JP4258077B2 - エンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、始動時の黒煙発生を抑えつつ始動性を良好にできるエンジンの燃料噴射制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
始動性を向上(エンジンストール防止、アイドル振動防止等)し、且つ始動時のスモーク(黒煙)の発生を防止する燃料噴射制御装置として、特開平8−158912号公報等に記載された技術が知られている。
【0003】
この技術は、図5に示すように、アイドル回転以下において、エンジンストール・アイドル振動等を回避すべくエンジン回転数の低下に応じて燃料噴射量を増量する通常時ガバナマップV1と、スタート時(イグニションスイッチオン時)の黒煙発生を抑制すべく一定の燃料噴射量に保持するスタート時ガバナマップV2と、エンジン回転数の低下に応じて燃料噴射量をマップV1よりも低い割合で増量する始動時ガバナマップV3とを有する。
【0004】
そして、スタート時には最も噴射量が少ないスタート時ガバナマップV2を用いて燃料噴射を行い、その後エンジン回転数が目標アイドル回転数以下の場合には始動時ガバナマップV3を用いて燃料噴射を行い、エンジン回転数が目標アイドル回転数に達したならば通常時ガバナマップV1を用いて燃料噴射を行う。これにより、始動時の黒煙の大量発生を防止できると共にエンジンストールを防止できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この場合、始動を確保するために用いられる始動時ガバナマップV3は1本のみであり、エンジンの始動を確保できる噴射量に設定する必要があるため、黒煙の発生を最小にはできない。すなわち、始動時ガバナマップV3は、エンジンストールを確実に回避する都合上、黒煙の発生を最小にする噴射量よりも多少濃い目に設定する必要があり、黒煙の発生を最小にするという理想を追及できない。
【0006】
また、エンジンを大量生産する場合、燃料噴射量を制御する部品、例えば燃料噴射ノズルの全てを同じ噴射特性にすることは不可能であり、製造公差の範囲で必ずバラツキが生じてしまう。このため、各噴射ノズルを同一の始動時ガバナマップV3に基いて噴射制御したとしても、噴射ノズルごとに燃料噴射量が多くなったり或いは少なくなったりする可能性があり、始動時黒煙悪化エンジンや始動性悪化エンジンが生産される虞がある。
【0007】
また、エンジンの始動性や始動時の黒煙発生は、始動時の水温や吸気温等によって変化する。このため、始動時の水温や吸気温等とは無関係に上記始動時ガバナマップV3に基いて求めた燃料噴射量では、そのときの水温や吸気温等にマッチした最適噴射量に対して過剰または過少となる可能性があり、エンジンの始動性向上と始動時の黒煙発生防止とを満足させることができない。
【0008】
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、始動時の黒煙発生の抑制と良好な始動性の確保とを確実に両立できるエンジンの燃料噴射制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明に係るエンジンの燃料噴射制御装置は、エンジンが始動モードであるか否かをその判定条件の一つとしてエンジン回転数が所定の閾回転数以下であることを用いて検出する始動検出手段と、エンジン始動時の燃料噴射量を黒煙発生が問題とならない小噴射量に設定する始動時燃料噴射量決定手段と、燃料噴射量を所定量ずつ増量し続ける始動時燃料噴射量増量手段と、これら始動検出手段、始動時燃料噴射量決定手段及び始動時燃料噴射量増量手段を統合し始動時の燃料噴射量を制御する電子制御ユニットとを備え、
該電子制御ユニットは、上記始動検出手段が始動モードを検出した状態においては、原則として、上記始動時燃料噴射量決定手段で設定された噴射量で燃料の噴射を実行し、例外として、エンジン始動開始から所定時間が経過したにも拘わらずエンジン回転数が自力運転可能な、上記閾回転数よりも小さな所定エンジン回転数に達していない場合には、上記始動時燃料噴射量増量手段により、燃料噴射量をエンジン回転数が上記所定エンジン回転数に達するまで所定量ずつ増量し続ける燃料増量制御を実行し、上記所定エンジン回転数に達した後には、上記始動モードが解除されるまでは、上記原則通り、上記始動時燃料噴射量決定手段で設定された噴射量に戻して燃料噴射を実行するものである。
