JP6296009B2 - 静電潜像現像用の現像剤及びその製造方法 - Google Patents

静電潜像現像用の現像剤及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、静電潜像現像用の現像剤及びその製造方法に関する。
複数のキャリア粒子を含むキャリアと、複数のトナー粒子を含むトナーとを混合することで、2成分現像剤を調製できる。2成分現像剤を用いて画像を形成する場合、キャリア付着(感光体ドラムの表面にキャリア粒子が付着する現象)が発生することで、画像の画質が低下するという課題がある。キャリアの粒度分布を調整することで、キャリア付着(感光体の表面にキャリア粒子が付着する現象)を抑制する技術が、特許文献1に開示されている。特許文献1に記載される2成分現像剤では、キャリアの質量平均粒径が22μm〜32μmであり、質量平均粒径Dwと個数平均粒径Dpとの比率(Dw/Dp)が1.0<Dw/Dp<1.2である。また、キャリアにおいて、粒径20μm以下の粒子の含有率が7質量%以下であり、かつ、粒径36μm以下の粒子の含有率が90質量%〜100質量%である。
特開2010−113079号公報
特許文献1に記載される2成分現像剤では、キャリアの粒度分布が非常にシャープな分布である。このようなキャリアは、製造が困難であり、製造コストが高い傾向がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、高画質の画像を形成することができて、容易に製造することができる静電潜像現像用の現像剤及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る静電潜像現像用の現像剤は、複数のキャリア粒子を含むキャリアと、複数のトナー粒子を含むトナーとを含む。前記キャリアは、10質量%以上25質量%以下の割合で、粒子径20μm未満の前記キャリア粒子を含む。前記キャリアに含まれる全ての前記キャリア粒子の体積中位径は30μm以上42μm以下である。前記キャリアに含まれる全ての前記キャリア粒子と前記トナーとの摩擦帯電量QAと、前記キャリアに含まれる前記粒子径20μm未満のキャリア粒子と前記トナーとの摩擦帯電量QBとが、関係式「0.5≦QB/QA≦0.8」を満足する。
本発明に係る静電潜像現像用の現像剤の製造方法は、トナーの準備と、キャリアコアの準備と、樹脂層の形成とを含む。前記トナーの準備では、複数のトナー粒子を含むトナーを準備する。前記キャリアコアの準備では、体積中位径が30μm以上42μm以下であり、かつ、10質量%以上25質量%以下の割合で粒子径20μm未満のキャリアコアを含むキャリアコアの粉体を準備する。前記樹脂層の形成では、前記キャリアコアの各々の表面に最大厚さ1μm以下の樹脂層を形成して、キャリア粒子を得る。また、前記樹脂層の形成では、全ての前記キャリア粒子と前記トナーとの摩擦帯電量QAと、粒子径20μm未満の前記キャリア粒子と前記トナーとの摩擦帯電量QBとが、関係式「0.5≦QB/QA≦0.8」を満足するように、前記樹脂層を構成する樹脂とは逆極性の添加剤を、選択的に前記粒子径20μm未満のキャリア粒子の前記樹脂層中に添加する。
本発明によれば、高画質の画像を形成することができて、容易に製造することができる静電潜像現像用の現像剤及びその製造方法を提供することが可能になる。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、粉体(より具体的には、トナー母粒子、外添剤、トナー、又はキャリア等)に関する評価結果(形状又は物性などを示す値)は、何ら規定していなければ、相当数の粒子について測定した値の個数平均である。また、粉体の粒子径は、何ら規定していなければ、粒子の円相当径(粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)である。化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。また、アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。
本実施形態に係る現像剤は、トナーとキャリアとを含む。トナー及びキャリアはそれぞれ、複数の粒子の集合体(粉体)である。トナーは、後述の構成を有するトナー粒子を、複数含む。キャリアは、後述の構成を有するキャリア粒子を、複数含む。本実施形態に係る現像剤は、静電潜像の現像に好適に用いることができる。本実施形態に係る現像剤に含まれるトナーは、例えば正帯電性トナーである。
本実施形態に係る現像剤は、例えば、次に示す画像形成方法に好適に使用できる。まず、画像データに基づいて感光体(例えば、感光体ドラムの表層部)に静電潜像を形成する。次に、形成された静電潜像を、現像剤(トナー及びキャリア)を用いて現像する。現像工程では、感光体ドラム付近に配置される現像ローラー(マグネットロールを内蔵する現像ローラー)に現像剤を担持させて、現像剤中のトナー(帯電したトナー)を感光体の静電潜像に付着させる。これにより、感光体上にトナー像が形成される。そして、続く転写工程では、感光体上のトナー像を中間転写体(例えば、転写ベルト)に転写した後、さらに中間転写体上のトナー像を記録媒体(例えば、紙)に転写する。その後、トナーを加熱して、記録媒体にトナーを定着させる。その結果、記録媒体に画像が形成される。例えば、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの4色のトナー像を重ね合わせることで、フルカラー画像を形成することができる。
