JP2012113843A - 電池およびその製造方法、バッテリユニット、ならびにバッテリモジュール - Google Patents

電池およびその製造方法、バッテリユニット、ならびにバッテリモジュール Download PDF

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邦彦 林
Tetsuya Makino
哲也 牧野
Hiroshi Takabayashi
洋志 高林
Tomoyuki Nakamura
智之 中村
Yosuke Konishi
陽介 小西
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Abstract

【課題】部材点数の増加を招くことなく、優れた放熱性を有するバッテリユニットを提供する。
【解決手段】バッテリユニットは、両主面を有する複数の電池と、複数の電池間に設けられて、複数の電池の主面同士が対向するように複数の電池を組合せる組合せ部材とを備える。電池は、電池素子と、電池素子を収容する外装材とを備える。電池の両主面のうち少なくとも一方に凹凸形状が設けられている。
【選択図】図14

Description

本発明は、電池およびその製造方法、バッテリユニット、ならびにバッテリモジュールに関する。詳しくは、電池素子を外装材に収容した電池に関する。
従来、負極に炭素、正極にリチウム−遷移金属複合酸化物、電解液に炭酸エステルの混合物を使用するリチウムイオン二次電池は広く知られている。このような構成を有するリチウムイオン二次電池では、炭酸エステルが水や他の有機溶媒に対して酸化や還元に対し安定でより高電圧を得ることができるため、水系電池であるニッケル水素電池よりエネルギー密度が大きく高容量である。そのため、リチウムイオン二次電池は、電動工具、ノートパソコンや携帯電話、ビデオカメラやデジタルスチルカメラなどの二次電池として広く普及している。
近年、リチウムイオン二次電池は、上記用途以外に電気自動車や蓄電用など産業用向けにも普及し始めている。産業向け二次電池の場合、高容量、高出力および長寿命の電池性能が求められる。大電流に耐え得る電池性能の1つとして、放熱性が挙げられる。大電流を与えた時、電池は発熱するが、電池温度の過度の上昇は電池性能の劣化を促進し、電池寿命を短くすることが知られている。そこで、電池発熱をいかに効率よく放熱できるかが重要になり、様々な検討がなされている。
従来、電池の放熱性を向上するための技術としては、放熱性の高いフィルムを貼る手段や黒色被覆部材で覆い放熱性を向上させる技術が開示されている(特許文献1および特許文献2参照)。しかしながら、この技術では、電池以外の部材点数が増えるのでコストが高くなり、さらにその部材分の体積エネルギー密度が低下するという問題がある。
特開2000−173559号公報
特開2007−134308号公報
したがって、本発明の目的は、部材点数の増加を招くことなく、優れた放熱性を有する電池およびその製造方法、バッテリユニット、ならびにバッテリモジュールを提供することにある。
上述の課題を解決するために、第1の発明は、
両主面を有する複数の電池と、
複数の電池間に設けられて、複数の電池の主面同士が対向するように複数の電池を組合せる組合せ部材と
を備え、
電池は、
電池素子と、
電池素子を収容する外装材と
を備え、
電池の両主面のうち少なくとも一方に凹凸形状が設けられているバッテリユニットである。
第2の発明は、
電池素子と、
電池素子を収容する外装材と
を備え、
電池素子を収容した外装材は、両主面を有し、
両主面のうち少なくとも一方に凹凸形状が設けられている電池である。
第3の発明は、
電池素子を外装材に収容する工程と、
外装材に収容した電池素子をプレスして、外装材の両主面のうち少なくとも一方に凹凸形状を形成する工程と
を備える電池の製造方法である。
本発明では、電池の両主面のうち少なくとも一方に凹凸形状を形成しているので、電池の表面積を増加させることができる。このように表面積が増加すると、外気と接触する面積が増加するため、電池の放熱性が向上する。したがって、放熱性を向上させるための部材をさらに設けることなく、電池の放熱性を向上することができる。
以上説明したように、本発明によれば、電池の両主面のうち少なくとも一方に凹凸形状を形成するだけことで、電池の放熱性を向上できる。したがって、部材点数の増加を招くことなく、優れた放熱性を実現できる。
図1Aは、本発明の第1の実施形態に係る非水電解質電池の外観を示す略線図である。図1Bは、本発明の第1の実施形態に係る非水電解質電池の構成を示す略線図である。図1Cは、本発明の第1の実施形態に係る非水電解質電池の外観底面側を示す略線図である。図1Dは、外装材により外装される電池素子の側面図である。 図2Aは、外装材の構成の第1の例を示す断面図である。図2Bは、外装材の構成の第2の例を示す断面図である。 図3A〜図3Eは、外装材の表面に形成された凹凸形状の形状例を示す斜視図である。 図4Aは、正極、負極およびセパレータの積層構造の一例を示す斜視図である。図4Bは、正極、負極およびセパレータの積層構造の一例を示す平面図である。 図5A、図5Bは、電池素子を構成する正極の構造を示す略線図である。図5C、図5Dは、電池素子2を構成する負極の構造を示す略線図である。 図6A〜図6Fは、本発明の第1の実施形態に係る二次電池の製造方法の一例を説明するための工程図である。 図7A〜図7Fは、本発明の第1の実施形態に係る二次電池の製造方法の一例を説明するための工程図である。 図8A、図8Bは、本発明の第1の実施形態に係る二次電池の製造方法の一例を説明するための工程図である。 図9Aは、本発明の第1の実施形態に係る二次電池1の第1の変形例を示す斜視図である。図9Bは、本発明の第1の実施形態に係る二次電池1の第2の変形例を示す斜視図である。図9Cは、本発明の第1の実施形態に係る二次電池1の第3の変形例を示す斜視図である。 図10Aは、本発明の第1の実施形態に係る二次電池1の第4の変形例を示す斜視図である。図10Bは、本発明の第1の実施形態に係る二次電池1の第5の変形例を示す斜視図である。 図11Aは、本発明の第2の実施形態に係る二次電池における電池素子の構成例を示す斜視図である。図11Bは、本発明の第2の実施形態に係る二次電池における電池素子の構成例を示す略線側面図である。 図12は、本発明の第2の実施形態に係る二次電池の変形例を示す斜視図である。 図13Aは、本発明の第3の実施形態に係る二次電池の一構成例を示す分解斜視図である。図13Bは、図13Aに示した巻回電極体のA−A線に沿った断面図である。 図14A、図14Bは、本発明の第4の実施形態に係るバッテリユニットの構成例を示す斜視図である。 図15は、バッテリユニットが分解された状態を示す斜視図である。 図16は、バッテリユニットが組み合わされたバッテリモジュールの構成例を示す図である。 図17は、並列ブロックの端子の向きを説明する図である。 図18Aは、並列ブロックの挿入向きの間違いを防止する工夫について説明するためのモジュールケースの略線図である。図18Bは、並列ブロックの挿入向きの間違いを防止する工夫について説明するための並列ブロックの略線図である。 図19Aは、並列ブロックの挿入向きの間違いを防止する工夫について説明するためのモジュールケースの略線図である。図19Bは、並列ブロックの挿入向きの間違いを防止する工夫について説明するためのバッテリユニットの略線図である。 図20Aは、図16に示したA−A線の断面の第1の例を示す断面図である。図20Bは、図16に示したA−A線の断面の第2の例を示す断面図である。
本発明の実施形態について図面を参照しながら以下の順序で説明する。
1.第1の実施形態(枚葉のセパレータを介して正極および負極を積層した例)
2.第2の実施形態(つづら折りにより折り畳まれた一枚の帯状のセパレータを介して正極および負極を積層した例)
3.第3の実施形態(正極および負極をセパレータを介して巻回した例)
4.第4の実施形態(二次電池を用いたバッテリユニットおよびバッテリモジュールの例)
<1.第1の実施形態>
(1−1)二次電池の構成
図1Aは、本発明の第1の実施形態に係る非水電解質電池(以下、二次電池1と適宜称する)の外観を示す略線図である。図1Bは、二次電池1の構成を示す略線図である。なお、図1Bは、図1Aに示す二次電池1の底面および上面を反転させた場合の構成を示している。図1Cは、二次電池1の外観底面側を示す略線図である。図1Dは、外装材3により外装される電池素子2の側面図である。二次電池1は、いわゆるリチウムイオン二次電池であり、電池素子2と、電池素子2を収容する外装材3とを備える。二次電池1は、第1の主面S1と第2の主面S2とを有し、これらの第1の主面S1と第2の主面S2の少なくとも一方には凹凸形状が設けられている。放熱性の向上の観点からすると、第1の主面S1と第2の主面S2との両方に凹凸形状を設けることが好ましい。外装材3は、電池素子2を収容する第1外装部3Aと、電池素子2を覆う蓋として機能する第2外装部3Bとから構成されている。外装材1と電池素子1とが密着していることが好ましい。これにより、電池素子由来の固有振動を防ぐことができ、信頼性を向上することができ、かつ、ボイドを減らすことで電解液の電池素子外への回り込みを減らし、電池性能を向上できるからである。電池素子2の厚みは、5mm以上20mm以下であることが好ましい。5mm未満であると、薄型であるため、蓄熱の影響が少なく、セル表面に凹凸がなくとも熱が逃げやすい傾向がある。一方、20mmを超えると、電池表面から電池中央部までの距離が大きくなりすぎて、電池表面からの放熱だけでは電池内に温度差ができてしまい、寿命性能に影響がでる傾向がある。電池素子2の放電容量は、3Ah以上50Ah以下であることが好ましい。3Ah未満であると、電池容量が小さいため、集電箔の厚みを厚くするなど電池容量を下げて抵抗を落とすなど他の手法でも発熱を抑えることができる傾向がある。50Ahを超えると、電池熱容量が大きくなり、放熱しにくくなってしまい、電池内での温度ばらつきも大きくなる傾向がある。
電池素子2は、略矩形状の正極4と、この正極4と対向して配された略矩形状の負極5とが、セパレータ6を介して交互に積層された積層型電極構造を有している。また、電池素子2からは、複数枚の正極4とそれぞれ電気的に接続された正極集電体露出部4Cと、複数枚の負極5とそれぞれ電気的に接続された負極集電体露出部5Cとが引き出されている。正極集電体露出部4Cおよび負極集電体露出部5Cには、それぞれ正極タブ7および負極タブ8が接続されている。さらに、正極集電体露出部4Cおよび負極集電体露出部5Cは、例えば断面が略U字形状となるように折り曲げられて構成されている。
