JP6298414B2 - 太陽電池パネルの支持金具 - Google Patents

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本発明は、継ぎ目に各種ハゼ部を有する立平葺き屋根や折板屋根等の金属屋根上に太陽電池パネルを取付けるために設置される太陽電池パネルの支持金具に関する。
特許文献1には、左右一対の断面略コ字板状の左右側挟持体を備え、左側挟持体の左側天板部の上面に右側挟持体の右側天板部を重合し、左右側天板部の各基端を片持ち梁状に支持する左右側起立板部を対峙させると共に、左右側起立板部の下端に左右側天板部と平行に突設した左右側爪板部の先端を対向させ、右側天板部の先端には、左側起立板部に当接可能な突片を垂設し、下側となる左側天板部の中央に上方突設させた螺子部を、上側となる右側天板部の中央に貫設した左右に長い長穴に挿通してナット締めする支持金具が開示されている。
この支持金具では、ナットを緊締して上下の左右側天板部を徐々に密着させることにより、右側挟持体の突片と左側挟持体の左側起立板部とを密着させ、左右側挟持体が相互に外側へ移動することを抑制する。
これにより、左右側爪板部をその間に配置されるハゼ部に向かって押圧させられ、このハゼ部に対する左右側爪板部の押圧力によってハゼ部の基部を挟持し、支持金具が折板屋根に取付けられる。
特許第5612732号公報
しかしながら、上記構成の支持金具は、折板屋根における嵌合ハゼ部を取付け対象としているため、立平葺き屋根や嵌合ハゼ部を有しない折板屋根に必ずしも適用できないといった課題を有している。
又、上記支持金具では、左右側爪板部の先端間にハゼ部を強固に挟持した時に、左右側起立板部を折損させる様な応力がその高さ方向略中間部辺りに集中することになるため、その応力に耐えられるだけの肉厚を有する様に強化する必要があった。
このため、支持金具が全体的に分厚くなると共に重量も増すことになるので、現場での作業性に支障を来したり、また支持金具の材料費が増し、施工費にも影響を及ぼすといった課題を有している。
そこで、本発明では、いかなる構成の金属屋根のハゼ部であっても挟持可能な汎用性を有すると共に、金属屋根への接続固定強度が高く、しかもハゼ部を挟持した時に作用する上記の様な折損応力を分散させて極力薄肉に形成できる様にした太陽電池パネルの支持金具を提供することを目的としている。
上記課題に鑑み、本発明に係る太陽電池パネルの支持金具は、金属屋根の桁行方向に平行に立ち上がり形されたハゼ部に取付けられるものであって、金属屋根の流れ方向に前後を対応させて太陽電池パネルを載置する台座部を設け、該台座部の右側縁下部に板状の右脚部を下方連続形成し、該右脚部の下端縁に先端が左側に指向する右爪片を突設し、台座部の左側縁下部に左下がりに傾斜した先端が円形の突片を連続形成して成る右側つかみ部と、該右側つかみ部の突片と右爪片との間から挿入可能にして、且つ台座部と突片を載上合致可能な段丘部を設け、該段丘部は台座部に上下方向で着離自在な上段部と突片先端を上下方向で着離自在にして且つ着座状態で回動自在に受承する半円弧溝状の下段部を設け、該下段部の下側縁に板状の左脚部を下方連続形成し、該左脚部の下端縁に先端が右側に指向して前記右爪片に対向する左爪片を突設して成る左側つかみ部とから成り、該左側つかみ部の上段部より上方突設させた螺子部を、右側つかみ部の台座部に貫設した左右に長い長穴に挿通してナット締めすることにより、左右爪片間にハゼ部の基部を挟持する様に成したことを特徴とする。
又、台座部の右側縁下部と下段部の下側縁の夫々に下方連続する左右脚部は、外方湾出する断面円弧板状に形成したことを特徴とする。
要するに本発明は、上記構成から成るので、ナットを緩め螺子部の上方へ配置させ、右側つかみ部の右爪片と左側つかみ部の左爪片とを上下に離間させると共に、螺子部を右側つかみ部の長穴右端側へ傾倒させることにより、左右爪片の間隔を、金属屋根における各種ハゼ部の形状や大きさに対応して上下に拡開させられ、そこから、いかなる構成の金属屋根のハゼ部であっても、右側つかみ部と左側つかみ部の間に構成される中空部内に挿入させられ、左右爪片間にハゼ部の基部を配置できる。
