以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。本発明の第1実施形態に係る画像形成装置について図1及び図2を参照して説明する。図1は同画像形成装置の要部模式的側面説明図、図2は同じく要部平面説明図である。
この画像形成装置は、媒体10に画像を形成する画像形成手段1と、画像形成手段1に対向して媒体10を搬送する搬送手段2とを備えている。
画像形成手段1は、例えば液滴を吐出する液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド11を搭載したキャリッジ12を備えている。キャリッジ12は図示しないガイド部材に往復移動可能に保持されて、図2の主走査方向(媒体搬送方向と直交する方向:媒体の幅方向)に往復移動される。
搬送手段2は、記録ヘッド11の媒体搬送方向上流側に配置した搬送ローラ21と加圧ローラ22の対と、記録ヘッド11の媒体搬送方向下流側に配置した排紙ローラ23と拍車コロ24の対とを備えている。
これらの搬送ローラ21と加圧ローラ22の対と、排紙ローラ23と拍車コロ24の対との間に、記録ヘッド11に対向して媒体10を案内する搬送ガイド部材であるプラテン部材3が配置されている。このプラテン部材3の案内面側が媒体10の搬送路を形成する。なお、搬送手段はベルトを用いた構成とすることもできる。
そして、記録ヘッド11と媒体10の搬送路をなすプラテン部材3との間には、媒体10を押さえる(浮き上がりを規制するという意味)ことで媒体10と記録ヘッド11との距離を規制する規制部材4が配置されている。規制部材4は、例えばテグス糸などの糸状部材、PETフィルムなどの薄層部材で形成している。
この規制部材4を記録ヘッド11よりも媒体搬送方向上流側で支持する上流側支持部5と、規制部材4を記録ヘッド11よりも媒体搬送方向下流側で支持する下流側支持部6とを有している。下流側支持部6には規制部材4に張力を与えるばねなどの張力付与部材61を設けている。
ここで、上流側支持部5及び下流側支持部6と規制部材4とは、図2に示すように、媒体10の幅方向(主走査方向:媒体搬送方向と直交する方向)端部を規制するためにそれぞれ2個配置している。
上流側支持部5及び下流側支持部6は、キャリッジ12の移動方向である主走査方向に移動可能に配置され、2つの規制部材4は独立して移動することができる。
そして、主走査方向に沿ってキャリッジ12の位置を検知するためのエンコーダシート14が配置され、キャリッジ12に搭載されたエンコーダセンサ15によって読み取られる。これらのエンコーダシート14及びエンコーダセンサ15によってキャリッジ位置検知手段であるリニアエンコーダ13が構成されている。
また、キャリッジ12には、媒体10の幅方向端を検知する媒体端検知手段を兼ねる媒体センサ17が設けられている。この媒体センサ17は、規制部材4自体を検知する規制部材検知手段を兼ねることができる。媒体センサ17は、反射型フォトセンサなどで構成される。
次に、規制部材を移動させる駆動機構(規制部材駆動手段)について図3も参照して説明する。図3は同駆動機構に係る部分の平面説明図である。
ここでは、上流側支持部5及び下流側支持部6を、いずれも独立して、媒体搬送方向と直交する方向(主走査方向)に移動させる駆動手段である駆動機構8A1、8A2と8B1、8B2をそれぞれ備えている。なお、以下では、駆動機構8A1,8A2を区別しないときは「駆動機構8A」といい、駆動機構8B1,8B2を区別しないときは「駆動機構8B」といい、駆動機構8A、8Bを区別しないときは「駆動機構8」という。
駆動機構8は、上流側支持部5又は下流側支持部6を案内するガイドレール81と、プーリ82、83間に掛け回したタイミングベルト84と、プーリ83を回転駆動する図示しない独立駆動可能な駆動源とを有し、タイミングベルト84に上流側支持部5或いは下流側支持部6を連結している。
これにより、各駆動機構8のプーリ83を回転駆動することによって、2つの上流側支持部5、5及び2つの下流側支持部6、6は、それぞれ独立してキャリッジ移動方向に移動可能である。
この場合、駆動機構8Aの各プーリ83を同じ駆動量で駆動することによって規制部材4は平行移動する。これに対し、駆動機構8Aの各プーリ83の駆動量を異ならせて駆動することによって規制部材4を斜めに移動させることができる。駆動機構8Bについても同様である。
