JP3711266B2 - 単気筒4サイクルエンジン - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、単気筒4サイクルエンジンに関し、特にバランサ軸の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
単気筒4サイクルエンジンにおいて、従来、バランサ軸のウエイト部を軸芯方向の中央部と両端部の3個所に分配することにより、バランサ軸の径方向寸法が大きくなるのを防ぎ、エンジンの大型化を防ぐようにしたものは提案されている。たとえば、実公平7−24566号公報に記載されたエンジンは、図7に示すように、クランク軸301と平行にバランサ軸300が配置され、バランサ軸300の軸芯方向の中央部にクランク軸301のウエブ(ウエイト)302間に位置する中央ウエイト部305が形成され、軸芯方向の両端部にそれぞれサイドウエイト部306,307が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが図7に記載されたバランサ軸300は、中央ウエイト部305と両サイドウエイト部306,307とバランサギヤ311がバランサ軸300と一体成形され、しかも、総てのウエイト部305,306,307とバランサギヤ311が軸受部分315間に配置されると共にクランク室316内に収納されている。
【0004】
そのためバランサ軸300の軸受間距離が大きくなり、それに伴ってクランク軸301の軸受間距離も大きくなり、バランサ軸300及びクランク軸301の剛性を上げる必要があり、エンジンの軽量化及びコンパクト化の障害となる。また、バランサ軸全体の形状が複雑化し、部品加工に手間がかかると共にバランサ軸の組付け及びメンテナンスにも手間がかかる。
【0005】
【発明の目的】
本願発明の目的は、バランサ軸及びエンジンのコンパクト化を図ると共に、バランサ軸の組付及びメンテナンスを容易に行なえるようにすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本願発明は、クランク室51のクランク軸芯方向の両側にクランクケース端壁53,54を介してそれぞれカバー室を形成し、両カバー室のうち一方のカバー室はクラッチを収納すると共にオイルが溜められるクラッチ室59となっており、クランク室51のオイルをスカベンジングポンプ107によりクラッチ室59に汲み出すドライサンプ式単気筒4サイクルエンジンにおいて、バランサ軸50を上記クランクケース端壁53,54に軸受65を介して支持し、バランサ軸50の軸芯方向の中央部に、クランク軸41のウエブ間に位置する中央ウエイト部78を設け、バランサ軸50の軸芯方向の両端部に、バランサ軸50とは別体に形成されたサイドウエイト部79、80をバランサ軸50に対して着脱自在に設けると共に各サイドウエイト部79,80をそれぞれカバー室に収納し、上記中央ウエイト部78は、サイドウエイト部79,80よりも径方向の寸法を大きくしてあることを特徴としている。
【0007】
上記構成により、3つのウエイト部をバランサ軸と一体に形成している従来構造に比べ、バランサ軸の部品加工が簡単になると共に、バランサ軸のクランクケースへの組付け作業及びメンテナンス作業も容易になる。
【0008】
また、バランサ軸の軸受間距離を短縮することができ、それによりクランク軸の軸受間距離も短くできると共に、バランサ軸及びエンジンのコンパクト化を達成できる。
【0009】
また、ドライサンプ式4サイクルエンジンにおいて、中央ウエイト部は、サイドウエイト部よりも径方向の寸法を大きくしてあることにより、クランク軸のウエブ間の空間を有効に利用してバランス用の偏芯重量を大きく確保でき、特に、ドライサンプ式エンジンの場合には、クランク室がドライ状態であるため、オイルの抵抗を考慮することなくクランクケースの内壁ぎりぎりまで中央ウエイト部を大きくすることができる。
【0010】
さらに、サイドウエイト部かかるクラッチ室内のオイルの抵抗を少なくでき、また、クランクギヤの外周側空間をサイドウエイト部配置空間として利用できるのである。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のドライサンプ式単気筒4サイクルエンジンにおいて、バランサ軸の軸芯方向の端部にバランサギヤを着脱自在に設け、該バランサギヤにサイドウエイト部を一体に形成してある。
【0012】
これにより、バランサ用の部品点数を少なくできる。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のドライサンプ式単気筒4サイクルエンジンにおいて、ドライバランサギヤはシザースギヤである。
