JP5908452B2 - 内燃機関のバランサー構造 - Google Patents

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Description

本発明は、組立て性が向上する内燃機関のバランサー構造に関する。
内燃機関のクランクケース内にクランクウエイトを配し、クランクケースの両外側に軸受を介してバランサーウエイトを配置する場合に、従来は、例えば下記特許文献1および特許文献2に示されるように、一方のバランサーウエイトがバランサー軸と一体に形成されたものであるためバランサ軸はクランクケースの外側方から組み付けなければならず、クランクケースに対してバランサーシャフトとクランクシャフトとの組み立て方向が異なることとなり、組み立ての作業効率に課題があった。
特許第3082057号公報(図2〜図4) 特許第3326696号公報(図2〜図5)
本発明は、バランサー軸とクランク軸が同方向からクランクケースに組み立てができ、その位置決めが容易となって、組立て性が向上する内燃機関のバランサー構造を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、クランク軸方向に左ケースと右ケースが合わせられる左右割り構造のクランクケースと、クランク軸と平行に前記左ケースと右ケースに跨って支持されるバランサー軸とを備え、前記クランク軸がクランクウエイトを有する内燃機関において、前記左、右ケースの合わせ面側から同左、右ケースの各々に取り付けられクランク軸の左、右軸受とバランサー軸の左、右軸受を備え、前記バランサー軸の両端側に左、右のバランサーウエイトが同バランサー軸に対して分離可能に取付けられ、前記クランク軸とバランサー軸は前記左、右ケースに挟み込まれるようにして位置決め、保持され、前記バランサー軸は、クランク軸の前記クランクウエイトの外周部に対面するように、前記クランクケースのクランク室内に配置され、前記バランサー軸の周面に突設された軸受スラスト受け部が、前記クランクウエイトの外周部の最大外形と軸方向視で重なることを特徴とする内燃機関のバランサー構造である。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の内燃機関のバランサー構造において、前記クランクウエイトの外周部が円形をなし、且つ前記外周部に前記バランサー軸の軸受スラスト受け部が軸方向に通過する切欠き溝部が設けられたことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の内燃機関のバランサー構造において、前記切欠き溝部は前記外周部の周方向において一か所のみ設けられ、同切欠き溝部の位置とバランサーウエイトの位置とが、組み立て後の位相合わせとなるように組合せされて組み立てられたことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の内燃機関のバランサー構造において、前記切欠き溝部は、前記クランクケースに配置される駆動力伝達用のミッション歯車の組み立て時に前記クランクウエイトの外周部をクランク軸方向に通過するミッション歯車の外径部の逃げ部を兼ねることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の内燃機関のバランサー構造において、前記左、右のバランサーウエイトの一方は、クランク軸方向位置で、内燃機関動弁機構のカムチェーンの位置と重なる位置に配置され、他方のバランサーウエイトは、前記クランク軸のクラッチ駆動用歯車の位置と重なる位置に配置されたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明の内燃機関のバランサー構造によれば、バランサー軸の両端側にバランサーウエイトがバランサー軸に対して分離可能に取付けられたので、バランサー軸とクランク軸とを予めクランクケースの左、右ケースに同方向から組付け可能となり、バランサー軸とクランク軸の左右方向の位置決めが容易となって、組立て性が向上する。
そして、組立て性を高めつつ、バランサー軸をクランク軸に近づけてエンジンがより小型化される。
請求項の発明によれば、請求項の発明の効果に加え、クランクウエイトの外周部を円形として慣性マスを高めつつ、外周部の切欠き溝部をバランサー軸の軸受トスラスト受け部が軸方向に通過できるので、バランサー軸をクランク軸に近づけて内燃機関の小型化が可能となる。
請求項の発明によれば、請求項の発明の効果に加え、クランク軸のクランクウエイトを、その周方向の一か所の切欠き溝部でしかバランサー軸の軸受トスラスト受け部がくぐらない形状としたので、切欠き溝部をくぐる軸受スラスト受け部の周方向の位置を設定することで組み立て後の位相合わせが容易に得られ、組立て性が更に向上する。
請求項の発明によれば、請求項の発明の効果に加え、ミッション歯車の軸をクランク軸に近付けることができ、内燃機関がより小型化される。
請求項の発明によれば、請求項の発明の効果に加え、夫々のバランサーウエイト周囲のスペース有効利用により内燃機関の小型化に寄与する。
