JP6288864B2 - 耐火物の断熱構造 - Google Patents

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Description

本発明は、耐火物の断熱構造に関するものである。
従来、金属、ガラスを溶かした高温の溶湯を扱う場では耐火物が用いられている。当該耐火物は、耐火物本体と断熱材からなる。当該断熱材は、耐火物本体の壁面保護のためであったり、高温の溶湯を冷まさないためであったり、また作業員の事故防止のためであったりと用途目的に合わせて、耐火物本体の内側面側又は外側面側へ適宜貼り合せて使用されている。
ここで、たとえば、特開2009−107012号公報に開示されている連続鋳造用ノズルは、ノズル本体の外側面に外装ヒーターと断熱材を設けている。当該断熱材は、現在、耐火セラミックファイバー(Refractory Ceramic Fiber:RCF)が広く用いられている。
耐火セラミックファイバー(RCF)は、シリカとアルミナを主成分とする非晶質の人造鉱物繊維からなり、発がん性又は呼吸器に対する反復曝露による毒性を有し、健康被害を引き起こす有害性を有しているとされている。そのため、使用を制限することが望ましい。そして、当該耐火セラミックファイバー(RCF)の代替物として、近年、人体に対する影響が低い生体溶解性無機質繊維(Bio Soluble Inorganic Fiber:BSF)又はアルミナ繊維(Alumina Fiber:AF)からなる断熱材が注目されている。
特開2009−107012号公報
たとえば、上記に例示した連続鋳造用ノズルは、使用時に熱衝撃によるスポーリングを防止するため、使用前に常温から約1400℃まで予熱される。そして、使用時には、当該ノズルの内孔を約1500℃乃至約1600℃の金属溶湯が通過し、ノズル外側面もまた1000℃以上に上昇する。このような高温環境下において、ノズル本体に含まれている黒鉛、カーボンは酸化され、ノズル本体が劣化するという問題があった。そこで、ノズル外側面に酸化防止剤を塗布することによって、ノズルの劣化を防止している。具体的には、塗布された酸化防止剤が高温環境下で溶融し、ノズル外側面を一様に覆う耐酸化層を形成することで、ノズル外側面の耐酸化性を向上させている。
このように耐火物本体の表面に酸化防止剤を塗布することは、例示した連続鋳造用ノズルに限らず、高温環境下で強い酸化雰囲気に晒される耐火物、特に黒鉛、カーボン質を含んでいる耐火物ではいずれも共通する解決方法である。また、常に酸化雰囲気に晒されるというわけではない耐火物は、釉薬を接着剤として用いて耐火物本体に断熱材を直接貼り合わせている場合がある。当該釉薬は、耐火物本体が高温になったとき、溶融する場合がある。
上記の酸化防止剤を含むいわゆる釉薬が高温環境下で溶融した場合、従来の耐火セラミックファイバー(RCF)からなる断熱材であっても、上記のような1400℃以上の高温環境下では溶融して、断熱性を維持することが困難である。
また、断熱材に生体溶解性無機質繊維(BSF)又はアルミナ繊維(AF)を用いた場合、上記のような高温環境よりも低い温度で断熱材の耐熱性、断熱性が急速に悪化するという問題が生じた。これは、溶融して高温となった釉薬が、生体溶解性無機質繊維(BSF)又はアルミナ繊維(AF)と反応して、断熱材が溶融し、当該断熱材が薄くなったことが原因である。
このように、生体溶解性無機質繊維(BSF)又はアルミナ繊維(AF)は、耐火セラミックファイバー(RCF)よりも低い温度で容易に釉薬、特に酸化防止剤と反応して溶融するおそれがあり、生体溶解性無機質繊維(BSF)又はアルミナ繊維(AF)からなる断熱材は、十分な耐熱性、断熱性を得ることができないおそれがある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、高温環境下で溶融した釉薬と断熱材が反応することを防止する耐火物の断熱構造を提供することである。
請求項1に記載の耐火物の断熱構造は、内側面側に金属溶湯からなる高温物が接する耐火物本体と、
当該耐火物本体を一様に覆う釉薬からなる被膜層と、
当該被膜層の外側面側に配した、断熱材とからなる耐火物の断熱構造であって、
前記被膜層と、前記断熱材の間に、
厚さが0.1mm以上2mm以下で、前記断熱材に対する非反応性を有し、所定の割合で混合して形成したアルミナ及びシリカを主成分とするアルミナ・シリカ系耐火物である耐熱保護層を設け、
高温環境下で前記被膜層の前記釉薬が溶融したとき、
