JP3933364B2 - 二成分系現像剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はトナーとキャリアとから構成される二成分系現像剤に関し、とりわけ画質および耐久性を著しく改良した二成分系現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真複写機、静電記録装置等の画像形成装置が広く普及するに従い、その用途も多種多様に広がるとともに、高精細、高画質化の要求が市場では高まっている。当該技術分野では、潜像担持体上に形成された静電潜像はトナーで現像して可視像とされるが、そのトナーの粒径を細かくして高画質化を達成しようという試みがなされており、それに伴ってキャリアの小粒径化も必然となってきている。
これまでに、画質をよくするという目的のために、いくつかの現像剤が提案されている。例えば、キャリアの平均粒径や粒度分布を示唆したものとして、特開昭51−3238号、特開昭58−144839号、特開昭61−204646号などがある。
【0003】
特開昭51−3238号では大まかな粒度分布についてだけ言及している。しかしながら、現像剤の現像性や現像装置内での搬送性に密接に関係している磁気特性については具体的に開示されていない。さらに実施例中のキャリアは全て250メッシュパスが約80%以上もあり、平均粒径も60μm以上というものである。
また、特開昭58−144839号は、単にキャリアの平均粒径のみを開示するものであって、感光体へのキャリア付着に影響を及ぼす微粉量(粒径の小さいキャリアの量)や画像の鮮明性に影響を与える粗粉量(粒径の大きいキャリアの量)まで言及し詳細にその分布までは記載していない。さらに、特開昭61−204646号は複写装置と適当な現像剤の組合せを発明の骨子としているが、キャリアの粒度分布や磁気特性については具体的に述べられていない。
【0004】
また、特開昭58−23032号公報に記載されている二成分系現像剤におけるフェライトキャリアは、多孔性の空孔の多い材料についてのものであり、このようなキャリアを用いた現像剤はエッジ効果が発生しやすく耐久性に乏しいものである。
【0005】
こうしたことから現在では、鮮明な画像が得られることは勿論、少量の現像剤で画像面積の大きい画像を連続複写することが可能であり、良好な耐久性を有しエッジ効果が生じないという特性をも満足しうる現像剤が待望されてきている。これに対して現像剤及びキャリアに関して検討が行われているが、ほとんどベタ画像に近い20%以上の画像面積をもつ画像を複写しつづける能力やエッジ効果の軽減、一枚の複写物中での画像濃度の一様性を保持しうる能力を有するキャリアに特に関心がもたれている。
【0006】
そこで、特開平2−281280号(特許第2854317号)では、微粉の存在量および粗粉の存在量をコントロールした粒度分布の狭いキャリア(磁性粒子)を提案しているが、現像特性に影響が大きいその形状および流動性については何ら言及していない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述のごとき問題点を解決し、鮮明かつ階調性の優れた画像を得るのに有用な二成分系現像剤を提供するものである。本発明の他の目的は、現像器内での搬送性の良好な二成分系現像剤を提供するものである。本発明のさらに他の目的は、アナログ画像形成装置、デジタル画像信号による画像形成装置のいずれにおいても、解像度、階調性、細線再現性に優れたトナー画像を形成し得る二成分系現像剤を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、二成分系現像剤を用いたときの画像濃度、ハイライト再現性、細線再現性について鋭意検討した結果、特定の粒度分布を有し、かつ流動性の高いキャリアを使用したときに、高画像濃度、ハイライト再現、細線再現等に優れた高画質化が達成できること、及び、前記流動性の向上のためには、樹脂被覆キャリアの被覆樹脂に高流動性付与剤(カーボンブラック)を含有させておくのが望ましいことを見出した。本発明はこれに基づいてなされたものである。
【0009】