【0014】
これにより、サイドウエイト部が一体成形されるサイドギヤとして、シザースギヤを採用すると、回転変動が生じ易いバランサ軸のバックラッシュを無くし、ギヤ騒音を低減できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
[エンジンが搭載される車輌]
図1は本願発明が適用されたドライサンプ式単気筒4サイクルエンジンを搭載した騎乗型不整地走行用四輪車を示しており、車体フレーム1の前部には左右一対の前輪2を備え、後部にはスイングアーム4を介して左右一対の後車輪5を備え、スイングアーム4はショックアブソーバ3により弾性支持されている。車体フレーム1内にはエンジン7及びラジエター8等を搭載し、車体フレーム1の上部には騎乗型シート10、燃料タンク11及びバー状のハンドル12等を備えている。
【0019】
エンジン7は、クランクケース20の上に、シリンダ21、シリンダヘッド22及びヘッドカバー23を順次締結してなり、シリンダヘッド22の前面排気口に排気管24が接続し、該排気管24は右側へ湾曲して後方に延び、マフラ25に接続している。シリンダヘッド21の後面吸気口に吸気管26が接続し、該吸気管26はキャブレター27、吸気ダクト28及びエレメント29を内蔵する後方のエアクリーナボックス30に接続している。
【0020】
該車輌はチェーン駆動方式を採用しており、エンジン7の出力スプロケット31と後車軸32のスプロケット33の間に駆動チェーン34を巻き掛け、駆動チェーン34により後輪5を駆動するようになっている。図1中、符号O1,O2,O3,O5はそれぞれエンジン7のクランク軸芯、変速入力軸芯、変速出力軸芯及びバランサ軸芯を示している。
【0021】
[エンジンの概要]
図2は図1のII-II断面展開拡大図であり、シリンダ中心線C、クランク軸芯O1、変速入力軸芯O2及び変速出力軸芯O3を通る面でエンジン7を切断して展開した図である。この図2において、クランクケース20は左右のクランクケース部材20a,20bに2分割されており、両クランクケース部材20a,20bは、シリンダ中心線Cを通りクランク軸芯O1と直交する面を合わせ面として結合されている。クランクケース20内は、前部がクランク軸41を収納するクランク室51となっており、後部がミッションMを収納するミッション室52となっている。
【0022】
クランクケース20の左右端壁53,54にはそれぞれクランクケースカバー56,57が締着されており、左側のクランクケースカバー56で覆われるカバー室58にはジェネレータ60が収納され、右側のクランクケースカバー57で覆われるカバー室59内には多板摩擦式クラッチ61が収納されている。
【0023】
左右の各クランクケースカバー56,57及びカバー室58,59を明確に区別するため、それぞれ収納する装置の名称に従い、左側のクランクケースカバー56及びカバー室58をジェネレータカバー及びジェネレータ室と称し、右側のクランクケースカバー57及びカバー室59をクラッチカバー及びクラッチ室と称して、以下説明する。
【0024】
[動力伝達系]
クランク軸41はクランクケース20の左右端壁53,54に軸受65,65を介して回転可能に支持されると共に左右2分割構造となっており、クランクピン37により左右のクランク軸部分が結合されている。クランク軸41の左端部分はジェネレータ室58内に突出し、カムチェーン用スプロケット68が形成されると共に、始動ギヤ84及び前記ジェネレータ60のロータ(フライホール)70が取り付けられている。上記カムチェーン用スプロケット68に巻き掛けられたカムチェーン71は、シリンダ21及びシリンダヘッド22に形成されたカムチェーントンネル62を通過してヘッドカバー23内に至り、カム軸48のスプロケット72に巻き掛けられている。
【0025】
クランク軸41の右端部はクラッチ室59内に突出し、該クラッチ室59内に突出した該右端部には軸受65側(左側)から順にバランサ駆動ギヤ83とクランクギヤ82が並設されており、クランクギヤ82はクラッチ61のクラッチギヤ81に噛み合っている。
【0026】
ミッション室52内のミッションMは、変速入力軸42及び変速出力軸43等の変速用軸並びに変速ギヤ群等から構成されており、変速入力軸42の右端部はクラッチ室59内に突出し、該右端突出部に前記クラッチ61が取り付けられている。変速出力軸43の左端部はクランクケース外に突出し、該左端突出部に前記出力スプロケット31が固定されている。
