JP6302307B2 - シート積層型リチウムイオン二次電池 - Google Patents

シート積層型リチウムイオン二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、シート積層型リチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、鉛蓄電池やニッケル水素電池に比べてエネルギー密度及び起電力が高いという特徴を有するため、小型化及び軽量化が要求される各種の携帯機器やノートパソコン等の電源として広く使用されている。このようなリチウムイオン二次電池は、一般に、正極活物質が正極集電体に塗工された正極シートと、負極活物質が負極集電体に塗工された負極シートとを、これらの間にセパレータ及び電解質を介装させて積層し、正極シート、セパレータ及び負極シートを積層させた該積層体をケース内に密封することで製造される。この際、電解質としては、液体又は固体の電解質の他、ゲル状の電解質が用いられる。
また、リチウムイオン二次電池としては、円筒型、缶型、ラミネートパック型等の形態が採用されており、近年では、シート状の積層構造を有するリチウムイオン二次電池も提案されている。
一方、リチウムイオン二次電池をシート状に構成した場合、図5に示すように、折り曲げて湾曲させた際に、両面間の周差によって、特に、湾曲内側の外装体の表面に、皺からなる屈曲部101が生じる。このような皺からなる屈曲部101は、リチウムイオン二次電池100を折り曲げる度に、同じ箇所に繰り返して発生することから、内部の電極やセパレータにダメージが生じ、サイクル特性が低下する等、電池特性が劣化するという問題がある。また、上記の屈曲部101により、内部の電極に対して部分的に圧力が付加されて電極間距離が変化することから、この電極間距離がリチウムイオン二次電池100の内部で均一にならないため、やはり、サイクル特性が低下する等の電池特性の劣化を招くという問題がある。
ここで、上述のようなシート状のリチウムイオン二次電池として、内部の電極に切れ目を形成したものが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特許文献1に記載のリチウムイオン二次電池によれば、電極に切れ目が形成されていることで、リチウムイオン二次電池を折り曲げる際の屈曲性が向上するという効果が得られる。
一方、リチウムイオン二次電池は、充放電を繰り返した際に発熱するという特性があるが、この発熱量が大きくなると電池性能が低下するという問題がある。このため、従来から、リチウムイオン二次電池で発生した熱を放熱するための技術が各種提案されている。このような技術の一つとして、複数の電池モジュールが配設された外層ケースに収納されたバッテリパックにおいて、電池モジュールを複数列で互いに平行に配列して外層ケースに収納し、さらに、隣接する外層ケースの互いに対向する面に通風隙間を設けることが提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
特許文献2に記載のリチウムイオン二次電池によれば、外層ケース間に通風隙間を設けることにより、複数列の電池モジュールを効率よく放熱する効果が得られる。
特開2001−266894号公報 特開2010−225337号公報
しかしながら、特許文献1に記載のリチウムイオン二次電池は、電極に切れ目を形成することで、電極単体の屈曲性は向上するものの、電池全体の屈曲性を十分に向上させることは困難である。このため、特許文献1では、依然として、折り曲げた際に、両面間の周差によって外装体の表面に皺からなる屈曲部が生じ、内部の電極やセパレータにダメージが生じて電池特性が劣化するという問題がある。
また、特許文献2に記載の技術は、電池モジュールを複数配列した、比較的サイズの大きなバッテリパックの放熱効果を向上させるものであり、シート状のリチウムイオン二次電池の放熱性を向上させる技術については、従来、何ら提案されていなかった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、折り曲げて湾曲させた場合においても、内部の電極やセパレータにダメージが生じるのが抑制され、高い電池特性を維持できるとともに、低コストで取り扱い性に優れたシート積層型リチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、正極集電体上に正極活物質層が設けられた正極シートと、負極集電体上に負極活物質層が設けられた負極シートとが、セパレータを介して積層された膜電極接合体と、該膜電極接合体を内部に収容して封止するシート状の外装体とを備え、前記外装体は、外面側が湾曲可能な凹凸形状を有するとともに、前記膜電極接合体を挟み込む内面側に熱融着層が設けられており、且つ、該熱融着層が、平滑な表面を有しており、前記外装体に収容された前記膜電極接合体を含む前記シート積層型リチウムイオン二次電池が、前記外装体に形成された凹凸形状を基点として電池全体で変曲可能であることを特徴とする。
