止物品1においては、反射防止面3を凹凸形状パターンの異なる複数領域によって構成することはなく、本発明に係る反射防止物品1Aは、まずそのような独自の構成を有する点において新規性を備えるものである。
図3は、本発明に係る反射防止物品1Aを反射防止面3Aの側から見た平面模式図お及び断面形状を示す断面模式図である。反射防止面3Aは、主領域31Aと主領域31Aによって囲まれた閉領域である修復領域32A及び両領域の境界に認識できる境界Lとを備える。境界Lは、主領域31Aと修復領域32Aのそれぞれの表面の高さの差異、又は、第1及び第2の凹凸形状パターンの差異に起因して、認識可能な領域間の境界である。
修復領域32Aは、代表的な例としては、反射防止面3Aの一部の劣化部分を修復した場合に結果として形成される。しかし、これに限らず、反射防止面が必ずしも単一の形状パターンからなる単一領域である必要はないという本発明にかかる知見に基づき、反射防止物品に求められる性能を保持したまま、反射防止面3Aの一部に、略同一の異なる凹凸形状パターンからなる閉領域を設けたものは本発明の範囲である。よって、反射防止物品に求められる性能を保持しうる範囲であれば、反射防止面3Aの表面における修復領域32Aの面積の占める割合は特に限定されない。但し、部分的な修復処理により継続使用可能な範囲の軽微な劣化部分を有する反射防止物品製造用賦型版の部分的修復による継続使用を促進して賦型版の交換コストを低減する事ができるという点において、上記面積割合は、10%未満であることが好ましい。
修復領域32Aの平面形状については、特に限定されないが、例えば、図4に示すように、主領域31Aとの境界Lが、180°未満の内角θと180°を超える内角θを結ぶ線分によって形成される閉領域形状であることがより好ましい。修復領域32Aの平面形状が、滑らかな曲線に囲まれた楕円形や180°未満の内角のみを有する多角形であるよりは、上記形状にある方が、反射防止物品1Aを目視によって観察した場合の境界L及び修復領域32Aの視認可能性が低減し、意匠性においてより好ましいからである。又、境界を上記のごとき形状とすることにより、例えば、当該反射防止物品が無断複製された場合に、その履歴を明白なものとする上でも有効である。
又、修復領域32Aは、一般的には、上述の通り、反射防止面3Aの劣化部分の修復によって形成されるものであるため、主領域31Aの表面と修復領域32Aの表面の間には、少なくとも0.01μm程度の高低差が存在する場合がほとんどである。この高低差は境界Lの視認性と正の相関を持つため、主領域31Aの表面と修復領域32Aの表面との平均高低差は100μm以内であることが好ましい。この範囲内であれば、反射防止性能と意匠性を保持する観点において、反射防止物品1Aを十分に好ましいものとすることができる。尚、この高低差の好ましい範囲については、主領域31Aの表面よりも修復領域32Aの表面が凹状に剔れていることにより正の高低差が生じている場合のみならず、修復領域32Aの表面が凸状に盛り上がることにより負の高低差が生じている場合についてもそのまま該当するものである。
主領域31Aと修復領域32Aの表面高さに、例えば正の高低差が存在する場合、修復領域32Aと主領域31Aとの境界には修復領域32Aを囲んで形成される修復領域側壁321Aが存在する。図5に示す通り、修復領域側壁321Cは、反射防止面3Cに対して略垂直に形成されていることが好ましい。垂直であることがより好ましい。修復領域側壁321Cをそのように形成することによって、特に正面からの観察時に反射防止物品1Cを目視によって観察した場合の境界L及び修復領域32Cの視認可能性が低減し、意匠性においてより好ましいからである。更に、斜視時においても上記閉領域の321Cは角度により閉領域を形成しない場合が多くなり、観察上好ましい。特に、321Cが観察者側に露出している場合には閉領域を示す境界部が目視上上記正面観察時顕著にパターン認識されやすい。
