JP2014071312A - 反射防止物品製造用賦型版の修正方法及び反射防止物品製造用賦型版の製造方法 - Google Patents

反射防止物品製造用賦型版の修正方法及び反射防止物品製造用賦型版の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】いわゆるモスアイ構造を有する反射防止物品を製造するために用いる反射防止物品製造用賦型版に関して、反射防止物品の製造の継続による賦型用の微細な凹凸構造の劣化を、簡易な方法により、確実に修正することができる反射防止物品製造用賦型版の修正方法を提供すること。
【解決手段】劣化部分52に硬化性補修剤7を充填する工程と、凹凸形状が表面に形成されている補修用賦型版9を硬化性補修剤7に圧接して硬化性補修剤7に凹凸形状を賦型する工程と、凹凸形状が賦型された硬化性補修剤7を硬化させる工程と、補修用賦型版9を硬化性補修剤7から剥離する工程と、を備える反射防止物品製造用賦型版の修正方法とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、反射防止を図る電磁波の波長帯域の最短波長以下の間隔で多数の微小突起を密接配置して反射防止を図る反射防止物品を製造するために用いられる反射防止物品製造用金型の製造方法に関するものである。
近年、フィルム形状の反射防止物品である反射防止フィルムに関して、透明基材(透明フィルム)の表面に多数の微小突起を密接して配置することにより、反射防止を図る方法が提案されている(特許文献1〜6参照)。この方法は、いわゆるモスアイ(moth eye(蛾の目))構造の原理を利用したものであり、入射光に対する屈折率を基板の厚み方向に連続的に変化させ、これにより屈折率の不連続界面を消失させて反射防止を図るものである。
このようなモスアイ構造は、多数の微小突起からなる微細な凹凸形状を反転させた形状を有する金型等の製造用の賦型版を用いて、その凹凸形状を任意の樹脂層に転写(賦型)することによって製造されるのが一般的である。従ってモスアイ構造の反射防止フィルムを製造する方法としては、基板上に紫外線硬化性樹脂等の硬化性樹脂によって樹脂層を形成した後、上記のような製造用の賦型版を用いて当該樹脂層の表面にモスアイ構造を賦型し、更に当該樹脂層を硬化させることによって形成する方法を用いることができる。このような製造方法によれば、簡易な方法で、且つ、高い製造効率で反射防止フィルムを連続的に製造することができる。
又、上記モスアイ構造の賦型版としては、レーザー干渉法によって凹部が形成された金型(例えば、特許文献1〜3)や、陽極酸化法によって凹部が形成された金型(例えば、特許文献4〜6)が用いられている。なかでも陽極酸化法は、凹部が形成される位置をランダムにすることができること、大面積にわたって均一な形状を有する凹部を形成できること等において利点を有することから、反射防止物品製造用の賦型版としては、陽極酸化法によって形成されたものが広く用いられるに到っている。
この反射防止物品は、モスアイ構造の賦型に供する凹凸形状を周側面に形成したいわゆるロール版を賦型版として使用して、ロール・ツウ・ロール方式により効率良く生産することが望まれており、このようなロール版により生産する場合の工夫が種々に提案されている(特許文献7)。
ところでこの種のモスアイ構造の賦型に供するロール版は、生産により劣化し、その結果、反射防止物品の特性が劣化することが判った。この点を詳細に検討したところ、微細な凹凸構造が、賦型後の剥離の際に、賦型に供した樹脂層に付着してロール版より部分的に引き剥がされる場合が発生し、これによりロール版に点状又はエリア状の欠陥が生じることが判った。
