JP3597641B2 - 金属精錬及び鋳造用耐火物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属精錬用の取鍋、タンディッシュ等の内張りとなる酸化物系耐火物、及び連続鋳造用の浸漬ノズル、ロングノズル、ロングストッパー等の炭素含有耐火物における酸化防止被膜を有する金属精錬及び鋳造用耐火物に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭素含有耐火物は、カーボン原料の特性を活かして、耐スラグ浸潤性、耐熱スポーリング性の大幅な向上を実現しており、連続鋳造用部材をはじめとする製鋼プロセスに広く使用されている。
しかし、この炭素含有耐火物の加熱時においては、カーボン(炭素)が酸化されて、耐火物性能を劣化させる原因となる。このため、ガス不透過性となるガラス状物質で炭素含有耐火物をコーティングして酸化を防止する手法が従来から広く実施されている。
耐火物にコーティングされる酸化防止剤は、カーボンが大気により酸化され始める温度(500℃)以上で溶融し、炭素含有耐火物の表面に被膜を形成して、空気あるいは溶鋼から炭素含有耐火物を遮断することにより酸化防止効果を発揮することが必要である。
このようなコーティングの材料は、長石系原料と溶融開始温度が400〜700℃であるフリットやガラス粉に、珪酸ソーダ、珪酸カリウム、燐酸アルミニウム、ポリビニルアルコール、メチレンセルロース等の水溶性バインダーを適宜混合したもの等からなり、これをスラリー状にして炭素含有耐火物の表面に塗布して使用されている。
【0003】
例えば、(1)特公昭56−52873号公報には、表面上に酸化防止層を有するアルミナカーボン質浸漬ノズルにおいて、上記酸化防止層は初めに抗酸化作用の有効温度範囲の最も高い酸化防止剤を塗布、乾燥し、以下有効温度範囲の高いものから低いものへ順次塗布、乾燥することによって形成された多層酸化防止層を有するアルミナカーボン質浸漬ノズルれんがが記載されている。
さらに、(2)特公平5−35709号公報には、骨材50〜90重量部、フリット10〜50重量部からなる粉末100重量部に複合アルコキシド部分加水分解ゾル35〜60重量部を添加した含炭素耐火物用酸化防止材が記載されている。(3)特開平5−43354号公報には、低融点ガラスと、Fe、Co、Cr、Ni、Mn等の遷移金属の酸化物と、ガラスのネットワークフォーマー(NWF)として作用するP、B、As、Si、Ge、Sb、Ti、Sn、Al、Zr等の金属と、シリカ系液状バインダーとの混和物を第1層として、低融点ガラスと、珪石、ろう石、シャモット、ムライト、アルミナ、溶融シリカ、ジルコニア等の耐火物原料と、シリカ系液状バインダーとの混和物を第2層として形成した黒鉛含有耐火物の酸化防止剤が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記(1)〜(3)の各公報に開示されている従来の酸化防止剤は、いずれも大気酸化に対する抵抗性を高めることを主目的として使用されるものであって、以下(1)〜(3)に示すような理由から耐火物中の炭素の溶鋼への溶脱(以下溶鋼酸化という)及び大気酸化を有効に防止することができないという問題点を有している。
(1)特公昭56−52873号公報に記載のアルミナカーボン質浸漬ノズルれんがでは、耐火物の表面に有効温度範囲の高いものから低いものへ順次酸化防止層を配置して、浸漬ノズル加熱昇温時の広い温度範囲において酸化防止効果を発揮させることを意図したものである。
しかし、このような多層酸化防止層においては、低温度域で外側の低融点層が溶融し、ガラス化する際に、低融点層が内側の未溶融状態の高融点層と共に流出して、高温度領域では耐火物部分が部分的に露出するために、その溶鋼酸化及び大気酸化の防止機能を充分に発揮し得ない。