又、主領域31Aと修復領域32Aのそれぞれの光線反射率の比は、修復領域32Aの光線反射率が主領域31Aの光線反射率の100%以上145%以下であることが好ましい。光線反射率の比がこの範囲にあれば、反射防止性能と意匠性を保持する観点において、反射防止物品1Aを十分に好ましいものとすることができる。尚、本明細書における光線反射率とは、SCI(正反射光込み測定値)−SCE(正反射光除去)の値(反射率)のことを言うものとする。
尚、主領域31A及び修復領域32Aのそれぞれの凹凸形状パターンは、上記において説明した通り、「略同一」の範囲のものであればよく、それらの差異についての好ましい態様の範囲についても上述した通りではあるが、それぞれの凹凸形状パターンは、その範囲内において、その一部が、多峰性の凸部により構成されているものであることがより好ましい。
<反射防止物品製造用賦型版>
次に、反射防止物品1Aの製造に係る反射防止物品製造用賦型版について説明するが、理解を容易とするために、それに先だって、まずは、従来の反射防止物品1の一般的製造方法について簡単に説明する。
図6は、従来の反射防止物品1の一般的製造工程のプロセスを模式的に示す概念図である。この製造工程は、まずダイ(図示せず)により基材2に硬化性樹脂4を塗布する(A)。尚、硬化性樹脂4の塗布については、ダイによる場合に限らず、各種の手法を適用することができる。続いて、押圧ローラ6により、反射防止物品製造用賦型版5と基材2とを加圧押圧し、これにより基材2に硬化性樹脂4を密着させると共に、反射防止物品製造用賦型版5の表面に形成された微細な凹部に硬化性樹脂4を充分に充填させる(B)。この状態で、紫外線の照射により硬化性樹脂4を硬化させ、これにより反射防止面3を形成する(C)。続いて、剥離ローラ(図示せず)を介して反射防止物品製造用賦型版5から基材2を剥離する(D)。
図2においては、反射防止物品の製造方法を平易に説明するために反射防止物品製造用賦型版5がシート状である場合について説明したが、例えば、反射防止物品製造用賦型版5を金属製のロール形状の金型として、当該金型の凹凸形状を、ロール材による長尺の基材2に、ロール・トゥ・ロールのプロセスによって、連続的に賦型していくことにより、モスアイ構造を有する反射防止物品を極めて効率良く量産することができる。
ここで、反射防止物品製造用賦型版5の凹凸形状は、従来公知の様々な方法で形成することができる。代表的な一例として、反射防止物品製造用賦型版が、金属製の金型である場合には、金属性の母材の周側面に、アルミニウムの陽極酸化を利用して、可視光の波長以下の繰り返し周期で微細な凹凸形状を形成することができる。このため金属製の金型は、母材自体がアルミニウムにより構成され、若しくは銅等による母材の表面に直接に、又は各種の中間層を介してアルミニウム層が設けられたものを材料として製造することができる。反射防止物品製造用賦型版5が金属製の金型である場合の凹凸形状は、陽極酸化処理とエッチング処理との繰り返しにより、金属製の母材のアルミニウム層に微細穴を密に形成し、この微細穴を掘り進めると共に、この微細穴の穴径を徐々に拡大することにより形成することができる。これにより金属製の母材には、深さ方向に徐々に穴径が小さくなる微細穴が密に形成される。このような金型を反射防止物品製造用賦型版5として用いることにより、反射防止物品1の表面には、この微細穴に対応する微細な凹凸形状を形成することができる。
しかし、反射防止物品製造用賦型版は、反射防止物品の製造を一定期間以上継続した場合において、ある程度の劣化は避けられない。例えば、図6に示す反射防止物品1の製造工程においては、賦型後の基材2の剥離の際(図6(D))に、反射防止物品製造用賦型版5の微細な凹凸形状のごく一部が硬化性樹脂4に付着して反射防止物品製造用賦型版5より局所的に引き剥がされることがある。これにより、反射防止物品製造用賦型版5(図6(A))の反射防止面3の劣化が徐々に進行することにより劣化部分52が発生する(図6(B))。劣化部分52の発生は、反射防止物品の品質に直接影響を及ぼす。劣化部分52が発生した場合には、反射防止物品製造用賦型版の交換、或いは修理が必要である。
