JP6292161B2 - 制動力制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、制動力制御装置に関する。
従来、フィルタを用いたブレーキ制御がある。このようなブレーキ制御として、特許文献1には、運転者が操作するブレーキ操作量を検出信号として出力するブレーキ操作量検出手段と、検出信号の大きさに応じて車両の制動力を発生する制動力発生手段とを有する車両用ブレーキ装置であって、検出信号を第1のカットオフ周波数を有する第1ローパスフィルタと、検出信号を第1のカットオフ周波数より低い第2のカットオフ周波数を有する第2ローパスフィルタと、第1ローパスフィルタの出力信号と第2ローパスフィルタの出力信号とのいずれか大きい方を選択して制動力目標値を生成する制動力目標値設定手段とを有し、制動力発生手段が、制動力目標値に応じて制動力を発生する車両用ブレーキ装置の技術が開示されている。
特開2012−126352号公報
ブレーキフィーリングを向上させることについて、なお改良の余地がある。例えば、制動開始時に運転者がブレーキの効き始めを感知するタイミングが、実際にブレーキが効き始めたタイミングに対して遅れると、ブレーキフィーリングの低下につながる。制動開始時にブレーキが効き始めたことを運転者が速やかに感知できるようにすれば、ブレーキフィーリングを向上させることができる。
本発明の目的は、ブレーキフィーリングを向上させることができる制動力制御装置を提供することである。
本発明の制動力制御装置は、車両の車輪に発生させる制動力を制御するアクチュエータと、前記アクチュエータに対して制動力の指令値を出力する制御部と、を備え、前記制御部は、制動操作量に基づく要求制動力に対してフィルタ処理を施して前記指令値を生成し、かつ前記要求制動力の変化に応じて前記フィルタ処理の減衰比を変更することを特徴とする。
上記制動力制御装置は、フィルタ処理の減衰比を変更して要求制動力の位相に対する指令値の位相を変化させることで、運転者がブレーキの効き始めを感知するタイミングを調節することなどによりブレーキフィーリングを向上させることができるという効果を奏する。
上記制動力制御装置において、前記フィルタ処理の周波数ゲイン特性においてゲインの大きさがピークとなる周波数は、前記車両のピッチ運動の固有周波数または前記車両のピッチ運動の固有周波数の近傍の周波数であることが好ましい。
上記制動力制御装置は、フィルタ処理の周波数ゲイン特性においてピッチ運動の固有周波数または固有周波数の近傍の周波数においてゲインがピークとなることで、ピッチ運動を適切に制御することができるという効果を奏する。
上記制動力制御装置において、前記フィルタ処理における周波数に対する位相特性は、前記車両のピッチ運動の固有周波数よりも低い周波数に極値を有することが好ましい。
上記制動力制御装置は、フィルタ処理における周波数に対する位相特性が車両のピッチ運動の固有周波数よりも低い周波数に極値を有することで、指令値の位相を要求制動力の位相に対して変化させることができるという効果を奏する。
上記制動力制御装置において、前記制御部は、前記要求制動力の大きさが増加している場合、前記フィルタ処理の減衰比を前記車両のピッチ運動の減衰比よりも小さくすることが好ましい。
上記制動力制御装置は、要求制動力の大きさが増加している場合にフィルタ処理の減衰比を車両のピッチ運動の減衰比よりも小さくすることで指令値の位相を要求制動力の位相よりも進める。これにより、ブレーキが効き始めたことを運転者が速やかに感知できることなどにより、ブレーキフィーリングを向上させるという効果を奏する。
上記制動力制御装置において、前記制御部は、前記要求制動力の大きさが減少している場合、前記フィルタ処理の減衰比を前記車両のピッチ運動の減衰比よりも大きくすることが好ましい。
上記制動力制御装置は、要求制動力の大きさが減少している場合、フィルタ処理の減衰比を車両のピッチ運動の減衰比よりも大きくすることで指令値の位相を要求制動力の位相よりも遅らせる。これにより、運転者の頭部に発生する加速度が車両加速度に対してオーバーシュートしてしまうことを抑制し、ブレーキフィーリングを向上させるという効果を奏する。
本発明の制動力制御装置は、車両の車輪に発生させる制動力を制御するアクチュエータと、前記アクチュエータに対して制動力の指令値を出力する制御部と、を備え、前記制御部は、制動操作量に基づく要求制動力に対してフィルタ処理を施して前記指令値を生成し、前記制御部は、前記要求制動力の大きさが増加していく場合、前記指令値の位相を前記要求制動力の位相よりも進め、かつ前記要求制動力の大きさの増加に従って前記指令値と前記要求制動力の位相差を増加させ、前記制御部は、前記要求制動力の大きさが減少していく場合、前記指令値の位相を前記要求制動力の位相よりも遅らせ、かつ前記要求制動力の大きさの減少に従って前記指令値と前記要求制動力の位相差を増加させることを特徴とする。
上記制動力制御装置は、要求制動力が増加していく場合に指令値の位相を要求制動力の位相よりも進め、かつ位相差を増加させていく。よって、ブレーキが効き始めたことを運転者が速やかに感知できることなどにより、ブレーキフィーリングを向上させるという効果を奏する。また、要求制動力が減少していく場合に指令値の位相を要求制動力の位相よりも遅らせ、かつ位相差を増加させていく。よって、運転者の頭部に発生する加速度が車両加速度に対してオーバーシュートしてしまうことを抑制し、ブレーキフィーリングを向上させるという効果を奏する。
本発明に係る制動力制御装置は、車両の車輪に発生させる制動力を制御するアクチュエータと、アクチュエータに対して制動力の指令値を出力する制御部と、を備え、制御部は、制動操作量に基づく要求制動力に対してフィルタ処理を施して指令値を生成し、かつ要求制動力の変化に応じてフィルタ処理の減衰比を変更する。本発明に係る制動力制御装置によれば、フィルタ処理の減衰比を変更して要求制動力の位相に対する指令値の位相を変化させることで、運転者がブレーキの効き始めを感知するタイミングを調節することなどによりブレーキフィーリングを向上させることができるという効果を奏する。