本実施形態に係る現像剤は、トナーと、次に示す構成(以下、基本構成と記載する)を有するキャリアとを含む。
(キャリアの基本構成)
キャリアは、10質量%以上25質量%以下の割合で、粒子径20μm未満のキャリア粒子(以下、小キャリア粒子と記載する)を含む。キャリアに含まれる全てのキャリア粒子の体積中位径(以下、全キャリア粒子径と記載する)は30μm以上42μm以下である。キャリアに含まれる全てのキャリア粒子とトナーとの摩擦帯電量(以下、全キャリア帯電量QAと記載する)と、キャリアに含まれる小キャリア粒子とトナーとの摩擦帯電量QB(以下、小キャリア帯電量QBと記載する)とが、関係式「0.5≦QB/QA≦0.8」を満足する。体積中位径(D50)及び摩擦帯電量(QA、QB)の各々の測定方法は、後述する実施例と同じ方法又はその代替方法である。
高画質の画像を形成するためには、キャリアに10質量%以上25質量%以下の割合で小キャリア粒子を含ませて、全キャリア粒子径を30μm以上42μm以下にすることが好ましい。小キャリア粒子は、比表面積が大きい。小キャリア粒子を含むキャリアを用いて画像を形成する場合には、キャリアに多量のトナーを担持させることが可能になり、形成された画像内の濃度むらを小さくし易くなる。また、粒子径が小さいキャリア粒子は、優れた帯電立ち上がり特性を有する(早期に帯電させ易い)。上記基本構成で規定される割合(10質量%以上25質量%以下)で小キャリア粒子を含むキャリアを用いることで、低濃度画像だけでなく高濃度画像も高画質で形成し易くなる。こうしたキャリアの粒度分布(小キャリア粒子の割合:10質量%以上25質量%以下)はシャープ過ぎない。このため、上記基本構成を有するキャリアは、比較的容易に製造できる。
キャリア粒子の粒子径が小さくなるほど、キャリア粒子の飽和磁化が小さくなる傾向がある。キャリア粒子の飽和磁化が小さくなると、キャリア付着(感光体の表面にキャリア粒子が付着する現象)が生じ易くなる。上記基本構成を有するキャリアでは、全キャリア帯電量QAと小キャリア帯電量QBとが、関係式「0.5≦QB/QA≦0.8」を満足する。小キャリア帯電量QBを十分低くすることで、キャリア付着を抑制することが可能になる。発明者は、小キャリア帯電量QBに上記関係式を満足させることにより、キャリア付着を抑制しながら、トナーの帯電不良も抑制できることを見出した。
キャリア粒子を構成するキャリアコアの表面に樹脂層を形成することで、キャリアの耐久性又は流動度を向上させることができる。また、関係式「0.5≦QB/QA≦0.8」を満足するように小キャリア帯電量QBを調整するためには、キャリアに含まれるキャリア粒子のうち、小キャリア粒子(粒子径20μm未満のキャリア粒子)のみが、樹脂層を構成する樹脂とは逆極性の添加剤を樹脂層中に含有することが好ましい。負帯電性キャリア(トナーを正帯電させるキャリア)においては、樹脂層を構成する樹脂としてシリコーン樹脂を使用し、シリコーン樹脂とは逆極性の添加剤として、アミノシランカップリング剤を使用することが好ましい。シリコーン樹脂の好適な例としては、メチルシリコーン樹脂、メチルフェニルシリコーン樹脂、アルキル変性シリコーン樹脂、又はフッ素変性シリコーン樹脂が挙げられる。また、アミノシランカップリング剤としては、以下に示す化合物を使用することが特に好ましい。
アミノシランカップリング剤は、下記一般式(1)で表される。
Figure 0006296009
一般式(1)中、Yは端部にアミノ基を有する反応性官能基を表す。この反応性官能基(Y)は、有機材料(より具体的には、酸、エステル、エポキシ、ケトン、又はハロゲン化物等)と反応して結合する。また、nは1以上3以下の整数を表す。X1は、各々独立して、水又は湿気により加水分解されてシラノールを生成する加水分解性官能基を表す。生成されたシラノールは、無機材料と反応する。X2は、各々独立して、アルキル基を表す。ただし、nが3を表す場合、X2は存在しない。
関係式「0.5≦QB/QA≦0.8」を満足するように小キャリア帯電量QBを調整するためには、一般式(1)中、Yが表す反応性官能基の端部に位置するアミノ基が「−NH2」であり、X1が、各々独立して、アルコキシ基、アセトキシ基、又はクロロ基を表し、X2が、各々独立して、メチル基を表す、アミノシランカップリング剤を使用することが好ましい。こうしたアミノシランカップリング剤の例として、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(Y:アミノプロピル基、n:3、X1:エトキシ基)を式(2)に示し、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン(Y:アミノエチルアミノプロピル基、n:3、X1:メトキシ基)を式(3)に示し、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルジメトキシメチルシラン(Y:アミノエチルアミノプロピル基、n:2、X1:メトキシ基、X2:メチル基)を式(4)に示す。
Figure 0006296009
Figure 0006296009
Figure 0006296009