このような電池素子2は、外装材3にて外装されており、正極集電体露出部4Cおよび負極集電体露出部5Cとそれぞれ接続された正極タブ7および負極タブ8は外装材3の封止部から二次電池1外部に導出されている。外装材3は少なくとも一方の面、または両面に予め深絞り加工が施されることにより凹部9が形成され、この凹部9に電池素子2が収納される。図1Bでは、外装材3を構成する第1外装部3Aに凹部9が形成されており、電池素子2はこの凹部9に収納される。そして、第2外装部3Bが、凹部9の開口を覆うように配置され、凹部9の開口の周囲が熱融着などにより接着されることにより封止される。正極集電体露出部4Cおよび負極集電体露出部5Cとそれぞれ接続された正極タブ7および負極タブ8は、対向する2方向から導出されている。
また、図示はしないが、外装材3と正極タブ7および負極タブ8との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム、すなわちシーラントを挿入するようにしてもよい。シーラントは、正極タブ7および負極タブ8との接着性に優れる樹脂材料からなる。このような樹脂材料としては、酸変性ポリプロピレン(PP)などの変性ポリマーが挙げられる。
[外装材]
図2Aは、外装材3の一構成例を示す断面図である。外装材3は、例えば、柔軟性を有するフィルムであり、熱融着樹脂層11、接着層12、金属層13、接着層14、表面保護層15を順次積層した積層構造を有している。なお、熱融着樹脂層側の面が、電池素子2を収容する側の面となる。熱融着樹脂層11と電池素子1の表面が密着していることが好ましい。熱融着樹脂層11の材料としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)が挙げられる。金属層13の材料としては、柔軟性を有する金属が好ましく、例えばアルミニウム(Al)、アルミニウム合金が挙げられる。表面保護層15の材料としては、例えばナイロン(Ny)、ポリエチレンテレフタレート(PET)が挙げられる。接着層12の材料としては、例えば酸無水物変性ポリオレフィンが挙げられる。
具体的には例えば、外装材3は、ポリエチレンフィルム、アルミニウム箔、ナイロンフィルムをこの順序に貼り合わせた矩形状のアルミラミネートフィルムにより構成されている。外装材3は、例えば、ポリエチレンフィルム側と電池素子1とが対向するように配設され、外縁部が融着または接着剤により互いに密着されている。なお、外装材3は、上述したアルミラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム、ポリプロピレンなどの高分子フィルムまたは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。
表面保護層15の表面には、図2Aに示すように、凹凸形状が形成されている。放熱性の向上の観点からすると、金属層13が、図2Bに示すように、表面保護層15の凹凸形状に追随した凹凸形状を有していることが好ましい。凹凸形状は、例えば、図3Aおよび図3Bに示すように、凹状または凸状の複数の構造体16を1次元または2次元配列することにより形成されている。構造体16の配列は、規則的配列および不規則的配列のいずれの配列を採用することも可能であり、両配列を混在させるようにしてもよい。
構造体16の形状は特に特に限定されるものではないが、例えば、半球状(図3A、図3B)、立方体形状(図3C)、非対称形状(図3D)、錐体形状(図3E)、レンチキュラー形状、プリズム形状などが挙げられ、これらを単独でまたは2種以上組み合わせて配列するようにしてもよい。2種以上の形状を組み合わせて用いる場合には、同一の形状を有する構造体16が周期的または非周期的に繰り返されるように配列してもよい。また、構造体16の形状は、上述したような定形状に限定されるものではなく、不定形状としてもよい。凹凸形状が、1次元または2次元的な波面であってもよい。構造体16が高さ分布を有していてもよい。
表面の凹凸形状は、ピッチは細かい方が好ましく、具体体には算術平均粗さ(Ra)が2μm以上200μm以下であることが好ましい。算術平均粗さ(Ra)が2μm未満であると、凹凸形状により放熱効果が低下する傾向がある。一方、算術平均粗さ(Ra)が200μmを超えると、プレス工程にて二次電池1にダメージを与え、電池寿命が低下する傾向がある。なお、プレス工程の詳細は後述する。凹凸形状は、例えば、第1の主面S1および/または第2の主面S2の少なくとも一部に形成され、熱融着部などの封止部を除く領域に形成されていることが好ましい。また、プレス工程により容易に凹凸形状を付与する観点からすると、収容部である凹部9により形成される突出面部分に凹凸形状を形成することが好ましい。
[正極タブ、負極タブ]
正極タブ7および負極タブ8はそれぞれ、正極集電体露出部4Cおよび負極集電体露出部5Cと、二次電池1が接続される電子機器などを中継するものである。正極タブ7および負極タブ8は、例えば、板状または直方体状に形成されている。
正極タブ7および負極タブ8の材料としては、例えば、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ステンレス(SUS)、チタン(Ti)ミニウム(Al)などの材料、または、リン(P)、銀(Ag)、スズ(Sn)、鉄(Fe)、ジルコニウム(Zr)、クロム(Cr)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、ニッケル(Ni)を含む合金を用いることができ、これらの材料のうちでも銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)合金を用いてことが好ましい。
また、シーラントの溶着性などを向上する観点から、正極タブ7および負極タブ8の表面に被覆層を形成することが好ましい。被覆層の材料としては、例えば、ニッケル(Ni)銀(Ag)、金(Au)、スズ(Sn)などを用いることができる。
[電池素子]
図4Aは、正極4、負極5およびセパレータ6の積層構造の一例を示す斜視図である。図4Bは、正極4、負極5およびセパレータ6の積層構造の一例を示す平面図である。図4Aに示すように、電池素子2は、正極4および負極5がセパレータ6を介して交互に、例えば、負極5、セパレータ6、正極4、セパレータ6、負極5・・・セパレータ6、負極5となるように重ね合わせて積層されることにより構成されている。
なお、図4Bに示すように、セパレータ6は正極集電体露出部4Cおよび負極集電体露出部5Cの奥行きdaの半分以上を覆わないようにその寸法を設定するのが好ましい。図4Bは正極4のみを図示しているが負極5も同様である。すなわち、図4Bに示すように、正極集電体露出部4Cとセパレータ6とが重なる領域の奥行きGと正極集電体露出部4Cの奥行きdaとが下記の式(1)を満たすように構成するのが好ましい。
G<(da/2) ・・・(1)
セパレータ6により正極集電体露出部4Cおよび負極集電体露出部5Cの奥行きの半分以上が覆われると、正極集電体露出部4Cと正極タブ7、負極集電体露出部5Cと負極タブ8との接続面積が狭くなり入出力特性が低下することとなるからである。
[正極]
図5Aおよび図5Bは、電池素子2を構成する正極4の構造を示す略線図である。正極4は、例えば、正極集電体4Aの両面に正極活物質層4Bが設けられた構造を有している。なお、図示はしないが、正極集電体4Aの片面のみに正極活物質層4Bを設けるようにしてもよい。
正極集電体4Aの両面全面に正極活物質層4Bが設けられているのではなく、正極集電体4Aの両面に所定の寸法の奥行きを有する正極集電体露出部4Cが形成されるように正極活物質層4Bが設けられている。正極集電体露出部4Cは正極端子として役割を担うものである。正極集電体露出部4Cの幅wa(図5A、図5Bにおいては正極集電体露出部4Cの長手方向の寸法)は正極活物質層4Bの幅Wa(図5A、図5Bにおいては正極活物質層4Bの短手方向の寸法)との関係において以下の式(2)を満たすように構成されている。
0.5<(wa/Wa)≦1.0 ・・・(2)
式(2)において、0.5<(wa/Wa)の場合とはすなわち、正極集電体露出部4Cの幅が正極活物質層4Bの幅の半分以上である場合である。図5Aは(wa/Wa)=0.5、である場合を示すものである。
また、式(2)において、(wa/Wa)=1.0の場合とはすなわち、正極集電体露出部4Cの幅と正極活物質層4Bの幅とが等しい場合である。図5Bは(wa/Wa)=1.0、である場合を示すものである。このように、従来の電池に比べて正極端子としての正極集電体露出部4Cの幅が大きくなるように構成されている。正極集電体露出部4Cの幅を大きく構成することにより、大電流の入出力が可能となる。また、正極集電体露出部4Cの幅と正極活物質層4Bの幅とが等しくなるように構成することにより、正極4の製造工程においては、正極集電体露出部4Cを細く形成するための打ち抜きや切り取りなどの工程を行う必要がないため、製造工程を簡略化することができる。
なお、正極集電体4Aと、正極端子として機能する正極集電体露出部4Cとは一体的に構成されていてもよいし、別個のものとして形成して接続するという構成にしてもよい。図5Aおよび図5Bにおいては、正極集電体4Aと正極集電体露出部4Cとが一体的に形成されている例を示している。一体的に形成されている場合、正極集電体4A上に正極活物質層4Bを設けるだけで正極集電体露出部4Cが形成されるため、正極4の作製工程を簡略化することができる。
なお、正極集電体露出部4Cを正極活物質層4Bの塗布方向と平行方向に形成する場合、正極集電体4A原反の幅が正極活物質層4Bの幅と正極集電体露出部4Cの幅の和の整数倍であることが好ましい。さらには好ましくは、正極集電体4Aの幅が正極活物質層4Bと正極集電体露出部4Cの幅の和の偶数倍となるようにするとよい。これにより、材料歩留まりが向上する。
また、正極集電体露出部4Cはその奥行きda(図5A、図5Bにおいては正極集電体露出部4Cの短手方向の寸法)が、正極活物質層4Bの奥行きDa(図5A、図5Bにおいては正極活物質層4Bの長手方向の寸法)との関係において、以下の式(3)を満たすように形成されるのが好ましい。
0.02<(da/Da)≦0.40 ・・・(3)
(da/Da)の値が0.02未満では正極集電体露出部4Cと正極タブ7との接続面積が小さくなり、入出力特性が低下することとなる。一方、(da/Da)の値が0.40以上となると正極一枚当たりの電池容量が小さくなる。よって、二次電池1全体における所望の電池容量を得るためには積層枚数を増やす必要が生じる。積層枚数を増やすと、例えば、超音波溶接により正極集電体露出部4Cと正極タブ7とを接続する場合、より大きなパワーとエネルギーが必要となる。これにより正極集電体露出部4Cが損傷し、溶解不良などの不具合が生じるおそれがある。さらに、積層枚数を増やすことに弊害として、放熱性の低下が挙げられる。放熱性が低下すると大電流入出時に二次電池1内部が高温となり、二次電池1の寿命の低下を招くおそれがある。
