JP6409732B2 - 金属部材の接合装置 - Google Patents

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Description

本発明は、金属部材の接合装置に関する技術分野に属する。
従来より、例えば特許文献1に示されているように、筒状の第1金属部材と、該第1金属部材の内側に圧入挿入される軸部を有する第2金属部材とを軸方向に加圧して、該第2金属部材の軸部を該第1金属部材の内側に圧入挿入しながら、通電による抵抗溶接によって、該第1金属部材の内側の内周面と該第2金属部材の軸部の外周面とを接合する方法(リングマッシュ接合法と呼ばれる)が知られている。
この接合方法を実行するための接合装置は、上記第1金属部材における軸方向の上記第2金属部材とは反対側の端面に接触する第1金属部材側加圧部と、上記第2金属部材における軸方向の上記第1金属部材とは反対側の端面に接触する第2金属部材側加圧部とを有する。これら両加圧部は、該両加圧部間に上記抵抗溶接のための通電を行う電極を兼ねており、両加圧部により第1金属部材と第2金属部材とを軸方向に加圧しながら、両加圧部間に電流を印加することで、第1金属部材の内側の内周面と第2金属部材の軸部の外周面とを接合するようにしている。
特開2011−98358号公報
ところで、第1金属部材側加圧部が接触する、第1金属部材における軸方向の第2金属部材とは反対側の端面の接触面積が小さくなる場合がある。例えば、第1金属部材が、自動車の手動変速機における同期装置の一構成要素であるクラッチコーンであり、第2金属部材が、上記手動変速機における変速用ギヤである場合、第1金属部材側加圧部が接触する上記端面は、クラッチコーンにおける円板状部から突出するテーパ状のコーン部の突出先端面となる。そのコーン部は、該コーン部の先端に向かって外径が小さくなる。コーン部の肉厚は薄くなる傾向にあるので、これに伴って、クラッチコーンにおけるコーン部の突出先端面の面積も小さくなる傾向にある。この場合、第1金属部材側加圧部と第1金属部材との接触面積も小さくなる。
このように、第1金属部材側加圧部と第1金属部材との接触面積が小さくなると、第1金属部材側加圧部が電極を兼ねているので、抵抗溶接のための通電時に、第1金属部材側加圧部と第1金属部材との接触部分での電流密度が高くなり過ぎて、該接触部分での発熱により第1金属部材側加圧部及び第1金属部材が溶損する可能性が高くなる
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、第1金属部材側加圧部と第1金属部材との接触面積が小さくても、第1金属部材側加圧部及び第1金属部材の接触部分での発熱による溶損を回避可能な金属部材の接合装置を提供しようとすることにある。
上記の目的を達成するために、本発明では、筒状の第1金属部材と、該第1金属部材の内側に圧入挿入される軸部を有する第2金属部材とを軸方向に加圧して、該第2金属部材の軸部を該第1金属部材の内側に圧入挿入しながら、通電による抵抗溶接によって、該第1金属部材の内側の内周面と該第2金属部材の軸部の外周面とを接合する、金属部材の接合装置を対象として、上記第1金属部材と上記第2金属部材とを軸方向に加圧する加圧手段と、上記第1金属部材に接触する第1金属部材側電極と、上記第2金属部材に接触し、上記第1金属部材側電極との間に上記抵抗溶接のための通電を行う第2金属部材側電極とを備え、上記加圧手段は、上記第1金属部材における軸方向の上記第2金属部材とは反対側の端面の全体に接触して該第1金属部材を該第2金属部材側に加圧する第1金属部材側加圧部を有し、上記第1金属部材側電極は、上記第1金属部材における上記第1金属部材側加圧部が接触する上記端面とは別の部位に接触するように構成され、上記第1金属部材側電極と上記第1金属部材との接触面積が、上記第1金属部材側加圧部と上記第1金属部材との接触面積よりも大きい、という構成とした。
