JP6288097B2 - 抵抗スポット溶接装置、複合電極及び抵抗スポット溶接方法 - Google Patents

抵抗スポット溶接装置、複合電極及び抵抗スポット溶接方法 Download PDF

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Description

本発明は、抵抗スポット溶接の技術に関し、特に、積み重ねられた複数の金属板を含む板組に対して溶接を行う抵抗スポット溶接装置に関する。また、本発明は、その抵抗スポット溶接に利用される複合電極及び抵抗スポット溶接方法に関する。
自動車を始めとする輸送用機械、産業用機械等は、複数の構造部品で構成される。多くの場合、構造部品の製造には、抵抗スポット溶接(以下、単に「スポット溶接」ともいう)が用いられる。
一般に、スポット溶接は、以下のとおりに行われる。素材として板組を準備する。板組は、複数の金属板が積み重ねられた部分を有する。次に、一対の電極によって板組を挟み込み、各電極を板組に押し付ける。そして、各電極の押付けによって板組を加圧しながら、電極間に電流を印加する。これにより、板組において、電極による加圧に伴って、隣接する金属板同士が接触し、この接触領域及びこの近傍の領域に電流が流れる。これらの領域は電気抵抗によるジュール熱で溶融し、これが凝固してナゲットが形成される。ナゲットの形成により、板組の金属板同士が接合されて繋ぎ合わされ、構造部品が製造される。
電極としては、フラット型電極チップ、DR(ダブルアール)型電極チップ、SR(シングルアール)型電極チップ等が用いられる。フラット型電極チップは、円柱状であって、平坦な先端面を有する。DR型電極チップは、先端部が凸形状に突出した概ね円柱状であって、その先端面が曲率半径の大きい凸曲面に形成されている。SR型電極チップは、概ね円柱状であって、曲率半径の大きい凸曲面の先端面を有する。
近年、構造部品の軽量化が推進され、板組を構成する金属板として、高張力鋼、いわゆるハイテン材が採用されることが多い。ハイテン材、とりわけ引張強度が590〜780MPa級以上のハイテン材(以下、「超ハイテン材」ともいう)は、塑性変形がし難く、電気抵抗が高い。
このような材料的な性質に起因し、超ハイテン材のスポット溶接では、電極に印加する溶接電流値の適正範囲(以下、「適正電流範囲」ともいう)が狭くなる傾向にある。適正電流範囲は、設計仕様により設定される基準ナゲット径が得られる最小の電流値から、チリが発生しない最大の電流値までの電流値範囲のことをいう。適正電流範囲が広いほど、スポット溶接の安定操業及びナゲット径の確保に有利である。
また、超ハイテン材では、スポット溶接による継手の強度が向上し難い。例えば、母材(ハイテン材)の引張強度が590〜780MPaを超えると、溶接継手強度の一つである剥離方向の引張強さ、いわゆる十字引張強さ(Cross-Tension Strength:CTS)が、向上せずにむしろ低下する傾向になる。
したがって、超ハイテン材のスポット溶接においては、適正電流範囲が狭くなること、及びCTSが低下することが問題となり、適正電流範囲の拡大とともに、溶接継手強度の向上が要求される。
適正電流範囲の拡大を図る方策としては、板組に電極を押し付ける際に加圧力を高めたり、電極間に電流を印加する際に多段階で通電を行ったりすることが考えられる。しかし、加圧力を高めることは、装置の剛性上で限界がある。また、多段階通電を行うと、溶接時間が増加し、生産性が低下する。したがって、これらの方策は、いずれも実用性に乏しい。
一方、溶接継手強度の向上を図る方策としては、ナゲットを形成した後に追加の後通電を行ったり、ナゲット径の拡大を図ったりすることが考えられる。後通電は、形成したナゲットを焼戻し軟化させて、靭性を改善する。これにより溶接継手強度の向上が図られる。しかし、後通電を行うと、結果的に溶接時間が増加し、生産性が低下する。したがって、後通電は実用性に乏しい。
また、ナゲット径の拡大は、溶接継手強度の向上に有効に寄与する。ナゲット径の拡大に応じて、溶接継手強度が向上するからである。ナゲット径の拡大を図る方策としては、電極間への通電を多段階で行ったり、電極先端面の直径を拡大したりすることが考えられる。しかし、多段階通電は、ナゲットの成長を徐々に進行させる処理であり、溶接時間が増加し、生産性が低下する。したがって、多段階通電は実用性に乏しい。
電極先端径の拡大は、以下に示す問題がある。例えば、電極としてフラット型電極チップを採用する場合は、拡大した平坦な先端面を板組に均一に接触させる必要がある。このため、電極先端面の平坦度には、極めて高い寸法精度が要求される。一方、電極としてDR型電極チップを採用する場合は、拡大した凸曲面の先端面を板組に大きく押し込み、全域にわたり接触させる必要がある。しかし、押し込み量が大きくなると、シートセパレーションが発生し、通電経路が制限されるため、ナゲット径の拡大には限界がある。したがって、フラット型電極チップ、DR型電極チップ等で、電極先端径の単なる拡大は、実用的とは言い難い。