正極集電体4Aは、例えば、アルミニウム箔などの金属箔により構成されている。正極活物質層4Bは、例えば、正極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料の1種または2種以上を含んでおり、必要に応じてグラファイトなどの導電剤およびポリフッ化ビニリデンなどの結着剤を含んで構成されている。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、リチウム酸化物、リチウムリン酸化物、リチウム硫化物あるいはリチウムを含む層間化合物などのリチウム含有化合物が適当であり、これらの2種以上を混合して用いてもよい。エネルギー密度を高くするには、リチウムと遷移金属元素と酸素(O)とを含むリチウム含有化合物が好ましく、中でも、遷移金属元素として、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)および鉄(Fe)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものであればより好ましい。このようなリチウム含有化合物としては、例えば、組成式(I)、組成式(II)もしくは組成式(III)に示した層状岩塩型の構造を有するリチウム複合酸化物、組成式(IV)に示したスピネル型の構造を有するリチウム複合酸化物、または組成式(V)に示したオリビン型の構造を有するリチウム複合リン酸塩などが挙げられ、具体的には、LiNi0.50Co0.20Mn0.302、LiaCoO2(a≒1)、LibNiO2(b≒1)、Lic1Nic2Co1-c22(c1≒1,0<c2<1)、LidMn24(d≒1)あるいはLieFePO4(e≒1)などがある。
LifMn(1-g-h)NigM1h(2-j)k ・・・(I)
(式中、M1は、コバルト(Co)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。f、g、h、jおよびkは、0.8≦f≦1.2、0<g<0.5、0≦h≦0.5、g+h<1、−0.1≦j≦0.2、0≦k≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、fの値は完全放電状態における値を表している。)
LimNi(1-n)M2n(2-p)q ・・・(II)
(式中、M2は、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。m、n、pおよびqは、0.8≦m≦1.2、0.005≦n≦0.5、−0.1≦p≦0.2、0≦q≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、mの値は完全放電状態における値を表している。)
LirCo(1-s)M3s(2-t)u ・・・(III)
(式中、M3は、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。r、s、tおよびuは、0.8≦r≦1.2、0≦s<0.5、−0.1≦t≦0.2、0≦u≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、rの値は完全放電状態における値を表している。)
LivMn2-wM4wxy ・・・(IV)
(式中、M4は、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。v、w、xおよびyは、0.9≦v≦1.1、0≦w≦0.6、3.7≦x≦4.1、0≦y≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、vの値は完全放電状態における値を表している。)
LizM5PO4 ・・・(V)
(式中、M5は、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、タングステン(W)およびジルコニウム(Zr)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。zは、0.9≦z≦1.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、zの値は完全放電状態における値を表している。)
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、これらの他にも、MnO2、V25、V613、NiS、MoSなどのリチウムを含まない無機化合物も挙げられる。
[負極]
図5Cおよび図5Dは電池素子2を構成する負極5の構造を示す略線図である。負極5は、例えば、負極集電体5Aの両面に負極活物質層5Bが設けられた構造を有している。なお、図示はしないが、負極集電体5Aの片面のみに負極活物質層5Bを設けるようにしてもよい。負極集電体5Aは、例えば、銅箔などの金属箔により構成されている。
負極活物質層5Bは、負極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含んで構成されており、必要に応じて正極活物質層4Bと同様の結着剤を含んで構成されている。
なお、この電池素子2では、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料の電気化学当量が、正極4の電気化学当量よりも大きくなっており、充電の途中において負極5にリチウム金属が析出しないようになっている。
図5に示すように、負極集電体5Aの両面全面に負極活物質層5Bが設けられているのではなく、負極集電体5Aの両面に所定の寸法の奥行きを有する負極集電体露出部5Cが形成されるように負極活物質層5Bが設けられている。負極集電体露出部5Cは負極端子として役割を担うものである。負極集電体露出部5Cの幅wc(図5C、図5Dにおいては負極集電体露出部5Cの長手方向の寸法)は負極活物質層5Bの幅Wc(図5C、図5Dにおいては負極活物質層5Bの短手方向の寸法)との関係において以下の式(4)を満たすように構成されている。
0.5<(wc/Wc)≦1.0 ・・・(4)
式(4)において、0.5<(wc/Wc)の場合とはすなわち、負極集電体露出部5Cの幅が負極活物質層5Bの幅の半分以上である場合である。また、式(4)において、(wc/Wc)=1.0の場合とはすなわち、負極集電体露出部5Cの幅と負極活物質層5Bの幅とが等しい場合である。このように、上述した正極4と同様に負極集電体露出部5Cの幅を大きく構成することにより、大電流の入出力が可能となる。また、負極集電体露出部5Cの幅と負極活物質層5Bの幅とが等しくなるように構成することにより、負極5の製造工程においては、負極集電体露出部5Cを細く形成するための打ち抜きや切り取りなどの工程を行う必要がないため、製造工程を簡略化することができる。
なお、負極集電体5Aと、負極端子として機能する負極集電体露出部5Cとは一体的に構成されていてもよいし、別個のものとして形成して接続するという構成にしてもよい。図5Cおよび図5Dにおいては、負極集電体5Aと負極集電体露出部5Cとが一体的に形成されている例を示している。一体的に形成されている場合、負極集電体5A上に負極活物質層5Bを設けるだけで負極集電体露出部5Cが形成されるため、負極5の作製工程を簡略化することができる。
なお、負極集電体露出部5Cを負極活物質層5Bの塗布方向と平行方向に形成する場合、負極集電体5A原反の幅が負極活物質層5Bの幅と負極集電体露出部5Cの幅の和の整数倍であることが好ましい。さらには好ましくは、負極集電体5A原反の幅が負極活物質層5Bと負極集電体露出部5Cの幅の和の偶数倍となるようにするとよい。これにより、材料歩留まりが向上する。
また、負極集電体露出部5Cはその奥行きdc(図5C、図5Dにおいては負極集電体露出部5Cの短手方向の寸法)が、負極活物質層5Bの奥行きDc(図5C、図5Dにおいては負極活物質層5Bの長手方向の寸法)との関係において、以下の式(5)を満たすように形成されるのが好ましい。
0.02<(dc/Dc)≦0.40 ・・・(5)
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、難黒鉛化性炭素、易黒鉛化性炭素、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維あるいは活性炭などの炭素材料が挙げられる。このうち、コークス類には、ピッチコークス、ニードルコークスあるいは石油コークスなどがある。有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂などの高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいい、一部には難黒鉛化性炭素または易黒鉛化性炭素に分類されるものもある。また、高分子材料としてはポリアセチレンあるいはポリピロールなどがある。これら炭素材料は、充放電時に生じる結晶構造の変化が非常に少なく、高い充放電容量を得ることができると共に、良好なサイクル特性を得ることができるので好ましい。特に黒鉛は、電気化学当量が大きく、高いエネルギー密度を得ることができ好ましい。また、難黒鉛化性炭素は、優れた特性が得られるので好ましい。更にまた、充放電電位が低いもの、具体的には充放電電位がリチウム金属に近いものが、電池の高エネルギー密度化を容易に実現することができるので好ましい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、リチウムを吸蔵および放出することが可能であり、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む材料も挙げられる。このような材料を用いれば、高いエネルギー密度を得ることができるからである。特に、炭素材料と共に用いるようにすれば、高エネルギー密度を得ることができると共に、優れたサイクル特性を得ることができるのでより好ましい。この負極材料は金属元素あるいは半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、またこれらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。なお、本発明において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含める。また、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
この負極材料を構成する金属元素あるいは半金属元素としては、例えば、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、パラジウム(Pd)あるいは白金(Pt)が挙げられる。これらは結晶質のものでもアモルファスのものでもよい。
中でも、この負極材料としては、短周期型周期表における4B族の金属元素あるいは半金属元素を構成元素として含むものが好ましく、特に好ましいのはケイ素(Si)およびスズ(Sn)の少なくとも一方を構成元素として含むものである。ケイ素(Si)およびスズ(Sn)は、リチウム(Li)を吸蔵および放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。