溶融した当該釉薬が前記断熱材と反応しないように、前記耐熱保護層が前記断熱材を保護するようにしたことを特徴とする。
請求項に記載の耐火物の断熱構造は、請求項1に記載の発明において、前記断熱材が、生体溶解性無機質繊維からなることを特徴とする。
請求項に記載の耐火物の断熱構造は、請求項1に記載の発明において、前記断熱材が、アルミナ繊維からなることを特徴とする。
請求項に記載の耐火物の断熱構造は、請求項又は請求項に記載の発明において、前記断熱材が、フェルト状に形成されていることを特徴とする。
請求項に記載の耐火物の断熱構造は、請求項1に記載の発明において、前記釉薬の溶融温度が、500℃〜1400℃であることを特徴とする。
請求項に記載の耐火物の断熱構造は、請求項1若しくは請求項5に記載の発明において、前記釉薬が、1%〜30%のNaO及び1%〜20%のKOを含有する酸化防止剤であって、前記被膜層が、前記耐火物本体の酸化を防止する耐酸化層であることを特徴とする。
請求項に記載の耐火物の断熱構造は、請求項1乃至請求項のいずれかに記載の発明において、前記耐火物が連続鋳造用ノズルであることを特徴とする。
本発明に係る耐火物の断熱構造によれば、耐火物本体を覆う釉薬からなる被膜層と断熱材の間に、断熱材に対する非反応性を有する耐熱保護層を設けて、高温環境下で溶融した釉薬が断熱材と反応しないようにして断熱材を保護するようにした。
これにより、たとえば、耐火物本体と断熱材を貼り合せている釉薬、特に耐火物本体の酸化を防止するための酸化防止剤が、高温環境下で溶融した場合であっても、当該酸化防止剤が断熱材と反応することを防止することができ、酸化防止剤と断熱材が接触することを防ぐことができる。そのため、本発明に係る耐火物の断熱構造は、断熱材の断熱効果低減を防止することができる。
すなわち、本発明に係る耐火物の断熱構造によれば、従来の耐火セラミックファイバー(RCF)よりも高温環境下で釉薬、特に酸化防止剤と反応しやすい生体溶解性無機質繊維(BSF)又はアルミナ繊維(AF)からなる断熱材を、耐火セラミックファイバー(RCF)からなる断熱材と同じ環境下で使用することができる。これにより、人体に悪影響を及ぼすとされる耐火セラミックファイバー(RCF)が使用されている高温の溶湯を扱う環境において、当該耐火セラミックファイバー(RCF)を人体に対する影響が低い生体溶解性無機質繊維(BSF)又はアルミナ繊維(AF)と入れ替えることができる。そのため、当該高温環境における環境負荷を軽減させることができる。
特に、頻繁に断熱材が高温環境下に晒される連続鋳造の工程、その中でも連続鋳造用ノズルの断熱材に、生体溶解性無機質繊維(BSF)又はアルミナ繊維(AF)からなる断熱材を用いた場合には、入れ替えた効果を大きくすることができる。
第1実施例に係る耐火物の断熱構造の構成の概略を示す模式図である。 第1実施例に係る耐火物の断熱構造の耐熱保護層の不浸透性を示す実験の模式図である。 第1実施例に係る耐火物の断熱構造の耐熱保護層の不浸透性を示す実験結果の一覧表である。 第1実施例に係る耐火物の断熱構造の断熱効果を示す実験結果の一覧表である。 第2実施例に係る耐火物の断熱構造の断熱効果を示す実験結果の一覧表である。
本願発明の耐火物の断熱構造に係る耐火物は、図1に示すように、耐火物本体11と、当該耐火物本体を一様に覆う釉薬からなる被膜層と、当該被覆層に積層される耐熱保護層13と、当該耐熱保護層13に重ね合わされる断熱材14からなる。ここで、被覆層は、上記の課題で述べたように酸化防止剤からなる耐酸化層12であるものとする。以下、本願発明を実施するための形態に係る例として、第1実施例と第2実施例を示し、本願発明に係る耐火物の断熱構造を説明する。
第1実施例は、耐火物10の断熱材14を生体溶解性無機質繊維(BSF)からなる断熱材14Aとしたものである。
第1実施例では、二つの実験を行った。第1の実験は、第1実施例に係る耐熱保護層13と従来の耐熱性無機接着剤からなる接着層13Aを比較対照するものである。これによって、耐酸化層12をなす酸化防止剤が高温環境下で耐熱保護層13に浸透しないことを示す。図2は、当該実験の概略を示す模式図であり、図3は、当該実験の結果を示すものである。
第2の実験は、断熱材14を生体溶解性無機質繊維(BSF)からなる断熱材14Aである場合と耐火セラミックファイバー(RCF)からなる断熱材14Cである場合に場合分けし、さらに、耐火物10が、第1実施例に係る耐熱保護層13を有する場合と従来の耐熱性無機接着剤からなる接着層13Aを有する場合で場合分けして比較対照するものである。これによって、第1実施例に係る耐熱保護層13が耐火セラミックファイバー(RCF)からなる断熱材14Cのみならず生体溶解性無機質繊維(BSF)からなる断熱材14Aをも保護可能であることを示す。当該実験の結果を図4に示す。
