JP6302657B2 - 車両制御装置 - Google Patents

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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本発明は、車両制御装置に関する。
トラックを含む車両のエンジンでは、アクセルペダルで制御された空気にインジェクタで適量の燃料を混合し、燃料を含む混合気を圧縮・燃焼させることで出力を得ている。このとき、各部品を熱から保護するために、外気温が所定の温度を超えるときにはエンジンでの燃料噴射量を抑制することで、エンジンのトルクをカットする制御が行われる。
また、例えば、車両の自動変速機に関して、油温センサの検出温度と予め定められた温度の比較結果に基づいて油温センサの異常判定を行うことも知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2010−180927号公報
ところで、車両での外気温センサの取付位置によっては、外気温センサがエンジンからの熱を受けて実際の外気温よりも高い温度を検出することがある。したがって、例えば、常に外気温センサの出力に基づいてエンジンでの燃料噴射量を制御すると、実際の外気温から乖離した温度に基づいて制御が行われる場合がある。
上記事情に鑑み、本件開示は、車両での外気温センサの取付位置に拘わらず、エンジンの燃料噴射量の制御に用いる外気温の値を従来よりも適切に設定する技術を提供することを目的とする。
本件開示の車両制御装置の一例は、取得部と、第1記憶部と、選択部と、情報処理部とを備える。取得部は、現在の外気温を第1温度として温度センサから受ける。第1記憶部は、取得部が所定条件下で受けた第1温度を第2温度として保持する。選択部は、所定時間での第1温度の変化量に基づいて、エンジンの燃料噴射量の制御に用いる出力値として第1温度、または前記第1記憶部が保持している第2温度のいずれかを選択する。情報処理部は、第1記憶部が第2温度を保持した後、所定の更新条件を満たしたときに前記取得部が受けた第1温度を用いて、前記第1記憶部が保持する第2温度を更新するように処理を行う。また、選択部は、所定時間での第1温度の変化量が所定の閾値を超えるときに前記出力値として前記第1記憶部が保持している第2温度を選択する。
本件開示の車両制御装置の一例によれば、車両での外気温センサの取付位置に拘わらず、エンジンの燃料噴射量の制御に用いる外気温の値を従来よりも適切に設定できる。
一の実施形態での車両制御装置の構成例を示す図 一の実施形態での車両制御装置の動作例を示す流れ図
図1は、一の実施形態での車両制御装置の構成例を示す図である。一の実施形態の車両制御装置11は、例えばトラックを含む車両10に搭載されており、車両10のエンジン20の制御を行うエンジンコントロールユニット(Engine Control Unit)である。
ここで、車両10は、車両制御装置11に加え、アクセル開度センサ12と、エアフローメータ13と、イグニッションキーユニット14と、表示装置15と、外気温センサ16と、排気温センサ17と、機関水温センサ18と、インジェクタ19およびエンジン20とを有している。アクセル開度センサ12、エアフローメータ13、イグニッションキーユニット14、表示装置15、外気温センサ16、排気温センサ17、機関水温センサ18およびインジェクタ19は、それぞれ車両制御装置11に接続されている。
アクセル開度センサ12は、アクセルペダルの操作量(アクセル開度)を検出する。エアフローメータ13は、エンジン20に吸入される単位時間当たりの空気量(吸入空気量)を検出する。
イグニッションキーユニット14は、イグニッションキーによるキーオン(エンジン20の始動)およびキーオフ(エンジン20の停止)の操作を検出するスイッチである。表示装置15は、車両制御装置11の制御により、運転者に対する各種表示を行う。表示装置15は、例えば、画像を表示するモニタであってもよく、点灯により運転者に情報を提示するインジケータであってもよい。
外気温センサ16は、現在の車両10の外気温を検出するための温度センサである。外気温センサ16の検出する温度は、第1温度の一例である。排気温センサ17は、エンジン20からの排気の温度を検出する温度センサである。機関水温センサ18は、エンジン20を循環する冷却水の温度を検出する温度センサである。