つまり、本実施形態では、規制部材4に張力を付与して支持部6に支持しているので、規制部材4が若干斜めになっても張力付与部材61によって吸収できる。これにより、スキューに合わせて規制部材4を斜めに位置させるようにすることもできる。
このように構成したので、駆動機構8によって、プーリ83の回転を制御することによって、各上流側支持部5及び下流側支持部6で支持された各規制部材4を独立してキャリッジ移動方向に移動させることができる。上流側支持部5と下流側支持部6を移動させることで、媒体10の幅方向端部に合わせて各規制部材4、4を所要の位置に移動することができる。
規制部材4の移動量は、例えば、駆動源の回転量をロータリエンコーダで検出することで得られる。また、規制部材4の位置は、例えば、媒体センサ17によって規制部材4を検知したときのキャリッジ位置から得ることができる。
なお、駆動機構は、送りネジやボールネジなどを使用することもできる。また、リニアモータなど、直接、支持部5,6を移動させる駆動源を使用することもできる。
次に、本実施形態の作用について図4も参照して説明する。図4は同作用説明に供する説明図である。
媒体10を記録ヘッド11による画像形成位置まで搬送するとき、搬送機構のばらつきや媒体の種類によるばらつきが生じる。例えば、媒体10が、図4(a)に実線で示す媒体位置で搬送される場合と、破線で示す媒体位置で搬送される場合がある。
本実施形態では、キャリッジ12に備えた媒体センサ17によって媒体10の幅方向端を検知可能であり、また、2つの規制部材4、4は独立してキャリッジ移動方向に移動可能である。
そこで、図4(a)に示すように、媒体10の幅方向端に合わせて規制部材4を移動させて、媒体10の幅方向端と規制部材5との間のマージンを調整することができる。
これにより、規制部材4を媒体10の幅方向端部に高精度に位置決めして、画像形成を行うことができる。
また、媒体10が、図4(b)に破線で示す目標媒体位置に対して実線で示すようにスキューが生じた状態で搬送される場合がある。
このときには、上述したように、キャリッジ12の1スキャン毎に媒体センサ17によって媒体10の幅方向端を検知して、各規制部材4を独立してキャリッジ移動方向に移動し、媒体10の幅方向端と規制部材5との間のマージンを所定値に調整する。
これにより、媒体10のスキューが発生した場合でも、規制部材4を媒体10の端部に高精度に位置決めして、媒体10の浮きを確実に抑え、安定した搬送を行いながら画像形成を行うことができる。
次に、本実施形態における規制部材の移動制御について図5のフロー図を参照して説明する。
印字命令を受けると、規制部材4、4を所定の初期位置に移動させる。初期位置は、当該装置固有の搬送ばらつき(搬送ずれ量)や媒体のサイズに応じて予め定められている位置であり、記憶手段に格納保持されている。
なお、媒体の搬送位置の装置間の差や媒体による差を調整するマージポジション調整手段を備えている場合には、マージポジション調整手段によるマージンポジション調整値にも基づいて規制部材4、4の位置を定める。マージポジション調整手段とは、テストパターンを印字させて調整値をユーザーが判断し、装置に調整値を入力する手段であって制御部によって処理される。このときの調整値は、印刷媒体の主走査方向位置(キャリッジ移動方向位置)の調整値である。
また、規制部材4の位置は、キャリッジ12を移動して媒体センサ17によって規制部材4を検知したときのキャリッジ位置として検出するようにしている。
その後、キャリッジ12の移動(スキャン)が開始されたか否かを判別し、スキャンが開始されたときには、媒体センサ17によって媒体10の幅方向端を検知したか否かを判別する。
そして、媒体10の幅方向端が検知されたときには、媒体10の幅方向端に対する規制部材4の位置、すなわち、規制部材4と媒体10の幅方向端との間隔(マージン)が予め定めた所定値であるか否かを判別する。
このとき、規制部材4と媒体10の幅方向端とのマージンが所定値でなければ、マージンが所定値になるように規制部材4を移動する。ただし、マージンが所定値でなくても規制部材の位置が画像形成領域に重ならない場合には移動を省略してもよい。
その後、全スキャン終了か否かを判別する。
そして、全スキャン終了でなければ、媒体センサ17によって媒体10の幅方向端を検知したか否かを判別する処理に戻る。
これにより、1スキャン毎に、媒体10の幅方向の両端が検知されて、規制部材4と媒体10の幅方向端とが所定のマージンになるように規制部材4が位置決めされることになる。