第2実施例は、耐火物10Aの断熱材14をアルミナ繊維(AF)からなる断熱材14Bとしたものである。
第2実施例で行った実験は、断熱材14をアルミナ繊維(AF)からなる断熱材14Bである場合と耐火セラミックファイバー(RCF)からなる断熱材14Cである場合に場合分けし、さらに、耐火物10が、第2実施例に係る耐熱保護層13を有する場合と従来の耐熱性無機接着剤からなる接着層13Aを有する場合で場合分けして比較対照するものである。これによって、第2実施例に係る耐熱保護層13が耐火セラミックファイバー(RCF)からなる断熱材14Cのみならずアルミナ繊維(AF)からなる断熱材14Bをも保護可能であることを示す。当該実験の結果を図5に示す。
本願発明の耐火物の断熱構造に係る実施例について添付した図にしたがって説明する。図1は、本実施例に係る耐火物の断熱構造の構成の概略を示す模式図である。
本実施例に係る耐火物10は、高温度に耐え、化学的に安定な非金属無機物質からなる製品をいう。本実施例においては、連続鋳造用ノズルを例示するが、これに限定されるものでは無く、製鋼炉、溶鋼取鍋、タンディッシュ、坩堝のような製品であっても良い。
連続鋳造用ノズルに係る耐火物10は、耐火物本体11の外側に断熱材14を配して形成されている。
なお、このように耐火物本体11と断熱材14をセットにして用いられる耐火物10は、連続鋳造用ノズルに限定されず、たとえば、製銑・製鋼炉のライニング材又は絶縁材、熱遮蔽板、耐熱材、防火壁保護材等の高温に晒される箇所に使用されるものがあり、高温の熱源は、鋳造に係る溶融金属の他に、たとえば溶融スラグ、火炎、加熱ヒーターといったものがある。
耐火物10は、図1に示すように、内側から外側に向かって耐火物本体11、耐酸化層12、耐熱保護層13、断熱材14となるように積層されて形成されている。
耐火物本体11は、黒鉛(C)、アルミナ(Al)、シリカ(SiO)、炭化珪素(SiC)、ジルコニア(ZrO)等を所定の割合で混合して形成されている。これにより、耐火物本体11は、使用態様、使用目的に合わせて、高い耐熱衝撃性、耐熱性、耐食性等の性能を有することができる。本実施例に係る耐火物本体11は、連続鋳造用ノズルであるから、数時間の予熱に耐える耐久性、スポーリング防止のための耐熱衝撃性、高温の酸化雰囲気に耐える耐食性が向上するように形成されている。
本実施例に係る耐火物本体11は、少なくとも1500℃以上の高温に耐えることができるように形成されている。これにより、耐火物本体11は、使用前の予熱において数時間高温環境下で晒されても、また使用時に内側面側に高温の溶鋼が接した場合であっても、当該高温による耐火物本体11の溶損を防止することができる。
耐酸化層12は、耐火物本体を一様に覆う層状に形成されており、耐火物本体11の外側面に酸化防止剤を一様に塗布又は吹き付けてコーティングすることによって形成されている。酸化防止剤は、1%〜30%の酸化ナトリウム(NaO)、及び1%〜20%の酸化カリウム(KO)を含有している。これにより、耐火物本体11の酸化消耗を防止することができる。
酸化防止剤は、溶融温度が500℃〜1400℃となるように形成されている。500℃を下回る場合には、溶融した酸化防止剤の粘性が下がって耐火物本体の外側面にムラができるおそれがある。また、溶鋼の温度が約1500℃であって、連続鋳造用ノズルを使用前に予熱するときの温度が約1400℃であることから、酸化防止剤を1400℃に熱した場合、耐火物本体のの外側面を充分にコーティングすることができる。
なお、耐火物本体11の組成によって耐火物本体11自身が高い耐酸化性を有する場合、または耐火物を使用する環境が高温の酸化性雰囲気中でない場合には、耐酸化層12を設けなくとも良く、たとえば、一般的な釉薬からなる被膜層を形成して、耐火物本体11を保護するようにしたり、耐熱保護層13の下地として耐熱性無機接着剤を塗布するようにしても良い。
耐熱保護層13は、アルミナ(Al )と、シリカ(SiO )を所定の割合で混合して形成したアルミナ・シリカ(Al −SiO )系耐火物からなる。当該アルミナ・シリカ(Al −SiO )系耐火物は、たとえば、重量比で71.8%のアルミナ(Al )と、28.2%のシリカ(SiO )からなるムライトが知られている。