このように凹凸形状が劣化した賦型版は、劣化前と同様の微細な凹凸構造を有する賦型版を再生産して交換する必要があった。例えば、賦型版が一般的な金型である場合、この交換にかかる多額の費用を低減させるための方法として、特許文献2には、モスアイ構造の賦型に用いる金型として、微細な凹凸形状を最初に造形した原型(マザー版)ではなく、該原型から1回、或いは2回以上の型取・反転による複製工程を経て製造した複製型(マスター版)を用いる方法が開示されている。金型のマスター版は、マザー版から用意に再生産できるので、この方法は、工業的生産性、コスト等に優れており、金型が劣化した場合の交換を容易にすることができる。
しかしながら、金型はもちろんのこと、例えば樹脂性の賦型版であっても、微細な劣化の都度に、それらの反射防止物品製造用賦型版を再生産して交換する方法は、上記工夫にもかかわらず、依然として、反射防止物品の生産ラインのランニングコストを引き上げる大きな要因となっており、生産ライン全体のランニングコストをより低く抑えることができる新たな方法が求められていた。
特表2001−517319号公報 特開2004−205990号公報 特開2004−287238号公報 特開2001−272505号公報 特開2002−286906号公報 国際公開第2006/059686号パンフレット 特開2005−156695号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、いわゆるモスアイ構造を有する反射防止物品を製造するために用いる反射防止物品製造用賦型版に関して、反射防止物品の製造の継続による賦型用の微細な凹凸構造の劣化を、簡易な方法により修正することができる反射防止物品製造用賦型版の修正方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、金型の劣化に対する対処方法として、これを破棄して、新たな金型を再生産するのではなく、劣化した金型の当該劣化部分に硬化性の樹脂を充填して、この硬化性樹脂を、モスアイ構造を有するフィルムによって賦型することにより、劣化した金型の当該劣化部分の修正を行う、との着想に至り、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1) 反射防止物品の凹凸形状の形成に使用する反射防止物品製造用賦型版の劣化部分の修正方法であって、前記劣化部分に硬化性補修剤を充填する工程と、凹凸形状が表面に形成されている補修用賦型版を前記硬化性補修剤に圧接して前記硬化性補修剤に凹凸形状を賦型する工程と、凹凸形状が賦型された前記硬化性補修剤を硬化させる工程と、前記補修用賦型版を前記硬化性補修剤から剥離する工程と、を備える反射防止物品製造用賦型版の修正方法。
(1)によれば、反射防止物品製造用賦型版の凹凸形状の一部が劣化した場合に、賦型版の全交換を必要とせずに、当該劣化部分のみを簡易な方法により修正することができる。
(2) 前記硬化性補修剤が紫外線硬化性樹脂である(1)に記載の反射防止物品製造用賦型版の修正方法。
(2)によれば、紫外線硬化性樹脂は、修正時における加工適性に優れるため、劣化部分をより高い精度で正確に修正することができる。
(3) 前記硬化性補修剤が液体ガラスである(1)に記載の反射防止物品製造用賦型版の修正方法。
(3)によれば、液体ガラスは、硬化後の硬度が高いため、修正後の反射防止物品製造用賦型版の耐久性をより高めることができる。
(4) 前記補修用賦型版は、前記反射防止物品製造用賦型版と同形状又は略同形状の凹凸形状を有する賦型版によって、同形状又は略同形状で、且つ、凹凸関係が逆となった凹凸形状が賦型されたフィルムである(1)から(3)のいずれかに記載の反射防止物品製造用賦型版の修正方法。
(4)によれば、例えば、反射防止物品製造用賦型版によって凹凸形状が形成されたフィルムを、当該賦型版の劣化部分を修正するための補修用賦型版とすることができる。これによって、低コストで補修用賦型版を得ることができ、反射防止物品製造用賦型版の修正のためのコストを大きく低減することができる。
(5) 反射防止物品の凹凸形状の形成に使用する反射防止物品製造用賦型版の製造方法であって、(1)から(4)のいずれかに記載の反射防止物品製造用賦型版の修正方法による凹凸形状の修正工程を備える反射防止物品製造用賦型版の製造方法。