【0027】
[バランサ軸の構造]
図4は図3のIV-IV断面を示しており、バランサ軸50は、クランク軸41の前方にクランク軸41と平行に配置され、クランクケース20の左右端壁53,54に軸受75,75を介して回転可能に支持されている。バランサ軸50の右側の軸受75の外側にはオイルシールが設けられている。バランサ軸50の左右端部はそれぞれクランク室51内からジェネレータ室58内とクラッチ室59内に突出しており、バランサ軸芯方向の中央と左右両端部に中央ウエイト部78と左右のサイドウエイト部79,80がそれぞれ設けられている。
【0028】
中央ウエイト部78は半円状に形成されると共にバランサ軸50と一体成形されており、クランク軸41のウエブ49間に配置されている。
【0029】
左サイドウエイト部79はバランサ軸50とは別体に形成され、バランサ軸50の軸芯方向の左端部に着脱自在に固定されている。具体的には、左サイドウエイト部79は、バランサ軸50の軸芯方向の左端部に形成されたスプライン歯にスプライン嵌合すると共に係止リング73により軸芯方向に係止されており、ジェネレータ室58内に収納されると共にカムチェーン用スプロケット68に前方から対向している。
【0030】
右サイドウエイト部80はバランサギヤ91の右側面にバランサギヤ91と一体成形されると共に、バランサギヤ91と共にクラッチ室59内に収納されており、バランサギヤ91は前記クランク軸41のバランサ駆動ギヤ83に噛み合っている。上記のようにバランサギヤ91がバランサ駆動ギヤ83と噛み合っていることにより、右サイドウエイト部80はバランサ駆動ギヤ83に隣接するクランクギヤ82に対して前方から対向している。すなわち、クラッチギヤ82の外周側空間を有効に利用して右サイドウエイト部80が配置されている。
【0031】
バランサギヤ91はバランサ軸50とは別体に形成され、バランサ軸50の軸芯方向の右端部に嵌合すると共にキー74により回転方向に固定され、ナット85により軸芯方向移動不能に固定されている。
【0032】
上記バランサ軸50は単気筒4サイクルエンジン用の一軸一次バランサであるので、各ウエイト部78,79,80はクランクウエブ49とピストンの上死点でクランクピン37に対し反対の位相に位置している(図3参照)。
【0033】
バランサギヤ91はクランク軸41のバランサ駆動ギヤ83と同径に形成され、これによりバランサ軸50はクランク軸41と逆向きに同期回転するようになっている。中央ウエイト部78の径方向の寸法(半径)R1はバランサギヤ91の半径と略同じ大きさに設定され、右サイドウエイト部80の径方向の寸法R2は中央ウエイト部78の径方向の寸法R1よりも小さく設定され、さらに左サイドウエイト部79の径方向の寸法R3は右サイドウエイト部80の径方向の寸法R2よりも小さく設定され、ジェネレータ室58内の左サイドウエイト部79がカムチェーン71の邪魔にならないようになっている。
【0034】
バランサギヤ91としては、バックラッシュを吸収できるようにシザースギヤを用いている。すなわち、バランサギヤ91のギヤ本体に対して一定範囲で相対回転可能にサブギヤ86を併設し、ギヤ本体とサブギヤ86の間に周方向圧縮可能なコイルばね87を縮設し、該コイルばね87の弾性力により、ギヤ本体の歯とサブギヤ86の歯とを所定角度で齟齬させてある。
【0035】
バランサ軸50の右端縁には、水ポンプ98のポンプ軸99が継手を介して連動連結している。
【0036】
図3は左クランクケース部材20aの内面(右側面)を示しており、バランサ軸50とクランク軸41との前後方向の位置関係を明確に示している。
【0037】
[クランクケース内のオイル収納構造]
図3において、該実施の形態のエンジンは前述のようにドライサンプ式であるが、エンジン外部にオイルタンクを設置する代わりに、クランク室51と後方のミッション室52とを一定高さの仕切り壁55により仕切り、これによりクランク室51をドライ状態に保つと共に、ミッション室52の下部をオイルタンク室64として利用している。上記仕切り壁55は、クランク軸芯O1と概ね同じ高さに形成されると共に、クランクウエブ49の外形に沿って前下方に延び、クランク軸芯O1の概ね直下位置で下方に延びる隔壁101に繋がっており、これによりオイルタンク室64をクランク室51の下方位置まで拡張している。クランク室51は、上記仕切り壁55の前下端(隔壁101との交点)から前方に繋がる底壁102により下方が囲まれており、該底壁102は前方のバランサ軸50の下方位置まで至り、さらにバランサ軸50の中央ウエイト部78の外周に沿ってクランク室51の前上端部まで延びている。