これらの施策に対し、別の観点からナゲット径の拡大を図る技術が、特開2012−55896号公報(特許文献1)に提案されている。特許文献1は、板組を間に挟んで対向する一対の主電極と、その主電極のうちの一方の主電極(以下、説明の便宜上「第1主電極」ともいう)を包囲するように配置された円環状の補助電極と、を備える抵抗スポット溶接装置を開示する。特許文献1に開示された技術では、補助電極の極性を第1主電極の極性とは逆の極性にして、一対の主電極間、及び第1主電極と補助電極との間に電流を印加する。これにより、主電極間に加え、第1主電極と補助電極との間にも電流が流れる。
第1主電極及び補助電極が接触する金属板の厚みが薄い場合、この薄い金属板とこれに隣接する金属板との接触領域が第1主電極及び補助電極に近いため、その接触領域には広範囲に電流が流れる。その結果として、特許文献1では、ナゲット径の大きいナゲットが形成されるとしている。
しかし、特許文献1に開示された技術では、第1主電極及び補助電極が接触する金属板の厚みが厚い場合、ナゲット径が大きくならない。厚みの厚い金属板とこれに隣接する金属板との接触領域が第1主電極及び補助電極から離れているため、その接触領域に流れる電流の通電範囲は広がらないからである。
特開2012−55896号公報
上述のとおり、超ハイテン材のスポット溶接においては、適正電流範囲の拡大とともに、溶接継手強度の向上が要求される。しかし、上記の方策は、いずれも実用的でない。また、溶接継手強度の向上には、ナゲット径を拡大することが有効であるところ、ナゲット径の拡大は、前記特許文献1に開示された技術をもってしても不十分である。
本発明の目的は、次の特性を有する抵抗スポット溶接装置、複合電極及び抵抗スポット溶接方法を提供することである:
・超ハイテン材のスポット溶接において、適正電流範囲を拡大すること;
・超ハイテン材のスポット溶接において、溶接継手強度を向上すること。
本発明の一実施形態による抵抗スポット溶接装置は、積み重ねられた複数の金属板を含む板組に抵抗スポット溶接を行う装置であって、
前記板組を間に挟んで対向して配置される一対の複合電極を備える。
前記各複合電極は、
先端面が前記板組に接触して押し付けられる棒状の電極体と、
前記電極体が挿入される貫通穴を有し、先端面が前記板組に接触して押し付けられる剛体であって、前記電極体に対して絶縁された導電体を含む剛体と、
前記剛体の後端に連結され、前記板組への前記電極体及び前記剛体の押付けに伴って、前記剛体に押付け圧力を加える弾性体と、を備える。
上記の抵抗スポット溶接装置において、前記剛体の前記先端面の一部又は全部が導電体である構成とすることができる。
上記の抵抗スポット溶接装置において、前記剛体が円筒状であることが好ましい。前記剛体は、前記先端面の内周縁の形状が円形であり、前記先端面の外周縁の形状が楕円形、長円形又は略四角形である構成とすることもできる。
上記の抵抗スポット溶接装置において、前記弾性体が圧縮コイルバネである構成としたり、前記弾性体が円筒状の樹脂成形体である構成としたりすることができる。
上記の抵抗スポット溶接装置のいずれも、前記電極体の前記先端面の外周縁と前記剛体の前記先端面の内周縁との間隔が7mm以下であることが好ましい。
上記の抵抗スポット溶接装置のいずれも、前記剛体を冷却する冷却機構を備えることが好ましい。
本発明の一実施形態による複合電極は、積み重ねられた複数の金属板を含む板組の抵抗スポット溶接に用いられる複合電極であって、
先端面が前記板組に接触して押し付けられる棒状の電極体と、
前記電極体が挿入される貫通穴を有し、先端面が前記板組に接触して押し付けられる剛体であって、前記電極体に対して絶縁された導電体を含む剛体と、
前記剛体の後端に連結され、前記板組への前記電極体及び前記剛体の押付けに伴って、前記剛体に押付け圧力を加える弾性体と、を備える。
上記の複合電極において、前記剛体の前記先端面の一部又は全部が導電体である構成とすることができる。
上記の複合電極において、前記剛体が円筒状であることが好ましい。前記剛体は、前記先端面の内周縁の形状が円形であり、前記先端面の外周縁の形状が楕円形又は略四角形である構成とすることもできる。
上記の複合電極において、前記弾性体が圧縮コイルバネである構成としたり、前記弾性体が円筒状の樹脂成形体である構成としたりすることができる。
上記の複合電極のいずれも、前記電極体の前記先端面の外周縁と前記剛体の前記先端面の内周縁との間隔が7mm以下であることが好ましい。
上記の複合電極のいずれも、前記剛体を冷却する冷却機構を備えることが好ましい。
本発明の一実施形態による抵抗スポット溶接方法は、積み重ねられた複数の金属板を含む板組に抵抗スポット溶接を行う方法であって、第1工程と、第2工程と、第3工程と、の一連の工程を含む。