なお、媒体10のサイズが分かっているので、最初に検知された一方の幅方向端から他方の幅方向端を算出して、他方側の規制部材4を移動させるようにすることもできる。
そして、全スキャン終了であれば、印字終了か否かを判別して、印刷終了になれば、この処理を抜ける。
このように、キャリッジ12の1スキャン毎に媒体10の幅方向端を検知して、規制部材4と媒体10の幅方向端が所定のマージンになるように規制部材4の移動制御を行う。
これにより、規制部材4を媒体10の端部に高精度に位置決めしながら、規制部材4が媒体10から外れることなく、安定した搬送を行いながら画像形成を行うことができる。
次に、本発明の第2実施形態における規制部材の移動制御について図6のフロー図を参照して説明する。
印字命令を受けると、規制部材4、4を所定の初期位置に移動させる。なお、このときの処理は前記第1実施形態の制御で説明したと同様である。
その後、規制部材4の移動制御が必要か否かを判別する。移動制御が必要か否かの判断は、規制部材4の位置が想定される媒体のずれ量より大きいか否かで行う。
すなわち、媒体の大きさと規制部材4の位置関係によっては、媒体10の幅方向の搬送ずれの許容値が変化し、想定される搬送ずれが許容値に対して十分に余裕があり、画像形成域が小さい場合などは、規制部材4を移動制御する必要がない。規制部材4の移動制御を行うと、媒体10の幅方向端の検知のため不要にキャリッジの往復移動距離が長くなって生産性が低下することになる。そこで、規制部材4を移動制御する必要がないか否かを判別するようにしている。
そして、規制部材4の移動制御が必要なときには、キャリッジ12の移動(スキャン)が開始されたか否かを判別し、スキャンが開始されたときには、媒体センサ17によって媒体10の幅方向端を検知したか否かを判別する。
そして、媒体10の幅方向端が検知されたときには、規制部材4と媒体10の幅方向端との間隔(マージン)が予め定めた許容範囲内にあるか否かを判別する。
このとき、規制部材4と媒体10の幅方向端とのマージンが許容範囲内になければ、規制部材4を許容範囲内になるように移動する。許容範囲内か否かの判別を行うことで、規制部材4の移動を少なくすることができる。
その後、全スキャン終了か否かを判別する。
そして、全スキャン終了でなければ、媒体センサ17によって媒体10の幅方向端を検知したか否かを判別する処理に戻る。
そして、全スキャン終了であれば、印字終了か否かを判別して、印刷終了になれば、この処理を抜ける。
このようにして、前記第1実施形態と同様に、媒体10が搬送ずれなどを生じて搬送された場合でも、規制部材4を媒体10の幅方向端部に高精度に位置決めすることができて、媒体の浮きを抑えて、安定した搬送を行いながら、画像形成を行うことができる。
ここで、前記第1実施形態と前記第2実施形態の制御の差について補足する。
媒体2の余白部分いっぱいに印字しない印字画像では、規制部材4が画像をよける必要がなく、媒体浮きの押さえの機能として作用する位置に規制部材4を配置すればよい。このときの規制部材4の位置は、媒体種類、印字範囲と印字率(媒体の予想コックリング量と範囲)、媒体サイズ、温湿度などで決まる。さらに、このとき、規制部材4の位置が媒体端部に対して、想定されるスキューなどのズレ量より十分大きい(余裕がある)場合、そもそも規制部材4を移動させる必要がない。
そこで、前記第1実施形態では、上記のような想定がないことを前提として、媒体の端部を必ず検出して規制部材4を移動させる制御を行うようにしている。これに対し、前記第2実施形態では、規制部材4の位置に十分余裕がある場合には媒体端部も検出せずに印字範囲だけでキャリッジの移動範囲を決定し、規制部材4自体も移動させない構成としている。
次に、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置について図7及び図8を参照して説明する。図7は同画像形成装置の斜視説明図、図8は同じく側面説明図である。
この画像形成装置は、シリアル型画像形成装置であり、左右の側板に架け渡した板状部材からなるガイド部材103などを使用したロッドレスタイプの案内機構にてキャリッジ104を媒体搬送方向と直交する主走査方向に移動可能に支持している。キャリッジ104は主走査モータ105によって往復移動される。なお、図7では図8のキャリッジカバー部104aを取り外した状態で図示している。