スズ(Sn)の合金としては、例えば、スズ(Sn)以外の第2の構成元素として、ケイ素(Si)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。ケイ素(Si)の合金としては、例えば、ケイ素(Si)以外の第2の構成元素として、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
スズ(Sn)の化合物あるいはケイ素(Si)の化合物としては、例えば、酸素(O)あるいは炭素(C)を含むものが挙げられ、スズ(Sn)またはケイ素(Si)に加えて、上述した第2の構成元素を含んでいてもよい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、更に、他の金属化合物あるいは高分子材料が挙げられる。他の金属化合物としては、MnO2、V25、V613などの酸化物、NiS、MoSなどの硫化物、あるいはLiN3などのリチウム窒化物が挙げられ、高分子材料としてはポリアセチレン、ポリアニリンあるいはポリピロールなどが挙げられる。
[セパレータ]
セパレータ6は、正極4と負極5とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータ6としては、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレンなどの合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の多孔質膜を単層で、またはそれらを複数積層したもの用いることができる。特に、セパレータ6としては、ポリオレフィン製の多孔質膜が好ましい。ショート防止効果に優れ、かつシャットダウン効果による電池の安全性向上を図ることができるからである。また、セパレータ6としては、ポリオレフィンなどの微多孔膜上に、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの多孔性の樹脂層を形成したものを用いてもよい。
一般的にセパレータ6の厚みは5μm以上50μm以下が好適に使用可能であるが、5μm以上20μm以下がより好ましい。セパレータ6は、厚すぎると活物質の充填量が低下して電池容量が低下するとともに、イオン伝導性が低下して電流特性が低下する。逆に薄すぎると、膜の機械的強度が低下し、異物などで正負両極がショートしたり、破れたりする。
[電解質]
電解質は、リチウムイオン二次電池に一般的に使用される電解質塩と非水溶媒が使用可能である。非水溶媒としては、具体的には、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、エチルプロピルカーボネート(EPC)、またはこれらの炭酸エステル類の水素をハロゲンに置換した溶媒などが挙げられる。これらの溶媒は1種類を単独で用いてもよいし、複数種を所定の組成で混合してもよい。
電解質塩としては、上記非水溶媒に溶解するものが用いられ、カチオンとアニオンが組み合わされてなる。カチオンにはアルカリ金属やアルカリ土類金属が用いられる。アニオンには、Cl-,Br-,I-,SCN-,ClO4 -,BF4 -,PF6 -,CF3SO3 -などが用いられる。具体的には、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CF3SO22)、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(C25SO22)過塩素酸リチウム(LiClO4)などが挙げられる。電解質塩濃度としては、上記溶媒に溶解することができる濃度であれば問題ないが、リチウムイオン濃度が非水溶媒に対して0.4mol/kg以上2.0mol/kg以下の範囲であることが好ましい。
ポリマー電解質を用いる場合は、非水溶媒と電解質塩とを混合してゲル状とした電解液をマトリクスポリマに取り込むことでポリマー電解質を得る。マトリクスポリマは、非水溶媒に相溶可能な性質を有している。このようなマトリクスポリマとしては、シリコンゲル、アクリルゲル、アクリロニトリルゲル、ポリフォスファゼン変性ポリマー、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドおよびこれらの複合ポリマーや架橋ポリマー、変性ポリマーなどが用いられる。また、フッ素系ポリマーとして、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ化ビニリデン(VdF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とを繰り返し単位に含む共重合体、フッ化ビニリデン(VdF)とトリフルオロエチレン(TFE)とを繰り返し単位に含む共重合体などのポリマーが挙げられる。このようなポリマーは、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
(1−2)二次電池の製造方法
次に、図6A〜図8Bを参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る二次電池1の製造方法の一例について説明する。
[正極の作製]
まず、例えば、正極活物質と、低結晶性炭素と、導電剤と、結着剤とを混合して正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチルピロリドンなどの溶剤に分散させて正極合剤スラリーとする。次に、この正極合剤スラリーを正極集電体4Aの両面に塗布する。なお、この塗布工程においては、正極合剤スラリーを正極集電体4Aの全面に塗布するのではなく、正極集電体4A上に正極活物質層4Bが存在しない正極集電体露出部4Cが形成されるように正極合剤スラリーを塗布する。次に、正極合剤スラリーを乾燥させたのち、ロールプレス機などにより圧縮成型して正極活物質層4Bを形成する。次に、所定のサイズとなるようにカットする。これにより、例えば、図6Aに示す正極4が作製される。
[負極の作製]
まず、例えば、負極活物質と、結着剤とを混合して負極合剤を調製し、この負極合剤をN−メチルピロリドンなどの溶剤に分散させて負極合剤スラリーとする。次に、この負極合剤スラリーを負極集電体5Aに塗布する。なお、この塗布工程においては、上述した正極4と同様に、負極合剤スラリーを負極集電体5Aの全面に塗布するのではなく、負極集電体5A上に負極活物質層5Bが存在しない負極集電体露出部5Cが形成されるように負極合剤スラリーを塗布する。次に、負極5溶剤を乾燥させたのち、ロールプレス機などにより圧縮成型して負極活物質層5Bを形成する。次に、所定のサイズとなるようにカットする。これにより、例えば、図6Bに示す負極5が作製される。
[積層工程]
次に、図6Cに示すように、正極4と負極5とを、セパレータ6を介して交互に、例えば、負極5、セパレータ6、正極4、セパレータ6、負極5・・・セパレータ6、負極5となるように重ね合わせて所定数の正極4および負極5を積層する。なお、図6Cに示すように、正極4と負極5とは正極集電体露出部4Cと負極集電体露出部5Cとが互いに反対の方向に向かうようにして積層される。すなわち、正極集電体露出部4Cと負極集電体露出部5Cとが同一方向へ向かうようには構成されていない。これにより、正極集電体露出部4Cに接続する正極タブ7、負極集電体露出部5Cに接続する負極タブ8の幅を最大で電池素子2の幅と略同一とすることが可能となり、大電流の入出力が可能となる。
次に、図6Dに示すように、正極4、負極5およびセパレータ6が密着するように押圧した状態で固定し、積層電極体を作製する。固定には、接着テープ2aなどの固定部材を用いる。固定部材は、例えば積層電極体の両サイド部およびボトム部に設ける。ゲル電解質を用いる場合は、正極4および負極5の両面にゲル電解質層を形成した後、セパレータ6を介して積層する。
[タブ接続工程]
次に、図6Eに示すように、積層した正極4から引き出された複数の正極集電体露出部4Cおよび積層した負極5から引き出された複数の負極集電体露出部5Cを、例えば、断面略U字形状となるように折り曲げる。次に、必要に応じて、U字曲げ部を形成した正極集電体露出部4Cおよび負極集電体露出部5Cの先端を切り揃える。
次に、図6Fに示すように、正極集電体露出部4Cに対して正極タブ7の一端を溶接などにより電気的に接続するとともに、負極集電体露出部5Cに対して負極タブ8の一端を溶接などにより電気的に接続する。これにより、図7Aに示す電池素子2が作製される。
[外装および注液工程]
まず、図7Bおよび図7Cに示すように、深絞り加工により形成された第1外装部3Aの凹部9に電池素子2を収容する。次に、図7Dに示すように、凹部9に収容された電池素子2上に、第2外装部3Bを載置する。次に、図7Eに示すように、凹部9の外周部分をそのうちの1辺を残すようにして熱融着などにより溶着した後、未溶着の一辺から電解液を注液した後、この一辺を熱溶着して封止する。これにより、二次電池1が得られる。なお、1枚の外装材3の一部に対して深絞りにより凹部9を形成し、この凹部9に電池素子1を収容した後、外装材3を折り返して、電池素子1を外装材3により封止するようにしてもよい。また、電池素子2を収容するための凹部9を第1外装部3Aおよび第2外装部3Bの両方に深絞り加工などにより形成するようにしてもよい。
[プレス工程]
次に、図8Aに示すように、二次電池の両主面をそれぞれ、プレス面に凹凸形状が形成されたプレス部材17、18によりプレスした。これにより、図8Bに示すように、二次電池の両主面S1、S2に凹凸形状が形成された。プレスは、凹凸形状の転写性の向上の観点からすると、ヒートプレス(加熱プレス)であることが好ましい。プレスとしてヒートプレスを用いる場合には、ヒートプレスにより、外装材3に凹凸形状を形成するとともに、電池素子1に含浸した電解質用組成物をゲル化せるようにしてもよい。
以上により、目的とする二次電池が得られた。
第1の実施形態では、二次電池1の第1の主面S1および第2の主面S2の少なくとも一方に凹凸形状を形成しているので、二次電池の表面積を増加させることができる。したがって、エネルギー密度を低下させることなく、かつ、部品点数の増加もなく、低コストかつ容易に放熱性の高い二次電池1を実現できる。この効果は二次電池1が大きいほど、さらにその二次電池1をバッテリユニットにするほど効果を発揮し、近年急速に需要が高まっている産業向けの二次電池1に非常に有用である。
[変形例]
図9Aは、本発明の第1の実施形態に係る二次電池1の第1の変形例を示す斜視図である。図9Aに示すように、第1外装部3Aおよび第2外装部3Bの両方が、電池素子1を収容するための凹部9を備えるようにしてもよい。この場合、第1外装部3Aと第2外装部3Bの凹部9の深さは異なっていてもよい。
図9Bは、本発明の第1の実施形態に係る二次電池1の第2の変形例を示す斜視図である。図9Bに示すように、正極タブ7および負極タブ8の両方を外装材3の封止部分から外部に向かって同一方向に導出するようにしてもよい。