本実施形態に係る現像剤に含まれるトナーは、複数のトナー粒子を含む。トナー粒子は、外添剤を備えていてもよい。トナー粒子が外添剤を備える場合には、トナー粒子はトナー母粒子と外添剤とを備える。外添剤はトナー母粒子の表面に付着する。トナー母粒子は、結着樹脂を含む。必要に応じて、トナー母粒子の結着樹脂中に内添剤(例えば、離型剤、着色剤、電荷制御剤、及び磁性粉の少なくとも1つ)を分散させてもよい。なお、必要がなければ外添剤を割愛してもよい。外添剤を割愛する場合には、トナー母粒子がトナー粒子に相当する。本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、シェル層を備えないトナー粒子(以下、非カプセルトナー粒子と記載する)であってもよいし、シェル層を備えるトナー粒子(以下、カプセルトナー粒子と記載する)であってもよい。トナー母粒子(トナーコア)の表面にシェル層を形成することで、カプセルトナー粒子を製造することができる。シェル層は、実質的に熱硬化性樹脂(例えば、後述する好適な熱硬化性樹脂)のみからなってもよいし、実質的に熱可塑性樹脂(例えば、後述する好適な熱可塑性樹脂)のみからなってもよいし、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との両方を含有してもよい。
本実施形態に係る現像剤を用いて高画質の画像を形成するためには、トナーの体積中位径(D50)が6μm以上9μm以下であることが好ましい。体積中位径の測定方法は、後述する実施例と同じ方法又はその代替方法である。
非カプセルトナー粒子は、例えば粉砕法又は凝集法により作製できる。これらの方法は、非カプセルトナー粒子の結着樹脂中に内添剤を良好に分散させ易い。
粉砕法の一例では、まず、結着樹脂、着色剤、電荷制御剤、及び離型剤を混合する。続けて、得られた混合物を、溶融混練装置(例えば、1軸又は2軸の押出機)を用いて溶融混練する。続けて、得られた溶融混練物を粉砕及び分級する。これにより、トナー母粒子が得られる。粉砕法を用いた場合には、凝集法を用いた場合よりも容易にトナー母粒子を作製できることが多い。
凝集法の一例では、まず、結着樹脂、離型剤、及び着色剤の各々の微粒子を含む水性媒体中で、これらの微粒子を所望の粒子径になるまで凝集させる。これにより、結着樹脂、離型剤、及び着色剤を含む凝集粒子が形成される。続けて、得られた凝集粒子を加熱して、凝集粒子に含まれる成分を合一化させる。これにより、所望の粒子径を有するトナー母粒子が得られる。
カプセルトナー粒子を製造する場合、シェル層の形成方法は任意である。例えば、in−situ重合法、液中硬化被膜法、及びコアセルベーション法のいずれの方法を用いて、シェル層を形成してもよい。
トナー粒子及びキャリア粒子の各々で用いられる好適な樹脂の種類を、以下に示す。
<好適な熱可塑性樹脂>
トナー粒子(特に、トナーコア及びシェル層)及びキャリア粒子(特に、キャリアコア)の各々を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル酸系樹脂(より具体的には、アクリル酸エステル重合体又はメタクリル酸エステル重合体等)、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂等)、ビニル樹脂(より具体的には、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、又はN−ビニル樹脂等)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、又はウレタン樹脂を好適に使用できる。また、上記樹脂のいずれかの繰返し単位と同一のモノマーに由来する繰返し単位を1種以上含む共重合体(より具体的には、スチレン−アクリル酸系樹脂又はスチレン−ブタジエン系樹脂等)も、トナー粒子及びキャリア粒子の各々を構成する熱可塑性樹脂として好適に使用できる。
熱可塑性樹脂は、1種以上の熱可塑性モノマー(より具体的には、アクリル酸系モノマー又はスチレン系モノマー等)を縮重合又は共縮重合させることで得られる。なお、熱可塑性モノマーは、単独重合させることによって熱可塑性樹脂になるモノマーである。ポリエステル樹脂は、アルコールとカルボン酸とを縮重合又は共縮重合させることで得られる。スチレン−アクリル酸系樹脂は、1種以上のスチレン系モノマーと1種以上のアクリル酸系モノマーとの共重合体である。
<好適な熱硬化性樹脂>
トナー粒子(特に、シェル層)及びキャリア粒子(特に、キャリアコア)の各々を構成する熱硬化性樹脂としては、例えば、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、スルホンアミド系樹脂、グリオキザール系樹脂、グアナミン系樹脂、アニリン系樹脂、ポリイミド樹脂(より具体的には、マレイミド重合体又はビスマレイミド重合体等)、又はキシレン系樹脂を好適に使用できる。
熱硬化性樹脂は、1種以上の熱硬化性モノマーを縮重合又は共縮重合させることで得られる。また、架橋剤を用いることで、熱可塑性モノマーにより熱硬化性樹脂を合成することもできる。なお、熱硬化性モノマーは、単独重合させることによって熱硬化性樹脂になるモノマーである。
熱硬化性モノマーの好適な例としては、メチロールメラミン、メラミン、メチロール化尿素(より具体的には、ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素等)、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、又はスピログアナミンが挙げられる。
次に、非カプセルトナー粒子(トナー母粒子及び外添剤)、及びキャリア粒子(キャリアコア及び樹脂層)の各々の構成の好適な例について説明する。
[トナー母粒子]
トナー母粒子は、結着樹脂を含有する。また、トナー母粒子は、内添剤(例えば、着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉)を含有してもよい。