図1は、実施形態に係る車両の概略構成を示す図である。 図2は、実施形態に係るECUのブロック図である。 図3は、制動時の車両加速度および頭部加速度を示す図である。 図4は、制動開始時の車両加速度および頭部加速度を示す図である。 図5は、制動終了時の車両加速度および頭部加速度を示す図である。 図6は、実施形態の車両モデルを示す図である。 図7は、要求制動力の大きさが増加する場合の目標頭部加速度の説明図である。 図8は、要求制動力の大きさが増加する場合の目標ピッチ角の説明図である。 図9は、要求制動力の大きさが増加する場合の要求制動力およびフィルタ後要求制動力を示す図である。 図10は、要求制動力の大きさが増加する場合の制動力の微分値を示す図である。 図11は、1次進みフィルタとの比較図である。 図12は、要求制動力の大きさが減少する場合の目標頭部加速度の説明図である。 図13は、要求制動力の大きさが減少する場合の目標ピッチ角の説明図である。 図14は、要求制動力の大きさが減少する場合の要求制動力およびフィルタ後要求制動力を示す図である。 図15は、要求制動力の大きさが減少する場合の制動力の微分値を示す図である。 図16は、1次遅れフィルタとの比較図である。 図17は、実施形態の応答補償フィルタのボード線図である。 図18は、1自由度のばね上ピッチモデルの説明図である。 図19は、実施形態の伝達関数を示す図である。 図20は、運転者の制動操作量に基づく要求制動力の推移を示す図である。 図21は、実施例の要求制動力およびフィルタ後要求制動力の拡大図である。 図22は、実施例の要求制動力の微分値を示す図である。 図23は、進みフィルタの特性変化を説明する図である。 図24は、遅れフィルタの特性変化を説明する図である。 図25は、実施形態の第1変形例に係る伝達関数を示す図である。 図26は、モデルの固有周波数が高周波数側にずれた場合のフィルタ後要求制動力を示す図である。 図27は、モデルの固有周波数が低周波数側にずれた場合のフィルタ後要求制動力を示す図である。 図28は、図27の拡大図である。 図29は、実施形態の第2変形例に係るばね上モデルを示す図である。 図30は、実施形態の第2変形例に係る車両の伝達関数のブロック図である。 図31は、実施形態の第2変形例に係る応答補償フィルタのボード線図である。 図32は、実施形態の第2変形例の応答補償フィルタによるフィルタ後要求制動力を示す図である。 図33は、実施形態の第2変形例に係るピッチ角の推移を示す図である。
以下に、本発明の実施形態に係る制動力制御装置につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
図1から図24を参照して、実施形態について説明する。本実施形態は、制動力制御装置に関する。図1は、本発明の実施形態に係る車両の概略構成を示す図である。
本実施形態の制動力制御装置1は、車両2に搭載されており、車両2の車輪3に生じる制動力を制御する。車両2は、左前輪3FL、右前輪3FR、左後輪3RL、および右後輪3RRを有する。本明細書において、各車輪3FL,3FR,3RL,3RRを区別しない場合には、単に車輪3と称する。
車両2は、制動力制御装置1に加えて、車輪3、および動力源5を有する。本実施形態の制動力制御装置1は、ECU8、マスタシリンダ圧センサ13、および制動装置7のアクチュエータ10を含む。本実施形態の制動力制御装置1は、制動時の車両2の過渡的な姿勢を制動装置7によってフィードフォワード(FF)制御することでブレーキフィーリングを向上させる。ECU8は、図2に示すように、応答補償フィルタF1を有する。応答補償フィルタF1は、車両2の運動特性を表すモデルに基づいて設計された2次/2次フィルタである。応答補償フィルタF1は、車両2のピッチ運動の減衰比ζを目標減衰比ζ*とするように、要求制動力に対してフィルタ処理を施して制動装置7のアクチュエータ10に出力する。また、ECU8は、ドライバのブレーキ操作に応じて応答補償フィルタF1の過渡特性調整パラメータである目標減衰比ζ*を変更する。これにより、本実施形態の制動力制御装置1は、制動時の車両2の姿勢を適切にコントロールしてブレーキフィーリングを向上させることができる。
図1に戻り、車両2は、動力源5から車輪3に伝達されるトルクによって駆動力を発生させる。動力源5は、典型的には内燃機関やモータジェネレータであり、これらを単独で備えていても両者を備えていてもよい。また、車両2は、運転者によるブレーキペダル6に対する操作に応じて制動装置7が車輪3の回転を制動することで制動力を発生させる。
制動装置7は、ブレーキペダル6、ブースタ16、マスタシリンダ9、アクチュエータ10、およびホイールシリンダ11を含む。ブースタ16は、ブレーキペダル6に対して入力される操作力を増幅してマスタシリンダ9に伝達する。マスタシリンダ9は、ブースタ16から入力される力に応じた油圧を発生させる。マスタシリンダ9は、アクチュエータ10を介して各車輪3のホイールシリンダ11に接続されている。アクチュエータ10は、各車輪3のホイールシリンダ11に供給する油圧を制御する油圧制御部であり、供給油圧を調節することで車輪3に発生させる制動力を制御する。アクチュエータ10は、マスタシリンダ9から送られる油圧(以下、「マスタシリンダ圧」と称する。)を調圧してホイールシリンダ11に供給する調圧機能を有する。また、アクチュエータ10は、油圧ポンプを有しており、マスタシリンダ圧よりも高い油圧をホイールシリンダ11に対して供給する機能を有する。
ホイールシリンダ11は、アクチュエータ10によって供給される油圧(以下、「ホイールシリンダ圧」と称する。)に応じた摩擦制動力によって車輪3の回転を制動する。アクチュエータ10は、各車輪3FL,3FR,3RL,3RRのホイールシリンダ11に供給する油圧を個別に制御することができる。
マスタシリンダ圧センサ13は、マスタシリンダ9の油圧を検出する。車輪速度センサ14は、各車輪3FL,3FR,3RL,3RRにそれぞれ配置されている。車輪速度センサ14は、車輪3の回転速度を検出する。マスタシリンダ圧センサ13および車輪速度センサ14の検出結果を示す信号は、ECU8に送られる。
ECU8は、アクチュエータ10に対して制動力の指令値を出力する制御部としての機能を有し、典型的には電子制御回路や電子制御ユニットである。本実施形態のECU8は、車両2の各部を制御する機能を有している。ECU8は、運転者によるアクセル操作に応じて動力源5によって発生させるトルクを制御する。また、ECU8は、運転者によるブレーキ操作に応じてアクチュエータ10に対して制御指令を送る。ECU8は、マスタシリンダ圧センサ13から取得したマスタシリンダ圧に基づいて要求制動力を算出する。要求制動力は、例えば、アクチュエータ10がマスタシリンダ圧を調圧することなくそのままホイールシリンダ11に供給したときに車両2に発生する制動力である。言い換えると、要求制動力は、運転者による制動操作の操作力(制動操作量)に応じた要求制動力である。
