JP2006260990A - 積層型電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】過充電時において電池内部に発生するガスを早期に放出する積層型電池を提供する。
【解決手段】正極板と負極板がセパレータを介して複数積層された発電要素を有する積層型電池において、正極板と電気的に接続された導電性を有するリード部材8に、過充電による正極電位の上昇を条件として電気的に分解する分解部材9が付着され、発電要素とともに電解液を密封して収納する外装部材3a,3bが互いに溶着された溶着部の間に挟み込まれている。分解部材9が、炭酸リチウム、炭酸亜鉛、炭酸ストロンチウム、炭酸鉛および蓚酸リチウムのうち少なくとも一種類から選択される。
【選択図】図5

Description

本発明は、正極板と負極板とがセパレータを介して交互に複数積層されて構成される発電要素を有する積層型電池に関する。
近年、電気を動力源とする電気自動車やエンジンとモータを組み合わせて走行するハイブリッドカーが注目を集めており、これらに搭載する高エネルギー密度、高出力密度となる高出力型電池の開発が産業上重要な位置を占めている。このような高出力型電池としては、例えば、リチウムイオン電池があり、なかでも平板状の正極板と負極板とをセパレータを介在しつつ積層した発電要素を、一対の外装部材の間に電解液とともに収納し、それら外装部材の周縁部を接合して密封した積層型電池がある。
この類の積層型電池では、過充電等において、内部温度の上昇とともに電解液の分解が起き、ガスが発生した場合には、外装部材が膨張することがある。そのため、例えば、特許文献1には、正極板に接続されたアルミ箔を外装部材の溶着部分に挟み込み、電池内部温度の上昇時には、アルミ箔を介して外装部材を溶融し、発生したガスを放出する手法が開示されている。
特開2003−346768号公報
しかしながら、特許文献1に開示された手法において、電池の内部温度が外装部材を溶融するような高温となった場合には、電池が自己発熱を起こす可能性があるため、過充電時には早期に内部のガスを放出する必要がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、過充電時において電池内部に発生するガスを早期に放出することである。
かかる課題を解決するために、本発明は、正極板と負極板とがセパレータを介して交互に複数積層されて構成される発電要素を有する積層型電池を提供する。この積層型燃料電池は、外装部材が互いに溶着され、発電要素とともに電解液を密封して収納する電池外装と、外装部材が互いに溶着された溶着部において、外装部材の間に挟み込まれており、過充電による正極電位の上昇を条件として電気的に分解する分解部材と、導電性を有し、正極板と電気分解部とを電気的に接続するリード部材とを有する。
本発明によれば、外装部材が互いに溶着された溶着部において、外装部材の間に、過充電による正極電位の上昇を条件として電気的に分解する分解部材が挟み込まれており、この分解部材と、正極板とが導電性を有するリード部材によって電気的に接続されている。そのため、過充電時、正極電位が上昇した場合には、分解部材が電気的に分解し、溶着部における外装部材の間にクリアランスが形成される。これにより、積層型電池の内圧が上昇したと場合には、その箇所に応力が集中し、当該箇所が早期に開口されるため、電池内部のガスを放出することができる。そのため、電池の温度の上昇が抑制され、電池の自己発熱の開始を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る積層型電池1の外観を示す平面図であり、図2は、この積層型電池1の外観を示す側面図である。
積層型電池1は、発電要素としての電極積層体2を備えており、この電極積層体2が、電池外装3を構成する1対の金属複合フィルム(外装部材)3a,3bの中央に配置されている。電極積層体2は、これら1対の金属複合フィルム3a,3bによって厚み方向に挟み込むようにして収納された状態において、1対の金属複合フィルム3a,3bがその外縁部の全周に亘って溶着され(以下、一対の金属複合フィルム3a,3bが互いに溶着された部分を「溶着部4」という)、電解質と共に密封された構造となっている。
