JP6298171B2 - 水ポンプユニット - Google Patents
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Description
しかしながら、下記特許文献1に示されるものにおいては、オイルパン部の竪壁に、水ポンプユニットのハウジングの一部を挿通させる開口を設ける等、接合部が大きくなるとともに、水ポンプユニットの駆動軸の一部をクランクケース内に配置することとなり、水ポンプユニットの組付けが煩雑であった。
特許請求の範囲および本明細書の説明における前後左右上下等の向きは、本実施形態の水ポンプユニットを取付けたパワーユニットを備えた車両の向きに従うものとする。本実施形態において車両は鞍乗型車両であり、具体的には自動二輪車である。
図中矢印FRは車両前方を、LHは車両左方を、RHは車両右方を、UPは車両上方を、それぞれ示す。
図1において、自動二輪車1は、車体カバー10が2点鎖線で簡略に一部省略して示されるほか、吸気系、排気系、燃料系等が図示省略され、要部のみが示される。
自動二輪車1の車体フレーム2は、前輪11を軸支するフロントフォーク12を操向可能に支承するヘッドパイプ20と、ヘッドパイプ20から後ろ下がりに延びるメインフレーム21と、メインフレーム21の後端上部から後ろ上がりに延びるシートレール22と、メインフレーム21の後端下部とシートレール22の後部寄りの間を結ぶバックステイ23とを備える。
さらにメインフレーム21の後端上部とスイングアーム14の間には図示しないリヤクッションユニットが設けられ、シートレール22上には、乗車用シート16が取付けられる。
パワーユニット3の出力軸32は、スイングアーム14に沿って取り付けられたドライブシャフト33を介して後輪15に接続し、回転動力を後輪15に伝達する。
図1、図2に示すように、パワーユニット3は、4ストロークサイクル水冷6気筒の水平対向型の内燃機関4と、内燃機関4の回転動力を変速するとともに回転方向を逆転するリバース用の伝達系を備えた変速機5とで構成されている。
リヤカバー44は自動二輪車1の走行方向に沿う左、右クランクケース43L、43Rの後部を塞ぐように結合される。
なお、左および右シリンダヘッド43L、43Rの両外端には、それぞれ左および右シリンダヘッドカバー45L、45Rが締結され、左および右シリンダヘッド43L、43R内に設けられた左、右の動弁機構とそのカム軸61L、61Rの従動スプロケット62L、62Rを覆っている。
そして、左、右クランクケース42L、42Rは、クランク室30の左、右に、それぞれ左、右のシリンダブロック部46L、46Rを内蔵し、左、右のシリンダブロック部46L、46Rにはそれぞれ、クランク軸31に図示しないコンロッドを介して共通に連結される図示しない各ピストンを挿通させるシリンダボアが互いに平行に3つ形成されている。
リヤカバー44の後面には、変速機5のメイン軸51と同心に配置される図示しないクラッチ機構を覆うクラッチカバー53が取り付けられ、パワーユニット3の出力軸32が後方に向けてリヤカバー44から突出している(図1参照)。
出力軸32は、スイングアーム14に沿って延在し後輪15と接続するドライブシャフト33(図1参照)と接続して、内燃機関4の回転動力を後輪15に伝達する。
図2に示すように、クランク軸31の周囲において左および右クランクケース42L、42Rに結合されクランク室30の前部を塞ぐようにカムチェーン室カバー48が備えられるとともに、クランク軸31の下方に配置される変速機5のメイン軸51とカウンタ軸52、およびシフトドラム54等(図2においてその中心軸位置が示される)の周囲において左および右クランクケース42L、42Rに結合され変速機室50の前部を塞ぐようにミッションホルダ49が備えられる。
ミッションホルダ49から左および右クランクケース42L、42Rの内部にかけては変速機室50が形成され、変速機5が収納される。