図2に示すように、本実施形態のECU8は、応答補償フィルタF1および踏み戻し判定器81を有する。ECU8は、要求制動力にフィルタ処理を施してアクチュエータ10に対して出力する。このフィルタ処理後の要求制動力を「フィルタ後要求制動力」と称する。アクチュエータ10は、フィルタ後要求制動力を発生させるように、各車輪3のホイールシリンダ11に供給する油圧を制御する。本実施形態のECU8によるフィルタ処理に係るフィルタは、減衰比ζおよび目標減衰比ζ*を含む2次/2次フィルタである。目標減衰比ζ*を含むフィルタは、要求制動力の位相に対してフィルタ後要求制動力の位相を進め、あるいは遅らせる。本願の発明者は、以下に説明するように、要求制動力の位相に対してフィルタ後要求制動力の位相を適宜進め、あるいは遅らせることによりブレーキフィーリングを向上させ得ることを見いだした。
ブレーキフィーリングに係る実験では、制動時にアクティブサスペンションによって車両2のピッチ運動の位相を様々に変化させた。制動時にマスタシリンダ圧をそのままホイールシリンダ11に供給した場合の車両2のピッチ運動を「制御なしのピッチ運動」と称する。制御なしのピッチ運動の位相に対して、アクティブサスペンションによってピッチ運動の位相を進み側、および遅れ側に変化させ、ブレーキフィーリングの変化を評価した。その実験の結果、制動を開始するときには、制御なしのピッチ運動の位相に対してピッチ運動の位相を進めた場合にブレーキフィーリングが向上するという評価が得られた。また、制動が終了するときには、制御なしのピッチ運動の位相に対してピッチ運動の位相を遅らせた場合にブレーキフィーリングが向上するという評価が得られた。これは、以下のような理由によると考えられる。
運転者は、制動時のゼロG付近の加速度を運転者の頭部に発生する加速度によって感知していると考えられる。以下の説明では、運転者の頭部に発生する加速度を「頭部加速度」と称する。図3には、制動時の車両加速度および頭部加速度が示されている。定常走行から時刻t1に制動が開始され、時刻t2に制動が終了する。図4には、図3の制動開始時である領域C1の拡大図が示されている。制動開始時には、図4に示すように、車両加速度の低下に対して頭部加速度の低下が遅れる。言い換えると、車両加速度の位相に対して頭部加速度の位相が遅れる。このため、運転者が制動力の立ち上がりを感知するタイミングが実際の制動力の立ち上がりのタイミングよりも遅れ、ブレーキの効き始めを把握しにくいと考えられる。また、実際に車両2に発生している加速度(制動力)の大きさよりも、頭部加速度の大きさが小さい。このため、車両加速度が低下していく過渡状態において、運転者が感じる減速度が実際の減速度に対して低減速側の値となる。この乖離により、運転者は、ブレーキペダル6に対するペダル踏力と実際に発生する制動力との対応関係を正確に把握しにくくなる。
これに対して、本実施形態の制動力制御装置1は、要求制動力の大きさが増加していく際にフィルタ処理によってフィルタ後要求制動力の位相を要求制動力の位相に対して進める。このフィルタ処理により、ブレーキの効き始めを把握しやすくなることや、ペダル踏力と発生する車両減速度との対応関係を正確に把握しやすくなることでブレーキフィーリングが向上する。
図5には、図3の制動終了時である領域C2の拡大図が示されている。図5に示すように、制動終了時には車両加速度の増加に対して頭部加速度の増加が遅れる。時刻t2に車両加速度が0となった後も頭部加速度は増加し続け、車両加速度をオーバーシュートしてしまう。このオーバーシュートが運転者に違和感や不快感を与え、ブレーキフィーリングの低下を招くと考えられる。
これに対して、本実施形態の制動力制御装置1は、要求制動力の大きさが減少していく際に、フィルタ処理によってフィルタ後要求制動力の位相を要求制動力の位相に対して遅らせる。このフィルタ処理により、頭部加速度が車両加速度をオーバーシュートすることが抑制され、ブレーキフィーリングが向上する。
制動力制御装置1のフィルタ設計について説明する。図6は、本実施形態の車両モデルを示す図である。車両モデルは、応答補償フィルタF1、車両ピッチモデルM1、および頭部加速度モデルM2を含む。応答補償フィルタF1は、入力される要求制動力にフィルタ処理を施してフィルタ後要求制動力を出力する。フィルタ後要求制動力は、制動力の指令値としてアクチュエータ10に出力される。車両ピッチモデルM1は、車両2に発生する制動力と車両2のピッチ運動(ピッチ角、ピッチ角速度等)との対応関係を示す数式モデルである。車両ピッチモデルM1にフィルタ後要求制動力を入力することで、フィルタ処理がなされた場合のピッチ運動をシミュレートすることができる。頭部加速度モデルM2は、車両2のピッチ運動と頭部加速度との対応関係を示す数式モデルである。
(進みフィルタ)
アクティブサスペンションを備えた車両を用いた官能試験の結果、車両2の制動時における目標頭部加速度が定められた。目標頭部加速度は、良好なブレーキフィーリングを実現できる頭部加速度である。図7は、要求制動力の大きさが増加する場合の目標頭部加速度の説明図、図8は、要求制動力の大きさが増加する場合の目標ピッチ角の説明図である。図7には、車両加速度、フィルタなしの頭部加速度、およびフィルタありの頭部加速度が示されている。フィルタなしの頭部加速度は、マスタシリンダ圧を調圧することなくホイールシリンダ11に供給した場合の頭部加速度である。フィルタありの頭部加速度は、官能試験の結果、良好なブレーキフィーリングが得られた際の頭部加速度の推移であり、本実施形態の目標頭部加速度である。
図7に示すように、制動開始時刻t11の直後(領域C3)には、フィルタありの頭部加速度はフィルタなしの頭部加速度と同様の値で推移する。その後、領域C4に示すように、フィルタありの頭部加速度はフィルタなしの頭部加速度に対して進み側に乖離していく。フィルタありの頭部加速度とフィルタなしの頭部加速度との差分は徐々に拡大していき、フィルタありの頭部加速度と車両加速度との差分が減少していく。時刻t12にフィルタありの頭部加速度が車両加速度と一致し、その後にフィルタありの頭部加速度が車両加速度よりも減速側にオーバーシュートする。また、要求制動力の大きさの増加が終了したあとに、フィルタありの頭部加速度は、フィルタなしの頭部加速度よりも車両加速度に対するオーバーシュート量が大きい。