上記の構成により、第1金属部材側電極が、第1金属部材における第1金属部材側加圧部が接触する端面とは別の部位に接触するように構成されているので、第1金属部材側加圧部と第1金属部材との接触面積が小さくても、第1金属部材側加圧部及び第1金属部材の接触部分での発熱はなく、第1金属部材側加圧部及び第1金属部材の接触部分での発熱による溶損を回避することができる。また、第1金属部材側電極と第1金属部材との接触面積が、第1金属部材側加圧部と第1金属部材との接触面積よりも大きいので、第1金属部材側電極及び第1金属部材の接触部分での電流密度が高くならないようにして発熱を抑制することができ、この結果、第1金属部材側電極及び第1金属部材の接触部分での発熱による溶損も回避することができる。
上記金属部材の接合装置において、上記第1金属部材側電極は、上記通電時に、上記第1金属部材側加圧部により押圧された状態で、上記第1金属部材に接触するように構成され、上記第1金属部材側加圧部と上記第1金属部材側電極との間に設けられ、上記第1金属部材側電極と上記第1金属部材との接触圧力を、上記第1金属部材側加圧部と上記第1金属部材との接触圧力よりも小さくする弾性部材を更に備えている、ことが好ましい。
このことにより、第1金属部材側加圧部を利用して、第1金属部材側電極と第1金属部材との接触圧力を、抵抗溶接のための通電に必要な適切な値にすることができ、この結果、第1金属部材側電極を押圧する押圧手段を別途に設ける必要がなくなる。
上記弾性部材は、非導電性の樹脂からなることが好ましい。
これにより、抵抗溶接に悪影響を与えることなく、第1金属部材側加圧部と第1金属部材側電極との間に弾性部材を設けることができる。
上記金属部材の接合装置の一実施形態では、上記第1金属部材は、自動車の手動変速機における同期装置の一構成要素であるクラッチコーンであり、上記第2金属部材は、上記手動変速機における変速用ギヤであり、上記クラッチコーンは、該クラッチコーンの軸方向に対して垂直な方向に延びる円板状部と、該円板状部の上記軸方向の一方側の面に同心状に設けられ、該一方側に向かって外径が小さくなるように突出するテーパ状のコーン部とを有し、上記第1金属部材側加圧部は、上記クラッチコーンにおける上記コーン部の突出先端面に接触するように構成されている。
すなわち、第1金属部材側加圧部が接触する、クラッチコーンにおけるコーン部の突出先端面の面積は、コーン部の薄肉化により小さくなる傾向にあるが、該面積が小さくなっても、第1金属部材側電極が、コーン部の突出先端面とは別の部位に接触するので、第1金属部材側加圧部及びクラッチコーンの接触部分での発熱による溶損を回避することができるとともに、第1金属部材側電極及びクラッチコーンの接触部分での発熱による溶損も回避することができる。よって、本発明の作用効果を効果的に発揮させることができる。
上記一実施形態の構成において、上記第1金属部材側電極は、上記クラッチコーンにおいて上記円板状部の上記コーン部が設けられた面における該コーン部の外周側に接触するように構成されている、ことが好ましい。
このことにより、第1金属部材側電極とクラッチコーンとの接触面積を容易に確保することができ、第1金属部材側電極及びクラッチコーンの接触部分での発熱による溶損を容易に回避することができる
以上説明したように、本発明の金属部材の接合装置によると、加圧手段が、第1金属部材における軸方向の第2金属部材とは反対側の端面の全体に接触して第1金属部材を第2金属部材側に加圧する第1金属部材側加圧部を有し、第1金属部材側電極が、第1金属部材における第1金属部材側加圧部が接触する端面とは別の部位に接触するように構成され、第1金属部材側電極と第1金属部材との接触面積が、第1金属部材側加圧部と第1金属部材との接触面積よりも大きい構成にしたことにより、第1金属部材側加圧部と第1金属部材との接触面積が小さくても、第1金属部材側加圧部及び第1金属部材の接触部分での発熱による溶損を回避することができるとともに、第1金属部材側電極及び第1金属部材の接触部分での発熱による溶損も回避することができる。