従って、本発明によれば、少なくとも着色剤含有樹脂粒子及び外添剤を有するトナーと、キャリアとを含有する二成分系現像剤であって、(a)該キャリアの重量平均粒径が35〜55μmであり、22μmより小さい粒径のキャリア粒子が0〜15%、88μmより大きい粒径のキャリア粒子が0〜5%の粒径分布を持ち、(b)該キャリアはシリコーン樹脂を主成分とする被覆層形成液を芯材に塗布し加熱し得られたキャリアであり、(c)該キャリアの被覆層にはカーボンブラックとしてファーネスブラックが6〜12%含有され、かつ、(d)該芯材の流動度をt1(秒/50g)、該キャリアの流動度をt2(秒/50g)としたとき、−1.1≦t 1 −t 2 ≦3.3である、ことを特徴とする二成分系現像剤が提供される。
【0010】
第二に、キャリアの形状がワーデルの実用球形度Ψw0.6以上であることを特徴とする上記第一に記載の二成分系現像剤が提供される。
【0011】
第三に、キャリアの1000エルステッドの印加磁場に対する飽和磁化が40〜120emu/gであることを特徴とする上記第一又は第二に記載の二成分系現像剤が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明の二成分系現像剤におけるキャリアは重量平均粒径が35〜55μmであり、22μmより小さい粒径のキャリア粒子が0〜15%、好ましくは0〜10%、より好ましくは0〜6%であり、また88μmより大きい粒径のキャリア粒子が0〜5%、好ましくは0〜3%である。この粒度分布のコントロールは、例えば小さいキャリア粒子は気流分級により、大きいキャリア粒子はメッシュによって行なうことができる。
【0013】
キャリアの重量平均粒径が35μm未満では、キャリアが潜像担持体上に付着され易くなり、潜像担持体やクリーニングブレードや帯電ローラを傷つけ易くなる。一方、キャリアの重量平均粒径が55μmより大きいと、特に小粒径トナーとの組合せにおいては、キャリアのトナー保持能力(トナーを保持できるキャリアの表面積)が低下し、ベタ画像の濃度ムラ、トナー飛散、地肌汚れ等が発生し易くなる。
【0014】
微粉(粒径が22μmより小さいキャリア粒子)の存在量が上記値を超えると、潜像担持体へのキャリア付着が発生しやすく、またトナーとの円滑な帯電を妨げられる。一方、粗粉(粒径が88μm以上の大きいキャリア粒子)の存在量が上記値を超えると、現像ローラ上の磁気ブラシが粗くなりやすく、鮮明な画像が得られにくい。
【0015】
ところで、キャリアを小粒径化した場合に生じる弊害として現像剤としての流動性が低下し、現像器中の現像剤が循環しにくくなることがあげられる。この対策として現像器中の撹拌強度を高めるなどの装置条件の変更があげられるが、現像剤および現像器の耐久寿命を短かくするなどの問題を生じるため、好ましいものではない。
【0016】
そこで、本発明においては現像剤としてあるレベルの流動性を確保する事が重要であるとし、現像剤の流動性確保の手段として、流動性の高いキャリアの被覆樹脂を選択すること、更に高流動性の被覆樹脂の効果を最大限活かす為にキャリアの芯材、及びそのキャリアの表面性および球形度等を調整することに配慮がなされている。
【0017】
本発明のキャリアは樹脂被覆キャリアであって、被覆樹脂の主成分がシリコーン樹脂であり、その被覆層にカーボンブラックを4〜20%、好ましくは6〜12%含有している。
シリコーン樹脂は低表面エネルギー材料であり、元来、高流動性を有するキャリアの材料として使用されている。しかし、上述したように近年のキャリアの小粒径化にともない、単にシリコーン樹脂を芯材にコートしただけのキャリアでは、流動性が低いことが分かっている。ところが、シリコーン樹脂を主成分としたキャリア被覆層にカーボンブラックを4〜20%、好ましくは6〜12%の範囲で含有させると飛躍的に流動性が向上するようになる。これはおそらくキャリア表面層に一部カーボンブラックが露出し、それが滑剤的な働きをし流動性を向上させたものと考えられる。この流動性の良さが本発明の二成分系現像剤およびそれを用いる画像形成装置とマッチする。
【0018】
ここでのカーボンブラックの含有量はキャリア被覆層を形成する被覆樹脂の固形分全量に対する数値である。カーボンブラックの含有量が4%未満であると、キャリア最表面に露出するカーボンブラック量が乏しく、本発明のキャリアに必要な流動性が得られにくい。一方、カーボンブラックの含有量が20%を超えると、キャリア付着が多発するようになる。ここで言うキャリア付着とは、現像バイアスによって電荷注入されたキャリアが感光体上の画像部位に現像される現象であり、キャリア最表層にカーボンブラックが多量に存在すると、それに対して電荷注入が生じ易い。その結果、黒べた画像を形成した際に、その画像中にキャリアが存在することにより生じる白抜け現象が生じるようになる。