(5)によれば、反射防止物品の製造工程における賦型版の保守費用を低減して、反射防止物品の品質を保持したまま、製造総コストを圧縮することができる。
モスアイ構造を有する反射防止物品に関して、生産の継続に伴う賦型版の一部が劣化した場合に、簡易、且つ、低コストで、当該劣化部分の修理を行うことができる。
本発明に係る反射防止物品製造用賦型版によって製造可能な反射防止物品を示す図である。 本発明に係る反射防止物品製造用賦型版によって反射防止物品を製造する製造工程の説明に供する図である。 本発明の反射防止物品製造用賦型版の修正方法の説明に供する図である。
<反射防止物品製造用賦型版、及びそれにより製造される反射防止物品>
図1は、本発明に係る反射防止物品製造用賦型版によって製造可能な反射防止物品の代表例であるモスアイ構造を有する反射防止物品を示す図である。この反射防止物品1は、透明フィルムによる基材2に微細な凹凸形状からなる反射防止面3を形成して製造される。ここで基材2は、例えばTAC(Triacetylcellulose)、アクリル、PET(Polyethylene terephthalate)、PC(Polycarbonate)等の各種透明フィルムを適用することができる。基材2の表面には、反射防止物品製造用賦型版金型等の反射防止物品製造用賦型版を使用して、紫外線硬化性樹脂等の硬化性樹脂4に微細な凹凸形状を形成することにより反射防止面3が形成される。反射防止物品1は、この反射防止面3の微細な凹凸形状により厚み方向に徐々に屈折率が変化するように形成され、モスアイ構造の原理により広い波長範囲で入射光の反射を防止することができる。
又、反射防止面3に形成される微細な凹凸形状については、その凸部が単一の頂点を有する単峰性の凸部が多数形成されたものであってもよいが、これに限らない。例えば、少なくとも一部の凸部が複数の頂点を有する多峰性の凸部であることがより好ましい。このような頂点を複数有する多峰性の凸部は、単峰性の凸部に比して、頂点近傍の寸法に対する裾の部分の太さが相対的に太くなる。これにより、多峰性の凸部は、単峰性の凸部に比して機械的強度が優れていると言える。これにより頂点を複数有する多峰性の凸部が存在する場合、反射防止物品では、単峰性の凸部のみによる場合に比して耐擦傷性が向上するものと考えられる。更に、具体的に反射防止物品に外力が加わった場合、単峰性の凸部のみの場合に比して、外力をより多くの頂点で分散して受ける為、各頂点に加わる外力を低減し、凸部が損傷し難いようにすることができ、これにより反射防止機能の局所的な劣化を低減し、更に外観不良の発生を低減することができる。
図2は、反射防止物品1の製造工程を示す図である。この製造工程は、まずダイ(図示せず)により基材2に硬化性樹脂4を塗布する(A)。なお硬化性樹脂4の塗布については、ダイによる場合に限らず、各種の手法を適用することができる。続いて、押圧ローラ6により、反射防止物品製造用賦型版5と基材2とを加圧押圧し、これにより基材2に硬化性樹脂4を密着させると共に、反射防止物品製造用賦型版5の表面に形成された微細な凹部に硬化性樹脂4を充分に充填させる(B)。この状態で、例えば、硬化性樹脂4が紫外線硬化性樹脂である場合には、紫外線の照射により硬化性樹脂4を硬化させ、これにより微細な凹凸形状を形成する(C)。続いて、剥離ローラ(図示せず)を介して反射防止物品製造用賦型版5から基材2を剥離する(D)。
図2においては、反射防止物品の製造方法を平易に説明するために反射防止物品製造用賦型版5がシート状である場合について説明したが、例えば、反射防止物品製造用賦型版5を金属製のロール形状の金型として、当該金型の凹凸形状を、ロール材による長尺の基材2に、ロール・トゥ・ロールのプロセスによって、連続的に賦型していくことにより、モスアイ構造を有する反射防止物品を極めて効率良く量産することができる。