キャリッジ104には、例えばイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の液滴を吐出する画像形成手段としての液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド111を搭載している。
記録ヘッド111には、装置本体側に着脱可能に装着される液体カートリッジ(メインタンク)であるインクカートリッジ113から供給チューブ114を介してインク(液体)が供給される。
また、キャリッジ104の移動方向に沿ってエンコーダスケール121が配置され、キャリッジ104にはエンコーダスケール121を読取るエンコーダセンサ122が搭載されている。これらのエンコーダスケール121とエンコーダセンサ122によって、キャリッジ104の主走査方向の位置(キャリッジ位置)を検知するキャリッジ位置検知手段であるリニアエンコーダからなる主走査エンコーダ120を構成している。
一方、装置本体の底部側には、媒体100を装填する給紙カセット101が装着されている。給紙カセット101内の媒体は、給紙コロ143によって1枚ずつ分離して送り出される。
この給紙カセット101から給紙された媒体100は、中継ローラ144、搬送ガイド板145を経て、搬送ローラ151と加圧ローラ152との間に送り込まれる。そして、搬送ローラ151と加圧ローラ152による搬送力によって搬送ガイド部材であるプラテン部材153のリブ153aで案内されながら間歇的に搬送される。
ここで、搬送ローラ151は搬送モータである副走査モータ161によって回転駆動される。この搬送ローラ151の回転量はエンコーダホイール171と図示しないエンコーダセンサとで構成されるロータリエンコーダからなる副走査エンコーダ170(後述)によって検出される。
このとき、キャリッジ104を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド111を駆動することにより、停止している媒体100にインク滴を吐出して1行分を記録し、媒体100を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は媒体の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了する。
プラテン部材153の下流側には排紙ローラ154と拍車155とが配置され、画像が形成された媒体100を排紙トレイ102上に排出する。
次に、この画像形成装置における記録部の一例の詳細について図9も参照して説明する。図9は同記録部の一例の平面説明図である。
プラテン部材153の上方には、案内する媒体100の浮き上がりを規制するためのガイド部材201が主走査方向(キャリッジ移動方向)に2つ配置されている。ガイド部材201は、媒体100と接触し、媒体の浮きを抑える糸状の規制部材204と、規制部材204を保持する保持部材205、206とを備え、規制部材204の両端が保持部材205,206により保持されている。
規制部材204は柔軟性を持った細い糸状の部材であり、2つの保持部材205、206により張力が与えられた状態で保持されている。
プラテン部材153は、媒体100に接触しガイドするための複数のリブ153aを有しており、規制部材204はこのリブ153aより高い位置に保持されている。
また、ガイド部材201は、キャリッジ104及び記録ヘッド111の走査領域外に位置するよう保持されており、印字を行うためにキャリッジ104がプラテン部材153上方を走査しても、ガイド部材201とキャリッジ104、及び記録ヘッド111とは接触しないようになっている。
一方、キャリッジ104には、媒体端検知手段や規制部材検知手段を兼ねる反射型フォトセンサからなる媒体センサ127を備えている。
ここで、規制部材204を主走査方向に移動させる駆動機構について説明する。
駆動機構は、一方の規制部材204を移動させる駆動機構208A1、208A2と、他方の規制部材204を移動させる駆動機構208B1、208B2とで構成される。なお、前記第1実施形態と同様に、区別しないときは駆動機構208などという。
駆動機構208A1、208B1は、それぞれガイド部材201の上流側の保持部材205,205をキャリッジ104の走査方向に沿う方向に移動可能に保持するガイドレール281,281を備えている。そして、プーリ282,283間に掛け回したタイミングベルト284に保持部材205、205をそれぞれ連結している。