【0038】
図5において、クランク室51の左端壁(クランクケース左端壁)53には、クランク室51の底部と略同一面のオイル逃がし通路125が形成され、該オイル逃がし通路125はジェネレータ室58に対して段差Dを有して開口している。クランク室51の底壁102の下側には、クランク軸芯O1と平行な一対のオイル通路130,131がクランクケース20と一体に並設されており、一方のオイル通路130は左端がジェネレータ室58に開口すると共に右端が閉塞され、他方のオイル通路131は左端が閉塞されると共に右端がオイルレベルL1より下方位置において、クラッチ室59に向けて開口している。両オイル通路130,131間は、左半分が隔壁133により隔てられ、右半分が板状の三次フィルタ135を介して連通している。
【0039】
クラッチ室59にはフィードポンプ106とスカベンジングポンプ107が配置されており、フィードポンプ106は図6のオイルタンク室64内のオイルを吸い込んで、エンジンの各注油個所に圧送するようになっている。図5のスカベンジングポンプ107の吸込部159はOリング161を介してオイル通路131の右端開口部に直接接続し、ジェネレータ室58から吸い込んだオイルを、ホース163によりクラッチ室59のオイルレベル上方に吐出するようになっている。
【0040】
クラッチ室59は図6のように下端の連通孔105を介してオイルタンク室64に連通しており、また、オイルタンク室64と同じレベルL1のオイルをクラッチ室59に溜めるようになっている。このようなオイルを溜めたクラッチ室59内において、バランサギヤ91はその下端部がクラッチ室59内のオイルに浸っており、バランサギヤ91の回転によりバランサギヤ表面を潤滑できるようになっている。一方、図6のようにクラッチ61はオイルに浸らない高さに位置している。
【0041】
【作用】
[バランサ軸の組付]
図4において、左右のクランクケース部材20a,20bを締結する際には、バランサ軸50は左右のサイドウエイト部78,79及びバランサギヤ91が外され、中央ウエイト部78がクランクウエブ49間に挿入された状態となっており、バランサ軸50の左右端部は各軸受75を介してジェネレータ室58とクラッチ室59に突出させられる。
【0042】
両クランクケース部材20a,20bを締結後、バランサ軸50の左端部に所定位相で左サイドウエイト部79をスプライン嵌合し、係止リング73により係止する。一方、右端部にはバランサギヤ91を嵌合すると共に所定位相でキー74により位置決め固定し、ナット85により締結する。
【0043】
エンジン運転中、周知のようにバランサ軸50はクランク軸41と逆向きに同期回転し、クランク軸41とバランスする。中央ウエイト部78の径方向の寸法R1は図3のようにクランク室前端壁に接近する程度に大きく採ってあるが、クランク室51内はドライ状態であるため、中央ウエイト部78がオイルの抵抗を受けることはない。
【0044】
一方、図5のようにバランサギヤ91はクラッチ室59内のオイルに浸っているので、自ら掻き揚げるオイルによりバランサギヤ91及びバランサ駆動ギヤ83の表面を潤滑する。
【0045】
また、バランサギヤ91としてシザースギヤを用いているので、右サイドウエイト部80を一体に形成したバランサギヤ91であっても、バランサ駆動ギヤ83とバランサギヤ91の噛合部のバックラッシュを吸収し、バランサ軸50の円滑な回転を維持することができ、ギヤ騒音を防ぐことができる。
【0046】
【その他の発明の実施の形態】
(1)オイルタンクをエンジン外に設置するドライサンプ式単気筒4サイクルエンジンに適用することも可能である。
【0047】
(2)バランサギヤとしてシザースギヤ以外のギヤを利用することも可能である。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように本願発明によると次のような利点がある。
(1)バランサ軸の軸芯方向の中央部に、クランク軸のウエブ間に位置する中央ウエイト部をバランサ軸と一体成形し、バランサ軸の両端部に、バランサ軸とは別体に形成されたサイドウエイト部をバランサ軸に対して着脱可能に取り付けているので、3つのウエイト部をバランサ軸に一体成形している従来構造に比べ、バランサ軸の部品加工が簡単になると共に、バランサ軸のクランクケースへの組付け作業及びメンテナンス作業も容易になる。
【0049】
