JP2018062438A - 連続鋳造ノズル用断熱コーティング材 - Google Patents

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Abstract

【課題】連続鋳造ノズル用の無機繊維不含断熱コーティング材における加熱中の亀裂を防止し、高い断熱性を維持できる断熱コーティング材の提供。
【解決手段】耐熱性無機中空粒子を60〜90質量%、耐熱性無機中実粒子を10〜40質量%および液状バインダーを含有し、SiO含量が75質量%以上、かつ鉱物相として石英を50質量%以上含有するシリカ系原料を耐熱性無機中空粒子および耐熱性無機中実粒子の合計量に対して外掛け2〜10質量%を含有する連続鋳造ノズル用断熱コーティング材。
【選択図】なし

Description

本発明は、浸漬ノズルなどの連続鋳造ノズルの外表面に施工するための断熱コーティング材に関し、更に詳細には、無機繊維を含まない連続鋳造ノズル用断熱コーティング材に関する。
連続鋳造工程において、取鍋からタンディッシュへ溶綱を注入する場合、溶鋼の酸化防止するためエアシールパイプと呼ばれるノズルや、更にタンディッシュからモールドヘ溶綱を注入する場合、溶鋼の酸化防止およびモールド内の溶鋼の流れ方を制御するために浸漬ノズルが使用されている。通常、エアシールパイプや浸漬ノズルは垂直に流れ落ちた高温の溶鋼がノズル本体の内孔を通過しノズル本体の下部に設けられた吐出孔からモールド内に相当の流速で流れ込む。このためノズル本体には熱衝撃が加わり、スポーリングが生じるため、熱衝撃に強い炭素含有耐火物を浸漬ノズルに用いることが多い。また、特に鋳造開始時、ノズル本体に大きな熱衝撃が加わるため、その熱衝撃を和らげるためノズル本体を、バーナー等を用いて加熱することが行なわれている。加熱温度は一般的には1000℃〜1300℃程度である。しかし、加熱終了後、鋳込み開始までの間、冷却されるために激しい熱衝撃が加わるという問題点があった。それに対し、ノズルの外表面に適当な断熱材を施工して、待機中の冷却を防止してきた。
その方法としては、無機繊維を含む断熱材をシート状にして施工することが一般的である。例えば、特許文献1には、連続鋳造用ノズルの周囲に、断面積が他の部分と比較して小さいノズル部分を除いてカオウール(セラミックファイバーの商品名)等の保温材を巻回し、その後、同ノズルを通電発熱させることによってノズル全体を均一加熱する連続鋳造用ノズルの予熱方法が開示されている。また、特許文献2には、重量%で、SiO:25〜65%、CaO:20〜65%及びAl:25%以下を含み、CaO/SiO(重量比)が0.5〜2で、かつかさ密度が1g/cm以下であることを特徴とする連続鋳造装置のタンディッシュ用保温シートが開示されている。
一方、一般にセラミックファイバーの繊維径は1.0〜5.0μmと非常に細く、取扱い時に飛散し、作業環境を悪化させることがあり、また、上記予熱時または使用後は加熱されたセラミックファイバーが粉化され易くなっており、回収時あるいは清掃時に飛散し易く、一層作業環境を悪化させている。さらには、作業員の健康についても問題視され、その対策が必要とされる。
さらに、特許文献3は、溶融金属をモールド内に供給するノズル本体と、このノズル本体の外表面に設けられた酸化防止用コーティングと、この酸化防止用コーティングを介してノズル本体を覆うように設けられたセラミックファイバー製の保温材と、この保温材の外表面に設けられた酸化防止用コーティングとを有することを特徴とする浸漬ノズルが開示されている。特許文献3の浸漬ノズルは粉化して飛散することを防ぐことを目的とするものであるが、セラミックファイバー上に別のコーティング材を塗布する方法では、抜本的な解決策とはなり得ない。
