JP2005166353A - 二次電池、組電池、複合組電池、車輌、及び、二次電池の製造方法 - Google Patents

二次電池、組電池、複合組電池、車輌、及び、二次電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】長寿命化及び高出力化を図ることが可能な二次電池を提供する。
【解決手段】二次電池10は、正極活物質を含む正極層102b、102c、及び、当該正極層102b、102cが両主面に形成された正極側集電体102aを有する正極板102と、負極活物質を含む負極層104b、104c、及び、当該負極層104b、104cが両主面に形成された負極側集電体104aを有する負極板104とが、セパレータ103を介して交互に積層された電極積層体を少なくとも備え、第1の正極層102b及び第1の負極層104bに、該電極層102b、104bの他の部分より盛り上がった盛上部102d、104dが形成されており、正極板102は、第1の正極層102bに形成された盛上部102dが、第2の正極層102cに対してずれるように形成されていると共に、負極板104は、第1の負極層104bに形成された盛上部104dが、第2の負極層104cに対してずれるように形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、電極活物質を含む電極合剤が集電体の両主面に塗布されて形成された電極板を、セパレータを介して積層した電極積層体を備えた二次電池に関する。
従来から、電極活物質を含む電極層が集電体の両主面に形成された電極板をセパレータを介して積層した電極積層体と、当該電極積層体に接続された電極端子とを外装部材に収容して封止すると共に、当該外装部材の外周縁から電極端子の一部を導出させた薄型の二次電池が知られている。このような二次電池の電極板の電極層は、電極活物質を含んだ電極合剤を集電体の主面に間欠的に塗布して形成されているため、当該電極層の塗布開始端が盛り上がっている(例えば、特許文献1参照)。
一般的に、薄型の二次電池では、電極積層体に対して出来る限り均一な面圧を印加して、電極板間の距離のバラツキを抑制する必要がある。しかしながら、上記のような盛上部を有する電極板を積層して電極積層体を形成すると、当該電極積層体の端部が盛り上がって平面度が低下するために、当該電極積層体に対して均一な面圧を印加することが出来ず、電極板間の距離にバラツキが生じ、二次電池の長寿命化や高出力化を図ることが出来ない。
特開2001−351610号公報
本発明は、長寿命化及び高出力化を図ることが可能な二次電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、電極活物質を含む電極層と、前記電極層が両主面に形成された集電体とを有する電極板を、セパレータを介して積層した電極積層体を少なくとも備え、前記集電体の主面に形成された少なくとも一方の前記電極層に、該電極層の他の部分より盛り上がった盛上部が形成された二次電池であって、前記電極板は、前記少なくとも一方の電極層に形成された前記盛上部が、前記集電体の主面に形成された他方の前記電極層に対してずれるように形成されている二次電池が提供される。
本発明では、電極板の集電体の主面に形成された少なくとも一方の電極層に、当該電極層の他の部分より盛り上がった盛上部が形成された二次電池において、当該少なくとも一方の電極層に形成された盛上部を、当該集電体の主面に形成された他方の電極層に対してずらして電極板を形成する。
このように、当該少なくとも一方の電極層に形成された盛上部を、集電体の他方の主面に形成された電極層に対してオフセットさせることにより、この盛上部を有する電極板を積層して電極積層体を構成した際に、この盛上部の盛り上がりが、集電体の他方の主面において電極層が形成されていない部分により相殺される。これにより、盛上部による電極積層体の盛り上がりが抑制され平面度が向上するので、当該電極積層体に対して実質的に均一な面圧を印加して電極板間の距離を実質的に均一とすることが出来、二次電池の長寿命化及び高出力化を図ることが可能となる。
また、上記目的を達成するために、本発明によれば、電極活物質を含む電極合剤を集電体の両主面に塗布して電極板を形成するステップと、セパレータを介して前記電極板を積層して電極積層体を形成するステップと、を少なくとも備えた二次電池の製造方法であって、前記電極板を形成するステップにおいて、前記集電体の少なくとも一方の主面に塗布された前記電極合剤の塗布開始端が、前記集電体の他方の主面に塗布された前記電極合剤の塗布終了端に対して相対的に外側に位置するように前記電極板を形成する二次電池の製造方法が提供される。
本発明では、二次電池の製造方法において、集電体の少なくとも一方の主面に塗布された電極合剤の塗布開始端を、当該集電体の他方の主面に塗布された電極合剤の塗布終了端に対して相対的に外側に位置するように、集電体の両主面に電極合剤を塗布して電極板を形成する。
これにより、当該集電体の少なくとも一方の主面において電極合剤の塗布開始端が盛り上がって形成されても、この盛上部が、当該集電体の他方の主面に塗布された電極合剤に対してオフセットされるため、塗布開始端が盛り上がった電極板を積層して電極積層体を構成しても、当該電極積層体の端部が盛り上がらずに平面度が向上し、電極積層体に対して実質的に均一な面圧を印加して電極板間の距離を実質的に均一にすることが出来るので、長寿命化及び高出力化が図られた二次電池を容易に製造することが可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施形態に係る二次電池の全体の平面図、図2は図1のII-II線に沿った二次電池の断面図、図3は図1に示す二次電池の電極積層体の分解断面図である。図1及び図2は一つの二次電池(単位電池)を示し、この二次電池10を複数積層して接続することにより所望の電圧、容量の組電池が構成される。