カムチェーン室カバー48の右側部(図示左側)においても同様に、右のシリンダブロック部46Rと、右のカムチェーン室63Rと、右のカムチェーン65Rが配置されている。
また、クランク軸31の前端側に嵌装された右のカム軸61R用の駆動スプロケット64Rと、右の動弁機構のカム軸61Rの従動スプロケット62Rとの間にはカムチェーン65Rが、右のカムチェーン室63Rを通して懸け回されている。
それらによって左、右の動弁機構が駆動され、クランク軸31の回転に同期して所定のタイミングで、図示しない各シリンダボアに対するそれぞれの吸気弁、排気弁が開閉される。
なお、クランク軸31の前端側には、さらに後述の水ポンプ駆動ギヤ31aが嵌装される。
水ポンプユニット7は、図1に示されるようにパワーユニット(本発明における「動力伝達側装置」)3の左、右クランクケース42L、42Rが接合されたクランクケース上面42aの前部に締結されて取付けられている。
従動ギヤ74は、その一部が水ポンプケース72から下方に突出して(図5参照)、クランクケース上面42aの設けられた後述のクランクケース側開口(本発明における「開口」)42b(図8参照)からクランクケース42の内部に挿入され、クランク軸31に嵌装された水ポンプ駆動ギヤ31aと噛合している。
一方、水ポンプユニット7の駆動軸71の軸線Yは、水ポンプユニット7がクランクケース上面42aに取付けられた状態でクランク軸31の軸線Xの鉛直上方に平行に配されるから、クランクケース接合面72cは、水ポンプユニット7の駆動軸71の軸線Yと平行な面をなす。
ポンプケース72に収容、支持された駆動軸71の前端は、水ポンプカバー73内のポンプ室70に延在し図示しないインペラが嵌装されている。
駆動軸71に嵌装された従動ギヤ74の上部は、水ポンプケース72に形成された上方に向けて円弧状の膨出部76に覆われている。
水ポンプケース72がクランクケース42に締結されると、左吐出口81Lは、左クランクケース42Lのシリンダブロック部46L(図2参照)内のウォータジャケットに通ずる左冷却水入口35L(図8参照)と接続する。また、右吐出口81Rは、右クランクケース42Rのシリンダブロック部46R(図2参照)内のウォータジャケットに通ずる右冷却水入口35R(図8参照)と接続する。
クランクケース接合面72cに形成される水ポンプ側開口72bは、従動ギヤ74を挿通させるため、従動ギヤ74の外形に沿って配置されているので、クランクケース接合面72cも従動ギヤ74の外形に沿って形成されて比較的小さく形成され、それに対応して、従動ギヤ74を挿通させるクランクケース42のクランクケース側開口42bを小さくすることができ、クランクケース42の剛性の確保に寄与している。
また、水ポンプユニット7の水ポンプケース72は、外形を二点鎖線で示すのみで省略図示し、水ポンプケース72に締結された水ポンプカバー73と、水ポンプケースに支持された駆動軸71と従動ギヤ74、および駆動軸71の軸受71aを示す。
なお、図8において水ポンプユニット7側の部材は、目視容易のため、点ハッチングを付して示される。
したがって、図8に示されるように、水ポンプケース72のパワーユニット3への取付けにあたっては、突出した従動ギヤ74を、パワーユニット3のクランクケース上面42aに設けられたクランクケース側開口42b内に挿入していくだけで、従動ギヤ74を、パワーユニット3側のクランク軸31に嵌装された水ポンプ駆動ギヤ31aと噛合させて連結させることができ、例えばチェーン駆動の場合と比べて、水ポンプユニット7の組付け作業が良好で、容易となる。
したがって、締結ボルト79aの締め代によって、水ポンプユニット7側の従動ギヤ74とパワーユニット3側の水ポンプ駆動ギヤ31aとの噛み合いを、容易に精度良く設定することができる。
