JP2014074203A - 真空脱ガス槽用天蓋 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、多孔質のCaO・6Al2O3を含む耐火物を有し、多孔質のCaO・6Al2O3の耐火物に占める割合が40〜80質量%である表面層を有することを特徴とする、真空脱ガス槽用天蓋が提供される。本発明によれば、表面層の熱容量及び熱伝導率が低くなり、かつ、表面層が地金と反応層を形成しにくいので、天蓋への地金付着が抑制される。
【選択図】図1
Description
上述したように、従来は、天蓋への地金の付着を効果的に抑制することができなかった。そこで、本発明者は、地金の付着を抑制可能な耐火物が満たすべき要件について鋭意検討し、以下の3つの要件に想到した。
溶鋼は、天蓋の耐火物に接した際に、天蓋の耐火物に熱量を奪われることで凝固し、地金として天蓋に付着すると考えられる。したがって、耐火物の熱容量が大きいほど、天蓋に付着した溶鋼から熱量が奪われやすい。このため、溶鋼が凝固しやすくなる。言い換えれば、地金が成長しやすくなる。そこで、天蓋の耐火物には、熱容量が低いことが要求される。耐火物の熱容量を下げる(小さくする)ことで、溶鋼が耐火物に奪われる熱量が小さくなる。したがって、溶鋼が凝固しにくくなるので、地金が成長しにくくなる。ここで、耐火物の熱容量を下げるためには、耐火物の嵩比重(嵩比重)を下げることが効果的である。
耐火物の表面温度(作業領域に対向する面の温度)が低いほど、天蓋に付着した溶鋼から熱量が奪われやすい。このため、溶鋼が凝固しやすくなる。言い換えれば、地金が成長しやすくなる。そこで、天蓋の耐火物には、熱伝導率が低いことが要求される。耐火物の熱伝導率が低いほど、表面温度が上がる。したがって、溶鋼が凝固しにくくなるので、地金が成長しにくくなる。通常、天蓋の耐火物の表面温度は1000〜1400℃程度であるので、この温度をなるべく維持することが肝要で、特にこの温度域において熱伝導率が低く且つ耐熱性に優れた耐火物を使用することが好ましい。
耐火物が溶鋼に濡れやすい場合には、耐火物に容易に溶鋼が付着する。また、耐火物が溶鋼と反応層を形成する場合、地金が耐火物に強固に付着する。このため、地金取りの作業がさらに困難になる。さらに、地金が耐火物と反応層を形成すると、地金取りの際に、反応層も同時に耐火物から剥離する。したがって、補修頻度が多くなるといった問題もある。そこで、天蓋の耐火物には、溶鋼に濡れにくく、かつ溶鋼と反応層を形成しにくいことが要求される。このような耐火物を天蓋に使用することで、天蓋への地金付着が抑制され、地金取りが容易となる。
つぎに、図1に基づいて、本実施形態に係る天蓋が適用されるRH真空脱ガス槽の概要について説明する。図1に示すように、RH真空脱ガス槽1は、天蓋2、真空槽3、排気ダクト5、合金用シュート6、ランス7、及び浸漬管8を備える。RH真空脱ガス槽1には、取鍋9内の溶鋼100が導入される。そして、溶鋼100は、真空槽3内で精錬される。例えば、溶鋼の脱ガス、酸素吹錬による溶鋼の脱炭、合金投入による溶鋼の成分調整が行われる。
次に、図2及び図3に基づいて、天蓋2の詳細な構成について説明する。天蓋2は、鉄皮21と、表面層22と、背面層23と、スタッド24とを備える。天蓋2は、円盤形状となっており、その中央にはランス7が貫通する貫通穴(ランス口25)が形成されている。
(天蓋の準備)
表1に示す構成の天蓋2を用意した。すなわち、実施例1では、CA6キャスタブル(黒崎播磨EXEL-308S)からなる表面層22を用いて天蓋2のライニング層を形成した。実施例2では、実施例1の表面層22と軽量キャスタブル(DW100BT、黒崎播磨社製)からなる背面層23とを用いてライニング層を形成した。実施例3では、実施例2の背面層を2層構造とし、第1層(作業領域30に近い側の層)を軽量キャスタブルで構成し、第2層を断熱シート(WDS)で構成した。CA6キャスタブル及び軽量キャスタブルの組成を表2、3に示した。
天蓋の構成を表1の構成とし、RH真空脱ガス槽1を用いて溶鋼100の二次精錬を行った。操業条件は以下のとおりである。
(1)溶鋼温度:1700℃
(2)溶鋼の種類(鋼種):SULC鋼
(2)チャージ数:2000
(3)1チャージ当りの溶鋼量:150ton
(4)二次精錬の内容:ランス7から脱炭用酸素を10〜30m3(標準状態)/分の流速で処理領域30内に吹き込んだ。すなわち、本実施例及び比較例では、脱炭用酸素の流速を10〜30m3(標準状態)/分の範囲内で変更しながら、脱炭用酸素を処理領域30内に吹き込んだ。吹き込み時間は30分とした。また、吹き込み終了後に脱酸剤として金属アルミニウムを60kg投入した。