第1工程は、前記板組を間に挟んで、棒状の第1電極体と棒状の第2電極体とを対向して配置させるとともに、前記第1電極体が挿入される貫通穴を有し後端に第1弾性体が連結された導電体を含む第1剛体と、前記第2電極体が挿入される貫通穴を有し後端に第2弾性体が連結された導電体を含む第2剛体と、を対向して配置させる。
第2工程は、前記第1電極体及び前記第2電極体の各先端面を前記板組に押し付けるとともに、前記第1弾性体から前記第1剛体に押付け圧力を加えつつ、前記第2弾性体から前記第2剛体に押付け圧力を加えながら、前記第1剛体及び前記第2剛体の各先端面を前記板組に押し付けて、前記板組を加圧する。
第3工程は、前記板組を加圧しながら、前記第1電極体と前記第2電極体との間に電流を印加する。
本発明の抵抗スポット溶接装置、複合電極及び抵抗スポット溶接方法は、下記の顕著な効果を有する:
・超ハイテン材のスポット溶接において、適正電流範囲を拡大できること;
・超ハイテン材のスポット溶接において、溶接継手強度を向上できること。
図1は、溶接対象の素材である板組の一例を示す断面図である。 図2Aは、第1実施形態の抵抗スポット溶接装置の一例を示す模式図であり、溶接前の状態を示す。 図2Bは、第1実施形態の抵抗スポット溶接装置の一例を示す模式図であり、溶接中の状態を示す。 図3は、図2に示す抵抗スポット溶接装置を用いたスポット溶接でナゲットが形成される状況を説明する模式図である。 図4は、電極−剛体の間隔と最大ナゲット径及び適正電流範囲との関係を示す図である。 図5Aは、第2実施形態の抵抗スポット溶接装置の一例を示す模式図であり、溶接前の状態を示す。 図5Bは、第2実施形態の抵抗スポット溶接装置の一例を示す模式図であり、溶接中の状態を示す。 図6は、実施例のスポット溶接試験の結果を示す図である。
以下に、本発明の抵抗スポット溶接装置、複合電極及び抵抗スポット溶接方法について、その実施形態を詳述する。
本実施形態の抵抗スポット溶接装置は、積み重ねられた複数の金属板を含む板組に対してスポット溶接を行うのに用いられる。本実施形態の複合電極は、そのスポット溶接装置に搭載され、スポット溶接に利用される。本実施形態の抵抗スポット溶接方法は、そのスポット溶接装置を用いたスポット溶接に利用される。
<第1実施形態>
1.抵抗スポット溶接装置及び複合電極の構成
図1は、溶接対象の素材である板組の一例を示す断面図である。同図に示すように、本実施形態で用いられる素材としての板組1は、2枚の金属板2A、2Bが互いに積み重ねられた部分を有する。金属板2A、2Bの材質は、いずれも引張強度が590〜780MPa級以上の超ハイテン材である。金属板2A、2Bの厚みは、いずれも0.5〜3mm程度であり、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。
もっとも、板組は、スポット溶接によって製造する構造部品の形態に応じ、3枚以上の金属板が積み重ねられた部分を有するものであっても構わない。金属板の材質は、スポット溶接が可能である限り限定はなく、引張強度が590MPaを下回るハイテン材であっても構わないし、軟鋼であっても構わない。また、めっきの有無、種類等にも限定されない。積み重ねられた複数の金属板は、同一金属種であってもよいし、異なる金属種であってもよい。
図2A及び図2Bは、第1実施形態の抵抗スポット溶接装置の一例を示す模式図である。これらの図中、図2Aは溶接前の状態を示し、図2Bは溶接中の状態を示す。図2A及び図2Bに示すスポット溶接装置は、一対の複合電極10、20を備える。以下、説明の便宜上、それらの複合電極10、20のうちの一方(図2A及び図2B中の上側の複合電極)を第1複合電極10ともいい、他方(図2A及び図2B中の下側の複合電極)を第2複合電極20ともいう。第1複合電極10と第2複合電極20は、互いに板組1を間に挟んで対向して配置され、その構成は同じである。すなわち、第1複合電極10は、第1電極体11と第1剛体12を備え、第2複合電極20は、第2電極体21と第2剛体22を備える。
第1電極体11は、真直ぐな棒状のシャンク11bと、このシャンク11bの先端に取り付けられた電極チップ11aとを備え、全体として棒状である。シャンク11bは、電極チップ11aに隣接して鍔部11baを有する。電極チップ11aは、DR型電極チップである。すなわち、電極チップ11aは、先端部が凸形状に突出した概ね円柱状であって、その先端面11aaが曲率半径の大きい凸曲面に形成されている。電極チップ11aとしては、DR型電極チップ以外にも周知の電極チップを用いることができ、フラット型電極チップ、SR型電極チップ等を用いても構わない。シャンク11bは、その後端部がホルダ14に固定されている。
第1剛体12は、中心軸上に円形の貫通穴12bを有する円筒状であり、その中心軸上に第1電極体11が配置される。第1電極体11の電極チップ11a及び鍔部11baは、第1剛体12に挿入されており、第1剛体12の先端面12aとの間を軸方向に沿って相対的に移動が可能である。第1電極体11の鍔部11baが第1剛体12の後端部のストッパ面12cに接触することによって、第1剛体12は第1電極体11から脱落しない。
