JP2000247286A - ペダル付き補助動力車両 - Google Patents

ペダル付き補助動力車両

Info

Publication number
JP2000247286A
JP2000247286A JP11053327A JP5332799A JP2000247286A JP 2000247286 A JP2000247286 A JP 2000247286A JP 11053327 A JP11053327 A JP 11053327A JP 5332799 A JP5332799 A JP 5332799A JP 2000247286 A JP2000247286 A JP 2000247286A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pedal shaft
auxiliary power
cover member
pedal
shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11053327A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiki Hachiya
可樹 蜂屋
Yukihiro Tsubakino
幸博 椿野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP11053327A priority Critical patent/JP2000247286A/ja
Publication of JP2000247286A publication Critical patent/JP2000247286A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ペダル付き補助動力車両において、補助動力
部を覆うカバー部材のペダル軸下方への張り出しを小さ
くして、補助動力部の小型化、軽量化、低重心化と加工
工数、部品点数の低減等を図る。 【解決手段】 ペダル軸15に補助動力が入力され、ペダ
ル軸15を介して駆動輪(後輪)12が駆動されるようにさ
れたペダル付き補助動力車両1において、ペダル軸15と
ペダル軸15に連動連結される補助動力伝達用の動力伝達
部材とを覆うカバー部材18が、ペダル軸15の方向と交差
する方向に上下分割された2つのカバー部材要素18a 、
18b により構成されている。補助動力部16とペダル軸15
とは、車両進行方向に見て前後に配置されている。動力
伝達部材は、遊星歯車装置を含み、遊星歯車装置のリン
グ歯車は、カバー部材18により支持され、遊星歯車装置
の出力軸は、ペダル軸15に嵌合されて支持されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願の発明は、ペダル付き補
助動力車両に関し、特にペダル軸と補助動力部の動力伝
達部材とを覆うカバー部材のペダル軸下方への張り出し
を小さくして、補助動力部の小型化と軽量化、低重心化
等を図ったペダル付き補助動力車両に関する。
【0002】
【従来技術】従来のペダル付き補助動力車両は、そのペ
ダル軸と補助動力部の動力伝達部材とを覆うカバー部材
が、ペダル軸の方向に左右分割された2つのカバー部材
要素により構成されており、これら2つのカバー部材要
素を連結してカバー部材とするために、各カバー部材要
素の周縁にフランジ部を形成し、これら両フランジ部を
締付け具(ねじ)により緊締するようにしている(特公
平5−72318号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このため、カバー部材
がペダル軸の下方に大きく張り出し、また、2つのカバ
ー部材要素の合わせ面の剛性を確保するために、合わせ
面部が厚肉にされるので、重量も増大していた。
【0004】本願の発明は、従来のペダル付き補助動力
車両が有する前記のような問題点を解決して、ペダル軸
と補助動力部の動力伝達部材とを覆うカバー部材のペダ
ル軸下方への張り出しを小さくし、補助動力部の小型
化、軽量化と低重心化、さらには加工工数および部品点
数の低減とを可能にするペダル付き補助動力車両を提供
することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および効果】本願の発明