同様に、駆動機構208A2、208B2は、ガイド部材201の下流側の保持部材206,206をキャリッジ104の走査方向に沿う方向に移動可能に保持するガイドレール281,281を備えている。そして、プーリ282,283間に掛け回したタイミングベルト284に保持部材206、206をそれぞれ連結している。
駆動機構208A1、208A2とは、共通の図示しない駆動源からの駆動力が伝達される。また、駆動機構208B1、208B22とは、共通の図示しない駆動源からの駆動力が伝達される。
タイミングベルト284は、プラテン部材153の搬送方向上流側と搬送方向下流側にそれぞれ2つずつ設けられている。
1つのガイド部材201の上流側のタイミングベルト284と下流側のタイミングベルト284の動作は、同期されており、これにより上流側の保持部材205と下流側の保持部材206も同期して移動する。
このように、規制部材204を含むガイド部材201は主走査方向に移動するとき、上流側、下流側の保持部材205、206が同期して動作するため、傾かずにキャリッジ104の走査方向に移動することができる。
ただし、駆動源からプーリ283までの駆動伝達系にクラッチを入れて、上流側と下流側を独立して移動させるようにすることもできる。このようにすれば、前述したように規制部材204を斜めに配置した状態にすることもできる。
印字を行うとき、制御部はホスト側から送られてきた印字情報内の媒体100のサイズを読み出し、媒体100の幅方向のサイズに合わせて予め格納保持している初期位置に、ガイド部材201、201を移動する。
ガイド部材201、201は、プラテン部材153上に搬送される媒体100の搬送方向と直交する幅方向両側の端部より内側に位置するよう移動される。これにより、媒体100がプラテン部材153上に搬送されてきたとき、媒体100の端部がプラテン部材153とガイド部材201、201の規制部材204、204間に挟まれた状態となる。
ガイド部材201の規制部材204は媒体100の端部の浮き上がりを抑えることができる。つまり、例えば破損、折れ等によって端部が浮き上がりやすくなった媒体100が搬送されても、ガイド部材201の規制部材204によりキャリッジ104と記録ヘッド111に接触しない位置に規制される。
これにより、媒体とキャリッジ104及び記録ヘッド111とが接触することによる不具合(例えば擦れ、ジャム等)を防ぐことができる。
次に、この画像形成装置における記録部の他の例について図10も参照して説明する。図10は同記録部の他の例の斜視説明図である。
この記録部では、上記図9の上流側駆動機構208A1、208B1を1つにした上流側の駆動機構208Cと、同じく下流側駆動機構208A2、208B2を1つにした下流側の駆動機構208Dとを配置している。これらの駆動機構208C、208Dは、図9で説明した駆動機構と基本的構成は同じである。
つまり、ガイド部材201の保持部材205,206は、主走査方向の全域にわたって配置されたガイドレール281によりキャリッジ104の走査方向と並行する方向に移動可能に保持されている。そして、図示しないプーリ(図9のプーリ282に相当)とプーリ283間に掛け回したタイミングベルト284を介して図示しないモータによって移動される。
そして、上流側駆動機構208Cのタイミングベルト284はプラテン部材153の搬送方向上流側に配置されて、2つの上流側の保持部材205に動力を伝え、下流側駆動機構208Dのタイミングベルト284はプラテン部材153の搬送方向下流側に配置されて、2つの下流側の保持部材205に動力を伝える。
上流側のタイミングベルト284と下流側のタイミングベルト284の動作は、図示しない更に別のタイミングベルトにより同期されており、これにより上流側の保持部材205と下流側の保持部材206も同期して移動する。
また、上流側のタイミングベルト284に連結された2つの保持部材205は、ループ状になったタイミングベルト284の異なる面に固定部にて固定されて保持されている。同様に、下流側のタイミングベルト284に連結された2つの保持部材206は、ループ状になったタイミングベルト284の異なる面に固定部にて固定されて保持されている。
したがって、タイミングベルト284が回転すると、2つのガイド部材201はキャリッジ104の走査方向にそれぞれ逆方向に動作する。これにより、2つのガイド部材201は、プラテン部材153の幅方向中央を中心として常に対称に位置するよう移動する。