ここで、反射防止物品製造用賦型版5の凹凸形状は、従来公知の様々な方法で形成することができる。代表的な一例として、反射防止物品製造用賦型版が、金属製の金型である場合には、金属性の母材の周側面に、アルミニウムの陽極酸化を利用して、可視光の波長以下の繰り返し周期で微細な凹凸形状を形成することができる。このため金属製の金型は、母材自体がアルミニウムにより構成され、若しくは銅等による母材の表面に直接に、又は各種の中間層を介してアルミニウム層が設けられたものを材料として製造することができる。反射防止物品製造用賦型版5が金属製の金型である場合の凹凸形状は、陽極酸化処理とエッチング処理との繰り返しにより、金属製の母材のアルミニウム層に微細穴を密に形成し、この微細穴を掘り進めると共に、この微細穴の穴径を徐々に拡大することにより形成することができる。これにより金属製の母材には、深さ方向に徐々に穴径が小さくなる微細穴が密に形成される。このような金型を反射防止物品製造用賦型版5として用いることにより、反射防止物品1の表面には、この微細穴に対応する微細な凹凸形状を形成することができる。尚、上記の金属製の母材としては、銅、ステンレス等を使用することもでき、その最表面層には、Ni、Ti、Cr等を積層することもできる。
尚、反射防止物品製造用賦型版5は、必ずしも上記のような金型である必要はなく、樹脂や、ガラス、フィルムを巻きつけたもの等を反射防止物品製造用賦型版5の母材として用いることも可能であり、本発明の反射防止物品製造用賦型版の修正方法(以下、単に「修正方法」とも言う)は、当然にそれらの金属製以外の賦型版の修正においても好ましく用いることができるものである。但し、上記のように陽極酸化によって微細穴を形成した大型のロール形状の金型等、交換コストが嵩むものへ適用することによって、より顕著なコスト削減効果を得ることができる。
<反射防止物品製造用賦型版の修正方法>
本発明の修正方法の詳細の説明の前に、まず、本発明の修正方法の処理対象である、反射防止物品製造用賦型版5の劣化部分52について、その発生のプロセスの一例を説明する。図2に示す反射防止物品1の製造工程においては、賦型後の基材2の剥離の際(図2(D))に、反射防止物品製造用賦型版5の微細な凹凸形状のごく一部が硬化性樹脂4に付着して反射防止物品製造用賦型版5より局所的に引き剥がされることがある。これにより、反射防止物品製造用賦型版5(図3(A))の凹凸形状の劣化が徐々に進行することにより劣化部分52が発生する(図3(B))。
従来は、このような部分的な劣化に対する対策として、劣化部分52の劣化態様や劣化面積が実用上、許容範囲内にあるうちは反射防止物品製造用賦型版5を継続使用し、劣化部分52の劣化態様や劣化部分の面積が許容範囲を超えた場合には、反射防止物品製造用賦型版5を全交換して対処していた。
しかし、図3に示す通り、本発明の修正方法によれば、以下に詳細を説明する通り、劣化部分52の修正を、簡易な方法でありながら、十分に反射防止物品の反射性能を回復することのできる独自の方法で行うことにより、反射防止物品製造用賦型版5の交換までの寿命を大幅に延長して、これにより、反射防止物品の生産性を高め、又、製造プロセス全体の操業コストを大きく低減することができる。
図3は、反射防止物品製造用賦型版5の一部に劣化部分52が生じた場合における反射防止物品製造用賦型版5の修正方法の各工程における処理を模式的に示した図である。以下、図3を参照しながら、本発明の反射防止物品製造用賦型版の修正方法の具体的詳細について説明する。
図3(A)は、劣化が全く発生していない状態にある反射防止物品製造用賦型版5の模式図である。これに対して、図3(B)は、劣化が進行して、修正を要する程度の面積にまで劣化部分52が拡大した状態にある反射防止物品製造用賦型版5の模式図である。
反射防止物品製造用賦型版5に、図3(B)に示すような、劣化部分52が生じた場合に、本発明の修正方法においては、まず、図3(C)に示す通り、劣化の進行した反射防止物品製造用賦型版5の劣化部分52に、ディスペンサ8により、硬化性補修剤7を滴下して適量充填する。
