JP6123571B2 - 金属部材の接合方法及び接合装置 - Google Patents

金属部材の接合方法及び接合装置 Download PDF

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Description

本発明は、金属部材の接合方法及び接合装置に関し、詳しくは、内側金属部材を外側金属部材に圧入しつつ溶接する金属部材の接合方法及び接合装置に関する。
従来より、円環状の外側金属部材の内周面に他の内側金属部材を圧入しつつ溶接するリングマッシュ接合(リングマッシュ溶接)が知られている。このリングマッシュ接合は、短時間で接合できること、熱影響や熱歪が低減すること、軸心精度が高いこと、接合強度が増大すること、等のメリットがあるため、一般的には、自動車の変速装置のギア構成部品の接合等に広く用いられる。
例えば、特許文献1には、マニュアルトランスミッションのギヤ構成部品であるクラッチコーンとヘリカルギアとをリングマッシュ接合で溶接する技術が開示されている。また、特許文献1には、クラッチコーンに上部電極、ヘリカルギアに下部電極をそれぞれ当接させ、両電極に接合用の電圧を印加すると、クラッチコーンとヘリカルギアとの接触部に接触抵抗による発熱が起きること、及び、上部電極とクラッチコーンとの接触抵抗による発熱の影響を受けてクラッチコーンの上端部に高温部分が生じることが開示されている。
具体的に、リングマッシュ接合は、例えば次のように行われる。外側金属部材の下面に下部電極を当接させ、外側金属部材を下部電極で下方から支持する。内側金属部材を外側金属部材の上面から外側金属部材に挿入する。内側金属部材の外周面に形成された圧入部(外側金属部材に圧入される部分)と外側金属部材の内周面に形成された取り付け部(内側金属部材が圧入される部分)とを接触させる。内側金属部材の上面に上部電極を当接させ、上部電極で内側金属部材をその上端部側から下方に加圧しつつ、上部電極と下部電極との間で通電する。これにより、上部電極が当接された内側金属部材の上面と下部電極が当接された外側金属部材の下面との間で電流が流れる。この電流は上記圧入部と上記取り付け部との接触部を通過するため、上記接触部において接触抵抗による発熱が起きる。これにより、接触部近傍の圧入部及び取り付け部が軟化し、内側金属部材が外側金属部材に圧入されつつ溶接される。
この場合、内側金属部材と外側金属部材との接合の形態は、溶融接合ではなく拡散接合である。すなわち、両金属部材に加圧力をかけて通電することにより、接触部近傍の金属を軟化させて塑性流動を発生させ、金属の新生面同士を冶金的に接合するものである。
特開2011−245512号公報(段落0019、0029〜0033)
リングマッシュ接合は、上記のように、生産性が高く、出来上がった製品の要求品質も満たす点でメリットが多い。しかし、ワークの形状によっては要求品質を満たすことが困難な場合がある。具体的には、例えば、内側金属部材の上記圧入部と上記上端部(すなわち加圧力が付与される加圧部)との間にこれらより径が小さい小径部が形成されている場合である。このような形状の部材は例えば動吸振器(ダイナミックダンパ)等に見られる。
すなわち、上部電極と下部電極との間で通電したとき、上部電極は内側金属部材の上面にあり、下部電極は外側金属部材の下面にあるので、電流は、内側金属部材の上面と外側金属部材の下面との間を流れ、その際、上記小径部を通過する。小径部は上記圧入部や上記上端部より断面積が小さいので、これらより電気抵抗が大きい。そのため、小径部を電流が通過することによって、小径部が発熱・軟化し、その発熱温度の上昇程度如何によっては、小径部が上部電極から軸方向に圧入の荷重(加圧力)を受けていることもあって、小径部が座屈するという問題が発生する。その結果、出来上がった製品の要求品質が満たされなくなる。