(結着樹脂)
トナー母粒子では、一般的に、成分の大部分(例えば、85質量%以上)を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナー母粒子の全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。非カプセルトナー粒子の耐熱保存性及び低温定着性の両立を図るためには、トナー母粒子が、結着樹脂として、前述の好適な熱可塑性樹脂を含有することが好ましく、ポリエステル樹脂及びスチレン−アクリル酸系樹脂の少なくとも一方を含有することが特に好ましい。
(着色剤)
トナー母粒子は、着色剤を含有してもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。トナーを用いて高画質の画像を形成するためには、着色剤の使用量が、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナー母粒子は、黒色着色剤を含有していてもよい。黒色着色剤の例としては、カーボンブラックが挙げられる。また、黒色着色剤は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤を用いて黒色に調色された着色剤であってもよい。
トナー母粒子は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、又はシアン着色剤のようなカラー着色剤を含有していてもよい。
イエロー着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、及びアリールアミド化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。イエロー着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(3、12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、又は194)、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、又はC.I.バットイエローを好適に使用できる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、及びペリレン化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。マゼンタ着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、又は254)を好適に使用できる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物、アントラキノン化合物、及び塩基染料レーキ化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。シアン着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、又は66)、フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、又はC.I.アシッドブルーを好適に使用できる。
(離型剤)
トナー母粒子は、離型剤を含有していてもよい。離型剤は、例えば、トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させる目的で使用される。トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下であることが好ましい。
離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、又はフィッシャートロプシュワックスのような脂肪族炭化水素ワックス;酸化ポリエチレンワックス又はそのブロック共重合体のような脂肪族炭化水素ワックスの酸化物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、又はライスワックスのような植物性ワックス;みつろう、ラノリン、又は鯨ろうのような動物性ワックス;オゾケライト、セレシン、又はペトロラタムのような鉱物ワックス;モンタン酸エステルワックス又はカスターワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスのような、脂肪酸エステルの一部又は全部が脱酸化したワックスを好適に使用できる。1種類の離型剤を単独で使用してもよいし、複数種の離型剤を併用してもよい。
結着樹脂と離型剤との相溶性を改善するために、相溶化剤をトナー母粒子に添加してもよい。
(電荷制御剤)
トナー母粒子は、電荷制御剤を含有していてもよい。電荷制御剤は、例えば、トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電可能か否かの指標になる。
トナー母粒子に正帯電性の電荷制御剤を含有させることで、トナー母粒子のカチオン性を強めることができる。ただし、トナーにおいて十分な帯電性が確保される場合には、トナー母粒子に電荷制御剤を含有させる必要はない。
(磁性粉)
トナー母粒子は、磁性粉を含有していてもよい。磁性粉としては、例えば、鉄(より具体的には、フェライト又はマグネタイト等)、強磁性金属(より具体的には、コバルト又はニッケル等)、鉄及び/又は強磁性金属を含む合金、強磁性化処理(より具体的には、熱処理等)が施された強磁性合金、又は二酸化クロムを好適に使用できる。1種類の磁性粉を単独で使用してもよいし、複数種の磁性粉を併用してもよい。