本発明によれば、外装体の外面側を凹凸形状に形成するとともに、内面側に熱融着層を配置した積層構造を採用することで、外装体に収容された膜電極接合体を含むシート積層型リチウムイオン二次電池全体を折り曲げて湾曲させた際に、主として凹凸形状の凹部を起点として外装体を容易に曲げることができるので、屈曲性が向上する。また、外装体の外面側の形状が適正化されることで、シート積層型リチウムイオン二次電池を折り曲げた際の周差による応力が緩和されるとともに、外装体の表面積が増加することで放熱性が向上する。さらに、外装体の内面側が熱融着層とされることで、シート積層型リチウムイオン二次電池を湾曲させた際の歪みが熱融着層で吸収される。これにより、フレキシブルな屈曲性を維持しながら、電極やセパレータにダメージが生じるのを抑制できるとともに、電極間の距離を均一に保つことができ、さらに、効果的な放熱が可能となるので、サイクル特性が向上する。従って、高い電池特性を維持できるとともに、低コストで取り扱い性に優れたシート積層型リチウムイオン二次電池を提供することが可能となる。
また、外装体の内面側に設けられる熱融着層が平滑な表面を有することで、シート積層型リチウムイオン二次電池を湾曲させた際の歪みが熱融着層で吸収されるので、フレキシブルな屈曲性を維持しながら、電極やセパレータにダメージが生じるのをより確実に抑制できるとともに、電極間の距離を確実且つ均一に保つことができ、さらに、効果的な放熱が可能となるので、容量維持特性が顕著に向上する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のシート積層型リチウムイオン二次電池であって、前記外装体が、金属箔と、熱可塑性樹脂からなる前記熱融着層との積層体であることを特徴とする。
本発明によれば、外装体が、凹凸加工が可能な金属箔と、熱融着層との積層体から構成されることで、外面側への凹凸形状の加工が容易になる。また、熱融着層を熱可塑性樹脂から構成することで、膜電極接合体を外装体の内部に収容する際の封止性が向上する。これにより、シート積層型リチウムイオン二次電池の生産性が向上し、さらなるコストダウンも可能となる。
本発明に係るシート積層型リチウムイオン二次電池によれば、上記した解決手段によって以下の効果を奏する。
即ち、本発明によれば、外装体の外面側を凹凸形状に形成するとともに、内面側に平滑面を有する熱融着層を配置した積層構造を採用することで、シート積層型リチウムイオン二次電池を折り曲げて湾曲させた際に、主として凹凸形状の凹部を起点として外装体を容易に曲げることができるので、屈曲性が向上する。さらに、外装体の内面側が平滑面の熱融着層とされることで、シート積層型リチウムイオン二次電池を湾曲させた際の歪みが熱融着層で吸収される。
本発明の一実施形態であるシート積層型リチウムイオン二次電池を模式的に説明する図であり、図1(a)は、シート積層型リチウムイオン二次電池の積層構造を説明するための、図1(b)中に示すA−A断面図であり、図1(b)は平面図である。 本発明の一実施形態であるシート積層型リチウムイオン二次電池を模式的に説明する図であり、シート積層型リチウムイオン二次電池を折り曲げて湾曲させた状態を示す概略図である。 本発明の他の実施形態であるシート積層型リチウムイオン二次電池を模式的に説明する図であり、外装体の外面側に形成される凹凸形状を平面視で示すもので、図3(a)は略蛇腹状、図3(b)は略ディンプル状、図3(c)は略格子状、図3(d)は略波状の各形状を示す概略図である。 本発明の一実施形態であるシート積層型リチウムイオン二次電池の実施例について説明する図であり、容量特性を示すグラフである。 従来のシート状とされたリチウムイオン二次電池を折り曲げて湾曲させた状態を示す概略図である。
以下、図面を参照して、本発明に係るシート積層型リチウムイオン二次電池の実施形態について説明する。本実施形態においては、シート積層型リチウムイオン二次電池として、図1(a)の断面図に示すような膜電極接合体が、図1(b)に示すように、長尺でシート状の外装体によって包装されてなるものを例に挙げて説明する。
[シート積層型リチウムイオン二次電池の構成]
本実施形態のシート積層型リチウムイオン二次電池1は、正極集電体上に正極活物質層が設けられた正極シート12と、負極集電体上に負極活物質層が設けられた負極シート13とが、セパレータ14を介して積層された膜電極接合体10と、この膜電極接合体10を内部に収容して封止するシート状の外装体20とを備える。
そして、シート積層型リチウムイオン二次電池1は、外装体20が、外面20A側に凹凸形状23を有するとともに、膜電極接合体10を挟み込む内面20B側に、平滑な表面を有する熱融着層22が設けられ、概略構成されている。図1(a)、(b)に示す例では、凹凸形状23が、外面20A上における平面視で略ストライプ状(略蛇腹状)に形成されている。