【0010】
本発明によれば、始動時燃料噴射量決定手段が、始動時の燃料噴射量を黒煙発生が問題とならない小噴射量に設定するので、始動時の黒煙発生が抑制される。そして、始動時燃料噴射量増量手段が、始動後エンジンが自力運転可能な所定エンジン回転数に達するまでの間、燃料噴射量を所定量ずつ増量するので、良好な始動性を確保できる。
【0011】
また、上記始動時燃料噴射量増量手段は、水温・吸気温が高いとき上記所定量を小とし、水温・吸気温が低いとき上記所定量を大とする第1補正手段を有することが好ましい。これによれば、第1補正手段が、始動時の水温・吸気温に応じて最適な燃料増量(所定量)を設定するので、「黒煙発生」と「始動性」とを高いレベルで両立できる。
【0012】
また、上記始動時燃料噴射量増量手段は、水温が高いとき上記所定エンジン回転数を小とし、水温が低いとき上記所定エンジン回転数を大とする第2補正手段を有することが好ましい。これによれば、第2補正手段が、始動時の水温に応じて最適な所定エンジン回転数(自力運転可能な回転数)を設定するので、「黒煙発生」と「始動性」とを高いレベルで両立できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を添付図面に基いて説明する。
【0014】
図4は、本実施形態にかかるエンジンの燃料噴射制御装置が適用されたコモンレール式燃料噴射システムの概要図である。図示するように、このシステムにあっては、燃料タンク1内の燃料は、フィルタ2およびフィードポンプ3を介して高圧ポンプ4に供給され、高圧ポンプ4によって高圧(数十〜数百MPa)に昇圧された後、通路5を介してコモンレール6と呼ばれる蓄圧容器に供給される。コモンレール6内の燃料は、通路7を介して各インジェクタ(噴射ノズル)8に供給される。
【0015】
各噴射ノズル8に供給された高圧の燃料は、電子制御ユニット9(以下ECUという)からの信号に応じて各噴射ノズル8が開閉制御されるに伴って、夫々噴孔から各シリンダ内の燃焼室に噴射される。そして、余剰な燃料は、通路10を介して燃料タンク1内に戻る。また、ECU9は、コモンレール6に取り付けられた圧力センサ11で検出されたコモンレール圧に基いて高圧ポンプ4の出口圧力を制御し、コモンレール圧すなわち噴射ノズル8の噴射圧力をフィードバック制御する。
【0016】
ECU9には、エンジンの回転速度センサ12、水温センサ13、吸気温センサ14、スタータスイッチセンサ15、タイマー16などが接続されている。回転速度センサ12は、エンジンのクランク軸またはカム軸の回転数(NE:RPM)を検出する。水温センサ13は、ラジエータの出口部の水温THWを検出する。吸気温センサ14は、吸気管内の温度THAを検出する。スタータスイッチセンサ15は、スタータスイッチのオンオフを検出する。タイマー16は、スタータスイッチオンからの経過時間Tを検出する。
【0017】
ECU9内には、仮に噴射ノズル8が製造公差の上限値であっても、始動時の燃料噴射量QSTを黒煙発生が問題とならない小噴射量に設定する始動時燃料噴射量決定手段17が、プログラムとして内蔵されている。始動時の黒煙発生は、始動時の水温THWおよびエンジン回転数NEによって変動する。このため、始動時燃料噴射量決定手段17は、図1のステップ4および図3に示すように、始動時燃料噴射量QSTをエンジン回転数NEと水温THWとによって求めるマップ18を有する。マップ18には、水温THWの低・高に応じて始動時燃料噴射量QSTを大・小と変化させ、エンジン回転数NEの低・高に応じて始動時燃料噴射量QSTを大・小と変化させる特性が書き込まれている。
【0018】
ECU9内には、始動後エンジンが自力運転可能な所定エンジン回転数NE1に達するまでの間、燃料噴射量QSTを所定量ΔQSTずつ増量し続ける始動時燃料噴射量増量手段19が、プログラムとして内蔵されている。「始動後エンジンが自力運転可能な所定エンジン回転数NE1」とは、スタータによるクランキング回転からエンジンに火が入り自力運転と判断できる回転(400〜500rpm程度) のことをいう。
【0019】
上記所定量ΔQSTは、始動時の水温THWおよび吸気温THAによって変動させることが望ましい。このため、始動時燃料噴射量増量手段19は、図1のステップ8に示すように、上記所定量ΔQSTを吸気温THAと水温THWとによって決定する第1補正手段20を有する。第1補正手段20は、吸気温THAの低・高に応じて所定量ΔQSTを大・小と変化させ、水温THWの低・高に応じて所定量ΔQSTを大・小と変化させる特性が書き込まれたマップ(図示せず)を有する。