【0019】
本発明では、上記樹脂被覆キャリアが高流動性であることを規定する為、以下のような数値上の規定を設定している。キャリアの流動度t2(秒/50g)、キャリア芯材の流動度t1(秒/50g)としたときに、
−1.1≦t 1 −t 2 ≦3.3
という関係をもつことである。本発明では、上記式を満たすときに、カーボンブラックを含有することによって得られた高流動性キャリアとみなすことができる。ここでの流動度t1、t2はJIS Z2504の方法によって計測することができる。
【0020】
また、キャリアの流動性をさらに向上させるには、キャリアの形状を制御すること、すなわちキャリアの球形度を上げる手段をとることが効果的である。
【0021】
本発明においては、キャリアの形状を以下のように規定する。すなわち、本発明でいうワーデルの実用球形度Ψwは、式Ψw=(粒子の投影面積に等しい円の直径)/(粒子の投影像に外接する最小円の直径)で求められる値である。
本発明のキャリアはΨwが0.6以上であることが好ましく、より好ましくはΨwが0.75以上であり、理想的にはΨw=1.0である。
この範囲を超えて球形から外れた異形化キャリアにおいては、前述の様に現像剤の流動性および撹拌効率に問題を生じることがある。
【0022】
一般に、キャリアを小粒径にするに従って球形度を上げる事は困難になるが、球形度の度合いを前述の様に調節する為には、製造条件の調整、例えばスプレードライ法を用いる場合には、スラリーの粘度の調節、温度、添加物の利用も可能であるが特に限定されず、他の方法においても芯材の焼成温度の調整などによって行う事が可能である。
【0023】
また芯材はその焼結温度により芯材の表面性が異なってくる。そしてその表面性が荒れることにより、流動性が悪くなることがあり、本発明のキャリアには好ましくない。芯材の表面性および球形度 等を適正化することにより、芯材の流動性を損なわない(或いはキャリアの流動度が上回り)、本発明の高流動性のキャリアが得られる。
【0024】
本発明において望ましいキャリアの流動度t2は20〜40(秒/50g)である。40秒より大きい場合、流動性が悪く、補給されたトナーに帯電付与を円滑に行うことができず、画像劣化を生じさせることがある。また20秒より小さい場合、現像剤の摩擦抵抗を利用した現像剤の搬送が良好に行なわれず、現像剤の搬送性に問題が生じることがある。芯材の流動度t1はt1≧t2−10で関係づけられる。
【0025】
ところで、キャリアはその磁気特性で現像スリーブに内蔵されたマグネットローラーによってスリーブ表面に担持され、現像剤として攪拌・循環され、現像剤の現像特性及びトナーの搬送性に大きく影響を及ぼすものである。
本発明ではキャリアの飽和磁化(1000エルステッドの印加磁場に対して)が40〜120emu/g、好ましくは70〜120emu/gのとき、複写画像の均一性や階調再現性にすぐれ好適である。
【0026】
飽和磁化が120emu/g(1000エルステッドの印加磁場に対して)を超えると、現像時感光体上の静電潜像に対向した現像スリーブ上のキャリアとトナーにより構成される磁気ブラシが固く締った状態となり、階調性や中間調の再現が悪くなる。また、40emu/g(1000エルステッドの印加磁場に対して)未満であると、現像剤を現像スリーブ上に良好に保持することが困難になり、キャリア付着やトナー飛散が悪化するという問題点が発生しやすくなる。
【0027】
本発明ではキャリアの飽和磁化(1000エルステッドの印加磁場に対して)が70〜120emu/gのとき、複写画像の均一性や階調再現性にすぐれていることに加え、比較的磁化が高いことからトナーに対して摩擦帯電量の付与効果が高く、地肌汚れの改善効果が極めて高くなる。
【0028】
