JP4325549B2 - エンジン制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジン制御装置に関するものである。
例えば、車両用エンジンにおいては、マイクロコンピュータを用いた電子制御燃料噴射システムが構築されており、その都度のエンジン運転状態に基づいて基本噴射量が演算されると共に、該基本噴射量に対して各種の補正が実施されて最終の燃料噴射量が決定される。そして、燃料噴射量の演算値に基づいて燃料噴射弁が駆動される。この場合、外気温が変化すると、それに起因してエンジンへの吸入空気の温度(吸気温)が変化し、結果として燃料噴射量の精度に悪影響が及ぶことから、外気温(吸気温)を補正パラメータとしその外気温に基づいて噴射量補正が実施されるようになっている。
ところで近年では、それまで気化器(キャブレータ)等にてエンジンへの燃料供給を実施していた二輪車等の分野でも電子制御燃料噴射システムが採用されつつある。かかる場合、本システムの採用によりコストが高騰することが懸念されるため、構成要素の削減等によるコストダウンの必要性が生じる。
例えば特許文献1では、エンジン始動時の冷却水温を検出し、その始動時水温の検出値に基づいて外気温を推定する。具体的には、前回のエンジン運転中に推定した外気温と今回の始動時水温とを比較し、その大小関係に基づいて外気温推定を実施するようにしている。そしてこうして外気温を推定することにより、外気温検出のためのセンサを不要としている。
しかしながら、上記文献における外気温の推定手法では、始動時水温が外気温以外の要因(エンジン停止中の状態など)により変動する場合にその推定精度が低くなり、外気温の推定値に基づいて噴射量補正を実施してもその補正の精度は低いものとなる。そのため、排気エミッションの低減やドライバビリティの改善を図る上で十分な効果が期待できないという問題があった。
特開平4−171248号公報
本発明は、外気温検出用のセンサを持たないシステムにおいて、外気温を精度良く推定し、ひいては燃料噴射量制御等を好適に実施することができるエンジン制御装置を提供することを主たる目的とするものである。
エンジンの暖機過程では、エンジン構成部品は暖機の進行に伴い温度上昇し、特に当該構成部品が外気に曝されている場合その温度変化は外気温に依存したものとなる。そこで本発明では、エンジンの暖機過程において、外気に曝されたエンジン構成部品の温度に対応する温度パラメータを取得し、該取得した温度パラメータの変化に基づいて外気温を推定する。この場合、温度パラメータの上昇度合が大きいほど外気温が高く、逆に温度パラメータの上昇度合が小さいほど外気温が低いとして推定されると良い。また、例えば、外気温の推定値を基に燃料噴射量が演算されると良い。本構成によれば、外気温検出用のセンサを持たないシステムにおいて、外気温を精度良く推定し、ひいては燃料噴射量制御等を好適に実施することができる。
なお、エンジン吸気系では、その上流部における吸気温は外気温に概ね一致する。それ故に、本発明は、エンジン吸気系の上流部における吸気温を好適に推定するものであるとも言える。
前記温度パラメータを取得する手段は、エンジン冷却水の温度を検出する水温センサ、エンジン潤滑油の温度を検出する油温センサ、シリンダブロックの壁面温度を検出する壁温センサの何れかであると良い。
エンジンの始動後、所定時間毎に前記温度パラメータの変化を計測すると共にその変化状況に基づいて外気温を推定すると良い。この場合、エンジンの暖機過程において外気温の推定を繰り返し実施することができるため、その推定精度を高めることができる。
また、前記所定時間毎に推定した外気温を逐次なまし処理し、該なまし処理後の数値を最終的に外気温の推定値とすると良い。これにより、仮に所定時間毎に推定される外気温が各々相違したとしても、最終的に適正なる外気温の推定値が得られるようになる。
また、エンジンの暖機過程において、一旦外気温を推定した後、前記温度パラメータの変化率が変動した場合に、再度外気温の推定を実施するようにしても良い。これにより、必要に応じて外気温を推定し直すことができ、外気温を高精度に推定することができる。
外気温が同一であっても、エンジン水温等の温度パラメータが低温域にある場合と高温域にある場合とでは、温度パラメータの変化度合に違いが生じる。従って、温度パラメータの変化度合と、その時の温度パラメータの温度域とに基づいて外気温を推定すると良い。これにより、外気温の推定精度が向上する。
