JP6305721B2 - レーザー加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体ウエーハ等の被加工物にレーザー加工を施すためのレーザー加工装置に関する。
当業者には周知の如く、半導体デバイス製造工程においては、シリコン等の基板の表面に絶縁膜と機能膜が積層された機能層によって複数のIC、LSI等のデバイスをマトリックス状に形成した半導体ウエーハが形成される。このように形成された半導体ウエーハは上記デバイスが分割予定ラインによって区画されており、この分割予定ラインに沿って分割することによって個々の半導体デバイスを製造している。
近時においては、IC、LSI等の半導体チップの処理能力を向上するために、シリコン等の基板の表面にSiOF、BSG(SiOB)等の無機物系の膜やポリイミド系、パリレン系等のポリマー膜である有機物系の膜からなる低誘電率絶縁体被膜(Low−k膜)が積層された機能層によって半導体デバイスを形成せしめた形態の半導体ウエーハが実用化されている。
このような半導体ウエーハのストリートに沿った分割は、通常、ダイサーと呼ばれている切削装置によって行われている。この切削装置は、被加工物である半導体ウエーハを保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された半導体ウエーハを切削するための切削ブレードを備えた切削手段と、チャックテーブルと切削手段とを相対的に移動せしめる移動手段とを具備している。
しかるに、上述したLow−k膜は、切削ブレードによって切削することが困難である。即ち、Low−k膜は雲母のように非常に脆いことから、切削ブレードにより分割予定ラインに沿って切削すると、Low−k膜が剥離し、この剥離が回路にまで達しデバイスに致命的な損傷を与えるという問題がある。
上記問題を解消するために、半導体ウエーハに形成された分割予定ラインの両側に分割予定ラインに沿って機能層に対して吸収性を有する波長(例えば355nm)のレーザー光線を照射し、分割予定ラインに沿って2条のレーザー加工溝を形成して機能層を分断し、この2条のレーザー加工溝の外側間に切削ブレードを位置付けて切削ブレードと半導体ウエーハを相対移動することにより、半導体ウエーハを分割予定ラインに沿って切断するウエーハの分割方法が下記特許文献1に開示されている。
また、被加工物を保持する保持テーブル上にウエーハを保持して例えば波長が355nmのレーザー光線を照射する際に、レーザー光線がウエーハを外れて保持テーブルに照射されると保持テーブルが損傷することから、保持テーブルを光を透過する石英によって形成する技術が下記特許文献2に開示されている。
特開2005−64231号公報 特開2006−263795号公報
而して、Low−k膜を効果的に除去するには赤外光領域の波長を有するCOレーザー(波長が5μm)やCO2レーザー(波長が10μm)を用いることが望ましいが、石英は赤外光線を吸収する性質を有しているため、石英で形成された保持テーブルにウエーハを保持してCOレーザー(波長が5μm)やCO2レーザー(波長が10μm)を照射すると、ウエーハから外れたレーザー光線が保持テーブルに吸収されて保持テーブルを損傷するという問題がある。
また、ウエーハに対して透過性を有する1μm以上の赤外光領域の波長を有するYAGレーザー等のレーザー光線の集光点をウエーハの内部に位置付けて照射することにより、ウエーハの内部に改質層を形成する技術においても、改質層を形成したレーザー光線の一部がウエーハを透過して保持テーブルに吸収され保持テーブルが損傷するという問題がある。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、赤外光領域のレーザー光線が照射されても損傷しない保持テーブルを備えたレーザー加工装置を提供することである。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、被加工物を保持する保持手段と、該保持手段に保持された被加工物に赤外光領域のレーザー光線を、集光器を介して照射するレーザー光線照射手段と、該保持手段と該レーザー光線照射手段を加工送り方向に相対的に移動せしめる加工送り手段と、を具備するレーザー加工装置であって、
該保持手段は、上面に被加工物を保持する保持テーブルと、該保持テーブルを支持するテーブル基台とからなり、
該保持テーブルは、シリコンによって形成されており、該保持テーブルは、該保持テーブル上に保持される被加工物側からレーザー光線を照射する該集光器と対向するように位置付けられ、