また、図1(a)の断面図に示す例においては、外装体20が、外面20A側に配置される金属箔21と、内面20B側に配置される熱融着層22との積層体として構成されている。
以下に、シート積層型リチウムイオン二次電池1を構成する各層について詳述する。
図1(a)は、シート積層型リチウムイオン二次電池1の層構造を示す断面図であり、図1(b)は、シート積層型リチウムイオン二次電池1の平面図である。
図1(a)に示すように、本実施形態のシート積層型リチウムイオン二次電池1は、正極シート12と負極シート13との間にセパレータ14及び図示略の電解質層が介挿された膜電極接合体10を有してなる。また、図1(a)、(b)に示すように、膜電極接合体10は、シート積層型リチウムイオン二次電池1の他端部1B側における正極シート12の端部から端子用タブ12Aが幅方向で突出するように設けられ、同様に、他端部1B側における負極シート13の端部から端子用タブ13Aが幅方向で突出するように設けられている。なお、端子用タブ12A、13Aの突出方向は、図示例のように、シート積層型リチウムイオン二次電池1の幅方向であってもよいし、あるいは、長尺方向であってもよい。
なお、図1(b)に示す例では、詳細な図示を省略するが、シート積層型リチウムイオン二次電池1の内部において配線形態を適正化することで、端子用タブ12A及び端子用タブ13Aの両方が他端部1B側で突出するように形成されているが、これには限定されない。例えば、正極シート12に接続された端子用タブ12A、及び、負極シート13に接続された端子用タブ13Aが、それぞれ異なる端部、即ち、一方のタブが一端部1A側で突出して設けられ、他方のタブが他端部1B側で突出して設けられた配置構成としても良い。
また、本実施形態で説明する膜電極接合体10は、例えば、正極シート12又は負極シート13の少なくとも何れか一方の板面状に、固体又は液体、あるいはゲル状の材質からなる図示略の電解質層が形成されてなる。
そして、図1(a)、(b)に示すように、シート積層型リチウムイオン二次電池1は、多層の膜電極接合体10が、例えば、アルミニウム材料やポリマーフィルム等からなる外装体20によって包装されるとともに、正極シート12に接続された端子用タブ12A及び負極シート13に接続された端子用タブ13Aを外部に突出させながら、外装体20の外周部20aが封止されて構成される。
本実施形態において説明するシート積層型リチウムイオン二次電池1は、図1(b)及び図2に示すように、例えば、長尺のシート状に構成されている。また、シート積層型リチウムイオン二次電池1は、例えば、その長尺方向の寸法が50〜2000mm程度、幅方向の寸法が30〜500mm程度、厚みが1〜10mm程度とされ、図1(b)に示すように、平面視において細長形状とされたものである。
正極シート12は、詳細な図示を省略するが、例えば、平面視で長尺に形成されたアルミニウム箔からなる集電体において、その長尺方向の片端部もしくは両端部の領域を除いた両面側に、正極活物質層が形成されたものである。また、長尺方向における一方の端部が、端子用タブ12Aの接合代とされる。
正極活物質層は、例えば、正極活物質、導電助剤、及び、バインダーとなる結着剤を溶媒に分散させてなる正極用スラリーを集電体に塗工することで形成されるものであり、例えば、集電体の幅方向両端部間の領域において、両面に塗工される。
正極活物質としては、特に制限されず、例えば、一般式LiM(ただし、Mは金属であり、x及びyは金属Mと酸素Oの組成比である)で表される金属酸リチウム化合物を用いることができる。具体的には、金属酸リチウム化合物としては、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウムや、これらの三元系(ニッケル・マンガン・コバルト系)の他、リン酸鉄リチウム等が用いられる。
また、正極活物質層における導電助剤としては、例えばアセチレンブラック、カーボンナノファイバー等が用いられ、結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン等が用いられる。
正極シート12の端子用タブ12Aは、正極シート12の長尺方向における一方の端部に接合されて幅方向で外方に突出するように設けられたものであり、例えば、アルミニウム板等により形成される。上述したように、端子用タブ12Aの突出方向は、図示例のように、シート積層型リチウムイオン二次電池1の幅方向であってもよいし、長尺方向であってもよい。
負極シート13は、詳細な図示を省略するが、正極シート12と同様、例えば、平面視で長尺に形成された銅(Cu)からなる集電体において、その長尺方向の片端部もしくは両端部の領域を除いた両面側に、負極活物質層が形成されたものである。また、長尺方向における一方の端部が、端子用タブ13Aの接合代とされている。