これに対し、セラミックファイバーのような無機繊維を用いない断熱材が開発され、使用し始めている。無機繊維を用いない断熱材を「ノンファイバー断熱材」と称することが一般的である。例えば、特許文献4には、300〜1200℃で加熱処理された蛭石(バーミキュライト)を3〜30重量%と、800℃以上で中空組織化する黒曜石、真珠石、松脂岩、膨脹頁岩の一種もしくは二種以上を未加熱状態で1〜30重量%と、400〜1500℃の範囲で軟化溶融するガラス粉末、またはろう石、けい石、シャモット、ムライト、アルミナ、溶融シリカ、ジルコニア、マグネシアの一種もしくは二種以上の耐火粉末を40〜96重量%とからなる混合物に液体バインダーを外掛けで20〜250重量%配合した断熱性を有する黒鉛含有耐火物の断熱性酸化防止剤が開示されている。さらに、特許文献5には、未加熱状態の真珠岩原石、黒曜石原石及び松脂岩原石からなる群から選択される1種または2種以上を35〜60質量%、500〜1000℃の温度範囲で軟化溶融するガラス粉末を2〜10質量%、粘土を3〜25質量%及び残部がアルミナ、マグネシア、ジルコニア及びシリカからなる群から選択された1種または2種以上の耐火性粉末から構成される混合物に、液状バインダーを外掛けで10〜150質量%配合してなることを特徴とするカーボン含有耐火物用コーティング材が開示されている。特許文献4および5に開示されている断熱性酸化防止剤やコーティング材は、黒曜石や真珠石が高温で発泡するとともに、高温で溶融して酸化防止膜が形成されるものである。
さらに、特許文献6には、中空の耐火性粒子を含有し、該中空粒子の含有量が50〜97質量%、残部の一部または全てが粘土であり、且つ粘土の含有量が30質量%以下である耐火材料に、液状バインダーを外掛けで20〜170質量%添加したことを特徴とし、高温加熱時にカーボン含有耐火物の表面酸化を防止するとともに、断熱層を形成するカーボン含有耐火物の断熱コーティング材(請求項1);中空の耐火性粒子を含有し、該中空粒子の含有量が50〜94質量%、粘土の含有量が2〜25質量%、残部の一部または全てが、結晶水を脱水した蛭石及びまたは500〜1100℃の温度範囲で軟化溶融するガラス粉末であり、該結晶水を脱水した蛭石及びまたは500〜1100℃の温度範囲で軟化溶融するガラス粉末の合計量が30質量%以下である耐火材料に、液状バインダーを外掛けで20〜170質量%添加したことを特徴とし、高温加熱時にカーボン含有耐火物の表面酸化を防止するとともに、断熱層を形成するカーボン含有耐火物のコーティング材(請求項2)が開示されている。
特開昭61−126951号公報 特開平11−170013号公報 特開2001−96344号公報 特開平7−247174号公報 特開2001−335375号公報 特開2003−95757号公報
しかしながら、特許文献4および5に開示されているノンファイバー断熱材は、酸化防止剤を兼ねているため、断熱性を高めようとすると耐酸化性が劣り、耐酸化性を高めようとすると発泡粒子が溶融するため断熱性に劣るようになるという問題点があった。また、黒曜石等を多量に配合しても、実質的には十分な断熱性能が得られないという問題点があり、また、発泡すると母材との密着性が悪くなるという問題点もあった。また、特許文献6に開示されているカーボン含有耐火物のコーティング材は、ノズルの加熱中(1000〜1300℃)に、コーティング材の表面に亀裂が入り、断熱材としての機能を果たせないという問題点があった。
したがって、本発明の目的は、連続鋳造ノズル用の無機繊維不含断熱コーティング材における加熱中の亀裂を防止し、高い断熱性を維持できる断熱コーティング材の提供することにある。
本発明者らは、無機繊維不含断熱コーティング材(以下、「断熱コーティング材」と記載する)において加熱中に発生する亀裂を防止する方法を鋭意検討した。加熱温度は、一般的には前述の通り1000〜1300℃である。このため、亀裂の原因を1000〜1300℃における焼結収縮であると考えた。この対策として、上記温度域で膨張特性を持つことで知られる蝋石原料およびシリマナイト鉱物を添加したが、膨張亀裂を抑えることはできなかった。
そこで、亀裂原因を確かめるために、高温での保持温度を500℃〜1000℃まで変化させて、亀裂発生の状況を観察した結果、600〜900℃の範囲で亀裂が発生していることが判明した。したがって、亀裂の原因は収縮による亀裂であると考えてきたが誤りで、ノズル母材の熱膨張に対して断熱コーティング材の熱膨張が不足したために起こる亀裂であることが判明した。