本発明の実施形態に係る金属部材の接合装置を示す断面図であって、クラッチコーン及び変速用ギヤの接合前の状態を示す。 上記接合装置により接合される前のクラッチコーン及び変速用ギヤを示す断面図である。 上側加圧部の下端面がクラッチコーンの上端面に丁度接触した状態を示す図1相当図である。 変速用ギヤの軸部がクラッチコーンの貫通孔に圧入挿入されている状態を示す図1相当図である。 クラッチコーンの円板状部の下面が変速用ギヤの本体部の上面に当接した状態を示す図1相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る金属部材の接合装置1(以下、単に接合装置1という)を示す。この接合装置1は、図2に示すように、中心部に貫通孔22を有する筒状のクラッチコーン21(第1金属部材に相当)と、該クラッチコーン21の内側(貫通孔22)に圧入挿入される軸部32を有する変速用ギヤ31(第2金属部材に相当)とを軸方向に加圧して、変速用ギヤ31の軸部32をクラッチコーン21の内側(貫通孔22)に圧入挿入しながら、通電による抵抗溶接によって、クラッチコーン21の内側の内周面(貫通孔22の内周面)と変速用ギヤ31の軸部32の外周面とを接合するものである。
クラッチコーン21は、自動車の手動変速機における同期装置の一構成要素である。変速用ギヤ31は、上記手動変速機に設けられるドリブンギヤであって、ヘリカルギヤで構成されている。これらクラッチコーン21及び変速用ギヤ31の材質としては、例えばSCr鋼等の浸炭焼入れ鋼が用いられる。
変速用ギヤ31は、該変速用ギヤ31の軸方向に並ぶように、上記軸部32と、外周部に歯部33aが形成された本体部33とを有している。本体部33の外径は、軸部32の外径よりも大きく、クラッチコーン21と変速用ギヤ31との接合完了時には、クラッチコーン21の下端面(後述の円板状部23の下面)が、本体部33の上面に当接した状態になる(図5参照)。変速用ギヤ31の中心部には、本体部33及び軸部32の上記軸方向の全体に亘って貫通孔34が形成されている。この貫通孔34に不図示のメインシャフトが挿通されるようになっている。軸部32における本体部33とは反対側の端面と外周面との角部には、C面取り部35が形成されている。
クラッチコーン21は、該クラッチコーン21の軸方向に対して垂直な方向に延びる円板状部23と、該円板状部23の上記軸方向の一方側(図2の上側)の面に同心状に設けられ、該一方側に向かって外径が小さくなるように突出するテーパ状のコーン部24とを有する。円板状部23の外周部には、歯部23aが形成されている。円板状部23の歯部23aを除く部分の外径は、コーン部24の最大径よりも大きい。また、円板状部23の上面の歯部23a及びコーン部24を除く部分の面積は、コーン部24の突出先端面の面積よりも大きい。クラッチコーン21の貫通孔22の内径は、変速用ギヤ31の軸部32の外径よりも僅かに小さい。クラッチコーン21と変速用ギヤ31との接合時に、クラッチコーン21の中心部を該クラッチコーン21の軸方向に貫通する上記貫通孔22に対して、該貫通孔22の円板状部23側の開口から、変速用ギヤ31の軸部32が同軸状に圧入挿入されることになる。貫通孔22の円板状部23側の開口周縁部には、変速用ギヤ31の軸部32の貫通孔22への圧入挿入開始時に、該軸部32のC面取り部35が当接するテーパ部25が、コーン部24側に向かって内径が小さくなるように形成されている。これにより、軸部32の貫通孔22に対する径方向の位置合わせが行われる。
クラッチコーン21が接合された変速用ギヤ31が上記手動変速機が組み込まれ、その手動変速機のシンクロ動作時には、コーン部24の外周面が不図示のシンクロリングの内周面に圧接されることにより、回転速度の同期が図られる。その後、不図示のハブスリーブの内歯とクラッチコーン21の歯部23aとが噛み合う。
図1に示すように、接合装置1は、クラッチコーン21と変速用ギヤ31とを軸方向に加圧する加圧手段としての加圧装置2と、クラッチコーン21に接触する上側電極11(第1金属部材側電極に相当)と、変速用ギヤ31の本体部33側の面に接触し、上側電極11との間に上記抵抗溶接のための通電を行う(電流を印加する)下側電極17とを備えている。
下側電極17の上面に、変速用ギヤ31が、その軸部32を上向きにした状態でセットされる。このセットされた変速用ギヤ31の軸部32の上側に、クラッチコーン21がセットされる。このとき、変速用ギヤ31の軸部32のC面取り部35がクラッチコーン21のテーパ部25に当接するようにクラッチコーン21がセットされる。