該集光器から照射されるレーザー光線によって該被加工物の表面に形成された機能層を除去しつつレーザー光線照射位置の該被加工物を残すレーザー加工、又は被加工物内部に改質層を形成するレーザー加工を実施する、
ことを特徴とするレーザー加工装置が提供される。
上記保持テーブルは、上面に外周に達する複数の吸引細溝が形成されており、該複数の吸引細溝に外周部から負圧を作用して被加工物を吸引保持する。
また、上記保持テーブルは、上面から下面に連通する複数の細孔が形成されており、下面側から複数の細孔を通して上面に負圧を作用して被加工物を吸引保持する。
更に、上記テーブル基台には、保持テーブルを透過した赤外光領域にある波長のレーザー光線を吸収するダンパーが配設されていることが望ましい。
本発明によるレーザー加工装置は、被加工物を保持する保持手段の保持テーブルがシリコンによって形成されており、保持テーブルは、保持テーブル上に保持される被加工物側からレーザー光線を照射する該集光器と対向するように位置付けられ、集光器から照射されるレーザー光線によって被加工物の表面に形成された機能層を除去しつつレーザー光線照射位置の該被加工物を残すレーザー加工、又は被加工物内部に改質層を形成するレーザー加工を実施するので、Low−k膜からなる機能層を効果的にアブレーション加工することができる赤外光領域のレーザー光線がウエーハを外れて保持テーブルに照射されても、保持テーブルを透過するため損傷することはない。
本発明に従って構成されたレーザー加工装置の斜視図。 図1に示すレーザー加工装置に装備される保持手段の第1の実施形態を示す斜視図。 図2に示す保持手段の構成部材を分解して示す斜視図。 図2に示す保持手段の断面図。 図2に示す保持手段に配設されるダンパーの第1の実施形態を示す斜視図。 図2に示す保持手段に配設されるダンパーの第2の実施形態を示す斜視図。 図2に示す保持手段に配設されるダンパーの第3の実施形態を示す断面図。 図1に示すレーザー加工装置に装備される保持手段の第2の実施形態を示す斜視図。 図8に示す保持手段の断面図。 被加工物としての半導体ウエーハの斜視図および要部拡大断面図。 図10に示す半導体ウエーハを環状のフレームに装着されたダイシングテープの表面に貼着した状態を示す斜視図。 図1に示すレーザー加工装置によって実施する機能層除去工程の説明図。
以下、本発明に従って構成されたレーザー加工装置の好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1には、本発明に従って構成されたレーザー加工装置の斜視図が示されている。図1に示すレーザー加工装置は、静止基台2と、該静止基台2に矢印Xで示す加工送り方向(X軸方向)に移動可能に配設され被加工物を保持する被加工物保持機構3と、静止基台2上に配設されたレーザー光線照射手段としてのレーザー光線照射ユニット5とを具備している。
上記被加工物保持機構3は、静止基台2上に矢印Xで示す方向に沿って平行に配設された一対の案内レール31、31と、該案内レール31、31上に矢印Xで示す方向に移動可能に配設された第一の滑動ブロック32と、該第1の滑動ブロック32上に矢印Yで示す方向に移動可能に配設された第2の滑動ブロック33と、該第2の滑動ブロック33上に円筒部材34によって支持されたカバーテーブル35と、被加工物を保持する保持手段4を具備している。
上記第1の滑動ブロック32は、その下面に上記一対の案内レール31、31と嵌合する一対の被案内溝321、321が設けられているとともに、その上面に矢印Yで示す方向に沿って平行に形成された一対の案内レール322、322が設けられている。このように構成された第1の滑動ブロック32は、被案内溝321、321が一対の案内レール31、31に嵌合することにより、一対の案内レール31、31に沿って矢印Xで示す方向に移動可能に構成される。図示の実施形態におけるチャックテーブル機構3は、第1の滑動ブロック32を一対の案内レール31、31に沿って矢印Xで示す方向に移動させるための加工送り手段37を具備している。加工送り手段37は、上記一対の案内レール31と31の間に平行に配設された雄ネジロッド371と、該雄ネジロッド371を回転駆動するためのパルスモータ372等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド371は、その一端が上記静止基台2に固定された軸受ブロック373に回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ372の出力軸に図示しない減速装置を介して伝動連結されている。なお、雄ネジロッド371は、第1の滑動ブロック32の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された貫通雌ネジ穴に螺合されている。従って、パルスモータ372によって雄ネジロッド371を正転および逆転駆動することにより、第一の滑動ブロック32は案内レール31、31に沿って矢印Xで示す加工送り方向に移動せしめられる。