先ず、本発明の実施形態に係る二次電池10について説明すると、この二次電池10は、リチウム系の薄型の二次電池であり、図1及び図2に示すように、3枚の正極板102、6枚のセパレータ103、及び、4枚の負極板104を有する電極積層体101と、当該電極積層体101にそれぞれ接続された正極端子105および負極端子106と、これら電極積層体101及び電極端子105、106を収容して封止している上部外装部材107及び下部外装部材108と、特に図示しない電解質とから構成されている。
電極積層体101を構成する3枚の正極板102は、図2及び図3に示すように、正極端子105まで伸びている正極側集電体102aと、この正極側集電体102aの一部の両主面にそれぞれ形成された正極層102b、102cとを有している。なお、説明の便宜上、図3には2枚の正極板102、4枚のセパレータ103、及び、2枚の負極板104しか図示していない。
この正極板102の正極側集電体102aは、例えば、厚さ20μm程度のアルミニウム箔、アルミニウム合金箔、銅箔、又は、ニッケル箔等の電気化学的に安定した金属箔である。
この正極板102の正極層102b、102cは、金属酸化物等の正極活物質と、カーボンブラック等の導電剤と、ポリ四フッ化エチレンの水性ディスパージョン等の接着剤とを混合した正極合剤を、正極側集電体102aの一部の主面に塗布し、乾燥及び圧延することにより形成されている。正極活物質としては、例えば、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)、又は、コバルト酸リチウム(LiCoO)等のリチウム系複合酸化物や、カルコゲン(S、Se、Te)化物等を挙げることが出来る。これらの材質は、二次電池内部の発熱を比較的放散し易く、二次電池において発熱による膨張に伴う応力を抑制することが出来るので、特に本実施形態のような薄型の二次電池には特に有効である。
また、図3に示すように、正極側集電体102aの上側の主面に形成された第1の正極層102bの一方の端部には、当該第1の正極層102bの他の部分より盛上量t[C]分盛り上がった盛上部102dが形成されている。この盛上部102dは、正極側集電体102aの上側の主面の一部に正極合剤を塗布した際に、その塗布開始端に形成された盛り上がりであり、これに対し、正極合剤の塗布終了端である他方の端部は盛り上がっていない。また、正極側集電体102aの下側の主面に形成された第2の正極層102cは、後述するように、当該第2の正極層102cを形成後に塗布開始端が切断されているために盛上部が形成されていない。
そして、この正極板102は、正極側集電体102aの上側の主面に形成された第1の正極層102bの塗布開始端が、当該下側の主面に形成された第2の正極層102cの塗布終了端に対して相対的に距離D[C]分外側に位置するように、即ち、第1の正極層102bの盛上部102dが、第2の正極層102cに対してズレ量D[C]分ずれるように、正極側集電体102aの両主面に正極層102b、102cが形成されている。
電極積層体101を構成する4枚の負極板104は、図2及び図3に示すように、負極端子106まで伸びている負極側集電体104aと、当該負極側集電体104aの一部の両主面にそれぞれ形成された負極層104b、104cとを有している。
この負極板104の負極側集電体104aは、例えば、厚さ10μm程度のニッケル箔、銅箔、ステンレス箔、又は、鉄箔等の電気化学的に安定した金属箔である。
この負極板104の負極層104b、104cは、例えば、非晶質炭素、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、又は、黒鉛等のような上記の正極活物質のリチウムイオンを吸蔵及び放出する負極活物質に、有機物焼成体の前駆体材料としてのスチレンブタジエンゴム樹脂粉末の水性ディスパージョンを混合し、乾燥させた後に粉砕することで、炭素粒子表面に炭化したスチレンブタジエンゴムを担持させたものを主材料とし、これにアクリル樹脂エマルジョン等の結着剤をさらに混合した負極合剤を、負極側集電体104aの一部の両主面に塗布し、乾燥及び圧延することにより形成されている。
特に、負極活物質として非晶質炭素や難黒鉛化炭素を用いると、充放電時における電位の平坦特性に乏しく、放電量に伴って出力電圧も低下するので、通信機器や事務機器の電源には不向きであるが、電気自動車の電源として用いると急激な出力低下がないので有利である。
また、図3に示すように、負極側集電体104aの上側の主面に形成された第1の負極層104bの一方の端部には、当該負極層104bの他の部分より盛上量t[A]分盛り上がった盛上部104dが形成されている。この盛上部104dは、負極側集電体104aの上側の主面の一部に負極合剤を塗布した際に、その塗布開始端に形成された盛り上がりであり、これに対し、負極合剤の塗布終了端である他方の端部は盛り上がっていない。また、負極側集電体104aの下側の主面に形成された第2の負極層104cは、後述するように、当該第2の負極層104cを形成後に塗布開始端が切断されているために盛上部が形成されていない。
そして、この負極板104は、負極側集電体104aの上側の主面に形成された第1の負極層104bの塗布開始端が、当該下側の主面に形成された第2の負極層104cの塗布終了端に対して相対的に距離D[A]分外側に位置するように、即ち、第1の負極層104bの盛上部104dが、第2の負極層104cに対してズレ量D[A]分ずれるように形成されている。
電極積層体101の6枚のセパレータ103は、上述した正極板102と負極板104との短絡を防止するもので、電解質を保持する機能を備えても良い。このセパレータ103は、例えば、厚さ25μm程度のポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン等から構成される微多孔性膜であり、過電流が流れると、その発熱によって、層の空孔が閉塞され、電流を遮断する機能をも有する。
なお、本発明のセパレータは、ポリオレフィン等の単層膜のみに限られず、ポリプロピレン膜をポリエチレン膜でサンドイッチした三層構造や、ポリオレフィン微多孔膜と有機不織布等を積層したものを用いることも出来る。セパレータを複層化することで、過電流の防止機能、電解質保持機能及びセパレータの形状維持(剛性向上)機能などの諸機能を付与することが出来る。