このように、2つのガイド部材201、201が独立駆動されない構成であっても、本発明を適用することができる。
次に、ガイド部材201について図11を参照して説明する。図11(a)はガイド部材の斜視説明図である。図11(b)は規制部材204の保持状態を表す斜視説明図である。
上流側の保持部材205の内部には板ばね211が設けられ、規制部材204の一端部は板ばね211を介して保持部材205に保持されている。規制部材204の一端部はループ形状であり、板ばね211に設けられた切り欠きに引っ掛けられて保持されている。
また、下流側の保持部材206には固定部材212が設けられ、規制部材204の他端部は固定部材212を介して保持部材206に保持されている。規制部材204の他端部は固定部材212に設けられた爪部にループ状になった端部が引っ掛けられて保持されている。
ここで、規制部材204の一端部が板バネ211を介して保持部材205に保持されているため、規制部材204は張力がかかった状態で保持される。このため、規制部材204は柔軟性のある材質であるが、常に張力がかかった状態で保持されており、図11(a)に示すように、保持部材205、206の間の最短距離となる方向に沿った形状で保持される。
また、規制部材204の一端部を板バネ211で保持することで、規制部材204はある程度の変形が許容される。
ここで、例えば、印字動作中に何らかの理由によりプラテン部材153上で媒体が停止した場合、ユーザーはプラテン部材153上の媒体を取り除く必要がある。このとき、上述したように、規制部材204が柔軟性のある材質であることと、ある程度の変形が許容されることで、これらの処理時に規制部材204や、保持部材205,206を破損させずにプラテン部材153上で停止した媒体を取り除くことができる。
次に、ガイド部材201の配置について図12を参照して説明する。図12は同説明に供する側面説明図である。
プラテン部材153の媒体搬送方向上流側には媒体100をプラテン部材153上に送り出すための搬送ローラ151と加圧コロ152が設けられている。プラテン部材153の媒体搬送方向下流側にはプラテン部材153上から送り出された媒体100を排紙トレイ102に送り出す排紙ローラ154と拍車155が設けられている。
ここで、加圧コロ152は加圧板221を介して装置本体に保持されている。拍車155は拍車ホルダ222を介して装置本体に保持されている。
そして、規制部材204の両端部は、加圧板221の上側に設けられた上流側の保持部材205と、拍車ホルダ222の上側に設けられた下流側の保持部材206とでそれぞれ保持されている
ここで、上流端の保持部材205は、装置本体に保持されたガイドレール281に移動可能に保持されている。下流側の保持部材206は、装置本体に保持された拍車ホルダ222に設けられたガイドレール281(レール部)に移動可能に保持されている。
保持部材205、206の先端部は、それぞれ、加圧板221、拍車ホルダ222の上面からプラテン部材153側の端部を覆うようにプラテン部材153の近傍まで延びている。そして、柔軟性を持った規制部材204は保持部材205、206の形状に沿って、プラテン部材153上では記録ヘッド111とプラテン部材153との隙間を通るように配置されている。
このように規制部材204と保持部材205、206を構成としたことによって、規制部材204と保持部材205、206は主走査方向の任意の位置に移動可能になる。このとき、記録ヘッド111の走査範囲外に配置することができ、印字のときに記録ヘッド111の動作の妨げになることもない。
また、プラテン部材153と記録ヘッド111との間は、規制部材204のみが配置される構成となるが、規制部材204に糸状部材を使用することで、例えば板金の薄板等を素材とした同様の機能を有する規制部材に比べて厚みを薄くすることができる。これにより規制部材を追加することによるプラテン部材と記録ヘッドとの距離の拡大を抑えることができ、液体吐出記録方式では良好な画像を得ることができる。
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図13を参照して説明する。図13は同制御部のブロック説明図である。
この制御部500は、装置全体の制御を司るCPU501と、CPU501が実行するプログラムを含むプログラム、その他の固定データを格納するROM502と、画像データ等を一時格納するRAM503とを含む主制御部500Aを備えている。主制御部500Aは、媒体100の幅方向端検知、規制部材204の位置検出、位置決め制御、キャリッジ位置の検出などの本発明に係わる制御も司っている。