負極活物質層は、例えば、負極活物質、バインダーとなる結着剤、及び、必要に応じて加えられた導電助剤を溶媒に分散させてなる負極用スラリーを集電体に塗工することで形成されるものであり、例えば、集電体の長尺方向における両端部間の領域において、両面に塗工される。
負極活物質としては、特に制限されず、例えば、炭素粉末や黒鉛粉末等からなる炭素材料やチタン酸リチウム等の金属酸化物を用いることができるが、より高容量のシート積層型リチウムイオン二次電池1が実現できる観点から、シリコン系活物質を用いることが好ましい。
また、結着材としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン等を用いることができ、導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンナノチューブ等を用いることができる。
負極シート13の端子用タブ13Aは、負極シート13の長尺方向における一方の端部に接合されて幅方向で外方に突出するように設けられたものであり、例えば、ニッケルめっきを施したアルミニウム板等により形成される。上述したように、端子用タブ13Aの突出方向は、図示例のように、シート積層型リチウムイオン二次電池1の幅方向であってもよいし、長尺方向であってもよい。
上述したように、図示略の電解質層としては、特に限定されず、固体又は液体、あるいはゲル状の材質からなり、例えば、帯状の正極シート12又は負極シート13の両板面に塗工されたゲル状電解質から構成され、各板上の表面においてゲル化した状態で配置される電解質層である。この電解質層としては、帯状の正極シート12または負極シート13の何れかの面に設けられていればよいが、正極シート12及び負極シート13の両板面に設けられていることがより好ましい。あるいは、セパレータ14の両面にゲル状電解質を注液することで、電解質層を配置することも可能である。
ゲル状電解液としては、例えば、高分子マトリックス及び非水電解質液(即ち、非水溶媒及び電解質塩)からなり、ゲル化されて表面に粘着性を生じるものが用いられる。あるいは、ゲル状電解液としては、高分子マトリックス及び非水溶媒からなり、塗工後に固体化することで固体電解質となるものを用いることも可能である。本実施形態においては、何れの電解液であっても、該ゲル状電解液が正極シート12または負極シート13に塗工された際に粘着性を有するものが用いられる。また、ゲル状電解液は、正極シート12または負極シート13の板面から分離しない自立膜を形成するものであることがより好ましい。
高分子マトリックスとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキシドやポリプロピレンオキシド等のアルキレンエーテルをはじめ、ポリエステル、ポリアミン、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン等を用いることができる。
非水溶媒としては、例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン化合物;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等の炭酸エステル化合物;ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル等のカルボン酸エステル化合物;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル化合物;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル化合物;アセトニトリル等のニトリル化合物;スルホラン等のスルホン化合物、ジメチルホルムアミド等のアミド化合物等を、単独または2種類以上を混合して調製されたものを用いることができる。
電解質塩としては、特に限定されないが、六フッ化リン酸リチウム、過塩素酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム、カルボン酸リチウム等のリチウム塩等を使用することができる。
本発明に係るシート積層型リチウムイオン二次電池は、その使用箇所に設置する際に折り曲げることで湾曲させて使用されることから、電池全体に変曲が生じるため、仮に、電解質層に固体や半固体の電解質を用いた場合には、各電極シートとセパレータとの間の追従性が得られ難くなることがある。このため、本実施形態で説明するシート積層型リチウムイオン二次電池1のように、正極シート12と負極シート13との間に設けられる電解質層として、ゲル状電解質層を用いることが好ましい。これにより、本実施形態のシート積層型リチウムイオン二次電池1の使用時に、折り曲げて設置することで電池全体に変曲が生じた場合であっても、各電極シート−セパレータ間の追従性を確保できる。従って、電極やセパレータにダメージが生じるのを抑制できるとともに、電極間距離を均一に保つ効果が顕著に得られるので、電池特性の維持向上がより顕著になる。
