JP6121212B2 - 取付部材、外設部材の取付構造、及びその施工法 - Google Patents
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Description
特許文献1には、係合段部Y4に係合させる左右ピース材(脚部材1)で、内部にボルト2aの頭部を収容する構造の中駒部材2を共締めしている折板屋根用取付け金具が提案されている。
特許文献2には、左右一対の支持半体1,1を接合具Bにて一体化しているが、上向きボルト4は、縦片(接合部13)及びフランジ(上部支持片17)に形成した穴(ボルト支持部15)に保持した外囲体用取付具が提案されている。
特許文献3には、左右一対の掴み具22L,22Rにてハゼ部2を、ボルト23にて挟持するが、ナット24bが固着された板状体(挟持材24)に、スリット24a,24aが設けられ、該スリット24a,24aに前記掴み具22L,22Rを挿入した取付金具が提案されている。
また、前記特許文献2には、縦片及びフランジに穴を形成して上向きボルト4を保持しているが、そもそも金属板等の穴だけでは保持能力が低く、この場合、上向きボルト4に応力が作用した場合に穴が拡開し易いという問題があった。
さらに、前記特許文献3には、ナット24bが固着された板状材が安定に固定されていないので、該ナット24bに取り付ける、太陽電池パネルPの外周フレームPfを押さえる部材(パネル上面保持板26)を固定する固定ボルト21も、安定に取り付けられるとは言えないものであった。
また、本発明の取付部材を構成する上方部材及び下方部材は、それぞれ簡易な形状であるため、極めて実用的価値が高いものである。
さらに、この取付部材は、起立する取付ボルトに対して締着ボルトを締め付けることにより、一体化及び取付が実施されるので、従来の持出架台の取付作業のように略水平状に配されたボルトナットを締め付ける作業を必要としないため、作業が極めて容易である。
そして、回動自在に枢着した上方部材と下方部材で凸状部を左右から挟むように配設した状態で、取付ボルトに締着ナットを取り付けて締め付けることにより、取付部材を一体化することで、上方部材及び下方部材を凸状部に係止させ、取付ボルトを上方部材上に起立させることを特徴とする。
前記上方部材は、前述のように凸状部の上方及び左右の何れか一方に配する部材であるが、詳しくは、この上方部材は、凸状部を覆う部分と、一方側の基端に当接する部分とを有する構成であり、(B)下部部材との間には空間が形成され、該空間に凸状部を位置させるように配設する。
また、この上方部材は、前述のように(B)下方部材とは回動自在に枢着されている構成であるが、詳しくは、上方部材か下方部材の何れかに凸状の枢支部が設けられ、他方には凹状の枢支受部が設けられて回動自在に枢着(嵌合)されている構成である。
さらに、この上方部材は、前述のように(C)取付ボルトが貫通するが、詳しくは、取付ボルトが貫通するための孔を備える構成である。この貫通孔が取付ボルトの径と略同一の場合には、貫通孔に対して対して取付ボルトが正対する方向しか許容されないため、上方部材と下方部材との回動も制御されてしまうため、横長に貫通孔を形成することが望ましい。
なお、この上方部材は、頂部に支持面が形成されていることが望ましく、この支持面に外設部材や太陽電池パネルを安定に支持させることができる。
前記下方部材は、前述のように凸状部の左右の他方に配する部材であり、一方に配する上方部材と同様に凸状部の他方側の基端に当接する部分を有する構成である。
また、この下方部材には、前述のように(C)取付ボルトが取り付けられるが、例えば通孔を形成して裏面側から取付ボルトを突出させてもよいし、取付ボルトの頭部を配する溝状又は凹状の収容部を設けるようにしてもよく、この場合には容易に且つ安定に取付ボルトを下方部材に配設することができ、凸状部への取付作業においても取付ボルトが下方部材から脱離する事故を防ぐことができる。
この取付ボルトは、この取付部材における「取付部」を形成するものであるが、前述のように(B)下方部材に取り付けられ、(A)上方部材を貫通するものであるから、上方部材と下方部材との連結部材としても作用する。この取付ボルト自体は、通常の六角ボルト等が利用される。
この締着ナットは、上方から前記(C)取付ボルトに締め付けることにより、(A)上方部材と(B)下方部材を一体的に固定すると共に、各部材に設けた当接部を凸状部の基端の左右に配置させるので、上方部材及び下方部材を凸状部に係止させ、取付ボルトを上方部材上に起立させる作用を果たす。この締着ナット自体は、通常の六角ナット等が利用される。