また、制御部500は、PCなどのホスト(情報処理装置)600のプリンタドライバ601との間でデータの転送を司るホストI/F506と、記録ヘッド111を駆動制御する画像出力制御部511と、エンコーダ解析部512を備えている。エンコーダ解析部512は、主走査エンコーダ120、副走査エンコーダ170からの検知信号を入力して解析し、キャリッジ位置や搬送量(搬送ローラ151の回転量)を検出する。
また、制御部500は、主走査モータ105を駆動する主走査モータ駆動部513と、副走査モータ161を駆動する副走査モータ駆動部514と、各種センサ及びアクチュエータとの間のI/O516と、規制部材用モータ駆動部517なども備えている。
を備えている。
画像出力制御部511は、印刷データを生成するデータ生成手段、記録ヘッド111を駆動制御するための駆動波形を発生する駆動波形発生手段、駆動波形から所要の駆動信号を選択するためのヘッド制御信号及び印刷データを転送するデータ転送手段などを含む。
そして、キャリッジ104側に搭載された記録ヘッド111を駆動するためのヘッド駆動回路であるヘッドドライバ510に対して駆動波形、ヘッド制御信号、印刷データなどを出力して、記録ヘッド111のノズルから印刷データに応じて液滴を吐出させる。
また、エンコーダ解析部512は、検知信号から移動方向を検知する方向検知部520と移動量を検知するカウンタ部521とを備えている。
そして、主制御部500Aは、エンコーダ解析部512からの解析結果に基づいて、主走査モータ駆動部513を介して主走査モータ105を駆動制御することでキャリッジ104の移動制御を行う。また、主制御部500Aは、副走査モータ駆動部514を介して副走査モータ161を駆動制御することで媒体の送り制御を行う。
また、主制御部500Aは、規制部材用モータ駆動部517を介して駆動機構208の規制部材用駆動モータ518を駆動制御して、規制部材204を移動させる制御を行う。
I/O516には媒体センサ127の検知信号やその他の図示しない各種センサからの検知信号が入力される。
主制御部500Aは、媒体センサ127に検知結果から媒体100の幅方向端を検知し、また、媒体センサ127に検知結果から規制部材204の位置を検出し、エンコーダ解析部512の解析結果からキャリッジ104の位置(キャリッジ位置)を検出する。
そして、主制御部500Aは、キャリッジ104の1スキャン毎に、媒体センサ127の検知結果と規制部材204の位置から規制部材用駆動モータ518を駆動制御して、駆動機構208を介して、規制部材204を移動させて媒体100の幅方向端部の所要の位置に位置決め制御する。
これにより、規制部材204の位置を媒体100の状態に合わせて高精度に検知することができ、スキューなどが生じても規制部材204を媒体100の幅方向端部に高精度に位置決めすることができる。
次に、本発明の第4実施形態について図14を参照して説明する。図14は同実施形態における駆動機構の説明に供する記録部の平面説明図である。
本実施形態では、前記第3実施形態の構成において、駆動機構208A1、208B1を保持するスライド部材291と、駆動機構208A2、208B2を保持するスライド部材292とを備えている。
これらにスライド部材291、292はキャリッジ移動方向に移動可能に配置されている。そして、スライド部材291、292を移動させる移動機構として、図示しない駆動源によって回転駆動されるカム部材293、294を備えている。
これにより、カム部材293、294を回転させることで、スライド部材291、292がキャリッジ移動方向に移動して、規制部材204,204が平行移動する。
すなわち、媒体のスキューや位置ズレは数mmであるので、媒体の幅方向端の検知結果に合わせてカム部材293、294を回転させて規制部材204、204を平行移動させることによって、規制部材204が媒体の幅方向端部から外れることを防止できる。
なお、本願において、画像形成、記録、印字、印写、印刷はいずれも同義語とする。また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(例えば、単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。