次いで、ナットを締め付けることにより、右側つかみ部の台座部及び突片と、左側つかみ部の段丘部(上段部及び下段部)が相互に近づくことで、左右側つかみ部の左右爪片の間隔が狭まりハゼ部の基部を従来と同様に挟持して行き、更に段丘部上に台座部と突片が対応し、突片先端が段丘部の下段部に受承されると、かかる部位を支点として左右側つかみ部は相反方向に回動力を生じて左右爪片のハゼ部の基部に対する挟持力をより増大させることができる。
よって、本発明によれば、金属屋根への接続固定強度が高く、より信頼性の高い支持金具を提供できる。
又、上記の様に左右側つかみ部の左右爪片がハゼ部の基部を強固に挟持した状態において、右側つかみ部と左側つかみ部の左右脚部が共に外方湾出する断面円弧板状に形成されている場合には、ナットの締め付けによって各脚部に作用する応力を全体に一様に分布させられ、従来の様な応力集中を阻止できる。
したがって、本発明によれば、支持金具の肉厚を極力を薄肉に形成でき、支持金具の重量を低減できると共に、支持金具の材料費を低減でき、ひいては施工費を低廉化できる等その実用的効果甚だ大である。
本発明に係る支持金具の斜視図である。 同上分解斜視図である。 支持金具の第一取付け工程を示す正面図である。 支持金具の第二取付け工程を示す正面図である。 支持金具の第三取付け工程を示す正面図である。 金属屋根における太陽電池パネルの一設置例を示す斜視図である。 図4の一部省略側面図である。
以下本発明の実施の一形態例を図面に基づいて説明する。
本発明に係る太陽電池パネルPの支持金具1は、図4、5に示す様に、金属屋根Rの桁行方向Xに平行に立ち上がり形されたハゼ部Hに取付けられるものであって、該ハゼ部Hの基部を挟持する右側つかみ部2と左側つかみ部3とから成り、両つかみ部2、3はボルト4とナット5で連結されている(図1、2参照)。
尚、金属屋根Rは、本実施例ではその代表例として、継ぎ目に角ハゼから成るハゼ部Hを有する折板屋根を示して説明しているが、支持金具1は、その他にハゼ部が両丸ハゼの折板屋根であったり、継ぎ目に巻きハゼ又は嵌合ハゼを有する立平葺屋根など、いかなる形状のハゼ部Hを有する金属屋根Rにも取付けられる汎用性を有している。
右側つかみ部2は、金属屋根Rの流れ方向Y(ハゼ部Hの長手方向に同じ)に前後を対応させて太陽電池パネルPを載置する台座部6を設けている。
台座部6は、前後方向に長い凹溝7を形成すると共に、該凹溝7の左右側壁上端縁に小幅な水平帯板8、8aを平行配置し、該水平帯板8、8a前後の夫々に所定間隔Dを設けて流れ方向Y前後で隣接配置される太陽電池パネルPの前後端部を載置する様に成している。
右側の水平帯板8aの外側縁の中央には、上記間隔Dに対応した前後長Dを有する方形板状の間隔保持板9を右上がりに傾斜突設しており、該間隔保持板9は、その基端が切欠可能に薄肉に形成され、必要に応じて水平帯板8aより離脱可能と成している。
又、台座部6において、凹溝7の中央と前方には、左右方向に長い長穴10、10aが貫設されている。
そして、台座部6の右側縁下部には短尺な垂下壁11を垂設すると共に、該垂下壁11下方に外方湾出する断面円弧板状の右脚部12を下方連続形成し、該右脚部12の下端縁に先端が左側に指向する右爪片13を若干上向きに傾斜突設している。
又、台座部6の左側縁下部には、左下がりに傾斜した短尺な突片14を連続形成し、該突片14の先端14aは円形に形成されている。
左側つかみ部3は、右側つかみ部2の突片14と右爪片13との間の左側空隙Sから挿入可能にして、台座部6と突片14を載上合致可能な階段状の段丘部15を設けている。