(2)特公平5−35709号公報に記載の骨材、フリットからなる粉末に複合アルコキシド部分加水分解ゾルの特定範囲量を添加してなる含炭素耐火物用酸化防止材の場合には、耐火物表面に酸化防止剤を塗布あるいは吹き付ける際の施工性が改善されるが、低融点成分であるフリットが使用環境下における低温度域で溶融、減耗して高温度域まで酸化防止効果を維持することが困難である。
(3)特開平5−43354号公報に記載の黒鉛含有耐火物における酸化防止剤は、第1層においてガラスのネットワークフォーマーとなる金属を遷移金属酸化物により酸化してガラスを生成させると共に、該遷移金属の炭化物を生成させることにより炭素含有耐火物との濡れ性の向上を図るものであり、低融点ガラスを含む第2層の融点が低いために、前記と同様に低温度領域での第2層の流出に伴って第1層も流出して前述の効果を発揮し得えない。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、大気酸化及び溶鋼酸化を共に効率的に防止することができる炭素含有耐火物を提供することを目的とするが、それに留まらず、シリカ等の酸化物系耐火物と溶鋼やスラグとの接触を抑制して、耐久性を向上させることができる金属精錬及び鋳造用耐火物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う請求項1記載の金属精錬及び鋳造用耐火物は、耐火物の酸化防止被膜を有する金属精錬及び鋳造用耐火物において、
前記酸化防止被膜が、シリコンアルコキシドを主体とする金属アルコキシドの部分加水分解物及び低融点酸化物を含んで前記耐火物の表面に配置される100〜3000μmの厚みの低融点被膜層と、前記部分加水分解物及びジルコニア系原料を用いた高融点酸化物を含んで前記低融点被膜層の上に配置される100〜3000μmの厚みの高融点被膜層とを有し、前記耐火物が、取鍋、タンディッシュ等の金属精錬用内張り耐火物及び/又はロングノズル、浸漬ノズル、ロングストッパー等の連続鋳造用炭素含有耐火物である。
請求項2記載の金属精錬及び鋳造用耐火物は、請求項1記載の金属精錬及び鋳造用耐火物において、前記低融点酸化物が長石類及び/又はフリットである。
【0007】
金属アルコキシドとは、金属に一つもしくはそれ以上のアルコキシル基(アルキル基に酸素原子一つを付与した基)が結合した化合物であり、アルコールの水酸基の水素を金属で置換することにより得られ、容易に加水分解されて金属アルコキシドの部分加水分解物を生じる。
また、金属アルコキシドには、Si系としてメチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、及びテトラエトキシシラン等を含み、さらに、Ti、Al、Zr系のアルコキシドにはそれぞれチタニウムイソプロポキシド、チタニウムプトキシド等のイソプロポキシド及びプロポキシド系化合物が含まれる。
金属アルコキシドの部分加水分解物とは、シリコン(Si)アルコキシド、チタニウム(Ti)アルコキシド、アルミニウム(Al)アルコキシド、ジルコニウム(Zr)アルコキシド、さらには前記シラン類及びプロポキシド類から選ばれた少なくとも1種以上からなる複合金属アルコキシドを部分加水分解してゾル化したものをいう。
【0008】
低融点酸化物とは、耐火物の使用温度の範囲、例えば500℃〜1550℃の温度範囲で溶融してガラス相を形成するような長石、ガラス屑、フリット等の酸化物をいう。
高融点酸化物とは、ジルコニア、アルミナ、マグネシア等の溶鋼温度において溶融しないような高融点の酸化物をいう。
【0009】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し本発明の理解に供する。
図1は本発明の一実施の形態に係る金属精錬及び鋳造用耐火物を適用した連続鋳造装置10の概略図である。