そこで、本発明は、外側金属部材に圧入される内側金属部材に他の部分より径の小さい小径部が形成されている場合であっても、その小径部の座屈を抑制できる金属部材の接合方法及び接合装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するためのものとして、本発明は、内側金属部材を外側金属部材に圧入しつつ溶接する金属部材の接合方法であって、所定の外径を有する大径部と、上記大径部より小さい外径を有する中径部と、上記中径部より小さい外径を有する小径部とが軸方向に大径部、小径部、及び中径部の順に並んで形成された内側金属部材を準備する内側金属部材準備工程と、上記大径部の外径より大きい内径を有する貫通孔が軸方向に延びて形成され、かつ上記貫通孔の内周面の軸方向の所定の部位が軸中心側に膨出することにより上記大径部の外径より小さく上記中径部の外径より大きい内径を有する取り付け部とされた外側金属部材を準備する外側金属部材準備工程と、上記内側金属部材を上記外側金属部材の貫通孔に大径部側の端部から軸方向に挿入し、上記大径部と上記取り付け部とを接触させた状態で上記内側金属部材を中径部側の端部から軸方向に加圧しつつ、上記外側金属部材の所定の部位に当接させた外側電極と上記内側金属部材の上記大径部側の端部に当接させた内側電極との間で通電する接合工程と、を含む、金属部材の接合方法である(請求項1)。
本発明によれば、内側金属部材は、外側金属部材に圧入される圧入部である大径部と、圧入のための加圧力が付与される加圧部である中径部との間に、これらより径が小さい小径部が形成されている。この内側金属部材を外側金属部材の貫通孔に大径部側の端部から軸方向に挿入すると、上記大径部が外側金属部材の取り付け部に接触する。この状態で内側金属部材を中径部側の端部から加圧すると、その加圧力は大径部と中径部とに挟まれた小径部に作用する。
そして、内側電極が大径部側の端部に配置されている。この内側電極と外側電極との間で通電すると、電流は、上記大径部と取り付け部との接触部と、内側金属部材の上記大径部側の端部との間を通過し、上記接触部と、内側金属部材の上記中径部側の端部との間を通過しない。つまり、電流は、加圧力が作用する小径部を通過しない。そのため、小径部が座屈する懸念が小さい。このように、加圧力が作用する小径部の配置と電流の通過経路とを分離したので、小径部が発熱・軟化した上にさらに加圧力を受けて座屈するという問題が抑制される。
以上により、本発明によれば、外側金属部材に圧入される内側金属部材に他の部分より径の小さい小径部が形成されている場合であっても、その小径部の座屈を抑制できる金属部材の接合方法が提供される。
本発明においては、上記接合工程では、上記外側金属部材を固定し、上記内側金属部材を軸方向に移動させることにより上記内側金属部材を軸方向に加圧し、かつ、上記内側電極を上記内側金属部材と連動して移動させることが好ましい(請求項2)。
この構成によれば、外側金属部材を固定しておいて、内側金属部材を外側金属部材に対して相対移動させる場合に、例えば、内側電極が内側金属部材より速く移動し、その結果、内側電極が内側金属部材から離間して通電しなくなるというような不具合が回避できる。
本発明においては、上記内側金属部材準備工程及び上記外側金属部材準備工程では、上記大径部の外径と上記取り付け部の内径との半径差である圧入代が10〜30μmとなるように上記内側金属部材及び上記外側金属部材を準備することが好ましい(請求項3)。
この構成によれば、大径部と取り付け部との接触部において内側金属部材と外側金属部材との接合強度を十分に高めることができる。すなわち、上記圧入代が10μm未満では、溶融金属が飛散するスパッタ等の現象が生じ、金属同士の拡散接合が不完全になるおそれがある。一方、上記圧入代が30μmを超えると、単なる圧入と同じような状態となり、やはり金属同士の拡散接合が不完全になるおそれがある。
本発明においては、上記接合工程では、上記内側金属部材の加圧時間を0.3秒以下とし、通電時間を上記加圧時間と同じ時間とすることが好ましい(請求項4)。
この構成によれば、加圧時間及び通電時間を共に0.3秒以下で同じ時間としたから、加圧及び通電のいきすぎを防いで、接合が効率よく短時間で完了する。