は、前記のような課題を解決したペダル付き補助動力車
両に係り、その請求項1に記載された発明は、ペダル軸
に補助動力が入力され、前記ペダル軸を介して駆動輪が
駆動されるようにされたペダル付き補助動力車両におい
て、前記ペダル軸と前記ペダル軸に連動連結される補助
動力伝達用の動力伝達部材とを覆うカバー部材が、前記
ペダル軸の方向と交差する方向に上下分割された2つの
カバー部材要素により構成されたことを特徴とするペダ
ル付き補助動力車両である。
【0006】請求項1に記載された発明は、前記のよう
に構成されており、ペダル軸と該ペダル軸に連動連結さ
れる補助動力伝達用の動力伝達部材とを覆うカバー部材
は、ペダル軸の方向と交差する方向に上下分割された2
つのカバー部材要素により構成されるので、2つのカバ
ー部材要素の合わせ面(締付け座面)高さを高くするこ
とができ、カバー部材のペダル軸下方への張り出しを小
さくすることができる。また、このために左右ペダル間
の間隔を広げることもない。
【0007】また、カバー部材のペダル軸下方への張り
出しを招来することなく、2つのカバー部材要素の合わ
せ面部の寸法を大にして、その剛性を十分に確保するこ
とができる。
【0008】さらに、2つのカバー部材要素の合わせ面
部の剛性を十分に確保することができることにより、ボ
ルト等による締付け本数を削減することができ、組立性
を向上させることができる。
【0009】また、請求項2記載のように請求項1記載
の発明を構成することにより、補助動力部とペダル軸と
は、車両進行方向に見て前後に配置される。
【0010】この結果、ペダル軸前方の車体フレーム下
の空きスペースを利用して補助動力部を配置することが
でき、しかも、ペダル軸に十分に近接させて補助動力部
を配置することができるので、スペースの有効利用、補
助動力部の軽量化、低重心化を図ることができる。
【0011】また、請求項3記載のように請求項1また
は請求項2記載の発明を構成することにより、動力伝達
部材は、遊星歯車装置を含み、該遊星歯車装置のリング
歯車は、カバー部材により支持され、該遊星歯車装置の
出力軸は、ペダル軸に嵌合されて支持される。
【0012】この結果、前記した請求項1記載の発明が
奏する、カバー部材のペダル軸下方への張り出しを小さ
くすることができる効果とも相俟って、遊星歯車装置に
大径のものを使用することにより、軸数を増やさずと
も、減速比を大きくすることができ、補助動力部の軸間
距離(内燃機関のクランクシャフトとペダル軸との間の
距離)を短縮することができる。これにより、補助動力
部を小型化することができる。
【0013】さらに、遊星歯車装置を使用することによ
り、補助動力部の出力と人力とを2本のシャフト(内燃
機関のクランクシャフトとペダル軸)のみを使用してペ
ダル軸上のドライブスプロケットに伝達することがで
き、加工工数と部品点数とを削減することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図1ないし図9に図示され
る本願の請求項1ないし請求項3に記載された発明の一
実施形態について説明する。図1は、本実施形態におけ
るペダル付き補助動力車両の左側面図、図2は、図1の
II−II線矢視縦断面図、図3は、図1のペダル付き
補助動力車両の補助動力部およびペダル軸部分の左側面
図であって、オルタネータ等収容部分のカバーを取り外
して見た図、図4は、図2のIV−IV線矢視縦断面
図、図5は、図2のV−V線矢視縦断面図、図6は、オ
イルパンを示す図であって、図5のVI−VI線矢視横
断面図、図7は、図1のペダル付き補助動力車両の補助
動力部およびペダル軸部分の右側面図であって、タイミ
ングカム室を覆うカバーを取り外し、一部を破断して示
した図、図8は、オイルポンプをセットするセットプレ
ートの平面図、図9は、タイミングカム室を覆うカバー
の裏面図である。
【0015】図1において、本実施形態におけるペダル
付き補助動力車両1は、原動機付き自転車ともいわれる
ものであって、車両前部のヘッドパイプ2に前輪3を軸
支したフロントフォーク4が枢支され、該フロントフォ
ーク4の上端には、ハンドル5が連結されている。
【0016】ヘッドパイプ2から車両後方下方にメイン
フレーム6が延びており、該メインフレーム6の下端部
にはリアフレーム7が接続され、該リアフレーム7は、