同図に示されるように連続鋳造装置10は、溶鋼11を保持する取鍋12と、取鍋12の下部に設けられ前記溶鋼11を排出するためのロングノズル13と、ロングノズル13を介して排出される溶鋼11を受鋼するタンディッシュ14と、タンディッシュ14の下部に設けられ溶鋼11を連続鋳造鋳型15に注入するための鋳造用耐火物の一例である浸漬ノズル16とを有する。
取鍋12の内張り耐火物はアルミナシリカ質、あるいはアルミナマグネシア質等の酸化物系耐火物からなり、溶鋼11あるいはスラグと接触する耐火物表面の一部、例えば、取鍋12の底面部分に後述する酸化防止被膜18が形成されている。
ロングノズル13、及び浸漬ノズル16は内部に溶鋼11が通過するように形成された略円筒状の耐火物であり、アルミナカーボン質等の炭素含有耐火物からなる。
そして、図1に示すようにロングノズル13、浸漬ノズル16の大気と接触する表面部分、及び必要に応じて溶鋼11と接する表面部分に後述するが酸化防止被膜18が形成されている。
ここで、図2は前記浸漬ノズル16の断面の模式図であり、溶鋼の流通孔21の側に配置された酸化防止被膜が省略されたものを示している。耐火物の一例であるアルミナカーボン質れんが17の表面に第1層として低融点被膜層19が配置され、さらにその上に高融点被膜層20が積層されて、酸化防止被膜18が形成されている。
【0010】
このように、本発明の一実施の形態に係る金属精錬及び鋳造用耐火物においては、それぞれスラリー状の塗布材を耐火物表面に刷毛塗りあるいはスプレー塗装等の操作により塗布して、低融点被膜層19と高融点被膜層20とを順に形成させて、低温から高温までの広い範囲にわたって大気酸化及び溶鋼酸化による炭素含有耐火物の損耗を効果的に防止するものである。
さらに、金属精錬用容器であるタンディッシュ14あるいは取鍋12の内張り耐火物である高アルミナ質、粘土・ろう石質、ジルコン質等のシリカ含有酸化物系耐火物に塗布した場合には、第2層である高融点被膜層20により溶鋼11、及びスラグとの直接接触が防止できるために、シリカの還元や溶出による耐火物の損耗を阻止することができる。
【0011】
以下、前記低融点被膜層19及び高融点被膜層20からなる酸化防止被膜18を耐火物の表面に形成することによる酸化防止効果について説明する。
前記被膜層19、20の結合剤(バインダー)として使用するシリコンアルコキシドを主体とする部分加水分解物は、加熱すると分解してほぼシリカ(SiO2 )となり強固な被膜層を形成するものである。
前記部分加水分解物はSiO2 としての含有量が少ないので、高融点被膜層20中では、その高融点酸化物間に低融物が生成しないと考えてよい。
特に、高融点酸化物としてジルコニア系原料を使用した高融点被膜層20の場合には、1600℃以下の低融点化合物が生成することがなく、溶鋼11温度(約1550℃)においても溶融しない被膜層が得られる。
【0012】
一方、フリットを含む低融点酸化物、バインダー(シリコンアルコキシドを主体とする部分加水分解物)からなる低融点被膜層19においては、該低融点被膜層19の融点が400〜1300℃の所望溶融温度となるように、各種の低融点酸化物及び/又はフリットとの配合量を適宜選択することができる。
前記低融点被膜層19とその上に形成される高融点被膜層20を、2層あるいは3層以上となるように交互に形成してなる酸化防止被膜は、温度の上昇に伴って、まず、炭素含有耐火物中のカーボンの大気酸化が生じる温度域で、第1の塗布材で形成された低融点被膜層19が溶融してガラス被膜を形成し、これにより大気酸化による酸化防止効果を発揮させることができる。
【0013】
この低融点被膜層19は、溶融時に高融点被膜層20と密着して高融点被膜層20の流出を防止する効果を有する。
高融点被膜層20は、融点が溶鋼11温度よりも高いので溶鋼11温度まで温度が上昇しても流出しないため、高融点被膜層20より内側の低融点被膜層19を保持して、溶鋼酸化を防止することができる。