第1剛体12と第1電極体11は、互いに絶縁されており、電気的に接続されていない。具体的には、第1剛体12と第1電極体11が直接的に又は間接的に接続し得る領域に、エンジニアリングプラスチック等の絶縁体が配置される。例えば、第1剛体12の貫通穴12bの領域のうちでシャンク11bと摺動する領域に絶縁体が配置される。
ホルダ14の前端には保持板15が固定されている。第1剛体12の後端と保持板15の間には、第1弾性体13として、圧縮コイルバネ13Aが配置されている。第1電極体11のシャンク11bは、圧縮コイルバネ13A(第1弾性体13)の中心軸上を貫通している。第1剛体12は、シャンク11bに沿って相対的に移動が可能である。
同様に、第2電極体21は、真直ぐな棒状のシャンク21bと、このシャンク21bの先端に取り付けられた電極チップ21aとを備え、全体として棒状である。シャンク21bは、電極チップ21aに隣接して鍔部21baを有する。電極チップ21aは、DR型電極チップである。シャンク21bは、その後端部がホルダ24に固定されている。
第2剛体22は、中心軸上に円形の貫通穴22bを有する円筒状であり、その中心軸上に第2電極体21が配置される。第2電極体21の電極チップ21a及び鍔部21baは、第2剛体22に収容されており、第2剛体22の先端面22aとの間を軸方向に沿って相対的に移動が可能である。第2電極体21の鍔部21baが第2剛体22の後端部のストッパ面22cに接触することによって、第2剛体22は第2電極体21から脱落しない。
第2剛体22と第2電極体21は、互いに絶縁されており、電気的に接続されていない。具体的には、第2剛体22と第2電極体21が直接的に又は間接的に接続し得る領域に、エンジニアリングプラスチック等の絶縁体が配置される。例えば、第2剛体22の貫通穴22bの領域のうちでシャンク21bと摺動する領域に絶縁体が配置される。
ホルダ24の前端には保持板25が固定されている。第2剛体22の後端と保持板25の間には、第2弾性体23として、圧縮コイルバネ23Aが配置されている。第2電極体21のシャンク21bは、圧縮コイルバネ23A(第2弾性体23)の中心軸上を貫通している。第2剛体22は、シャンク21bに沿って相対的に移動が可能である。
第1電極体11及び第2電極体21をそれぞれ構成するシャンク11b、21b及び電極チップ11a、11aの材質は、クロム銅、クロムジルコニウム銅、ベリリウム銅、アルミナ分散強化銅又は銅タングステン等である。もっとも、第1電極体11及び第2電極体21の材質は、電極として成り立つ限り、特に限定はない。
第1剛体12及び第2剛体22は、外部からの力に対して変形しない剛体であり、金属等の導電体である。また、第1剛体12及び第2剛体22は、各先端面12a、22aの全部を導電体で構成してもよいし、その一部を導電体で構成してもよい。
第1剛体12及び第2剛体22の材質は、高い電気伝導率を有する限り、特に限定はなく、第1電極体11及び第2電極体21と同じであってもよいし、異なっていてもよい。ただし、第1剛体12及び第2剛体22の材質は、少なくとも溶接対象の板組(金属板)よりも高い電気伝導率を有する必要がある。詳細は後述するが、スポット溶接時に板組内に流れる電流を第1剛体12及び第2剛体22に向けて有効に引き込むためである。
このような構成の第1複合電極10及び第2複合電極20は、各々のホルダ14、24が図示しないスポット溶接ガンに装着される。具体的には、溶接ガンは、開閉動作が可能な一対のアームを有し、そのうちの一方のアームの先端に第1複合電極10のホルダ14が装着され、他方のアームの先端に第2複合電極20のホルダ24が装着される。両アームの開閉動作により、第1複合電極10と第2複合電極20は、互いに離間したり接近したりする。このとき、第1電極体11と第2電極体21は互いに対向して同軸上に配置され、第1剛体12と第2剛体22も互いに対向して同軸上に配置された状態になっている。ただし、一対のアームのうちの一方は、固定であっても構わない。
また、第1電極体11と第2電極体21は、図示しない電源装置に接続されている。例えば、電源装置として直流電源装置を用いる場合、電源の正極が第1電極体11に接続され、電源の負極が第2電極体21に接続される。正極と負極の接続が逆でも構わない。電源装置としては、交流電源装置を用いることも可能である。
2.抵抗スポット溶接
前記図2及び下記の図3を参照し、本実施形態のスポット溶接装置によるスポット溶接の過程を説明する。
先ず、図2Aに示すように、素材として、2枚の金属板2A、2Bが互いに積み重ねられた部分を有する板組1を準備する。次に、板組1を間に挟んで、第1複合電極10の第1電極体11と第2複合電極20の第2電極体21とを対向して配置させるとともに、それぞれの第1剛体12と第2剛体22とを対向して配置させる。この動作は、溶接ガンの移動又は板組1の搬送によって行われる。