図9Cは、本発明の第1の実施形態に係る二次電池1の第3の変形例を示す斜視図である。図9Cに示すように、矩形状の外装材3を中央部から折り返して、外装材3により電池素子1を挟み、折り返しにより形成された1辺を除く、3辺を熱融着などにより封止するようにしてもよい。
図10Aは、本発明の第1の実施形態に係る二次電池1の第4の変形例を示す斜視図である。図10Aに示すように、外装材1の辺部の中央からずれた位置から正極タブ7および負極タブ8を導出するようにしてもよい。
図10Bは、本発明の第1の実施形態に係る二次電池1の第5の変形例を示す斜視図である。図10Bに示すように、正極タブ7および負極タブ8の導出位置を左右非対象としてもよい。
<2.第2の実施形態>
(2−1)二次電池の構成
図11Aは、本発明の第2の実施形態に係る二次電池1における電池素子2の構成例を示す斜視図である。図11Bは、本発明の第2の実施形態に係る二次電池1における電池素子2の構成例を示す略線側面図である。第2の実施形態において第1の実施形態と同一または対応する箇所には同一の符号を付す。第2の実施形態は、セパレータ12を長尺の帯状に形成してつづら折りにより折り畳む点、正極4および負極5を折り畳んだセパレータ12の間に挟み込むことにより積層して電池素子2を構成する点において、第1の実施形態と異なっている。なお、セパレータ12以外の二次電池1の構成は第1の実施形態と同様である。
[セパレータ]
セパレータ12は、正極4と負極5とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。第2の実施形態においてはセパレータ12は長尺の帯状に形成されている。そして、セパレータ12は、正極4および負極5の幅と略同一の間隔でつづら折り状に折り畳まれる。セパレータ12をつづら折り状に折りたたむことにより形成されるセパレータ12の各面の幅は正極4および負極5の幅と略同一となっている。セパレータ12は例えば、爪状の突起を折り目部分に当接させて引っ掛けることにより折り畳まれる。なお、セパレータ12は第1の実施形態と同様に、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレンなどの合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の多孔質膜を単層で、またはそれらを複数積層したもの用いることができる。特に、セパレータ12としては、ポリオレフィン製の多孔質膜が好ましい。また、セパレータ12としては、ポリオレフィンなどの微多孔膜上に、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの多孔性の樹脂層を形成したものを用いてもよい。
[電池素子]
上述のようにつづら折りにより折畳まれたセパレータ12の間に、複数枚の正極4および負極5が1枚ずつ交互に挟み込まれて挟持されることにより電池素子2が構成されている。正極4は、正極集電体露出部4Cがセパレータ12の折り目方向に対して平行方向に向けてセパレータ12間から導出されるように挟み込まれている。負極5も同様にセパレータ12の折り目方向に対して平行方向に向けてセパレータ12間から導出されるように挟み込まれている。
さらに、正極4と負極5とは、正極集電体露出部4Cと負極集電体露出部5Cとが互いに反対方向に向くようにセパレータ12に挟み込まれている。このように、第2の実施形態においても第1の実施形態と同様に、電池素子2は、正極集電体露出部4Cと負極集電体露出部5Cとが同一方向へ向かうようには構成されていない。これにより、正極集電体露出部4Cに接続する正極タブ7、負極集電体露出部5Cに接続する負極タブ8の幅を最大で電池素子2の幅と略同一とすることが可能となり、大電流の入出力が可能となる。
(2−2)二次電池の製造方法
第2の実施形態に係る二次電池1は、以下のような工程で作製することができる。なお、正極4の作製、負極5の作製工程は第1の実施形態と同様である。
[積層工程]
正極4および負極5は、図11Aに示すように、つづら折り状に折り畳まれたセパレータ12の間に挟み込まれることにより設けられる。これにより、正極4と負極5とを、セパレータ12を介して交互に、例えば、負極5、セパレータ12、正極4、セパレータ12、負極5・・・セパレータ12、負極5となるように重ね合わせて所定数の正極4および負極5を積層させることができる。
次に、正極4、負極5およびセパレータ12が密着するように押圧した状態で固定し、積層電極体を作製する。固定には、接着テープなどの固定部材(図示せず)を用いる。固定部材は、例えば積層電極体の両サイド部およびボトム部に設ける。ゲル電解質を用いる場合は、正極4および負極5の両面にゲル電解質層を形成した後、セパレータ12を介して積層する。これにより、電池素子2が構成される。
また、第1の実施形態と同様に、セパレータ12は正極集電体露出部4Cおよび負極集電体露出部5Cの奥行きの半分以上を覆わないようにその寸法を設定するのが好ましい。セパレータ12により正極集電体露出部4Cおよび負極集電体露出部5Cの奥行きの半分以上が覆われると、正極集電体露出部4Cと正極タブ7、負極集電体露出部5Cと負極タブ8との接合面積が狭くなり入出力特性が低下することとなるからである。
第2の実施形態によれば、電池素子2の製造工程において正極4、負極5およびセパレータ12を順に積層していく必要がなく、セパレータ12に正極4をはさみ込んでいく作業とセパレータ12に負極5をはさみ込んでいく作業とを同時に行うことができる。これにより、二次電池1の製造効率を高めて、生産性の向上を図ることができる。
[変形例]
なお、セパレータ12の折り曲げ方向は、図11Aに示すようなセパレータ12の長手方向に沿う方向に限られるものではない。図12に示すように、セパレータ12の短手方向に沿う方向に折り曲げてもよい。この場合も長手方向に沿って折り曲げた場合と同様に、正極4と負極5とは正極集電体露出部4Cと負極集電体露出部5Cとが互いに反対方向に導出されるようにセパレータ12に挟み込まれる。
<3.第3の実施形態>
(3−1)二次電池の構成
図13Aは、本発明の第3の実施形態に係る二次電池1の一構成例を示す分解斜視図である。この二次電池1は、正極リード31および負極リード32が取り付けられた巻回電極体30をフィルム状の外装材3の内部に収容したものであり、小型化、軽量化および薄型化が可能となっている。
正極リード31および負極リード32は、それぞれ、外装材3の内部から外部に向かい例えば同一方向に導出されている。正極リード31および負極リード32は、例えば、アルミニウム、銅、ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料によりそれぞれ構成されており、それぞれ薄板状または網目状とされている。
外装材3は、例えば、ナイロンフィルム、アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に貼り合わせた矩形状のアルミラミネートフィルムにより構成されている。外装材3は、例えば、ポリエチレンフィルム側と巻回電極体30とが対向するように配設されており、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。外装材3と正極リード31および負極リード32との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム41が挿入されている。密着フィルム41は、正極リード31および負極リード32に対して密着性を有する材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレンまたは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されている。
なお、外装材3は、上述したアルミラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム、ポリプロピレンなどの高分子フィルムまたは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。
図13Bは、図13Aに示した巻回電極体30のA−A線に沿った断面図である。巻回電極体30は、正極33と負極34とをセパレータ35および電解質層36を介して積層し、巻回したものであり、最外周部は保護テープ37により保護されている。
正極33は、正極集電体33Aの片面あるいは両面に正極活物質層33Bが設けられた構造を有している。負極34は、負極集電体34Aの片面あるいは両面に負極活物質層34Bが設けられた構造を有しており、負極活物質層34Bと正極活物質層33Bとが対向するように配置されている。正極集電体33A、正極活物質層33B、負極集電体34A、負極活物質層34Bおよびセパレータ35の構成は、それぞれ第1の実施形態における正極集電体4A、正極活物質層4B、負極集電体5A、負極活物質層5Bおよびセパレータ6と同様である。
電解質層36は、電解液と、この電解液を保持する保持体となる高分子化合物とを含み、いわゆるゲル状となっている。ゲル状の電解質層36は高いイオン伝導率を得ることができると共に、電池の漏液を防止することができるので好ましい。電解液(すなわち溶媒および電解質塩など)の構成は、第1の実施形態に係る二次電池と同様である。高分子化合物としては、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、ポリスチレンまたはポリカーボネートが挙げられる。特に電気化学的な安定性の点からはポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレンあるいはポリエチレンオキサイドが好ましい。
(3−2)二次電池の製造方法
次に、本発明の第3の実施形態に係る二次電池1の製造方法の一例について説明する。
まず、正極33および負極34のそれぞれに、溶媒と、電解質塩と、高分子化合物と、混合溶剤とを含む前駆溶液を塗布し、混合溶剤を揮発させて電解質層36を形成する。そののち、正極集電体33Aの端部に正極リード31を溶接により取り付けると共に、負極集電体34Aの端部に負極リード32を溶接により取り付ける。次に、電解質層36が形成された正極33と負極34とをセパレータ35を介して積層し積層体としたのち、この積層体をその長手方向に巻回して、最外周部に保護テープ37を接着して巻回電極体30を形成する。最後に、例えば、外装材3の間に巻回電極体30を挟み込み、外装材3の外縁部同士を熱融着などにより密着させて封入する。その際、正極リード31および負極リード32と外装材3との間には密着フィルム41を挿入する。これにより、図13Aに示した二次電池が得られる。
また、この二次電池1は、次のようにして作製してもよい。まず、上述のようにして正極33および負極34を作製し、正極33および負極34に正極リード31および負極リード32を取り付ける。次に、正極33と負極34とをセパレータ35を介して積層して巻回し、最外周部に保護テープ37を接着して、巻回電極体30の前駆体である巻回体を形成する。次に、この巻回体を外装材3に挟み、一辺を除く外周縁部を熱融着して袋状とし、外装材3の内部に収納する。次に、溶媒と、電解質塩と、高分子化合物の原料であるモノマーと、重合開始剤と、必要に応じて重合禁止剤などの他の材料とを含む電解質用組成物を用意し、外装材3の内部に注入する。