【0020】
上記所定エンジン回転数NE1(始動後エンジンが自力運転可能となる回転数)は、始動時の水温THWによって変動する。このため、始動時燃料噴射量増量手段19は、図1のステップ6に示すように、上記所定エンジン回転数NE1を水温THWによって決定する第2補正手段21を有する。第2補正手段21は、水温THWの低・高に応じて所定エンジン回転数NE1を大・小と変化させる特性が書き込まれたマップ(図示せず)を有する。
【0021】
ECU9内には、エンジンの始動を検出する始動検出手段22が、プログラムとして書き込まれている。始動検出手段22は、図2に示すように、水温THWが始動時モード突入水温KTWQSTLより小さいこと、スタータスイッチST/SWがオンであること、エンジン回転数NEが500rpm以下であること、の3要件が満たされたときに始動モードであると判断し、いずれかの要件が満たされないときは始動モードではないと判断する(図1ステップ2参照)。
【0022】
以上の構成からなる本実施形態を図1に基いて説明する。
【0023】
図1に示すフローチャートは、ECU9内にプログラムとして書き込まれたものである。まず、ステップ1にて、イグニッションキーによりスタータスイッチがオンされてスタートすると、ステップ2にて、始動検出手段22が図2に基き始動モードであるか否かを判断する。始動モードであればステップ3に向かい、始動モードでなければステップ10に向かう。ステップ10では、通常運転モードによる噴射量Qの演算が行われ、その噴射量Qで燃料が噴射される。
【0024】
始動モードであると判定された場合に向かうステップ3では、スタータスイッチがオンされてから所定時間T1が経過したか否かが、タイマー16の出力に基いて判断される。所定時間T1は、例えば 0.5〜2 秒程度が設定される。そして、所定時間T1が経過してなければステップ4に向かい、所定時間T1が経過していればステップ6(後述)に向かう。ステップ4では、図3に示すマップ18により、始動時燃料噴射量QSTが水温THWとエンジン回転数NEとに基いて決定される。
【0025】
始動時燃料噴射量QSTは、前述したように、噴射ノズル8が製造公差の上限値であっても始動時の黒煙発生が問題とならない小噴射量(例えば 100〜 150mm3 /st)に設定されている。そして、噴射量QSTは、水温THWの低・高またはエンジン回転数NEの低・高に応じ、大・小と補正される。この補正により、黒煙の発生が的確に抑制される。この噴射量QSTで燃料が噴射される。そして、ステップ5にて、今回の始動時燃料噴射量QSTが前回の始動時燃料噴射量QST(-1)と置き換えられ、ステップ2に戻る。
【0026】
そして、ステップ2にて、図2に示す始動検出手段22に基き、エンジン回転数NEが500rpm以上の場合には、ステップ10に向かい、通常運転モードによる噴射量Qの燃料噴射が行われ、エンジン回転数NEが500rpm未満の場合には、ステップ3に向かう。そして、ステップ3、4、5、2のループが所定時間T1まで繰り返される間に、ステップ2にて、始動検出手段22がエンジン回転数NE=500rpm以上を検出しなければ、ステップ3からステップ6に向かう。
【0027】
ステップ6では、始動後エンジンが自力運転可能となる所定エンジン回転数NE1を、水温THWに基いて決定する。所定エンジン回転数NE1は、前述したように、例えば400 〜500rpm程度が設定され、水温THWの低・高に応じ、大・小と補正される。この補正により、エンスト・アイドル振動等が的確に防止される。そして、ステップ7に向かう。ステップ7では、実際のエンジン回転数NEが所定エンジン回転数NE1以上であるか否かを判断する。
【0028】
ステップ7にて、NE≧NE1がイエスであれば、エンジンの始動が適正に完了したことを意味する。よって、この場合、後述する燃料噴射量の増量は行わず、ステップ4に向かい、噴射量QSTで燃料が噴射される。次に、ステップ5およびステップ2に向かい、ステップ2(図2参照)にて始動モード判定がNOとなるまで噴射量QSTの燃料噴射が行われ、始動モード判定がNOとなればステップ10に向かい、以降ステップ10とステップ2とを循環し、ステップ10における通常運転モードによる噴射量Qの燃料噴射が行われる。
【0029】