インジェクタ19は、エンジン20の吸気管の途中に設けられた燃料噴射弁であり、車両制御装置11からの信号を受けてエンジン20への燃料噴射量を調整する。エンジン20は、インジェクタ19から噴射された燃料と空気との混合気を燃焼室内で燃焼させることで、車両10を駆動させる動力を生成する内燃機関である。
また、車両制御装置11は、車両制御装置11内の温度を検出する装置内温度センサ31と、第1セレクタスイッチ32と、第1記憶部33と、第2セレクタスイッチ34と、第2記憶部35と、CPU(Central Processing Unit)36とを有している。
第1セレクタスイッチ32は、所定条件下でサンプリングされた外気温を示す第2温度の初期値を選択するスイッチである。第1セレクタスイッチ32は、外気温センサ16の出力値(第1温度)、排気温センサ17の出力値、機関水温センサ18の出力値、装置内温度センサ31の出力値を含む複数の温度センサの出力値と、第2記憶部35に記憶された値とをそれぞれ受け、これらの値のうちから第2温度の初期値を選択する。そして、第1セレクタスイッチ32は、選択した値を第1記憶部33に出力する。
第1記憶部33は、外気温のベース値としての第2温度の値を保持する記憶媒体である。第1記憶部33は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性記憶媒体である。
第2セレクタスイッチ34は、外気温センサ16の出力値(第1温度)と第1記憶部33に保持された値(第2温度)とを受け、これらの値のうちからエンジン20の燃料噴射量の制御に用いる出力値として第1温度または第2温度を選択する。そして、第2セレクタスイッチ34は、選択した出力値をCPU36に出力する。なお、第2セレクタスイッチ34は、選択部の一例である。また、第1セレクタスイッチ32および第2セレクタスイッチ34における外気温センサ16との接続端子は取得部の一例である。
第2記憶部35は、車両10のキーオフ時に第1記憶部33に保持されている第2温度の値を記憶する記憶媒体である。第2記憶部35は、例えばフラッシュメモリなどの不揮発性記憶媒体である。また、第2記憶部35は、車両10のキーオフ時には、第2温度の値に対応付けてキーオフの日付および時刻を示すキーオフ日時情報を記憶する。
CPU36は、車両制御装置11の動作を統括的に制御するプロセッサである。CPU36は、タイマ部41と、表示制御部42と、情報処理部43と、エンジン制御部44とを有している。
タイマ部41は、現在時刻の情報を取得するためのリアルタイムクロック(Real Time Clock)回路である。表示制御部42は、車両制御装置11に接続された表示装置15の表示制御を行う。
情報処理部43は、第1記憶部33および第2記憶部35への情報の書き込みおよび読み出しを制御する。また、情報処理部43は、第1セレクタスイッチ32および第2セレクタスイッチ34をそれぞれ制御する。
エンジン制御部44は、アクセル開度センサ12からのアクセル開度の情報や、エアフローメータ13からの吸入空気量の情報を含む複数の入力に基づいて、インジェクタ19の燃料噴射量を調整する信号を出力する。また、エンジン制御部44は、第2セレクタスイッチ34の出力値を受けて、出力値の示す外気温が所定の温度を超えるときには燃料噴射量を抑制する制御(エンジン20のトルクカット制御)を行う。
なお、図1に示した第1セレクタスイッチ32、第2セレクタスイッチ34、CPU36内の各機能ブロックは、例えば、プロセッサ、メモリ、電子回路の組み合わせによるハードウェアとして実現されてもよく、メモリにロードされたプログラムによってソフトウェア的に実現されてもよい。
以下、図2の流れ図を参照しつつ、一の実施形態での車両制御装置11の動作例を説明する。図2の処理は、運転者のイグニッションキーによるキーオン操作をトリガとして開始される。なお、以下の説明では、車両10のキーオフ時における第2温度の値と、キーオフの日付および時刻を示すキーオフ日時情報とがそれぞれ第2記憶部35に記憶されている状態を前提として説明を行う。