また、上記課題を解決するためのものとして、本発明は、内側金属部材を外側金属部材に圧入しつつ溶接する金属部材の接合装置であって、所定の外径を有する大径部と、上記大径部より小さい外径を有する中径部と、上記中径部より小さい外径を有する小径部とが軸方向に大径部、小径部、及び中径部の順に並んで形成された内側金属部材、及び、上記大径部の外径より大きい内径を有する貫通孔が軸方向に延びて形成され、かつ上記貫通孔の内周面の軸方向の所定の部位が軸中心側に膨出することにより上記大径部の外径より小さく上記中径部の外径より大きい内径を有する取り付け部とされた外側金属部材のいずれか一方を保持し、他方を軸方向に移動させることにより、上記内側金属部材を上記外側金属部材の貫通孔に大径部側の端部から軸方向に挿入し、上記大径部と上記取り付け部とを接触させた状態で上記内側金属部材を中径部側の端部から軸方向に加圧する加圧手段と、上記外側金属部材の所定の部位に当接された外側電極と、上記内側金属部材の上記大径部側の端部に当接された内側電極とを有し、上記加圧手段による加圧と同期して、上記外側電極と上記内側電極との間で通電する通電手段と、を含む、金属部材の接合装置である(請求項5)。
本発明によっても、上記金属部材の接合方法の発明と同様、外側金属部材に圧入される内側金属部材に他の部分より径の小さい小径部が形成されている場合であっても、その小径部の座屈を抑制できる金属部材の接合装置が提供される。
本発明は、外側金属部材に圧入される内側金属部材に他の部分より径の小さい小径部が形成されている場合であっても、その小径部の座屈を抑制できる金属部材の接合方法及び接合装置を提供するから、リングマッシュ接合の技術の発展・向上に寄与する。
本発明の実施形態に係る外側金属部材及び内側金属部材を説明するためのエンジンのピストン及びコンロッドの正面図である。 図1のII−II線断面図である。 本発明の実施形態に係る金属部材の接合装置の概略構成図である。 本発明の他の実施形態に係る金属部材の接合装置の概略構成図である。 本発明の効果を説明するための実験結果の表である。 従来の金属部材の接合装置の概略構成図である。
<第1の実施形態>
(1)ワークの説明
本実施形態に係る金属部材の接合方法及び接合装置において、リングマッシュ接合で相互に溶接されるワークは、外側金属部材がピストンピン、内側金属部材がエンジンの燃焼騒音を低減するための動吸振器(ダイナミックダンパ)である。
図1及び図2を参照すると、ピストン1の頂面にキャビティ1aが形成され、ピストン1の外周面にピストンリング1bが嵌合されている。ピストン1はピストンピン2を介してコンロッド10の小端部10aに連結されている。コンロッド10の大端部10bにシャフト挿通孔10eが形成され、このシャフト挿通孔10eに図示しないクランクシャフトが挿通されている。コンロッド10の小端部10aと大端部10bとは連結部10cによって連結されている。ピストン1の往復動はコンロッド10を介してクランクシャフトに伝達され、クランクシャフトが回転する。
図2に示すように、コンロッド10の小端部10aにピン挿通孔10dが形成され、このピン挿通孔10dにブッシュ11を介してピストンピン2の軸方向中央部が回動可能に挿通されている。ピストン1の裏面に2つのボス部1cがコンロッド10の小端部10aを挟むように膨出形成されている。これら2つのボス部1cにピン支持孔1dがそれぞれ形成され、各ピン支持孔1dにピストンピン2の各端部がそれぞれ回動可能に挿通されている。各ピン支持孔1dには、ピストンピン2の軸方向の移動を規制するスナップリング1eがそれぞれ設けられている。
ピストンピン2は円筒状であり、貫通孔2aが軸方向に延びて形成されている。貫通孔2aの内周面の軸方向中央部は、軸中心側に膨出することにより、動吸振器20の圧入部20aが圧入される取り付け部2bとされている。貫通孔2a及び取り付け部2bは、それぞれ断面形状が円形であり、相互に同心に配置されている。ピストンピン2の材質はスチールであり、その具体例としては、SCR420H等の浸炭焼入れ鋼を挙げることができる。
貫通孔2aに2つの動吸振器20が収容されている。図2に示すように、各動吸振器20は、それぞれ、上記取り付け部2bに圧入される共有の圧入部20aと、貫通孔2aの軸方向に延びる可動部20bと、上記可動部20bを上記圧入部20aに対してピストンピン2の径方向に振動可能に支持する支持部20cとを有している。圧入部20a、可動部20b、及び支持部20cは、それぞれ断面形状が円形であり、相互に同心に配置されている。