車両後方上方に立ち上げられて、その上端にはサドル8
が昇降自在に取り付けられている。
【0017】リアフレーム7の上端近傍には、左右一対
のバックステー9の上端が接合され、リアフレーム7の
下端には、左右一対のリアアーム10と左右一対のダウン
フレーム11が接合され、これらリアアーム10の後端部間
およびダウンフレーム11の後端部間には、後輪12が支持
されている。バックステー9の下端は、後輪12の軸と一
体のドリブンスプロケット(図示されず)のカバー13に
連結されている。
【0018】左右一対のペダルクランク14とペダル軸15
とを備えた人力入力部におけるペダル軸15の主要部分
(両端突出部を除く部分)と、該ペダル軸15より前方に
配置された補助動力部16における動力伝達部材とは、カ
バー部材18により覆われている。
【0019】この動力伝達部材は、補助動力部16におけ
る原動機部分をなす内燃機関17の出力部(クランクシャ
フト36、図2参照)とペダル軸15との間を連動連結し、
後で詳細に説明されるように、内燃機関17の出力をペダ
ル軸15に入力し、該ペダル軸15を介して駆動輪(後輪)
12を駆動させる。
【0020】カバー部材18には、内燃機関17のクランク
ケース19(図2、図5参照)や、動弁機構21の構成要素
をなすプッシュロッド22および該プッシュロッド22を上
下動させるカム機構23等を収容するタイミングカム室24
を画成する側壁25(図2、図7参照)等の器壁部分が一
体に連なり、これらカバー部材18と内燃機関17の器壁部
分とは、一体構造体をなしている。
【0021】この一体構造体は、図1の割面A−Aの位
置においてペダル軸15の方向と交差する方向に上下に分
割された2つの分割体からなっており、これら2つの分
割体が、ボルトにより一体に連結されることにより構成
されている。これら2つの分割体は、それぞれ鋳造によ
り一体に形成される。
【0022】一体構造体が、前記のとおり、割面A−A
の位置において上下に分割された2つの分割体から構成
されているので、この一体構造体の一部をなすカバー部
材18も、同様にして上下に分割された2つの分割体部分
(カバー部材要素18a 、18b)から構成されている。
【0023】人力入力部と補助動力部16とは、カバー部
材18の上部後方に立設されたブラケット26がダウンフレ
ーム11の下方に垂下立設されたブラケット27にボルト連
結され、また、カバー部材18の上部前方に立設されたブ
ラケット28がメインフレーム6およびリアフレーム7に
ステー85を介して支持されることにより、車両1のフレ
ーム部分に一体に吊持されている。ブラケット26、28の
ボルト挿通部には、防振リング82、83(図3参照)が介
装されていて、前後輪3、12側から人力入力部と補助動
力部16とに伝えられる衝撃が緩和されている。
【0024】内燃機関17とカバー部材18のブラケット28
とにより挟まれた直ぐ上方の空間には、気化器29が内燃
機関17の本体部に支持されて設けられ、リアフレーム7
とバックステー9とにより挟まれた角部空間には、エア
クリーナ30がこれらリアフレーム7とバックステー9と
により支持されて設けられている。
【0025】また、リアフレーム7とリアアーム10とに
より挟まれた角部空間には、バッテリー31がこれらリア
フレーム7とリアアーム10とにより支持されて設けら
れ、ヘッドパイプ2の直ぐ後方には、メインフレーム6
に沿って燃料タンク32が該メインフレーム6に支持され
て設けられている。
【0026】これらエアクリーナ30と燃料タンク32と
は、メインフレーム6、リアフレーム7、バックステー
9の上方部分にまたがるフレームカバー33により覆われ
て、目隠しされている。カバー33は、気化器29の一部と
バッテリー31の一部をも覆っている。
【0027】次に、補助動力部16の構成について、詳細
に説明する。補助動力部16の原動機部をなす内燃機関17
は、図2および図5に図示されるように、OHV式内燃
機関であって、そのシリンダ20内を往復動するピストン
34がコンロッド35によりクランクシャフト36に連結さ
れ、ピストン34の往復動がクランクシャフト36の回転動
に変換される。
【0028】クランクシャフト36は、カバー部材18の上
下カバー部材要素18a 、18b の各合わせ面に形成された
半円状の軸受部に、ボール軸受37により軸受されて支持
されている。