ステップS101:CPU36の情報処理部43は、前回のキーオフ時から今回のキーオン時までに所定のソーク時間が経過しているか否かを判定する。ここで、ソーク時間は、エンジン20が完全停止してからエンジン周囲の温度が外気温の温度にほぼ等しくなるまでに十分な時間に設定されている。例えば、ステップS101でのソーク時間は8時間である。
例えば、情報処理部43は、第2記憶部35のキーオフ日時情報と、タイマ部41から取得した現在時刻の情報との差分から、前回のキーオフ時から現在時刻までの経過時間を求める。そして、情報処理部43は、上記の経過時間がソーク時間以上の場合にはキーオンの時点でソーク時間が経過していると判定(YES)し、ステップS102に処理を移行させる。一方、情報処理部43は、上記の経過時間がソーク時間未満の場合にはキーオンの時点でソーク時間が経過していないと判定(NO)し、ステップS104に処理を移行させる。
ステップS102:この場合はキーオン時までにソーク時間が経過しているため、車両10は冷間始動状態である。すなわち、外気温センサ16を含む各種の温度センサは、エンジン20の熱の影響を受けずに正常な値を出力する。
そのため、情報処理部43は、キーオン時に取得した外気温を第2温度の初期値として第1記憶部33に記録する。例えば、第1セレクタスイッチ32は、情報処理部43の制御により、外気温センサ16からの入力を選択する。そして、情報処理部43は、外気温センサ16の出力する温度を第2温度として第1記憶部33に記録する。
なお、ステップS102での情報処理部43は、冷間始動状態のときには外気温センサ16以外の温度センサから外気温の値を取得してもよい。例えば、情報処理部43は、排気温センサ17、機関水温センサ18、装置内温度センサ31のいずれかからの入力を第1セレクタスイッチ32で選択し、これらの温度センサの出力値を冷間始動状態の外気温とみなして第1記憶部33に記録してもよい。
ステップS103:第2セレクタスイッチ34は、情報処理部43の制御により、外気温センサ16からの入力(第1温度)を選択する。これにより、エンジン制御部44は、適正な外気温を検出している外気温センサ16の出力値に基づいてインジェクタ19の燃料噴射量を調整する。
ステップS103の処理後には、ステップS106に処理が移行する。
ステップS104:この場合はキーオン時までにソーク時間が経過していないため、エンジン20の余熱の影響を受けて各種の温度センサが正常な値を出力できない可能性がある。
そのため、情報処理部43は、第2記憶部35からの入力を第1セレクタスイッチ32で選択し、第2記憶部35に記憶されている前回のキーオフ時の第2温度の値をそのまま第2温度の初期値として第1記憶部33に記録する。
ステップS105:第2セレクタスイッチ34は、情報処理部43の制御により、第1記憶部33からの入力(第2温度)を選択する。これにより、エンジン制御部44は、エンジン20の熱の影響を受けている可能性がある外気温センサ16の値を用いずに、第1記憶部33に保持された第2温度に基づいてインジェクタ19の燃料噴射量を調整する。
また、ステップS105での表示制御部42は、第2セレクタスイッチ34が出力値として第2温度を選択しているときには、第1記憶部33に保持されている外気温を用いてインジェクタ19の燃料噴射量が制御されていることを示す表示(ベース値制御表示)を表示装置15に表示させる。かかるベース値制御表示により、外気温センサ16の信頼性が低い状況において、第1記憶部33に保持された外気温を用いてエンジン20のトルクカット制御が適切に行われることを運転者が確認できる。
なお、ステップS105において、実際にはキーオン時に外気温センサ16がエンジン20の熱の影響を受けていない場合、後述のステップS112の肯定判定(YES)からのS113の処理によって、第2セレクタスイッチ34が車両走行中に外気温センサ16の温度を選択することとなる。
ステップS105の処理後には、ステップS112に処理が移行する。
ステップS106:情報処理部43は、所定時間での第1温度の変化量が閾値を超えるか否かを判定する。ステップS106での情報処理部43は、例えば、第1温度の変化量が10分間に5℃以上増加するか否かを判定する。なお、上記の所定時間(10分間)と温度変化量の閾値(5℃以上)はあくまで一例であって、これらの値は適宜変更することができる。