貫通孔2aの内径φ2aは、圧入部20aの外径φ20aより大きい。取り付け部2bの内径φ2bは、圧入部20aの外径φ20aより小さく、可動部20bの外径φ20bより大きい。可動部20bの外径φ20bは、圧入部20aの外径φ20aより小さい。支持部20cの外径φ20cは、可動部20bの外径φ20bより小さい。すなわち、φ2a>φ20a>φ2b>φ20b>φ20cの関係に設定されている。圧入部20a、可動部20b、及び支持部20cは、それぞれ本発明の大径部、中径部、及び小径部に相当する。
1つの圧入部20a、2つの可動部20b、及び2つの支持部20cは、金属で一体形成されている。すなわち、2つの動吸振器20は1つの部材に一体化されている。今後、動吸振器20というときは、この一体化された部材も含まれる。動吸振器20の材質はスチールであり、その具体例としては、SCM435等の浸炭焼入れ鋼を挙げることができる。
動吸振器20の圧入部20aがピストンピン2の取り付け部2bに圧入されている。これにより、2つの動吸振器20が貫通孔2aの軸方向中央部を境に相互に対称に配置されている。具体的に、各動吸振器20は、圧入部20aを間に挟んで、軸方向に、相互に離間する側に、支持部20cと可動部20bとがこの順に並んで形成されている。2つの可動部20bの長さ及び径は相互に同じであり、2つの支持部20cの長さ及び径は相互に同じである。
ピストン1及びコンロッド10のバネマスモデルにおいて、ピストン1とピストンピン2とコンロッド10の小端部10aとが全体として質点(質量=M(kg))に相当し、コンロッド10の小端部10aと大端部10bとを連結する連結部10cが上記質点を上記大端部10bに対して支持するバネ(バネ定数=K(N/m))に相当する。燃焼行程では、ピストン1が大きな力で押圧されるため、ピストン1とピストンピン2とコンロッド10の小端部10aとが一体となってコンロッド10の大端部10bに対して、(1/2π)・(K/M)1/2Hzの共振周波数で共振する(コンロッド10の伸縮共振)。これにより、エンジン音にコンロッド10の伸縮共振によるピークが発生し燃焼騒音が生じる。
これに対し、上記動吸振器20は上記コンロッド10の伸縮共振を抑制する(共振周波数における振動を低減する)ので、上記共振によるエンジンの燃焼騒音が低減される。
なお、上記構成の動吸振器20を準備する工程及び上記構成のピストンピン2を準備する工程は、それぞれ、本実施形態に係る金属部材の接合方法における内側金属部材準備工程及び外側金属部材準備工程である。その場合、内側金属部材準備工程及び外側金属部材準備工程では、上記圧入部20aの外径φ20aと上記取り付け部2bの内径φ2bとの半径差である圧入代が10〜30μmとなるように上記動吸振器20及び上記ピストンピン2を準備する。
(2)従来の接合方法
上記ピストンピン2を外側金属部材、上記動吸振器20を内側金属部材として、円環状のピストンピン2の内周面に動吸振器20を圧入しつつ溶接する従来のリングマッシュ接合の方法及び装置を説明する。
図6に示すように、接合装置は、通電装置23を含む。通電装置23は、可動側の上部電極21と、固定側の下部電極22とを有し、これらの上部電極21及び下部電極22に電圧を印加して電極21,22間で通電するものである。通電装置23は、電解コンデンサCと、溶接トランスTと、放電回路23aと、上部電極21及び下部電極22を接続する大電流回路23bとを備えている。通電装置23は、溶接に必要なエネルギー(電気量)を電解コンデンサCに充電し、これを放電回路23aを介して瞬時に溶接トランスTに放電することにより、短時間に大きな溶接電流を大電流回路23bを介して上部電極21と下部電極22との間に流す。
接合装置は、他に、上部電極21を上下に移動させるシリンダ等を備える加圧装置(図6には図示しないが例えば図4に示すシリンダ46,49を備える加圧装置50参照)、及びワークを保持する治具(図示せず)等を含んで構成されている。
接合方法は、まず、図6に示すように、ピストンピン2を軸方向が上下方向となるように立ててセットし、ピストンピン2の下面(下方を向く端面)に下部電極22を当接させ、ピストンピン2を下部電極22で下方から支持する。ピストンピン2は治具で保持されている。