図3は、図2に示す波線Aによって囲まれる領域の断面図であり、図4は、図3に示す波線Bによって囲まれる領域(電極積層体2)の断面図である。電極積層体2は、複数枚の正極板2Aと負極板2Bとが、短絡抑制の観点からセパレータ2Cを介在しつつ順次積層されて構成されており、その平面形状は略矩形形状を有している。正極板2Aは、シート状の正極集電体21Aの両面(或いは片面)に正極活物質22Aを塗布したものであり、負極板2Bは、シート状の負極集電体21Bの両面(或いは片面)に負極活物質22Bを塗布したものである。個々の正極板2Aは、正極リード5を介して、一方の電極端子としての正極タブ6に接続されている。また、個々の負極板2Bは、負極リード(図示せず)を介して、他方の電極端子としての負極タブ7に接続されている。
正極リード5および図示しない負極リードはそれぞれ金属箔で形成されている。具体的には、例えば、正極リード5はアルミニウム箔より形成され、負極リードは銅箔より形成される。そして、各正極板2Aより引き出されたそれぞれの正極リード5は、互いに層状に重ね合わされて、溶接等の手法により正極タブ6に接合される。また、各負極板2Bより引き出されたそれぞれの負極リードは、互いに層状に重ね合わされて、溶接等の手法により負極タブ7に接合されている。
正極タブ6および負極タブ7はそれぞれ金属板で形成されている。具体的には、例えば、正極タブ6はアルミニウム板より形成され、負極タブ7はニッケル板より形成される。そして、これら正極タブ6および負極タブ7は、電池外装3の互いに対向する短辺側の端縁よりそれぞれ外部に引き出されて、正極端子および負極端子として機能する。
図5は、図1に示す波線Cによって囲まれる領域の断面図である。電極積層体2において、積層されたいずれか一つ(或いは、複数)の正極板2Aには、帯状のリード部材8が接合されており、正極板2Aから延在したリード部材8の端部側は、溶着部4において、一対の金属複合フィルム3a,3bに挟み込まれて接合されている。リード部材8としては、正極タブ6と同等程度の導電性の有する金属箔を用いることができ、例えば、アルミニウム、ニッケル等がこれに該当する。リード部材8は、一対の金属複合フィルム3a,3bが溶着された溶着部4であれば、いずれの場所に接合されていてもよい。本実施形態では、正極リード5が接合した正極板2Aの短辺にリード部材8を接合している関係上、正極タブ6の導出された短辺側の溶着部4にリード部材8が接合されている。このリード部材8は、溶着部4において一対の金属複合フィルム3a,3bの間に挟み込まれる領域に、過充電による正極電位の上昇を条件として電気的に分解する分解部材9がその両面(或いは片面)に付着されている。換言すれば、リード部材8は、溶着部4において、一対の金属複合フィルム3a,3bの間に挟み込まれた分解部材9と、正極板2Aとを電気的に接続する機能を担っている。分解部材9は、例えば、炭酸リチウム、炭酸亜鉛、炭酸ストロンチウム、炭酸鉛および蓚酸リチウムのうちの少なくとも一種類から選択される物質で構成することができるが、通常時の正極電位が概ね4.3V以下であるとの知得に基づいて、分解電位が4.5〜5.5Vvs.Li/Li+程度の物質で構成されていれば足りる。
図6は、図3に示す波線Dによって囲まれる領域の断面図である。電池外装3を構成する一対の金属複合フィルム3a,3bは、例えば、アルミニウム等よりなる金属層10を基材とし、この金属層10の内側にPE(ポリエチレン)またはPP(ポリプロピレン)等よりなる高分子樹脂層11がコーティングされている。また、一対の金属複合フィルム3a,3bは、この金属層10の外側に接着層12を介してナイロン等よりなる保護層13が接着されている。さらに、溶着部4における正極タブ6および負極タブ7と位置的に対応する領域では、封止性の向上といった観点から、各タブ6,7の両面に、ポリプロピレンなどの樹脂フィルム14が介装される。
一対の金属複合フィルム3a,3bは、電極積層体2の形状に対応させて、この電極積層体2よりも若干大きめの長方形のシート状に成形されている。一対の金属複合フィルム3a,3bのうち、一方の金属複合フィルム3aは、その中央部に電極積層体2を収納する凹部が設けられたカップ形状を有しており、他方の金属複合フィルム3bは、その凹部を蓋するような平坦形状を有している。
そして、積層型電池1を作製する際には、一方の金属複合フィルム3aに設けられた凹部内に電極積層体2を電解質と共に収納した状態で、この凹部を覆うように平坦状の他方の金属複合フィルム3bを配置して、これら一対の金属複合フィルム3a,3bの外縁部(溶着部4)を熱溶着する。これにより、電極積層体2が電解質と共に電池外装3によって密封された構造となる。