電解質用組成物を注入したのち、外装材3の開口部を真空雰囲気下で熱融着して密封する。次に、例えばヒートプレスにより、熱を加えてモノマーを重合させて高分子化合物とすることによりゲル状の電解質層36を形成する。以上により、図13Aに示した二次電池が得られる。
この第3の実施形態に係る二次電池の作用および効果は、第1の実施の形態に係る二次電池と同様である。
<4.第4の実施形態>
以下、図14〜図19を参照しながら、本発明の第4の実施形態に係るバッテリユニットおよびバッテリモジュールの一例について説明する。
[バッテリユニット]
図14A、図14Bは、本発明の第4の実施形態に係るバッテリユニットの構成例を示す斜視図である。図14Aおよび図14Bには、それぞれ異なる側から見たバッテリユニット100が示されており、図14Aに主に示されている側をバッテリユニット100の正面側とし、図14Bに主に示されている側をバッテリユニット100の背面側とする。図14に示すように、バッテリユニット100は、二次電池1−1および1−2、組合せ部材としてのブラケット110、並びに、バスバー120−1および120−2を備えて構成される。二次電池1−1および1−2は上述した第1〜第3の実施形態のいずれかの構成を採用した二次電池である。
二次電池1−1および1−2、バッテリユニット100、ならびにバッテリモジュール200は、電動工具、電気自動車、ハイブリッド電気自動車および電動アシスト自転車、ならびに住宅もしくはビルなどに用いる蓄電システム等に用いて好適なものである。
図14Cは、図14Aに示したA−A線に沿った断面図である。図14Cに示すように、バッテリユニット100は、端面となる正面Saと背面Sbとを有し、これらの正面Saと背面Sbとの両方に凹凸形状が形成されていることが好ましい。これにより、バッテリユニット100の放熱性を向上することができるからである。
また、ブラケット110により組み合わされた電池1−1と電池1−2との対向面の少なくとも一方に、凹凸形状を設けることが好ましい。バッテリユニット100の放熱性の向上の観点からすると、電池1−1と電池1−2との対向面の両方に凹凸形状を設けることが好ましい。このように対向面に対して凹凸形状を設ける場合、電池1−1および電池1−2の対向面と、ブラケット110とにより形成される空間部C1を、外部と導通させるための1または複数の孔部(図示せず)をブラケット110に形成することが好ましい。これにより、電池1−1と電池1−2との対向面から空間部C1に放熱された熱を、1または複数の孔部を介してバッテリユニット100の外部に放出することができるからである。孔部の形状は特に限定されるものではないが、例えばスリット状などが挙げられる。
ブラケット110は、二次電池1−1および1−2の強度を確保するための支持具であり、ブラケット110の正面側に二次電池1−1が装着され、ブラケット110の背面側に二次電池1−2が装着される。なお、ブラケット110は、正面側および背面側のどちらから見ても、ほぼ同じ形状をしているが、下側の一方の角部分に面取り部111が形成されており、面取り部111が右下に見える側を正面側とし、面取り部111が左下に見える側を背面側とする。
バスバー120−1および120−2は、略L字形状をした金属の部材であり、二次電池1−1および1−2のタブに接続される接続部分がブラケット110の側面側に配置され、バッテリユニット100の外部と接続されるターミナルがブラケット110の上面に配置されるように、ブラケット110の両側面にそれぞれ装着される。
図15は、バッテリユニット100が分解された状態を示す斜視図である。図15の上側をバッテリユニット100の正面側とし、図15の下側をバッテリユニット100の背面側とする。以下、二次電池1−1において内部に電池素子が収容された凸状部分を二次電池本体1−1Aと称する。同様に、二次電池1−2において内部に電池素子が収容された凸状部分を二次電池本体1−2Aと称する。
そして、二次電池1−1および1−2は、凸形状となっている二次電池本体1−1Aおよび1−2A側を互いに向い合せた状態で、ブラケット110に装着される。つまり、二次電池1−1は正極タブ7−1および負極タブ8−1が設けられる面が正面側を向き、二次電池2−2は正極タブ7−2および負極タブ8−2が設けられる面が背面側を向くように、ブラケット110に装着される。
ブラケット110は、外周壁112およびリブ部113を有している。外周壁112は、二次電池1−1および1−2の二次電池本体1−1Aおよび1−2Aの外周よりも若干広く、即ち、二次電池1−1および1−2が装着された状態で二次電池本体1−1Aおよび1−2Aを囲うように形成される。リブ部113は、外周壁112の内側の側面に外周壁112の厚み方向の中央部分から内側に向かって伸びるように形成される。
図15の構成例では、二次電池1−1および1−2が、ブラケット110の正面側および背面側から外周壁112内に挿入され、両面に粘着性を有する両面テープ130−1および130−2により、ブラケット110のリブ部113の両面に貼着される。両面テープ130−1および130−2は、二次電池1−1および1−2の外周端に沿った所定の幅の略ロ字形状をしており、ブラケット110のリブ部113は、両面テープ130−1および130−2が貼着する面積だけ設けられていればよい。
このように、リブ部113は、二次電池1−1および1−2の外周端に沿った所定の幅だけ、外周壁112の内側の側面から内側に向かって伸びるように形成されており、リブ部113よりも内側は、開口部となっている。従って、ブラケット110の正面側から両面テープ130−1によりリブ部113に貼着される二次電池1−1と、ブラケット110の背面側から両面テープ130−2によりリブ部113に貼着される二次電池2−2との間では、この開口部によって隙間が生じている。
即ち、ブラケット110の中央部分に開口部が形成されていることで、二次電池1−1および1−2は、リブ部113の厚みと両面テープ130−1および130−2の厚みとを合計した寸法の隙間を有してブラケット110に装着される。例えば、二次電池1−1および1−2には、充放電やガスの発生などにより多少の膨らみが生じることがあるが、この開口部により設けられる間隙が、二次電池1−1および1−2の膨らみを逃がす空間となる。従って、二次電池1−1および1−2が膨らんだ部分によってバッテリユニット100全体の厚みが増加するなどの影響を排除することができる。
また、二次電池1−1および1−2をリブ部113に接着する際に、接着面積が広い場合にはかなりの圧力が必要となるが、リブ部113の接着面を外周端に限定することにより、効率よく圧力をかけて、容易に接着することができる。これにより、製造時に二次電池1−1および1−2にかかるストレスを軽減することができる。
図15に示すように、1つのブラケット110に2つの二次電池1−1および1−2を取り付けることにより、例えば、1つのブラケットに1つの二次電池を取り付ける場合よりも、ブラケット110の厚みと空間を削減することができる。これにより、エネルギー密度を向上させることができる。
また、バッテリユニット100の厚み方向の剛性を、2枚の二次電池1−1および1−2を張り合わせる相乗効果により得られるため、ブラケット110のリブ部113を薄肉化することができる。即ち、例えば、リブ部113の厚みを1mm以下(樹脂成型の限界の厚み程度)にしても、二次電池1−1および1−2をリブ部113の両側から張り合わせることで、バッテリユニット100全体として十分な剛性を得ることができる。そして、リブ部113の厚みを薄くすることにより、バッテリユニット100の厚みが薄くなり容積が縮小することになる結果、バッテリユニット100のエネルギー密度を向上させることができる。
また、バッテリユニット100は、外的なストレスに対する耐性を高めるため、二次電池1−1および1−2の外周面(両側面および上下面)が、ブラケット110の外周壁112の内周面と接触しない構造とし、二次電池1−1および1−2が有する広い面でリブ部113に張り合わされる構造となっている。
このような構成により、エネルギー密度が高く、かつ、外的なストレスに強いバッテリユニット100を実現することができる。
[バッテリモジュール]
次に、図16〜図19を参照して、バッテリユニット100が組み合わされたバッテリモジュール200の構成例について説明する。バッテリモジュール200は、モジュールケース210、ゴムシート部220、二次電池部230、二次電池カバー240、固定シート部250、電気パーツ部260、およびボックスカバー270を備えて構成されている。
モジュールケース210は、バッテリユニット100を収納して使用機器に搭載するためのケースであり、図16の構成例では、24個のバッテリユニット100が収納可能なサイズとされている。
ゴムシート部220は、バッテリユニット100の底面に敷かれて、衝撃などを緩和するためのシートである。ゴムシート部220では、3個のバッテリユニット100ごとに1枚のゴムシートが設けられ、24個のバッテリユニット100に対応するために8枚のゴムシートが用意される。
二次電池部230は、図16の構成例では、24個のバッテリユニット100が組み合わされて構成されている。また、二次電池部230では、3個のバッテリユニット100が並列に接続されて並列ブロック231を構成し、8個の並列ブロック231が直列に接続される接続構成となっている。
二次電池カバー240は、二次電池部230を固定するためのカバーであり、二次電池1のバスバー120に対応した開口部が設けられている。
固定シート部250は、二次電池カバー240の上面に配置され、ボックスカバー270がモジュールケース210に固定されたときに、二次電池カバー240およびボックスカバー270に密着して固定するシートである。
電気パーツ部260は、バッテリユニット100の充放電を制御する充放電制御回路などの電気的な部品を有する。充放電制御回路は、例えば、二次電池部230において2本の列をなすバスバー120の間の空間に配置される。
ボックスカバー270は、モジュールケース210に各部が収納された後に、モジュールケース210を閉鎖するためのカバーである。
ここで、バッテリモジュール200では、3個のバッテリユニット100が並列に接続された並列ブロック231が直列に接続されて二次電池部230が構成されており、この直列の接続が、電気パーツ部260が有する金属板材で行われる。従って、二次電池部230では、並列ブロック231ごとに端子の向きが交互になるように、即ち、隣り合う並列ブロック231どうしでプラスの端子とマイナスの端子とが並ぶように、並列ブロック231がそれぞれ配置される。そこで、バッテリモジュール200では、隣り合う並列ブロック231で同極の端子が並ぶことを回避させるような工夫が必要である。