このように、低融点被膜層19、及び高融点被膜層20が、溶鋼11浸漬後に適当な粘性を維持するように、両被膜層の融点を調整することで、長期間にわたって炭素含有耐火物の大気酸化並びに溶鋼酸化を防止する効果が得られる。
【0014】
以下、前記低融点被膜層19及び高融点被膜層20を形成させる塗布材についてさらに具体的に説明する。
まず、酸化防止被膜18におけるバインダーについて説明する。
本発明者等は、特開平1−297471号公報において、シリコンアルコキシド、チタニウムアルコキシド、アルミニウムアルコキシド、ジルコニウムアルコキシドから選ばれた少なくとも1種以上からなる複合アルコキシドの部分加水分解物を含む無機耐熱組成物を酸化防止被膜18用の材料として提案している。
この複合アルコキシド部分加水分解物を含むゾル(複合アルコキシド部分加水分解ゾル)は、それ自体が室温自硬性を有するバインダーである。
このようなゾルを用いて被膜を厚く形成した場合でも、その被膜硬化時の収縮量を抑制することが可能であり、例えば500μm以上の膜厚としてもその亀裂の発生を抑えることができる。
そして、このような複合アルコキシド部分加水分解ゾルに、耐火性の骨材として例えば、シリカ、チタニア、ジルコニア、アルミナ等の酸化物、炭化珪素、炭化硼素等の炭化物、窒化珪素、窒化硼素等の窒化物を配合することにより、それらの組成物に耐熱性、耐酸性、耐アルカリ性、電気絶縁性、熱伝導性等の必要な特性を付与することができる。
【0015】
以上の理由から本発明の酸化防止被膜18に適用するバインダーには、シリコンアルコキシドを主体とする部分加水分解ゾルを使用するものであり、上記した特性を有する複合アルコキシド部分加水分解物(シリコンアルコキシドを主体とし、これにチタニウムアルコキシド、アルミニウムアルコキシド、ジルコニウムアルコキシドから選ばれた少なくとも1種以上からなる複合アルコキシドを部分加水分解したもの)を使用することができる。
また、例えば前記複合アルコキシド部分加水分解物として、Si系のメチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、及びテトラエトキシシラン等、さらにはTi、Al、Zr系アルコキシドであるイソプロポキシド及びプロポキシドを用いることができる。
ここで、前記複合アルコキシド部分加水分解ゾルの配合量は後述する低融点酸化物、及び高融点酸化物を100重量部として、10〜60重量部となるようにすることが好ましい。
複合アルコキシド部分加水分解ゾル、即ちバインダーの量が60重量部を超えると、被膜材の粘性が低下し、流動性が増加するため、塗布時にタレが発生し、所定の厚みを確保できない、更に乾燥時に収縮が発生し亀裂が生じるので好ましくない。
逆に、10重量部未満ではバインダーとして必要な結合力を維持することができない。
また上記バインダーの配合量は、塗布手段によっても若干異なる。
例えば、作業性の観点から、へら等により塗布する場合には、バインダーの配合量は10〜15重量部の範囲とすることが好ましく、また、スプレー塗布を行う場合には、45〜60重量部の範囲とすることがより望ましい。
【0016】
次に、低融点被膜層19について説明する。
低融点被膜層19には、融点が1600℃以下の酸化物を骨材として使用する。例えば前記骨材としてアルカリ長石、斜長石等の長石類、碍子破砕物、ガラス破砕物、フリット、シリカ、コーディエライト等を複数配合して使用することができる。
この低融点被膜層19となる塗布材は、骨材(但しフリットを除く)50〜90重量部、フリット10〜50重量部からなる粉末100重量部に複合アルコキシド部分加水分解ゾル35〜60重量部を添加して得られるものであり、使用環境、目的等に応じて、これらの配合組成を調整して所望の溶融温度が得られるようにする。
例えば、低融点被膜層19の融点として600〜1000℃の温度域が必要な場合には、長石類やガラス破砕物を主体に配合を構成し、また1000〜1300℃の高温度域に対しては、碍子破砕物を主体とした配合組成物を適用する。