上記第2の滑動ブロック33は、その下面に上記第1の滑動ブロック32の上面に設けられた一対の案内レール322、322と嵌合する一対の被案内溝331、331が設けられており、この被案内溝331、331を一対の案内レール322、322に嵌合することにより、矢印Yで示す方向に移動可能に構成される。図示の実施形態におけるチャックテーブル機構3は、第2の滑動ブロック33を第1の滑動ブロック32に設けられた一対の案内レール322、322に沿って矢印Yで示す方向に移動させるための割り出し送り手段38を具備している。割り出し送り手段38は、上記一対の案内レール322と322の間に平行に配設された雄ネジロッド381と、該雄ネジロッド381を回転駆動するためのパルスモータ382等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド381は、その一端が上記第1の滑動ブロック32の上面に固定された軸受ブロック383に回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ382の出力軸に図示しない減速装置を介して伝動連結されている。なお、雄ネジロッド381は、第2の滑動ブロック33の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された貫通雌ネジ穴に螺合されている。従って、パルスモータ382によって雄ネジロッド381を正転および逆転駆動することにより、第2の滑動ブロック33は案内レール322、322に沿って矢印Yで示す割り出し送り方向に移動せしめられる。
上記レーザー光線照射ユニット5は、上記静止基台2上に配設された支持部材51と、該支持部材51によって支持され実質上水平に延出するケーシング52と、該ケーシング52に配設されたレーザー光線照射手段6と、ケーシング52の前端部に配設されレーザー加工すべき加工領域を検出する撮像手段7を具備している。レーザー光線照射手段6は、ケーシング52内に配設された図示しないパルスレーザー光線発振手段から発振されたパルスレーザー光線を集光して上記保持手段4に保持された被加工物に照射する集光器61を具備している。なお、上記撮像手段7は、可視光線によって撮像する通常の撮像素子(CCD)の外に、被加工物に赤外線を照射する赤外線照明手段と、該赤外線照明手段によって照射された赤外線を捕らえる光学系と、該光学系によって捕らえられた赤外線に対応した電気信号を図示しない制御手段に送る。
次に、上記保持手段4の第1の実施形態について、図2乃至図4を参照して説明する。
図2乃至図4に示す保持手段4は、上面に被加工物を保持する保持テーブル41と、該保持テーブル41を支持するテーブル基台42とからなっている。保持テーブル41は、厚みが1〜3mmのシリコン(Si)円板からなり、上面に外周に達する複数の直線状の吸引細溝411が形成されている。なお、吸引細溝411の幅は、図示の実施形態においては100μmに設定されている。
上記保持テーブル41を支持するテーブル基台42は、上部がカップ状に形成されており、外周縁421の内側に段差を持って形成された第1の環状の棚422と、該第1の環状の棚422の内側に段差を持って形成された第2の環状棚423と、該第2の環状棚423の内側に形成された円形凹部424を備えている。なお、第2の環状棚423の内径は上記保持テーブル41の外径と対応する寸法に形成されており、第2の環状棚423から外周縁421の上端までの高さは保持テーブル41の厚みに対応する寸法に設定されている。このように形成された第2の環状棚423に保持テーブル41が載置される。テーブル基台42の第1の環状の棚422には複数の吸引口425aが形成されているとともに第2の環状の棚423には複数の吸引口426aが形成されており、これら複数の吸引口425aおよび複数の吸引口426aはそれぞれテーブル基台42に設けられた第1の吸引通路425および第2の吸引通路426を介して図示しない吸引手段に連通されている。