すなわち、水ポンプケース72に、インペラを駆動する駆動軸71と、動力伝達側装置としてのパワーユニット3の動力を駆動軸71に伝達する伝達部材としての従動ギヤ74とを備えた水ポンプユニット7において、水ポンプケース72は、駆動軸71を収容して支持し従動ギヤ74は、駆動軸71を介して水ポンプケース72に支持され、その一部が水ポンプケース72から突出し、水ポンプケース72の、パワーユニット3に取付けられるクランクケース接合面72cは、従動ギヤ74に沿って配置される水ポンプ側開口72bを備えるので、クランクケース接合面72cも従動ギヤ74の外形に沿って形成されている。
そのように、パワーユニット3に取付けられる水ポンプケース72のクランクケース接合面72cが、従動ギヤ74の外形に沿って形成されることで、クランクケース接合面72cを小さくすることができ、パワーユニット3のクランクケース側開口42bを小さくすることができ、動力伝達側装置であるパワーユニット3の剛性の確保に寄与する。
たとえば、動力伝達側装置は、請求項1ないし請求項3において内燃機関を備えたパワーユニットに限定されず、伝達部材は請求項1において従動ギヤに限定されない。
請求項4、請求項5において内燃機関を備えたパワーユニットの内燃機関は、実施形態の6気筒の水平対向型の内燃機関に限定されない。
なお、パワーユニットおよび水ポンプユニットの各部分の構成配置は、説明の便宜上、実施形態において図示の左右方向配置に特定して記載したが、本発明においては、左右逆の配置のものであってもよい。
Claims (4)
- 水ポンプケース(72)に、インペラを駆動する駆動軸(71)と、動力伝達側装置(3)の動力を前記駆動軸(71)に伝達する伝達部材(74)とを備え、
前記伝達部材(74)は、前記動力伝達側装置(3)の動力で駆動される従動ギヤ(74)であり、
前記水ポンプケース(72)は、前記駆動軸(71)を収容して支持するとともに、前記動力伝達側装置(3)のクランクケース(42)に取り付けられ、
前記従動ギヤ(74)は、前記駆動軸(71)に支持され、該駆動軸(71)を介して前記水ポンプケース(72)に支持される水ポンプユニット(7)において、
前記クランクケース(42)は、クランクケース側開口(42b)が形成された平面状の上面(42a)を有し、前記水ポンプケース(72)は、水ポンプ側開口(72b)が形成された平面状接合面(72c)を有し、
前記水ポンプケース(72)の前記接合面(72c)が前記クランクケース側開口(42b)に合致する状態で、前記クランクケース(42)の上面(42a)に前記水ポンプケース(72)の接合面(72c)が接合され、
前記従動ギヤ(74)は、その一部が、前記水ポンプケース(72)の前記水ポンプ側開口(72b)および前記クランクケース(42)の前記クランクケース側開口(42b)を貫通し、それら開口(72b,42b)に沿って前記クランクケース(42)の内部に挿入されて、従動ギヤ(74)が前記動力伝達側装置(3)に噛合し、
前記従動ギヤ(74)の径方向の大きさは、該従動ギヤ(74)の前記駆動軸(71)方向の大きさよりも大きいことを特徴とする水ポンプユニット。 - 前記水ポンプユニット(7)を前記パワーユニット(3)のクランクケース(42)に締結する締結ボルト(79a)を備え、該締結ボルト(79a)の軸方向が、前記水ポンプユニット(7)の前記駆動軸(71)に対して直交していることを特徴とする請求項1に記載の水ポンプユニット。
- 前記駆動軸(71)は、前記水ポンプケース(72)に支持された複数の軸受(71a)に支持され、前記従動ギヤ(74)は前記軸受(71a)の間に支持されることを特徴とする請求項1または5に記載の水ポンプユニット。
- 前記従動ギヤ(74)は円板形状をなし、前記水ポンプ側開口(72b)および前記クランクケース側開口(42b)は、従動ギヤ(74)の前記円板形状に沿う形状をなすことを特徴とする請求項1、5または6に記載の水ポンプユニット。
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