低融点被膜層19の配合成分となるフリットには、軟化開始温度が350〜750℃の硼珪酸フリット、硼珪酸ソーダ鉛系フリット、硼珪酸鉛系フリット、及びアルミナ硼珪酸ソーダ系フリット等を使用することができる。
また、シリカ、コーディエライト等を配合して、融点、粘性等を調整することができる。
前記低融点酸化物の粒度は、1000μm以下であって、かつ例えば0〜44μm、44〜750μm、750〜1000μm等の粒度範囲の粉粒体を数種類配合しておくことが望ましい。
その理由は、粒度範囲の異なる粉粒体を数種類配合することで、厚膜化が可能となり、かつ組織的に強固な塗膜を得ることができるからである。
例えば、数μmの粒径範囲の微粒子のみからなる塗布材を厚膜化して乾燥した場合、塗布材に亀裂が生じやすく、しかも厚塗りに必要な作業性を確保することが困難である。
また、数100μm程度の大きさに限定された粒子のみでも、塗布時の作業性が悪くなり、強度が低下して僅かな衝撃でこれらの粒子が脱落するからである。
【0017】
長石類、碍子破砕物、ガラス破砕物、シリカ、コーディエライト等の低融点酸化物の配合量は塗布材の全量100重量部に対して50〜90重量部の範囲とすることが好ましい。
即ち、低融点酸化物の配合量が50重量部未満では、ガラス粘性が低下し過ぎてガラス厚みが不均一となるので好ましくなく、逆に90重量部を超えるとガラス生成温度が高くなり、大気酸化防止効果が不充分となると共に、低融点被膜層19と高融点被膜層20との接着性を低下させる原因となる。
なお、低融点被膜層19において、本発明の特性を損なわない範囲で炭化珪素等の炭化物や硼化珪素等の硼化物を添加することも可能であり、さらに、低融点被膜層19の材料として、本発明者等が先に提案した炭素含有耐火物用の酸化防止剤(特公平5−35709号公報)を使用することもできる。
【0018】
続いて、高融点被膜層20について説明する。
高融点被膜層20における骨材として配合される高融点酸化物には、その融点及び、耐食性の観点からジルコニア系原料が好ましい。
この高融点被膜層20となる塗布材は、ジルコニア系原料である骨材100重量部に対して10〜60重量部の複合アルコキシド部分加水分解ゾルを添加して得られるものである。
前記ジルコニア系原料にはイットリア及び/又はカルシア、マグネシアを含む安定化ジルコニア、ジルコニア(バデライト)を使用することができ、この中でも、特に耐スラグ性に優れているイットリア安定化ジルコニアを使用することができる。
また、前記ジルコニア系原料の耐食性は、骨材の純度が高い程良好であるため、ジルコニア系原料の純度はジルコニア(ZrO2 )+イットリア(Y2 O3 )+カルシア(CaO)+マグネシア(MgO)の合量で90重量部以上、より好ましくは95重量部以上とすることが好ましい。
また、高融点酸化物の粒度としては、1000μm以下であって、粒度の異なる粉粒体を数種類配合するのが好ましい。
その理由は、前記低融点被膜層19の場合と同様に、粒度の異なる粉粒体を数種類配合することで、厚膜化が可能となり、かつ組織的に強固な塗膜を得ることができるからであり、例えば数μmの微粒子のみでは、塗布材の乾燥時に亀裂が生じやすく、しかも厚塗りが難しくなる。また数100μm程度の粒子1種類のみでは空隙率が高くなって緻密な被膜が得られず、粒子間の接触面積が少ないために僅かな衝撃でこの粒子が脱落するからである。
【0019】
そして、前記説明した低融点被膜層19及び高融点被膜層20の厚みはそれぞれ100〜3000μm、より好ましくは500〜1500μmの範囲とする。
各被膜層の厚みが100μm未満では、厚みが薄いために不均一となり易く、逆に、3000μmを超えると乾燥時にクラックの発生が多くなるので好ましくない。
低融点被膜層19、及び高融点被膜層20において、バインダーとしてシリコンアルコキシドを主体とする部分加水分解物を用いることにより、被膜を厚くして、かつ乾燥硬化時の収縮を抑制する効果が得られる。