本実施例に係るアルミナ・シリカ(Al −SiO )系耐火物は、不浸透性を有し、高い強度と優れた耐熱性、耐熱衝撃性を備えているものが好ましい。
不浸透性を有する耐熱保護層13は、耐酸化層12又は耐火物本体11の外側面に塗布した耐熱性無機接着剤が、耐火物10の使用前、又は使用時の高温環境下で溶融したとき、溶融した酸化防止剤等が、断熱材14の隙間に浸透することを防止することができる。
そして、耐熱性、耐熱衝撃性を有する耐熱保護層13は、耐火物本体11からの熱を遮断して、当該熱が断熱材14へ伝導することを防止することができる。さらに、耐熱保護層13は、耐火物本体11から伝導する熱を蓄熱するように形成されている。耐火物本体11から伝導した熱を蓄熱すると共に当該熱が断熱材14へ伝わらないようにすることによって、耐熱保護層13と断熱材14によって耐火物本体11を保熱することができ、スポーリングを防止することができる。また、このような保熱効果は、たとえば、耐火物本体11が連続鋳造用ノズルである場合、連続鋳造中の当該連続鋳造用ノズルの温度変化を小さくして高温を維持することができるので、連続鋳造用ノズルが冷えてノズル内壁に付着した不純物によって、ノズル内孔が閉塞することを防止することができる。
このように、高い不浸透性と耐熱性、耐熱衝撃性を有する耐熱保護層13は、高温環境下で耐酸化層12から酸化防止剤を浸透させず、耐熱保護層13自身もまた高温環境下に耐え得るので、断熱材14と反応しない非反応性を有している。そのため、耐熱保護層13は、断熱材14を溶融した酸化防止剤等から保護して、当該断熱材14の断熱性を維持することができ、さらには耐火物10の耐熱性、耐熱衝撃性を向上させることができる。
耐熱保護層13は、アルミナ・シリカ(Al −SiO )系耐火物を0.1mm以上5mm以下の厚さで耐火物本体11又は耐酸化層12に塗布又は吹き付けて形成されている。耐熱保護層13が、0.1mm厚よりも薄い場合には十分な耐熱性、耐熱衝撃性を得ることができず、断熱材14を保護することができないおそれがある。また耐熱保護層13が5mm厚よりも厚い場合には、耐火物本体11又は耐酸化層12に塗布した後、乾燥するまでに垂れたり、偏ったりして耐熱保護層13の厚さにムラが出るおそれがある。これを踏まえて、耐熱保護層13の不浸透性と耐熱性の効果が最も期待できる厚さは、0.1mm以上2mm以下が好ましい。
本実施例に係るアルミナ・シリカ(Al −SiO )系耐火物アルミナ(Al )と、シリカ(SiO の混合割合は、重量比でアルミナが50%〜90%、シリカが50%〜10%である。アルミナの混合割合が50%を下回り、シリカの混合割合が増えると耐熱性が低下し、耐火物本体からの熱によって溶けるおそれがある。一方、アルミナの混合割合が90%を上回ると熱伝導率が向上し、断熱材14に対する耐熱保護層13としての働きが低減する。また、アルミナ(Al )と、シリカ(SiO )からなるアルミナ・シリカ(Al −SiO )系耐火物に、マグネシア(MgO)、又はジルコニア(ZrO)といった無機質原料を添加して、断熱材14と高温環境下で反応しない非反応性を高めても良い。
なお、耐熱保護層13はアルミナ・シリカ(Al −SiO )系耐火物に限定されるものでは無く、高い不浸透性、耐熱性、耐熱衝撃性、及び低い熱伝導率を備えた無機質化合物であれば良い。たとえば、少なくとも重量比50%以上のアルミナを含有しているアルミナ系耐火物であって、当該アルミナ系耐火物にシリカ(SiO)、マグネシア(MgO)、又はジルコニア(ZrO)からなる群から選択される少なくとも1種又は2種以上を所定の割合で配合することによって、断熱材14と高温環境下で反応しない非反応性を有するものであれば良い。ここで、たとえば、シリカ(SiO)とマグネシア(MgO)を組み合わせてアルミナ(Al に添加した場合、アルミナ・シリカ・マグネシア系耐火物を得ることができ、シリカ(SiO)とジルコニア(ZrO)を組み合わせてアルミナに添加した場合、アルミナ・ジルコン系耐火物を得ることができる。これらはいずれも、本実施例に係るアルミナ・シリカ(Al −SiO )系耐火物と同様な断熱材14に対する非反応性を呈する。
断熱材14は、フェルト状の無機質繊維からなる。当該フェルト状の無機質繊維は、断熱材14の使用目的、使用態様、要求される断熱性能等に合せて所定の厚さとなるよう重ね合わせられる。これにより、断熱材14は、シート状、平板状又はブロック状と所定形状に形成される。本実施例に係る断熱材14は、連続鋳造用ノズルに巻回可能なシート状又は平板状に形成されている。