従って、図示しない吸引手段が作動すると第2の吸引通路426を介して第2の環状の棚423に形成された複数の吸引口426aに負圧が作用するため、第2の環状棚423に載置された保持テーブル41は第2の環状棚423に吸引保持される。また、図示しない吸引手段が作動すると第1の環状の棚422に形成された複数の吸引口425aに負圧が作用するため、第1の環状の棚422上に負圧が作用せしめられる。このように第1の環状の棚422上に作用した負圧は、保持テーブル41の上面に形成された複数の吸引細溝411に外周部から作用する。従って、保持テーブル41上に後述する被加工物が貼着されたダイシングテープを載置し、図示しない吸引手段が作動することにより、保持テーブル41の上面にダイシングテープを介して被加工物を吸引保持することができる。なお、テーブル基台42の上部外周には、後述する被加工物が貼着されたダイシングテープが装着された環状のフレームを固定するための4個のクランプ43が配設されている。
上述した保持手段4を構成する保持テーブル41を支持するテーブル基台42の円形凹部424には、保持テーブル41を透過した赤外光領域にある波長のレーザー光線を吸収するダンパーが配設されていることが望ましい。以下、テーブル基台42の円形凹部424に配設されるダンパーについて、図5乃至図7を参照して説明する。
図5に示す第1の実施形態におけるダンパー44は、厚みが30mm程度のシリコン円板441に所定の角度(例えば45度)で傾斜する平行な溝442を例えば1mmの幅で3mm間隔で櫛状に形成することにより、複数の厚さ2mmの傾斜板443を形成したものである。このように構成されたダンパー44においては、保持テーブル41を透過した赤外光領域にある波長のレーザー光線が傾斜板443に達すると、50%程度透過するとともに30%程度吸収して20%程度が反射し、隣接する傾斜板443に向けて反射および透過したレーザー光線が順次透過と吸収と反射を繰り返すことによりレーザー光線のエネルギーが消滅する。
図6に示す第2の実施形態におけるダンパー45は、厚みが30mm程度のシリコン円板451からなっている。このように、シリコン板も厚みが30mm程度と厚い場合には保持テーブル41を透過した赤外光領域にある波長のレーザー光線を吸収することができる。
図7に示す第3の実施形態におけるダンパー46は、中空のガラス板461の中空部462に冷却水入口463と冷却水出口464を設け、中空部462に供給される冷却水によって保持テーブル41を透過し中空のガラス板461に照射された赤外光領域にある波長のレーザー光線のエネルギーを吸収する。
次に、上記保持手段4の第2の実施形態について、図8および図9を参照して説明する。
図8および図9に示す保持手段4aは、上面に被加工物を保持する保持テーブル41aと、該保持テーブル41aを支持するテーブル基台42aとからなっている。なお、テーブル基台42aは、上記図2乃至図4に示す第1の実施形態における保持手段4を構成するテーブル基台42と同じ構成である。従って、図2乃至図4に示すテーブル基台42の構成部位と同一部位には同一符号を付して説明は省略する。保持手段4aを構成する保持テーブル41aは、厚みが1〜3mmのシリコン(Si)円板からなり、上面から下面に貫通する複数の細孔412aが形成されている。なお、細孔412aの直径は、図示の実施形態においてはφ0.5μmに設定されている。なお、保持テーブル41aの外径は、テーブル基台42aを構成する第1の環状棚422の内径と対応する寸法に形成されている。このように形成された保持テーブル41aは、テーブル基台42aの第1の環状棚422に載置される。そして、図示しない吸引手段が作動すると第1の吸引通路425を介して第1の環状の棚422に形成された複数の吸引口425aに負圧が作用するため、第1の環状棚422に載置された保持テーブル41aは第1の環状棚422に吸引保持される。また、図示しない吸引手段が作動すると第2の吸引通路426を介して第2の環状の棚423に形成された複数の吸引口426aから円形凹部424および保持テーブル41aに設けられた複数の細孔412aを通して保持テーブル41aの上面に負圧が作用せしめられる。
上述した第2の実施形態における保持手段4aを構成するテーブル基台42aの上部外周には、上記図2乃至図4に示す第1の実施形態における保持手段4と同様に後述する被加工物が貼着されたダイシングテープが装着された環状のフレームを固定するための4個のクランプ43が配設されている。なお、第2の実施形態における保持手段4aにおいても、テーブル基台42aの円形凹部424には、保持テーブル41aを透過した赤外光領域におる波長のレーザー光線を吸収するための上記図5乃至図7に示すダンパーが配設されていることが望ましい。