従来の反射防止物品は、反射防止面3のモスアイ構造を単一の形状パターン領域からなるものとすることが前提とされていたため、このような賦型版の部分的な劣化に対する対策として、劣化部分52の劣化態様や劣化面積が実用上、許容範囲内にあるうちは反射防止物品製造用賦型版5を継続使用し、劣化部分52の劣化態様や劣化部分の面積が許容範囲を超えた場合には、反射防止物品製造用賦型版5を全交換して対処していた。
しかし、本発明の反射防止物品1Aのように、反射防止面3を必ずしも単一の形状パターン領域からなるものに限定する必要はないとの新規な発想の下では、以下に詳細を説明する通り、反射防止物品製造用賦型版5に発生した劣化部分52のみを、簡易な方法で修正することによっても十分に好ましい反射防止性能を有する反射防止物品を、引き続き製造することも可能である。このような修正方法によれば、反射防止物品製造用賦型版5の全交換までの寿命を大幅に延長することにもなり、反射防止物品の製造プロセス全体の操業コストを大きく低減することができる。
図7は、反射防止物品製造用賦型版5の一部に劣化部分52が生じた場合における反射防止物品製造用賦型版5の修正方法のプロセスを模式的に示した図である。
図7(A)は、劣化が全く発生していない状態にある反射防止物品製造用賦型版5の模式図である。これに対して、図7(B)は、劣化が進行して、修正を要する程度の面積にまで劣化部分52が拡大した状態にある反射防止物品製造用賦型版5の模式図である。
反射防止物品製造用賦型版5に、図7(B)に示すような、劣化部分52が生じた場合に、まず、図7(C)に示す通り、劣化の進行した反射防止物品製造用賦型版5の劣化部分52に、ディスペンサ8により、硬化性補修剤7を滴下して適量充填する。
硬化性補修剤7としては紫外線硬化性樹脂、液体ガラス、その他、硬化性の樹脂を適宜用いることができる。中でも、紫外線硬化性樹脂、又は、液体ガラスを、硬化性補修剤7として特に好ましく用いることができる。
紫外線硬化性樹脂は、従来公知の樹脂を、特に限定なく用いることができる。具体的には、製品名「3021J」(株式会社スリーボンド社製)等、市場から容易に入手可能なものを好ましく用いることができる。紫外線硬化性樹脂は、劣化部分の大きさによって滴下量の調整(粘度、表面張力による微量塗布適性)が容易であり、又、硬化処理が容易、且つ、熱依存性が少ないため温度による寸法変化の事後変形を生じにくい。更に、硬化反応による体積変化の影響も少なくでき、当該材料の硬度を調整可能とすることができる等、修正時における加工的性に優れている。よって、より正確に過不足無く劣化部分を劣化前の状態に近づけるように修正することができるという点において、硬化性補修剤7として好ましい。又、特に樹脂性の賦型版との材料親和性が良いため、樹脂製の反射防止物品製造用賦型版の修正時に特に好ましく用いることができる。
液体ガラスは、従来公知のものを、特に限定なく用いることができる。液体ガラスとは、主成分が二酸化ケイ素(SiO)のシリカ溶液で、密封容器内等では、常温で液体として存在する。これを物体面に塗布し、空気に接触した状態としておくと、硬化して固体のガラス質とすることができる。具体的には、製品名「常温安定ガラス(ガラス塗料)」(モリテックカメムラ ガラス塗料事業部社製)等、市場から容易に入手可能なものを好ましく用いることができる。液体ガラスは、硬度が高く、賦型版として使用した場合の耐久性に優れている。よって、修正後の反射防止物品製造用賦型版の耐久性をより高められるという点において、硬化性補修剤7として好ましい。尚、硬化処理も比較的容易であり、特に溶剤系を選定した場合には表面張力が調整可能であり、硬化時の体積変化を抑えることができる。