段丘部15は、その前後長(奥行き)が台座部6より若干短く設定されると共に、台座部6の底面に上下方向で着離自在な矩形板状の上段部15aと、該上段部15aの左側縁に突片14の内側斜面に対応する様に形成した斜面を介してその下端に突片先端14aの円形端部14aを上下方向で着離自在にして且つ着座状態で回動自在に受承する様に設けた円弧溝状の下段部15bとから構成されている。
又、段丘部15において、上段部15aの中央と前方には、台座部6の長穴10、10aに対応した円形のボルト挿通穴16、16aが貫設され、通常は中央のボルト挿通穴16の下方から上方へ向かってボルト4が挿通され、これによりボルト4の螺子部4aを段丘部15の上段部15aより上方突設し、後述の如く螺子部4aを台座部6中央の長穴10の下方から挿通する。
尚、必要に応じてボルト4は、前方のボルト挿通穴16aに挿通され、同様に段丘部15より上方突設した螺子部4aをこの場合には台座部6前方の長穴10aの下方から挿通する。
又、段丘部15上に台座部6と突片14が載上合致した状態では、長穴10、10aの右端に螺子部4aが位置する様に設定されている。
そして、上段部15a底面には、ボルト挿通穴16、16aの中心を中心軸線上に合致させたボルト回転不能溝17を形成している。
このボルト回転不能溝17は、上段部15aの右側縁に垂設した短尺な垂下壁17aと、該垂下壁17aとボルト4の六角頭4bの対辺間距離を隔てて上段部15a底面に略平行に垂設され、且つ先端が鉤状に形成されて垂下壁17aより若干長い鉤状壁17bとにより構成され、ボルト挿通穴16、16aに挿通したボルト4の六角頭4bがボルト回転不能溝17に配置されることにより回転不能と成し、その螺子部4aに螺合するナット5を上下動可能と成している。
又、ボルト挿通穴16、16aに挿通されたボルト4は、上段部15a上面でばね板ナット18に差し込まれ、これによりボルト4はボルト挿通穴16、16aから脱落することはなく、螺子部4aの上段部15a上面からの上方突出状態が維持される。
そして、段丘部15の左側縁下部、即ち下段部15bの下側縁には外方湾出する断面円弧板状の左脚部19を下方連続形成し、該左脚部19の下端縁に先端が右側に指向して上記右爪片13に対向する左爪片20を若干上向きに傾斜突設している。
上記の様に夫々構成された右側つかみ部2と左側つかみ部3にあっては、右側つかみ部2の突片14と右爪片13との間の左側空隙Sから左側つかみ部3の段丘部15を挿入すると共に、該段丘部15より上方突出する螺子部4aを長穴10、10aに挿通し、右側つかみ部2の台座部6を貫通した螺子部4aにワッシャ21とバネ座金22を挿通してナット5を螺着し、これにより右側つかみ部2と左側つかみ部3を連結し支持金具1と成している。
かかる支持金具1にあっては、図3(a)に示す様に、螺子部4aの上方にナット5を配置させた状態で、右側つかみ部2の右爪片13と左側つかみ部3の左爪片20とを上下に離間させると共に、螺子部4aを右側つかみ部2の長穴10、10aの右端側へ傾倒させる(第一取付け工程)。
これにより、左右爪片13、20の間隔を、金属屋根Rにおける各種ハゼ部Hの形状や大きさに対応して上下に食い違いに拡開させられ、そこから、図3(b)に示す様に、いかなる構成の金属屋根Rのハゼ部Hであっても、右側つかみ部2と左側つかみ部3の間に構成される中空部M内に挿入させられ、左右爪片13、20間にハゼ部Hの基部を配置する(第二取付け工程)。
次いで、図3(c)に示す様に、ナット5を締め付けることにより、右側つかみ部2の台座部6及び突片14と、左側つかみ部3の段丘部15(上段部15a及び下段部15b)が相互に近づくことで、左右側つかみ部2、3の左右爪片13、20の間隔が狭まりハゼ部Hの基部を挟持して行き、更に段丘部15上に台座部6と突片14が対応し、突片先端14aが段丘部15の下段部15bに受承されると、かかる部位を支点として左右側つかみ部2、3は相反方向に回動力を生じて左右爪片13、20のハゼ部Hの基部に対する挟持力をより増大させられ、これにより左右爪片13、20がハゼ部Hの基部を強固に挟持し、金属屋根Hに支持金具1が強固に取付けられる(第三取付け工程)。