そこで、600〜900℃付近で効率的に膨張を付与できる材料を鋭意探索した結果、シリカ・アルミナ質原料であってSiO成分が75質量%以上、かつ鉱物相として石英が50質量%以上含有するシリカ・アルミナ系原料を適量添加することで、600〜900℃付近における断熱コーティング材に発生する亀裂を防止することができることが判明した。これらの原料を「低温膨張性原料」と称することができる。
本発明は、かかる発見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明は、耐熱性無機中空粒子を60〜90質量%、耐熱性無機中実粒子を10〜40質量%および液状バインダーを含有してなる連続鋳造用ノズルの断熱コーティング材において、SiO含量が75質量%以上、かつ鉱物相として石英を50質量%以上含有するシリカ系原料を耐熱性無機中空粒子および耐熱性無機中実粒子の合計量に対して外掛け2〜10質量%を含有することを特徴とする連続鋳造ノズル用断熱コーティング材である。
本発明によれば、耐熱性無機中空粒子、耐熱性無機中実粒子、および液状バインダーを含有してなる連続鋳造ノズル用断熱コーティング材において、SiO成分が75質量%以上、かつ鉱物相として石英を50質量%以上含有するシリカ系原料を添加することによって、ノズル加熱中の断熱コーティング材の亀裂発生を抑制するができる。ノズル加熱中の断熱コーティング材の亀裂発生を抑制することで、加熱終了後から鋳込み開始時までの間の保温を確実に行うことができ、鋳造開始時にノズル本体に加わる大きな熱衝撃を軽減することが可能となる。また、鋳込み開始時の熱衝撃を軽減することによって、鋳込み開始時発生する亀裂を抑制することが可能となる。
本発明は、耐熱性無機中空粒子、耐熱性無機中実粒子および液状バインダーを含有してなる連続鋳造ノズル用断熱コーティング材に、SiO成分が75質量%以上、かつ鉱物相として石英を50質量%以上含有するシリカ系原料を用いることによって、ノズル加熱中の亀裂発生を抑制することができるものである。
本発明の連続鋳造ノズル用断熱コーティング材に使用される耐熱性無機中空粒子は、中央部が空洞になっている中空粒である。例えば、アルミナバルーン、SiO含量が40〜80質量%、好ましくは50〜70質量%、Al含量が20〜60質量%、30〜50質量%のシリカ・アルミナ系中空粒子などを利用することができる。特に、シリカ・アルミナ系中空粒子を用いることがより好ましい。ここで、シリカ・アルミナ系中空粒子において、SiO含量が40質量%未満、すなわち、Al含量が60質量%を超える場合には、中空粒子の焼結性が低下し、高温加熱時における断熱層の組織の結合が不充分となり、断熱コーティング材が母材から剥がれ易くなることがある。また、シリカ・アルミナ系中空粒子のSiO含量が80質量%を超えると、すなわち、Al含量が20質量%未満の場合には、中空粒子の耐熱性が低下するなどの問題が生じることがある。また、上記SiO、Al含量の範囲内で、シリカ・アルミナ系中空粒子は、その他の成分を含有していてもよい。なお、その他の成分の含量は10質量%以下(ゼロを含む)、好ましくは5質量%以下(ゼロを含む)の範囲内である。その他の成分の含量が10質量%を超えると、中空粒子の耐熱性が低下し、高温での使用時に断熱コーティング材が軟化溶融することがある。その他の成分としては、例えばTiO、Fe、NaO、KO、CaO、MgO、LiOなどの1種または2種以上が挙げられる。
耐熱性無機中空粒子の含有量は、60〜90質量%、好ましくは65〜85質量%の範囲内である。ここで、耐熱性無機中空粒子の含有量が60質量%未満では、充分な断熱効果が得られず好ましくない。また、耐熱性無機中空粒子の含有量が90質量%を超えると、断熱層の組織の結合が不充分となり、剥離や亀裂を生ずることがあるために好ましくない。
また、耐熱性無機中空粒子の粒度は、30〜800μm、好ましくは50〜700μmの範囲内である。耐熱性無機中空粒子の粒度が30μm未満の場合では、液状バインダーとの混練性が不良となるため施工性が不良となることがあり、さらに、断熱特性が低下することがあるために好ましくない。また、耐熱性無機中空粒子の粒度が800μmを超えると、加熱時の断熱層の組織結合力が低下し、亀裂が生じたり、母材と剥がれやすくなる問題が生じることがあるために好ましくない。なお、本明細書に記載する「粒度」は、耐熱性無機中空粒子の平均粒径を示す。