本実施例においては、耐火度が1250℃以上の生体溶解性無機質繊維(BSF)からなる無機質繊維を断熱材14Aとする。
生体溶解性無機質繊維(BSF)は、高純度のアルミナ、シリカ、酸化カルシウム(CaO)、マグネシア(MgO)を電気溶融させて所定の割合で混合し、繊維化して形成されている。当該生体溶解性無機質繊維(BSF)は、吸引等で人体に摂取されたとしても体内の水分によって分解・排出される特性を有している。生体溶解性無機質繊維(BSF)は、耐火セラミックファイバー(RCF)と同程度の耐熱性を有しているが、高温環境下で、耐火物本体11を被覆する釉薬、特に上記の耐酸化層12を形成する酸化防止剤と容易に反応して溶融しやすく、その場合には耐火セラミックファイバー(RCF)と同程度の耐熱性を維持できないという問題がある。
また、酸化防止剤にとどまらず、当該生体溶解性無機質繊維(BSF)からなる断熱材14Aは、従来、耐火物本体を被覆する釉薬、たとえば耐熱性無機接着剤であっても、使用環境によっては当該耐熱性無機接着剤と生体溶解性無機質繊維(BSF)が熱によって反応して、生体溶解性無機質繊維(BSF)が溶融する場合がある。
しかしながら、図1に示すように、耐酸化層12と断熱材14Aとの間に、高温環境下で当該断熱材14Aに対する非反応性を有する耐熱保護層13を設けた。これによって、耐酸化層12をなす酸化防止剤、又は従来の釉薬、或いは耐熱性無機接着剤は、耐熱保護層13で阻まれて断熱材14Aへ浸透することができず、高温環境下で溶融した酸化防止剤等と生体溶解性無機質繊維(BSF)からなる断熱材14Aが直接接触することを防止することができる。すなわち、耐熱保護層13は、高熱環境下で生体溶解性無機質繊維(BSF)からなる断熱材14Aを、耐酸化層12等から保護することができる。
上記の構成を有する耐火物10の断熱構造について、次に示すような実験を行った。
まず、図2に示すように、耐火物本体11に耐酸化層12と耐熱保護層13を同厚で積層したサンプルと、耐熱保護層13に替えて従来の耐熱性無機接着剤を用いた比較サンプルを作成し、図3に示すように、当該サンプルを所定の高温環境下に置いたとき、耐熱保護層13は、耐酸化層12をなす酸化防止剤を浸透させるか否か、従来の耐熱性無機接着剤と比較する実験を行った。所定の高温環境下で浸透している場合を○で、浸透していない場合を×で表している。
上記の実験の結果、図3の比較実験例に示すように、従来の耐熱性無機接着剤の場合、酸化防止剤は、1100℃の高温環境下から既に耐熱性無機接着剤からなる層へ浸透している。
一方、耐熱保護層13の場合は、図3の実験例に示すように、1100℃から1500℃の高温環境下でいずれも酸化防止剤は耐熱保護層13へ浸透していない。すなわち、耐熱保護層13は、高い不浸透性を有していることを確認することができた。
次に、耐火物本体11と断熱材14の間に耐酸化層12と耐熱保護層13を設けた耐火物10の実験例と、当該実験例と比較対照する比較実験例を示し、図4に各実験に係る実験結果を示す。
耐火物本体11は、連続鋳造用ノズルとして用いられる黒鉛質耐火物からなる。耐火物本体11は、図1に示す内側面側11aに熱源を配置して加熱するように形成されている。耐火物本体11の外側面側には耐酸化層12が形成されている。実験に使用した断熱材14は、1mm厚、2mm厚、3mm厚、6mm厚、12mm厚、25mm厚と厚さを変えたが、実験結果に厚さを変えたことによる差異は認められなかった。そのため、図4の実験結果には25mm厚の断熱材14を使用した場合を示す。
図4に示す実験例となる耐火物10は、耐火物本体11上に耐酸化層12と2mm厚の耐熱保護層13を重ねて形成し、さらに生体溶解性無機質繊維(BSF)からなる断熱材14Aを貼着して形成されている。
対して、図4に示す第1比較実験例は、生体溶解性無機質繊維(BSF)からなる断熱材14Aに替えて、耐火セラミックファイバー(RCF)からなる断熱材14Cとしたものである。
そして、図4に示す第2比較実験例は、耐火物本体11上にコーティングした耐酸化層12の上に、耐熱保護層13を形成するアルミナ・シリカ(Al −SiO )系耐火物に替えて、従来の耐熱性無機接着剤からなる接着層13Aを2mm厚に形成し、さらに生体溶解性無機質繊維(BSF)からなる断熱材14Aを貼着して形成したものである。
さらに、図4に示す第3比較実験例は、第2比較実験例で挙げた生体溶解性無機質繊維(BSF)からなる断熱材14Aに替えて、耐火セラミックファイバー(RCF)からなる断熱材14Cとしたものである。