本実施形態に係るバランサー構造を備えた内燃機関を搭載した自動二輪車の右側面である。 図1中II−II矢視による内燃機関の断面展開図である。 図2中概ねIII−III矢視、および図4中III−III矢視による、内燃機関の右側面要部断面図である。 図3中IV−IV矢視による内燃機関3の断面展開図である。 図3中のクランク軸のクランクウエブとバランサ軸の右の軸受スラスト受け部との位置関係の模式図である。 (a)部は、図2中のクランク軸とコンロッドを取り出して示す縦断面図であり、(b)部は(a)部中b−b矢視による左端面図である。 (a)部は、図4中のバランサー軸を取り出して示す縦断面図であり、(b)部は(a)部中b−b矢視による左端面図、(c)部は同c−c矢視による横断面図、(d)部は、同d−d矢視による右端面図である。 (a)部は、図4中の左バランサーウエイトを取り出して示す縦断面図であり、(b)部は(a)部中b−b矢視による左端面図である。 (a)部は、図4中の右バランサーウエイトを取り出して示す縦断面図であり、(b)部は(a)部中b−b矢視による右端面図である。 図4中概ねX−X矢視により、バランサー駆動ギヤとバランサー被動ギヤの関係を示す側面図である。
図1から図10に基づき、本発明の一実施形態に係る内燃機関のバランサー構造につき説明する。
本実施形態において内燃機関3は、自動二輪車1に搭載される場合を示し、特許請求の範囲および本明細書の説明における前後左右上下等の向きは、本実施形態の内燃機関のバランサー構造を備えた内燃機関3を、自動二輪車1に搭載した状態での車両(自動二輪車)の向きに従うものとする。
図中矢印FRは車両前方を、LHは車両左方を、RHは車両右方を、UPは車両上方を、それぞれ示す。
本実施形態に係る自動二輪車1の右側面を図1に示すように、本実施形態の自動二輪車1の車体フレーム2は、ヘッドパイプ20からは、車幅方向中央を後方にメインフレーム21が、若干下方に傾斜して延出した後に、下方に屈曲してメイン急傾斜部21aを形成しているとともに、ヘッドパイプ20からはさらに車幅方向中央を斜め後下方に向けてダウンフレーム22が延出している。
内燃機関3におけるクランクケース30の前部が、ダウンフレーム22の下部の支持ブラケット22aに上下2か所でボルト23により取り付けられ、クランクケース30の後部が、メインフレーム21のメイン急傾斜部21aの下部の支持ブラケット21bに上下2か所でボルト24により取り付けられて、内燃機関3が車体フレーム2に支持される。
メインフレーム21の屈曲部からは左右一対のシートレール25が途中屈曲部を形成しながら後方に延出しており、シートレール25の屈曲部とメイン急傾斜部21aの中央部とを連結したバックステー26がシートレール25を支持している。
以上のような車体フレーム2において、ヘッドパイプ20にはフロントフォーク10が枢支され、その下端に前輪11が軸支され、フロントフォーク10の枢軸の上端に操舵ハンドル12が設けられ、メインフレーム21の下部に設けられたピボット軸27に前端を軸支されたリヤフォーク13が後方へ延出し、その後端に後輪14が軸支され、リヤフォーク13の中央部とバックステー26との間にリヤクッション15が介装されている。
メインフレーム21には燃料タンク16が左右両側に跨るように架設され、燃料タンク16の後方にシート17がシートレール25に支持されて設けられている。
車体フレーム2のダウンフレーム22の上部を左右両側からフロントカバー18Aが覆い、内燃機関3とシート17との間の左右両側をサイドカバー18Bが覆い、シートレール25の後半をリヤカバー18Cが覆っている。
本実施形態に係る内燃機関3は、そのクランクケース30内の後部に変速機5(図2、図3参照)を一体に備えて、いわゆるパワーユニットを構成しており、そのクランク軸31を、自動二輪車1の車幅方向、すなわち左右方向に配向させて、気筒を若干前傾させて起立した姿勢で、自動二輪車1に搭載された空冷単気筒のSOHC型4ストロークサイクル内燃機関である。
内燃機関3は、左右方向に指向したクランク軸31を回転自在に軸支するクランクケース30の斜め上方にシリンダブロック32およびシリンダヘッド33が順次重ねられてスタッドボルト35(図2参照)により一体に締結され、シリンダヘッド33の上にはシリンダヘッドカバー34が被せられ、シリンダブロック32、シリンダヘッド33、シリンダヘッドカバー34はクランクケース30から僅かに前方に前傾して突設されている。
図1中II−II矢視による内燃機関3の断面展開図である図2に示されるように、クランクケース30から斜め上方に突出したシリンダブロック32においては、ピストン36が摺動可能に嵌装されるシリンダスリーブ32aが内装され、クランクケース30のクランク室45内に突出している。
シリンダスリーブ32a内を往復動するピストン36と、クランク軸31の左、右クランクウエブ(本発明における「クランクウエイト」)37L、37R間に架設されるクランクピン38とをコンロッド39が連結し、ピストン36の動きに応じてクランク軸31を回転駆動する。
図2中のクランク軸31とコンロッド39を取り出して図6の(a)部に示す。クランク軸31は、左クランク軸31Lと右クランク軸31Rとからなり、左、右クランク軸31L、31Rが同一のクランク軸心Xを有するように、左クランク軸31Lの右端に一体に形成された左クランクウエブ37Lと、右クランク軸31Rの左端に一体に形成された右クランクウエブ37Rとを繋いでクランクピン38が嵌着されている。
図6(a)部中b−b矢視による(b)部に示されるように、左、右クランクウエブ37L、37Rの外周部37dは円形をなしており、外周部37dには周方向で一か所、後述の切欠き溝部100が設けられている。
シリンダヘッド33の下部でピストン36の上方には、燃焼室40が形成されている。