この状態で動吸振器20を軸方向が上下方向となるように立てて軸方向に移動させる。貫通孔2aの内径φ2a>圧入部20aの外径φ20aであるから、動吸振器20(一体化されたもの)をピストンピン2の上面(上方を向く端面)からピストンピン2の貫通孔2aに軸方向に挿入することができる。取り付け部2bの内径φ2b>可動部20bの外径φ20bであるから、圧入部20aより下側の可動部20b及び支持部20cが取り付け部2bを潜り抜ける。圧入部20aの外径φ20a>取り付け部2bの内径φ2bであるから、圧入部20aの下部が取り付け部2bの上部に接触する(この接触部に符号「A」を付してある)。
動吸振器20の上面(圧入部20aより上側の可動部20bの上面)に上部電極21を当接させ、加圧装置により、上部電極21で動吸振器20をその上端部側から下方に加圧する(したがって上側の可動部20bは加圧力が付与される加圧部である)。この状態で、通電装置23により、上部電極21と下部電極22との間で溶接用の大電流を通電する。これにより、上部電極21が当接された動吸振器20の上面と下部電極22が当接されたピストンピン2の下面との間で電流が流れる。この電流は上記圧入部20aと上記取り付け部2bとの接触部Aを通過する(破線矢印参照)。なお、図例は上部電極21から下部電極22へ電流が流れる場合を示しているが、逆に下部電極22から上部電極21へ電流が流れる場合も事情は同じである。そのため、上記接触部Aにおいて接触抵抗による発熱が起きる。これにより、接触部A近傍の圧入部20a及び取り付け部2bが軟化し、動吸振器20(詳しくはこれの圧入部20a)が加圧力を受けてピストンピン2(詳しくはこれの取り付け部2b)に圧入されつつ溶接される。
しかしながら、この従来の接合方法では、次のような問題がある。上部電極21と下部電極22の間で通電したとき、上部電極21は動吸振器20の上面にあり、下部電極22はピストンピン2の下面にあるので、電流は、動吸振器20の上面とピストンピン2の下面との間を流れ、その際、圧入部20aより上側の支持部20cを通過する。支持部20cは圧入部20aや可動部20bより断面積が小さいので、これらより電気抵抗が大きい。そのため、上側の支持部20cを電流が通過することによって、上側の支持部20cが発熱・軟化し(図6にハッチングを施してある)、その発熱温度の上昇程度如何によっては、上側の支持部20cが上部電極21から軸方向に圧入の荷重(加圧力)を受けていることもあって、上側の支持部20cが座屈するという問題が発生する。その結果、出来上がった製品の要求品質、つまりコンロッド10の伸縮共振を抑制する機能が満たされなくなる。
(3)本実施形態に係る接合方法
そこで、上記問題に対処するものとして、上記ピストンピン2を外側金属部材、上記動吸振器20を内側金属部材として、円環状のピストンピン2の内周面に動吸振器20を圧入しつつ溶接する本実施形態に係るリングマッシュ接合の方法及び装置を説明する。なお、「(2)従来の接合方法」で説明した構成要素と同じ又は類似の構成要素には同じ符号を用いる。
図3に示すように、接合装置は、通電装置23を含む。通電装置23は、動吸振器20の下面(圧入部20aより下側の可動部20bの下面)に当接させた可動側の内側電極31と、ピストンピン2の下面(下方を向く端面)に当接させた固定側の外側電極32とを有し、これらの内側電極31及び外側電極32に電圧を印加して電極31,32間で通電するものである(本発明の通電手段に相当する)。通電装置23は、電解コンデンサCと、溶接トランスTと、放電回路23aと、内側電極31及び外側電極32を接続する大電流回路23bとを備えている。通電装置23は、溶接に必要なエネルギー(電気量)を電解コンデンサCに充電し、これを放電回路23aを介して瞬時に溶接トランスTに放電することにより、短時間に大きな溶接電流を大電流回路23bを介して内側電極31と外側電極32との間に流す。
内側電極31は、シリンダやバネ等の付勢装置で常に動吸振器20の下面側に弱く付勢されており、動吸振器20の下面に当接された状態で動吸振器20と連動して移動可能に構成されている。