より具体的には、温度パラメータが低温域にある場合と高温域にある場合とを比べると、高温域では温度パラメータが収束温度に近くなり、温度上昇が次第に鈍くなると考えられる。それ故に、温度パラメータが低温域にある場合と高温域にある場合とで比べて高温域にある場合には、温度パラメータの変化率が同じであっても外気温を高めに推定すると良い。
温度パラメータの変化度合は、車両やエンジンの運転状態(例えば車速やエンジン回転速度等)による影響を受ける。従って、外気温の推定値を、車両又はエンジンの運転状態に基づいて補正すると良い。或いは、車両又はエンジンの運転状態が規定の条件を外れる場合に外気温の推定を禁止すると良い。
また、外気温の推定値をバックアップ用のメモリに格納し、次回のエンジン始動時に必要に応じて使用すると良い。例えば、前述のように車両又はエンジンの運転状態が規定の条件を外れて外気温推定が禁止される場合や、エンジンの高温再始動時であって外気温推定が不可能である場合において、バックアップ用のメモリに格納された外気温の推定値が用いられると良い。これにより、外気温の推定演算が不可能であっても、燃料噴射量の外気温補正等が可能となる。また、エンジン始動後において外気温推定が完了するまでの期間においても燃料噴射量の外気温補正等が可能となる。
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。本実施の形態は、内燃機関である二輪車用の水冷式ガソリンエンジンを対象にエンジン制御システムを構築するものとしており、当該制御システムにおいては電子制御ユニット(以下、ECUという)を中枢として燃料噴射量の制御や点火時期の制御等を実施することとしている。先ずは、図1を用いてエンジン制御システムの全体概略構成図を説明する。
図1に示すエンジン10において、吸気管11の最上流部にはエアクリーナ12が設けられ、その下流側にはスロットルバルブ14が設けられている。スロットルバルブ14にはスロットル開度を検出するためのスロットル開度センサ15が設けられている。スロットルバルブ14の下流側には吸気管圧力を検出するための吸気管圧力センサ16が設けられている。更に、吸気管11の吸気ポート近傍には電磁駆動式の燃料噴射弁17が取り付けられており、この燃料噴射弁17には、図示しない燃料供給系より燃料が供給されるようになっている。
エンジン10の吸気ポート及び排気ポートにはそれぞれ吸気バルブ21及び排気バルブ22が設けられており、吸気バルブ21の開動作により空気と燃料との混合気が燃焼室23内に導入され、排気バルブ22の開動作により燃焼後の排気が排気管24に排出される。エンジン10のシリンダヘッドには各気筒毎に点火プラグ25が取り付けられており、点火プラグ25には、点火コイル等よりなる点火装置26を通じて、所望とする点火時期において高電圧が印加される。この高電圧の印加により、各点火プラグ25の対向電極間に火花放電が発生し、燃焼室23内に導入された混合気が着火され燃焼に供される。
排気管24には、排出ガス中のCO,HC,NOx等を浄化するための三元触媒等の触媒31が設けられ、この触媒31の上流側には排気を検出対象として混合気の空燃比を検出するためのO2センサ32が設けられている。また、エンジン10には、シリンダブロックに形成されたウォータジャケット内の冷却水の温度(エンジン水温)を検出する水温センサ33や、エンジン10の回転に伴い所定クランク角毎に(例えば30°CA周期で)矩形状のクランク角信号を出力するクランク角センサ34が設けられている。
ECU40は、CPU、ROM、RAM等よりなるマイクロコンピュータを主体として構成されており、このECU40には前記各種センサの検出信号やその他バッテリ電圧VBの検出信号、車速センサ35の検出信号などが入力される。ECU40は、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に基づいて燃料噴射弁17の燃料噴射時間や点火プラグ25による点火時期などを制御する。特に燃料噴射制御においては、エンジン回転速度や負荷等のパラメータを基に基本噴射量を算出すると共に、この基本噴射量に対して空燃比等をパラメータとして適宜補正を実施し、最終の燃料噴射量を算出する。