加圧装置2は、クラッチコーン21における軸方向の変速用ギヤ31とは反対側の端面(つまり、上記セットされたクラッチコーン21の上端面(コーン部24の突出先端面))の全体に接触してクラッチコーン21を変速用ギヤ31側(下側)に加圧する円柱状の上側加圧部3(第1金属部材側加圧部に相当)と、不図示の固定部材に固定され、上下方向に進退可能なピストンロッド4aが設けられたシリンダ4(油圧シリンダやエアシリンダ等であって、図では簡略化して描いている)とを有している。上側加圧部3は、シリンダ4のピストンロッド4aに対して同軸状に連結一体化されていて、ピストンロッド4aの下側への進出動作により、クラッチコーン21を変速用ギヤ31側に加圧する。下側電極17は、不図示の固定の基台上に載せられていて、変速用ギヤ31を下側に移動しないように支持して、上側加圧部3による加圧力を受ける。すなわち、下側電極17は、下側加圧部を兼用する。このことから、下側電極17は、加圧装置2の一構成要素となる。本実施形態では、下側電極17は、上側加圧部3による加圧力の反力でもって変速用ギヤ31をクラッチコーン21側に加圧することになるが、下側電極17の下側に設けた別のシリンダによって、下側電極17が変速用ギヤ31をクラッチコーン21側に加圧するように構成してもよい。
上側電極11は、上側加圧部3の周囲に上下方向に延びるように配設された円筒部12と、該円筒部12の上端から径方向外側に水平に延びる水平部13とを有していて、不図示の支持部材により、上下方向に移動可能に支持されている。上側電極11の水平部13の外周縁部は、オンス銅板14を介して図外の電源のプラス端子に接続されている。オンス銅板14は、上下方向に移動する上側電極11と不動の上記電源との間で自在に変形するものである。また、下側電極17は、上記電源のマイナス端子に接続されている。
上側電極11の円筒部12の下端面は、クラッチコーン21において円板状部23のコーン部24が設けられた面(上面)における該コーン部24の外周側(歯部23aを除く部分)に接触する。すなわち、上側電極11は、クラッチコーン21における上側加圧部3が接触する上記上端面とは別の部位に接触するように構成されている。そして、上側電極11とクラッチコーン21との接触面積が、上側加圧部3とクラッチコーン21との接触面積(つまり、クラッチコーン21の上端面の面積)よりも大きくなるようになされている。尚、上側電極11は、クラッチコーン21のコーン部24のテーパ状の外周面に接触するように構成してもよい。
上側電極11は、上記抵抗溶接のための通電時に、上側加圧部3により押圧された状態で、クラッチコーン21の上端面に接触するように構成されている。このとき、上側電極11とクラッチコーン21との接触圧力が、上側加圧部3とクラッチコーン21との接触圧力よりも小さくなるようになされている。
具体的に、ピストンロッド4aの外周面の下端部には、上側電極11の水平部13と平行に延びるリング部材7が一体的に固定されている。このリング部材7と上側電極11の水平部13との間には、ピストンロッド4aの下側への進出動作により上下方向に圧縮されて弾性変形する複数の弾性部材8が、リング部材7の周方向に略等間隔をあけて配設されている。リング部材7、ピストンロッド4a及び上側加圧部3は、互いに一体化されているので、複数の弾性部材8は、上側加圧部3と上側電極11との間に設けられていると言える。本実施形態では、各弾性部材8は、非導電性の樹脂からなるが、これに限らず、例えば金属製のコイルバネで構成されてもよい。この場合、そのコイルバネの下端と水平部13との間に、非導電性部材を介在させることが好ましい。また、弾性部材8は、上側加圧部3の周囲を囲む1つのリング状のものや1つのコイルバネで構成されていてもよい。