図8には、フィルタなしの車両ピッチ角およびフィルタ有りの車両ピッチ角が示されている。フィルタなしの車両ピッチ角は、マスタシリンダ圧を調圧することなくホイールシリンダ11に供給した場合の車両2のピッチ角の推移である。フィルタ有りの車両ピッチ角は、目標頭部加速度を発生させるピッチ角の推移である。図8に示すように、フィルタ有りの車両ピッチ角は、フィルタなしの車両ピッチ角に対して位相が進んでいる。時間の進行に伴ってフィルタ有りの車両ピッチ角とフィルタなしの車両ピッチ角との差分が拡大する。つまり、制動開始時刻t11の直後には、フィルタ有りの車両ピッチ角はフィルタなしの車両ピッチ角と同様の値で推移し、その後にフィルタ有りの車両ピッチ角はフィルタなしの車両ピッチ角に対して進み側(大ピッチ角側)に乖離していく。
図9には、制動が開始されて要求制動力の大きさが増加していくときの要求制動力およびフィルタ後要求制動力が示されている。図9において、横軸は時間を示し、縦軸は車両2の前後加速度を示す。要求制動力は、前後方向加速度における負の加速度である。すなわち、要求制動力の増加は、運転者による要求加速度の負方向への増加を意味する。図9の要求制動力の推移は、所謂ランプ関数状の形状をなしている。運転者の操作による要求制動力は、一般的にランプ関数状に変化することが多い。要求制動力は、制動操作が開始される時刻t11から要求制動力の大きさの増加が終了する時刻t14まで線型的に増加する。また、要求制動力は、時刻t14以降は一定値で推移する。フィルタ後要求制動力は、目標頭部加速度および目標ピッチ角を発生させるよう定められた応答補償フィルタF1によって生成された値であり、アクチュエータ10に対する制動力指令値である。フィルタ後要求制動力の大きさは、要求制動力の大きさよりも大きい。すなわち、フィルタ後要求制動力の位相は、要求制動力の位相よりも進んでいる。
図10には、図9の各要求制動力の微分値が示されている。要求制動力の微分値は、運転者が要求する前後方向加速度の微分値である。従って、要求制動力の大きさが増加している場合、要求制動力の微分値は負の値となる。制動開始時刻t11から、要求制動力の大きさの増加が終了する時刻t14までの間、要求制動力の微分値は一定の値である。すなわち、要求制動力の大きさは制動開始時刻t11から時刻t14まで一定の増加率で増加していく。これに対して、フィルタ後要求制動力の微分値は、制動開始時刻t11から徐々に変化していく。具体的には、制動開始時刻t11において、フィルタ後要求制動力の微分値は、要求制動力の微分値と同じ値である。要求制動力の大きさ増加の初期(領域C5)では、フィルタ後要求制動力の微分値の大きさが徐々に増加していく。言い換えると、要求制動力の大きさ増加の初期はフィルタ後要求制動力の傾きが大きくなっていき、フィルタ後要求制動力が要求制動力に対して高制動力側に乖離していく。
制動力増加の中期(図10の領域C6)では、フィルタ後要求制動力の微分値の変化が緩やかとなっていき、時刻t13にフィルタ後要求制動力の微分値が極小値となる。制動力増加の後期(図10の領域C7)では、フィルタ後要求制動力の微分値の大きさが減少していく。このように、要求制動力の大きさが増加していく過渡期において、フィルタ後要求制動力の微分値の推移は高制動力側に凸の曲線を描く。要求制動力の大きさの増加が終了する時刻t14において、フィルタ後要求制動力の微分値の大きさは、要求制動力の微分値の大きさよりも大きい。このように要求制動力の大きさが増加していく際にフィルタ後要求制動力の微分値の大きさが要求制動力の微分値の大きさを上回ることで、要求制動力の大きさの増加に従ってフィルタ後要求制動力と要求制動力との位相差が増加していく。
図9に示すように、時刻t14においてフィルタ後要求制動力の大きさは要求制動力の大きさを上回っており、時刻t14の直後は更に高制動力側にオーバーシュートする。その後にフィルタ後要求制動力は要求制動力の微分値に収束していく。
なお、制動力増加の初期、中期、および後期は、制動力が増加する期間を3分割したものであり、例えば、均等に分割した期間である。図9に例示した要求制動力の推移に対しては制動力増加の初期から中期にかけてフィルタ後要求制動力の傾きが増加したが、要求制動力の変化速度等に応じて、初期から後期にかけてフィルタ後要求制動力の傾きが増加する場合もある。
本実施形態の応答補償フィルタF1は、2次/2次フィルタを用いている。2次/2次フィルタは、制動力増加の初期(図10の領域C5)において、フィルタ後要求制動力の傾きを要求制動力の傾きに対して徐々に増加させることができる。これにより、図11を参照して説明するように、1次フィルタを用いる場合と比較して車両2の制動力の立ち上がりが急激となることが抑制される。図11には、要求制動力の微分値(フィルタなし)、フィルタ後要求制動力の微分値(実施形態の応答補償フィルタF1)、および1次進みフィルタによるフィルタ処理後の要求制動力の微分値が示されている。1次進みフィルタによって要求制動力をフィルタ処理した場合、図11に示すように制動開始時刻t11にフィルタ処理後の要求制動力の微分値が要求制動力の微分値に対して大きく高制動側に乖離した値となる。従って、制動開始時に急激に制動力が立ち上がって唐突なピッチ運動を発生させてしまい、運転者が違和感を覚えてブレーキフィーリングが低下してしまう。
これに対して、本実施形態の応答補償フィルタF1によれば、制動開始時にはフィルタなしの場合と同様に制動力が増加を開始し、その後にフィルタなしの場合と比較して制動力が大きな速度で増加していく。フィルタ後要求制動力の位相が要求制動力の位相に対して進むことで、車両2のピッチ運動が前出しされる。ピッチ運動の前出しは、制動初期の制動力の大きさやブレーキの効き始めを適切かつ正確に運転者に感知させるという効果を奏する。
(要求制動力の大きさが減少する際の遅れフィルタ)
次に要求制動力の大きさが減少していくときのフィルタ特性について説明する。図12は、要求制動力の大きさが減少する場合の目標頭部加速度の説明図、図13は、要求制動力の大きさが減少する場合の目標ピッチ角の説明図である。図12には、車両加速度、フィルタなしの頭部加速度、およびフィルタ有りの頭部加速度が示されている。フィルタありの頭部加速度は、本実施形態の目標頭部加速度である。