燃焼室40の上壁には、燃焼室40内に臨む点火プラグ46が装着され、燃焼室40の吸、排気ポート開口41、42を開閉する吸、排気弁43、44(図3参照)を駆動する動弁機構6がシリンダヘッド33に設けられている。
図1に示されるように、シリンダヘッド33から後方に延出した吸気管71は、気化器72を介してエアクリーナ73に連結している。
シリンダヘッド33から前方に延出した排気管74は、下方に屈曲し、さらに後方に屈曲してクランクケース30の下面に沿って後方にかつ右側に寄って後輪14の右側に配置されたマフラー75に連結されている。
図2に示されるように、内燃機関3のクランクケース30は、アルミ合金の鋳造により形成された左ケース30Lと右ケース30Rとが、合わせ面30aで合わされて、複数のボルトにより一体に結合して構成される左右割り構造である。
クランクケース30の中央部内部はクランク室45を形成し、左、右ケース30L、30Rには各々、合わせ面30a側から、クランク軸31の左、右軸受47L、47Rが取付けられ、クランク軸31は、その左、右クランクウエブ37L、37Rを左、右ケース30L、30Rに挟み込まれるようにして位置決め、回転自在に保持されている。
また、クランクケース30の後部内部はミッション室50を形成し、クランク軸31と平行にメイン軸51とカウンタ軸52が設けられており、左、右ケース30L、30Rには各々、合わせ面30a側から、変速機5のメイン軸51の左、右軸受53L、53Rが取付けられ、メイン軸51は、その変速ギヤ(本発明における「ミッション歯車」)m1〜m5を左、右ケース30L、30Rに挟み込まれるようにして位置決めされ、回転自在に保持され、さらにカウンタ軸52の左、右軸受54L、54Rが取付けられ、カウンタ軸52は、その変速ギヤ(本発明における「ミッション歯車」)c1〜c5を左、右ケース30L、30Rに挟み込まれるようにして位置決めされ、回転自在に保持されている。
メイン軸51に軸支された変速ギヤm1〜m5とカウンタ軸52に軸支された変速ギヤc1〜c5とは常時噛み合って変速機5を構成している。
シリンダヘッド33には、吸気弁43、排気弁44(図3参照)を開閉駆動する動弁カム軸61、被動カムチェーンスプロケット62、吸気ロッカアーム65、排気ロッカアーム66等およびそれらの支持部材67等の動弁系部品からなる動弁機構6が取り付けられ収容されている。
シリンダブロック32およびシリンダヘッド33の左側部には、動弁機構6を駆動するカムチェーン64が収容されるカムチェーンチャンバ32b、33bが設けられている。
動弁機構6の動弁カム軸61に嵌着された被動カムチェーンスプロケット62とクランク軸31に嵌着された駆動カムチェーンスプロケット63との間に、カムチェーンチャンバ32b、33bを通してカムチェーン64が架渡され、クランク軸31の1/2の回転数で動弁カム軸61が回転され、吸気ロッカアーム65と排気ロッカアーム66を揺動して吸、排気弁43、44をそれぞれ所定のタイミングで開閉駆動する。
クランク軸31のクランクケース30の左ケース30Lより左方に突出した部分には、駆動カムチェーンスプロケット63のほかACジェネレータ48が取り付けられ、左ケース30Lの開口外面には左ケースカバー49Lが被覆されて締結される。
他方、クランク軸31のクランクケース30の右ケース30Rより右方に突出した部分には、
バランサー駆動ギヤ80とプライマリ駆動ギヤ(本発明における「クラッチ駆動ギヤ」)56がキー56aを介して嵌合され、右ケース30Rの開口外面には右ケースカバー49Rが被覆されて締結される。
メイン軸51のクランクケース30の右ケース30Rより右方に突出した右側部には、多板摩擦式の変速クラッチ55が設けられている。
変速クラッチ55のクラッチアウタ55aは、メイン軸51に回転自在に軸支されたプライマリ被動ギヤ57に緩衝部材を介して支持されており、メイン軸51に一体に嵌合されたクラッチインナ55bとの間に複数のクラッチ板が介装され、圧縮部材55cの駆動により断接を行う。
プライマリ被動ギヤ57は、クランク軸31に嵌着されたプライマリ駆動ギヤ56と噛合しており、クランク軸31の回転動力は、クランク軸31側のプライマリ駆動ギヤ56、変速クラッチ55側のプライマリ被動ギヤ57を介して変速クラッチ55に伝達されるが、変速クラッチ55は、変速機5のギヤ切換え中にはクランク軸31の回転動力を変速機5に伝達せずに、変速機5のギヤ切換えが終了するとともにクランク軸31の回転動力を変速機5のメイン軸51に伝達するように構成されている。
カウンタ軸52はクランクケース30の左ケース30Lを左方に貫通して外部に突出して、内燃機関3の最終の出力軸となっており、突出部位に出力スプロケット28がスプライン嵌合されている。
出力スプロケット28に巻き掛けられる駆動チェーン29が、後輪14側(図1参照)の被動スプロケット14aに架渡されてチェーン伝達機構が構成され後輪14に動力が伝達される。
図2中概ねIII−III矢視による、内燃機関3の右側面要部断面図である図3に示されるように、本実施形態のクランク軸31のクランクウエブ37(図示されるのは左クランクウエブ37L。左クランクウエブ37Lも同様)は、クランク軸の軸芯Xを中心とする円形をなしているが、クランク軸の軸心Xからクランクピン38の取付け部に延びるアーム部37aと、その両側部の薄肉部37bと、クランクピン38の取付け部の反対側半円部に形成されクランクのカウンタウエイトとなる厚肉部37cとを備えている。