上側電極11は、上記抵抗溶接のための通電時に、上側加圧部3により上記複数の弾性部材8を介して押圧されることになる。仮に、これら複数の弾性部材8がなくて上側電極11が上側加圧部3により直接押圧されると、上側電極11とクラッチコーン21との接触圧力が、上側加圧部3とクラッチコーン21との接触圧力と略同じ高い値になるが、抵抗溶接のための通電に必要な接触圧力としては、このような高い値は不要である。そこで、リング部材7と上側電極11の水平部13との間に、上記弾性部材8を介在して、該弾性部材8により、上側電極11とクラッチコーン21との接触圧力を、上側加圧部3とクラッチコーン21との接触圧力よりも小さくする。すなわち、ピストンロッド4aの下側への進出動作により弾性部材8が上下方向に圧縮されて弾性変形し、該弾性部材8の復元力がクラッチコーン21における上側電極11の接触部分にかかることになる。弾性部材8の復元力は、上側加圧部3の加圧力に比べてかなり小さく、この結果、上側電極11とクラッチコーン21との接触圧力が、上側加圧部3とクラッチコーン21との接触圧力よりも小さい所定値になる。この所定値は、抵抗溶接のための通電に必要な適切な値である。尚、上側電極11を、上側加圧部3とは別の押圧手段(例えばシリンダ等)により押圧してクラッチコーン21に接触させるようにしてもよい。この場合、弾性部材8は不要になるものの、別の押圧手段が必要になるので、接合装置1が大型化することになる。
次に、上記構成の接合装置1を用いて、クラッチコーン21と変速用ギヤ31とを接合する方法を説明する。
先ず、下側電極17の上面に、変速用ギヤ31を、その軸部32を上向きにした状態でセットし、このセットされた変速用ギヤ31の軸部32の上側に、クラッチコーン21を、変速用ギヤ31の軸部32のC面取り部35がクラッチコーン21のテーパ部25に当接するようにセットする。
続いて、図1に示すように、上側電極11の円筒部12の下端面を、クラッチコーン21の円板状部23の上面に接触させる。このとき、上側加圧部3の下端面とクラッチコーン21の上端面(コーン部24の突出先端面)との間には、隙間が形成されているとともに、弾性部材8は弾性変形していない(圧縮されていない)。
次いで、シリンダ4のピストンロッド4aを下側に進出させる。このとき、ピストンロッド4aと共にリング部材7が下側に移動するが、上側電極11は移動しない。これにより、リング部材7と上側電極11の水平部13との間の隙間量が小さくなって(図3参照)、その間に位置する弾性部材8が圧縮されて弾性変形し、この弾性部材8の復元力により、上側電極11の円筒部12がクラッチコーン21の円板状部23を押圧する。上記弾性部材8の復元力による円筒部12の円板状部23への押圧では、変速用ギヤ31の軸部32がクラッチコーン21の貫通孔22に圧入されることはない。このことから、後述の如く上側加圧部3による加圧によりクラッチコーン21が下側に移動するまでは、上側電極11は、下側に移動することはない。
やがて、図3に示すように、上側加圧部3の下端面がクラッチコーン21の上端面に接触する。この接触の時点で、上側電極11とクラッチコーン21との接触圧力が上記所定値になる。上記接触の時点と略同時に、上側電極11と下側電極17との間で抵抗溶接のための通電を開始する。上記接触の時点以降もピストンロッド4aの下側への進出動作は継続しており、ピストンロッド4aの更なる下側への進出動作により、上側加圧部3がクラッチコーン21を変速用ギヤ31側に加圧する。上記通電及び上記加圧により、クラッチコーン21の貫通孔22の内周面と変速用ギヤ31の軸部32の外周面との接触部分が軟化して、変速用ギヤ31の軸部32がクラッチコーン21の貫通孔22に圧入挿入されていく(図4参照)。このとき、クラッチコーン21の貫通孔22の内周面と変速用ギヤ31の軸部32の外周面とに塑性流動が発生して、融点以下の温度で急速な拡散接合がなされる。尚、図4で破線で示す矢印は、電流の流れである(図5も同様)。
変速用ギヤ31の軸部32の、クラッチコーン21の貫通孔22への圧入挿入に伴って、クラッチコーン21が上側加圧部3と共に下側に移動する。このとき、上側電極11も上側加圧部3及びクラッチコーン21と共に下側に移動するため、上記接触の時点以降は、リング部材7と上側電極11の水平部13との間の隙間量が変化せず、上側電極11とクラッチコーン21との接触圧力が上記所定値に維持される。