次に、溶接ガンの両アームの閉動作を実行し、板組1への第1複合電極10及び第2複合電極20の押付け動作を開始する。これにより、第1複合電極10では、ホルダ14が板組1に向けて移動し、これと同時に、第2複合電極20では、ホルダ24が板組1に向けて移動する。これに伴い、第1複合電極10では、始めに、第1剛体12の先端面12aが板組1の金属板2Aの表面に接触して押し付けられ、第1剛体12のそれ以上の移動が制限される。第2複合電極20では、始めに、第2剛体22の先端面22aが板組1の金属板2Bの表面に接触して押し付けられ、第2剛体22のそれ以上の移動が制限される。
更に、第1複合電極10では、第1電極体11が金属板2Aに向けて移動し続ける。このとき、第1剛体12と保持板15との間隔が次第に狭まり、第1弾性体13(圧縮コイルバネ13A)が圧縮変形する。これと同時に、第2複合電極20では、第2電極体21が金属板2Bに向けて移動し続ける。このとき、第2剛体22と保持板25との間隔が次第に狭まり、第2弾性体23(圧縮コイルバネ23A)が圧縮変形する。
そして、図2Bに示すように、第1複合電極10では、第1電極体11の先端面11aaが金属板2Aの表面に接触して押し付けられ、第1電極体11のそれ以上の移動が制限される。これと同時に、第2複合電極20では、第2電極体21の先端面21aaが金属板2Bの表面に接触して押し付けられ、第2電極体21のそれ以上の移動が制限される。
このようにして、板組1は、互いに対向する第1電極体11と第2電極体21によって挟み込まれるとともに、互いに対向する第1剛体12と第2剛体22によって挟み込まれる。このとき、板組1には、第1電極体11及び第2電極体21から押付け圧力が加えられ、第1剛体12及び第2剛体22からも押付け圧力が加えられている。
ここで、第1剛体12には、圧縮変形している第1弾性体13から圧縮変形の反発力が作用し、第2剛体22には、圧縮変形している第2弾性体23から圧縮変形の反発力が作用している。このため、板組1を構成する金属板2A、2B同士は、第1電極体11及び第2電極体21との接触領域を加圧されるだけでなく、その周りの環状領域(第1剛体12及び第2剛体22との接触領域)を加圧され、広範囲にわたり十分に接触した状態になる。これにより、シートセパレーションの発生が抑制される。
この状態になった後、電源装置を駆動し、第1電極体11と第2電極体21との間に電流を印加する。
図3は、図2に示す抵抗スポット溶接装置を用いたスポット溶接でナゲットが形成される状況を説明する模式図である。同図中、点線矢印は、溶接電流の流れを示している。
図3に示すように、従来のスポット溶接に比べ、金属板2A、2B同士の接触領域が、第1電極体11及び第2電極体21との接触領域のみならず、その周りの第1剛体12及び第2剛体22との接触領域までと広範囲にわたっている。このため、第1電極体11と第2電極体21との間に電流を印加すると、著しいシートセパレーションが発生することなく、板組1内、すなわち金属板2A、2B内では、電流が広範囲に広がって流れる。
具体的には、電流は、第1電極体11から第2電極体21に向けて単純に流れるだけでなく、第1電極体11から第1剛体12に向けて引き込まれた後、第2剛体22に向けて引き込まれ、最終的に第2電極体21に向けて流れる。金属板2A、2B同士が第1剛体12及び第2剛体22からの強力な加圧によって第1剛体12と第2剛体22との対向領域で十分に接触しつつ、第1剛体12及び第2剛体22がいずれも高い電気伝導率を有するからである。
一般に、チリは金属板同士の間から発生するが、電極に大電流を印加すると、電極と金属板の接触部が過加熱となり、その金属板表面からチリが発生する場合がある。本実施形態のように第1剛体12及び第2剛体22を導電体とすれば、電流が第1電極体11及び第2電極体21から導電体の第1剛体12及び第2剛体22へ迂回するため、電極と金属板の接触部での発熱が抑えられ、その金属板表面からのチリの発生を抑制することができるという利点もある。
したがって、金属板2A、2B同士が第1構造体12及び第2構造体22によって強力に加圧されているため、金属板2A、2B同士の接触領域が広範囲にわたって溶融し、ナゲット径の大きいナゲット3が形成される。
本実施形態のスポット溶接によれば、ナゲット径を拡大することができるので、CTSを含めた溶接継手強度を向上することができる。しかも、ナゲット径の拡大に伴って、適正電流範囲を拡大することができる。
ところで、シートセパレーションの抑制効果を発現するためには、第1電極体11の先端面11aaの外周縁と第1剛体12の先端面12aの内周縁との間隔、及び第2電極体21の先端面21aaの外周縁と第2剛体22の先端面22aの内周縁との間隔が重要である。以下、これらの間隔を総称して、電極−剛体の間隔ともいう。電極−剛体の間隔は、溶接時に電極体と剛体とが接触しない範囲で、可能な限り近づけることが好ましい。電極−剛体の間隔が広過ぎると、シートセパレーションの抑制効果が小さくなる上、電流が広がり難くなる。電極−剛体の間隔は、7mm以下であることが好ましい。より好ましくは5mm以下であり、更に好ましくは3mm以下である。一方、電極−剛体の間隔が狭過ぎると、溶接時に電極体と剛体とが不用意に接触して通電し、溶接電流が不安定になる。このため、電極−剛体の間隔は、実用的には、0.3mm以上であることが好ましい。より好ましくは0.5mm以上であり、更に好ましくは1.0mm以上である。