本発明でキャリアの被覆樹脂として用いられるシリコーン樹脂は、従来より知られているいずれのシリコーン樹脂であってもよく、例えば市販品として入手できる信越シリコーン社製のKR261、KR271、KR272、KR275、KR280、KR282、KR285、KR251、KR155、KR220、KR201、KR204、KR205、KR206、SA-4、ES1001、ES1001N、ES1002T、KR3093や、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSR2100、SR2101、SR2107、SR2110、SR2108、SR2109、SR2115、SR2400、SR2410、SR2411、SH805、SH806A、SH840等が用いられる。より好ましくは流動性の高いジメチルシリコーン樹脂である。
【0029】
本発明でキャリアの被覆樹脂層に加えられるカーボンブラックとしては、導電性カーボン等公知のものが使用でき、例えばファーネスブラック(市販品としては、キャボット社製Black Peari 2000、Carbolacl:ライオンアクゾ社製ケッチニングブラックEC、ケッチェングブラックEC-DJ 500、ケッチェンブラックEC-DJ 600等がある)、アセチレンブラック(市販品としては電気化学工業社製デンカブラック粒状、デンカブラック粉状;ポストマン社製Anacarbon等がある)等が挙げられる。
【0030】
本発明に使用されるキャリアの芯材の材質としては、例えば表面酸化または未酸化の鉄、磁性体分散樹脂粒子、フェライト粒子、マグネタイト粒子等が使用できる。これらの芯材の製造方法としては、特別な制約はない。又このような芯材は、磁性材料のみから構成されていてもよく、また磁性材料と非磁性材料との結合体から構成されていてもよく、更には二種以上の磁性粒子の混合物であっても良い。
【0031】
この芯材の表面を上記被覆樹脂で被覆する方法としては、該樹脂およびカーボンブラックを溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて芯材表面に塗布し、上記樹脂、カーボンブラックを磁性粒子等からなる芯材に付着せしめる方法が好ましいが特に限定されない。
【0032】
上記被覆樹脂の処理量は被覆材の成膜性や耐久性から一般にキャリア総量の1〜3%が望ましい。より好ましくは1.5〜2.5%である。1%未満であると、キャリア芯材の表面をほぼ一様に樹脂被覆できないため、現像領域でキャリア付着や絶縁破壊による白抜け等が発生する。一方、3%を超えても成膜性が向上するわけでもなく、かえって現像剤の流動性を低下させることとなる。
【0033】
また、近年、トナーの小粒径化傾向に伴い、トナーの重量あたりの表面積が増大し、摺擦による過剰帯電を生じやすくなる。これに対して帯電を制御し、流動性を付与できる酸化チタン微粒子を表面層に含有するのが望ましい。本発明に好適な酸化チタンのトナーへの含有量は0.1〜2%、好ましくは0.2〜1.5%、より好ましくは0.3〜1%である。また、この酸化チタンの粒径は5〜50nm、好ましくは10〜30nmである。
【0034】
本発明に係るトナーは着色剤及び結着樹脂を主成分としてなるが、トナーの荷電特性を安定化するために荷電制御剤を配合しても良い。その際トナーの色調に影響を与えない無色又は淡色の荷電制御剤が好ましいが、各トナーの色特性をそこなわない限り、制限はうけない。その際の負荷電制御剤としては例えばアルキル置換サリチル酸の金属錯塩(例えばジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯塩又は亜鉛錯塩又は鉄錯塩)の如き有機金属錯塩が挙げられる。負荷電制御剤をトナーに配合する場合には結着樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜2重量部添加するのが良い。
【0035】
本発明のトナーに使用される着色剤としては、公知の染顔料、例えばフタロシアニンブルー、メチレンブルー、ビクトリアブルー、メチルバイオレット、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、インダスレンブルー、ピーコックブルー、ローダミン6Gレーキ、ジメチルキナクリドン、ウォッチングレッド、ローズベンガル、ローダミンB、アリザリンレーキ、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、ハンザイエロー、ナフトールイエロー、モリブデンオレンジ、キノリンイエロー、タートラジン、カーボンブラック等広く使用することができる。その含有量としては、OHPフィルムの透過性に対し敏感に反映するよう結着樹脂100重量部に対して12重量部以下であり、好ましくは0.5〜9重量部である。