実験の結果、図4の実験例に示す通り、生体溶解性無機質繊維(BSF)からなる断熱材14A、耐熱保護層13を有する耐火物10の断熱構造は、1400℃まで耐え、1500℃の高温環境下に至って当該断熱材14Aの溶融が観察された。
これに対し、図4の第1比較実験例では、1500℃の高温環境下でも耐火セラミックファイバー(RCF)からなる断熱材14Cの溶融は認められない。
一方、耐熱保護層13と異なり、従来の耐熱性無機接着剤からなる接着層13Aを有する第2、第3比較実験例の場合、図4の第2比較実験例に示す通り、生体溶解性無機質繊維(BSF)からなる断熱材14Aは、1200℃で溶融が観察され、図4の第3比較実験例に示す通り、耐火セラミックファイバー(RCF)からなる断熱材14Cの場合は、1400℃で溶融が観察された。これは、生体溶解性無機質繊維(BSF)からなる断熱材14A又は耐火セラミックファイバー(RCF)からなる断熱材14Cが、従来の耐熱性無機接着剤からなる接着層13Aに浸透した耐酸化層12の酸化防止剤と反応していることによるものである。
すなわち、耐熱保護層13を設けた結果、図4の実験例及び第1比較実験例に示す通り、耐火セラミックファイバー(RCF)からなる断熱材14Cのみならず、従来であれば1200℃で溶融していた生体溶解性無機質繊維(BSF)からなる断熱材14Aも1400℃の高温環境下に耐えられることが図4に示すように確認された。
ここで、連続鋳造用ノズルは、通常、使用前に約1400℃の高温環境下に数時間置かれて予熱される。本実験において生体溶解性無機質繊維(BSF)からなる断熱材14Aは1400℃まで溶融せずに耐えることが確認できたので、従来の耐火セラミックファイバー(RCF)からなる断熱材14Cと置き換えて使用しても実用に十分耐え得るといえる。これによって、断熱材14を耐火セラミックファイバー(RCF)からなる断熱材14Cから生体溶解性無機質繊維(BSF)からなる断熱材14Aに置き換えた場合には、人体への影響を極めて低くすることができ、作業者の健康被害を防止することができる。
次に、耐火物の断熱構造に係る第2実施例を示す。図1に示すように、第2実施例に係る耐火物10Aの断熱構造は、耐火物本体11、耐酸化層12、耐熱保護層13が、第1実施例と同様の構成である。そのため、説明を省略する。
第1実施例に係る耐火物の断熱構造と、第2実施例に係る耐火物の断熱構造の相違は、第1実施例に係る耐火物の断熱構造をなす断熱材14が生体溶解性無機質繊維(BSF)からなる断熱材14Aであるのに対し、第2実施例に係る耐火物10Aの断熱構造は、アルミナ繊維(AF)からなる断熱材14Bを有している点である。
アルミナ繊維(AF)は、アルミナとシリカの重量比が70:30〜97:3であり、圧縮空気または遠心力を利用して生成される直径数μmで長さ数百mm以下のコットン状の繊維である。アルミナ繊維(AF)と耐火セラミックファイバー(RCF)は共にアルミナとシリカを主成分としているものではあるが、アルミナを多く含むアルミナ繊維(AF)が結晶質の繊維であることに対し、シリカを多く含む耐火セラミックファイバー(RCF)は非晶質である点が相違している。これにより、アルミナ繊維(AF)は、耐火セラミックファイバー(RCF)よりも融点が高く、耐熱性において優れている。しかしながら、アルミナ繊維(AF)は、第1実施例に記載した生体溶解性無機質繊維(BSF)と同様に、高温環境下で、耐酸化層12を形成する酸化防止剤と容易に反応して溶融しやすく、その場合には耐火セラミックファイバー(RCF)と同程度の耐熱性を維持できないという問題がある。また、酸化防止剤にとどまらず、当該アルミナ繊維(AF)からなる断熱材14Bは、従来の釉薬、たとえば耐火物本体11と断熱材を貼り合わせる接着剤として用いている耐熱性無機接着剤であっても、使用環境によっては当該耐熱性無機接着剤とアルミナ繊維(AF)が熱によって反応して、アルミナ繊維(AF)が溶融する場合がある。
しかしながら、上記の第1実施例で示したように、耐酸化層12と断熱材14との間には、高温環境下で断熱材14に対して非反応性を有する耐熱保護層13を設けた。そのため、耐酸化層12をなす酸化防止剤、又は従来の耐熱性無機接着剤が溶融した場合、溶融した酸化防止剤又は耐熱性無機接着剤は、耐熱保護層13で阻まれる。これによって、溶融した酸化防止剤又は耐熱性無機接着剤はアルミナ繊維(AF)からなる断熱材14Bへ浸透することができず、高温環境下で溶融した酸化防止剤等とアルミナ繊維(AF)からなる断熱材14Bが直接接触することを防止することができる。すなわち、耐熱保護層13は、高熱環境下でアルミナ繊維(AF)からなる断熱材14Bを、耐酸化層12から保護することができる。