硬化性補修剤7としては、ウレタンアクリレート、アクリレートモノマー、アクリル酸2−ヒドロキシプロピルを成分とする紫外線硬化性樹脂、液体ガラス、その他、熱硬化樹性樹脂、水ガラス、アクリレート系樹脂(瞬間接着剤等)等の硬化性の樹脂を適宜用いることができる。中でも、紫外線硬化性樹脂、又は、液体ガラスを、硬化性補修剤7として特に好ましく用いることができる。
紫外線硬化性樹脂は、従来公知の樹脂を、特に限定なく用いることができる。具体的には、製品名「3021J」(株式会社スリーボンド社製)等、市場から容易に入手可能なものを好ましく用いることができる。紫外線硬化性樹脂は、劣化部分の大きさによって滴下量の調整(粘度、表面張力による微量塗布適性)が容易であり、又、硬化処理が容易、且つ、熱依存性が少ないため温度による寸法変化の事後変形を生じにくい。更に、硬化反応による体積変化の影響も少なくでき、当該材料の硬度を調整可能とすることができる等、修正時における加工的性に優れている。よって、より正確に過不足無く劣化部分を劣化前の状態に近づけるように修正することができるという点において、硬化性補修剤7として好ましい。又、特に樹脂性の賦型版との材料親和性が良いため、樹脂製の反射防止物品製造用賦型版の修正時に特に好ましく用いることができる。
液体ガラスは、従来公知のものを、特に限定なく用いることができる。液体ガラスとは、主成分が二酸化ケイ素(SiO)のシリカ溶液で、密封容器内等では、常温で液体として存在する。これを物体面に塗布し、空気に接触した状態としておくと、硬化して固体のガラス質とすることができる。具体的には、製品名「常温安定ガラス(ガラス塗料)」(モリテックカメムラ ガラス塗料事業部社製)等、市場から容易に入手可能なものを好ましく用いることができる。液体ガラスは、硬度が高く、賦型版として使用した場合の耐久性に優れている。よって、修正後の反射防止物品製造用賦型版の耐久性をより高められるという点において、硬化性補修剤7として好ましい。尚、硬化処理も比較的容易であり、特に溶剤系を選定した場合には表面張力が調整可能であり、硬化時の体積変化を抑えることができる。
続いて、本発明の修正方法においては、図3(D)に示す通り、凹凸形状が表面に形成されている補修用賦型版9を、賦型可能な範囲で硬化が若干進んでいる状態である半硬化状態の硬化性補修剤7に圧接して硬化性補修剤7に凹凸形状を賦型する(図3(E))。
補修用賦型版9としては、反射防止物品製造用賦型版5の劣化部分に充填されている半硬化状態の硬化性補修剤7の表面に所望の凹凸形状を賦型可能な対応する凹凸形状をその表面に形成した樹脂フィルム、樹脂シート、又は、金属版等を用いることができる。特に、反射防止物品製造用賦型版5の非劣化部分51の凹凸形状と凹凸が逆転した対応する凹凸形状、若しくは、それに類似する凹凸形状を有するものであれば、そのような樹脂フィルム等を、より好ましく用いることができる。
更には、例えば、反射防止物品製造用賦型版5によって凹凸形状を賦型した反射防止物品1、それ自体を、そのまま補修用賦型版9として用いることもできる。このような反射防止物品1は、反射防止物品製造用賦型版5の非劣化部分51と凹凸が逆転した対応する凹凸形状が形成されることとなるので、これを、半硬化状態の硬化性補修剤7の液表面上に圧接することにより、非劣化部分51と同一、若しくは、略同一の凹凸形状を硬化性補修剤7の液表面上に賦型することができる。これによれば、所望の特殊な凹凸形状をその表面に形成した補修用の賦型版等の別途の製造が不要となり、更に低コストで、本発明の修正方法を実施することができ、且つ、劣化前の形状を極めて忠実に再現することができる。
上記の硬化性補修剤7の表面への凹凸形状賦型後、半硬化状態の硬化性補修剤7を、所望の硬度となるまで硬化させる。硬化は、硬化性補修剤7の種類及び必要となる硬度に応じて、適宜必要な条件の下で行えばよい。