そのように、左、右クランクウエブ37L、37Rは外周部37dが円形とされたことで慣性マスが高められている。
クランクケース30内において、変速機5の各軸51、52が内装される後部のミッション室50と反対側の、クランク軸31の前方にはバランサー機構8が設けられている。
バランサー機構8は、クランク軸31と平行に車幅方向に配されたバランサー軸81を備え、図3中に2点鎖線で示すように、クランク軸31に嵌合されたバランサー駆動ギヤ80とバランサー軸81に嵌合されたバランサー被動ギヤ82とが、所定の相互の回転位相で噛合している。
そのために、所定の相互の回転位相位置を示すための合わせマーク83が両ギヤ80、82の噛み合い位置に対応して刻印されている(図10参照)。
なお、バランサー被動ギヤ82は、バランサー駆動ギヤ80と同径同歯数である。
図3中IV−IV矢視による内燃機関3の断面展開図である図4に示されるように、クランクケース30の前部内部にはバランサー機構8が設けられており、左、右ケース30L、30Rには各々、合わせ面30a側から、バランサー軸81の左、右軸受84L、84Rが取付けられる。
バランサー軸81には、図4中のバランサー軸81を取り出して示す図7の(a)部に示されるように、その周面に環状に、左、右に向けた段差を形成するように突設された左右の軸受スラスト受け部85L、85Rが一体に設けられている。
バランサー軸81はその左右の軸受スラスト受け部85L、85Rをそれぞれ、左、右軸受84L、84Rのインナレースに押し当てて、左、右ケース30L、30Rに挟み込まれるようにして位置決め、保持されている。
なお、図3におけるバランサー軸81は、後述の切欠き面101(図7の(d)部参照)を備える右の軸受スラスト受け部85Rにおける断面を示している。
バランサー軸81には、左軸受84Lを介して左ケース30Lの左外側に突出した左軸端側に左バランサーウエイト(本発明における「バランサーウエイト」)86Lがスプライン嵌合で相互回転不可に取付けられている。
バランサー軸81の左軸端側の雄ねじ部81La(図7参照)にはナット87Lが螺合し、バランサー軸81の左の軸受スラスト受け部85Lとの間に左軸受84Lと左バランサーウエイト86Lが締め付け固定される。
なお、図7の(a)部中b−b矢視による端面を示す(b)部に示されるように、バランサー軸81の外歯スプライン部88には軸周方向で一か所、潰されて広げられた拡幅歯88aがある。
一方、図4中の左バランサーウエイト86Lを取り出して示す図8の(b)部に示されるように、左バランサーウエイト84Lの内歯スプライン部89には内周方向で一か所、2本分の歯を欠いた歯欠き部89aがある。なお、左バランサーウエイト86Lの歯欠き部89aは、左バランサーウエイト86Lのウエイト部86Lb(図8参照)と所定の回転位相関係に設定される。
そのため、バランサー軸81と左バランサーウエイト86Lとは、拡幅歯88aと歯欠き部89aとを一致させる位置でしかスプライン嵌合できず、したがって、左バランサーウエイト86Lはバランサー軸81に対して所定の回転位相に自ずと設定されて取付けられる。
また、図4に示されるように、バランサー軸81には、右軸受84Rを介して右ケース30Rの右外側に突出した右軸端側に、バランサー被動ギヤ82と右バランサーウエイト(本発明における「バランサーウエイト」)86Rが並んで、キー結合でバランサー軸81に相互回転不可に取付けられている。
バランサー軸81の右軸端側の雄ねじ部81Ra(図7参照)にはナット87Rが螺合し、バランサー軸81の右の軸受スラスト受け部85Rとの間に右軸受84Rとバランサー被動ギヤ82と右バランサーウエイト86Rが締め付け固定される。
なお、図7の(c)部に示されるように、バランサー軸81の右軸端側には軸周方向で一か所、キー溝81aが穿設されている。
一方、図4中の右バランサーウエイト86Rを取り出して示す図9の(b)部に示されるように、右バランサーウエイト86Rの軸孔には内周方向で一か所、キー溝86Raがある。
また、図4に示されるように、バランサー被動ギヤ82の軸孔にも内周方向で一か所、キー溝82aが設けられており、バランサー軸81のキー溝81aと、バランサー被動ギヤ82のキー溝82aと、右バランサーウエイト86Rのキー溝86Raには、共通の一つのキー90が嵌装される。なお、右バランサーウエイト86Rのキー溝86Raは、右バランサーウエイト86Rのウエイト部86Rb(図9参照)と所定の回転位相関係に設定される。
そのため、バランサー被動ギヤ82と左バランサーウエイト86Lは、バランサー軸81に対して所定の回転位相に自ずと設定されて取付けられる。
以上のように本実施形態では、バランサー軸81に対して所定の回転位相に設定された左、右バランサーウエイト86L、86Rが分離可能に取付けられている。
したがって、バランサー軸81の左右両軸端側に、左、右バランサーウエイト86L、86Rがバランサー軸81に対して分離可能に取付けられたので、左、右バランサーウエイト86L、86R、バランサー被動ギヤ82、およびバランサー駆動ギヤ80の取付けに先だって、バランサー軸81とクランク軸31を予めクランクケース30の左、右ケース30L、30Rに同方向から組付可能となり、バランサー軸81とクランク軸31が左、右ケース30L、30Rに挟み込まれるようにして左右方向の位置決めが容易となって、組立て性が向上するものとなっている。