図5に示すように、クラッチコーン21の下端面(円板状部23の下面)が変速用ギヤ31の本体部33の上面に当接したところで、上側加圧部3、上側電極11及びクラッチコーン21の下側への移動はなくなるが、この後も上記通電及び上記加圧が所定時間継続する。こうしてクラッチコーン21と変速用ギヤ31との接合が完了し、クラッチコーン21の貫通孔22の内周面と変速用ギヤ31の軸部32の外周面との間には、拡散接合部41が生じる。
ここで、従来のように上側加圧部3が上側電極を兼ねる場合(上側加圧部3が電源のプラス端子に接続される場合)、クラッチコーン21のコーン部24の突出先端面の面積がかなり小さいので、上側加圧部3とクラッチコーン21との接触面積も小さくなり、このため、抵抗溶接のための通電時に、上側加圧部3とクラッチコーン21との接触部分での電流密度が高くなり過ぎて、該接触部分での発熱により上側加圧部3及びクラッチコーン21が溶損する可能性が高くなる。
しかし、本実施形態では、上側加圧部3とは別に上側電極11を設け、この上側電極11が、クラッチコーン21における上側加圧部3が接触する上端面(コーン部24の突出先端面)とは別の部位に接触するように構成されているので、上側加圧部3とクラッチコーン21との接触面積が小さくても、上側加圧部3及びクラッチコーン21の接触部分での発熱はなく、上側加圧部3及びクラッチコーン21の接触部分での発熱による溶損を回避することができる。また、上側電極11とクラッチコーン21との接触面積が、上側加圧部3とクラッチコーン21との接触面積よりも大きいので、上側電極11及びクラッチコーン21の接触部分での電流密度が高くならないようにして発熱を抑制することができ、この結果、上側電極11及びクラッチコーン21の接触部分での発熱による溶損も回避することができる。
さらに、上側電極11は、クラッチコーン21において円板状部23のコーン部24が設けられた面(上面)における該コーン部24の外周側に接触するように構成されているので、上側電極11とクラッチコーン21との接触面積を容易に確保することができる。
また、本実施形態では、上側加圧部3と上側電極11との間に、上側電極11とクラッチコーン21との接触圧力を、上側加圧部3とクラッチコーン21との接触圧力よりも小さくする弾性部材8が設けられているので、上側加圧部3を利用して、上側電極11とクラッチコーン21との接触圧力を、抵抗溶接のための通電に必要な適切な値(上記所定値)にすることができ、この結果、上側電極11を押圧する押圧手段を別途に設ける必要がなくなる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば、上記実施形態では、第1金属部材をクラッチコーン21とし、第2金属部材を変速用ギヤ31として本発明を説明したが、第1金属部材が筒状であり、第2金属部材が、該第1金属部材の内側に圧入挿入される軸部を有するものであれば、第1及び第2金属部材は、どのような金属部材であってもよい。
また、上記実施形態では、下側電極17を下側加圧部と兼用したが、第2金属部材における軸方向の第1金属部材とは反対側の端面(第2金属部材の下端面)の面積が小さくて、下側電極17及び第2金属部材の接触部分での発熱による溶損の可能性がある場合には、以下の参考形態の構成を採用すればよい。この参考形態では、上側加圧部3及び上側電極11と同様に、下側加圧部(第2金属部材側加圧部)と下側電極(第2金属部材側電極)とを別々に設け、下側加圧部を第2金属部材の下端面に接触させて該第2金属部材を該第1金属部材側に加圧するように構成し、下側電極を、第2金属部材における下側加圧部が接触する上記下端面とは別の部位に接触させ、下側電極と第2金属部材との接触面積を、下側加圧部と第2金属部材との接触面積よりも大きくするようにすればよい。この場合も、上記実施形態と同様の弾性部材を、下側加圧部と下側電極との間に設けて、下側電極が、抵抗溶接のための通電時に、下側加圧部により弾性部材を介して押圧された状態で、第2金属部材に接触するように構成することができる。上記のように下側加圧部と下側電極とを別々に設けた場合において、上側電極を上側加圧部と兼用するようにすることも可能である。