このような構成を有する積層型電池1は、例えばリチウムイオン電池としての適用が可能である。この場合、電極積層体2の正極板2Aは、正極活物質22Aとして、リチウムニッケル複合酸化物、具体的には一般式LiNi1−xMxO2(ただし、0.01≦x≦0.5であり、MはFe,Co,Mn,Cu,Zn,Al,Sn,B,Ga,Cr,V,Ti,Mg,Ca,Srの少なくとも一つである。)で表せる化合物を含有する。
また、正極活物質22Aは、リチウムニッケル複合酸化物以外にも、例えば、一般式LiyMn2−zM’zO4(ただし、0.9≦y≦1.2、0.01≦z≦0.5であり、M’はFe,Co,Ni,Cu,Zn,Al,Sn,B,Ga,Cr,V,Ti,Mg,Ca,Srの少なくとも一つである。)で表される化合物であるリチウムマンガン複合酸化物や、一般式LiCo1−xMxO2(ただし、0.01≦x≦0.5であり、MはFe,Ni,Mn,Cu,Zn,Al,Sn,B,Ga,Cr,V,Ti,Mg,Ca,Srの少なくとも一つである。)で表せる化合物であるリチウムコバルト複合酸化物等を含有することも可能である。
リチウムニッケル複合酸化物、リチウムマンガン複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物等は、例えば、リチウム、ニッケル、マンガン、コバルト等の炭酸塩を組成に応じて混合し、酸素存在雰囲気中において600〔℃〕〜1000〔℃〕の温度範囲で焼成することにより得られる。なお、出発原料は炭酸塩に限定されず、水酸化物、酸化物、硝酸塩、有機酸塩等からも同様に合成可能である。
なお、リチウムニッケル複合酸化物やリチウムマンガン複合酸化物等の正極活物質22Aの平均粒径は、30μm以下であることが好ましい。
また、電極積層体2の負極板2Bを形成している負極活物質22Bとしては、比表面積が0.05〔m2/g〕以上、2〔m2/g〕以下の範囲であるものを使用する。負極活物質22Bの比表面積が0.05〔m2/g〕以上、2〔m2/g〕以下の範囲であることにより、負極表面上におけるSEI層の形成を十分に抑制することができる。
負極活物質22Bの比表面積が0.05〔m2/g〕未満である場合、リチウムの出入り可能な場所が小さすぎるため、充電時において負極活物質中にドープされたリチウムが放電時において負極活物質中から十分に脱ドープされず、充放電効率が低下する。一方、負極活物質の比表面積が2〔m2/g〕を越える場合、負極表面上におけるSEI層の形成を制御することが困難である。
具体的な負極活物質22Bとしては、対リチウム電位が2.0V以下の範囲でリチウムをドープ・脱ドープすることが可能な材料であれば何れも使用可能であり、具体的には難黒鉛化性炭素材料、人造黒鉛、天然黒鉛、熱分解黒鉛類、ピッチコークスやニードルコークスや石油コークス等のコークス類、グラファイト、ガラス状炭素類、フェノール樹脂やフラン樹脂等を適当な温度で焼成して炭化した有機高分子化合物焼成体、炭素繊維、活性炭、カーボンブラック等の炭素質材料を使用することが可能である。
また、リチウムと合金を形成可能な金属、およびその合金も使用可能であり、具体的には、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化スズ等の比較的低電位でリチウムをドープ・脱ドープする酸化物やその窒化物、3B族典型元素の他、SiやSn等の元素、または例えばMxSi、MxSn(ただし、式中MはSiまたはSnを除く1つ以上の金属元素を表す。)で表されるSiやSnの合金等を使用することができる。これらの中でも、特にSiまたはSi合金を使用することが好ましい。
さらに、電解質としては、電解質塩を非水溶媒に溶解して調製される液状のいわゆる電解液であってもよいし、電解質塩を非水溶媒に溶解した溶液を高分子マトリクス中に保持させたポリマーゲル電解質であってもよいし、電解質塩を高分子中に溶解させたポリマー電解質であってもよい。
非水電解質としてポリマーゲル電解質を用いる場合、使用する高分子材料としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル等が挙げられる。また、ポリマー電解質を用いる場合は、ポリエチレンオキシド(PEO)系ポリマー等が挙げられる。
非水溶媒としては、この種の非水電解質積層型電池においてこれまで使用されている非水溶媒であれば何でも使用可能であり、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル等が挙げられる。なお、これらの非水溶媒は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