セパレータ14の材質としては、特に限定されないが、例えば、オレフィン系のポリエチレン、ポリプロピレンやセルロース系の材料からなるものを用いることができる。そして、これらの材料からなる不織布等をセパレータ14に採用することができる。
上述したように、本発明に係るシート積層型リチウムイオン二次電池1は、外装体20が、外面20A側に、凸部23a及び凹部23bからなる凹凸形状23を有している。また、外装体20において、膜電極接合体10を挟み込む内面20B側には、平滑な表面を有する熱融着層22が設けられている。
本実施形態の外装体20は、図1(a)に示す例では、金属箔21と熱融着層22との積層体から構成されている。
本実施形態の外装体20の芯材となる金属箔21の材料としては、特に限定されないが、例えば、アルミニウム箔や、ステンレス箔等、この分野で従来から用いられるとともに、凹凸形状23を形成する際の加工性に優れた金属箔材料を何ら制限無く採用できる。
また、金属箔21の厚さも特に限定されず、従来からシート状のリチウムイオン二次電池の外装体に用いられている金属箔と同程度のものを採用できる。
また、熱融着層22の材料となる熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン等からなるシート状の樹脂材を採用することができる。
また、熱融着層22の厚さとしても特に限定されず、外装体20の内部に膜電極接合体10を収容して外周部20aを確実に熱シールできる厚さであるとともに、詳細を後述するように、シート積層型リチウムイオン二次電池1を折り曲げた際に、電池内部に付加される応力を緩和できる程度の厚さであればよく、例えば、20〜80μmの範囲とすればよい。
また、上記構成の外装体20においては、金属箔21と熱融着層22とが、熱融着によって一体化されていることが、シート積層型リチウムイオン二次電池1の生産性が向上するとともに、コストダウンも可能となる観点から好ましい。
本実施形態では、外装体20の外面20A側に凹凸形状23が形成されることで、図2に示すように、シート積層型リチウムイオン二次電池1を折り曲げて湾曲させた際に、主として凹凸形状23の凹部23b(図1(a)、(b)を参照)を起点として、外装体20を容易に曲げることが可能となる。これにより、シート積層型リチウムイオン二次電池1の屈曲性が高められるので、例えば、シート積層型リチウムイオン二次電池1を狭い場所等に設置する際の取り扱い性が向上する効果が得られる。
また、外装体20の外面20A側の形状が適正化されることで、シート積層型リチウムイオン二次電池1を折り曲げた際の周差による応力が緩和されるので、正極シート12や負極シート13、セパレータ14にダメージが生じるのを抑制でき、さらに、電極間の距離を均一に保つことができる。
また、外装体20の外面20Aに凹凸形状23が形成されることで、特に、凸部23aによる立ち上がり部分の表面積の分だけ、外面20A全体の表面積が増加するので、シート積層型リチウムイオン二次電池1の放熱性が向上する効果が得られる。一般に、リチウムイオン二次電池は、充放電を繰り返した際に発熱し、この発熱量が大きすぎると、サイクル特性等の電池特性を低下させるおそれがある。これに対し、本実施形態では、外装体20の外面20Aにおいて大きな表面積を確保した構成であることから、放熱性が顕著に高められ、シート積層型リチウムイオン二次電池1が発熱するのを極力抑制することが可能となる。これにより、シート積層型リチウムイオン二次電池1のサイクル特性が向上し、高い電池特性を維持することが可能となる。
さらに、本実施形態では、シート積層型リチウムイオン二次電池1のセル単体としての放熱性を向上させることで、シート積層型リチウムイオン二次電池1を複数用いて電池モジュールを構成した場合の放熱性も顕著に向上する効果が得られる。
外装体20の外面20A上の凹凸形状23の平面視形状としては、特に限定されるものではなく、その屈曲性や、凹凸を形成した際の外面20Aの表面積をできる限り大きくすることを勘案しながら、適宜決定することができる。
例えば、図1(a)、(b)、及び、図3(a)に示すように、凹凸形状23を、外面20A状における平面視で略ストライプ状(略蛇腹状)に形成することができる。また、凹凸形状としては、図3(b)に示すような略ドット状(略ディンプル状)の凹凸形状23Aとしてもよいし、図3(c)に示すような略格子状の凹凸形状23Bとしてもよく、あるいは、図3(d)に示すような略波状の凹凸形状23Cとすることも可能である。外装体20の外面20Aにおける平面視での凹凸形状を、上記の何れの形状とした場合であっても、高い屈曲性が得られるとともに、各電極やセパレータ14にダメージが生じるのを抑制でき、さらに、電極間の距離を均一に保つことが可能となる効果が十分に得られる。また、外装体20の凹凸形状が上記の何れの形状であっても、シート積層型リチウムイオン二次電池1としての放熱性が向上する効果が十分に得られる。