磁性粉からの金属イオン(例えば、鉄イオン)の溶出を抑制するためには、磁性粉を表面処理することが好ましい。酸性条件下でトナー母粒子の表面にシェル層を形成する場合に、トナー母粒子の表面に金属イオンが溶出すると、トナー母粒子同士が固着し易くなる。磁性粉からの金属イオンの溶出を抑制することで、トナー母粒子同士の固着を抑制することができると考えられる。
[キャリア粒子]
キャリアの耐久性又は流動度を向上させるためには、キャリアに含まれるキャリア粒子が、キャリアコアと、キャリアコアの表面に形成された樹脂層とを備えることが好ましく、その樹脂層が実質的にシリコーン樹脂(より具体的には、前述したメチルシリコーン樹脂等)から構成されることがより好ましい。また、関係式「0.5≦QB/QA≦0.8」を満足するように小キャリア帯電量QBを調整するためには、キャリアに含まれるキャリア粒子のうち、小キャリア粒子(粒子径20μm未満のキャリア粒子)のみが、樹脂層中にアミノシランカップリング剤(より具体的には、前述した3−アミノプロピルトリエトキシシラン等)を含有することが好ましい。
前述の基本構成を有するキャリアを含む現像剤を製造するための方法としては、次に示す工程(トナーの準備、キャリアコアの準備、及び樹脂層の形成)を含む方法が好ましい。トナーの準備では、複数のトナー粒子を含むトナーを準備する。キャリアコアの準備では、体積中位径が30μm以上42μm以下であり、かつ、10質量%以上25質量%以下の割合で粒子径20μm未満のキャリアコアを含むキャリアコアの粉体を準備する。樹脂層の形成では、キャリアコアの各々の表面に最大厚さ1μm以下の樹脂層を形成して、キャリア粒子を得る。また、樹脂層の形成では、全キャリア帯電量QAと小キャリア帯電量QBとが関係式「0.5≦QB/QA≦0.8」を満足するように、樹脂層を構成する樹脂(例えば、シリコーン樹脂)とは逆極性の添加剤(例えば、アミノシランカップリング剤)を、選択的に小キャリア粒子の樹脂層中に添加する。
上記方法によれば、容易かつ好適に、前述の基本構成を有するキャリアを含む現像剤を製造することが可能になる。上記方法以外の方法としては、例えば、小キャリア粒子とそれ以外のキャリア粒子とで、樹脂層を構成する樹脂の種類を変えることによって、全キャリア帯電量QAに対する小キャリア帯電量QBの比率(QB/QA)を調整する方法がある。
(キャリアコア)
キャリアコアは、磁性材料を含むことが好ましい。キャリアコアに含まれる磁性材料としては、例えば、マグネタイト、バリウムフェライト、マグヘマイト、Mn−Zn含有フェライト、Ni−Zn含有フェライト、Mn−Mg含有フェライト、Ca−Mg含有フェライト、Li含有フェライト、又はCu−Zn含有フェライトのような金属酸化物が好ましく、マグネタイトが特に好ましい。個々のキャリアコアの材料として、1種類の磁性材料を単独で使用してもよいし、2種以上の磁性材料を併用してもよい。また、互いに異なる材料からなる複数種のキャリアコアを混合してもよい。キャリアコアとしては、市販品を使用してもよい。また、磁性材料を粉砕及び焼成してキャリアコアを自作してもよい。
キャリアコアの結着樹脂中に、上記磁性材料の粒子を分散させてもよい。キャリアコアの結着樹脂としては、例えば、前述した好適な熱可塑性樹脂及び好適な熱硬化性樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂を使用できる。
(樹脂層)
樹脂層は、キャリアコアを被覆するように、キャリアコアの表面に形成される。樹脂層の形成方法の例としては、樹脂を含む液にキャリアコアを浸漬する方法、又は、樹脂を含む液を流動層中のキャリアコアに噴霧する方法が挙げられる。
樹脂層を構成する樹脂は、絶縁性樹脂であることが好ましい。樹脂層を構成する樹脂としては、熱可塑性樹脂を使用してもよいし、熱硬化性樹脂を使用してもよい。また、熱可塑性樹脂と硬化剤とを混合することにより、熱可塑性樹脂に架橋性を付与してもよい。
樹脂層を構成する樹脂として熱可塑性樹脂を使用する場合、熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、アクリル樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン樹脂、フルオロカーボン樹脂、パーフルオロカーボン樹脂、溶剤可溶性パーフルオロカーボン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、石油樹脂、セルロースもしくはその誘導体(より具体的には、酢酸セルロース、硝酸セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、又はヒドロキシプロピルセルロース等)、ノボラック樹脂、低分子量ポリエチレン、飽和アルキルポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、芳香族ポリエステル樹脂(より具体的には、ポリアリレート等)、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、又はポリエーテルケトン樹脂を好適に使用できる。