また、バランサー被動ギヤ82をバランサー駆動ギヤ80に所定の相互の回転位相で噛合させると、クランク軸31と左、右バランサーウエイト84L、84Rとは所定の相互の回転位相関係を有すこととなり、一方、バランサー駆動ギヤ80とバランサー被動ギヤ82とは同径同歯数で、所定の相互の回転位相で噛合しているので、クランク軸31の回転によってバランサ軸81は同回転速度で、左、右バランサーウエイト84L、84Rとともに反対方向に回転し、したがって、クランク軸31の回転による振動をバランスさせることができる。
ここで、図3中のクランク軸31の左クランクウエブ37L(右クランクウエブ37Rも同様)とバランサ軸81の右の軸受スラスト受け部85Rとの位置関係を、模式的に図5に示す。
本実施形態においては、バランサー軸81は、クランク軸31の左、右クランクウエブ37L、37Rの外周に対面するようにクランク軸31と平行にクランク室45内に配置されるが、バランサー軸81の軸周面に突設された左、右の軸受スラスト受け部85L、85Rが、左、右クランクウエブ37L、37Rの円形をなす最大外形、すなわち外周部37d(半径r1)と軸方向視で重なり、重なり部102を生じている。
そのため、バランサー軸81をクランク軸31に近づけることができ、内燃機関3がより小型化される。
しかし、そのままでクランク軸31とバランサ軸81をクランクケース30の片側、例えば左ケース30Lに、合わせ面30a側から軸方向に移動させて順次装着しようとすると、本実施形態では左、右クランクウエブ37L、37Rが円形をなしているため、その外周部37dと左、右の軸受スラスト受け部85L、85Rが相互に干渉してしまう。
それに対して、本実施形態では、左、右クランクウエブ37L、37Rの外周部37dに周方向において一か所、バランサー軸81の軸受スラスト受け部85L、85Rが軸方向に通過する切欠き溝部100が設けられている。
すなわち、図5に示されるように、クランク軸31の軸心Xとバランサ軸81の軸心Yとの間の距離をd1とし、左、右クランクウエブ37L、37Rの外周部37dの半径をr1とし、軸受スラスト受け部85L、85Rの半径をr2とすると、
d1<(r1+r2)………となって、上記の軸方向視での重なり部102が生じて、干渉を生ずる関係にあるが、左、右クランクウエブ37L、37Rの外周部37dに、バランサ軸81の軸心Yとの距離d2を有する深さで、且つバランサ軸81の軸心Yからr2より大きい半径r3の仮想円103の円弧に致る幅で、切欠き溝部100を設け(図3、図4、図6参照)、少なくとも、
d2>r2………となるように設定されており、(d2−r2)のクリアランス104を有している。
したがって、左、右クランクウエブ37L、37Rの外周部37dを円形とすることで慣性マスを高めつつ、左、右クランクウエブ37L、37Rの切欠き溝部100内において、バランサ軸81の左、右の軸受スラスト受け部85L、85Rが干渉することなく軸方向に通過することができるため、バランサー軸81をクランク軸31に近づけて内燃機関3のより小型化が可能となった。
またさらに、図5に示されるように、バランサ軸81の右の軸受スラスト受け部85Rには、バランサ軸81の軸心Yからの距離d3が、
d3<r2………となるような、円形周面に対して弦をなす切欠き面101が形成されている(図3、図4、図7参照)。
したがって、切欠き溝部100に、バランサ軸81の右の軸受スラスト受け部85Rの切欠き面101が向き合う位置にバランサ軸81の回転位置を合わせたとき、相互のクリアランスが最も大きくなり、相互の軸方向の通過が容易となり、組み立てが容易である。
また、切欠き溝部100は左、右クランクウエブ37L、37Rの外周部37dの周方向において一か所のみ設けられており、バランサ軸81には左、右バランサーウエイト84L、84Rが回転位相を固定して取り付けられるので、切欠き溝部100とバランサ軸81の右の軸受スラスト受け部85Rの切欠き面101部とが相対したとき、すなわち切欠き溝部100内に切欠き面101が位置したとき、クランク軸31に対して左、右バランサーウエイト84L、84Rが所定の回転位相位置にあるように切欠き面101を形成すれば、上記のように容易に組み立てられる相互位置において、組み立て後の切欠き溝部100、すなわちクランク軸31の回転位相と、左、右バランサーウエイト84L、84Rの回転位相の位相合わせとなるように設定される。
すなわち、切欠き溝部100は左、右クランクウエブ37L、37Rの外周部37dの周方向において一か所のみ設けられ、切欠き溝部100の位置と左、右バランサーウエイト84L、84Rの位置とが、組み立て後の位相合わせとなるように組合せされて組み立てられており、クランク軸31の左、右クランクウエブ37L、37Rを、その周方向の一か所の切欠き溝部100でしかバランサー軸81の軸受スラスト受け部85L、85Rがくぐらない形状としたので、切欠き溝部100をくぐる軸受スラスト受け部85L、85Rの周方向の回転位相位置を設定することで組み立て後の位相合わせが容易に得られ、組立て性がさらに向上している。
以上のように、クランク軸31に対してバランサ軸81を所定の回転位相位置に置いてクランクケース30に組み付ければ、図4中概ねX−X矢視により、バランサー駆動ギヤ80とバランサー被動ギヤ82の関係を示す図10に示されるように、クランク軸31の右端部にバランサー駆動ギヤ80をキー固定し、バランサ軸81の右端部にバランサー被動ギヤ82をキー固定するとき、バランサー駆動ギヤ80とバランサー被動ギヤ82とに刻印された回転位相の合わせマーク83は、自ずとごく近くに位置することになり、容易に両ギヤ80、82を正しく噛合させることができ、クランク軸31とバランサ軸81、すなわち左、右バランサーウエイト84L、84Rが所定の回転位相関係に設定される。