また、凹凸形状を構成する凸部の寸法としても、特に限定されるものではないが、例えば、図3(a)に示すような略ストライプ状の凹凸形状23を採用する場合には、凸部23aを、高さ0.05〜5mm、ストライプピッチ0.5〜10mmの範囲とすることができる。凹凸形状23を構成する凸部23aの各寸法を上記範囲とすることで、上述した高い屈曲性が得られるとともに、放熱性が向上する効果も十分に得られる。
また、本実施形態では、図1(a)の断面図に示すように、外装体20の内面20B側に平滑面を有する熱融着層22を配置した積層構造を採用することで、シート積層型リチウムイオン二次電池1を折り曲げて湾曲させた際に、外装体20から電池内部に向けて発生する歪みが熱融着層22で吸収される。これにより、正極シート12や負極シート13、セパレータ14に部分的な応力が加わるのが抑制されるので、これらの各層にダメージが生じるのを抑制できるとともに、電極間距離が変化するのを抑制できる。従って、サイクル特性が向上し、シート積層型リチウムイオン二次電池1の高い電池特性を維持することが可能となる。
本実施形態の外装体20を得る場合には、例えば、まず、金属箔21と上記のようなシート状の熱可塑性樹脂材からなる熱融着層22とを熱融着させた後、機械加工によって所定の凹凸形状23を形成させることで製造することができる。また、この際、必要に応じて、金属箔21における熱融着層22を有さない側、即ち、外装体20の外面20A側に、ポリエステル系樹脂層やナイロン系樹脂層を設けてもよい。
本実施形態のシート積層型リチウムイオン二次電池1は、外面20A側に凹凸形状23が形成された外装体20を備えることにより、フレキシブルな屈曲性を維持しながら、内部の各電極やセパレータ14にダメージが生じるのを抑制でき、且つ、正極シート12と負極シート13との間の電極間距離を均一に保つことができる。また、上記構成の外装体20を備えることで、より効果的な放熱が可能となる。従って、サイクル特性が向上し、高い電池特性を維持できるとともに、低コストで、取り扱い性も向上するという効果が得られる。
また、本実施形態では、外装体20が、凹凸加工が可能な金属箔21と熱融着層22との積層体から構成されることで、外面20A側への凹凸形状の加工が容易になる。また、熱融着層22を熱可塑性樹脂から構成することで、膜電極接合体10を外装体20の内部に収容する際の、外周部20aにおける封止性が向上する。これにより、シート積層型リチウムイオン二次電池1の生産性が向上し、さらなるコストダウンも可能となる。
[作用効果]
本発明に係るシート積層型リチウムイオン二次電池1によれば、上述したように、外装体20の外面20A側を凹凸形状に形成するとともに、内面20B側に平滑面を有する熱融着層22を配置した積層構造を採用することで、シート積層型リチウムイオン二次電池1を折り曲げて湾曲させた際に、主として凹凸形状23の凹部23bを起点として外装体20を容易に曲げることができるので、屈曲性が向上する。また、外装体20の外面20A側の形状が適正化されることで、シート積層型リチウムイオン二次電池1を折り曲げた際の周差による応力が緩和されるとともに、外装体20の表面積が増加することで放熱性が向上する。さらに、外装体20の内面20B側が平滑面の熱融着層22とされることで、シート積層型リチウムイオン二次電池1を湾曲させた際の歪みが熱融着層22で吸収される。これにより、フレキシブルな屈曲性を維持しながら、正極シート12及び負極シート13や、セパレータ14にダメージが生じるのを抑制できるとともに、電極間の距離を均一に保つことができ、さらに、効果的な放熱が可能となるので、サイクル特性が向上する。
従って、高い電池特性を維持できるとともに、低コストで取り扱い性に優れたシート積層型リチウムイオン二次電池1が実現できる。
さらに、本発明に係るシート積層型リチウムイオン二次電池1によれば、折り曲げて湾曲させることで外形状を変更できるものなので、電池設置箇所の形状に応じて、その外形状をフレキシブルに変更することが可能となる。従って、本発明に係るシート積層型リチウムイオン二次電池1は、その設置場所を選ぶことなく、設置性や作業性に優れたものとなる。
次に、本発明を以下の実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1においては、以下に示す条件及び手順で、図1(a)、(b)に示すような長尺のシート積層型リチウムイオン二次電池を作製し、評価を実施した。
(シート積層型リチウムイオン二次電池の作製)
本実施例においては、まず、以下の手順で、50mm(幅)×600mm(長さ)×2mm(厚さ)のサイズとされた、図1(a)、(b)に示すような長尺状のフィルム型リチウムイオン二次電池を作製した。