操業中に天蓋2の各部分の温度を測定した。さらに、鉄皮表面(外気に対向する面)の温度に基づいて、放射熱量を算出した。なお、測定時の処理領域30(炉内雰囲気)の温度は1400℃、外気(大気)は40℃であった。測定結果及び算出結果を表4に示す。
操業後に地金の厚さ(最も厚い部分の厚さ)を測定した。測定結果を表5に示す。
また、操業後、地金取り作業を行った。実施例1〜3では、天蓋2をRH真空脱ガス槽1から取り外す際に、天蓋2を地金から容易に引き剥がすことができた。また、地金は比較例1、2よりも薄かったので、地金をRH真空脱ガス槽1から容易に取り外すことができた。一方、比較例1、2では、地金が天蓋2に強固に結合しており、天蓋2をRH真空脱ガス槽1から取り外す際に、天蓋2から地金を引き剥がすのに非常に手間がかかった。さらに、地金は実施例1〜3よりも厚かったので、地金をRH真空脱ガス槽1から取り外すのに非常に手間がかかった。
実施例1〜3、及び比較例1、2を比較すると、比較例1、2の天蓋2の断熱性は実施例1〜3よりも低い。さらに、比較例1、2は実施例1〜3に比べて放射熱量が非常に大きい。そして、比較例1、2における地金の厚さも実施例1〜3よりも大きくなっている。したがって、比較例1、2では、天蓋2が溶鋼100から大量の熱量を奪い、外部に放出した結果、天蓋2に大量の地金が付着したものと推察される。さらに、実施例1〜3では、天蓋2を地金から容易に引き剥がすことができたのに対し、比較例1、2では、天蓋2に地金が強固に結合していたので、天蓋2を地金から引き剥がすのに非常に手間がかかった。したがって、比較例1、2では、地金と天蓋2の耐火物(表面層22の耐火物)とが反応層を形成していたものと推察される。また、実施例1〜3では、炉内雰囲気の温度の低下がほとんど見受けられなかったのに対し、比較例1、2では炉内雰囲気の温度低下が見受けられた。実施例1〜3では、天蓋2の断熱性が非常に高いためであると考えられる。したがって、実施例1〜3では、副次的な効果として、炉内雰囲気の保温効果も見込まれる。
実施例4〜6では、CA6キャスタブルにおけるCA6断熱性材料の含有率を35、45、85質量%に振って、実施例2と同様の処理を行った。実施例4〜6における具体的な含有率を表6〜8に示す。
実施例4では、比較例1、2と同様に、天蓋2の耐火物と地金とが強固に結合していた。したがって、実施例4では、耐火物が耐FeO性に劣り、地金と反応層を形成してしまったと推察される。
2 天蓋
21 鉄皮
22 表面層
23 背面層
24 スタッド
3 真空槽
5 排気ダクト
6 合金用シュート
7 ランス
8 浸漬管
9 取鍋
100 溶鋼
110 地金
Claims (6)
- 多孔質のCaO・6Al2O3を含む耐火物を有し、前記多孔質のCaO・6Al2O3の前記耐火物に占める割合が40〜80質量%である表面層を有することを特徴とする、真空脱ガス槽用天蓋。
- 前記表面層の背面に設けられ、嵩比重及び熱伝導率のうち少なくとも一方が前記表面層よりも低い背面層を備えることを特徴とする、請求項2記載の真空脱ガス槽用天蓋。
- 前記背面層は、断熱性軽量骨材を含む背面層用耐火物を有し、前記断熱性軽量骨材の前記背面層用耐火物に占める割合が50〜80質量%であることを特徴とする、請求項2記載の真空脱ガス槽用天蓋。
- 前記背面層は、多層構造となっていることを特徴とする、請求項2または3に記載の真空脱ガス槽用天蓋。
- 前記表面層の厚さは、前記表面層及び前記背面層の総厚さの1/3以上となることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか1項に記載の真空脱ガス槽用天蓋。
- 前記表面層の厚さは50mm以上となることを特徴とする、請求項5記載の真空脱ガス槽用天蓋。
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CN105755211A (zh) * | 2016-04-22 | 2016-07-13 | 中国重型机械研究院股份公司 | 一种rh用真空槽装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09142943A (ja) * | 1995-11-13 | 1997-06-03 | Kurosaki Refract Co Ltd | 高耐用性溶湯容器用流し込み不定形耐火物 |
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