以上の電極積層体101は、図2に示すように、最上層及び最下層に負極板104がそれぞれ位置するように、セパレータ103を介して、正極板102と負極板104とが交互に積層されており、図2に示すようにその中央部付近で高さHを有すると共に、図1に示すように全体として幅Wを有している。
この積層の際、上述のように第1の正極層102bに形成された盛上部102dが第2の正極層102cに対してオフセットされているので、当該盛上部102dが、正極側集電体102aにおいて第2の正極層102cが形成されていない部分で相殺される。つまり、第1の正極層102b、第2の正極層102c、及び、正極側集電体102aの厚み寸法の合計がほぼ均一となる。
同様に、第1の負極層104bに形成された盛上部104dが第2の負極層104cに対してオフセットされているので、当該盛上部104dが、負極側集電体104aにおいて第2の負極層104cが形成されていない部分で相殺される。つまり、第1の負極層104b、第2の負極層104c、及び、負極側集電体104aの厚み寸法の合計がほぼ均一となる。
これにより、盛上部102d、104dが形成された電極板102、104を用いて電極積層体101を構成しても、当該電極積層体101が盛り上がることがないので、電極積層体101の平面度が向上し、二次電池10に実質的に均一な面圧を印加することが可能となる。
そして、3枚の正極板102は、正極側集電体102aを介して、金属箔製の正極端子105にそれぞれ接続される一方で、4枚の負極板104は、負極側集電体104aを介して、同じく金属箔製の負極端子106にそれぞれ接続されている。
なお、電極積層体101の正極板102、セパレータ103、及び、負極板104は、本発明では上記の枚数に何ら限定されず、例えば、1枚の正極板102、2枚のセパレータ103、及び、2枚の負極板104でも当該電極積層体101を構成することが出来、必要に応じて正極板、セパレータ及び負極板の枚数を選択して構成することが出来る。
ここで、上述の正極板102及び負極板104におけるズレ量D[C]、D[A]は以下の式(1)を満たすように設定されている。
ΔV[1]>ΔV[2] … 式(1)
但し、上記の式(1)において、ΔV[1]は、ΔV[1A]=t[A]×N[A]×W×(L−D[C]−D[A])、又は、ΔV[1C]=t[C]×N[C]×W×(L−D[C]−D[A])の何れか大きい方の値であり、ΔV[2]は、ΔV[2]=(D[C]+D[A])×H×Wであり、N[A]は負極板104の積層枚数、N[C]は正極板102の積層枚数、Lは盛上部104dが形成された第1の負極層104bの長さである。
上記の式(1)において、左辺のΔV[1]は、盛上部102d、104dをずらさないで構成した従来構造の二次電池における、盛上部102d、104dによる高さ方向への体積の増加分を表現しており、盛上量t[A]又はt[C]による高さの増加分(t[A]×N[A]又はt[C]×N[C])と、電極積層体101の幅Wと、盛上部102d、104dをずらしていない電極積層体101の長さ(L−D[C]−D[A])とで算出される。なお、このΔV[1]は、二次電池を積層して組電池を構成した場合における当該組電池内での二次電池による占有体積を考慮して、厳密な二次電池の体積の増加分を表しているのではなく、盛上部102d又は104dによる高さ方向の増加分のうちで大きい方を収容することが可能な直方体の体積として表現されている。
これに対し、右辺のΔV[2]は、盛上部102d、104dをずらして構成した本実施形態に係る二次電池10における、ズレ量D[A]、D[C]による長さ方向の体積の増加分を表現しており、ズレ量D[A]、D[C]による長さの増加分と、電極積層体101の中央付近における高さHと、電極積層体101の幅Wとから算出される。
従って、上記の式(1)を満たすように、正極板102及び負極板104におけるズレ量D[C]、D[A]を設定することにより、盛上部102d、104dをずらして二次電池10を構成しても寧ろその体積が減少することとなる。
正極端子105も負極端子106も電気化学的に安定した金属箔であれば特に限定されないが、正極端子105としては、例えば、厚さ0.2mm程度のアルミニウム箔、アルミニウム合金箔、銅箔、又は、ニッケル箔等を挙げることが出来る。また、負極端子106としては、例えば、厚さ0.2mm程度のニッケル箔、銅箔、ステンレス箔、又は、鉄箔等を挙げることが出来る。これらの金属は、金属の抵抗値、線膨張係数、抵抗率において、二次電池の構成要素として適当であり、二次電池において発熱による膨張に伴う応力を適切に抑制することが出来るので、特に本実施形態のような薄型の二次電池には特に有効である。
なお、本実施形態では、電極板102、104の集電体102a、104aを構成する金属箔自体を電極端子105、106まで延長することにより、電極板102、104を電極端子105、106に直接接続しているが、電極板102、104の集電体102a、104aと、電極端子105、106とを、集電体102a、104aを構成する金属箔とは別の材料や部品により接続しても良い。
以上のように構成されている電極積層体101は、上部外装部材107、下部外装部材108に収容されて封止されている。本実施形態における上部外装部材107は、図2に示すように、その外形が電極積層体101を収容する凸部を設けたカップ形状となっており、これに対し、下部外装部材108は、同図に示すように、その外形が平板形状となっている。そして、上部外装部材107及び下部外装部材108は何れも、特に図示しないが、二次電池10の外側に向かって、例えば、ポリエチレン、変性ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリプロピレン、又は、アイオノマー等の耐電解液性及び熱融着性に優れた樹脂フィルムから構成されている内側層と、例えば、アルミニウム箔等の金属箔から構成されている中間層と、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等の電気絶縁性に優れた樹脂フィルムで構成されている外側層と、の3層構造となっている。従って、上部外装部材107及び下部外装部材108の何れも、金属箔の一方の面(二次電池10の内側面)を耐電解液性及び熱融着性に優れた材料でラミネートし、他方の面(二次電池10の外側面)を電気絶縁性に優れた材料でラミネートした、例えば、厚さ125μm程度の可撓性を有する樹脂−金属薄膜ラミネート材で構成されている。