また、図3に示されるように、本実施形態においては、左、右クランクウエブ37L、37Rの外周部37dは、クランク軸31に近いメイン軸51の変速ギヤm1〜m5のうちの外径が最大の変速ギヤm5の外径部m5aと軸方向視で重複部mxが生じている(図2参照)。
そのことにより、メイン軸51(本発明における「ミッション歯車の軸」)をクランク軸31に近付けることができ、内燃機関3がより小型化されるが、組み立てに際し、変速ギヤm5と左、右クランクウエブ37L、37Rとの干渉を避ける必要が生じる。
それに対して、本実施形態では、切欠き溝部100が、クランクケース30に配置される駆動力伝達用のメイン軸51に取り付けられた変速ギヤm1〜m5の組み立て時に、左、右クランクウエブ37L、37Rの外周部37dを、クランク軸31方向に通過する変速歯車m1〜m5の外径部の逃げ部を兼ねるようにしている。
本実施形態の場合、変速歯車m1〜m5を備えたメイン軸51を軸方向に移動してクランクケース30に取り付けるとき、左、右クランクウエブ37L、37Rの切欠き溝部100をメイン軸51に最も近づくように回動位置させておけば、切欠き溝部100が逃げ部となり、最大の外径を有する変速ギヤm5の外径部m5aを左、右クランクウエブ37L、37Rの切欠き溝部100を通過させてかわすことができ、組み立てが容易化されるとともに、前述のようにメイン軸51をクランク軸31に近付けることができ、内燃機関3がより小型化される。
なお、図4に示されるように、クランク軸31方向位置で、左バランサーウエイト84Lは、カムチェーン64の位置と重なる位置に配置され、右バランサーウエイト84Rは、クランク軸31のプライマリ駆動ギヤ56の位置と重なる位置に配置されている。
そのため、左バランサーウエイト84Lと右バランサーウエイト84Rのそれぞれの周囲のスペースが有効に利用され内燃機関3の小型化に寄与している。
以上のような本実施形態の内燃機関のバランサー構造の組み立て手順の一例を、主に図2と図4を参照して、以下簡単に説明する。
まず、クランクケース30の左ケース30Lを合わせ面30aを上に向けて置き、クランク軸31の左クランク軸31Lの左端部を下に向け、左軸受47Lを介して左ケース30Lに挿入取付け、左、右クランクウエブ37L、37Rの切欠き溝部100をバランサ軸81の取付け位置に向ける。
しかる後、バランサー軸81の左端部を下に向け、左軸受84Lを介して左ケース30Lに挿入取付ける。その際、バランサ軸81の左の軸受スラスト受け部85Lは、左、右クランクウエブ37L、37Rの切欠き溝部100を上記の(d2−r2)のクリアランス104によって、軸方向に通過できる。(図5参照)
バランサー軸81の取付けが済んだら、バランサー軸81を回動させてその切欠き面101をクランク軸側の切欠き溝部100に向けて位置させ、位相合わせを行う。
バランサ軸81をクランク軸31より先に左ケース30Lに取り付けた場合は、バランサ軸81の右の軸受スラスト受け部85Rの切欠き面101をクランク軸31に向けておいて、左、右クランクウエブ37L、37Rの切欠き溝部100をバランサ軸81の切欠き面101に向けつつクランク軸31を軸方向に移動して取り付ければ、切欠き溝部100と切欠き面101の間の比較的大きいクリアランスによって、より容易に取付けが行え、位相合わせも同時になされる。
その後に変速機5の変速ギヤm1〜m5を備えたメイン軸51を左ケース30Lに組み込む場合は、図4から明らかなように、バランサ軸81の左、右の軸受スラスト受け部85L、85Rの間においては左、右クランクウエブ37L、37Rは回動可能であるので、切欠き溝部100をメイン軸51に最も近づくように回動位置させておけば、最大の外径を有する変速ギヤm5の外径部m5aを左、右クランクウエブ37L、37Rの切欠き溝部100を通過させてかわすことができ、メイン軸51の組み立てが容易に行える。(図2参照)
クランク軸31は、その切欠き溝部100を回動させて、バランサー軸81の切欠き面101に向けて位置させ、位相合わせを行う。
変速機5のメイン軸51をクランク軸31より先に左ケース30Lに取り付けた場合は、クランク軸31の左、右クランクウエブ37L、37Rの切欠き溝部100をメイン軸51に向けつつクランク軸31を軸方向に移動して取り付ければ、最大の外径を有する変速ギヤm5の外径部m5aを左、右クランクウエブ37L、37Rの切欠き溝部100を通過させてかわすことができ、メイン軸51の組み立てが容易に行える。
しかる後、バランサ軸81を左ケース30Lに取り付ける際は、クランク軸31を回動して、左、右クランクウエブ37L、37Rの切欠き溝部100をバランサ軸81の取付け位置に向ける。
その後、バランサー軸81を取付けるが、バランサ軸81の左の軸受スラスト受け部85Lは、左、右クランクウエブ37L、37Rの切欠き溝部100を上記の(d2−r2)のクリアランス104によって、軸方向に通過できる。(図5参照)
バランサー軸81の取付けが済んだら、バランサー軸81を回動させてその切欠き面101をクランク軸側の切欠き溝部100に向けて位置させ、位相合わせを行う。