(2)クランク室のクランク軸芯方向の両方にはクランクケース端壁を介してそれぞれカバー室を形成し、バランサ軸を上記クランクケース端壁に軸受を介して支持し、バランサ軸の軸芯方向の中央部に、クランク軸のウエブ間に位置する中央ウエイト部を設け、バランサ軸の軸芯方向の両端部に、それぞれカバー室に収納されるサイドウエイト部を設けていると、バランサ軸の軸受間距離を短縮することができ、それによりクランク軸の軸受間距離も短くできると共に、バランサ軸及びエンジンのコンパクト化を達成できる。
【0050】
(3)中央ウエイト部の径方向の寸法を、サイドウエイト部よりも大きくすると、クランク軸のウエブ間の空間を有効に利用してバランス用の偏芯重量を大きく確保でき、特に、ドライサンプ式エンジンの場合には、クランク室がドライ状態であるため、オイルの抵抗を考慮することなくクランクケースの内壁ぎりぎりまで中央ウエイト部を大きくすることができる。一方、サイドウエイト部にかかるクラッチ室内のオイルの抵抗を少なくでき、また、クランクギヤの外周側空間をサイドウエイト部配置空間として利用できるのである。
【0051】
(4)バランサ軸のクランク軸芯方向の端部にバランサギヤを着脱自在に設け、該バランサギヤにサイドウエイト部を一体に形成すると、バランサ用の部品点数を少なくできる。
【0052】
(5)サイドウエイト部が一体成形されるバランサギヤとしてシザースギヤを採用すると、回転変動が生じ易いバランサ軸のバックラッシュを無くし、ギヤ騒音を低減できる。
【0053】
(6)一方のカバー室はクラッチを収納するクラッチ室となっており、クランク室のオイルをスカベンジングポンプによりクラッチ室に汲み出すドライサンプ式のエンジンであって、オイルが溜められているクラッチ室内にバランサギヤを設けていると、たとえばクランクギヤの外周側の空間を右サイドウエイト部の配置スペースとして有効に利用でき、エンジンをコンパクトにできる。また、バランサギヤをクラッチ室内のオイルに浸すことにより、バランサギヤ自体でバランサギヤ表面の潤滑を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明にかかるドライサンプ式4サイクルエンジンを搭載した騎乗型不整地走行用四輪車の側面図である。
【図2】 図1に記載されたエンジンのII-II断面拡大展開図である。
【図3】 左側クランクケース部材内の内面図(右側面図)である。
【図4】 図3のIV-IV断面図である。
【図5】 図3のV-V断面図である。
【図6】 図3のVI-VI断面図である。
【図7】 従来例の縦断面図である。
【符号の説明】
20 クランクケース
41 クランク軸
49 クランクウエブ
50 バランサ軸
51 クランク室
52 ミッション室
53,54 クランクケース端壁
56 ジェネレータカバー(クランクケースカバーの一例)
57 クラッチカバー(クランクケースカバーの一例)
58 ジェネレータ室(カバー室の一例)
59 クラッチ室(カバー室の一例)
60 ジェネレータ
61 クラッチ
64 オイルタンク室
73 係止リング
75 バランサ軸用軸受
78 中央ウエイト部
79 左サイドウエイト部
80 右サイドウエイト部
81 クラッチギヤ
82 クランクギヤ
83 バランサ駆動ギヤ
91 バランサギヤ(シザースギヤ)
107 スカベンジポンプ

Claims (3)

  1. クランク室のクランク軸芯方向の両側にクランクケース端壁を介してそれぞれカバー室を形成し、両カバー室のうち一方のカバー室はクラッチを収納すると共にオイルが溜められるクラッチ室となっており、クランク室のオイルをスカベンジングポンプによりクラッチ室に汲み出すドライサンプ式単気筒4サイクルエンジンにおいて、
    バランサ軸を上記クランクケース端壁に軸受を介して支持し、
    バランサ軸の軸芯方向の中央部に、クランク軸のウエブ間に位置する中央ウエイト部を設け、
    バランサ軸の軸芯方向の両端部に、バランサ軸とは別体に形成されたサイドウエイト部をバランサ軸に対して着脱自在に設けると共に各サイドウエイト部をそれぞれカバー室に収納し、
    上記中央ウエイト部は、サイドウエイト部よりも径方向の寸法を大きくしてあることを特徴とするドライサンプ式単気筒4サイクルエンジン。
  2. バランサ軸の軸芯方向の端部にバランサギヤを着脱自在に設け、該バランサギヤにサイドウエイト部を一体に形成してあることを特徴とする請求項1記載のドライサンプ式単気筒4サイクルエンジン。
  3. バランサギヤはシザースギヤであることを特徴とする請求項1又は2記載のドライサンプ式単気筒4サイクルエンジン。
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