ここで、燃料噴射量の補正時には外気温(吸気温)に基づく外気温補正が実施されるが、本システムでは外気温センサを備えておらず、ECU40は、エンジンの暖機過程における水温変化に基づいて外気温を推定し、その推定値を基に外気温補正係数を算出する。すなわち、図2に示すように、エンジンの暖機過程では、エンジン水温は暖機の進行に伴い上昇し、その際、エンジン水温の変化は外気温に依存したものとなる。具体的には、外気温が高いほど水温上昇が早く、外気温が低いほど水温上昇が遅くなる。そこで本実施の形態では、エンジン暖機過程における水温変化に基づいて外気温を推定する。
図3は、外気温補正係数の算出手順を示すフローチャートであり、本処理は、イグニッションスイッチ(IGスイッチ)のON後において所定の時間周期でECU40により繰り返し実行される。
図3において、先ずステップS101では、今回の処理がIGスイッチのON後、初回であるか否かを判定する。初回であればステップS102に進み、その時の水温センサ33の検出値から水温Twを算出すると共に、その水温Twを水温初期値Twstとしてメモリに記憶する。その後、ステップS103では、エンジン始動が完了したか否かを判定する。この始動判定はエンジン回転速度に基づいて行われ、エンジン回転速度が所定の始動完了判定値(例えば500rpm)に達していれば始動完了であるとされる。続くステップS104では、エンジン始動後、所定の暖機状態になったか否かを判定する。この暖機判定はエンジン水温に基づいて行われ、水温Twが所定の暖機完了判定値(例えば70℃)に達していれば暖機完了であるとされる。
そして、始動完了後であり、且つ暖機完了前であることを条件に、ステップS105に進み、後続の各ステップにて外気温Taの推定並びに外気温補正係数FTAの算出を実行する。
すなわち、ステップS105では、カウンタCtを1ずつインクリメントし、続くステップS106では、カウンタCtの値を基に今回が外気温Taの推定タイミングであるか否かを判定する。本実施の形態では、所定時間毎に外気温Taを推定することとしており、前回のTa推定時からカウンタCtの値が所定値増加していれば、今回が外気温Taの推定タイミングであると判定される。
ステップS106がYESの場合、ステップS107に進み、水温変化に基づいて外気温Taの推定処理を実行する(その詳細は後述)。その後、ステップS108では、外気温Taの推定値を基に外気温補正係数FTAを算出する。
図4は、前記ステップS107における外気温推定のサブルーチンを示すフローチャートである。
図4において、ステップS201では、今現在の水温Twと水温初期値Twstとから水温変化量ΔTwを算出する(ΔTw=Tw−Twst)。そしてその後、ステップS202〜S210では、水温変化量ΔTwとカウンタCtの値とから算出される水温変化率(ΔTw/Ct)を、しきい値A〜Dにより大小判定すると共に、その判定結果を基に外気温Taを推定する。このとき、しきい値A〜DはA<B<C<Dの関係にあり、水温変化率(ΔTw/Ct)がしきい値A〜Dで区切られたどの領域にあるかに応じて外気温Taが推定される。
但しこの場合、水温変化率と外気温とは、概ね図5に示す関係にあると考えられ、この関係を考慮してしきい値A〜Dが定められるのが望ましい。つまり、図5に示すように、水温変化率は、外気温が低いとその上昇度合(図の特性の傾き)が比較的大きくなり、外気温が高いとその上昇度合(図の特性の傾き)が比較的小さくなる傾向にある。それ故に、上記の如く領域分割して外気温推定を行う場合において何れの領域でも推定精度を同等にするには、しきい値A〜Dを、図5に示すように不等間隔で設定する。
ステップS202〜S210について具体的には、
・水温変化率(ΔTw/Ct)がA未満であれば、外気温Taを「a」とし(ステップS206)、
・水温変化率(ΔTw/Ct)がA以上B未満(A〜B内)であれば、外気温Taを「b」とし(ステップS207)、
・水温変化率(ΔTw/Ct)がB以上C未満(B〜C内)であれば、外気温Taを「c」とし(ステップS208)、
・水温変化率(ΔTw/Ct)がC以上D未満(C〜D内)であれば、外気温Taを「d」とし(ステップS209)、
・水温変化率(ΔTw/Ct)がD以上であれば、外気温Taを「e」とする(ステップS210)。
このとき、外気温Taの推定値であるa〜eはa<b<c<d<eの関係にあり、上記ステップS202〜S210によれば、水温変化率が小さいほど外気温Taが低く、逆に水温変化率が大きいほど外気温Taが高いとして推定される。
最後に、ステップS211では、外気温Taの推定値に対してなまし処理を実施する。このとき、例えば次式を用いて外気温のなまし値Tasmを算出する。