そして、情報処理部43は、所定時間での第1温度の変化量が閾値を超える場合(YES)には、ステップS107に処理を移行させる。なお、ステップS106のYES側の場合は、第1温度が短時間で急激に上昇しているケースに相当する。一方、情報処理部43は、所定時間での第1温度の変化量が閾値を超えない場合(NO)には、ステップS108に処理を移行させる。
ステップS107:第2セレクタスイッチ34は、情報処理部43の制御により、第1記憶部33からの入力(第2温度)を選択する。これにより、エンジン制御部44は、エンジン20の熱の影響を受けている可能性がある外気温センサ16の値を用いずに、第1記憶部33に保持された第2温度に基づいてインジェクタ19の燃料噴射量を調整する。
また、ステップS107での表示制御部42は、第2セレクタスイッチ34が出力値として第2温度を選択しているときには、上記のベース値制御表示を表示装置15に表示させる。かかるベース値制御表示により、外気温センサ16の信頼性が低い状況において、第1記憶部33に保持された外気温を用いてエンジン20のトルクカット制御が適切に行われることを運転者が確認できる。
ステップS107の処理後には、ステップS112に処理が移行する。
ステップS108:情報処理部43は、第2温度の更新条件を満たしているか否かを判定する。情報処理部43は、例えば、以下の(条件1)〜(条件3)をすべて満たすときに第2温度の更新条件を満たしていると判定する。
(条件1)第2温度の前回のサンプリングから所定時間が経過している。ここで、条件1の所定時間は第2温度の更新間隔を規定するものであって、例えば、30分である。
(条件2)車両10の速度が一定の時速以上であって、車両走行中に十分な走行風が外気温センサ16に当たっている状態である。例えば、条件2として、車両10の時速が50km/h以上か否かで判定が行われる。
(条件3)第1記憶部33に保持されている第2温度と外気温センサ16から取得される第1温度との温度差が所定範囲内である。例えば、条件3としては、第2温度と第1温度との温度差が±2℃以下(|第2温度−第1温度|≦2℃)か否かで判定が行われる。
なお、上記の(条件1)〜(条件3)の数値はあくまで一例であって、これらの値は適宜変更することができる。
そして、情報処理部43は、第2温度の更新条件を満たしている場合(YES)には、ステップS109に処理を移行させる。一方、情報処理部43は、第2温度の更新条件を満たしていない場合(NO)には、ステップS110に処理を移行させる。
ステップS109:情報処理部43は、第1記憶部33で保持されている第2温度の値を、車両走行中に外気温センサ16から取得した第1温度の値で更新する。これにより、第2温度の値は、一日の時間経過や天候の変化等に起因する外気温の変化に追従して更新される。
ステップS110:情報処理部43は、キーオフ操作が検出されたか否かを判定する。キーオフ操作が検出された場合(YES)には、ステップS111に処理が移行する。一方、キーオフ操作が検出されない場合(NO)には、ステップS106に処理が戻ってループする。
ステップS111:エンジン制御部44は、キーオフ操作に応じてインジェクタ19に燃料の噴射を停止させる。
また、情報処理部43は、キーオフ時に外気温センサ16から外気温の値を取得し、取得した外気温の値をキーオフ時の第2温度として第2記憶部35に記録する。また、情報処理部43は、キーオフの日付および時刻を示すキーオフ日時情報を、第2温度の情報に対応付けて第2記憶部35に記録する。その後、車両制御装置11の動作が終了する。なお、キーオフ時の第2温度の情報およびキーオフ日時情報は、次回のキーオン時の処理(ステップS101、S104)で使用される。
ステップS112:この場合は、ステップS105またはステップS107の処理によって、第1記憶部33に保持されている第2温度の値を第2セレクタスイッチ34がエンジン制御部44に出力している状態である。
ここで、情報処理部43は、第1記憶部33に保持されている第2温度と外気温センサ16から取得される第1温度との温度差が所定範囲内であるか否かを判定する。例えば、ステップS112では、第2温度と第1温度との温度差が±2℃以下(|第2温度−第1温度|≦2℃)か否かで判定が行われる。
第2温度と第1温度との温度差が所定範囲内にある場合(YES)には、ステップS113に処理が移行する。一方、第2温度と第1温度との温度差が所定範囲内にない場合(NO)には、ステップS114に処理が移行する。