樹脂層を構成する樹脂として熱硬化性樹脂を使用する場合、熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、無水マレイン酸とテレフタル酸と多価アルコールとの縮重合によって得られる不飽和ポリエステル、尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素−メラミン樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン樹脂、アセトグアナミン樹脂、グリプタール樹脂、フラン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、又はウレタン樹脂が好ましく、シリコーン樹脂が特に好ましい。
本発明の実施例について説明する。表1に、実施例又は比較例に係る現像剤DA−1〜DA−5及びDB−1〜DB−8(それぞれ静電潜像現像用の2成分現像剤)を示す。また、表2に、現像剤DA−1〜DB−8の製造で用いられるキャリアA−1〜A−5及びB〜Iを示す。また、表3に、キャリアA−1〜Iの製造で用いられるキャリアコアA〜Iを示す。
Figure 0006296009
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以下、現像剤DA−1〜DB−8の製造方法、評価方法、及び評価結果について、順に説明する。なお、誤差が生じる評価においては、誤差が十分小さくなる相当数の測定値を得て、得られた測定値の算術平均を評価値とした。質量平均分子量(Mw)の測定値は、何ら規定していなければ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した値である。また、体積中位径(D50)の測定方法は、何ら規定していなければ、次に示すとおりである。
<体積中位径の測定方法>
以下の方法で測定された試料の粒度分布から、試料の体積中位径を求めた。まず、試料(例えば、キャリア粒子)20mgと、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mLと、電解液(ベックマン・コールター株式会社製「ISOTON−2」)50mLとを混合した。続けて、得られた混合物に対して、超音波分散器(アズワン株式会社販売「VS−D100」)を用いて、周波数20kHzで3分間超音波照射を行って、評価用分散液を得た。続けて、粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社製「コールターカウンターマルチサイザー3」)を用いて、アパーチャ径100μm、測定粒子数50000の条件で、評価用分散液における試料の体積粒度分布を測定した。そして、測定された体積粒度分布から試料の体積中位径を求めた。
また、キャリアとトナーとの摩擦帯電量(全キャリア帯電量QA及び小キャリア帯電量QB)は、次に示す方法で測定した。
<摩擦帯電量の測定方法>
キャリア100質量部とトナー7質量部とを、混合機(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製「ターブラー(登録商標)ミキサーT2F」)を用いて、回転速度96rpmの条件で30分間混合した。続けて、得られた混合物におけるトナーの摩擦帯電量を、Q/mメーター(トレック社製「MODEL 210HS−2A」)を用いて測定した。詳しくは、Q/mメーターの測定セルに混合物(キャリア及びトナー)0.10gを投入し、投入された混合物のうちトナーのみを篩(金網)を介して10秒間吸引した。そして、式「吸引されたトナーの総電気量(μC)/吸引されたトナーの質量(g)」に基づいて、トナーの帯電量(μC/g)を算出した。
[トナーの準備]
混合機(日本コークス工業株式会社製「FMミキサー」)を用いて、結着樹脂100質量部と、着色剤4質量部と、電荷制御剤1質量部と、離型剤5質量部とを混合した。結着樹脂としては、酸価5.6mgKOH/g、融点100℃のポリエステル樹脂を用いた。着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3(銅フタロシアニンブルー顔料)を用いた。電荷制御剤としては、4級アンモニウム塩(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P−51」)を用いた。離型剤としては、ワックス(株式会社加藤洋行製「カルナウバワックス1号」)を用いた。
続けて、得られた混合物を、2軸押出機(株式会社池貝製「PCM−30」)を用いて混練した。続けて、得られた混練物を、機械式粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミル」)を用いて粉砕した。続けて、得られた粉砕物を、分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて分級した。その結果、体積中位径(D50)6.8μmのトナー母粒子が得られた。
続けて、混合機(日本コークス工業株式会社製「FMミキサー」)を用いて、トナー母粒子100質量部と、疎水性シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)RA−200H」)1質量部とを混合することにより、トナー母粒子の表面に外添剤(シリカ粒子)を付着させた。その後、得られたトナーを、200メッシュ(目開き75μm)の篩を用いて篩別した。その結果、トナー粒子を多数含むトナーが得られた。
[キャリアの準備]