続いて、図7(D)に示す通り、凹凸形状が表面に形成されている補修用賦型版9を、賦型可能な範囲で硬化が若干進んでいる状態である半硬化状態の硬化性補修剤7に圧接して硬化性補修剤7に凹凸形状を賦型する(図7(E))。
補修用賦型版9としては、反射防止物品製造用賦型版5の劣化部分に充填されている半硬化状態の硬化性補修剤7の表面に所望の凹凸形状を賦型可能な該所望の凹凸形状に対応する凹凸形状をその表面に形成した樹脂フィルム、樹脂シート、又は、金属版等を用いることができる。特に、反射防止物品製造用賦型版5の非劣化部分51の凹凸形状と凹凸が逆転した対応する凹凸形状、若しくは、それに類似する凹凸形状を有するものであれば、そのような樹脂フィルム等を、より好ましく用いることができる。
上記の硬化性補修剤7の表面への凹凸形状賦型後、半硬化状態の硬化性補修剤7を、所望の硬度となるまで硬化させる。硬化は、硬化性補修剤7の種類及び必要となる硬度に応じて、適宜必要な条件の下で行えばよい。
上記の硬化後、劣化部分52が形成されていた場所に所望の凹凸形状が賦型されることにより凹凸形状が修正されている反射防止物品製造用賦型版5から、硬化性補修剤7の表面を覆って圧接されている補修用賦型版9を剥離する(図7(F))。これにより、劣化部分52の発生した反射防止物品製造用賦型版5に、修正部分51Aを形成して修正済の反射防止物品製造用賦型版5Aとすることができる。
本発明の反射防止物品1Aは、代表的には、上記のような部分的修正を施した反射防止物品製造用賦型版5Aにより硬化性樹脂からなる反射防止面にいわゆるモスアイ構造となる凹凸形状を賦型することにより製造されたものである。反射防止物品製造用賦型版5Aのごとく一部領域を修正した賦型版によって賦型された反射防止物品は、必然的に本発明の反射防止物品1Aの必須の構成要件である主領域31Aと修復領域32Aとを備えるものとなる。そして、主領域31Aと修復領域32Aの凹凸形状パターンが「略同一」である限り、そのような反射防止物品1Aは、主領域31Aと同様の単一領域のみにより反射防止面を構成する従来の反射防止物品1との比較において、実用上、支障のない範囲の十分な反射防止性能を有するものとすることができる。又、修復領域32Aの存在が視認される確率は十分に低く抑えられるため、意匠性においても好ましいものとして用いることができる。
以上、本発明の実施に好適な具体例として、版面の一部分に修正処理を施した反射防止物品製造用賦型版によって製造した反射防止物品について詳述したが、本発明は、上記製造方法によるものに限られない。反射防止物品が、異なる複数の凹凸形状パターンからなる複数の別領域によって構成される反射防止面を備えるものでありながら、例えば、上記の一の領域と同様の単一の凹凸形状パターン領域からなる反射防止面を備える反射防止物品と実質的に同等の性能を発揮しうるものであれば、上述の実施形態の構成を種々に変更し、更には従来構成と組み合わせることができる。例えば、単一の凹凸形状パターン領域からなる反射防止面を備える反射防止物品の反射防止面の一部について、製造時の賦型版とは異なる賦型版によって、改めて賦型し直す方法によって、本願の反射防止物品と同一の構成要件を備えることとなったものについても、当然に本発明の範囲である。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態の構成を種々に変更し、更には従来構成と組み合わせることができる。
本発明の反射防止物品は、液晶表示パネル、電場発光表示パネル、プラズマ表示パネル等の各種画像表示パネルの表側面に配置して視認性を向上することができる。又、これに限らず、例えば液晶表示パネルの裏面側に配置してバックライトから液晶表示パネルへの入射光の反射損失を低減させる場合(入射光利用効率を増大させる場合)にも広く適用することができる。尚、ここで画像表示パネルの表面側とは、該画像表示パネルの画像光の出光面であり、画像観察者側の面でもある。又、画像表示パネルの裏面側とは、該画像表示パネルの表面の反対側面であり、バックライト(背面光源)を用いる透過型画像表示裝置の場合は、該バックライトからの照明光の入光面でもある。