図12に示すように、要求加速度が減少し始める時刻t21の直後(領域C8)には、フィルタありの頭部加速度は、フィルタなしの頭部加速度と同様の値で推移する。その後、フィルタありの頭部加速度はフィルタなしの頭部加速度に対して遅れ側(高減速側)に乖離していく。フィルタありの頭部加速度とフィルタなしの頭部加速度との差分は徐々に拡大していく。時刻t23に要求制動力の大きさの減少が終了し、要求制動力が0となる。フィルタありの頭部加速度は、フィルタなしの頭部加速度に比べて、車両加速度に対するオーバーシュート量が抑制される。また、フィルタありの頭部加速度が車両加速度を超えるタイミング(時刻t25)は、フィルタなしの頭部加速度が車両加速度を超えるタイミング(時刻t24)よりも遅い。オーバーシュート量の低減やオーバーシュートタイミングの遅れにより、ブレーキフィーリングが向上する。
図13に示すフィルタ有りの車両ピッチ角は、要求制動力の大きさが減少する過渡状態において目標頭部加速度を発生させるピッチ角の推移である。図13に示すように、フィルタ有りの車両ピッチ角は、フィルタなしの車両ピッチ角に対して位相が遅れている。要求制動力の大きさの減少開始時刻t21から、時間の進行に伴ってフィルタ有りの車両ピッチ角とフィルタなしの車両ピッチ角との差分が拡大する。時刻t21の直後には、フィルタ有りの車両ピッチ角はフィルタなしの車両ピッチ角と同様の値で推移し、その後にフィルタ有りの車両ピッチ角がフィルタなしの車両ピッチ角に対して遅れ側(小ピッチ角側)に乖離していく。
図14には、要求制動力の大きさが減少していくときの要求制動力およびフィルタ後要求制動力が示されている。図14では、時刻t21に要求制動力の大きさの減少が開始し、時刻t23に要求制動力が0となる。図14において、要求制動力は時刻t21から時刻t23まで一定の減少速度で減少する。図14に示すように、フィルタ後要求制動力の大きさは、要求制動力の大きさよりも大きい。すなわち、フィルタ後要求制動力の位相は、要求制動力の位相よりも遅れている。
図15には、図14の各制動力の微分値が示されている。要求制動力の大きさが減少し始める時刻t21から、要求制動力の大きさの減少が終了する時刻t23までの間、要求制動力の微分値は一定の値である。フィルタ後要求制動力の微分値は、時刻t21から徐々に変化していく。具体的には、時刻t21において、フィルタ後要求制動力の微分値は、要求制動力の微分値と同じ値である。要求制動力の大きさ減少の初期(領域C9)では、フィルタ後要求制動力の微分値が徐々に減少していく。言い換えると、要求制動力の大きさ減少の初期はフィルタ後要求制動力の傾きが小さくなっていき、フィルタ後要求制動力が要求制動力に対して高制動力側に乖離していく。
要求制動力の大きさ減少の中期(図15の領域C10)では、フィルタ後要求制動力の微分値の減少が緩やかとなっていき、時刻t22にフィルタ後要求制動力の微分値が極小値となる。要求制動力の大きさ減少の後期(領域C11)では、フィルタ後要求制動力の微分値が増加していく。このように、要求制動力の大きさが減少していく過渡期において、フィルタ後要求制動力の微分値の推移は低制動側に凸の曲線を描く。要求制動力の大きさの減少が完了する時刻t23において、フィルタ後要求制動力の微分値の大きさは、要求制動力の微分値の大きさよりも小さい。このように要求制動力の大きさが減少していく際にフィルタ後要求制動力の微分値の大きさが要求制動力の微分値の大きさを下回ることで、要求制動力の大きさの減少に従ってフィルタ後要求制動力と要求制動力との位相差が増加していく。図14に示すように、時刻t23においてフィルタ後要求制動力の大きさは要求制動力の大きさを上回っている。時刻t23以降は、フィルタ後要求制動力が要求制動力に向けて徐々に減少していく。
要求制動力の大きさが減少していく場合について、本実施形態の応答補償フィルタF1と1次遅れフィルタとの違いを説明する。図16には、要求制動力の微分値(フィルタなし)、フィルタ後要求制動力の微分値(実施形態の応答補償フィルタF1)、および1次遅れフィルタによるフィルタ処理後の要求制動力の微分値が示されている。1次遅れフィルタによって要求制動力をフィルタ処理した場合、図16に示すように要求制動力の大きさが減少を開始する時刻t21にフィルタ処理後の要求制動力の微分値が要求制動力の微分値に対して大きく高制動側に乖離した値となる。よって、ブレーキペダル6の戻し操作に対して車両2のピッチ運動が遅れてしまい、応答性の低下を招く。また、1次遅れのフィルタの場合、フィルタ処理後の要求制動力の微分値は、時間の経過に従って要求制動力の微分値に向けて一様に増加していく。このような1次遅れフィルタの特性では、制動終了時(時刻t23)の要求制動力の傾きを小さくしようとすると、要求制動力の大きさの減少が開始するとき(時刻t21)の傾きがより小さくなってしまうという問題がある。よって、1次遅れのフィルタでは、要求制動力が0となるときの頭部加速度のオーバーシュートを適切に抑制することができず、望むブレーキフィーリングを実現することができない。
これに対して、本実施形態の応答補償フィルタF1によれば、要求制動力の大きさの減少が開始するとき(時刻t21)の傾きに影響を与えることなく、要求制動力の大きさの減少が終了するとき(時刻t23)の傾きを調節することが可能である。よって、望むブレーキフィーリングを容易に実現することが可能である。
(応答補償フィルタの設計例)
本実施形態の応答補償フィルタF1について、フィルタの特性および設計方法の一例を説明する。図17は、本実施形態の応答補償フィルタF1のボード線図、図18は、1自由度のばね上ピッチモデルの説明図である。図18に示すように、車両2の前輪3FL,3FR、および後輪3RL,3RRは、サスペンション4を介してばね上を支持している。サスペンション4は、互いに並列に接続されたスプリングおよびダンパを有する。前輪3FL,3FRのサスペンション4において、スプリングのばね係数はKzf、ダンパの減衰係数はCzfである。後輪3RL,3RRのサスペンション4において、スプリングのばね係数はKzr、ダンパの減衰係数はCzrである。また、車両2の重心位置の地上高はh、重心位置から前輪3FL,3FRのサスペンション4までの距離はlf、後輪3RL,3RRのサスペンション4までの距離はlrである。車両2に発生する制動力の大きさをFx、車両2のピッチ慣性モーメントをIyとする。図18に示す1自由度のばね上ピッチモデルから、下記式(I)が成立する。なお、θは車両2のピッチ角であり、文字の上のドット(・)は、微分記号である。