上記の構成を有する耐火物10Aの断熱構造について、次に示すような実験を行った。以下に第2実施例に係る耐火物10Aの実験例と、比較対象の比較実験例を示し、図5に各実験に係る実験結果を示す。
実験の条件は、第1実施例と同様であり、耐火物本体11は、連続鋳造用ノズルとして用いられる黒鉛質耐火物からなる。耐火物本体11は、図1に示す内側面側11aに熱源を配置して加熱するように形成されている。耐火物本体11の外側面側には耐酸化層12が形成されている。実験に使用した断熱材14は、1mm厚、2mm厚、3mm厚、6mm厚、12mm厚、25mm厚と厚さを変えたが、実験結果に厚さを変えたことによる差異は認められなかった。そのため、図5の実験結果には25mm厚の断熱材14を使用した場合を示す。
図5に示す実験例となる耐火物10Aは、耐火物本体11上に耐酸化層12と2mm厚の耐熱保護層13を重ねて形成し、さらにアルミナ繊維(AF)からなる断熱材14Bを貼着して形成されている。
対して、図5に示す第1比較実験例は、アルミナ繊維(AF)からなる断熱材14Bに替えて、耐火セラミックファイバー(RCF)からなる断熱材14Cとしたものである。
そして、図5に示す第2比較実験例は、耐火物本体11上にコーティングした耐酸化層12の上に、耐熱保護層13を形成するアルミナ・シリカ(Al −SiO )系耐火物に替えて、従来の耐熱性無機接着剤からなる接着層13Aを2mm厚に形成し、さらにアルミナ繊維(AF)からなる断熱材14Bを貼着して形成したものである。
さらに、図5に示す第3比較実験例は、第2比較実験例に挙げたアルミナ繊維(AF)からなる断熱材14Bに替えて、耐火セラミックファイバー(RCF)からなる断熱材14Cとしたものである。
実験の結果、図5の実験例に示す通り、アルミナ繊維(AF)からなる断熱材14Bを備え、耐熱保護層13を有する耐火物10の断熱構造は、1500℃の高温環境下であっても当該断熱材14Bが溶融しないことが観察された。
そして、図5の第1比較実験例に示す通り、アルミナ繊維(AF)からなる断熱材14Bと同様に、耐火セラミックファイバー(RCF)からなる断熱材14Cも1500℃の高温環境下において溶融は認められない。
一方、耐熱保護層13と異なり、従来の耐熱性無機接着剤からなる接着層13Aを有する第2、第3比較実験例の場合、図5の第2比較実験例に示す通り、アルミナ繊維(AF)からなる断熱材14Bは、1200℃で溶融が観察され、図5の第3比較実験例に示す通り、耐火セラミックファイバー(RCF)からなる断熱材14Cの場合は、1400℃で溶融が観察された。
ここで、アルミナ繊維(AF)からなる断熱材14Bは、従来耐火セラミックファイバー(RCF)からなる断熱材14Cと同程度の耐熱性を備えているはずにもかかわらず、耐火セラミックファイバー(RCF)からなる断熱材14Cよりも低い温度で溶融している。これは、アルミナ繊維(AF)からなる断熱材14Bが、従来の耐熱性無機接着剤からなる接着層13Aに浸透した耐酸化層12の酸化防止剤と反応していることによるものである。
しかしながら、耐熱保護層13を設けた結果、図5の実験例及び第1比較実験例に示す通り、耐火セラミックファイバー(RCF)からなる断熱材14Cのみならず、従来であれば1200℃で溶融していたアルミナ繊維(AF)からなる断熱材14Bも1500℃の高温環境下に耐えられることが確認された。
ここで、連続鋳造用ノズルは、通常、使用前に約1400℃の高温環境下に数時間置かれて予熱される。本実験においてアルミナ繊維(AF)からなる断熱材14Bは1500℃まで溶融せずに耐えることが確認できたので、従来の耐火セラミックファイバー(RCF)からなる断熱材14Cと置き換えて使用しても実用に十分耐え得るといえる。これによって、断熱材14を耐火セラミックファイバー(RCF)からなる断熱材14Cからアルミナ繊維(AF)からなる断熱材14Bに置き換えた場合には、人体への影響を極めて低くすることができ、作業者の健康被害を防止することができる。
第1実施例に係る耐火物10の断熱構造、又は第2実施例に係る耐火物10Aの断熱構造によれば、図1に示すように、耐酸化層12と生体溶解性無機質繊維(BSF)からなる断熱材14A又はアルミナ繊維(AF)からなる断熱材14Bの間に、耐熱保護層13を設けるようにした。当該耐熱保護層13は、高温環境下で生体溶解性無機質繊維(BSF)からなる断熱材14A又はアルミナ繊維(AF)からなる断熱材14Bに対する非反応性を有するものである。