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、筒状の第1金属部材と、該第1金属部材の内側に圧入挿入される軸部を有する第2金属部材とを軸方向に加圧して、該第2金属部材の軸部を該第1金属部材の内側に圧入挿入しながら、通電による抵抗溶接によって、該第1金属部材の内側の内周面と該第2金属部材の軸部の外周面とを接合する、金属部材の接合装置に有用であり、特に、第1金属部材側加圧部が接触する、第1金属部材における軸方向の第2金属部材とは反対側の端面の面積が小さい場合に有用である。
1 金属部材の接合装置
2 加圧装置(加圧手段)
3 上側加圧部(第1金属部材側加圧部)
8 弾性部材
11 上側電極(第1金属部材側電極)
17 下側電極(第2金属部材側電極)(下側加圧部)
21 クラッチコーン
22 貫通孔
23 円板状部
24 コーン部
31 変速用ギヤ
32 軸部

Claims (5)

  1. 筒状の第1金属部材と、該第1金属部材の内側に圧入挿入される軸部を有する第2金属部材とを軸方向に加圧して、該第2金属部材の軸部を該第1金属部材の内側に圧入挿入しながら、通電による抵抗溶接によって、該第1金属部材の内側の内周面と該第2金属部材の軸部の外周面とを接合する、金属部材の接合装置であって、
    上記第1金属部材と上記第2金属部材とを軸方向に加圧する加圧手段と、
    上記第1金属部材に接触する第1金属部材側電極と、
    上記第2金属部材に接触し、上記第1金属部材側電極との間に上記抵抗溶接のための通電を行う第2金属部材側電極とを備え、
    上記加圧手段は、上記第1金属部材における軸方向の上記第2金属部材とは反対側の端面の全体に接触して該第1金属部材を該第2金属部材側に加圧する第1金属部材側加圧部を有し、
    上記第1金属部材側電極は、上記第1金属部材における上記第1金属部材側加圧部が接触する上記端面とは別の部位に接触するように構成され、
    上記第1金属部材側電極と上記第1金属部材との接触面積が、上記第1金属部材側加圧部と上記第1金属部材との接触面積よりも大きいことを特徴とする金属部材の接合装置。
  2. 請求項1記載の金属部材の接合装置において、
    上記第1金属部材側電極は、上記通電時に、上記第1金属部材側加圧部により押圧された状態で、上記第1金属部材に接触するように構成され、
    上記第1金属部材側加圧部と上記第1金属部材側電極との間に設けられ、上記第1金属部材側電極と上記第1金属部材との接触圧力を、上記第1金属部材側加圧部と上記第1金属部材との接触圧力よりも小さくする弾性部材を更に備えていることを特徴とする金属部材の接合装置。
  3. 請求項2記載の金属部材の接合装置において、
    上記弾性部材は、非導電性の樹脂からなることを特徴とする金属部材の接合装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の金属部材の接合装置において、
    上記第1金属部材は、自動車の手動変速機における同期装置の一構成要素であるクラッチコーンであり、
    上記第2金属部材は、上記手動変速機における変速用ギヤであり、
    上記クラッチコーンは、該クラッチコーンの軸方向に対して垂直な方向に延びる円板状部と、該円板状部の上記軸方向の一方側の面に同心状に設けられ、該一方側に向かって外径が小さくなるように突出するテーパ状のコーン部とを有し、
    上記第1金属部材側加圧部は、上記クラッチコーンにおける上記コーン部の突出先端面の全体に接触するように構成されていることを特徴とする金属部材の接合装置。
  5. 請求項4記載の金属部材の接合装置において、
    上記第1金属部材側電極は、上記クラッチコーンにおいて上記円板状部の上記コーン部が設けられた面における該コーン部の外周側に接触するように構成されていることを特徴とする金属部材の接合装置。
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