図4は、電極−剛体の間隔と最大ナゲット径及び適正電流範囲との関係を示す図である。図4に示す関係は、スポット溶接用解析ソフト(SCSK株式会社製の「SORPAS(登録商標)」)を用い、スポット溶接への電極−剛体の間隔の影響について解析した結果である。解析では、電極体から剛体に向けて電流が広がる条件を設定し、電極−剛体の間隔を種々変更した。溶接対象の金属板は、板厚tが1.2mmの引張強度1500MPa級ホットスタンプ鋼板(非めっき)とした。電極体及び剛体の材質はクロム銅(Cu−1質量%Cr)とした。電極体の電極チップは、先端面も含めて外径が8mm、先端面の曲率半径Rが80mmのSR型電極チップとした。電極体による加圧力は3.43kN(350kgf)とし、通電時間は16cycle(周波数:60Hzにて)とした。そして、変更した電極−剛体の間隔ごとに溶接電流を種々変更し、各条件でのナゲット径及びチリの発生有無を調査した。
ここでは、電極−剛体の間隔のそれぞれにおける最大ナゲット径及び適正電流範囲を評価した。最大ナゲット径は、チリが発生しない最大のナゲット径とした。適正電流範囲は、ナゲット径が4√tのナゲットが得られる電流値から、チリが発生しない最大の電流値までの電流値範囲とした。図4に示すように、電極−剛体の間隔が7mmであるときを境界にして、電極−剛体の間隔が狭いほど、最大ナゲット径が大きくなり、適正電流範囲が拡大することがわかる。このことから、好ましい電極−剛体の間隔は7mm以下であるといえる。
本実施形態のスポット溶接装置において、第1電極体11(特に、電極チップ11a)は第1剛体12に包囲された状態にある。同様に、第2電極体21(特に、電極チップ21a)は第2剛体22に包囲された状態にある。このため、スポット溶接で生じた熱が第1電極体11及び第2電極体21に蓄積し易く、電極チップ11a、21aの寿命が低下するおそれがある。そこで、第1剛体12及び第2剛体22を積極的に冷却して蓄熱を抑制するとともに、間接的に第1電極体11及び第2電極体21を冷却することが望ましい。その冷却構造としては、例えば、第1剛体12の内部に冷却水路を設け、この冷却水路に冷却水を循環させるようにすればよい。別の冷却構造としては、第1剛体12の外周面に冷却水を吹き付けるようにしてもよい。後者の場合、冷却水には防錆剤が添加されたものを使用する。これらの冷却構造は、第2電極体21に対しても同様に適用できる。
<第2実施形態>
図5A及び図5Bは、第2実施形態の抵抗スポット溶接装置の一例を示す模式図である。これらの図中、図5Aは溶接前の状態を示し、図5Bは溶接中の状態を示す。図5A及び図5Bに示す第2実施形態のスポット溶接装置は、前記図2A及び図2Bに示す第1実施形態のスポット溶接装置の構成を基本とするものであり、重複する説明は適宜省略する。
本第2実施形態における第1電極体11のシャンク11bは、上記第1実施形態のような鍔部11baを有しない。これに伴い、第1剛体12は、上記第1実施形態のような後端部のストッパ面12cを有しない。
第1剛体12の後端には可動板16が固定され、ホルダ14の前端には保持板15が固定されている。第1電極体11のシャンク11bは、それらの可動板16及び保持板15を貫通している。可動板16と保持板15の間には、第1弾性体13として、円筒状の樹脂成形体13Bが配置されている。第1電極体11のシャンク11bは、樹脂成形体13B(第1弾性体13)の中心軸上を貫通している。保持板15の周縁部には、可動板16の周縁部を貫通する複数のガイドボルト17がねじ込まれる。これによって、第1弾性体13は、可動板16と保持板15の間に挟み込まれた状態で保持されている。第1剛体12は、可動板16と一体で、ガイドボルト17によって案内されながら、シャンク11bに沿って相対的に移動が可能である。
第1剛体12と第1電極体11は、互いに絶縁されており、電気的に接続されていない。具体的には、第1剛体12と第1電極体11が直接的に又は間接的に接続し得る領域に、エンジニアリングプラスチック等の絶縁体が配置される。例えば、シャンク11bと摺動し得る可動板16が絶縁体で成形されている。
同様に、本第2実施形態における第2電極体21のシャンク21bは、上記第1実施形態のような鍔部21baを有しない。これに伴い、第2剛体22は、上記第1実施形態のような後端部のストッパ面22cを有しない。