特に、非水溶媒は不飽和カーボネートを含有することが好ましく、具体的には、ビニレンカーボネート、エチレンエチリデンカーボネート、エチレンイソプロプロピリデンカーボネート、プロピリデンカーボネート等を含有することが好ましい。また、これらの中でも、ビニレンカーボネートを含有することが最も好ましい。非水溶媒として不飽和カーボネートを含有することにより、負極活物質に生成するSEI層の性状に起因する効果が得られ、耐過放電特性がより向上すると考えられる。
また、この不飽和カーボネートは電解質中に0.05重量%以上、5重量%以下の割合で含有されることが好ましく、0.5重量%以上、3重量%以下の割合で含有されることが最も好ましい。不飽和カーボネートの含有量を上記範囲とすることで、初期放電容量が高く、エネルギー密度の高い非水積層型電池となる。
電解質塩としては、イオン伝導性を示すリチウム塩であれば特に限定されることはなく、例えばLiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、LiB(C6H5)4、LiCl、LiBr、CH3SO3Li、CF3SO3Li等が使用可能である。これらの電解質塩は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いることも可能である。
このような積層型電池1を参照し、以下のような積層型電池Aを作製した。
第1に、正極板2Aの正極活物質22Aとして、スピネル型リチウムマンガン酸化物に、導電剤として黒鉛、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を混合した粉末を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させた。この正極活物質22Aを、正極集電体21Aである厚さ20μmのアルミ箔の両側に均一に塗布した上で乾燥させ、これをロールプレスにより所定の密度となるように圧縮した。そして、正極活物質22Aが塗布されたアルミ箔を、積層型電池1と形状的に対応した所定のサイズに切断することにより、正極板2Aを作製した。なお、この正極板2Aには、正極リード5およびリード部材8を接合するために、正極活物質22Aを塗布してない領域が一方の短辺に設けられている。
また、負極板2Bの負極活物質22Bとして、難黒鉛化炭素に、導電剤として黒鉛、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を混合した粉末を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させた。この負極活物質22Bを、負極集電体21Bである厚さ10μmの銅箔の両側に均一に塗布した上で乾燥させ、これをロールプレスにより所定の密度となるように圧縮した。そして、負極活物質22Bが塗布された銅箔を、積層型電池1と形状的に対応した所定のサイズに切断することにより、負極板2Bを作製した。なお、この負極板2Bには、負極タブ(図示せず)を接合するために、負極活物質22Bを塗布してない領域が一方の短辺に設けられている。
第2に、負極板2Bが最外部となるように、負極板2Bと正極板2Aとの間にセパレータ2Cを挟みながら、正極板2Aと負極板2Bとを交互に積層して、電極積層体2を作製した。この際、正極板2Aの正極活物質22Aが塗布されていない領域を電極積層体2としての一方の短辺に揃え、また、負極板2Bの負極活物質22Bが塗布されていない領域を電極積層体2としての他方の短辺に揃えておく。各電極板2A,2Bの積層数は、所定の電池容量(例えば、2Ah)が得られるような値とする。セパレータ2Cとしては、厚さ25μmの微多孔性ポリエチレンフィルムを用いた。
また、各正極板2Aの正極活物質22Aが塗布されていない短辺に正極リード5を接合した上で、各正極板2Aに接合された正極リード群を厚さ100μmのアルミ製の正極タブ6に溶接した。また、各負極板2Bの負極活物質22Bが塗布されていない短辺に負極リードを接合した上で、各負極板2Bに接合された負極リード群を厚さ100μmのニッケル製の負極タブ7に溶接した。