以上のように、左ケース30Lにクランク軸31、バランサ軸81、変速機5のメイン軸51等が取り付けられたら、各軸31、81、51等を、上から覆うクランクケース30の右ケース30Rに、その右軸受47R、84R、53R等を介して取り付ける。
そして、左ケース30Lと右ケース30Rとは締結されて、一体のクランクケース30に形成される。
しかる後、右ケース30Rより上方へ突出したクランク軸31の右軸端部には、バランサー駆動ギヤ80、プライマリ駆動ギヤ56等が取り付けられる。
バランサ軸81の右軸端部には、バランサー被動ギヤ82、右バランサーウエイト86R等が取り付けられる。
メイン軸51の右軸端部には、プライマリ被動ギヤ57、変速クラッチ55等が取り付けられる。
その際、クランク軸31とバランサー軸81とは、各々の切欠き溝部100と切欠き面101とを向かい合わせ位置させることによって概ねの位相合わせが済んでいるが、バランサー駆動ギヤ80とバランサー被動ギヤ82とを所定の回転位相関係に正確に設定して噛合させるために、クランク軸31のバランサー駆動ギヤ80とバランサー軸81のバランサー被動ギヤ82とには、図10に示されるように(図3も参照)、向かい合わせ位置に合わせマーク83が刻印されている。
したがって、容易に合わせマーク83の位置を合わせてバランサー駆動ギヤ80とバランサー被動ギヤ82を噛合させて組み付けることができ、クランク軸31とバランサー軸81はクランクケース30に相互の回転位相関係を正しく設定されて取付けられる。
変速機5のメイン軸51の右軸端部には、プライマリ被動ギヤ57、変速クラッチ55等が取り付けられる。
しかる後、クランクケース30は左ケース30Lが上になるように反転され、左ケース30Lより上方へ突出したクランク軸31の左軸端部にはACジェネレータ48等、バランサ軸81の左軸端部には左バランサーウエイト86L等、カウンタ軸52の左軸端部には出力スプロケット28等が取り付けられる。
なお、以上の組み立て手順に対し、クランクケース30の右ケース30R側に先に各軸を取り付ける場合も同様である。
以上の本実施形態の内燃機関3のバランサー構造8の特徴を、以下まとめて述べる。
すなわち、クランク軸31方向に左ケース30Lと右ケース30Rが合わせられる左右割り構造のクランクケース30と、クランク軸31と平行に左ケース30Lと右ケース30Rに跨って軸支されるバランサー軸81とを備えた内燃機関3において、左、右ケース30L、30Rの合わせ面30a側から左、右ケース30L、30Rの各々に取り付けられるクランク軸31の左、右軸受47L、47Rとバランサー軸81の左、右軸受84L、84Rを備え、バランサー軸81の両端側に左、右バランサーウエイト86L、86Rがバランサー軸81に対して分離可能に取付けられ、クランク軸31とバランサー軸81は左、右ケース30L、30Rに挟み込まれるようにして位置決め、保持されている。
したがって、バランサー軸81の両端側に左、右バランサーウエイト86L、86Rがバランサー軸81に対して分離可能に取付けられたので、バランサー軸81とクランク軸31とを予めクランクケース30の左、右ケース30L、30Rに同方向から組付可能となり、バランサー軸81とクランク軸31の左右方向の位置決めが容易となって、組立て性が向上する。
また、バランサー軸81は、クランク軸31の左、右クランクウエブ37L、37Rの外周部37dに対面するようにクランク室45内に配置され、バランサー軸81の周面に突設された軸受スラスト受け部85L、85Rが、左、右クランクウエブ37L、37Rの最大外形と軸方向視で重なるように構成されたので、組立て性を高めつつ、バランサー軸81をクランク軸31に近づけて内燃機関3がより小型化される。
また、左、右クランクウエブ37L、37Rの外周部37dが円形をなし、且つ外周部37dにバランサー軸81の軸受スラスト受け部85L、85Rが軸方向に通過する切欠き溝部100が設けられたので、左、右クランクウエブ37L、37Rの外周部37dを円形としたことで慣性マスを高めつつ、外周部37dの切欠き溝部100をバランサー軸81の軸受トスラスト受け部85L、85Rが軸方向に通過できるので、バランサー軸81をクランク軸31に近づけて内燃機関3の小型化が可能となった。
また、切欠き溝部100は外周部37dの周方向において一か所のみ設けられ、切欠き溝部100の位置と左、右バランサーウエイト86L、86Rの位置とが、組み立て後の位相合わせとなるように組合せされて組み立てられる。
そのため、クランク軸31の左、右クランクウエブ37L、37Rを、その周方向の一か所の切欠き溝100でしかバランサー軸81の軸受スラスト受け部85L、85Rがくぐらない形状としたので、切欠き溝部100をくぐる軸受スラスト受け部85L、85Rの周方向の位置を設定することで組み立て後の位相合わせが容易に得られ、組立て性が更に向上する。
また、切欠き溝部100は、クランクケース30に配置される駆動力伝達用の変速ギヤm1〜m5の組み立て時に左、右クランクウエブ37L、37Rの外周部37dをクランク軸31方向に通過する最も大径の変速ギヤm5の外径部m5aの逃げ部を兼ねるようにしたので、変速ギヤm1〜m5のメイン軸51をクランク軸31に近付けることができ、内燃機関3がより小型化される。
そして、左のバランサーウエイト86Lは、クランク軸31方向位置で、カムチェーン64の位置と重なる位置に配置され、右のバランサーウエイト86Rは、クランク軸31のプライマリ駆動ギヤ56の位置と重なる位置に配置されたので、左、右バランサーウエイト86L、86Rの周囲のスペース有効利用により内燃機関3の小型化に寄与している。