Tasm(i)=A×Tasm(i-1)+(1−A)×Ta …(1)
なお、上記(1)式においてAはなまし係数である(0<A<1)。そして、このなまし後の外気温(なまし値Tasm)を用いて外気温補正係数FTAが算出され(前記図3のステップS108)、更に外気温補正係数FTAにより燃料噴射量の補正等が実行される。
次に、エンジン始動時における外気温推定の流れを図6のタイムチャートを用いて説明する。
さて、タイミングt1ではIGスイッチがONされ、水温初期値Twstがメモリに記憶される。また、タイミングt2では、エンジン回転速度が上昇してエンジン始動が完了することに伴いカウンタCtのカウントアップが開始される。水温Twは、概ねt2付近から上昇し始める。
その後、カウンタCtが所定数カウントされる度に、水温初期値Twstからの水温変化量ΔTwとカウンタCtの値とから水温変化率(ΔTw/Ct)が算出されると共に、その水温変化率に基づいて外気温Taが推定され、その都度なまし処理が行われる(タイミングt3,t4,t5,・・・)。そして、水温Twが暖機完了温度(70℃)に達した時点で、外気温推定が終了される(タイミングtn)。
以上詳述した本実施の形態によれば、外気温検出用のセンサを持たないシステムにおいて、外気温を精度良く推定し、ひいては燃料噴射量制御等を好適に実施することができる。その結果、排気エミッションの低減やドライバビリティの改善を望みとおりに実現することができるようになる。
特に二輪車の場合には、四輪車と異なりエンジンルームのようなボディに囲われた部屋が無く、エンジンは外部に露出した状態となっている。それ故に、エンジン水温の変化と外気温との相関が強くなっており、こうした構成において有用性が高いものとなる。
また、二輪車の場合には、電子制御燃料噴射システムの採用に際しコストアップの抑制が要望されるが、本実施の形態によれば構成要素の削減が可能となり、コストアップ抑制の要望に応えられる制御システムが構築できる。
エンジンの暖機過程において、所定時間毎に水温変化率に基づいて外気温を推定するようにしたため、外気温の推定を繰り返し実施することができ、その推定精度を高めることができる。また、繰り返し推定される外気温を逐次なまし処理し、該なまし処理後の数値を最終的に外気温の推定値とするため、仮に所定時間毎に推定される外気温が各々相違したとしても、最終的に適正なる外気温の推定値が得られるようになる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、上記第1の実施の形態との相違点として、車速やエンジン回転速度による外気温推定の禁止条件を付加している。すなわち、車両の走行時やエンジン回転速度の上昇時には、エンジン暖機過程における水温の上昇度合が車速やエンジン回転速度に応じて変化する。そのため、かかる際において外気温の推定演算を停止する。
図7は、本実施の形態における外気温補正係数の算出手順を示すフローチャートであり、図7の処理は、前記図3の代わりにECU40により実行される。なお、図7は、前記図3の処理に対してステップS301〜S305を追加したものであり、前記図3との共通の処理については同一のステップ番号を付してその説明を適宜簡略する。
図7では、水温初期値Twstをメモリに記憶した後、始動完了後であり且つ暖機完了前である場合にステップS301に進む。ステップS301では、車速SPDが所定値α(例えば3km/h)以下であるか否かを判定し、続くステップS302では、エンジン回転速度NEが所定値β(例えば1500rpm)以下であるか否かを判定する。そして、ステップS301,S302が共にYESであることを条件に、ステップS105に進み、前述のとおり水温変化率に基づいて外気温Taの推定等を実施する(ステップS105〜S108)。
また、ステップS301,S302の何れかがNOの場合、ステップS303に進み、当該状況での継続時間を計測すべくカウンタCaを1ずつインクリメントする。次いで、ステップS304では、カウンタCaの値が所定値に達したか否かを判定し、Ca≧所定値となる場合に外気温Taとして予め定めたデフォルト値(例えば25℃)をセットする(ステップS305)。すなわち、ステップS301,S302の何れかがNOの場合には、水温変化率に基づく外気温の推定演算が実施されない。そしてその後、デフォルト値を基に外気温補正係数FTAを算出する(ステップS108)。