【0029】クランクシャフト36の図2において左方端
部側には、オルタネータ38の回転子39が嵌着され、該回
転子39の右側に直ぐ隣接して、クラッチ40のインナー41
が嵌着されている。クラッチ40は遠心式のものであっ
て、クランクシャフト36の回転数が高まると、インナー
41がアウター42に接触して、これらが一体として回転す
る。
【0030】そうすると、ドライブスプロケット43がア
ウター42と一体に回転し、該ドライブスプロケット43と
ドリブンスプロケット44とに巻き掛けられたチェーン45
を介して、ドライブスプロケット43の回転がドリブンス
プロケット44に伝達される。アウター42は、ドライブス
プロケット43のボス部に相対回転不能に嵌着されてい
る。ドライブスプロケット43は、クランクシャフト36に
回転自在に嵌合され、ドリブンスプロケット44は、ペダ
ル軸15に回転自在に嵌合されている。
【0031】ドライブスプロケット43の右側に隣接し
て、始動用のドリブンギヤ46が一方向クラッチを介して
クランクシャフト36に嵌合されている。この始動用ドリ
ブンギヤ46は、ギヤ機構84を介してセルモータ80により
駆動され(図4参照)、始動時に、始動方向に回転させ
られたときにのみ、クランクシャフト36を一体に回転さ
せる。
【0032】クランクシャフト36の図2において右方端
には、オイルポンプ47のインナーが嵌着されている。オ
イルポンプ47は、タイミングカム室24の開口48を塞ぐカ
バー49の裏面に形成された凹部50内に収容され、セット
プレート51により蓋をされて、該凹部50内に保持されて
いる(図2、図7〜図9参照)。図8および図9には、
セットプレート51およびカバー49の各単体が、それぞれ
図示されている。カバー49は、図示の状態から裏返しさ
れて、開口48部に当てがわれる。
【0033】オイルポンプ47には、カバー部材18の底部
に形成されたオイルパン52(図2、図5参照)に溜めら
れた潤滑油がオイル通路53、54を介して吸入され、オイ
ルポンプ47からは、図7および図9に図示されるよう
に、タイミングカム室24の側壁25に形成されたオイル通
路55、カバー49の裏面に形成されたオイル通路56、側壁
25および該側壁25に直交するタイミングカム室24を画成
する一方の壁面に形成されたオイル通路57を介して潤滑
油がシリンダヘッドカバー58内の動弁機構21部分に送ら
れる。
【0034】シリンダヘッドカバー58は、図7に図示さ
れるように、二重構造になっていて、外側ヘッドカバー
58a と内側ヘッドカバー58b とから構成されており、オ
イル通路57を介して供給された潤滑油は、これら両ヘッ
ドカバー58a 、58b 間の空間に入り、次いで、内側ヘッ
ドカバー58b の天井壁の適所に形成された複数の通孔か
ら所定の動弁機構21部分に送られる。両ヘッドカバー58
a 、58b 間の空間には、詳細には図示されていないが、
なお、オイル通路と区画されて、フリーザ室も形成され
ている。
【0035】また、オイルポンプ47からは、図2に図示
されるように、クランクシャフト36に形成されたオイル
通路59クランクピン88に形成されたオイル通路89および
コンロッド35に形成されたオイル通路(図示されず)を
介してコンロッド35とクランクシャフト36との摺動部や
コンロッド35とピストン34との摺動部、ピストン34とシ
リンダ20との摺動部等に潤滑油が送られる。
【0036】オイルパン52には、図6により良く図示さ
れるように、該オイルパン52内のオイルの流れを遮るよ
うにして、ストレーナ60が設けられている。このストレ
ーナ60は、オイルパン52の底部に2本のボルトねじ61に
より締着された底蓋62を取り外すことにより、交換が可
能である。これらのボルトねじ61は、上下カバー部材要
素18a 、18b を連結するためにも使用され、詳細には図
示されないが、上カバー部材要素18a のボルトねじ孔が
形成されたボス部にまで延びている。
【0037】次に、補助動力部16の出力をペダル軸15に
入力する動力伝達部材の構成について、詳細に説明す
る。図2において、クラッチ40の接続を介してドリブン
スプロケット44に伝達された補助動力部16(内燃機関1
7)の出力は、次いで、ドリブンスプロケット44のボス
部の外周面に形成された太陽歯車63a から第1の遊星歯