従って、このシリコンアルコキシドを使用する場合には、1500μm以上の層厚でもクラックの発生が少なく、しかも強固に接着できる特徴を持つが、この塗布層の厚さが3000μmを超えると、上記したように乾燥時にクラックの発生が多くなるので好ましくない。
【0020】
前記低融点被膜層19と高融点被膜層20の形成順序は耐火物の母材側を低融点被膜層19としてその上に形成される高融点被膜層20を第2層とすることが以下の理由から重要である。
耐火物側の第1層を高融点被膜層20とした場合には、耐火物との熱膨張係数の差が大きくなり剥離し易くなる。
また、耐火物と高融点被膜層20との間に低融点被膜層19を介在させることにより、低融点被膜層19の溶融時の密着性と接着性とにより高融点被膜層20を十分に安定に保持して、耐火物の耐大気酸化性が確保されると共に、第2層の高融点被膜層20によって耐溶鋼酸化性が強化され、溶鋼11やスラグに対する耐食性を維持することができる。
そして、本発明においては、前記高融点被膜層20(第2層)の上にさらに低融点被膜層19(第3層)を塗布することも可能である。この場合には、第3層となる低融点被膜層の存在により第2層である高融点被膜層20の剥離や亀裂を抑制できる利点を有する。
なお、この第3層を形成する塗布材としては、前記第1層の塗布材即ち、低融点被膜層19の原料を使用することができる。
【0021】
以上説明したように、前記酸化防止被膜18は、高アルミナ質、粘土・ろう石質、ジルコン質等の取鍋12、タンディッシュ14用の内張り耐火物、及びアルミナカーボン質、マグネシアカーボン質、ジルコニアカーボン質等からなるロングノズル13、浸漬ノズル16、ロングストッパーに適用することができ、特に予熱時や使用時に大気や溶鋼11に曝されることの多い連続鋳造用耐火物に適用した場合に、この酸化防止被膜18の効果を最も発揮させることができる。
【0022】
【実施例】
以下に前記酸化防止被膜を適用した試料の試験結果について詳細に説明する。
表1及び表2は、各種耐火物の表面に酸化防止被膜18を形成して、これらの試料を各種の酸化条件下で処理した結果を示している。
まず、酸化防止被膜18を形成させる炭素含有耐火物及び、シリカ含有耐火物の母材(厚み30×幅30×長さ160mmの試料)を準備する。
ここで、表1の実施例1〜4及び表2の比較例1〜3に示す炭素含有耐火物は、アルミナ:65重量%、炭化珪素:5重量%、炭素:30重量%の組成を有する耐火物であり、表1の実施例5〜7、及び比較例4〜6に示すシリカ含有耐火物は、それぞれ高アルミナ質(シリカ=7wt%含有)、ジルコン質(シリカ=43wt%含有)、ろう石質(シリカ=76wt%含有)に対応する炭素を含まない耐火物である。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
そして、低融点酸化物あるいは高融点酸化物よりなる骨材部分と複合アルコキシド部分加水分解物(部分加水分解物)からなるバインダーとを表1、表2に示す配合割合にそれぞれ調整し、これを混練して各スラリーを作成して、前記耐火物の表面にスプレー、あるいは刷毛等を用いて前記スラリーを塗布し、それぞれの被膜を有する試料(実施例1〜7、比較例1〜6)を得た。
なお、低融点被膜層19(第1層)、高融点被膜層20(第2層)、及び低融点被膜層19(第3層)のそれぞれの厚みは約1.0mmとなるように調整した。
本実施例において、骨材となる低融点酸化物及び高融点酸化物の粒度は300μm以下であり、バインダーにはSi/Ti比が10/1のシリコンアルコキシドとTiアルコキシドの複合アルコキシド部分加水分解物のゾルを用いた。
複合アルコキシド部分加水分解物のゾルは、金属アルコキシドのOR基と水とのモル比が1を超え、OR基が残存している状態のゾルであり、ゾル中のOR基の残存率は30〜95モル%の範囲とすることが以下の理由から好ましい。