Figure 0006292161
制動力の大きさFxからピッチ角θへの伝達関数G(s)は、下記式(II)で表される。なお、ζは1自由度のばね上ピッチモデルの減衰比、ωnは車両2のピッチ運動の固有周波数(固有振動数)である。式(II)からわかるように、制動力の大きさFxに対するピッチ運動の過渡特性は、減衰比ζおよび固有周波数ωnで表現される。
Figure 0006292161
本実施形態では、図19に示すように、車両2の固有の伝達関数G(s)の前に応答補償フィルタF1の関数K(s)を加えることで、目標とする伝達特性の伝達関数G*(s)を実現する。目標伝達関数を下記式(III)とする。なお、ζ*は目標減衰比である。応答補償フィルタF1の関数K(s)は下記式(IV)となる。式(IV)に示すように、応答補償フィルタF1の関数K(s)は、分母および分子がそれぞれ2次式である2次/2次フィルタである。目標減衰比ζ*を車両2のピッチ運動の減衰比ζよりも大きくするとピッチ角θの位相がフィルタなしのピッチ角θの位相に対して遅れ、目標減衰比ζ*を車両2のピッチ運動の減衰比ζよりも小さくするとピッチ角θの位相がフィルタなしのピッチ角θの位相に対して進む。目標頭部加速度を実現できるように目標減衰比ζ*の値が決定され、決定されたζ*によって応答補償フィルタF1の関数K(s)が定められる。
Figure 0006292161
Figure 0006292161
図17のボード線図は、決定された応答補償フィルタF1の特性を示している。図17の上段は、応答補償フィルタF1によるフィルタ処理における周波数に対するゲイン特性であり、下段は、応答補償フィルタF1によるフィルタ処理における周波数に対する位相特性である。図17の進みフィルタの線は、要求制動力の大きさが増加するときに適用される応答補償フィルタF1の特性を示す。進みフィルタの特性は、目標減衰比ζ*を車両2のピッチ運動の減衰比ζよりも小さくした特性である。一方、遅れフィルタの線は、要求制動力の大きさが減少するときに適用される応答補償フィルタF1の特性を示す。遅れフィルタの特性は、目標減衰比ζ*を車両2のピッチ運動の減衰比ζよりも大きくした特性である。つまり、本実施形態では、要求制動力の大きさが増加するときと、要求制動力の大きさが減少するときで応答補償フィルタF1の特性が切替えられる。
各フィルタの周波数−ゲイン特性について説明する。進みフィルタは、ピッチ運動の固有周波数ωnにおいてゲインが最大値(ピーク)となる(領域R1参照)。遅れフィルタは、ピッチ運動の固有周波数ωnにおいてゲインが最小値(絶対値が最大のピーク)となる。進みフィルタおよび遅れフィルタにおいて、固有周波数ωnに対して一定以上の低周波の領域(領域R2の低周波側の領域)および一定以上の高周波の領域では、ゲインが0となる。従って応答補償フィルタF1は、定常的な制動力(周波数0)については要求制動力を変化させない。なお、図17では、固有周波数ωnが1.72[Hz]である。
各フィルタの周波数−位相特性について説明する。進みフィルタは、固有周波数ωnよりも低周波側の領域(領域R3)で正の値(位相進み側の値)となる。進みフィルタの位相特性を示す線は、固有周波数ωn以下の周波数領域において位相進み側に凸の形状となっており、かつ位相の進み量が最大となる周波数は、固有周波数ωnよりも低い。つまり、進みフィルタの位相特性は、固有周波数ωnよりも低い周波数に極大値を有する。一方、遅れフィルタは、固有周波数ωnよりも低周波側の領域で負の値(位相遅れ側の値)となる。遅れフィルタの位相特性を示す線は、固有周波数ωn以下の周波数領域において位相遅れ側に凸の形状となっており、かつ位相の遅れ量が最大となる周波数は、固有周波数ωnよりも低い。つまり、遅れフィルタの位相特性は、固有周波数ωnよりも低い周波数に極小値を有する。
ここで、応答補償フィルタF1のフィルタ特性の切替えについて説明する。図2に示す踏み戻し判定器81は、要求制動力の推移に基づいて、ブレーキペダル6が踏み込まれていくペダル踏み増し状態であるか、ブレーキペダル6が戻されていくペダル戻し状態であるかを判定する。踏み戻し判定器81は、ペダル踏み増し状態あるいはペダル戻し状態のいずれであるかの判定結果を応答補償フィルタF1に出力する。応答補償フィルタF1は、踏み戻し判定器81の判定結果に応じて、フィルタ特性を進みフィルタまたは遅れフィルタに切替える。応答補償フィルタF1は、ペダル踏み増し状態と判定されると、フィルタ特性を進みフィルタの特性に設定する。また、応答補償フィルタF1は、ペダル戻し状態と判定されると、フィルタ特性を遅れフィルタの特性に設定する。このように、ECU8は、制動操作量の変化方向(増減)に応じてフィルタ処理の特性を遅れフィルタ特性あるいは進みフィルタ特性に切り替える。なお、踏み戻し判定器81の判定にはヒステリシスを設けて、フィルタ特性のハンチングを抑制することが好ましい。
(実施例)
実際の運転者の制動操作に対する応答補償フィルタF1の動作例について説明する。図20には、運転者の制動操作量に基づく要求制動力の推移が示されている。図21には、図20の要求制動力、およびこの要求制動力に対するフィルタ後要求制動力が拡大して示されている。要求制動力の大きさが増加する期間において、フィルタ後要求制動力の位相は、要求制動力の位相に対して進んでいることがわかる。図22には、要求制動力の微分値、およびフィルタ後要求制動力の微分値が示されている。図22に示すように、フィルタ後要求制動力の微分値は、要求制動力の微分値よりも小さな値となっている。つまり、フィルタ後要求制動力の傾きは、要求制動力の傾きよりも大きくなっている。また、要求制動力の大きさ増加の初期(領域C12)では、フィルタ後要求制動力の微分値は要求制動力の微分値と同様の値で推移している。要求制動力の大きさ増加の中期(領域C13)では、フィルタ後要求制動力の微分値と要求制動力の微分値の差異が大きくなっている。要求制動力の大きさ増加の後期(領域C14)では、フィルタ後要求制動力の微分値と要求制動力の微分値との差異が縮小していく。このように、運転者の実際の制動操作に対して、応答補償フィルタF1によってフィルタ後要求制動力を狙い通りに推移させることができることが確認された。
次に、目標減衰比ζ*に応じた応答補償フィルタF1の特性の変化について説明する。図23は、進みフィルタの特性変化を説明する図である。図23には、車両2のピッチ運動の減衰比ζ=0.5の場合の進みフィルタの特性が示されている。減衰比ζに対して目標減衰比ζ*の値を小さくするに従って、フィルタのゲインが大きくなることがわかる。また、目標減衰比ζ*の値を小さくするに従って、固有周波数ωn以下の周波数域において、位相の進み量が大きくなることがわかる。