MnO(体積中位径0.9μm)換算で40質量部、MgO(体積中位径0.9μm)換算で9質量部、Fe23(体積中位径0.8μm)換算で50質量部になるように、各原材料(MnO、MgO及びFe23の各原材料)を混合した。続けて、得られた混合物を、湿式ボールミルを用いて、設定粒子径1μmで2時間粉砕処理した。その後、得られた粉砕物にポリビニルアルコールを添加し、スプレードライヤーを用いて粉砕物の造粒処理を行った。続けて、得られた造粒物を電気炉に入れて焼成した後、解砕工程及び分級工程(気流式の分級機による分級)を経て、表3に示すキャリアコアA〜Iを得た。キャリアコアの作製条件(より具体的には、スプレードライヤーによる造粒処理の条件、又は分級工程の条件等)を変えることで、全てのキャリアコアの体積中位径(キャリアコアの全粒子径)と、粒子径20μm未満のキャリアコアの割合(キャリアコアの小粒子の割合)とを、それぞれ表3に示される値に調整することができる。
上記のようにして得たキャリアコアA〜Iを用いて、キャリアA−1〜A−5及びB〜Iを製造した。より具体的には、キャリアコア(表2に示すキャリアコアA〜Iのいずれか)を、目開き20μmの篩を用いて篩別し、粒子径20μm未満のキャリアコアのみを含むキャリアコア(以下、小キャリアコアと記載する)と粒子径20μm以上のキャリアコアのみを含むキャリアコア(以下、大キャリアコアと記載する)とに分離した。
質量平均分子量(Mw)1.5×104のメチルシリコーン樹脂100質量部と、硬化触媒(オクチル酸)4質量部とを、溶剤に添加して、キャリアコート液を得た。続けて、転動流動層コーティング装置(岡田精工株式会社製「スピラコータ(登録商標)SP−25」)に、上記キャリアコート液3質量部と、大キャリアコア100質量部とをセットして、大キャリアコアの質量に対してメチルシリコーン樹脂が3質量%になるように、大キャリアコアを樹脂層(メチルシリコーン樹脂の層)で被覆した。その後、樹脂層で被覆された大キャリアコアを260℃で3時間焼成した。その後、得られた焼成物を、冷却した後、解砕して、大キャリアを得た。
また、以下のこと以外は上記大キャリアの調製方法と同様にして、小キャリアを調製した。小キャリアの調製では、大キャリアコアの代わりに小キャリアコアを使用した。また、キャリアコート液にアミノシランカップリング剤(信越化学工業株式会社製「KBM−602」、成分:3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルジメトキシメチルシラン)をさらに添加し、小キャリアコアの質量に対して、メチルシリコーン樹脂が4.5質量%、アミノシランカップリング剤が所定の割合(表2に示す割合)になるように、小キャリアコアを樹脂層(メチルシリコーン樹脂の層)で被覆した。ただし、キャリアA−5の製造では、キャリアコート液にアミノシランカップリング剤を添加しなかった。
続けて、上記のようにして得た大キャリア及び小キャリアを混合して、キャリアA−1〜A−5及びB〜Iを得た。表2に示すように、全キャリア粒子径(キャリアに含まれる全てのキャリア粒子の体積中位径)と小キャリア粒子の割合(=100×小キャリア粒子の質量/全キャリア粒子の質量)とはそれぞれ、樹脂層を形成する前の値(表3に示されるキャリアコアの、全粒子径、及び小粒子の割合)と実質的に同じであった。
[現像剤の製造]
表1に示されるキャリア(現像剤DA−1〜DA−5及びDB−1〜DB−8の各々に定められたキャリア)100質量部と、トナー(前述の手順で製造されたトナー)8質量部とを、粉体混合機(愛知電機株式会社製「ロッキングミキサー(登録商標)」)を用いて30分間攪拌した。その結果、現像剤DA−1〜DA−5及びDB−1〜DB−8が得られた。
[評価方法]
各試料(現像剤DA−1〜DA−5及びDB−1〜DB−8)の評価方法は、以下の通りである。試料(現像剤)を用いて画像を形成して、画像濃度(ID)、かぶり濃度(FD)、画像バサツキ、及びキャリア付着性を評価した。評価機としては、カラー複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa 5550ci」を2成分現像システムに改造した評価機)を用いた。試料(現像剤)を評価機の現像器に投入し、試料(現像剤)に対応するトナー(補充用トナー)を評価機のトナーコンテナに投入した。
上記評価機を用いて、常温常湿環境(温度23℃、湿度50%RH)下において、印字率50%で1000枚連続印刷する第1耐刷試験を行った。さらに、第1耐刷試験を行った後、上記評価機を用いて、常温常湿環境(温度23℃、湿度50%RH)下において、印字率0.1%で5000枚連続印刷する第2耐刷試験を行った。
第1耐刷試験前(以下、初期と記載する)と、第1耐刷試験後かつ第2耐刷試験前(以下、第1耐刷試験後と記載する)と、第2耐刷試験後との各々のタイミングにおいて、上記評価機を用いて、ソリッド部と空白部とを含むサンプル画像を記録媒体(評価用紙)に形成した。その後、記録媒体に形成された画像のソリッド部の画像濃度(ID)を、反射濃度計(X−Rite社製「RD914」)を用いて測定した。また、記録媒体に形成された画像の空白部の画像濃度(ID)を、反射濃度計(X−Rite社製「RD914」)を用いて測定し、かぶり濃度(FD)を算出した。なお、かぶり濃度(FD)は、印刷後の記録媒体の空白部の画像濃度(ID)からベースペーパー(未印刷紙)の画像濃度(ID)を引いた値に相当する。
測定された画像濃度(ID)は、下記基準に従って評価した。
◎(非常に良い):画像濃度が1.4以上であった。
○(良い):画像濃度が1.3以上1.4未満であった。
△(普通):画像濃度が1.2以上1.3未満であった。
×(悪い):画像濃度が1.2未満であった。
測定されたかぶり濃度(FD)は、下記基準に従って評価した。
◎(非常に良い):かぶり濃度(FD)が0.004未満であった。