他方、ステップ7にて、NE≧NE1がノオであれば(NE<NE1であれば)、エンジンは始動せずクランキング状態であることを意味する。この場合、ステップ8に向かう。ステップ8では、燃料噴射量増量(所定量)ΔQSTを吸気温THAと水温THWとに基いて決定する。所定量ΔQSTは、例えば 0.2〜1mm 3 /stが設定され、吸気温THAの低・高または水温THWの低・高に応じ、大・小と補正される。この補正により、黒煙発生の防止と始動時間の短縮とが的確に防止される。
【0030】
そして、ステップ9に向かう。ステップ9では、前回の始動時燃料噴射量QST(-1)に上記所定量ΔQSTを加算し、今回の始動時燃料噴射量QSTを算出する。詳しくは、単位時間(サンプリングインターバル)当たり、QST(-1)にΔQSTを加えてQSTを算出し、そのQSTによって燃料噴射を行う。単位時間には、例えば16msec(固定)が用いられる。そして、ステップ5を介してステップ2に向かい、始動モード判定(図2参照)がなされる。ここでエンジン回転数が500rpm以上であれば、ノオ判定となってステップ10に向かい、以降通常運転モードによる噴射量Qの噴射が行われる。
【0031】
他方、ステップ2にて、エンジン回転数が500rpm未満であれば、イエス判定となってステップ3に向かい、前回すでにT1を越えているのでステップ6に向かい、再び、水温THWから所定エンジン回転数NE1を求める。そして、ステップ7にて、再び、実際のエンジン回転数NEが所定エンジン回転数NE1以上であるか否かを判断する(NE≧NE1)。これがイエスなら、エンジンの始動は適正に完了したことを意味するので、この場合、所定量ΔQSTによる増量は行わずステップ4に向かい、噴射量QSTで燃料が噴射される。次に、ステップ5およびステップ2に向かい、ステップ2(図2参照)にて始動モード判定がNOとなるまで噴射量QSTの燃料噴射が行われ、始動モード判定がNOとなればステップ10に向かい、以降通常運転モードによる噴射量Qの噴射が行われる。
【0032】
ステップ7にて、NE≧NE1がノオなら(NE<NE1なら)、エンジンは未だ始動せずクランキング状態であることを意味するので、この場合、ステップ8に向かい、再び燃料噴射量増量(所定量)ΔQST( 0.2〜1mm 3 /st)を吸気温THAと水温THWとに基いて決定する。そして、ステップ9にて、再び前回の始動時燃料噴射量QST(-1)に上記所定量ΔQSTを加算し、今回の始動時燃料噴射量QSTを算出し、そのQSTによって燃料噴射を行う。そして、ステップ5を介してステップ2に向かい、始動モード判定(図2参照)がなされる。ここでエンジン回転数が500rpm以上であれば、ノオ判定となってステップ10に向かい、以降通常運転モードによる噴射量Qの噴射が行われる。
【0033】
ステップ2にて、エンジン回転数が500rpm未満であれば、イエス判定となってステップ3に向かい、前回すでにT1を越えているので再びステップ6に向かい、以降、ステップ7、8、9、5、2、3、6のループが、ステップ2にて始動モード判定がノオとなるか又はステップ7にてNE≧NE1がイエスとなるまで繰り返される。これにより、エンジンが始動するまで、ステップ9に則って燃料噴射量QSTが前回噴射量QST(-1)に所定量ΔQSTが加算され続ける。このため、最終的には、必ずエンジンが始動可能な燃料噴射量となる。
【0034】
以上説明したように、本実施形態によれば、ECU9内の始動時燃料噴射量決定手段17が、始動時の燃料噴射量QSTを黒煙発生が問題とならない小噴射量に設定するので、噴射ノズル8の製造公差内のバラツキに拘らず、始動時の黒煙発生が抑制される。そして、ECU9内の始動時燃料噴射量増量手段19が、始動後エンジンが自力運転可能な所定エンジン回転数NE1に達するまでの間、燃料噴射量QSTを所定量ΔQSTずつ増量するので、噴射ノズル8の製造公差内のバラツキに拘らず、良好な始動性を確保できる。すなわち、本実施形態によれば、従来両立させることが困難であった、「始動時の黒煙発生が抑制」と「始動性の良好化」とを、噴射ノズル8の製造公差内のバラツキに拘らず、確実に両立させることができる。
【0035】
また、上記始動時燃料噴射量増量手段19は、水温THW・吸気温THAが高いとき上記所定量ΔQSTを小とし、水温THW・吸気温THAが低いとき上記所定量ΔQSTを大とする第1補正手段20を有するので、始動時の水温THW・吸気温THAに応じて最適な燃料増量(所定量)ΔQSTを設定でき、前記 「黒煙発生」と「始動性」とを高いレベルで両立できる。すなわち、水温THW・吸気温THAが低いときには、所定量ΔQSTを大とすることにより、エンジンの始動時間の短縮化を図り、水温THW・吸気温THAが高いときには、所定量ΔQSTを小とすることにより、始動時の黒煙発生の抑制を図ることができる。