又、上述の実施形態では、図1に図示の如く、基材2の一方の面上に硬化性樹脂4からなる微細凹凸形状を有する反射防止面3を形成してなる2層構成の積層体を例示したが、本発明の反射防止物品1は、基材2の一方の面上に、他の層を介さずに直接、微小凹部を賦形した単層構成であってもよく、或いは、基材2の一方の面に1層以上の中間層(層間の密着性、塗工適性、表面平滑性等の基材表面性能を向上させる層。プライマー層、アンカー層等とも呼称される。)を介して反射防止面3を形成た3層以上の積層体であっても良い。
更に、上述の実施形態では、図1にも図示の如く、基材2の一方の面上にのみ反射防止面3を形成しているが、基材2の両面上に反射防止面3を形成した構成であっても良い。又、反射防止物品1において、反射防止面3とは反対側の面に各種接着剤層を形成し、更に該接着剤層表面に離型フィルム(離型紙)を剥離可能に積層してなる接着加工品の形態とすることも出来る。かかる形態においては、離型フィルムを剥離除去して接着剤層を露出せしめ、該接着剤層により所望の物品の所望の表面上に本発明の反射防止物品1を貼り合わせ、積層することが出来、簡便に所望の物品に反射防止性能を付与することが出来る。接着剤としては、粘着剤(感圧接着剤)、2液硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、熱熔融型接着剤等の公知の接着形態のものが各種使用出来る。
又、反射防止物品1において、反射防止面3上に剥離可能な保護フィルムを仮接着した状態で保管、搬送、売買、後加工乃至施工を行い、しかる後に適時、該保護フィルムを剥離除去する形態とすることも出来る。かかる形態においては、保管、搬送等の間に表面凹凸形状部分が損傷乃至は汚染して反射防止性能が低下することを防止することが出来る。
又、反射防止物品1は、画像表示パネルの表側面、或いは照明光の入射面にフィルム形状による反射防止物品を配置する他、種々の用途に適用することができる。具体的には、画像表示パネルの画面上に間隙を介して設置されるタッチパネル、各種の窓材、各種光学フィルタ等による表面側部材の裏面(画像表示パネル側)に配置する用途に適用することができる。なおこの場合には、画像表示パネルと表面側部材との間の光の干渉によるニュートンリング等の干渉縞の発生の防止、画像表示パネルの出光面と表面側部材の入光面側との間の多重反射によるゴースト像の防止、更には画面から出光されてこれら表面側部材に入光する画像光について、反射損失の低減等の効果を奏することができる。
又、店舗のショウウインドウや商品展示箱、美術館の展示物の展示窓や展示箱等に使用する硝子板表面(外界側)、或いは表面及び裏面(商品又は展示物側面)の両面に配置するようにしても良い。なおこの場合、該硝子板表面の光反射防止による商品、美術品等の顧客や観客に対する視認性を向上することができる。
又、眼鏡、望遠鏡、写真機、ビデオカメラ、銃砲の照準鏡(狙撃用スコープ)、双眼鏡、潜望鏡等の各種光学機器に用いるレンズ又はプリズムの表面に配置する場合にも広く適用することができる。この場合、レンズ又はプリズム表面の光反射防止による視認性を向上することができる。又、更に書籍の印刷部(文字、写真、図等)表面に配置する場合にも適用して、文字等の表面の光反射を防止し、文字等の視認性向上することができる。又、看板、ポスター、其の他各種店頭、街頭、外壁等における各種表示(道案内、地図、或いは禁煙、入口、非常口、立入禁止等)の表面に配置して、これらの視認性を向上することができる。又、更に白熱電球、発光ダイオード、螢光燈、水銀燈、EL(電場発光)等を用いた照明器具の窓材(場合によっては、拡散板、集光レンズ、光学フィルタ等も兼ねる)の入光面側に配置するようにして、窓材入光面の光反射を防止し、光源光の反射損失を低減し、光利用効率を向上することができる。又、更に時計、其の他各種計測機器の表示窓表面(表示観察者側)に配置して、これら表示窓表面の光反射を防止し、視認性を向上することができる。