断面を略筺状に形成するためには、例えば一方を左、他方を右とすると、回動軸(枢支部及び枢支受部)は上面右端に位置させ、上方部材は上面と左側面と底面左側を形成し、下方部材は右側面と底面右側を形成すればよい。なお、このような構成は、後述する図示実施例の第1実施例に相当する最も簡易な構成を示したものであり、前述の構成並びに作用、効果を損なわない限り、どのような構成を採用してもよい。
例えば前記取付ボルトの収容部は、第1実施例のように下方部材の底面右側に設けてもよいし、第2実施例にように内側へ傾斜状に起立する傾斜片部に設けてもよい。
この支持材は、特にその形状や構成等を限定するものではないが、後述する図示実施例のように桁行き方向に連続する逆U字状の長尺材(横桟材)又は定尺材でもよいし、流れ方向に連続する長尺材(縦桟材)又は定尺材でもよい。
第1の工程は、回動自在に枢着した上方部材及び下方部材と取付ボルト材とを一体に組み合わせつつ、上方部材及び下方部材の各当接部を凸状部の基端左右に沿わせる工程である。
第2の工程は、前記取付ボルトに締着ナットを取り付けて締め付けることにより、取付部材を一体化させることで、上方部材及び下方部材を凸状部に係止させ、取付ボルトを上方部材上に起立させる工程である。
第3の工程は、固定した取付部材の取付ボルトの先端に、直接的に外設部材を、或いは支持材を介して間接的に外設部材を取り付け、固定した取付ボルトにナットを取り付けて固定する工程である。
この状態の取付部材は、上方部材と下方部材が回動自在に組み合わされている状態であって、前述のように外装面を構成する外装材にて形成される凸状部を、上方部材と下方部材で形成される空間に位置させるように配設する。即ち上方部材を凸状部の一方に、下方部材を凸状部の他方に配設し、左右から凸状部を挟むように配設する。
即ちこの作業において、本発明における取付部材は、上方部材及び下方部材が回動自在であった状態から、一体的に動けない(固定された)状態となるものであって、取付ボルトを引っ張り上げる作用が働き、上方部材と下方部材とを一体的に固定する。これらの上方部材及び下方部材には、前述のようにそれぞれ凸状部の基端に当接する当接部を設けているので、各当接部が凸状部の基端を左右から挟着する状態となるため、凸状部に係止される状態となる。そして、取付ボルトの頭部は下方部材に当接し、その上端は上方部材上に起立させることができる。
なお、本発明の取付部材を設置する外装面は、前述のように凸状部を備えるものであればよく、新築でも既設でもよい。
また、前記締着ナット1Cは、図1(e)に示すように六角ナットである。
なお、締着ナット1Cは、それを締め付ける作業まで取り外した状態としておくようにしてもよいし、取付ボルト1Bの雄ネジ部分17の先端に緩く取り付けておくようにしてもよい。
まず、第1の工程として、前述の図1(f)のように上方部材2と下方部材3と取付ボルト1Bとを予め一体的に組み合わせた状態で、上方部材2と下方部材3で形成される空間10に位置させるように凸状部51に配置する。
上方部材2及び下方部材3は、回動自在に枢着されているので、上方部材2を凸状部51の左側に配設し、当接部25を凸状部51の立ち上がり基部に沿わせ、下方部材3を凸状部51の右側に配設し、当接部35を凸状部51の立ち上がり基部に沿わせ、左右から挟むように配設する。
このように第3の工程では、太陽電池パネル等の外設部材を取付ボルト1Bの先端に直接的に取り付けて固定することができる。
図2(b)に示した外装面5Yに形成される凸状部51yは、山状部分と谷状部分とが連続する構成の外装面において、山状部分の頂部に形成されたものであり、タイトフレーム5B"上に固定された吊子5C"の起立片に、左右の外装材5A",5A"の側縁部52y,52yの端部を略垂直状に立ち上げて重合状に沿わせ、カシメて形成したものである。
そして、これらの図2(a)の例においても図2(b)の例においても、図面に同一符号を付して説明の重複を避けるが、前記図1(g)の例と同様に凸状部51x,51yに対して全く同様に前記取付部材1を取り付けることができ、全く同様に押さえ部材6Aやスペーサ6B、ナット6Cを取り付けることができる。
まず、第1の工程として、上方部材2'と下方部材3'とを予め一体的に組み合わせた状態で、上方部材2'と下方部材3'で形成される空間10'に位置させるように凸状部51に配置する。