図24は、遅れフィルタの特性変化を説明する図である。図24には、車両2のピッチ運動の減衰比ζ=0.5の場合の遅れフィルタの特性が示されている。減衰比ζに対して目標減衰比ζ*の値を大きくするに従って、ゲインの絶対値が大きくなることがわかる。また、目標減衰比ζ*の値を大きくするに従って、固有周波数ωn以下の周波数域において、位相の遅れ量が大きくなることがわかる。
なお、応答補償フィルタF1のフィルタ特性の調整において、目標減衰比ζ*の変更範囲は0<ζ*≦1であり、好ましくは0.1≦ζ*≦0.9である。
以上説明したように、本実施形態に係る制動力制御装置1のECU8は、制動操作量に基づく要求制動力に対してフィルタ処理を施してフィルタ後要求制動力(指令値)を生成し、かつ要求制動力の変化に応じて目標減衰比ζ*(フィルタ処理の減衰比)を変更する。本実施形態のECU8は、要求制動力の大きさの増加/減少に応じて目標減衰比ζ*を変更する。ECU8は、目標減衰比ζ*を変更することで、運転者がブレーキの効き始めを感知するタイミングを調節すること、運転者が感知する制動力の大きさと実際の制動力の大きさとの差異を小さくすること、頭部加速度の車両加速度に対するオーバーシュートを抑制すること、などによりブレーキフィーリングを向上させることが可能である。
本実施形態の制動力制御装置1は、制動装置7のFF制御によって制動時の車両2の過渡姿勢を制御する。本実施形態のFF制御は、フィードバック制御に伴う問題(センサノイズ、ハンチング、遅れ等)が発生しないドライバ操作に基づいて車両2の姿勢制御を行うことができる。運転者の制動操作量に基づいて車両2の姿勢を制御することで、ブレーキフィーリングを適切に向上させることができる。
本実施形態では、図17に示すように、フィルタ処理の周波数ゲイン特性においてゲインの大きさがピークとなる周波数は、車両2のピッチ運動の固有周波数ωnである。周波数ゲイン特性においてピッチ運動の固有周波数ωnにおいてゲインがピークとなることで、ピッチ運動を適切に制御することができる。
本実施形態では、フィルタ処理における周波数に対する位相特性は、車両2のピッチ運動の固有周波数ωnよりも低い周波数に極値を有する。このような位相特性は、フィルタ後要求制動力の位相を要求制動力の位相に対して進み側や遅れ側に変化させることができる。
本実施形態のECU8は、要求制動力の大きさが増加している場合、フィルタ処理の目標減衰比ζ*を車両2のピッチ運動の減衰比ζよりも小さくする。これにより、フィルタ後要求制動力の位相を要求制動力の位相よりも進ませ、ブレーキの効き始めを運転者が速やかに感知できるようにすることなどにより、ブレーキフィーリングを向上させることができる。
本実施形態のECU8は、要求制動力の大きさが減少している場合、フィルタ処理の目標減衰比ζ*を車両2のピッチ運動の減衰比ζよりも大きくする。これにより、フィルタ後要求制動力の位相が要求制動力の位相よりも遅れる。よって、頭部加速度が車両加速度に対してオーバーシュートしてしまうことを抑制し、ブレーキフィーリングを向上させることができる。
本実施形態のECU8は、要求制動力の大きさが増加していく場合、フィルタ後要求制動力の位相を要求制動力の位相よりも進め、かつ要求制動力の大きさの増加に従ってフィルタ後要求制動力と要求制動力の位相差を増加させる。よって、ブレーキが効き始めたことを運転者が速やかに感知できることなどにより、ブレーキフィーリングが向上する。また、ECU8は、要求制動力の大きさが減少していく場合、フィルタ後要求制動力の位相を要求制動力の位相よりも遅らせ、かつ要求制動力の大きさの減少に従ってフィルタ後要求制動力と要求制動力の位相差を増加させる。よって、頭部加速度が車両加速度に対してオーバーシュートしてしまうことを抑制し、ブレーキフィーリングを向上させることができる。
[実施形態の第1変形例]
実施形態の第1変形例について説明する。上記実施形態では、車両のピッチ運動の固有周波数ωnと、目標伝達関数G*(s)の固有周波数ωnが一致していた。しかしながら、図25に示すように、モデルの固有周波数ωが車両2の実際の固有周波数ωnと異なる値となることも考えられる。例えば、モデル化誤差により2つの固有周波数ω,ωnにずれが生じる可能性がある。モデル化誤差がない場合、入力uから出力yの伝達関数G*(s)は下記式(V)となり、望むフィルタ特性が実現される。
Figure 0006292161
これに対して、モデル化誤差がある(ω≠ωn)場合、伝達関数G*(s)は下記式(VI)となり、フィルタ特性が望む特性と異なってしまう。図26には、モデルの固有周波数ωが高周波数側にずれた場合のフィルタ後要求制動力が示されている。図26には、フィルタなしの要求制動力、固有周波数ω,ωnが一致している場合のフィルタ後要求制動力(破線)、固有周波数ωが車両2の固有周波数ωnの1/2である場合のフィルタ後要求制動力(1点鎖線)、および固有周波数ωが車両2の固有周波数ωnの1/3である場合のフィルタ後要求制動力(点線)が示されている。固有周波数ωが車両2の固有周波数ωnの1/2よりも小さくなると、所望のフィルタ特性(ω=ωn)との乖離が大きくなりすぎると考えられる。
Figure 0006292161
図27には、モデルの固有周波数ωが低周波数側にずれた場合のフィルタ後要求制動力が示されている。図27には、フィルタなしの要求制動力、固有周波数ω,ωnが一致している場合のフィルタ後要求制動力(点線)、固有周波数ωが車両2の固有周波数ωnの2倍である場合のフィルタ後要求制動力(1点鎖線)、および固有周波数ωが車両2の固有周波数ωnの3倍である場合のフィルタ後要求制動力(破線)が示されている。図28には、図27の枠内の拡大図が示されている。固有周波数ωが車両2の固有周波数ωnの2倍よりも大きくなると、所望のフィルタ特性(ω=ωn)との乖離が大きくなりすぎると考えられる。以上のことから、所望のフィルタ特性を発揮するには、モデルの固有周波数ωは、ωn/2≦ω≦2ωnを満たすことが好ましいと考えられる。言い換えると、応答補償フィルタF1の進みフィルタや遅れフィルタにおけるゲイン特性のピーク周波数ωが、固有周波数ωnの0.5倍以上かつ固有周波数ωnの2倍以内の範囲(固有周波数ωnの近傍)にあれば、上記実施形態の制動力制御装置1と同様の効果を奏することができる。