尚、図3(c)に示すナット5の緊締状態では、ナット5は凹溝7内に没入状態で水平帯板8、8a上面より突出していない。
かかる支持金具1の取付状態において、右側つかみ部2と左側つかみ部3の左右脚部12、19は共に外方湾出する断面円弧板状に形成されているため、ナット5の締め付けによって左右脚部12、19に作用する応力を全体に一様に分布させられる。
上記の様に金属屋根Rに取付けられる支持金具1は、太陽電池パネルPの設置数に応じて金属屋根R上の縦横に適宜間隔を以て点在させる(図4参照)。
そして、図5にも示す様に、太陽電池パネルPの前後端部が、支持金具1の台座部6の前後に載置される。
太陽電池パネルPの前端部又は後端部のみを載置する軒側又は棟側設置の支持金具1にあっては、間隔保持板9を水平帯板8aから離脱させ、略L字板状のパネル端固定具23を使用する。
このパネル端固定具23は、支持金具1中央に上方突出する螺子部4aを貫通して台座部6中央に着座する水平板部23aと、該水平板部23a基端より立ち上がり形成して太陽電池パネルPの前端面又は後端面を当接支持する垂直板部23bとから成り、水平板部23a上に貫通突出する螺子部4aにワッシャとバネ座金を挿通してナット24を螺着することにより、垂直板部23bの上端に水平板部23aの反対側へ水平突設した掛止片23cが太陽電池パネルPの前端部又は後端部の上側縁を押圧保持する様に成している。
金属屋根R上で軒側及び棟側以外に設置される支持金具1にあっては、その台座部6上の前後に間隔保持板9を介して各太陽電池パネルPの前端部及び後端部を載置し、これらを押圧保持する凹溝状のパネル間固定具25を使用する。
このパネル間固定具25は、上記間隔Dと同幅の凹溝状の胴部25aを設けて成り、該胴部25aの溝底部中央を貫通突出する螺子部4aにワッシャとバネ座金を挿通してナット26を螺着することにより、該胴部25aの前後壁上端に相反方向(前後方向)に水平突設した掛止片25bが各太陽電池パネルPの前端部及び後端部の上側縁を押圧保持する様に成している。
1 支持金具
2 右側つかみ部
3 左側つかみ部
4a 螺子部
5 ナット
6 台座部
10、10a 長穴
12 右脚部
13 右爪片
14 突片
14a 先端部
15 段丘部
15a 上段部
15b 下段部
19 左脚部
20 左爪片
H ハゼ部
P 太陽電池パネル
R 金属屋根
X 桁行方向
Y 流れ方向

Claims (2)

  1. 金属屋根の桁行方向に平行に立ち上がり形されたハゼ部に取付けられる太陽電池パネルの支持金具であって、金属屋根の流れ方向に前後を対応させて太陽電池パネルを載置する台座部を設け、該台座部の右側縁下部に板状の右脚部を下方連続形成し、該右脚部の下端縁に先端が左側に指向する右爪片を突設し、台座部の左側縁下部に左下がりに傾斜した先端が円形の突片を連続形成して成る右側つかみ部と、該右側つかみ部の突片と右爪片との間から挿入可能にして、且つ台座部と突片を載上合致可能な段丘部を設け、該段丘部は台座部に上下方向で着離自在な上段部と突片先端を上下方向で着離自在にして且つ着座状態で回動自在に受承する半円弧溝状の下段部を設け、該下段部の下側縁に板状の左脚部を下方連続形成し、該左脚部の下端縁に先端が右側に指向して前記右爪片に対向する左爪片を突設して成る左側つかみ部とから成り、該左側つかみ部の上段部より上方突設させた螺子部を、右側つかみ部の台座部に貫設した左右に長い長穴に挿通してナット締めすることにより、左右爪片間にハゼ部の基部を挟持する様に成したことを特徴とする太陽電池パネルの支持金具。
  2. 台座部の右側縁下部と下段部の下側縁の夫々に下方連続する左右脚部は、外方湾出する断面円弧板状に形成したことを特徴とする請求項1記載の太陽電池パネルの支持金具。
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