このように、外装部材が樹脂層に加えて金属層を具備することにより、外装部材自体の強度向上を図ることが可能となる。また、外装部材の内側層を、例えば、ポリエチレン、変性ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリプロピレン、又は、アイオノマー等の合成樹脂材料で構成することにより、金属製の電極端子との良好な融着性を確保することが可能となる。
なお、外装部材を構成する層数は上記に限定されず、必要とされる層数を適宜設定することが可能である。また、本実施形態では、外装部材として、凸形状に予め成形した上部外装部材106と、平板状の下部外装部材107とを用いたが、本発明では特にこれに限定されず、例えば、予め凸形状に成形したものを上部外装部材及び下部外装部材に用いても良い。さらに、図1及び図2に示すように、封止された外装部材107、108の一方の端部から正極端子105が導出し、当該他方の端部から負極端子106が導出するが、電極端子105、106の厚さ分だけ上部外装部材107と下部外装部材108との間に隙間が生じるので、二次電池10の内部の封止性を維持するために、電極端子105、106と外装部材107、108とが接触する部分に、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等から構成されたシールフィルムを介在させても良い。このシールフィルムは、正極端子105及び負極端子106の何れの側においても、外装部材107、108の内側層と同系統の合成樹脂材料で構成することが熱融着性の観点から好ましい。また、本実施形態では、図1に示すように、二次電池10の外装部材107、108の対向する短辺から正極端子105及び負極端子106がそれぞれ導出しているが、本発明では特にこれに限定されず、例えば、当該外装部材107、108の同一の短辺から正極端子及び負極端子が同方向に向かって導出するように構成しても良い。
これらの外装部材107、108によって、上述した電極積層体101と、電極端子105、106の一部とを包み込み、当該外装部材107、108により形成される空間に、液体電解質を注入しながら、前記空間内を吸引して真空状態とした後に、図1に示すように、外装部材107、108を熱融着して封止する。液体電解質の溶質としては、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、過塩素酸リチウム(LiClO)、ホウフッ化リチウム(LiBF)等のリチウム塩を挙げることが出来る。また、この液体電解質の有機液体溶媒としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジメチルカーボネート(DMC)等のエステル系溶媒を挙げることが出来るが、本発明の有機液体溶媒は特にこれに限定されることなく、エステル系溶媒に、γ−ブチラクトン(γ−BL)、ジエトシキエタン(DEE)等のエーテル系溶媒その他を混合、調合した有機液体溶媒を用いることも出来る。
上述のような構造の二次電池の製造方法について以下に説明する。
図4は本発明の実施形態における電極合剤の塗布工程を示す斜視図、図5は本発明の実施形態における電極合剤の塗布工程の詳細な要部断面図、図6は本発明の実施形態における電極板の切断工程を示す斜視図である。
この二次電池10の製造方法では、先ず、正極板102と負極板104とを形成する。
この正極板102は、図4に示すように、正極側集電体102aと成る帯状の金属箔40を供給用ロール50から巻取用ロール60に移送しながら、例えば、ドクターブレード等を用いて、当該金属箔40の上側面に正極合剤を間欠的に塗布して乾燥させて、第1の正極層102bを形成する。そして、所定量の正極合剤を塗布した後に、図5に示すように、金属箔40の反対面にも正極合剤を塗布して乾燥させて第2の正極層102cを形成する。なお、この塗布工程において、第1の正極層102bの塗布開始端に、当該第1の正極層102bの他の部分より盛上量t[c]分盛り上がった盛上部102dが形成され、また、第2の正極層102cの塗布開始端に、当該第2の正極層102cの他の部分より盛り上がった盛上部102eが形成される。
この第2の正極層102cを形成する際に、図5に示すように、当該第2の正極層102cの正極合剤の塗布終了端を、第1の正極層102bの塗布開始端102dより当該第2の塗布開始端に対して距離D[C]分近づけるようにして、金属箔40に正極合剤を塗布する。
次に、両面に正極層102b、102cが形成された金属箔40を圧延して、正極層102b、102cを所定の厚みに調整すると共に、金属箔40に対する当該正極層102b、102cの密着性を向上させる。因みに、この圧延工程において強く加圧すると、上述の正極層102bの端部に形成された盛上部102dにより金属箔40が切れるおそれがあるので、この圧延により塗布開始端の盛り上がりをなくす程の強い加圧力を印加することは出来ない。
次に、図6に示すように、両主面に正極層102b、102cが形成された金属箔40を正極側集電体102aの寸法に切断して正極板102を形成する。なお、上述の塗布工程では正極層102b、102cの寸法精度にバラツキがあるので、この切断工程において、第2の正極層102cの盛上部102eを含む端部を切断して(図5の破線部参照)、正極層102b、102cの寸法を調整する。