第2剛体22の後端には可動板26が固定され、ホルダ24の前端には保持板25が固定されている。第2電極体21のシャンク21bは、それらの可動板26及び保持板25を貫通している。可動板26と保持板25の間には、第2弾性体23として、円筒状の樹脂成形体23Bが配置されている。第2電極体21のシャンク21bは、樹脂成形体23B(第2弾性体23)の中心軸上を貫通している。保持板25の周縁部には、可動板26の周縁部を貫通する複数のガイドボルト27がねじ込まれる。これによって、第2弾性体23は、可動板26と保持板25の間に挟み込まれた状態で保持されている。第2剛体22は、可動板26と一体で、ガイドボルト27によって案内されながら、シャンク21bに沿って相対的に移動が可能である。
第2剛体22と第2電極体21は、互いに絶縁されており、電気的に接続されていない。具体的には、第2剛体22と第2電極体21が直接的に又は間接的に接続し得る領域に、エンジニアリングプラスチック等の絶縁体が配置される。例えば、シャンク21bと摺動し得る可動板26が絶縁体で成形されている。
第1弾性体13及び第2弾性体23の材質は、耐久性に優れ、適度な弾性を有するウレタン樹脂等が挙げられる。
このような構成のスポット溶接装置による溶接時、第1剛体12及び第2剛体22には、圧縮変形した第1弾性体13及び第2弾性体23、すなわち樹脂成形体13B、23Bから押付け力が加えられる。この状況は、上記第1実施形態と同じである。したがって、本第2実施形態でも上記第1実施形態と同様の効果を奏する。
本発明の効果を確認するため、前記図2に示す第1実施形態のスポット溶接装置を用いてスポット溶接を行う溶接試験を実施した。供試材として、板厚が1.6mmの引張強度1500MPa級ホットスタンプ鋼板(非めっき)を用い、同鋼種、同板厚同士を2枚積み重ねた板組を多数準備した。第1電極体の電極チップ及び第2電極体の電極チップとしては、DR型電極チップを用いた。各DR型電極チップは、材質がクロム銅(Cu−1質量%Cr)であり、外径が12mmで先端径が6mm、先端面の曲率半径Rが40mmであった。第1剛体及び第2剛体は、材質がクロム銅(Cu−1質量%Cr)で内径が13mmであった。
下記の表1に溶接条件を示す。スポット溶接の度に溶接電流を変更し、ナゲットが成長する挙動とチリが発生する電流を調査した。なお、表1中の1cycleは1/60秒である。
Figure 0006288097
また、比較のために、従来の一般的な方法として、単純に一対の電極チップによってのみ板組を挟み込んでスポット溶接を行う試験を実施した。供試材、電極チップ及び溶接条件は、上記の本発明例の場合と同様にした。
スポット溶接を行った後の各板組に対して、ねじり試験を実施した。ねじり試験により現れたナゲットの外観からナゲット径を測定した。具体的には、ナゲットの直径を互いに直交する2方向から測定し、両者の平均値をナゲット径とした。
図6は、実施例の試験で得られた溶接電流値とナゲット径の相関を示す図である。供試材は、板厚tが1.6mmの1500MPa級ホットスタンプ鋼板(非めっき)である。
図6に示すように、本発明例では、比較例に比べ、適性電流範囲及び最大ナゲット径が大幅に拡大する。比較例では、最大ナゲット径が5√t程度であるのに対し、本発明例では、最大ナゲット径が6√tを超える。また、比較例では、適正電流範囲が2.6kA程度であるのに対し、本発明例では、適正電流範囲が4.0kA程度に拡大する。このことから、本発明により、超ハイテン材のスポット溶接において、適正電流範囲を拡大でき、しかもナゲット径が拡大することから、溶接継手強度を向上できることが実証された。
その他本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。例えば、剛体の形状は、円筒状に限らず、溶接対象の板組の形状に応じて変更することが可能である。すなわち、剛体の先端面の内周縁の形状が円形であり、先端面の外周縁の形状が楕円形、長円形又は略四角形であるものでも構わない。
本発明は、超ハイテン材の構造部品の製造に有効に利用できる。
1:板組、 2A:金属板、 2B:金属板、 3:ナゲット、
10:第1複合電極、 11:第1電極体、
11a:電極チップ、 11aa:電極チップの先端面、
11b:シャンク、 11ba:シャンクの鍔部、
12:第1剛体、 12a:第1剛体の先端面、
12b:第1剛体の貫通穴、 12c:第1剛体のストッパ面、
13:弾性体、 13A:圧縮コイルバネ、
13B:樹脂成形体、14:ホルダ、 15:保持板、
16:可動板、 17:ガイドボルト、
20:第2複合電極、 21:第2電極体、
21a:電極チップ、 21aa:電極チップの先端面、
21b:シャンク、 21ba:シャンクの鍔部、
22:第2剛体、 22a:第2剛体の先端面、
22b:第2剛体の貫通穴、 22c:第2剛体のストッパ面、
23:弾性体、 23A:圧縮コイルバネ、
23B:樹脂成形体、24:ホルダ、 25:保持板、
26:可動板、 27:ガイドボルト

Claims (15)

  1. 積み重ねられた複数の金属板を含む板組に抵抗スポット溶接を行う装置であって、
    当該抵抗スポット溶接装置は、