次に、本発明の連続鋳造ノズル用断熱コーティング材に使用される耐熱性無機中実粒子は、耐火性骨材を意味する。耐火性骨材としては、中空粒子と反応して低融点化合物などを作るものは好ましくないことから、アルミナ・シリカ系の原料ないしアルミナ原料を用いることが好ましい。アルミナ・シリカ系原料としては、例えば、アンダルサイト、カイヤナイト、シリマナイトなどのシリマナイト鉱物、シャモット、ムライトなどの原料が使用できる。また、アルミナ原料としては、例えば、礬土頁岩、ボーキサイト、電融アルミナ、焼結アルミナなどが利用可能である。特に、シリマナイト鉱物は1000℃以上で分解して残存膨張性を示すことから、断熱コーティング材の高温における収縮亀裂を防止するためにより好ましい。
耐熱性無機中実粒子の含有量は10〜40質量%、好ましくは15〜35質量%の範囲内である。耐熱性無機中実粒子の含有量が10質量%未満では、断熱層の組織の結合が不充分となり、剥離や亀裂を生ずることがあるために好ましくない。また、耐熱性無機中実粒子の含有量が40質量%を超えると、充分な断熱効果が得られないことがあるために好ましくない。
なお、耐熱無機中実粒子の粒度は特には規定されるものではないが、耐熱性無機中空粒子との差が小さいことが好ましいことから、平均粒径が30〜800μm、好ましくは50〜700μmの範囲内である。耐熱無機中実粒子の粒度が30μm未満の場合には、液状バインダーとの混練性が不良となるため施工性が不良となることがあり、さらに、断熱特性が低下することがあるために好ましくない。また、耐熱無機中実粒子が800μmを超えると、加熱時の断熱層の組織結合力が低下し、亀裂が生じたり、母材と剥がれやすくなることがあるために好ましくない。
次に、本発明の連続鋳造ノズル用断熱コーティング材に使用されるシリカ質原料は、SiO含量が75質量%以上(100質量%を含む)、好ましくは80質量%以上(100質量%を含む)で、鉱物相として石英(Quartz)を50質量%以上(100質量%を含む)、好ましくは60質量%以上(100質量%を含む)含有すものである。鉱物相として石英を50質量%以上含有するシリカ・アルミナ系原料は、加熱中600℃付近で石英の相転移による体積膨張が起こり、この体積膨張が断熱コーティング材の収縮亀裂を抑制することができる。シリカ系原料のSiO含量が75質量%未満では、600℃付近における膨張が不十分で、収縮亀裂を抑えることができないために好ましくない。なお、鉱物相として石英の量は、JIS K 0131「X線回折分析通則」の内標準法に従って定量した値である。シリカ・アルミナ系原料の石英の量が50質量%未満では600℃付近における膨張が不十分で、収縮亀裂を抑えることができないために好ましくない。
また、シリカ系原料は、鉱物相の第2相として、パイロフィライト(Al・4SiO・HO)を含有するものであることが好ましい。パイロフィライトは蝋石原料に多く含まれることが良く知られている。パイロフィライトが石英と共存することで、より効果的に亀裂を抑えることが可能な原因は良く解らないが、石英の結晶状態がより変態しやすい構造となっているためと推定される。また、パイロフィライトは1000℃以上で分解による膨張性を有するため、これも亀裂発生抑制に関係する可能性もある。このため、シリカ系原料のSiO含量は、90質量%以下であることがより好ましい。また、石英を85質量%以下とすることがより好ましく、パイロフィライトは15〜40質量%の範囲内であることがより好ましい。
シリカ系原料の含有量は、耐熱性無機中空粒子および耐熱性無機中実粒子の合計量に対して外掛け2〜10質量%、好ましくは3〜8質量%の範囲内であることが望ましい。シリカ系原料の含有量が外掛けで2質量%未満では、シリカ系原料による膨張効果が十分には得られないために好ましくない。また、シリカ系原料の含有量が10質量%を超えると、膨張が大きくなりすぎて、コーティング材が剥離することがてるために好ましくない。
シリカ系原料の粒度は特には規定されるものではないが、断熱コーティング材に膨張性を効率的に付与するためには、上述の耐熱性無機中空粒子や耐熱性無機中実粒子に比べてやや大きい粒子を使用することが好ましい。そのため、例えば1mm以下の粒子として配合することが好ましい。