【0036】
本発明のトナー用結着樹脂としては、この分野で用いられているもののすべてが使用でき、特に好ましい樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル系樹脂があげられる。
【0037】
本発明のトナーには必要に応じてトナーの特性を損ねない範囲で添加剤を混合しても良いが、そのような添加剤としては、例えばテフロン、ステアリン酸亜鉛、ポリフッ化ビニリデンの如き滑剤、あるいは定着助剤(例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンなど)、有機樹脂粒子等がある。
【0038】
本発明に使用されるトナーが磁性トナーである場合、磁性粒子としては公知のものが使用でき、トナー全体の5〜35%であることが好ましい。5%未満であると、磁性トナーとして機能せず、地肌汚れが改善できない。一方、35%を超えると、トナーとして適した現像能力を失ってしまう。
【0039】
本発明に係るトナーとキャリアとの混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2〜30%、好ましくは3〜9%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2%未満では画像濃度が低く実用不可となり、30%を超えると磁性トナーであっても地肌汚れや現像機内での飛散を増加せしめ、現像剤の耐用寿命を短める。
【0040】
本発明のトナーの製造にあたっては、構成材料を混合した後、熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等の熱混練機によって構成材料を良く混練した後、機械的な粉砕、分級によって得る方法、或は結着樹脂溶液中に着色剤等の材料を分散した後、噴霧乾燥することにより得る方法、又は、結着樹脂を構成すべき単量体に所定材料を混合した後、この乳化懸濁液を重合させることにより得られるトナー、分散重合法により得られるトナー等の重合トナー製造法等それぞれの方法が応用できる。
【0041】
続いて、本発明の二成分系現像剤に係る特性値の測定法について述べる。
(1)キャリアの磁気特性:測定装置は、BHU−60型磁化測定装置(理研測定社製)を用いる。具体的に述べると、測定試料は約1.0g秤量し、内径7mmφ、高さ10mmのセルにつめ、前記の測定装置にセットする。測定は印加磁場を徐々に加え最大3,000エルステッドまで変化させる。次いで印加磁場を減少せしめ、最終的に記録紙上に試料のヒステリシスカーブを得る。これより、飽和磁化を求める。
(2)キャリアの粒度分布の測定:測定装置は、マイクロトラック粒度分析計(日機装社製)のSRAタイプを使用し、0.7〜125μmのレンジ設定で行った。
(3)トナー粒度測定:粒度分布については、種々の方法によって測定できるが、本発明においてはコールターカウンターを用いて行う。
(4)芯材、キャリアの流動度測定方法:試料(芯材、キャリア)温度23℃±3℃、湿度60%±5%の環境に24時間放置後、測定を行う。測定方法はJIS−Z 2504に基づく。
【0042】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明する。ここでの部は重量部を意味する。
【0043】
(芯材A)
滑らかな表面性を持つCu−Zn−Fe系フェライト粒子(パウダーテック社製F−300)
(芯材B)
平均細孔径が約35000オングストロームであるCu−Zn−Fe系フェライト粒子
(芯材C)
滑らかな表面性を持つマグネタイト粒子(同和鉄粉工業社製SM−350)
(芯材D)
図1の表面性を持つマグネタイト粒子(表面性が著しく荒れており流動度が低下している)
(芯材E)
同和鉄粉工業社製球状鉄粉
(芯材F)
同和鉄粉工業社製板状鉄粉
(芯材G〜I)
各種粒度分布を持ったCu−Znフェライト粒子
【0044】
(1)キャリアの作成(実施例1〜3、比較例1〜6用のもの)
流動床内に回転式底板ディスクと攪拌羽根を設けた、旋回流を形成させながらコートを行うコーティング装置を使用して、当該コート液を上述の芯材上に塗布した。得られたキャリアを電気炉で温度250℃で1時間加熱し、キャリア粒子を得た。
【0045】
(2)キャリアの作成(比較例7用のもの)