車装置63の3個の遊星歯車に入力され、該第1の遊星歯
車装置63のキャリア63b から減速して取り出され、さら
にキャリア63b の軸部の外周に形成された太陽歯車64a
から第2の遊星歯車装置64の3個の遊星歯車に入力さ
れ、該第2の遊星歯車装置64のキャリア64b から減速し
て取り出され、キャリア64b の軸部の外周面と回転筒体
65の内周面との間に介装された一方向クラッチ66を介し
てドライブスプロケット67に伝達される。
【0038】回転筒体65は、一方向クラッチ87を介して
ペダル軸15に嵌合され、該ペダル軸15が後輪12を駆動す
る方向にのみ、これと一体に回転する。ドライブスプロ
ケット67は、回転筒体65に相対回転不能に嵌着され、回
転筒体65と一体に回転し、後輪12側の図示されないドリ
ブンスプロケットとの間に架渡されたチェーン62(図
1、図2参照)を介して後輪12を駆動する。
【0039】第1の遊星歯車装置63のリング歯車63c お
よび第2の遊星歯車装置64のリング歯車64c は、カバー
部材18の内周の3個所において、防振リング68を介して
ピン69により回転不能に支持されている(図2、図5参
照)。
【0040】第1の遊星歯車装置63の太陽歯車63a (ド
リブンスプロケット44のボス部の外周面に形成されてい
る)、第2の遊星歯車装置64の太陽歯車64a 、第2の遊
星歯車装置64のキャリア64b の軸部は、いずれもペダル
軸15に回転自在に嵌合されている。したがって、補助動
力部16の出力は、実際には、ペダル軸15を介して回転筒
体65に入力されている。
【0041】ペダル軸15の図2において左端側は、カバ
ー部材18の上下カバー部材要素18a、18b の各合わせ面
に形成された半円状の軸受部に、ボール軸受70により軸
受されて支持されている。また、ペダル軸15の図2にお
いて右端側は、回転筒体65にローラ軸受71により軸受さ
れて支持されている。回転筒体65は、カバー部材18の上
下カバー部材要素18a 、18b の各合わせ面(ペダル軸15
の左端側が支持された側と反対側)に形成された半円状
の軸受部に、ボール軸受72により軸受されて支持されて
いる。
【0042】カバー部材18の上下カバー部材要素18a 、
18b は、ペダル軸15を挟んだ前後の左右2個所、合計4
個所と、クランクシャフト36の図2においてやや下方の
左右2個所と、後端部の左右2個所と、該後端部よりや
や前方寄り(図2においてやや上方寄り)の左側面の1
個所とにおいて、それらの各個所に形成されたボルト用
孔73にボルトねじ61が挿通されて螺着されることによ
り、一体に連結されている(図2、図3〜図5、図7参
照)。
【0043】内燃機関17の器壁部分の一体構造体が割面
A−Aの位置において上下に分割されて形成された2つ
の分割体部分は、クランクシャフト36の図2においてや
や上方の右側1個所と、オルタネータ38やクラッチ40、
ドライブスプロケット43等が収容された筒状のカバー部
材部分74の前端部の1個所(図4参照)とにおいて、そ
れらの各個所に形成されたボルト用孔73にボルトねじ61
が挿通されて螺着されることにより、一体に連結されて
いる。
【0044】筒状のカバー部材部分74の開口部の左側面
視輪郭形状は、円形の一部が後方斜め上側にわずかに引
き延ばされた形状をなしており、その開口部には、同じ
輪郭形状をなした蓋75が、周方向複数個所においてボル
トねじ76によりカバー部材部分74に締着されて取り付け
られている(図2、図3参照)。
【0045】セルモータ80は、筒状のカバー部材部分74
の前方下方に延設されたボックス部分81の室壁の右側面
に、内燃機関17の下方空間を利用して取り付けられてい
る(図3、図4、図7参照)。図5において、86はセル
モータ80の取付面である。ボックス部分81内には、始動
用伝動ギヤ機構84が収容されている。なお、図2および
図5において、77は点火栓、78は吸気バルブ、79は排気
バルブである。
【0046】本実施形態は、前記のように構成されてい
るので、次のような効果を奏することができる。ペダル
軸15に補助動力部16(内燃機関17)から補助動力が入力
され、ペダル軸15を介して駆動輪(後輪)12が駆動され
るようにされたペダル付き補助動力車両1において、ペ
ダル軸15と該ペダル軸15に連動連結される補助動力伝達
用の動力伝達部材(ドライブスプロケット43、ドリブン