[実施形態の第2変形例]
実施形態の第2変形例について説明する。上記実施形態の応答補償フィルタF1は、2次/2次フィルタであったが、フィルタの次数はこれには限定されない。第2変形例では、より高次のフィルタの適用について説明する。図29は、実施形態の第2変形例に係るばね上モデルを示す図である。図29のばね上モデルは、ピッチ運動と、ヒーブ運動(バウンス方向の運動)を含む2自由度のモデルである。この2自由度のモデルの運動方程式は、下記式(VII)および式(VIII)となる。なお、z:車両2の重心位置の上下方向変位、Fxf:前輪3FL,3FRで発生する制動力の大きさ、Fxr:後輪3RL,3RRで発生する制動力の大きさ、θf:前輪3FL,3FRのバウンスに応じたピッチ角、θr:後輪3RL,3RRのバウンスに応じたピッチ角、M:車両2の質量、である。
Figure 0006292161
Figure 0006292161
図30は、実施形態の第2変形例に係る車両2の伝達関数G(s)のブロック図である。車両2の合計要求制動力をFxとし、前後輪の固定制動力配分をrとすると、前輪の制動力の大きさFxf=rFx、後輪の制動力の大きさFxr=(1−r)Fxである。車両2の伝達関数G(s)は、下記式(IX)となる。
Figure 0006292161
目標伝達関数G*(s)を下記式(X)とすると、応答補償フィルタF1の関数K(s)は下記式(XI)となる。
Figure 0006292161
Figure 0006292161
このように、ピッチ運動とヒーブ運動を考慮したばね上モデルを用いると、応答補償フィルタF1は4次/4次フィルタとなる。図31は、第2変形例の応答補償フィルタF1のボード線図、図32は、第2変形例の応答補償フィルタF1によるフィルタ後要求制動力を示す図、図33は、第2変形例の応答補償フィルタF1によるフィルタ後要求制動力で発生するピッチ角θの推移を示す図である。図31乃至図33からわかるように、4次/4次フィルタの特性は、上記実施形態の2次/2次フィルタの特性に近い。例えば、図31に示すように、周波数−ゲイン特性において、ピッチ運動の固有周波数ωnにおいてゲインが最大値となる。また、周波数−位相特性は、固有周波数ωnよりも低い周波数に極大値を有する。
[実施形態の第3変形例]
上記実施形態および第2変形例の応答補償フィルタF1の数式は一例であって、これに限定されるものではない。上記実施形態や第2変形例の応答補償フィルタF1と等価なフィルタや実質的に等価なフィルタであれば、応答補償フィルタF1と同様の効果を奏することができる。
[実施形態の第4変形例]
上記実施形態および各変形例では、要求制動力が運転者のブレーキペダルに対する踏み込み操作に基づくものであったが、これには限定されない。例えば、車両2における自動制動制御による要求制動力に対して応答補償フィルタF1によるフィルタ処理がなされてもよい。また、上記実施形態および各変形例は、所謂バイワイヤモードによる制動制御を行う車両に適用可能である。例えば、運転者の制動操作と制動装置7との間に常に制御部が介在する車両も適用対象となる。要求制動力の検出は、マスタシリンダ圧に基づくものには限定されない。例えば、ブレーキペダル6のペダルストロークやペダル踏力に基づいて要求制動力が算出されてもよい。
上記の実施形態および変形例に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。
1 制動力制御装置
2 車両
3 車輪
4 サスペンション
5 動力源
6 ブレーキペダル
7 制動装置
8 ECU(制御部)
9 マスタシリンダ
10 アクチュエータ
11 ホイールシリンダ
13 マスタシリンダ圧センサ
F1 応答補償フィルタ
M1 車両ピッチモデル
M2 頭部加速度モデル
ζ 減衰比
ζ* 目標減衰比
ωn 固有周波数

Claims (6)

  1. 車両の車輪に発生させる制動力を制御するアクチュエータと、
    前記アクチュエータに対して制動力の指令値を出力する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、制動操作量に基づく要求制動力に対してフィルタ処理を施して前記指令値を生成し、かつ前記要求制動力の変化に応じて前記フィルタ処理の減衰比を変更し、
    前記フィルタ処理の減衰比は、前記フィルタ処理における周波数に対する位相特性を決めるための調整パラメータである
    とを特徴とする制動力制御装置。
  2. 前記フィルタ処理の周波数ゲイン特性においてゲインの大きさがピークとなる周波数は、前記車両のピッチ運動の固有周波数または前記車両のピッチ運動の固有周波数の近傍の周波数である
    請求項1に記載の制動力制御装置。
  3. 前記フィルタ処理における周波数に対する位相特性は、前記車両のピッチ運動の固有周波数よりも低い周波数に極値を有する
    請求項1または2に記載の制動力制御装置。
  4. 前記制御部は、前記要求制動力の大きさが増加している場合、前記フィルタ処理の減衰比を前記車両のピッチ運動の減衰比よりも小さくする
    請求項1から3の何れか1項に記載の制動力制御装置。
  5. 前記制御部は、前記要求制動力の大きさが減少している場合、前記フィルタ処理の減衰比を前記車両のピッチ運動の減衰比よりも大きくする
    請求項1から4の何れか1項に記載の制動力制御装置。
  6. 車両の車輪に発生させる制動力を制御するアクチュエータと、
    前記アクチュエータに対して制動力の指令値を出力する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、制動操作量に基づく要求制動力に対してフィルタ処理を施して前記指令値を生成し、
    前記制御部は、前記要求制動力の大きさが増加していく場合、前記指令値の位相を前記要求制動力の位相よりも進め、かつ前記要求制動力の大きさの増加に従って前記指令値と前記要求制動力の位相差を増加させ、
    前記制御部は、前記要求制動力の大きさが減少していく場合、前記指令値の位相を前記要求制動力の位相よりも遅らせ、かつ前記要求制動力の大きさの減少に従って前記指令値と前記要求制動力の位相差を増加させる
    ことを特徴とする制動力制御装置。
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