同様に、負極層104も、特に図示しないが、負極側集電体104aと成る帯状の金属箔を供給用ロールから巻取用ロールに移送しながら、例えば、ドクターブレード等を用いて、当該金属箔の上側面に負極合剤を間欠的に塗布して乾燥させて第1の負極層104bを形成する。その後、当該金属箔の反対面に、第2の負極層104cにおける塗布終了端を、第1の負極層104bの塗布開始端102dより当該第2の負極層104cの塗布開始端に対して距離D[A]分近づけるようにして、負極合剤を塗布して乾燥させて第2の負極層104cを形成する。なお、この塗布工程において、第1の負極層104bの塗布開始端に、当該第1の負極層104bの他の部分より盛上量t[A]分盛り上がった盛上部104dが形成され、また、第2の負極層104cの塗布開始端に、当該第2の負極層104cの他の部分より盛り上がった盛上部(不図示)が形成される。
次に、両面に負極層104b、104cが形成された金属箔を圧延した後に、負極側集電体104aの寸法に切断して負極層104を形成する。なお、上述の塗布工程では負極層104b、104cの寸法精度にバラツキがあるので、この切断工程において、第2の負極層104cの盛上部を含む端部を切断して負極層104b、104cの寸法を調整する。
次に、図3に示すように、このように形成された正極板102と負極板104とを、セパレータ103を介して交互に積層して電極積層体101を形成する。
このように積層された電極積層体101では、正極板102の第1の正極層102bの塗布開始端が、第2の正極層102cの塗布終了端に対して相対的に距離D[C]分外側に位置していると共に、負極板104の第1の負極層102bの塗布開始端が、第2の負極層104cの塗布終了端に対して相対的に距離D[A]分外側に位置しているので、第1の電極層102b、104bの塗布開始端に盛上部102d、104dが形成されていても、当該盛上部102d、104dが第2の電極層102c、104cに対してオフセットされるため、電極積層体101の端部が盛り上がらずに平面度が向上する。
次に、この電極積層体101から一方の方向に導出している各正極側集電体102aを、例えば溶接により、正極端子105に接合すると共に、当該電極積層体101から他方の方向に導出している各負極端子104aを、例えば溶接等により、負極端子106に接合する。
次に、外装部材107、108の外周縁から電極端子105、106の一部を導出させながら、予め成形された上部外装部材107の凸部に電極積層体101を収容して、さらにその上を下部外装部材108で覆い、上部外装部材107及び下部外装部材108の一辺を残して他の3辺を熱融着する。
次に、未だ熱融着されていない外装部材107、108の一辺から液体電解質を注入しながら、この外装部材107、108により形成される空間内を吸引して真空状態とした後に、当該一辺を熱融着して封止する。
以下に、上述の実施形態に係る二次電池を複数組み合わせることにより構成される組電池、及び、当該組電池を複数組み合わせることにより構成される複合組電池について説明する。
図7(A)及び(B)は本発明の実施形態に係る複数の二次電池の接続構造を示す平面図であり、図7(A)は並列接続を示し、図7(B)は比較のための直列接続を示す図、図8(A)及び(B)は本発明の実施形態に係る複数の二次電池の他の接続構造を示す図であり、図8(A)は並列接続を示し、図8(B)は比較のための直列接続を示す図、図9(A)〜(C)は本発明の実施形態に係る複数の二次電池により構成される組電池を示す図であり、図9(A)はその平面図、図9(B)はその正面図、図9(C)はその側面図、図10は本発明の実施形態に係る複数の組電池により構成される複合組電池の斜視図、図11(A)は図10に示す複合組電池の平面図、図11(B)はその正面図、図11(C)はその側面図、図12は、図10に示す複合組電池を搭載した車輌の模式図である。
先ず、2つの二次電池10を電気的に接続した際に、外部からの振動等により印加される外力に対して強い構造を付与する2通りの接続構造について説明する。
外力に対して強い構造を付与する一つ目の接続構造は、図7(A)に示すように、第1の二次電池10aの正極端子105と、第2の二次電池10bの正極端子105とが同一方向に導出するような方向で、第1の二次電池10aと第2の二次電池10bとを実質的に同一平面上に並置させる。そして、第1の二次電池10aの正極端子105と、第2の二次電池10bの正極端子105とを、第1のバスバー21aにより電気的に接続する。また、第1の二次電池10aの負極端子106と、第2の二次電池10bの負極端子106とを、第2のバスバー21bにより電気的に接続する。このように、2つの二次電池の同極端子同士をバスバーにより接続してリンク構造とすることにより、外部からの振動等による外力が各二次電池に同位相で印加されるため、各二次電池に生じる捻れに対して強い構造となっている。
これに対し、図7(B)に示すように、第1の二次電池10aの正極端子105と第2の二次電池10bの負極端子106とが同一方向に導出するような方向で、第1の二次電池10aと第2の二次電池10bを実質的に同一平面上に並置し、当該第1の二次電池10aの正極端子105と、第2の二次電池10bの負極端子106とを電気的に接続せずに、第1の二次電池10aの負極端子106と第2の二次電池10bの正極端子105とを第2のバスバー21bにより電気的に接続して、第1及び第2の二次電池10a、10bを直列接続とした場合には、非リンク構造であるため、外部からの振動等による外力が各二次電池に独立して印加され、上記の並列接続の場合と比較して捻れに弱い構造となっている。
二つ目の接続構造は、図8(A)に示すように、第1の二次電池10aの正極端子105と、第2の二次電池10bの正極端子とが同一方向に導出するような方向で、第1の二次電池10aの上に第2の二次電池10bを積層する。そして、第1の二次電池10aの正極端子105と第2の二次電池10bの正極端子105とを溶着して電気的に接続し、同様に、第1の二次電池10aの負極端子106と第2の二次電池10bの負極端子106とを溶着して電気的に接続する。このように、2つの二次電池の同極端子同士を接続してリンク構造とすることにより、外部からの振動等による外力が各二次電池に同位相で印加されるため、各二次電池に生じる捻れに対して強い構造となっている。