さらに、一方の端部側に炭酸リチウムを塗布した厚さ20μmのアルミ箔製のリード部材8を用意し、このリード部材8の他方の端部を、各正極板2Aの正極活物質22Aが塗布されていない短辺に接続した。正極板2Aとリード部材8との接続部分には、炭酸リチウムは塗布されていない。
第3に、正極タブ6および負極タブ7と、リード部材8とが接続された電極積層体2を一対の金属複合フィルム3a,3bに収容した後、フィルム周囲を短辺側二辺と、長辺側一辺との計三辺をヒートシールにより溶着した。この際、金属複合フィルム3a,3bの短辺の一方から正極タブ6を外部に導出させるとともに、その短辺の他方から負極タブ7を外部に導出させる形状とした。さらに、リード部材8は、一対の金属複合フィルム3a,3bの溶着部4に挟み込み、ヒートシール時に同時に溶着した。金属複合フィルム3a,3bは、保護層13である厚さ15μmのナイロン層と、金属層10である厚さ40μmのアルミニウム合金層と、高分子樹脂層11である厚さ45μmのポリプロピレン樹脂層の三層構成のものを使用した。
第4に、一対の金属複合フィルム3a,3bの開口部(未溶着の長辺)より、電解液を注入した後、減圧した状態において、その開口部を溶着して積層型電池Aを作製した。電解液としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートおよびジエチルカーボネートの混合溶媒に、電解質塩としてLiPF6を1モル/リットル溶解したものを使用した。
(比較例)
表面に炭酸リチウムを塗布しなリード部材8を用いた点以外については、上述した実施例1の積層型電池Aと同様の構成の積層型電池Bを作製した。
実施例1の積層型電池Aと、比較例1の積層型電池Bとをそれぞれ10セルづつ作製し、各電池A,Bについて、7.5Aの定電流で1時間の過充電試験を行った。そして、各電池A,Bの状態を観察した。
実施例1の積層型電池Aおよび比較例の積層型電池Bともに発煙等は認められなかったが、試験中の積層型電池Bの温度が100℃以上まで上昇したのに対して、積層型電池Aの温度上昇は100℃未満であった。また、積層型電池Aは、積層型電池Bと比べて、溶着部4が開口するまでの時間が短かった。
このように、本実施形態の積層型電池1によれば、一対の金属複合フィルム3a,3bが互いに溶着された溶着部4において、これらのフィルム3a,3bの間に、過充電による正極電位の上昇を条件として電気的に分解する分解部材9が挟み込まれており、この分解部材9と正極板2Aとが導電性のリード部材8によって電気的に接続されている。そのため、過充電によって、正極電位が上昇した場合には、分解部材9が分解し、溶着部4における一対の金属複合フィルム3a,3bの間にクリアランスが形成される。これにより、積層型電池1の内圧が上昇した場合には、その箇所に応力が集中し、当該箇所が早期に開口されるため、電池内部のガスが開放されることとなる。そのため、電池の温度の上昇が抑制され、電池の自己発熱の開始を抑制することができる。
また、本実施形態では、リード部材8は、一方の端部が正極板2Aに接続されるとともに、他方の端部側が溶着部4における一対の金属複合フィルム3a,3bの間に挟み込まれている。そして、分解部材9は、このリード部材8において、溶着部4における一対の金属複合フィルム3a,3bの間に挟み込まれる領域に付着されている。これにより、正極電位が過剰に上昇すると、リード部材8に付着された分解部材9が分解し、溶着部4における一対の金属複合フィルム3a,3bの間にクリアランスが形成される。これにより、積層型電池1の内圧が上昇した場合には、その箇所に応力が集中し、早期に開口されるため、電池内部のガスが開放されることとなる。そのため、電池の温度の上昇が抑制され、電池の自己発熱の開始を抑制することができる。
また、本実施形態では、分解部材9は、炭酸リチウム、炭酸亜鉛、炭酸ストロンチウム、炭酸鉛および蓚酸リチウムのうちの少なくとも一種類から選択させる物質で構成されている。これらの物質は、過充電による正極電位の上昇によってその分解電位に到達するため、上述した作用および効果を奏することができる。また、分解部材9は、分解電位が4.5から5.5Vvs.Li/Li+の物質で構成されることが好ましく、これにより、上述した作用および効果を奏することができる。