以上第2の実施の形態によれば、車速やエンジン回転速度による外気温推定の禁止条件を付加したため、推定演算される外気温を信頼性の高いものとすることができる。
なお、車速やエンジン回転速度による外気温推定の禁止条件に代えて、外気温の推定値を、車速やエンジン回転速度に基づいて補正するようにしても良い。この場合、例えば、車速が大きいほど、エンジン水温の上昇が遅くなり外気温が低めに推定されるため、外気温の推定値を高温側に補正する。また、エンジン回転速度が大きいほど、エンジン水温の上昇が早くなり外気温が高めに推定されるため、外気温の推定値を低温側に補正する。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態では、上記第1の実施の形態等との相違点として、外気温の推定値をEEPROM等のバックアップ用メモリ(すなわち、IGスイッチの状態にかかわらず記憶内容を保持可能なメモリ)に格納し、その記憶値をエンジンの高温再始動時等で用いるようにしている。
図8は、本実施の形態における外気温補正係数の算出手順を示すフローチャートであり、図8の処理は、前記図3や図7の代わりにECU40により実行される。なお、図8は、前記図7の処理に対してステップS401,S402を追加したものであり、前記図7との共通の処理については同一のステップ番号を付してその説明を適宜簡略する。
図8では、水温初期値Twstをメモリに記憶した後、その水温初期値Twstが所定値(例えば50℃)以上であるか否かを判定する(ステップS401)。これは、エンジンの高温再始動か否かを判定するものであり、Twst≧50℃の場合、高温再始動時であると判定しステップS402に進む。ステップS402では、外気温TaとしてEEPROM等の記憶値Twmをセットする。そしてその後、記憶値Twmを基に外気温補正係数FTAを算出する(ステップS108)。
なお、Twmは、IGスイッチのOFF時におけるOFF時処理(例えばメインリレー処理)にてEEPROM等に格納されるようになっている。ステップS305において、外気温TaとしてEEPROM等の記憶値Twmをセットするようにしても良い。
以上第3の実施の形態によれば、エンジンの高温再始動時など、外気温の推定演算が不可能である場合にも、燃料噴射量の外気温補正等が可能となる。また、エンジン始動後において初回の外気温推定が完了するまでの期間においても燃料噴射量の外気温補正等が可能となり、エンジン始動後いち早く適正な燃料噴射量制御が開始できる。
なお、本発明は上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施しても良い。
上記実施の形態では、水温変化率(ΔTw/Ct)がしきい値A〜Dで区切ったどの領域にあるかに応じて外気温Taを推定したが(図4のフロー参照)、これを変更しても良い。例えば、前記図5の実線で示す特性を、マップデータとしてROM等に登録しておき、その都度の水温変化率をパラメータとしてマップデータを参照することで外気温Taを推定するようにしても良い。
外気温が同一であっても、エンジン水温が低温域にある場合と高温域にある場合とでは、水温変化率(水温の変化度合)に違いが生じる。従って、水温変化率と、その時の水温の温度域とに基づいて外気温を推定するようにしても良い。より具体的には、水温が低温域にある場合と高温域にある場合とを比べると、高温域では水温が収束温度(約100℃手前)に近くなり、温度上昇が鈍くなると考えられる。そこで、エンジン水温が高温域にある場合には、エンジン水温の変化率が同じであっても低温域にある場合よりも外気温を高めに推定すると良い。
上記実施の形態では、エンジン始動時水温である水温初期値からの水温変化量ΔTwを算出すると共にその水温変化量ΔTwと始動後の経過時間(カウンタCtの値)とから水温変化率を算出し、該水温変化率に基づいて外気温を推定したが、所定時間間隔での水温変化量を算出し、その水温変化量に基づいて外気温を推定しても良い。
上記実施の形態では、エンジン水温の変化率に基づいて外気温を推定する構成としたが、これを変更しても良い。例えば、エンジン水温が所定温度だけ上昇するのに要する所要時間を計測し、その所要時間に基づいて外気温を推定しても良い。
また、エンジンの暖機過程において、一旦エンジン水温の変化率等に基づいて外気温を推定した後、エンジン水温の変化率が大小変動した場合に、再度外気温の推定を実施するようにしても良い。これにより、必要に応じて外気温を推定し直すことができ、外気温を高精度に推定することができる。