例えば、図17に示すように、バッテリユニット100−1〜100−3により構成される並列ブロック231−1と、バッテリユニット100−4〜100−6により構成される並列ブロック231−2とでは、プラスの端子とマイナスの端子とが隣り合うような配置で、モジュールケース210に収納される。このような配置となるように規制するために、バッテリユニット100のブラケット110の下側の一方の角部分に形成されている面取り部111が利用される。
例えば、図18および図19に示すように、並列ブロック231では、バッテリユニット100−1〜100−3は、それぞれの面取り部111−1〜111−3が同じ向きとなるように組み合わされており、面取り領域280を形成する。そして、モジュールケース210には、面取り領域280の傾斜に応じた傾斜部290が形成されており、傾斜部290は、二次電池1の3個分の厚みに応じた長さで、交互に配置されている。
このように、並列ブロック231の面取り領域280と、モジュールケース210の傾斜部290とにより、並列ブロック231を間違った向きでモジュールケース210に収納しようとした場合には、並列ブロック231の底側の角部がモジュールケース210の傾斜部290に当接することになる。この場合、並列ブロック231がモジュールケース210の底面から浮き上がった状態となるため、並列ブロック231がモジュールケース210に完全に収納されなくなる。これにより、バッテリモジュール200では、隣り合う並列ブロック231で同極の端子が隣り合って並ぶことが回避される。
図20Aは、図16に示したA−A線の断面図である。図20Aに示すように、モジュールケース210は、複数のバッテリユニット100を所定間隔D離して収容可能に構成されている。バッテリユニット100の対向面の少なくとも一方に凹凸形状を設けることが好ましい。バッテリモジュール200の放熱性の向上の観点からすると、バッテリユニット100の対向面の両方に凹凸形状を設けることが好ましい。各バッテリユニット100間には、幅Dの空間部C2が設けられている。この空間部C2は、バッテリユニット100の対向面により形成され、その空間部C2の側方は開放されている開放空間部であることが好ましい。このように空間部C2を開放空間部とすることで、冷却風の通路を形成し、バッテリユニット100の対向面から空間部C2に放熱された熱を、モジュールケース210に設けられた通気孔などを介して外部に放出できる。
また、図20Bに示すように、電池1−1と電池1−2とを所定間隔d離して支持可能なようにブラケット110を構成するようにしてもよい。この場合、電池1−1と電池1−2との対向面の少なくとも一方に、凹凸形状を設けることが好ましい。バッテリモジュール200の放熱性の向上の観点からすると、電池1−1と電池1−2との対向面の両方に凹凸形状を設けることが好ましい。電池1−1と電池1−2との間には、幅dの空間部C1が設けられている。この空間部C1は、電池1−1と電池1−2との対向面とブラケット110とにより形成されている。空間部C1の側方の少なくとも一部は、ブラケット110に設けられた1または複数の孔部110aにより開放され、空間部C1が開放空間部となって冷却風の通路を形成していることが好ましい。このように空間部C1を開放空間部とすることで、電池1−1と電池1−2との対向面から空間部C1に放熱された熱を、モジュールケース210に設けられた通気孔などを介して外部に放出できる。
複数の空間部C1および空間部C2は、側方が開放された開放空間部を含んでいることが好ましい。具体的には、空間部C1および空間部C2の少なくとも一方が、側方が開放された開放空間部であることが好ましく、両方が開放空間部であることがより好ましい。また、開放空間部の形成の容易さの観点からすると、空間部C1および空間部C2のうち、バッテリユニット100間に形成される空間部C2を開放空間部とすることが好ましい。開放空間部を形成する電池1−1、1−2の対向面の少なくとも一方には、凹凸形状を設けることが好ましい。バッテリモジュール200の放熱性の向上の観点からすると、電池1−1、1−2の対向面の両方に凹凸形状を設けることが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(算術平均粗さ)
以下に示す実施例および比較例において、算術平均粗さの測定には、Keyence製のレーザーマイクロスコープ(VK-8710、使用対物レンズ×20)を用いた。なお、算術平均粗さの測定は、JISB0601:1994により準拠して行った。
(実施例1)
(正極作製)
正極は以下のように作製した。まず、リン酸鉄リチウム90質量部、ポリフッ化ビニリデン5質量部、カーボンブラック5質量部、分量外のN−メチルピロリドンをミキサーで混錬、さらに所望の粘度になるようにN−メチルピロリドン(NMP)を添加し分散させ、正極合剤スラリーを得た。次に、正極集電体露出部が形成されるように正極合剤スラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥後、ロールプレス機などにより圧縮成型することにより正極活物質層を形成した。その後、矩形状に切断し、正極を得た。正極集電体露出部の幅waと正極活物質層の幅Waとの関係が(wa/Wa)=1.0となるようにし、正極集電体露出部の奥行きdaと正極活物質層の奥行きDaとの関係が(da/Da)=0.1となるようにした。
(負極作製)
負極は以下のようにして作製した。まず、人造黒鉛94質量部、ポリフッ化ビニリデン5質量部、カーボンブラック1質量部、分量外のN−メチルピロリドンを混錬し、負極合剤スラリーを得た。次に、負極集電体露出部が形成され、負極集電体露出部の幅wcと負極活物質層の幅Wcとの関係を(wc/Wc)=1.0となるように、負極合剤スラリーを厚さ8μmの銅箔の両面に塗布、乾燥後、ロールプレス機などにより圧縮成型することにより負極活物質層を形成した。その後、これを矩形状に切断し、負極を得た。負極集電体露出部の幅wcと負極活物質層の幅Wcとの関係が(wc/Wc)=1.0となるようにし、負極集電体露出部の奥行きdcと負極活物質層の奥行きDcとの関係が(dc/Dc)=0.1となるようにした。
(電池素子作製)
電池素子2は以下のようにして作製した。まず、厚さ20μmのポリプロピレン製微多孔フィルムを図4Aに示す形状に切断し、これをセパレータとした。次に、上述のようにして得られた負極20枚、正極19枚、セパレータ38枚を、図4Aに示すように、負極、セパレータ、正極、・・・、正極、セパレータ、負極の順で積層して、電池素子を作製した。なお、正極と負極とは正極集電体露出部と負極集電体露出部とが反対向きになるように積層した。これにより、正極合剤層、セパレータおよび負極合剤層からなる基本積層単位を38層分内包する電池素子が得られた。なお、電池素子の上下最外層は負極合剤層となるが、これらの部分は正極と対向していないため電池反応には寄与するものではない。また、この積層に際しては、積層方向から見て、正極合剤層の投影面が負極合剤層の投影面の内側に収まるように、負極と正極の相対位置を調整した。
(二次電池作製)
次に、正極集電体露出部19枚を同時にAl製の正極タブに超音波溶接した。同様にして、負極集電体露出部20枚を同時にNi製の負極タブに超音波溶接した。次に、外装材であるアルムラミネートフィルムとして、無延伸ポリプロピレン(CPP)からなる樹脂層、接着層、アルミ箔、接着層、ナイロンからなる樹脂層を順次積層した矩形状のものを準備した。次に、正極タブおよび負極タブの一端を外部に引き出すようにして、電池素子をアルミラミネートフィルムの収容部に収容した。次に、電池素子を収容した収容部上にアルミラミネートフィルムを載置して、一辺を除く周縁部を熱融着してアルミラミネートフィルムを袋状とした。
次に、電解液と、高分子化合物の原料であるモノマーと、重合開始剤とを含む液状の電解質用組成物を用意した。電解液としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートを50:50の質量比で混合し、0.7kmol/kgのLiPF6を溶解して調製したものを用いた。次に、袋状のアルミラミネートフィルムの開口部側から電解質用組成物を注入し、電池素子に含浸させたのち、開口部を熱融着して封止した。
次に、アルミラミネートフィルムに収容した電池素子を、プレス面に凹凸形状を有するプレス機に搬送し、このプレス機で電池の両主面をヒートプレスした。これにより、算術平均粗さ(Ra)が2μmの凹凸形状が電池の両主面に形成されるとともに、電解質用組成物がゲル化されて電池素子を構成する正極、負極、およびセパレータが一体化された。ヒートプレスにより一体化された電池素子の厚さは、5mmであった。
以上により、目的とする電池が作製された。
(実施例2)
算術平均粗さ(Ra)を50μmの凹凸形状を電池の両主面に対して形成したこと以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
(実施例3)
算術平均粗さ(Ra)が200μmの凹凸形状を電池の両主面に対して形成したこと以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
(実施例4)
積層数を調整してヒートプレス後の電池素子の厚みを7mmとしたこと以外は実施例1と同様にして、電池素子を作製した。
(実施例5)
積層数を調整してヒートプレス後の電池素子の厚みを10mmとしたこと以外は実施例1と同様にして、電池素子を作製した。
(実施例6)
算術平均粗さ(Ra)が50μmの凹凸形状を電池の両主面に対して形成したこと以外は、実施例4と同様にして電池を作製した。
(実施例7)
算術平均粗さ(Ra)が50μmの凹凸形状を電池の両主面に対して形成したこと以外は、実施例5と同様にして、電池を作製した。
(実施例8)
算術平均粗さ(Ra)が200μmの凹凸形状を電池の両主面に対して形成したこと以外は、実施例4と同様にして、電池を作製した。
(実施例9)
算術平均粗さ(Ra)が200μmの凹凸形状を電池の両主面に対して形成したこと以外は、実施例5と同様にして、電池を作製した。
(実施例10)
電池素子の構造を巻回構造とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
(比較例1)
平滑なプレス面を有するプレス機を用いて電池素子の両主面をプレスしたこと以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
(比較例2)
積層数を調整してヒートプレス後の電池素子の厚みを4mmとしたこと以外は、比較例1と同様にして電池を作製した。
(比較例3)
積層数を調整してヒートプレス後の電池素子の厚みを7mmとしたこと以外は、比較例1と同様にして電池を作製した。
(比較例4)
積層数を調整してヒートプレス後の電池素子の厚みを10mmとしたこと以外は、比較例1と同様にして電池を作製した。
(実施例11)