ゲル状電解質液は、以下の手順で調整した。
まず、電解質塩を含む非水電解質液として、LiPF(キシダ化学製、リチウム塩濃度1mol/l、ジメチルカーボネート:エチレンカーボネート(2:1、体積比)混合溶媒)を94質量部用いた。また、高分子マトリクスとして、PVDF−HFP(ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体、アルドリッチ製)を6質量部用いた。そして、非水電解質液と高分子マトリクスを80℃で加温しながら、ディスパー(プライミクス(株)製 TKホモディスパー2.5型)で1時間攪拌し、ゲル状電解質液の粘度を1000Pa・Sとした。
次に、正極シートは、以下の手順で作製した。
まず、ニッケル・コバルト・マンガン三元系正極材料(戸田工業(株) NME−1051)89質量部と、PVDF(ポリフッ化ビニリデン、(株)クレハ KFポリマーL♯1120)6質量部と、カーボンブラック(電気化学工業 デンカブラック)5質量部と、N−メチルピロリドン(NMP)100質量部とをディスパーで1時間混合し、長尺で厚みが20μmとされたアルミニウム箔に両面塗布した後、さらに減圧乾燥(100℃、−0.1MPa、10時間)してロールプレスした。ここでの理論容量は2mAh/cmである。そして、長尺方向での両端部を未塗工部とし、一端部の未塗工部に、アルミ製の端子用タブを超音波溶接した。
次に、負極シートは、以下の手順で作製した。
まず、一酸化ケイ素((株)大阪チタニウムテクノロジー)75質量部、PI(ポリイミド:(株)IST Pyer−ML RC−5019)15質量部、カーボンブラック(電気化学工業 デンカブラック)5質量部、カーボンナノファイバー(昭和電工(株) VGCF−S)5質量部、N−メチルピロリドン(NMP)120質量部を前記ディスパーで1時間混合し、長尺で厚みが20μmとされた銅箔に両面塗布し、減圧乾燥(200℃、−0.1MPa、10時間)してロールプレスした。ここでの理論容量は2.25mAh/cmである。そして、長尺方向での両端部を未塗工部とし、一端部の未塗工部に、ニッケル製の端子用タブを超音波溶接した。
次に、本実施例で用いる外装体は、以下の手順で形成した。
まず、アルミラミネートシートとして、厚さが40μmのアルミニウム箔、熱可塑性樹脂からなるシートとして、厚さが45μmの市販のポリオレフィンシート(商品名:パイレンフィルムCT;東洋紡社製;厚み:50μm)を準備し、このアルミニウム箔とポリオレフィンシートとを熱接着させ、アルミラミネートシートを作製した。その後、アルミラミネートシートを、凹凸形状を有するエンボス加工ロールでロールプレスすることで、凹凸が形成された外装体を作製した。この際、略ストライプ状の凹凸形状をなす凸部の寸法は、高さ1mm、ストライプピッチ2mmとし、図1(b)及び図3(a)に示すような、平面視で略ストライプ状の凹凸形状を形成した。
次に、セパレータとしては、廣瀬製紙製HOP−6(オレフィン系、厚み29μm、空隙率76%)を使用した。
次に、治具に負極シートをセットし、この上にセパレータを載せた後、このセパレータに、加温したゲル状電解質液を3g注液した後、表面を均一にならした。
次に、セパレータの上に正極シートを載せた。その後、正極シートの上に500gの錘を載せて圧力を付与し、多層の膜電極接合体とした。そして、上記手順で得られたアルミラミネートシートの三辺を熱シールして袋状の外装体を作製し、その中に多層の膜電極接合体を入れ、1辺を真空下で熱シールすることにより、実施例1のシート積層型リチウムイオン二次電池とした。
(評価方法)
上記手順で得られたシート積層型リチウムイオン二次電池について、まず、以下の方法で計50サイクルの充放電を実施して充放電特性(サイクル特性)を確認した。
具体的には、まず、シート積層型リチウムイオン二次電池について、23℃において0.2C(印加電流値/電池の定格容量)の定電流定電圧充電を、上限電圧4.2Vとして電流値が0.1Cに収束するまで行った後、0.2Cの定電流放電を2.5Vまで行った。その後、1Cでの充放電サイクルを繰り返し行い、10サイクル単位で放電容量を測定し、容量維持状態を確認するとともに、電池の表面温度を測定することで、初期温度からの変化を確認した。
その後、初期特性を確認したシート積層型リチウムイオン二次電池について、図2に示すように、その長尺方向で折り曲げることで湾曲させた。そして、この際の、シート積層型リチウムイオン二次電池の外装体における表面状態を目視観察した後、上記同様の方法でサイクル特性及び表面温度を確認した。
そして、上記評価試験における、シート積層型リチウムイオン二次電池の50サイクル後の発熱状態の確認結果について、「○」、「△」、「×」の三段階で評価した結果を下記表1に示すとともに、各サイクル後の初期容量維持率を図4のグラフに示した。
Figure 0006302307