本発明の連続鋳造ノズル用断熱コーティング材において、液状バインダーとは、施工に際して結合剤として働き、乾燥時に硬化する働きを持つ。結合剤としては無機バインダーや有機バインダー、更には両者の混合物を使用することができる。無機バインダーとしては、例えば、ケイ酸ソーダやケイ酸カリウム、リン酸ソーダ、コロイダルシリカなどが使用でき、更には、これら2種類以上の混合物であっても差し支えない。また、有機バインダーとしては、例えば、フェノール樹脂、糖類の加水分解物および/または還元澱粉糖化物、糖蜜、メチルセルロース、澱粉、天然ゴム、カゼイン、酢酸ビニルなどが使用でき、更には、これら2種類以上の混合物が利用できる。
液状バインダーの含有量は、耐熱性無機中空粒子、耐熱性無機中実粒子およびシリカ系原料の合計量材料100質量%に対して外掛けで30〜150質量%、好ましくは45〜100質量%の範囲内である。液状バインダーの含有量が外掛けで30質量%未満では、断熱コーティング材の強度が十分ではないため好ましくない。また、液状バインダーの含有量が外掛けで150質量%を超えると、塗布性が低下するため好ましくない。
さらに、後述する施工方法に応じて、適切な量の水を添加することも差し支えない。水の添加量は、例えば、連続鋳造ノズル用断熱コーティング材に対して外掛けで60質量%以下の範囲内である。
本発明の連続鋳造ノズル用断熱コーティング材は特に限定されるものではなく、慣用、公知の各種の施工方法を採用することができ、例えば、吹付け施工することができる。上記配合に適量の水を加え、スプレーガンにより吹付け施工する。また、ローラーや刷毛によりノズル表面に塗布することも可能である。
また、連続鋳造ノズルには、一般的にカーボン含有耐火物が利用される。そのため、加熱においてしばしば酸化防止剤が塗布される。本発明の連続鋳造ノズル用断熱コーティング材の施工に際しても、酸化防止剤との併用を妨げるものではない。なお、酸化防止剤としては一般的に使用しているものが利用できる。
表1に本発明の連続鋳造ノズル用断熱コーティング材の配合例を、表2に比較品のコーティング材の配合例を示す。
Figure 2018062438
Figure 2018062438
表中、
中空粒子1は、SiO含量55質量%、Al含量38質量%のシリカ・アルミナ質の中空バルーンで、平均粒径130μmのものである;
中空粒子2は、SiO含量60質量%、Al含量38質量%のシリカ・アルミナ質中空バルーンで、平均粒径175μmのものである;
中空粒子3は、Alが99質量%のアルミナ質中空粒子で、平均粒径130μmのものである;
耐熱性無機中実粒子には、平均粒径80μmのカイヤナイトを用いた;
シリカ系原料1は、SiO成分の極めて多い蝋石原料でSiO成分が88質量%、鉱物相として石英が62質量%のものであり、第2の鉱物相としてパイロフィライト33質量%を含有するものである;
シリカ系原料2は、SiO成分の比較的多い蝋石原料でSiO成分が82質量%、鉱物相として石英が56質量%のものであり、第2の鉱物相としてパイロフィライトを40質量%含有するものである;
シリカ系原料3は、珪石でSiO成分が99質量%、石英が99質量%のものである;
シリカ系原料4は、SiO成分のやや多い蝋石原料でSiO成分が76質量%、石英が50質量%のものであり、第2の鉱物相としてパイロフィライトを45質量%含有するものである;
シリカ系原料5は、SiO成分が一般的な蝋石原料でSiO成分が72質量%、石英が45質量%のもので、主成分がパイロフィライトのものである;
シリカ系原料6は、シャモット質原料でSiO成分が56質量%、石英が19質量%のものである;
シリカ系原料7は、溶融シリカ質原料でSiO成分が99質量%であるが、ガラス質でのものであった;
シリカ系原料はいずれも1mmアンダーの粒子であり、シリカ系原料の量は、中空粒とカイヤナイトの合計量に対する外掛け量である。なお、シリカ系原料中のSiO成分の化学分析値は、JIS R 2212−1「耐火物製品の化学分析方法−第1部:粘土質耐火物」およびJIS R 2212−2「同 第2部:けい石質耐火物」に準じた方法によって得られた値を用いた。また、原料中の石英相の量は、JIS K 0131「X線回折分析通則」の内標準法に従って定量した値を用いた。ここで、X線回折法では、不純物やガラス質は検出できないため、石英とパイロフィライトの和は100質量%とはならない;