接合装置は、他に、動吸振器20の上面(圧入部20aより上側の可動部20bの上面)に当接させた加圧プレート33、上記加圧プレート33を上下に移動させるシリンダ等を備える加圧装置(本発明の加圧手段に相当する)(図3には図示しないが例えば図4に示すシリンダ46,49を備える加圧装置50参照)、及びワークを保持する治具(図示せず)等を含んで構成されている。
接合方法は、まず、図3に示すように、ピストンピン2を軸方向が上下方向となるように立ててセットし、ピストンピン2の下面に外側電極32を当接させ、ピストンピン2を外側電極32で下方から支持する。ピストンピン2は治具で保持されている。なお、外側電極32と内側電極31とは離間しており、絶縁状態とされている。
この状態で動吸振器20を軸方向が上下方向となるように立てて軸方向に移動させる。貫通孔2aの内径φ2a>圧入部20aの外径φ20aであるから、動吸振器20(一体化されたもの)をピストンピン2の上面(上方を向く端面)からピストンピン2の貫通孔2aに軸方向に挿入することができる。取り付け部2bの内径φ2b>可動部20bの外径φ20bであるから、圧入部20aより下側の可動部20b及び支持部20cが取り付け部2bを潜り抜ける。圧入部20aの外径φ20a>取り付け部2bの内径φ2bであるから、圧入部20aの下部が取り付け部2bの上部に接触する(この接触部に符号「A」を付してある)。
ここで、取り付け部2bに接触する圧入部20a、取り付け部2bを潜り抜けていない圧入部20aより上側の可動部20b及び支持部20cが、特許請求の範囲の請求項1及び請求項5に記載される大径部、中径部及び小径部にそれぞれ相当する。
動吸振器20の下面に内側電極31を当接させ、動吸振器20の上面に加圧プレート33を当接させ、加圧装置により、加圧プレート33で動吸振器20をその上端部側から下方に加圧する(したがって圧入部20aより上側の可動部20bは加圧力が付与される加圧部である)。この状態で、通電装置23により、内側電極31と外側電極32との間で溶接用の大電流を通電する。これにより、内側電極31が当接された動吸振器20の下面と外側電極32が当接されたピストンピン2の下面との間で電流が流れる。この電流は上記圧入部20aと上記取り付け部2bとの接触部Aを通過する(破線矢印参照)。なお、図例は内側電極31から外側電極32へ電流が流れる場合を示しているが、逆に外側電極32から内側電極31へ電流が流れる場合も事情は同じである。そのため、上記接触部Aにおいて接触抵抗による発熱が起きる。これにより、接触部A近傍の圧入部20a及び取り付け部2bが軟化し、動吸振器20(詳しくはこれの圧入部20a)が加圧力を受けてピストンピン2(詳しくはこれの取り付け部2b)に圧入されつつ溶接される。
なお、上記加圧装置により加圧しつつ通電装置23により通電する工程は、本実施形態に係る金属部材の接合方法における接合工程である。その場合、接合工程では、上記動吸振器20の加圧時間を0.3秒以下とし、上記通電時間を上記加圧時間と同じ時間とする。
この本実施形態に係る接合方法では、次のような利点がある。内側電極31と外側電極32の間で通電したとき、内側電極31は動吸振器20の下面にあり、外側電極32もピストンピン2の下面にあるので、電流は、動吸振器20の下面とピストンピン2の下面との間を流れ、その際、圧入部20aより下側の支持部20cを通過する。支持部20cは圧入部20aや可動部20bより断面積が小さいので、これらより電気抵抗が大きい。そのため、下側の支持部20cを電流が通過することによって、下側の支持部20cが発熱・軟化する(図3にハッチングを施してある)。
ここで、加圧プレート33から軸方向に圧入の荷重(加圧力)を受けているのは圧入部20aより上側の支持部20cであり、下側の支持部20cは加圧プレート33から上記加圧力を受けていない。つまり、加圧力を受けかつ電流が通過して発熱・軟化する支持部20cは存在しない。下側の支持部20cは電流が通過して発熱・軟化するだけであり、上側の支持部20cは、加圧力を受けるだけである。そのため、下側の支持部20c又は上側の支持部20cが座屈するという問題が抑制され、出来上がった製品の要求品質、つまりコンロッド10の伸縮共振を抑制する機能が満たされる。