【0036】
また、上記始動時燃料噴射量増量手段19は、水温THWが高いとき上記所定エンジン回転数NE1を小とし、水温THWが低いとき上記所定エンジン回転数NE1を大とする第2補正手段21を有するので、始動時の水温THWに応じて最適な所定エンジン回転数NE1(自力運転可能な回転数)を設定でき、前記 「黒煙発生」と「始動性」とを高いレベルで両立できる。すなわち、水温THWが低いときには、所定エンジン回転数NE1を大とすることにより、冷間スタート時のアイドル安定性を高めることができ、水温THWが高いときには、所定エンジン回転数NE1を小とすることにより、温間スタート時の黒煙発生を抑制できる。
【0037】
なお、本発明は、図4に示すコモンレール式燃料噴射システムに限定されることはなく、分配式のディーゼル又はガソリンエンジンの燃料噴射システムにも適用できる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るエンジンの燃料噴射制御装置によれば、始動時の黒煙発生の抑制と良好な始動性の確保とを、噴射ノズルの製造公差内のバラツキに拘らず、確実に両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すエンジンの燃料噴射制御装置による燃料噴射の手順を示す流れ図である。
【図2】上記燃料噴射制御装置の始動検出手段の概要図である。
【図3】上記燃料噴射制御装置の始動時燃料噴射量QSTを決定するマップを示す図である。
【図4】上記燃料噴射制御装置が適用されるコモンレール式燃料噴射システムを示す概要図である。
【図5】従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
17 始動時燃料噴射量決定手段
19 始動時燃料噴射量増量手段
20 第1補正手段
21 第2補正手段
QST 始動時燃料噴射量
ΔQST 燃料噴射増量(所定量)
NE エンジン回転数
NE1 所定エンジン回転数
THW 水温
THA 吸気温
ST/SW スタータスイッチ
T タイマー
Claims (3)
- エンジンが始動モードであるか否かをその判定条件の一つとしてエンジン回転数が所定の閾回転数以下であることを用いて検出する始動検出手段と、エンジン始動時の燃料噴射量を黒煙発生が問題とならない小噴射量に設定する始動時燃料噴射量決定手段と、燃料噴射量を所定量ずつ増量し続ける始動時燃料噴射量増量手段と、これら始動検出手段、始動時燃料噴射量決定手段及び始動時燃料噴射量増量手段を統合し始動時の燃料噴射量を制御する電子制御ユニットとを備え、
該電子制御ユニットは、上記始動検出手段が始動モードを検出した状態においては、原則として、上記始動時燃料噴射量決定手段で設定された噴射量で燃料の噴射を実行し、例外として、エンジン始動開始から所定時間が経過したにも拘わらずエンジン回転数が自力運転可能な、上記閾回転数よりも小さな所定エンジン回転数に達していない場合には、上記始動時燃料噴射量増量手段により、燃料噴射量をエンジン回転数が上記所定エンジン回転数に達するまで所定量ずつ増量し続ける燃料増量制御を実行し、上記所定エンジン回転数に達した後には、上記始動モードが解除されるまでは、上記原則通り、上記始動時燃料噴射量決定手段で設定された噴射量に戻して燃料噴射を実行することを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。 - 上記始動時燃料噴射量増量手段は、水温・吸気温が高いとき上記所定量を小とし、水温・吸気温が低いとき上記所定量を大とする第1補正手段を有する請求項1に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
- 上記始動時燃料噴射量増量手段は、水温が高いとき上記所定エンジン回転数を小とし、水温が低いとき上記所定エンジン回転数を大とする第2補正手段を有する請求項1又は2に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
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