○(良い):かぶり濃度(FD)が0.004以上0.006未満であった。
△(普通):かぶり濃度(FD)が0.006以上0.010未満であった。
×(悪い):かぶり濃度(FD)が0.010以上であった。
画像バサツキを評価する場合には、初期において、上記評価機を用いて、ソリッド部と空白部とを含むサンプル画像を記録媒体(評価用紙)に形成した。その後、記録媒体に形成された画像のソリッド部の画像バサツキを、ハンディ型画像評価システム(QEA(Quality Engineering Associates)社製「MODEL PIAS−II」)を用いて、「ISO13660」に定められた方法により測定した。なお、画像バサツキは、ソリッド画像内の濃度むら(特に、ソリッド画像内の低空間周波数の濃度変動)に起因する粒状度(mottle)を示す。
測定された画像バサツキ(mottle)は、下記基準に従って評価した。
◎(非常に良い):画像バサツキが0.80以下であった。
○(良い):画像バサツキが0.80超0.95以下であった。
×(悪い):画像バサツキが0.95超であった。
キャリア付着性を評価する場合には、初期において、ソリッド部と空白部とを含むサンプル画像の印刷を上記評価機に指示し、印刷の途中で評価機の印刷動作を止めた。その後、評価機から感光体ドラムを取り出して、感光体ドラムに付着したキャリア粒子の数を求めた。詳しくは、感光体ドラムに付着したキャリア粒子をテープを使って採取し、感光体ドラムの表面の単位面積(2cm×2cm)あたりに幾つのキャリア粒子が付着したかを求めた。そして、感光体ドラムに付着したキャリア粒子(以下、付着キャリア粒子と記載する)の数に基づいて、キャリア付着性を評価した。
キャリア付着性の評価基準は、以下のとおりである。
◎(非常に良い):付着キャリア粒子の数が5個未満であった。
○(良い):付着キャリア粒子の数が5個以上10個未満であった。
×(悪い):付着キャリア粒子の数が10個以上であった。
[評価結果]
表4及び表5に、現像剤DA−1〜DB−8の各々についての評価結果を示す。
Figure 0006296009
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現像剤DA−1〜DA−3及びDB−1〜DB−4(実施例1〜7に係る現像剤)の各々のキャリアは、前述の基本構成を有していた。詳しくは、実施例1〜7に係る現像剤ではそれぞれ、表2に示されるように、キャリアが、10質量%以上25質量%以下の割合で小キャリア粒子を含んでいた。また、全キャリア粒子径が30μm以上42μm以下であった。また、表1に示されるように、全キャリア帯電量QAと小キャリア帯電量QBとが、関係式「0.5≦QB/QA≦0.8」を満足していた。表4及び表5に示されるように、実施例1〜7に係る現像剤ではそれぞれ、キャリア付着を抑制できた。また、実施例1〜7に係る現像剤ではそれぞれ、トナーに安定した帯電量を与えることができ、初期においても耐刷試験後においても優れた現像性が維持された。また、実施例1〜7に係る現像剤は、低コストで製造できた。
本発明に係る現像剤は、例えば複写機、プリンター、又は複合機において画像を形成するために用いることができる。

Claims (5)

  1. 複数のキャリア粒子を含むキャリアと、複数のトナー粒子を含むトナーとを含み、
    前記キャリアは、10質量%以上25質量%以下の割合で、粒子径20μm未満の前記キャリア粒子を含み、
    前記キャリアに含まれる全ての前記キャリア粒子の体積中位径は30μm以上42μm以下であり、
    前記キャリアに含まれる全ての前記キャリア粒子と前記トナーとの摩擦帯電量QAと、前記キャリアに含まれる前記粒子径20μm未満のキャリア粒子と前記トナーとの摩擦帯電量QBとが、関係式「0.5≦QB/QA≦0.8」を満足する、静電潜像現像用の現像剤。
  2. 前記キャリア粒子は、キャリアコアと、前記キャリアコアの表面に形成された樹脂層とを備え、
    前記キャリアに含まれる前記キャリア粒子のうち、前記粒子径20μm未満のキャリア粒子のみが、前記樹脂層中に、前記樹脂層を構成する樹脂とは逆極性の添加剤を含有する、請求項1に記載の静電潜像現像用の現像剤。
  3. 前記樹脂層を構成する前記樹脂はシリコーン樹脂であり、前記添加剤はアミノシランカップリング剤である、請求項2に記載の静電潜像現像用の現像剤。
  4. 前記トナー粒子は、結着樹脂としてポリエステル樹脂及びスチレン−アクリル酸系樹脂の少なくとも一方を含有する非カプセルトナー粒子である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の静電潜像現像用の現像剤。
  5. 複数のトナー粒子を含むトナーを準備することと、
    体積中位径が30μm以上42μm以下であり、かつ、10質量%以上25質量%以下の割合で粒子径20μm未満のキャリアコアを含むキャリアコアの粉体を準備することと、
    前記キャリアコアの各々の表面に最大厚さ1μm以下の樹脂層を形成して、キャリア粒子を得ることと、
    を含み、
    前記樹脂層の形成では、全ての前記キャリア粒子と前記トナーとの摩擦帯電量QAと、粒子径20μm未満の前記キャリア粒子と前記トナーとの摩擦帯電量QBとが、関係式「0.5≦QB/QA≦0.8」を満足するように、前記樹脂層を構成する樹脂とは逆極性の添加剤を、選択的に前記粒子径20μm未満のキャリア粒子の前記樹脂層中に添加する、静電潜像現像用の現像剤の製造方法。
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