以上、本発明に係る一実施形態の内燃機関のバランサー機構につき説明したが、本発明の態様が上記実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲で、多様な態様で実施されるものを含むことは勿論である。
例えば、本発明の内燃機関は、実施形態のものに限らず多様な内燃機関であってよく、請求項1の要件を備える内燃機関であればよい。
また、各機器の左右の配置は、説明の便宜上、図示のものに特定して記載したが、上記実施形態に示すものと左右逆となる配置のものであってもよく、本発明に含まれる。
1…自動二輪車、3…内燃機関、8…バランサー機構、30…クランクケース、30L…左ケース、30R…右ケース、30a…合わせ面、31…クランク軸、31L…左クランク軸、31R…右クランク軸、32…シリンダブロック、33…シリンダヘッド、36…ピストン、37…クランクウエブ、37d…外周部、37L…左クランクウエブ(本発明における「クランクウエイト」)、37R…右クランクウエブ(本発明における「クランクウエイト」)、38…クランクピン、39…コンロッド、45…クランク室、47L…(クランク軸31の)左軸受、47R…(クランク軸31の)右軸受、50…ミッション室、51…メイン軸、52…カウンタ軸(出力軸)、53L…(メイン軸51の)左軸受、53R…(メイン軸51の)右軸受、54L…(カウンタ軸52の)左軸受、54R…(カウンタ軸52の)右軸受、56…プライマリ駆動ギヤ(本発明における「クラッチ駆動用歯車」)、56a…キー、57…プライマリ被動ギヤ、63…駆動カムチェーンスプロケット、80…バランサー駆動ギヤ、81…バランサー軸、81a…キー溝82…バランサー被動ギヤ、82a…キー溝、83…合わせマーク、84L…(バランサー軸81の)左軸受、84R…(バランサー軸81の)右軸受、85L…左の軸受スラスト受け部、85R…右の軸受スラスト受け部、86L…左バランサーウエイト、86Ra…キー溝、88…外歯スプライン部、88a…拡幅歯、89…内歯スプライン部、89a…歯欠き部、90…キー100…切欠き溝部
、101…切欠き面、102…重なり部、104…クリアランス、X…クランク軸31の軸心、Y…バランサ軸81の軸心、m1〜m5…(メイン軸51の)変速ギヤ(本発明における「ミッション歯車」)、m5a…外径部、c1〜c5…(カウンタ軸52の)変速ギヤ(本発明における「ミッション歯車」)、mx…重複部

Claims (5)

  1. クランク軸(31)方向に左ケース(30L)と右ケース(30R)が合わせられる左右割り構造のクランクケース(30)と、クランク軸(31)と平行に前記左ケース(30L)と右ケース(30R)に跨って支持されるバランサー軸(81)とを備え、前記クランク軸(31)がクランクウエイト(37L,37R)を有する内燃機関(3)において、
    前記左、右ケース(30L,30R)の合わせ面(30a)側から同左、右ケース(30L,30R)の各々に取り付けられクランク軸(31)の左、右軸受(47L,47R)とバランサー軸(81)の左、右軸受(84L,84R)を備え、
    前記バランサー軸(81)の両端側に左、右のバランサーウエイト(86L,86R)が同バランサー軸(81)に対して分離可能に取付けられ、前記クランク軸(31)とバランサー軸(81)は前記左、右ケース(30L,30R)に挟み込まれるようにして位置決め、保持され
    前記バランサー軸(81)は、クランク軸(31)の前記クランクウエイト(37L,37R)の外周部(37d)に対面するように、前記クランクケース(30)のクランク室(45)内に配置され、前記バランサー軸(81)の周面に突設された軸受スラスト受け部(85L,85R)が、前記クランクウエイト(37L,37R)の外周部(37d)の最大外形と軸方向視で重なる
    ことを特徴とする内燃機関のバランサー構造。
  2. 前記クランクウエイト(37L,37R)の外周部(37d)が円形をなし、且つ前記外周部(37d)に前記バランサー軸(81)の軸受スラスト受け部(85L,85R)が軸方向に通過する切欠き溝部(100)が設けられたことを特徴とする請求項に記載の内燃機関のバランサー構造。
  3. 前記切欠き溝部(100)は前記外周部(37d)の周方向において一か所のみ設けられ、同切欠き溝部(100)の位置と前記バランサーウエイト(86L,86R)の位置とが、組み立て後の位相合わせとなるように組合せされて組み立てられたことを特徴とする請求項に記載の内燃機関のバランサー構造。
  4. 前記切欠き溝部(100)は、前記クランクケース(30)に配置される駆動力伝達用のミッション歯車(m1〜m5)の組み立て時に前記クランクウエイト(37L,37R)の外周部(37d)をクランク軸(31)方向に通過する前記ミッション歯車(m5)の外径部(m5a)の逃げ部を兼ねることを特徴とする請求項に記載の内燃機関のバランサー構造。
  5. 前記左、右のバランサーウエイト(86L,86R)の一方(86L)は、クランク軸(31)方向位置で、内燃機関動弁機構のカムチェーン(64)の位置と重なる位置に配置され、他方のバランサーウエイト(86R)は、前記クランク軸(31)のクラッチ駆動用歯車(56)の位置と重なる位置に配置されたことを特徴とする請求項に記載の内燃機関のバランサー構造。
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