即ち、30モル%未満では、結合力が不足して強固な酸化被膜を形成することができず、また95モル%を超えると、ゾルの粘性が高くなり過ぎるために耐火物表面への均一なコーティングが困難となるためである。
【0026】
金属アルコキシドの部分加水分解物を得る手段としては、室温での加水分解法、還流下での加水分解法、触媒を添加しての加水分解法がある。
金属アルコキシドの部分加水分解ゾルを簡単に得るには、まず、シリコンアルコキシド溶液に、水との相溶性が高い溶媒であるエチルアルコール、イソプロパノール、メチルアルコール等のアルコール類を加える。次に、その溶液に塩酸、酢酸等を添加した酸性水をシリコンアルコキシドのアルコキシル基の総モル数未満の量を加え、さらに1種以上の金属アルコキシドを特定量添加、撹拌すると透明な複合アルコキシド部分加水分解ゾルを得ることができる。
さらに、低融点酸化物であるフリットには融点が400℃である硼珪酸系フリットを、ガラス屑には融点1100℃の珪酸系ガラスをそれぞれ使用し、これらに融点が約1200℃であるカリ長石及びバインダーを配合して第3層の低融点被膜層19となる塗布材とした。なお、表1の実施例2、4に示すように前記カリ長石の含有量は零であってもよい。
【0027】
そして、以下に示すテストA〜Dの評価試験を行うことにより、それぞれの試料を評価した。
テストA:作成した試料を600℃に加熱した大気雰囲気の電気炉内に1時間保持して、それぞれの試料について酸化層の厚み(単位:mm)を測定することにより大気雰囲気中での酸化特性を評価する。
テストB:溶鋼11中における酸化特性を評価するために、500ppmの酸素濃度を有する高酸素鋼を1600℃に保持し、該高酸素鋼中に試料を6時間浸漬させて、耐火物中の炭素の溶鋼11への溶脱に由来する損傷深さ(単位:mm)を測定する。
テストC:1650℃に保持した連続鋳造用モールドパウダー中に前記各試料を30分間浸漬させて、試料厚みの減少量(単位:mm)を測定する。
テストD:金属アルミ0.01wt%を含む1600℃の溶鋼11中に各試料を6時間浸漬し、その損傷深さ(単位:mm)を測定した。
【0028】
さらに表2に示す組成の被膜層を前記試料に形成させて比較試料1〜6を作成して、該比較試料を前記実施例と同様にテストA〜Dを実施して、比較例1〜6に示す結果を得た。
表1に示すテストAの結果から明らかなように実施例1〜4の大気中試験における酸化層の厚みは全て零であり、大気酸化に対する顕著な防止効果が生じることが分かる。
かつテストB、及びテストCの試験結果から溶鋼酸化防止効果、連続鋳造用モールドパウダー中における酸化防止効果が認められた。
これに対して、低融点被膜層19のみからなる比較例1においては、この低融点被膜層19にさらに高融点被膜層20を塗布した実施例1と比較して、大気酸化防止効果、及び溶鋼酸化防止効果がいずれも劣る結果となった。
また、高融点塗布層のみからなる比較例2、及び第3層の低融点塗布層を塗布しない比較例3においても、テストA〜Cの結果から明らかなように、大気酸化防止効果、及び溶鋼酸化防止効果が共に劣るものであった。
なお、実施例1と実施例2との対比、及び実施例3と実施例4との対比から明らかなように、第3層となる低融点塗布層を設けることにより、第1、及び第2層のみからなる場合に較べて、溶鋼酸化防止効果がより一層改善されることが認められた。
【0029】
実施例5〜7、及び酸化防止被膜18を有しない比較例4〜6の試料についてはテストDのみを実施した。
この実施例5〜7の結果が示すように、高融点被膜層20の存在によりアルミを含む鋼に対して耐食性が向上していることが認められた。
なお、実施例5に示す酸化防止被膜18(低融点被膜層19と高融点被膜層20)をアルミナ51wt%、炭素+炭化珪素39wt%、シリカ9wt%よりなるロングノズル13に実際にコーティングして、タンディッシュ14で使用したが、このような酸化防止被膜18を有しない無塗布品が16チャージであったの対して、21チャージと良好であった。