これに対し、図8(B)に示すように、第1の二次電池10aの正極端子105と第2の二次電池10bの負極端子106とが同一方向に導出するような方向で、第1の二次電池10aの上に第2の二次電池10bを積層し、当該第1の二次電池10aの正極端子105と第2の二次電池10bの負極端子106とを電気的に接続せずに、第1の二次電池10aの負極端子106と第2の二次電池10bの正極端子105とを溶着して電気的に接続した場合には、非リンク構造であるため、外部からの振動等による外力が各二次電池に独立して印加され、上記の並列接続の場合と比較して捻れに弱い構造となっている。
図9(A)〜(C)は、例えば、上述の2通りの接続構造を用いて並列接続された24個の二次電池10から構成される組電池20を示す。この組電池20は、24個の二次電池10と、組電池用端子22、23と、組電池用カバー25とから構成されている。特に図示しないが、各二次電池10の各電極端子105、106の間は、上述の接続構造に従って、バスバー21a、21bにより並列接続されており、さらに、各正極端子105を接続する第1のバスバー21aは、組電池用カバー25から導出している組電池用端子22に接続されている。同様に、各負極端子106を接続する第2のバスバー21bは、組電池用カバー25から導出している組電池用端子23に接続されている。このように接続された24個の二次電池10が組電池用カバー25の内部に収容されており、組電池20のカバー25と当該組電池20の他の構成要素との間に形成されている空間には充填剤24が充填されて封止されている。さらに、後述する複合組電池として組電池20が積層された際に、当該組電池20同士の振動の伝達を極力低減させるために、組電池用カバー25の下面四隅に外部弾性体26が取り付けられている。
図10及び図11(A)〜(C)は、図9(A)〜(C)に示す組電池20を電気的に接続した6個の組電池20から構成される複合組電池30を示す。図10及び図11(A)〜(C)に示すように、この複合組電池30は、組電池の端子22、23がそれぞれ同一方向に向くように積層されている。即ち、m段目に位置する組電池20の端子22、23と、m+1段目に位置する組電池20の端子22、23とが同一方向に向くように、m段目の組電池20の上に、m+1段目の組電池20が積層されている(m:自然数)。そして、同一方向に向いた全ての組電池20の組電池用正極端子22が、当該複合組電池30と外部とを接続する外部接続用正極端子31に電気的に接続されている。同様に、同一方向を向いた全ての組電池20の組電池用負極端子23が外部接続用負極端子32に電気的に接続されている。同図に示すように、外部接続用正極端子31は、略矩形の平板形状を有しており、組電池用正極端子22を挿入或いは圧入可能な直径を有する複数の端子接続用孔が加工されている。当該端子接続用孔は、積層された組電池20の組電池用正極端子22同士のピッチに実質的に等しいピッチで加工されており、外部接続用負極端子32にも同様の端子接続用孔が加工されている。そして、上述のように積層された6個の組電池20は、その両側側面部に平板状の連結部材34で連結され、さらに固定ネジ35により締結されている。なお、特に図示しないが、電池内部にガスが発生した際に電極板とセパレータとの間にガスが留まる事によって電池の出力が低下する事を防止するため、組電池20や複合組電池30を上下方向から加圧する、例えば、板状の加圧部材を設けることが好ましい。
以上のように、所定の数の二次電池を単位として組電池を構成し、さらに当該組電池を単位として並列及び/又は直列接続して複合組電池を構成することにより、要求される容量、電圧等に適当な複合組電池を容易に得ることが可能となる。
また、複雑な接続を伴うことなく複合組電池を構成することが出来るので、接続不良等による複合組電池の故障率を低減させることが可能となる。
さらに、複合組電池を構成する一部の二次電池が故障或いは劣化し、当該二次電池の交換を必要とする場合、当該故障等した二次電池が組み込まれた組電池のみを交換することにより、複合組電池を容易に修復することが可能となる。
さらに、上述のような盛上部をずらした本実施形態に係る二次電池では、電極積層体の端部が盛り上がっておらず、当該二次電池の厚みのバラツキが少ないので、このような二次電池を複数用いて組電池や複合組電池を構成すると、組電池や複合組電池の体積のバラツキを低減することが可能となる。
図12は、例えば、電気自動車等の車輌1のフロア下に上述の複合組電池30を搭載した例を示す模式図である。振動等が外部から比較的多く印加される電気自動車等の車輌に、上述のように故障率が低く、交換容易性に優れた組電池や複合組電池を用いることは特に有効である。
以上のように、本実施形態に係る二次電池では、一方の電極層に形成された盛上部を、集電体の他方の主面に形成された電極層に対してずらしてオフセットさせることにより、盛上部による電極積層体の盛り上がりが抑制され平面度が向上するので、当該電極積層体に対して実質的に均一な面圧を印加して電極板間の距離を実質的に均一とすることが出来、二次電池の長寿命化及び高出力化を図ることが可能となる。
また、本実施形態に係る二次電池では、上記の式(1)を満たすように、正極板及び負極板におけるズレ量を設定することにより、盛上部をずらして二次電池を構成してもその体積を減少させることが可能となり、体積当たりのエネルギー密度及び出力密度を向上させることが可能となる。
さらに、本実施形態に係る二次電池では、盛上部をずらすことにより電極積層体の端部が盛り上がっておらず、二次電池の厚みのバラツキが少ないので、当該二次電池を複数用いて組電池や複合組電池の体積のバラツキを低減することが可能となる。
また、本実施形態に係る二次電池の製造方法では、集電体の一方の主面に塗布された電極合剤の塗布開始端を、当該集電体の他方の主面に塗布された電極合剤の塗布終了端に対して相対的に外側に位置するように、集電体の両主面に電極合剤を塗布して電極板を形成することにより、当該塗布開始端に形成された盛上部が、他方の主面に塗布された電極合剤に対してオフセットされるため、電極積層体の平面度が向上し、当該電極積層体に対して実質的に均一な面圧を印加して電極板間の距離を実質的に均一にすることが出来るので、長寿命化及び高出力化が図られた二次電池を容易に製造することが可能となる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。例えば、上述の実施形態では、集電体の主面に形成された一方の電極層のみに盛上部が形成されているように説明したが、本発明では特にこれに限定されず、集電体の主面に形成された両方の電極層に盛上部が形成されていても良い。