上方部材2'及び下方部材3'は、回動自在に枢着されているので、上方部材2'を凸状部51の左側に配設し、当接部25'を凸状部51の立ち上がり基部に沿わせ、下方部材3'を凸状部51の右側に配設し、当接部35'を凸状部51の立ち上がり基部に沿わせ、左右から挟むように配設する。
なお、下方部材3'の収容部33'に予め一体的に取付ボルト1Bを取り付けておくようにしてもよいし、続く第2の工程において取付ボルト1Bを取り付けてもよい。
この締め付けにより、取付ボルト1Bを引っ張り上げる作用が働き、上方部材2'と下方部材3'とを一体的に固定することができる。この状態では、各当接部25',35'が凸状部51の立ち上がり基部を左右から挟着する状態となるため、上方部材2'及び下方部材3'が凸状部51に係止状に取り付けられ、取付ボルト1Bが上方部材2'上に起立する。
この太陽電池パネル9は、太陽電池セル90の周囲にフレーム91を配した構成であり、前記押さえ部材9は、太陽電池パネル9の端縁を押さえる押さえ部91,91を有し、左右の縦片92,92の下端が前記取付部材1'の上面に着地し、該縦片92,92間に前記取付ボルト1Bの雄ネジ部分17が配される構成である。
なお、この取付部材1'には、前述のように横片21'の一部を上方へ折り上げた起立片212が形成されているので、この起立片212の端縁に太陽電池パネル1,1を係止状に配設することができ、太陽電池パネル1,1の位置決めに寄与する。
10,10' 空間
11 上面
12 左側面
13a 底面左側
13b 底面右側
14 右側面
15 軸部
16 頭部
17 雄ネジ部分
1B 取付ボルト
1C 締着ナット
2,2' 上方部材
24 枢支受部
25 当接部
3,3' 下方部材
33 収容部
34 枢支部
35 当接部
5 外装面
5A 外装材
51 凸状部
52 側縁部
6A 押さえ部材
6B スペーサ
6C ナット
7 取付部材(比較例)
7A 持出架台
7B 取付ボルト
7C 保持材
7D 固定具
Claims (5)
- 外装面を構成する外装材にて形成される凸状部に固定する取付部材であって、
凸状部の上方及び左右の何れか一方に配する上方部材と、該上方部材と回動自在に枢着されて凸状部の他方に配される下方部材と、該下方部材に取り付けられて前記上方部材を貫通する取付ボルトと、該取付ボルトの先端に螺合される締着ナットと、からなり、
回動自在に枢着した前記上方部材と前記下方部材で凸状部を左右から挟むように配設した状態で、前記取付ボルトに前記締着ナットを取り付けて締め付けることにより、前記上方部材又は前記下方部材の何れか又は両方を回動させて取付部材を一体化することで、前記上方部材に設けた当接部を一方側から、前記下方部材に設けた当接部を他方側からそれぞれ凸状部の基端に挟着状に係止させ、前記取付ボルトを前記上方部材上に起立させることを特徴とする取付部材。 - 上方部材には、頂部に支持面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の取付部材。
- 下方部材には、取付ボルトの頭部を配する収容部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の取付部材。
- 外装面を構成する外装材にて形成される凸状部に、請求項1〜3の何れか一項に記載の取付部材を固定し、該取付部材に直接的に外設部材を、或いは支持材を介して間接的に外設部材を取り付けたことを特徴とする外設部材の取付構造。
- 外装面を構成する外装材にて形成される凸状部に、請求項1〜3の何れか一項に記載の取付部材を固定し、該取付部材に外設部材を取り付ける外装構造の施工法であって、
回動自在に枢着した上方部材と下方部材で凸状部を左右から挟むように配設する第1の工程と、
取付ボルトに締着ナットを取り付けて締め付けることにより、前記上方部材又は前記下方部材の何れか又は両方を回動させて取付部材を一体化することで、前記上方部材に設けた当接部を一方側から、前記下方部材に設けた当接部を他方側からそれぞれ凸状部の基端に挟着状に係止させ、前記取付ボルトを前記上方部材上に起立させる第2の工程と、
固定した前記取付部材の前記取付ボルトの先端に、直接的に前記外設部材を、或いは支持材を介して間接的に前記外設部材を取り付け、固定した前記取付ボルトにナットを取り付けて固定する第3の工程と、を含むことを特徴とする外設部材の施工法。
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