[実施例2]
実施例2においては、実施例1で用いた外装体に代えて、以下に示す方法で得られた外装体を用いた。
まず、凹凸形状を有するエンボス加工ロールでロールプレスすることで凹凸が形成されたアルミニウム箔を作製した。そして、このような凹凸加工施されたアルミニウム箔の片面側に、Tダイによる押出成形で熱可塑性樹脂をラミネート加工することで、外装体の内面側に位置する側の熱可塑性樹脂層の面に、平滑な熱可塑性樹脂層が設けられた、アルミニウム箔からなる外装体を得た。
そして、上記方法で得られた外装体を用いた点を除き、実施例1と同様の手順でシート積層型リチウムイオン二次電池を作製し、同様に評価した。
[比較例]
比較例においては、外装体の外面に凹凸形状を設けなかった点を除き、実施例と同様の手順でシート積層型リチウムイオン二次電池を作製し、同様に評価した。
[評価結果]
外装体に凹凸形状が設けられた実施例1及び実施例2のシート積層型リチウムイオン二次電池においては、図2に示すように、湾曲させた際の外装体が規則性を持った屈曲状態とされており、表面に皺等が発生していないことが確認できた。
一方、外装体に凹凸形状が設けられていない比較例のシート積層型リチウムイオン二次電池においては、図5に示すように、外装体の表面に、大きな皺からなる屈曲部が複数箇所に形成されていた。
また、上記表1に示すように、実施例1のシート積層型リチウムイオン二次電池は、充放電サイクルが10〜50サイクルの何れにおいても、初期温度からの温度変化が5℃以内であり、大きく発熱することがなく、発熱状態の総合的な評価が「○」となった。
また、実施例2のシート積層型リチウムイオン二次電池は、充放電サイクルが10〜50サイクルの範囲において、初期温度からの温度変化が10℃以内であり、発熱状態の総合的な評価が「△」となった。
一方、比較例のシート積層型リチウムイオン二次電池は、充放電サイクルが10〜50サイクルの範囲において、初期温度からの温度変化が15℃以内であり、実施例1、2に比べると発熱量が大きくなっていることが確認され、発熱状態の総合的な評価が「×」となった。
また、図4のグラフに示すように、実施例1及び実施例2のシート積層型リチウムイオン二次電池は、折り曲げて湾曲させた後の放電容量(50サイクル)が、折り曲げる前の放電容量に対して数%低下する程度であり、大きな変化は無いことが確認された。
一方、比較例のシート積層型リチウムイオン二次電池は、折り曲げて湾曲させた後の放電容量(50サイクル)が、折り曲げる前の放電容量に対して13%程度低下しており、実施例1、2に比べて大きく低下していることが確認された。
上記のように、実施例1及び実施例2においては、シート積層型リチウムイオン二次電池を折り曲げた後のサイクル特性に大きな低下がなかったのに対し、比較例では大きく低下する結果となった。この理由としては、比較例のシート積層型リチウムイオン二次電池には、折り曲げる際の起点となり得る凹凸形状が外装体に形成されていないため、外装体の表面に大きな屈曲部が発生したことでも明らかなように、外装体の周差による皺により、電極とセパレータ間の距離で一定にならないために充電容量特性が低下したものと考えられる。
以上で説明した各実施形態及び各実施例における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本発明は各実施形態及び各実施例によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
1…シート積層型リチウムイオン二次電池、1A…一端部、1B…他端部、10…膜電極接合体、12…正極シート、12A…端子用タブ、13…負極シート、13A…端子用タブ、14…セパレータ、20…外装体、20A…外面、20B…内面、21…金属箔、22…熱融着層、20a…外周部、23,23A,23B,23C…凹凸形状、23a…凸部、23b…凹部。

Claims (2)

  1. 正極集電体上に正極活物質層が設けられた正極シートと、負極集電体上に負極活物質層が設けられた負極シートとが、セパレータを介して積層された膜電極接合体と、該膜電極接合体を内部に収容して封止するシート状の外装体とを備え、
    前記外装体は、外面側が湾曲可能な凹凸形状を有するとともに、前記膜電極接合体を挟み込む内面側に熱融着層が設けられており、且つ、該熱融着層が、平滑な表面を有しており、
    前記外装体に収容された前記膜電極接合体を含む前記シート積層型リチウムイオン二次電池が、前記外装体に形成された凹凸形状を基点として電池全体で変曲可能であることを特徴とするシート積層型リチウムイオン二次電池。
  2. 前記外装体が、金属箔と、熱可塑性樹脂からなる前記熱融着層との積層体であることを特徴とする請求項1に記載のシート積層型リチウムイオン二次電池。
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