    前記板組を間に挟んで対向して配置される一対の複合電極を備え、
    前記各複合電極は、
    先端面が前記板組に接触して押し付けられる棒状の電極体と、
    前記電極体が挿入される貫通穴を有し、先端面が前記板組に接触して押し付けられる剛体であって、前記電極体に対して電気的に接続されていない、導電体を含む剛体と、
    前記剛体の後端に連結され、前記板組への前記電極体及び前記剛体の押付けに伴って、前記剛体に押付け圧力を加える弾性体と、を備え
    前記電極体の前記先端面の外周縁と前記剛体の前記先端面の内周縁との間隔が0.3mm以上7mm以下である、抵抗スポット溶接装置。
  2. 請求項1に記載の抵抗スポット溶接装置であって、
    前記剛体の前記先端面の一部又は全部が導電体である、抵抗スポット溶接装置。
  3. 請求項1又は2に記載の抵抗スポット溶接装置であって、
    前記剛体が円筒状である、抵抗スポット溶接装置。
  4. 請求項1又は2に記載の抵抗スポット溶接装置であって、
    前記剛体は、前記先端面の内周縁の形状が円形であり、前記先端面の外周縁の形状が楕円形、長円形又は略四角形である、抵抗スポット溶接装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の抵抗スポット溶接装置であって、
    前記弾性体が圧縮コイルバネである、抵抗スポット溶接装置。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の抵抗スポット溶接装置であって、
    前記弾性体が円筒状の樹脂成形体である、抵抗スポット溶接装置。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の抵抗スポット溶接装置であって、
    前記剛体を冷却する冷却機構を備える、抵抗スポット溶接装置。
  8. 積み重ねられた複数の金属板を含む板組の抵抗スポット溶接に用いられる複合電極であって、
    当該複合電極は、
    先端面が前記板組に接触して押し付けられる棒状の電極体と、
    前記電極体が挿入される貫通穴を有し、先端面が前記板組に接触して押し付けられる剛体であって、前記電極体に対して電気的に接続されていない、導電体を含む剛体と、
    前記剛体の後端に連結され、前記板組への前記電極体及び前記剛体の押付けに伴って、前記剛体に押付け圧力を加える弾性体と、を備え
    前記電極体の前記先端面の外周縁と前記剛体の前記先端面の内周縁との間隔が0.3mm以上7mm以下である、複合電極。
  9. 請求項に記載の複合電極であって、
    前記剛体の前記先端面の一部又は全部が導電体である、複合電極。
  10. 請求項8又は9に記載の複合電極であって、
    前記剛体が円筒状である、複合電極。
  11. 請求項8又は9に記載の複合電極であって、
    前記剛体は、前記先端面の内周縁の形状が円形であり、前記先端面の外周縁の形状が楕円形又は略四角形である、複合電極。
  12. 請求項8〜11のいずれか1項に記載の複合電極であって、
    前記弾性体が圧縮コイルバネである、複合電極。
  13. 請求項8〜11のいずれか1項に記載の複合電極であって、
    前記弾性体が円筒状の樹脂成形体である、複合電極。
  14. 請求項8〜13のいずれか1項に記載の複合電極であって、
    前記剛体を冷却する冷却機構を備える、複合電極。
  15. 積み重ねられた複数の金属板を含む板組に抵抗スポット溶接を行う方法であって、
    当該抵抗スポット溶接方法は、
    前記板組を間に挟んで、棒状の第1電極体と棒状の第2電極体とを対向して配置させるとともに、前記第1電極体が挿入される貫通穴を有し後端に第1弾性体が連結された導電体を含む第1剛体と、前記第2電極体が挿入される貫通穴を有し後端に第2弾性体が連結された導電体を含む第2剛体と、を対向して配置させる第1工程と、
    前記第1電極体及び前記第2電極体の各先端面を前記板組に押し付けるとともに、前記第1弾性体から前記第1剛体に押付け圧力を加えつつ、前記第2弾性体から前記第2剛体に押付け圧力を加えながら、前記第1剛体及び前記第2剛体の各先端面を前記板組に押し付けて、前記板組を加圧する第2工程と、
    前記板組を加圧しながら、前記第1電極体と前記第2電極体との間に電流を印加する第3工程と、を含み、
    前記第1剛体は前記第1電極体に対して電気的に接続されてなく、
    前記第2剛体は前記第2電極体に対して電気的に接続されてなく、
    前記第1電極体の前記先端面の外周縁と前記第1剛体の前記先端面の内周縁との間隔が0.3mm以上7mm以下であり、
    前記第2電極体の前記先端面の外周縁と前記第2剛体の前記先端面の内周縁との間隔が0.3mm以上7mm以下である、抵抗スポット溶接方法。
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