図示の実施形態におけるレーザー加工装置は以上のように構成されており、以下その作用について説明する。
図10の(a)および(b)には、被加工物としての半導体ウエーハの斜視図および要部拡大断面図が示されている。図10の(a)および(b)に示す半導体ウエーハ10は、厚みが150μmのシリコン等の基板11の表面11aに絶縁膜と回路とによって形成される機能膜が積層された機能層12によって複数のIC、LSI等のデバイス13がマトリックス状に形成されている。そして、各デバイス13は、格子状に形成された分割予定ライン14によって区画されている。なお、図示の実施形態においては、機能層12を形成する絶縁膜は、SiO2膜または、SiOF、BSG(SiOB)等の無機物系の膜やポリイミド系、パリレン系等のポリマー膜である有機物系の膜からなる低誘電率絶縁体被膜(Low−k膜)からなっており、厚みが10μmに設定されている。
次に、上述したレーザー加工装置を用い、半導体ウエーハ10の分割予定ライン14に沿ってレーザー光線を照射し、分割予定ライン14に沿って機能層12を除去する機能層除去工程について説明する。
機能層除去工程を実施するには、先ず、半導体ウエーハ10を構成する基板11の裏面11bを環状のフレームに装着されたダイシングテープの表面に貼着するウエーハ支持工程を実施する。即ち、図11に示すように、環状のフレームFの内側開口部を覆うように外周部が装着されたダイシングテープTの表面に半導体ウエーハ10を構成する基板11の裏面11bを貼着する。従って、環状のフレームFの表面に貼着された半導体ウエーハ10は、機能層12の表面12aが上側となる。
次に、上述した図1に示すレーザー加工装置の保持手段4を構成する保持テーブル41上に半導体ウエーハ2が貼着されたダイシングテープT側を載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することにより、上述したように保持テーブル41の上面にダイシングテープTを介して半導体ウエーハ10を吸引保持する(ウエーハ保持工程)。従って、保持テーブル41の上面にダイシングテープTを介して吸引保持された半導体ウエーハ10は、機能層12の表面12aが上側となる。なお、ダイシングテープTが装着された環状のフレームFは、クランプ43によって固定される。このようにして、半導体ウエーハ10を吸引保持した保持手段4は、加工送り手段37によって撮像手段7の直下に位置付けられる。
保持手段4が撮像手段7の直下に位置付けられると、撮像手段7および図示しない制御手段によって保持手段4を構成する保持テーブル41の上面に吸引保持された半導体ウエーハ10のレーザー加工すべき加工領域を検出するアライメント作業を実行する。即ち、撮像手段7および図示しない制御手段は、半導体ウエーハ10の所定方向に形成されている分割予定ライン14と、該分割予定ライン14に沿ってレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段6の集光器61との位置合わせを行うためのパターンマッチング等の画像処理を実行し、レーザー光線照射位置のアライメントを遂行する(アライメント工程)。また、半導体ウエーハ10に上記所定方向と直交する方向に形成された分割予定ライン14に対しても、同様にレーザー光線照射位置のアライメントが遂行される。
上述したアライメント工程を実施したならば、図12で示すように保持手段4をレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段6の集光器61が位置するレーザー光線照射領域に移動し、所定の分割予定ライン14を集光器61の直下に位置付ける。このとき、図12の(a)で示すように半導体ウエーハ10は、分割予定ライン14の一端(図12の(a)において左端)が集光器61の直下に位置するように位置付けられる。次に、レーザー光線照射手段6の集光器61からLow−k膜からなる機能層12を効果的にアブレーション加工することができる赤外光領域のパルスレーザー光線(COレーザー(波長が5μm)やCO2レーザー(波長が10μm))を照射しつつ保持手段4を図12の(a)において矢印X1で示す方向に所定の加工送り速度で移動せしめる。そして、図12の(b)で示すように分割予定ライン14の他端(図12の(b)において右端)が集光器61の直下位置に達したら、パルスレーザー光線の照射を停止するとともに保持手段4の移動を停止する。