以下、本発明をさらに具体化した実施例及び比較例により本発明の効果を確認した。以下の実施例は、上述した実施形態で用いた薄型電池の効果を確認するためのものである。
実施例1
実施例1の二次電池は、厚さ20μmのアルミニウム箔の両主面に正極合剤を塗布した、第1の正極層の長さ200mm、第2の正極層の長さ198mm、及び、総厚0.09mmの13枚の正極板と、厚さ10μmの銅箔の両主面に負極合剤を塗布した、第1の負極層の長さ204mm、第2の負極層の長さ202mm、及び、総厚0.09mmの13枚の負極板と、0.025mmのセパレータとを図2及び図3に示すように積層して作製した。この実施例1の二次電池では、正極板及び負極板におけるズレ量を何れも2mmに設定した。実施例1において作製した二次電池の作製条件を表1に示す。
Figure 2005166353
この実施例1の二次電池について、電極積層体の平面度の測定と、二次電池の体積比率の測定を行った。電極積層体の平面度の測定は、電極積層体の最上層及び最下層に対応した上部外装部材及び下部外装部材の表面部位の平面度を測定した。また、二次電池の体積比率率の測定は、電極端子を除く二次電池を収容可能な最小の直方体の体積を算出し、同様の要領で算出した比較例の二次電池の体積と比較することにより算出した。
この結果、表2に示すように実施例1における平面度の測定では、対応する外装部材の表面部位がほぼ平坦となっていた。また、実施例1における体積比率の測定では、比較例1の二次電池の体積と比較して2.7%程度低減していた。
Figure 2005166353
実施例2
実施例2の二次電池は、第1の正極層の長さを202mm、第1の負極層の長さを208mm、及び、第2の負極層の長さを204mmとし、正極板及び負極板におけるズレ量を何れも4mmに設定した以外は、実施例1と同様の構造で作製した。実施例2において作製した二次電池の作製条件を表1に示す。
この実施例2の二次電池について、実施例1と同様の条件で、電極積層体の平面度の測定、及び、二次電池の体積比率の測定を行った。その結果、表2に示すように、実施例2における電極積層体の平面度の測定では、対応する外装部材の表面部位がほぼ平坦となっていた。また、実施例2における体積比率の測定では、比較例1の二次電池の体積と比較して1.3%程度低減していた。
実施例3
実施例3の二次電池は、第1の正極層の長さを203mm、第1の負極層の長さを210mm、及び、第2の負極層の長さを205mmとし、正極板及び負極板におけるズレ量を何れも5mmに設定した以外は、実施例1と同様の構造で作製した。実施例3において作製した二次電池の作製条件を表1に示す。
この実施例3の二次電池について、実施例1と同様の条件で、電極積層体の平面度の測定、及び、二次電池の体積比率の測定を行った。その結果、表2に示すように、実施例3における電極積層体の平面度の測定では、対応する外装部材の表面部位がほぼ平坦となっていた。また、実施例3における体積比率の測定では、比較例1の二次電池の体積と比較して0.6%程度低減していた。
比較例
比較例の二次電池は、表1に示すように、第1及び第2の正極層の長さを198mm、第1及び第2の負極層の長さを200mmとして、正極板及び負極板におけるズレ量を何れも0mmに設定した以外は、実施例1と同様の構造で作製した。この比較例1の二次電池では、正極板及び負極板の塗布開始端に盛り上がり量0.01mmの盛上部が形成されていた。比較例1において作製した二次電池の作製条件を表1に示す。
この二次電池について、実施例1と同様の条件で、電極積層体の平面度の測定を行った。その結果、表2に示すように、比較例1における電極積層体の平面度の測定では、電極積層体の端部に対応する外装部材の表面部位が0.1mm程度盛り上がっていた。
考察
実施例1〜3及び比較例の電極積層体の平面度の測定結果より、第1の電極層の塗布開始端を第2の電極層に対して相対的に外側に位置させるように形成した電極板を用いて二次電池を構成することにより、電極積層体の盛り上がりが抑制され、電極積層体の平面度が向上することが確認された。
また、実施例1〜3及び比較例の二次電池の体積比率の測定結果より、第1の電極層の塗布開始端を第2の電極層に対して相対的に外側に位置させるように電極板を形成しても、第2の電極層の塗布終了端に対する第1の電極層の塗布開始端のズレ量を適切に設定することにより、二次電池の体積が減少することが確認された。
図1は、本発明の実施形態に係る二次電池の全体の平面図である。 図2は、図1のII-II線に沿った二次電池の断面図である。 図3は、図1に示す二次電池の電極積層体の分解断面図である。 図4は、本発明の実施形態における電極合剤の塗布工程を示す斜視図である。 図5は、本発明の実施形態における電極合剤の塗布工程の詳細な要部断面図である。 図6は、本発明の実施形態における電極板の切断工程を示す斜視図である。 図7(A)及び(B)は、本発明の実施形態に係る複数の二次電池の接続構造を示す平面図であり、図7(A)は並列接続を示し、図7(B)は比較のための直列接続を示す図である。 図8(A)及び(B)は、本発明の実施形態に係る複数の二次電池の他の接続構造を示す図であり、図8(A)は並列接続を示し、図8(B)は比較のための直列接続を示す図である。 図9(A)〜(C)は、本発明の実施形態に係る複数の二次電池により構成される組電池を示す図であり、図9(A)はその平面図、図9(B)はその正面図、図9(C)はその側面図である。 図10は、本発明の実施形態に係る複数の組電池により構成される複合組電池の斜視図である。 図11(A)は、図10に示す複合組電池の平面図、図11(B)はその正面図、図11(C)はその側面図である。 図12は、図10に示す複合組電池を搭載した車輌の模式図である。