スプロケット44、チェーン45、第1および第2の遊星歯
車装置63、64等)とを覆うカバー部材18は、ペダル軸15
の方向と交差する方向に割面A−Aの位置において上下
分割された2つのカバー部材要素18a 、18b により構成
されているので、2つのカバー部材要素18a 、18bの合
わせ面(締付け座面)高さを高くすることができ、カバ
ー部材18のペダル軸15下方への張り出しを小さくするこ
とができる。
【0047】しかも、これら両カバー部材要素18a 、18
b のこの合わせ面位置におけるボルト連結は、この位置
において両要素にボルト連結用のボス部を膨出させたと
しても、その左右方向(ペダル軸15の方向)のはみ出し
幅は小さく、クランクシャフト36の長さに十分納まる範
囲にあるので、これら両要素のボルト連結のために左右
ペダル間の間隔を広げなければならないようなことも生
じない。
【0048】また、カバー部材18のペダル軸15下方への
張り出しを招来することなく、2つのカバー部材要素18
a 、18b の合わせ面部の寸法を大にして、その剛性を十
分に確保することができる。
【0049】また、2つのカバー部材要素18a 、18b の
合わせ面部の剛性を十分に確保することができることに
より、ボルト締付け本数を削減することができ、組立性
を向上させることができる。
【0050】さらに、補助動力部16とペダル軸15とは、
補助動力部16を前方にして車両進行方向に見て前後に配
置されているので、ペダル軸15前方のメインフレーム6
下の空きスペースを利用して補助動力部16を配置するこ
とができ、しかも、ペダル軸15に十分に近接させて補助
動力部16を配置することができるので、スペースの有効
利用、補助動力部16の小型化、軽量化、低重心化を図る
ことができる。
【0051】また、このように補助動力部16の軽量化を
図ることができるので、前記のとおり、2つのカバー部
材要素18a 、18b の合わせ面部の剛性確保のために該合
わせ面部の寸法を大にしたとしても、それにより生ずる
重量増加を十分に吸収することができる。
【0052】また、動力伝達部材は、第1および第2の
遊星歯車装置63、64を含み、これら遊星歯車装置63、64
のリング歯車63c 、64c は、カバー部材18の内周の3個
所において、防振リング68を介してピン69により回転不
能に支持され、これら遊星歯車装置63、64の出力軸(太
陽歯車64a の軸、キャリア64b の軸部)は、ペダル軸15
に回転自在に嵌合されて支持されている。
【0053】この結果、前記した、カバー部材18のペダ
ル軸15下方への張り出しを小さくすることができる効果
とも相俟って、遊星歯車装置63、64に大径のものを使用
して減速比を大きくすることができ、補助動力部16の軸
間距離(内燃機関17のクランクシャフト36とペダル軸15
との間の距離)を短縮することができる。これにより、
補助動力部16を小型化、軽量化することができる。
【0054】また、防振リング68が使用されているの
で、補助動力部16が振動しても、これを吸収して、第1
および第2の遊星歯車装置63、64の作動を円滑化するこ
とができる。加えて、カバー部材18のブラケット26、28
のボルト挿通部にも防振リング82、83が使用されている
ので、車両1のフレーム部分に吊持される人力入力部お
よび補助動力部16の振動は低減され、前記の効果は、さ
らに助長される。
【0055】さらに、第1および第2の遊星歯車装置6
3、64を使用することにより、補助動力部16(内燃機関1
7)の出力と人力とを2本のシャフト(クランクシャフ
ト36、ペダル軸15)のみを使用してペダル軸15上のドラ
イブスプロケット67に伝達することができ、加工工数と
部品点数とを削減することができる。
【0056】本実施形態において、遊星歯車装置63、64
の最終端出力軸であるキャリア64bの軸部と回転筒体65
とは、一方向クラッチ66を介して後輪12の駆動方向にの
み一体に回転するように連結されたが、これに限定され
ず、キャリア64b の軸部と回転筒体65とをスプライン嵌
合させて、いずれの方向にも一体に回転するように連結
してもよい。
【0057】このようにすると、補助動力部16の出力に
よりペダル軸15を介して車両1を走行させている場合に
おいて、降坂時にも、エンジンブレーキを効かせること
ができる。