また、実施例6に示す酸化防止被膜18をアルミナ51wt%、炭素+炭化珪素33wt%、シリカ15wt%よりなる浸漬ノズル16に塗布して実際に使用した。酸化防止被膜を有しない従来品では3チャージまで耐用するが、それに比べて酸化防止被膜を施した浸漬ノズルでは5チャージ耐用するという良好な結果が得られた。
【0030】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、本実施の形態においては、特定組成の高融点酸化物及び低融点酸化物を用いる例について説明したが、本発明は低融点被膜層19と高融点被膜層20とを順に耐火物上に積層配置することにより、広い温度範囲に対応した耐酸化特性を耐火物に付与するものであり、前記特定組成の範囲に限定されることなく、適用されるものである。
【0031】
【発明の効果】
請求項1、2記載の金属精錬及び鋳造用耐火物においては、酸化防止被膜が、シリコンアルコキシドを主体とする金属アルコキシドの部分加水分解物及び低融点酸化物を含んで前記耐火物の表面に配置される低融点被膜層と、前記部分加水分解物及び高融点酸化物を含んで前記低融点被膜層の上に配置される高融点被膜層とを備えているので、低温度領域では前記低融点被膜層が高融点被膜層によって支持され流出が抑制されると共に、低融点被膜層の溶融により耐火物の酸化防止が図られ、一方、高温度領域においても高融点被膜層により溶鋼あるいはスラグに対する抵抗性を保持させることができる。
従って、このように低融点被膜層、及び高融点被膜層を耐火物に順に積層させることにより、前記したような大気酸化、溶鋼酸化に対する優れた耐酸化性を有し、しかも溶鋼やスラグに対する良好な耐食性を発揮させることができる。
また、耐火物が、取鍋、タンディッシュ等の金属精錬用内張り耐火物及び/又はロングノズル、浸漬ノズル、ロングストッパー等の連続鋳造用炭素含有耐火物であるので、過酷な酸化あるいは溶鋼摩耗等に曝される連続鋳造用炭素含有耐火物の耐用性を高めて、炉材原単位を減少させ、連続鋳造操業の生産性を向上させることができる。
【0032】
特に、請求項2記載の金属精錬及び鋳造用耐火物においては、低融点酸化物が長石類及び/又はフリットであり、高融点酸化物がジルコニア系原料からなるので、さらに効果的に大気酸化並びに溶鋼酸化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る金属精錬及び鋳造用耐火物を適用する連続鋳造設備の概略図である。
【図2】同連続鋳造設備における浸漬ノズルの平断面図である。
【符号の説明】
10 連続鋳造装置 11 溶鋼
12 取鍋 13 ロングノズル
14 タンディッシュ 15 連続鋳造鋳型
16 浸漬ノズル(鋳造用耐火物)
17 アルミナカーボン質れんが(耐火物)
18 酸化防止被膜 19 低融点被膜層
20 高融点被膜層 21 流通孔
Claims (2)
- 耐火物の酸化防止被膜を有する金属精錬及び鋳造用耐火物において、
前記酸化防止被膜が、シリコンアルコキシドを主体とする金属アルコキシドの部分加水分解物及び低融点酸化物を含んで前記耐火物の表面に配置される100〜3000μmの厚みの低融点被膜層と、前記部分加水分解物及びジルコニア系原料を用いた高融点酸化物を含んで前記低融点被膜層の上に配置される100〜3000μmの厚みの高融点被膜層とを有し、前記耐火物が、取鍋、タンディッシュ等の金属精錬用内張り耐火物及び/又はロングノズル、浸漬ノズル、ロングストッパー等の連続鋳造用炭素含有耐火物であることを特徴とする金属精錬及び鋳造用耐火物。 - 前記低融点酸化物が長石類及び/又はフリットであることを特徴とする請求項1記載の金属精錬及び鋳造用耐火物。
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