符号の説明
1…車輌
10…二次電池
101…電極積層体
102…正極板
102a…正極側集電体
102b、102c…正極層
102d…盛上部
103…セパレータ
104…負極板
104a…負極側集電体
104b、104c…負極層
104d…盛上部
105…正極端子
106…負極端子
107…上部外装部材
108…下部外装部材
20…組電池
30…複合組電池

Claims (12)

  1. 電極活物質を含む電極層と、前記電極層が両主面に形成された集電体とを有する電極板を、セパレータを介して積層した電極積層体を少なくとも備え、
    前記集電体の主面に形成された少なくとも一方の前記電極層に、該電極層の他の部分より盛り上がった盛上部が形成された二次電池であって、
    前記電極板は、前記少なくとも一方の電極層に形成された前記盛上部が、前記集電体の主面に形成された他方の前記電極層に対してずれるように形成されている二次電池。
  2. 前記電極層は、前記電極活物質を含む電極合剤を前記集電体の両主面に塗布して形成され、
    前記盛上部は、前記電極合剤の塗布開始端に形成されており、
    前記電極板は、前記集電体の少なくとも一方の主面に塗布された前記電極合剤の塗布開始端が、前記集電体の他方の主面に塗布された前記電極合剤の塗布終了端に対して相対的に外側に位置するように形成されている請求項1記載の二次電池。
  3. 前記電極板は、正極活物質を含む正極層、及び、前記正極層が両主面に形成された正極側集電体を有する正極板と、負極活物質を含む負極層、及び、前記負極層が両主面に形成された負極側集電体を有する負極板と、を含み、
    前記電極積層体は、前記正極板と前記負極板とが前記セパレータを介して交互に積層されており、
    前記正極板における前記一方の正極層に形成された前記盛上部の前記他方の正極層に対するズレ量と、
    前記負極板における前記一方の前記負極層に形成された前記盛上部の前記他方の負極層に対するズレ量とが、下記の式(1)を満たすように設定されている請求項1又は2記載の二次電池。
    ΔV[1]>ΔV[2] … 式(1)
    但し、上記の式(1)において、
    ΔV[1]は、ΔV[1A]=t[A]×N[A]×W×(L−D[C]−D[A])、又は、ΔV[1C]=t[C]×N[C]×W×(L−D[C]−D[A])の何れか大きい方の値であり、
    ΔV[2]は、ΔV[2]=(D[C]+D[A])×H×Wであり、
    [A]は前記一方の負極層に形成された前記盛上部の盛上量、t[C]は前記一方の正極層に形成された前記盛上部の盛上量、N[A]は前記負極板の積層枚数、N[C]は前記正極板の積層枚数、Hは前記電極積層体の中央部における高さ、Wは前記電極積層体の幅、Lは前記盛上部が形成された前記一方の負極層の長さ、D[C]は前記正極板におけるズレ量、及び、D[A]は前記負極板におけるズレ量である。
  4. 前記電極積層体に電気的に接続された電極端子をさらに備え、
    前記電極端子は、アルミニウム、鉄、銅、及び、ニッケルから成る群より選ばれる1又はそれ以上の成分を含む請求項1〜3の何れかに記載の二次電池。
  5. 前記電極積層体を収容して封止する外装部材をさらに備え、
    前記外装部材は、ポリプロピレン、変性ポリプロピレン、ポリエチレン、変性ポリエチレン、及び、アイオノマーから成る群より選ばれる1又はそれ以上の成分を含む請求項1〜4の何れかに記載の二次電池。
  6. 前記電極板は、正極活物質を含む正極層と、前記正極層が両主面に形成された正極側集電体とを有する正極板を含み、
    前記正極活物質は、リチウム−マンガン系複合酸化物、リチウム−ニッケル系複合酸化物、又は、リチウム−コバルト系複合酸化物から成る群より選ばれる1又はそれ以上の成分を含む請求項1〜5の何れかに記載の二次電池。
  7. 前記電極板は、負極活物質を含む負極層と、前記負極層が両主面に形成された負極側集電体とを有する負極板を含み、
    前記負極活物質は、結晶性炭素材、又は、非結晶性炭素材から成る群より選ばれる1又はそれ以上の成分を含む請求項1〜6の何れかに記載の二次電池。
  8. 前記電極積層体に電気的に接続された電極端子をさらに備えた請求項1〜7の何れかに記載の二次電池を複数有する組電池であって、
    一の前記二次電池の電極端子と、他の前記二次電池の同極端子とが、実質的に同一方向となるように、前記一の二次電池の上に前記他の二次電池を積層し、
    前記一の二次電池と前記他の二次電池の同極端子同士を電気的に接続した少なくとも2以上の前記二次電池を含む組電池。
  9. 前記電極積層体に電気的に接続された電極端子をさらに備えた請求項1〜7の何れかに記載の二次電池を複数有する組電池であって、
    一の前記二次電池の電極端子と、他の前記二次電池の同極端子とが、実質的に同一方向となるように、前記一の二次電池の側方に前記他の二次電池を並置し、
    接続手段を介して、前記一の二次電池と前記他の二次電池の同極端子同士を電気的に接続した少なくとも2以上の前記二次電池を含む組電池。
  10. 請求項8又は9記載の組電池を複数有する複合組電池であって、
    一の前記組電池と、他の前記組電池とを電気的に並列及び/又は直列に接続した少なくとも2以上の前記組電池を含む複合組電池。
  11. 請求項8又は9記載の組電池、或いは、請求項10記載の複合組電池を搭載した車輌。
  12. 電極活物質を含む電極合剤を集電体の両主面に塗布して電極板を形成するステップと、
    セパレータを介して前記電極板を積層して電極積層体を形成するステップと、を少なくとも備えた二次電池の製造方法であって、
    前記電極板を形成するステップにおいて、
    前記集電体の少なくとも一方の主面に塗布された前記電極合剤の塗布開始端が、前記集電体の他方の主面に塗布された前記電極合剤の塗布終了端に対して相対的に外側に位置するように前記電極板を形成する二次電池の製造方法。
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