液体バインダーとしては、無機バインダーであるコロイダルシリカと、有機バインダーである澱粉と酢酸ビニル樹脂エマルジョンからなる合成糊とフェノールレジンを用いた。なお、液体バインダーの量は、中空粒、カイヤナイトおよびシリカ系原料の合計量に対する外掛け量である。
表1および表2に記載の配合割合を有する断熱コーティング材に、さらに水を添加することによって、吹付け施工用断熱コーティング材を作成した。
次に、Alが50質量%、SiOが25質量%およびカーボンが25質量%の組成を有するカーボン含有耐火物からなる連続鋳造浸漬ノズルの外表面に酸化防止剤を塗布し、その表面に熱電対をセットした後、吹付け施工用断熱コーティング材を3mmの厚みに吹付け施工した。130℃で4時間乾燥した後、加熱ボックスに連続鋳造浸漬ノズルをセットし、ガスバーナーで1250℃まで加熱し、該温度に6時間保持した。その後、加熱ボックスから取り出し、連続鋳造浸漬ノズルを大気中に放置し、10分後のコーティング材塗膜下の温度を熱電対により測定した。
断熱性は、温度降下量から評価した。温度降下の少ないものが良好な断熱状態を保っているものと判断し、降下温度が300℃以下を極めて良好、300℃超で400℃以下を良好、400℃超で500℃以下を可、500℃超を不可と判断した。
また、冷却後、コーティング材塗膜の状態を目視により観察した。判断は亀裂と剥離の両面で行った。
亀裂について、亀裂が全くないものを「◎」、極軽微な亀裂があるものを「○」、軽微な亀裂があるが許容範囲内にあるものを「△」、明確な亀裂があるものについては「×」と、評価した。
剥離について、剥離が全くないものを「◎」、極軽微な剥離があるものを「○」、軽微な剥離があるが許容範囲内にあるものを「△」、明確な剥離があるものについては「×」と、評価した。
本発明品の連続鋳造ノズル用断熱コーティング材はいずれも良好な結果を示した。
これに対し、比較品1は、中空粒の含有量が50質量%と少なすぎる場合であり、温度降下量が大きく、不適と判断された。比較品2は、中空粒の含有量が95質量%と多すぎる場合であり、コーティング材の剥離が起こり不適と判断された。比較品3は、シリカ系原料を含まない場合であり、比較品4は、シリカ系原料を1質量%含む場合であるが、いずれもコーティング材に亀裂が発生し、温度降下量もそれに伴い大きくなった。さらに、比較品5は、シリカ系原料を12質量%含む場合であり、コーティング材の剥離が起こり、そのため温度降下量も大きくなった。比較品6〜7は、本発明の範囲外のシリカ系原料を用いたものであり、コーティング材に亀裂が入り不適と判断された。また、比較品8は、溶融シリカを用いた場合で、SiO含有量は75質量%以上であるが、石英を全く含まず、この場合も亀裂が発生して不適と判断された。
このように、本発明に優位性は明らかである。

Claims (1)

  1. 耐熱性無機中空粒子を60〜90質量%、耐熱性無機中実粒子を10〜40質量%および液状バインダーを含有してなる連続鋳造用ノズルの断熱コーティング材において、SiO含量が75質量%以上、かつ鉱物相として石英を50質量%以上含有するシリカ系原料を耐熱性無機中空粒子および耐熱性無機中実粒子の合計量に対して外掛け2〜10質量%を含有することを特徴とする連続鋳造ノズル用断熱コーティング材。
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JP2003095757A (ja) * 2001-09-26 2003-04-03 Shinagawa Refract Co Ltd カーボン含有耐火物の断熱コーティング材
JP2008081360A (ja) * 2006-09-27 2008-04-10 Nichias Corp 不定形耐火物成形材料及び不定形耐火物成形体

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