上記の硬化後、劣化部分52が形成されていた場所に所望の凹凸形状が賦型されることにより凹凸形状が修正されている反射防止物品製造用賦型版5から、硬化性補修剤7の表面を覆って圧接されている補修用賦型版9を剥離する(図3(F))。これにより、劣化部分52の発生した反射防止物品製造用賦型版5に、修正部分51Aを形成して修正済の反射防止物品製造用賦型版5Aとすることができる。
尚、反射防止物品製造用賦型版5において、修正を要することとなる劣化部分52の最小面積は、劣化の態様や、反射防止物品1に要求されている反射防止性能によっても異なるため、一義的に規定されるものではない。但し、一般的には、例えば劣化部分52が略円形である場合には、その直径が50μm〜150μm程度となった場合に、反射防止物品1に実質的な悪影響が生じるため、反射防止物品製造用賦型版5の修正が必要となる。本発明の修正方法によれば、上記の直径が30μm〜50μm程度の微小な劣化部分にも容易に適用することができる。又、それ以上の大きな劣化部分に対しても、当然に対応可能である。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態の構成を種々に変更し、更には従来構成と組み合わせることができる。
例えば、上述の実施形態では、既存の反射防止物品製造用賦型版に使用による劣化が生じた場合の修正方法について記載したが、本発明はこれに限らず、例えば、新たに反射防止物品製造用賦型版を製造する際の、製造過程における必要な修正処理を行う方法としても用いることができる。このように本発明の修正方法と実質的に同一の方法をその一工程として含む反射防止物品製造用賦型版の製造方法、及び、そのようにして製造された反射防止物品製造用賦型版も、本発明の範囲である。
尚、本発明の修正方法によれば、従来、実操業において、その表面凹凸形状の劣化に伴い、0.25〜1月程度で交換していた金属製の反射防止物品製造用賦型版の交換までの期間が2〜4倍程度まで延びることが操業試験により確認されている。本発明の反射防止物品製造用賦型版の修正方法は、この反射防止物品製造用賦型版の寿命延長と、反射防止物品製造用賦型版の交換時の操業停止期間の短縮により、反射防止物品の生産性を大きく高めることに寄与しうる方法である。
1 反射防止物品
2 基材
3 反射防止面
4 硬化性樹脂
5、5A 反射防止物品製造用賦型版
51 非劣化部分
51A 修正部分
52 劣化部分
6 押圧ローラ
7 硬化性補修剤
8 ディスペンサ
9 補修用賦型版

Claims (5)

  1. 反射防止物品の凹凸形状の形成に使用する反射防止物品製造用賦型版の劣化部分の修正方法であって、
    前記劣化部分に硬化性補修剤を充填する工程と、
    凹凸形状が表面に形成されている補修用賦型版を前記硬化性補修剤に圧接して前記硬化性補修剤に凹凸形状を賦型する工程と、
    凹凸形状が賦型された前記硬化性補修剤を硬化させる工程と、
    前記補修用賦型版を前記硬化性補修剤から剥離する工程と、を備える反射防止物品製造用賦型版の修正方法。
  2. 前記硬化性補修剤が紫外線硬化性樹脂である請求項1に記載の反射防止物品製造用賦型版の修正方法。
  3. 前記硬化性補修剤が液体ガラスである請求項1に記載の反射防止物品製造用賦型版の修正方法。
  4. 前記補修用賦型版は、前記反射防止物品製造用賦型版と同形状又は略同形状の凹凸形状を有する賦型版によって、同形状又は略同形状で、且つ、凹凸関係が逆となった凹凸形状が賦型されたフィルムである請求項1から3のいずれかに記載の反射防止物品製造用賦型版の修正方法。
  5. 反射防止物品の凹凸形状の形成に使用する反射防止物品製造用賦型版の製造方法であって、
    請求項1から4のいずれかに記載の反射防止物品製造用賦型版の修正方法による凹凸形状の修正工程を備える反射防止物品製造用賦型版の製造方法。
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