ステップS113:この場合は、第2温度と第1温度との温度差が所定範囲内であって、外気温センサ16の検出する温度にエンジン20の熱がほとんど影響していない場合に相当する。
そこで、第2セレクタスイッチ34は、情報処理部43の制御により、外気温センサ16からの入力(第1温度)を選択する。これにより、エンジン制御部44は、適正な外気温を検出している外気温センサ16の出力値に基づいてインジェクタ19の燃料噴射量を調整する。
また、ステップS113での表示制御部42は、第2セレクタスイッチ34が出力値として第1温度を選択しているときには、表示装置15におけるベース値制御表示を停止させる。かかるベース値制御表示の停止により、外気温センサ16の信頼性が高い状態にあり、外気温センサ16の出力値を用いてエンジン20のトルクカット制御が適切に行われることを運転者が確認できる。
ステップS113の処理後には、ステップS110に処理が移行する。
ステップS114:情報処理部43は、キーオフ操作が検出されたか否かを判定する。キーオフ操作が検出された場合(YES)には、ステップS115に処理が移行する。一方、キーオフ操作が検出されない場合(NO)には、ステップS112に処理が戻ってループする。
ステップS115:エンジン制御部44は、キーオフ操作に応じてインジェクタ19に燃料の噴射を停止させる。
また、情報処理部43は、外気温センサ16の信頼性が低い状態であるためキーオフ時の外気温センサ16の出力に拘わらず、キーオフ時に第1記憶部33に保持されている第2温度をそのまま第2記憶部35に記録する。また、情報処理部43は、キーオフの日付および時刻を示すキーオフ日時情報を、第2温度の情報に対応付けて第2記憶部35に記録する。その後、車両制御装置11の動作が終了する。なお、キーオフ時の第2温度の情報およびキーオフ日時情報は、次回のキーオン時の処理(ステップS101、S104)で使用される。以上で、図2の説明を終了する。
以下、一の実施形態の車両制御装置11の作用効果を述べる。
一の実施形態では、所定時間での第1温度の変化量が閾値を超える場合(S106のYES)に、第2セレクタスイッチ34は、エンジン20の燃料噴射量の制御に用いる出力値として第1記憶部33からの入力(第2温度)を選択する(S107)。すなわち、外気温センサ16がエンジン20の熱の影響を受けている可能性がある場合には、エンジン20の燃料噴射量の制御に外気温センサ16の値が用いられない。
したがって、一の実施形態では、車両10での外気温センサ16の取付位置に拘わらず、エンジン20の燃料噴射量の制御に用いる外気温の値が従来よりも適切に設定される。そして、一の実施形態では、実際の外気温から乖離した温度に基づいてエンジン20のトルクカット制御が行われる可能性が低減する。
また、一の実施形態では、第2温度の前回のサンプリングから所定時間が経過し、かつ車両走行中に第1温度と第2温度との温度差が所定範囲内であるとき(S108のYES)に、情報処理部43は、第1記憶部33で保持されている第2温度の値を車両走行中に取得された第1温度の値で更新する(S109)。これにより、一の実施形態では、外気温の変化に追従して第2温度の値が更新される。
また、一の実施形態では、前回のキーオフ時から今回のキーオン時までに所定のソーク時間が経過している場合(S101のYES)に、情報処理部43は、キーオン時に取得した外気温を第2温度の初期値として第1記憶部33に記録する(S102)。一方、前回のキーオフ時から今回のキーオン時までに所定のソーク時間が経過していない場合(S101のNO)に、情報処理部43は、第2記憶部35に記憶されている前回のキーオフ時の第2温度の値をそのまま第2温度の初期値として第1記憶部33に記録する(S104)。これにより、一の実施形態では、車両10が冷間始動時か否かに応じて、エンジン20の燃料噴射量の制御に用いる外気温の値が適切に設定される。
なお、上記の一の実施形態では、第2セレクタスイッチ34の出力値をエンジン制御部44がインジェクタ19の燃料噴射量の制御に用いる例を説明した。しかし、車両制御装置11は、例えば、ブースト温度センサの信頼性を判断する故障診断機能(On-Board Diagnostics)に第2セレクタスイッチ34の出力値を用いるようにしてもよい。