【0058】なお、キャリア64b の軸部と回転筒体65と
をスプライン嵌合させても、人力によりペダル軸15を介
して車両1を走行させる場合には、クランクシャフト36
が回転しないので、遠心式クラッチ40による動力の伝達
が断たれて、人力走行に支障は生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の請求項1ないし請求項3に記載された発
明の一実施形態におけるペダル付き補助動力車両の左側
面図である。
【図2】図1のII−II線矢視縦断面図である。
【図3】図1のペダル付き補助動力車両の補助動力部お
よびペダル軸部分の左側面図であって、オルタネータ等
収容部分のカバーを取り外して見た図である。
【図4】図2のIV−IV線矢視縦断面図である。
【図5】図2のV−V線矢視縦断面図である。
【図6】オイルパンを示す図であって、図5のVI−V
I線矢視横断面図である。
【図7】図1のペダル付き補助動力車両の補助動力部お
よびペダル軸部分の右側面図であって、タイミングカム
室を覆うカバーを取り外し、一部を破断して示した図で
ある。
【図8】オイルポンプをセットするセットプレートの平
面図である。
【図9】タイミングカム室を覆うカバーの裏面図であ
る。
【符号の説明】
1…ペダル付き補助動力車両、2…ヘッドパイプ、3…
前輪、4…フロントフォーク、5…ハンドル、6…メイ
ンフレーム、7…リアフレーム、8…サドル、9…バッ
クステー、10…リアアーム、11…ダウンフレーム、12…
後輪(駆動輪)、13…カバー、14…ペダルクランク、15
…ペダル軸、16…補助動力部、17…内燃機関、18…カバ
ー部材、18a 、18b …カバー部材要素、19…クランクケ
ース、20…シリンダ、21…動弁機構、22…プッシュロッ
ド、23…カム機構、24…タイミングカム室、25…側壁、
26、27、28…ブラケット、29…気化器、30…エアクリー
ナ、31…バッテリー、32…燃料タンク、33…フレームカ
バー、34…ピストン、35…コンロッド、36…クランクシ
ャフト、37…ボール軸受、38…オルタネータ、39…回転
子、40…クラッチ、41…インナー、42…アウター、43…
ドライブスプロケット、44…ドリブンスプロケット、45
…チェーン、46…ドリブンギヤ、47…オイルポンプ、48
…開口、49…カバー、50…凹部、51…セットプレート、
52…オイルパン、53〜57…オイル通路、58…シリンダヘ
ッドカバー、58a …外側ヘッドカバー、58b …内側ヘッ
ドカバー、59…オイル通路、60…ストレーナ、61…ボル
トねじ、62…チェーン、63…第1の遊星歯車装置、63a
…太陽歯車、63b …キャリア、63c …リング歯車、64
…、64a …太陽歯車、64b …キャリア、64c …リング歯
車、65…回転筒体、66…一方向クラッチ、67…ドライブ
スプロケット、68…防振リング、69…ピン、70…ボール
軸受、71…ローラ軸受、72…ボール軸受、73…ボルト用
孔、74…筒状カバー部材部分、75…蓋、76…ボルトね
じ、77…点火栓、78…吸気バルブ、79…排気バルブ、80
…セルモータ、81…ボックス部分、82、83…防振リン
グ、84…ギヤ機構、85…ステー、86…取付面、87…一方
向クラッチ、88…クランクピン、89…形成されたオイル
通路。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペダル軸に補助動力が入力され、前記ペ
    ダル軸を介して駆動輪が駆動されるようにされたペダル
    付き補助動力車両において、 前記ペダル軸と前記ペダル軸に連動連結される補助動力
    伝達用の動力伝達部材とを覆うカバー部材が、前記ペダ
    ル軸の方向と交差する方向に上下分割された2つのカバ
    ー部材要素により構成されたことを特徴とするペダル付
    き補助動力車両。
  2. 【請求項2】 前記補助動力部と前記ペダル軸とは、車
    両進行方向に見て前後に配置されたことを特徴とする請
    求項1記載のペダル付き補助動力車両。
  3. 【請求項3】 前記動力伝達部材は、遊星歯車装置を含
    み、 前記遊星歯車装置のリング歯車は、前記カバー部材によ
    り支持され、 前記遊星歯車装置の出力軸は、前記ペダル軸に嵌合され
    て支持されたことを特徴とする請求項1または請求項2