この機能層除去工程においては、パルスレーザー光線の集光点Pを分割予定ライン14の表面(上面)付近に位置付ける。この結果、半導体ウエーハ10の分割予定ライン14には図12の(c)に示すように機能層12が除去されたレーザー加工溝15が形成される。なお、上述した機能層除去工程においては、集光器61から照射されるパルスレーザー光線がオーバーランし半導体ウエーハ10を外れてダイシングテープTを通して保持手段4を構成する保持テーブル41に照射されることがある。しかるに、保持テーブル41はシリコン(Si)によって形成されているので、赤外光領域のパルスレーザー光線(COレーザー(波長が5μm)やCO2レーザー(波長が10μm))は透過するため損傷することはない。なお、保持手段4を構成するテーブル基台42の円形凹部424に上記図5乃至図7に示すダンパーを配設することにより、保持テーブル41を透過した赤外光領域にある波長のレーザー光線を効果的に吸収することができる。
なお、上記機能層除去工程は、例えば以下の加工条件で行われる。
レーザー光線 :COレーザー(波長:5μm)、CO2レーザー(波長:10μm)
繰り返し周波数 :50kHz
平均出力 :0.5W
集光スポット径 :φ50μm
加工送り速度 :200mm/秒
上述した機能層除去工程を半導体ウエーハ10に形成された全ての分割予定ライン14に沿って実施したならば、半導体ウエーハ10は機能層12が除去された分割予定ライン14に沿って基板11に分割加工を施して半導体ウエーハ10を個々のデバイス13に分割するウエーハ分割工程に搬送される。なお、半導体ウエーハ10の基板11に施す分割加工としては、切削ブレードによる切削加工やシリコン基板に対して吸収性を有する波長(紫外線領域の波長)のパルスレーザー光線を分割予定ライン14に沿って照射するアブレーション加工を実施することができる。
以上、本発明に従って構成されたレーザー加工装置を用いて半導体ウエーハ10の分割予定ライン14に沿ってレーザー光線を照射し、分割予定ライン14に沿って機能層12を除去する例について説明したが、本発明によるレーザー加工装置は赤外光領域のレーザー光線を用い被加工物の内部に改質層を形成するレーザー加工を実施する際にも保持テーブル41の損傷を防止することができる。
2:静止基台
3:被加工物保持機構
37:加工送り手段
38:割り出し送り手段
4:保持手段
41:保持テーブル
411:吸引細溝
42:テーブル基台
421:外周縁
422:第1の環状の棚
423:第2の環状の棚
424:円形凹部
43:クランプ
44,45,46:ダンパー
5:レーザー光線照射ユニット
6:レーザー光線照射手段
61:集光器
7:撮像手段
10:半導体ウエーハ
F:環状のフレーム
T:保護テープ

Claims (4)

  1. 被加工物を保持する保持手段と、該保持手段に保持された被加工物に赤外光領域のレーザー光線を、集光器を介して照射するレーザー光線照射手段と、該保持手段と該レーザー光線照射手段を加工送り方向に相対的に移動せしめる加工送り手段と、を具備するレーザー加工装置であって、
    該保持手段は、上面に被加工物を保持する保持テーブルと、該保持テーブルを支持するテーブル基台とからなり、
    該保持テーブルは、シリコンによって形成されており、該保持テーブルは、該保持テーブル上に保持される被加工物側からレーザー光線を照射する該集光器と対向するように位置付けられ、
    該集光器から照射されるレーザー光線によって該被加工物の表面に形成された機能層を除去しつつレーザー光線照射位置の該被加工物を残すレーザー加工、又は被加工物内部に改質層を形成するレーザー加工を実施する、
    ことを特徴とするレーザー加工装置。
  2. 該保持テーブルは、該上面に外周に達する複数の吸引細溝が形成されており、該複数の吸引細溝に外周部から負圧を作用して被加工物を吸引保持する、請求項1記載のレーザー加工装置。
  3. 該保持テーブルは、該上面から下面に連通する複数の細孔が形成されており、該下面側から該複数の細孔を通して該上面に負圧を作用して被加工物を吸引保持する、請求項1記載のレーザー加工装置。
  4. 該テーブル基台には、該保持テーブルを透過した赤外光領域にある波長のレーザー光線を吸収するダンパーが配設されている、請求項1〜3のいずれかに記載のレーザー加工装置。
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