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点および利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲が、その精神および権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図するものである。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更に容易に想到できるはずである。したがって、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物に拠ることも可能である。
10…車両、11…車両制御装置、12…アクセル開度センサ、13…エアフローメータ、14…イグニッションキーユニット、15…表示装置、16…外気温センサ、17…排気温センサ、18…機関水温センサ、19…インジェクタ、20…エンジン、31…装置内温度センサ、32…第1セレクタスイッチ、33…第1記憶部、34…第2セレクタスイッチ、35…第2記憶部、36…CPU、41…タイマ部、42…表示制御部、43…情報処理部、44…エンジン制御部

Claims (6)

  1. 現在の外気温を第1温度として温度センサから受ける取得部と、
    前記取得部が所定条件下で受けた第1温度を第2温度として保持する第1記憶部と、
    所定時間での第1温度の変化量に基づいて、エンジンの燃料噴射量の制御に用いる出力値として第1温度、または前記第1記憶部が保持している第2温度のいずれかを選択する選択部と、
    前記第1記憶部が第2温度を保持した後、所定の更新条件を満たしたときに前記取得部が受けた第1温度を用いて、前記第1記憶部が保持する第2温度を更新するように処理を行う情報処理部と
    を備え、
    前記選択部は、
    所定時間での第1温度の変化量が所定の閾値を超えるときに前記出力値として前記第1記憶部が保持している第2温度を選択すること
    を特徴とする車両制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両制御装置において、
    前記情報処理部は、
    所定時間が経過して、車両が所定速度以上で走行し、かつ、第1温度と第2温度との温度差が所定範囲内である場合に、前記更新条件を満たしたとして、第2温度を更新するように処理を行うこと
    を特徴とする車両制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両制御装置において、
    前記出力値の示す温度が所定の温度を超えるときに、エンジンへの燃料噴射量を抑制するエンジン制御部をさらに備える車両制御装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両制御装置において、
    前記選択部は、前記出力値として第2温度を選択した後に、第1温度と第2温度との温度差が所定範囲内になったときに、前記出力値を第1温度に切り替えることを特徴とする車両制御装置。
  5. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の車両制御装置において、
    車両のキーオフ時に前記第1記憶部に保持されている第2温度の値を記録する第2記憶部をさらに有し、
    前記情報処理部は、
    前記キーオフ時から車両のキーオン時までに所定のソーク時間が経過しているときに、前記キーオン時に前記取得部が受けた外気温を第2温度の初期値として前記第1記憶部に記録し、前記キーオフ時から前記キーオン時までに所定のソーク時間が経過していないときに、前記第2記憶部に記憶された値を第2温度の初期値として前記第1記憶部に記録すること
    を特徴とする車両制御装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の車両制御装置において、
    前記選択部が前記出力値として第2温度を選択しているときに、表示装置に表示を行わせる表示制御部をさらに備えることを特徴とする車両制御装置。
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