算術平均粗さ(Ra)が2μmの凹凸形状を電池の両主面に対して形成したこと以外は、比較例2と同様にして電池を作製した。
(実施例12)
算術平均粗さ(Ra)が50μmの凹凸形状を電池の両主面に対して形成したこと以外は、比較例2と同様にして電池を作製した。
(実施例13)
算術平均粗さ(Ra)が200μmの凹凸形状を電池の両主面に形成したこと以外は、比較例2と同様にして電池を作製した。
(比較例5)
電池素子の構造を巻回構造とした以外は、比較例1と同様にして電池を作製した。
(実施例14)
算術平均粗さ(Ra)が250μmの凹凸形状を電池の両主面に形成したこと以外は、実施例1と同様にして、電池を作製した。
(実施例15)
算術平均粗さ(Ra)が2μmの凹凸が予め表面に形成された外装ラミネートを用いたこと以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
(放熱特性)
上述のようにして得られた電池の放熱特性を以下のようにして評価した。
まず、電池の主面に対して熱電対を貼り付けた。次に、1Cでの定電流充電を上限電圧が3.6Vまで行った後、23℃の恒温槽内で5C放電をさせて、そのときの最高温度を測定した。その結果を表1に示す。
なお、「1C」とは、完全充電状態から電池公証容量を1時間で放電しきる電流値のことを示す。
(サイクル特性)
上述のようにして得られた電池のサイクル特性を以下のようにして評価した。
まず、2Cでの定電流充電を上限電圧が3.6Vまで行った後、5Cで電圧2Vまで放電し、1サイクル目の放電容量を求めた。次に、この1サイクル目の放電容量を測定した場合と同様の条件で充放電を繰り返し、1000サイクル目の放電容量を求めた。次に、1サイクル目の放電容量および1000サイクル目の放電容量を用いて、以下の式から1000サイクル後の容量維持率を求めた。その結果を表1に示す。
1000サイクル後の容量維持率[%]=(1000サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100
表1は、実施例1〜15、比較例1〜5の電池の評価結果を示す。
Figure 2012113843
表1から以下のことがわかる。
実施例1と比較例1の結果より、算術平均粗さ(Ra)が2μmの凹凸形状を電池の両主面に形成することで、電池の放熱性を改善し、電池最高温度を低減できる。
実施例1、2、3の結果より、算術平均粗さ(Ra)が大きいほど、電池最高温度が低下する傾向がある。
実施例1、4、5の結果より、電池の厚みが厚くなっても、同様の効果が得られる傾向がある。
実施例1〜13、比較例1〜4の結果より、電池素子厚みが厚い方が、算術平均粗さ(Ra)による電池最高温度の低下は大きくなる傾向がある。また、比較例2、実施例11〜13の結果より、電池素子厚みが4mmであると効果はあるものの、その効果は小さくなる傾向がある。これは、電池素子厚みが厚くなることで起きる蓄熱効果の影響が効いているためであると思われる。つまり、電池素子厚みが5mm未満であると、電池自体の蓄熱効果が少なく、もともと容易に放熱できるため、表面の凹凸形状による効果が顕著に発現しないためと考えられる。
実施例1、10と比較例1、5の結果より、発電素子構造によらず効果が得られることがわかる。
実施例1、2、3、14の結果より、算術平均粗さ(Ra)が200μmを超えると、放熱性は向上するが、電池の寿命に影響が生じる傾向がある。これは、表面の凹凸形状を形成する工程で、電池素子自体にダメージを与えてしまったためであると考えられる。したがって、電池の寿命に対する影響を抑制する観点から、算術平均粗さ(Ra)は200μm以下であることが好ましい。
実施例1と実施例15の結果より、あらかじめ外装ラミネートに凹凸形状を付けても放熱効果が得られるが、あらかじめ外装ラミネートに凹凸形状を付けると、電池寿命が短くなる傾向がある。これは、外装ラミネートに凹凸形状をつけることで、ヒートシール部のシール性が低下し、水分侵入などの影響で、電池寿命が低下したものと考えられる。つまり電池表面に形成する凹凸形状は、外装ラミネートに予め付けるのではなく、電池製造工程にて付けることが好ましい。
(実施例16)
実施例1の電池を用いて2並列2直列のバッテリユニットを以下のようにして作製した。
まず、実施例1の電池を2個準備し、これらの電池をブラケットに両面テープで貼り合わせて、電気的に並列に接続して2並列のバッテリユニットを作製した。次に、このバッテリユニットを2個準備し、これらのバッテリユニットを直列に接続した。以上により、2並列2直列のバッテリユニットが作製された。
(比較例6)
比較例1の電池を用いたこと以外は、実施例16と同様にして2並列2直列のバッテリユニットを作製した。
(比較例7)
比較例2の電池を用いたこと以外は、実施例16と同様にして2並列2直列のバッテリユニットを作製した。
(実施例17)
実施例11の電池を用いたこと以外は、実施例16と同様にして2並列2直接のバッテリユニットを作製した。
(放熱特性)
上述のようにして得られたバッテリユニットの放熱特性を、上述の電池の放熱特性と同様の評価方法により評価した。その結果を表2に示す。
(サイクル特性)
上述のようにして得られたバッテリユニットのサイクル特性を、上述の電池のサイクル特性の評価方法と同様にして評価した。その結果を表2に示す。
表2は、実施例16、17、比較例6、7のバッテリユニットの評価結果を示す。
Figure 2012113843
表2から以下のことがわかる。
実施例16と比較例6の結果より、算術平均粗さ(Ra)が2μmの凹凸形状を電池の両主面に形成することで、電池の放熱性を改善し、電池最高温度を低減することができるが、この効果は電池をバッテリユニットにしたときにより顕著なものとなる傾向がある。
実施例17と比較例7の結果より、電池素子厚みが4mmでも効果はあるが、表面の凹凸による放熱性の改善度合いが小さくなる傾向がある。これらの結果は、バッテリユニットにした方がより蓄熱効果が出てしまうため、単電池の効果がより顕著に発現したためである。つまり、本発明は、単電池でも効果があるが、バッテリユニットにしたときにより顕著に効果を発揮するものである。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いてもよい。

また、上述の実施形態の構成、方法、工程、形状、材料および数値などは、本発明の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
また、上述の実施形態においては、2個の二次電池を組み合わせてバッテリユニットを構成する場合を例として説明したが、3個以上の二次電池を組み合わせてバッテリユニットを構成するようにしてもよい。この場合、バッテリユニットの両端面を構成する二次電池の主面に対して凹凸形状を設けることが好ましい。また、バッテリユニットを構成する3個以上の二次電池の対向面の少なくとも一方に凹凸形状を設けることが好ましく、その対向面の両方に凹凸形状を設けることがより好ましい。
1 二次電池
2 電池素子
3 外装材
4 正極
4A 正極集電体
4B 正極活物質層
4C 正極集電体露出部
5 負極
5A 負極集電体
5B 負極活物質層
5C 負極集電体露出部
6 セパレータ
7 正極タブ
8 負極タブ
11 熱融着樹脂層
13 金属層
15 表面保護層
100 バッテリユニット
110 ブラケット
200 バッテリモジュール

Claims (19)

  1. 両主面を有する複数の電池と、
    上記複数の電池間に設けられて、上記複数の電池の主面同士が対向するように上記複数の電池を組合せる組合せ部材と
    を備え、
    上記電池は、
    電池素子と、
    上記電池素子を収容する外装材と
    を備え、
    上記電池の両主面のうち少なくとも一方に凹凸形状が設けられているバッテリユニット。
  2. 上記凹凸形状の算術平均粗さ(Ra)が、2以上200以下である請求項1記載のバッテリユニット。
  3. 上記電池素子の厚みが、5mm以上20mm以下であり、
    上記電池素子の放電容量が、3Ah以上50Ah以下である請求項1記載のバッテリユニット。
  4. 上記複数の電池のうち両端に設けられた電池の一方の主面は、他の電池とは対向しない端面となり、
    上記端面に、上記凹凸形状が形成されている請求項1記載のバッテリユニット。
  5. 上記電池の対向する主面のうち少なくとも一方に、上記凹凸形状が形成されている請求項1記載のバッテリユニット。
  6. 上記電池の両主面に、凹凸形状が形成されている請求項1記載のバッテリユニット。
  7. 上記凹凸形状は、外装材の表面に形成されている請求項1記載のバッテリユニット。
  8. 上記外装材が、アルミラミネートフィルムである請求項1記載のバッテリユニット。
  9. 上記外装材は、熱融着樹脂層、金属層、表面保護層を順次積層した構成を有し、
    上記凹凸形状は、少なくとも上記表面層に形成されている請求項1記載のバッテリユニット。
  10. 上記金属層が、上記表面保護層の凹凸形状に追随した凹凸形状を有している請求項9記載のバッテリユニット。
  11. 上記凹凸形状は、凹状または凸状の複数の構造体を1次元配列または2次元配列することにより形成されている請求項1記載のバッテリユニット。
  12. 上記凹凸形状は、上記外装材の表面を加熱プレスすることにより形成されている請求項1記載のバッテリユニット。
  13. 上記電池素子と電気的に接続されるとともに、上記外装材から導出された正極リードおよび負極リードをさらに備え、
    上記正極リードと上記負極リードとは、対向する2方向から導出されている請求項1記載のバッテリユニット。
  14. 上記電池は、正極と、負極と、セパレータとを備え、
    上記正極および上記負極が上記セパレータを挟んで巻回または積層されている請求項1記載のバッテリユニット。
  15. 請求項1から14のいずれか1項に記載された組電池を複数備えるバッテリモジュール。
  16. 電池素子と、
    上記電池素子を収容する外装材と
    を備え、
    上記電池素子を収容した上記外装材は、両主面を有し、
    上記両主面のうち少なくとも一方に凹凸形状が設けられている電池。
  17. 電池素子を外装材に収容する工程と、
    上記外装材に収容した上記電池素子をプレスして、上記外装材の両主面のうち少なくとも一方に凹凸形状を形成する工程と
    を備える電池の製造方法。
  18. 上記プレスが、加熱プレスである請求項17記載の電池の製造方法。
  19. 上記収容の工程後、上記プレスの工程前に、外装材に収容した電池素子に対して電解質用組成物を含浸させる工程をさらに備え、
    上記プレスの工程では、上記加熱プレスにより、上記外装材の両主面のうち少なくとも一方に凹凸形状を形成するとともに、上記電池素子に含浸した電解質用組成物をゲル化する請求項18記載の電池の製造方法。
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