流動床内に回転式底板ディスクと攪拌羽根を設けた、旋回流を形成させながらコートを行うコーティング装置を使用して、当該コート液を上述の芯材上に塗布した。得られたキャリアを電気炉で温度250℃で1時間加熱し、キャリア粒子を得た。
【0046】
(3)キャリアの作成(比較例8用のもの)
流動床内に回転式底板ディスクと攪拌羽根を設けた、旋回流を形成させながらコートを行うコーティング装置を使用して、当該コート液を上述の芯材上に塗布した。得られたキャリアを電気炉で温度250℃で1時間加熱し、キャリア粒子を得た。
【0047】
実施例1〜3および比較例1〜8
ポリエステル樹脂 80部
スチレンメチルアクリレート 20部
カーボンブラック(個数平均粒径0.05μm) 5部
低分子量ポリプロピレン 5部
含金属アゾ化合物 1部
からなる混合物をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行い、2軸式押出し機で溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。さらに得られた微粉砕物を多分割分級装置で分級して、本発明の粒度分布となるように2〜8μmを選択し、着色剤含有樹脂粒子を得た。
この粒子に、外添剤としてR976(アエロジル社製シリカ微粒子)0.5部とT805(アエロジル社製、酸化チタン微粒子)0.5部をヘンシェルミキサーで混合し、ブラックトナーとした。このブラックトナーは
重量平均粒径が 5.85μm
4μm以下が 17.8個数%
5.04μm以下が 45.2個数%
8μm以上が 5.4vol%
10.08μm以上が 0.5vol%
であった。
上記ブラックトナー5部に対し、各キャリアを加え、総量100部になるように混合して二成分系現像剤とした。
上記二成分系現像剤を使用して、市販のリコー社製複写機IMAGIO MF−4550改造機を用いて、22℃/60%温湿度環境下で試験した(現像条件
現像バイアス−600v)。その結果を表1及び2に記す。
【0048】
比較例7および8
実施例1において、Black Peari 2000の量を変更したこと以外は実施例1と同様にした。その結果を表2に記す。
【0049】
【表1】
※細線再現性、IDムラ(濃度むら)及び地肌汚れの結果はランク評価である。ランクが高いほど程度が良く、低いほど使用上の問題となる。
【0050】
【表2】
※細線再現性、IDムラ(濃度むら)及び地肌汚れの結果はランク評価である。ランクが高いほど程度が良く、低いほど使用上の問題となる。
【0051】
【発明の効果】
請求項1の発明は、二成分系現像剤の樹脂被覆キャリア粒子の粒径を規定し、その被覆樹脂層に適量のカーボンブラックを含有させておき、さらにキャリア粒子の流動度とその芯材の流動度とに一定の関係をもたせて小粒径化を図ったことにより、トナーの粒径も小さくすることができ、これによって高精細、融質の画像が得られる。
請求項2、3の発明によれば、請求項1の効果がより向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較例4で用いたキャリア芯材(マグネタイト粒子)の表面を電子顕微鏡で観察した図。
Claims (3)
- 少なくとも着色剤含有樹脂粒子及び外添剤を有するトナーと、キャリアとを含有する二成分系現像剤であって、(a)該キャリアの重量平均粒径が35〜55μmであり、22μmより小さい粒径のキャリア粒子が0〜15%、88μmより大きい粒径のキャリア粒子が0〜5%の粒径分布を持ち、(b)該キャリアはシリコーン樹脂を主成分とする被覆層形成液を芯材に塗布し加熱し得られたキャリアであり、(c)該キャリアの被覆層にはカーボンブラックとしてファーネスブラックが6〜12%含有され、かつ、(d)該芯材の流動度をt1(秒/50g)、該キャリアの流動度をt2(秒/50g)としたとき、−1.1≦t 1 −t 2 ≦3.3である、ことを特徴とする二成分系現像剤。
- キャリアの形状がワーデルの実用球形度Ψw0.6以上であることを特徴とする請求項1記載の二成分系現像剤。
- キャリアの1000エルステッドの印加磁場に対する飽和磁化が40〜120emu/gであることを特徴とする請求項1又は2記載の二成分系現像剤。
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