    記載のペダル付き補助動力車両。
JP11053327A 1999-03-01 1999-03-01 ペダル付き補助動力車両 Pending JP2000247286A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11053327A JP2000247286A (ja) 1999-03-01 1999-03-01 ペダル付き補助動力車両

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11053327A JP2000247286A (ja) 1999-03-01 1999-03-01 ペダル付き補助動力車両

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000247286A true JP2000247286A (ja) 2000-09-12

Family

ID=12939641

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11053327A Pending JP2000247286A (ja) 1999-03-01 1999-03-01 ペダル付き補助動力車両

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000247286A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT511350B1 (de) * 2011-08-11 2012-11-15 Avl List Gmbh Einspuriges pedalgetriebenes fahrzeug

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT511350B1 (de) * 2011-08-11 2012-11-15 Avl List Gmbh Einspuriges pedalgetriebenes fahrzeug
AT511350A4 (de) * 2011-08-11 2012-11-15 Avl List Gmbh Einspuriges pedalgetriebenes fahrzeug

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6220075B2 (ja)
JP2001280111A (ja) 内燃機関の潤滑構造
JPH02118269A (ja) 変速装置のリンク機構
JP3539517B2 (ja) ユニットスイング内燃機関のスタータモータ取付配置構造
JP2004084551A (ja) 鞍乗型乗り物における駆動装置
JP2002201954A (ja) 自動二輪車用エンジン
JP2011105148A (ja) 車両用パワーユニット
JP2000247286A (ja) ペダル付き補助動力車両
JP6898377B2 (ja) 内燃機関の動弁構造
JP6623769B2 (ja) 内燃機関のクランク室内圧低減機構
JP3072668B2 (ja) 強制空冷エンジンのスタータクラッチ室構造
JP2726452B2 (ja) エンジンのセルモータ配置構造
JP4106962B2 (ja) 内燃機関におけるバランサシャフト周辺構造
JP3711266B2 (ja) 単気筒4サイクルエンジン
JP2002201923A (ja) 車両用並列多気筒エンジン
JP7022219B2 (ja) 内燃機関
JP7019831B2 (ja) 内燃機関
CA2708090C (en) Supercharger lubricating structure for internal combustion engine
JP2001130469A (ja) スクータ型車両
JPH07145739A (ja) 2サイクルエンジンのエンジン周りの配置構造
JPWO2003104621A1 (ja) 鞍乗型車両におけるエンジンのブローバイガス還元装置
JPH09144555A (ja) 少数気筒の4サイクルエンジン
JP2716151B2 (ja) ユニットスイング式エンジン
JP2005291052A (ja) 内燃機関の潤滑構造
JP6601135B2 (ja) 4サイクルエンジンのクランクケース構造