上記実施の形態では、水温センサにより検出されるエンジン水温を「温度パラメータ」としたが、これを変更する。例えば、エンジン潤滑油の温度(エンジン油温)を検出するための油温センサを設け、該油温センサにより検出されるエンジン油温を温度パラメータとしたり、シリンダブロックの壁面温度を検出するための壁温センサを設け、該壁温センサにより検出されるシリンダブロック壁温を温度パラメータとしたりすることが可能である。何れの場合にも、やはりエンジン暖機過程における温度変化から外気温の推定が可能となる。空冷式エンジンに適用する場合には、シリンダブロックの壁面温度を温度パラメータとするのが望ましい。
二輪車(オートバイ)以外への本発明の適用も可能である。例えば、耕運機等の農機具に適用したり、四輪車に適用したりすることも可能である。
発明の実施の形態におけるエンジン制御システムの概略を示す構成図である。 外気温の違いによる水温変化の違いを説明するためのタイムチャートである。 外気温補正係数の算出手順を示すフローチャートである。 外気温推定のサブルーチンを示すフローチャートである。 水温変化率と外気温との関係を示す図である。 エンジン始動時における外気温推定の流れを説明するためのタイムチャートである。 第2の実施の形態における外気温補正係数の算出手順を示すフローチャートである。 第3の実施の形態における外気温補正係数の算出手順を示すフローチャートである。
符号の説明
10…エンジン、33…水温センサ、34…クランク角センサ、35…車速センサ、40…ECU。

Claims (10)

  1. 外気に曝されたエンジン構成部品の温度に対応する温度パラメータを取得する手段と、
    エンジンの暖機過程において前記取得した温度パラメータの変化に基づいて外気温を推定する手段と、
    を備え
    前記外気温を推定する手段は、前記温度パラメータの変化度合と、その時の温度パラメータの温度域とに基づいて外気温を推定することを特徴とするエンジン制御装置。
  2. 前記温度パラメータが低温域にある場合と高温域にある場合とで比べて高温域にある場合には、温度パラメータの変化率が同じであっても外気温を高めに推定することを特徴とする請求項1に記載のエンジン制御装置。
  3. 前記温度パラメータを取得する手段は、エンジン冷却水の温度を検出する水温センサ、エンジン潤滑油の温度を検出する油温センサ、シリンダブロックの壁面温度を検出する壁温センサの何れかであることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジン制御装置。
  4. 前記エンジンの始動後、所定時間毎に前記温度パラメータの変化を計測すると共にその変化状況に基づいて外気温を推定することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のエンジン制御装置。
  5. 前記所定時間毎に推定した外気温を逐次なまし処理し、該なまし処理後の数値を最終的に外気温の推定値とすることを特徴とする請求項4に記載のエンジン制御装置。
  6. 前記エンジンの暖機過程において、一旦外気温を推定した後、前記温度パラメータの変化率が変動した場合に、再度外気温の推定を実施することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のエンジン制御装置。
  7. 前記推定した外気温を、車両又はエンジンの運転状態に基づいて補正することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のエンジン制御装置。
  8. 車両又はエンジンの運転状態が規定の条件を外れる場合に、前記外気温の推定を禁止することを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載のエンジン制御装置。
  9. 前記推定した外気温をバックアップ用のメモリに格納し、次回のエンジン始動時に必要に応じて使用することを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載のエンジン制御装置。
  10. 前記推定した外気温を基に燃料噴射量を演算することを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載のエンジン制御装置。
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