さらに、本実施形態では、分解部材9は、溶着部4において、電極端子として正極板2Aに接続される正極タブ6が引き出される位置とは異なる部位に設けられている。また、リード部材8は、一方の端部が正極タブ6とは独立して正極板2Aに接続され、他方の端部が分解部材9に接続されている。これにより、このリード部材8を介して、正極板2Aから分解部材9に電圧が印加されるので、過充電時には、正極電位が過剰に上昇に応じて、この分解部材9が分解されることとなる。これにより、溶着部4にクリアランスが形成され、積層型電池1の内圧が上昇したと場合には、その箇所に応力が集中し、早期に開口されるため、電池内部のガスが開放されることとなる。そのため、電池の温度の上昇が抑制され、電池の自己発熱の開始を抑制することができる。
なお、本実施形態では、リード部材8を別個に設けて、分解部材9と正極板2Aとを電気的に接続したが、本発明はこれに限定されるものではない。分解部材9と正極板2Aとを電気的に接続することができるのであれば、リード部材8はどのようなものであってもよい。すなわち、分解部材9を、溶着部4において正極タブ6が引き出される部位に設けておけば、正極タブ6自信をリード部材8として用いることができる。これにより、上述した別個のリード部材8を設ける手法と、同様の作用および効果を奏する。
本実施形態に係る積層型電池1の外観を示す平面図である。 積層型電池1の外観を示す側面図である。 図2に示す波線Aによって囲まれる領域の断面図である。 図3に示す波線Bによって囲まれる領域(電極積層体2)の断面図である。 図1に示す波線Cによって囲まれる領域の断面図である。 図3に示す波線Dによって囲まれる領域の断面図である。
符号の説明
1 積層型電池
2 電極積層体
3 電池外装
3a 金属複合フィルム
3b 金属複合フィルム
4 溶着部
5 正極リード
6 正極タブ
7 負極タブ
8 リード部材
9 分解部材
10 金属層
11 高分子樹脂層
12 接着層
13 保護層
14 樹脂フィルム

Claims (7)

  1. 正極板と負極板とがセパレータを介して交互に複数積層されて構成される発電要素を有する積層型電池において、
    外装部材が互いに溶着され、前記発電要素とともに電解液を密封して収納する電池外装と、
    前記外装部材が互いに溶着された溶着部において前記外装部材の間に挟み込まれており、過充電による正極電位の上昇を条件として電気的に分解する分解部材と、
    導電性を有し、前記正極板と前記電気分解部とを電気的に接続するリード部材と
    を有することを特徴とする積層型電池。
  2. 前記リード部材は、一方の端部が前記正極板に接続されるとともに、他方の端部側が前記溶着部における外装部材の間に挟み込まれており、
    前記分解部材は、前記リード部材において、前記外装部材の間に挟み込まれる領域に付着されていることを特徴とする請求項1に記載された積層型電池。
  3. 前記分解部材は、炭酸リチウム、炭酸亜鉛、炭酸ストロンチウム、炭酸鉛および蓚酸リチウムのうちの少なくとも一種類から選択される物質で構成されることを特徴とする請求項1または2に記載された積層型電池。
  4. 前記分解部材は、分解電位が4.5から5.5Vvs.Li/Li+の物質で構成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載された積層型電池。
  5. 前記分解部材は、前記溶着部において、電極端子として前記正極板に接続される正極タブが引き出される位置とは異なる部位に設けられおり、
    前記リード部材は、一方の端部が前記正極タブとは独立して前記正極板に接続され、他方の端部が前記分解部材に接続されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載された積層型電池。
  6. 前記分解部材は、前記溶着部において、電極端子として前記正極板に接続される正極タブが引き出される部位に設けられおり、
    前記リード部材は、前記正極タブであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載された積層型電池。
  7. 外装部材が互いに溶着され、正極板と負極板とがセパレータを介して交互に複数積層されて構成される発電要素が電解質とともに収納された積層型電池において、
    前記外装部材が互いに溶着される溶着部において前記外装部材の間に挟み込まれた分解部材が、前記正極板と電気的に接続されており、過充電による正極電位の上昇を条件とし前記分解部材が電気的に分解することにより、前記溶着部における外装部材の間にクリアランスを形成することを特徴とする積層型電池。
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