当該耐熱保護層13は、耐火物本体11の酸化を防止するために高温環境下で耐酸化層12を成す酸化防止剤が溶融したとき、図2に模式図を示し、図3に比較実験結果を示した通り、溶融した酸化防止剤と反応せず、また耐熱保護層13自身も溶融しないので、溶融した酸化防止剤が生体溶解性無機質繊維(BSF)からなる断熱材14A又はアルミナ繊維(AF)からなる断熱材14Bに浸透することを防止することができる。これによって、酸化防止剤と生体溶解性無機質繊維(BSF)からなる断熱材14A又はアルミナ繊維(AF)からなる断熱材14Bが高温環境下で接触することを、耐熱保護層13は防ぐことができる。
そして、図4に示した第1実施例に係る実験例及び各比較実験例と、図5に示した第2実施例に係る実験例及び各比較実験例から明らかなように、耐熱保護層13は、生体溶解性無機質繊維(BSF)からなる断熱材14A又はアルミナ繊維(AF)からなる断熱材14Bが溶融した酸化防止剤と反応して溶融することを防止することができる。
これによって、第1実施例に係る耐火物10の断熱構造と、第2実施例に係る耐火物10Aの断熱構造は、いずれもそれぞれ生体溶解性無機質繊維(BSF)からなる断熱材14A又はアルミナ繊維(AF)からなる断熱材14Bの断熱性、耐久性を向上させることができる。
また、耐熱保護層13は、溶融した酸化防止剤が生体溶解性無機質繊維(BSF)からなる断熱材14A又はアルミナ繊維(AF)からなる断熱材14Bに浸透することを防ぐだけではなく、耐火物本体11を一般的な釉薬でコーティングしたとき、或いは耐熱保護層13の下地として従来の耐熱性無機接着剤を耐火物本体11へ塗布したときに、当該釉薬又は耐熱性無機接着剤が、所定の高温環境下で溶融した場合にも生体溶解性無機質繊維(BSF)からなる断熱材14A又はアルミナ繊維(AF)からなる断熱材14Bへ浸透することを防ぐことができる。これにより、耐熱性無機接着剤ひいては一般的な釉薬を耐火物本体11にコーティングしている場合であっても、生体溶解性無機質繊維(BSF)からなる断熱材14A又はアルミナ繊維(AF)からなる断熱材14Bの断熱性、耐久性を向上させることができる。
10…第1実施例に係る耐火物、10A…第2実施例に係る耐火物、
11…耐火物本体、12…耐酸化層、
13…第1実施例及び第2実施例における耐熱保護層、13A…従来の耐熱性無機接着剤からなる接着層、
14…断熱材、14A…生体溶解性無機質繊維(BSF)からなる断熱材、14B…アルミナ繊維(AF)からなる断熱材、14C…耐火セラミックファイバー(RCF)からなる断熱材。

Claims (7)

  1. 内側面側に金属溶湯からなる高温物が接する耐火物本体と、
    当該耐火物本体を一様に覆う釉薬からなる被膜層と、
    当該被膜層の外側面側に配した、断熱材とからなる耐火物の断熱構造であって、
    前記被膜層と、前記断熱材の間に、
    厚さが0.1mm以上2mm以下で、前記断熱材に対する非反応性を有し、所定の割合で混合して形成したアルミナ及びシリカを主成分とするアルミナ・シリカ系耐火物である耐熱保護層を設け、
    高温環境下で前記被膜層の前記釉薬が溶融したとき、
    溶融した当該釉薬が前記断熱材と反応しないように、前記耐熱保護層が前記断熱材を保護するようにしたことを特徴とする耐火物の断熱構造。
  2. 前記断熱材が、生体溶解性無機質繊維からなることを特徴とする請求項1に記載の耐火物の断熱構造。
  3. 前記断熱材が、アルミナ繊維からなることを特徴とする請求項1に記載の耐火物の断熱構造。
  4. 前記断熱材が、フェルト状に形成されていることを特徴とする請求項又は請求項に記載の耐火物の断熱構造。
  5. 前記釉薬の溶融温度が、500℃〜1400℃であることを特徴とする請求項1に記載の耐火物の断熱構造。
  6. 前記釉薬が、1%〜30%のNaO及び1%〜20%のKOを含有する酸化防止剤であって、前記被膜層が、前記耐火物本体の酸化を防止する耐酸化層であることを特徴とする請求項1若しくは請求項5に記載の耐火物の断熱構造。
  7. 前記耐火物が連続鋳造用ノズルであることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の耐火物の断熱構造。
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