又、更に、自動車、鉄道車両、船舶、航空機等の乗物の操縦室(運転室、操舵室)の窓の室内側、室外側、或いはその両側の表面に配置して窓における室内外光を反射防止して、操縦者(運転者、操舵者)の外界視認性を向上することができる。又、更に、防犯等の監視、銃砲の照準、天体観測等に用いる暗視装置のレンズ若しくは窓材表面に配置して、夜間、暗闇での視認性を向上することができる。
又、更に、住宅、店舗、事務所、学校、病院等の建築物の窓、扉、間仕切、壁面等を構成する透明基板(窓硝子等)の表面(室内側、室外側、あいはその両側)の表面に配置して、外界の視認性、或いは採光効率を向上することができる。又、更に、温室、農業用ビニールハウスの透明シート、ないしは透明板(窓材)の表面に配置して、太陽光の採光効率を向上することができる。又、更に、太陽電池表面に配置して、太陽光の利用効率(発電効率)を向上することができる。
以上例示の各種実施形態において、硝子板等の透明基板の表面、裏面、或いは表裏両面に本発明のフィルム状の反射防止物品を配置する場合、該透明基板の全面に亙って配置、被覆する以外に、一部分の領域にのみ配置することも出来る。かかる例としては、例えば、1枚の窓硝子について、其の中央部分の正方形領域において、室内側表面にのみフィルム状の反射防止物品を粘着剤で貼着し、その他領域には反射防止物品を貼着し無い場合を挙げることが出来る。透明基板の一部分の領域にのみ反射防止物品を配置する形態の場合は、特別な表示や衝突防止柵等の設置無しでも、該透明基板の存在を視認し易くして、人が該透明基板に衝突、負傷する危険性を低減する効果、及び室内(屋内)の覗き見防止と該透明基板の(該反射防止物品の配置領域における)透視性とが両立出来るという効果を奏し得る。
1 反射防止物品
2 基材
3 反射防止面
4 硬化性樹脂
5 反射防止物品製造用賦型版
52 劣化部分
6 押圧ローラ
7 硬化性補修剤
8 ディスペンサ
9 補修用賦型版

Claims (6)

  1. 微小突起が密接して配置され、隣接する前記微小突起の間隔が、反射防止を図る電磁波の波長帯域の最短波長以下である反射防止面が形成されている反射防止物品であって、
    前記反射防止面は、
    第1の凹凸形状パターンからなる主領域と、前記主領域により囲まれた閉領域として形成された修復領域と、からなり、
    前記修復領域は、前記第1の凹凸形状パターンと略同一の第2の凹凸形状パターンからなる閉領域であり、
    前記主領域は、前記第1の凹凸形状パターンのみが連続的に繰返されてなる単一の凹凸形状領域であり、
    前記修復領域は、前記第2の凹凸形状パターンのみが連続的に繰返されてなる単一の凹凸形状領域である反射防止物品。
  2. 前記修復領域は、前記反射防止面の一方の表面の10%未満の面積範囲に形成されている請求項1に記載の反射防止物品。
  3. 前記修復領域は、
    前記主領域との境界が、
    180°未満の内角と180°を超える内角を結ぶ線分によって形成される閉領域形状である請求項1又は2に記載の反射防止物品。
  4. 前記主領域の表面と前記修復領域の表面との平均高低差が0.01μm以上100μm未満である請求項1から3のいずれかに記載の反射防止物品。
  5. 前記修復領域と前記主領域との高低差により、前記修復領域と前記主領域との境界に前記修復領域を囲んで、前記反射防止面に対して略垂直に修復領域側壁が形成されている請求項1から4のいずれかに記載の反射防止物品。
  6. 前記修復領域の光線反射率が前記主領域の光線反射率の100%以上145%以下である請求項1から5のいずれかに記載の反射防止物品。
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