(4)実験例
図3に示す接合装置を用い、動吸振器20をピストンピン2に圧入しつつ溶接する実験を行った(実施例)。図6に示す接合装置を用い、動吸振器20をピストンピン2に圧入しつつ溶接する実験を行った(比較例)。そして、小径部径、すなわち上側の支持部20cの径が通電前後でどれだけ変化したかを測定した。結果を図5に示す。
実施例と比較例とで、溶接条件(電流、通電時間)及び加圧力を同じに揃え、同じ動吸振器20及び同じピストンピン2を用いた。なお、通電時間8/60(サイクル)は0.133秒に相当する。加圧時間は通電時間と同じ時間とした。
比較例では、上側の支持部20cの径が通電前後で1.39mmも増大した。これは溶接時に上側の支持部20cに座屈が起こったからと考察される。これに対し、実施例では、上側の支持部20cの径が通電前後でほとんど増大しなかった。これは溶接時に上側の支持部20cに座屈が起こらなかったからと考察される。
(5)作用等
本実施形態では、動吸振器20をピストンピン2に圧入しつつ溶接する金属部材の接合方法において、次のような特徴的構成を採用した。すなわち、接合方法は内側金属部材準備工程と外側金属部材準備工程と接合工程とを含む。
内側金属部材準備工程では、所定の外径φ20aを有する圧入部20aと、圧入部20aより小さい外径φ20bを有する可動部20bと、可動部20bより小さい外径φ20cを有する支持部20cとが軸方向に圧入部20a、支持部20c、及び可動部20bの順に並んで形成された動吸振器20を準備する。
外側金属部材準備工程では、圧入部20aの外径φ20aより大きい内径φ2aを有する貫通孔2aが軸方向に延びて形成され、かつ貫通孔2aの内周面の軸方向中央部が軸中心側に膨出することにより圧入部20aの外径φ20aより小さく可動部20bの外径φ20bより大きい内径φ2bを有する取り付け部2bとされたピストンピン2を準備する。
接合工程では、動吸振器20をピストンピン2の貫通孔2aに下面側の端部(これは圧入部20aより上側の動吸振器20を基準として見たとき圧入部20a側の端部である)から軸方向に挿入し、圧入部20aと取り付け部2bとを接触させた状態で動吸振器20を上面側の端部(これは圧入部20aより上側の動吸振器20を基準として見たとき上側の可動部20b側の端部である)から軸方向に加圧しつつ、ピストンピン2の下面に当接させた外側電極32と動吸振器20の下面(これは圧入部20aより上側の動吸振器20を基準として見たとき圧入部20a側の端部である)に当接させた内側電極31との間で通電する。
この構成によれば、動吸振器20は、ピストンピン2に圧入される圧入部20aと、圧入のための加圧力が付与される加圧部である上側の可動部20bとの間に、これらより径が小さい支持部20cが形成されている。この動吸振器20をピストンピン2の貫通孔2aに下面側の端部から軸方向に挿入すると、圧入部20aがピストンピン2の取り付け部2bに接触する。この状態で動吸振器20を上面側の端部から加圧すると、その加圧力は圧入部20aと上側の可動部20bとに挟まれた上側の支持部20cに作用する。
そして、内側電極31が動吸振器20の下面側の端部に配置されている。この内側電極31と外側電極32との間で通電すると、電流は、圧入部20aと取り付け部2bとの接触部Aと、動吸振器20の下面側の端部との間を通過し、上記接触部Aと、動吸振器20の上面側の端部との間を通過しない。つまり、電流は、加圧力が作用する上側の支持部20cを通過しない。そのため、加圧力の作用だけが起こる上側の支持部20cも、電流の通過だけが起こる下側の支持部20cも、座屈する懸念が小さい。このように、加圧力が作用する上側の支持部20cの配置と電流の通過経路とを分離したので、支持部20cが発熱・軟化した上にさらに加圧力を受けて座屈するという問題が抑制される。
以上により、本実施形態によれば、ピストンピン2に圧入される動吸振器20に他の部分より径の小さい支持部20cが形成されている場合であっても、その支持部20cの座屈を抑制できる金属部材の接合方法が提供される。
本実施形態においては、接合工程では、ピストンピン2を固定し、動吸振器20を軸方向に移動させることにより動吸振器20を軸方向に加圧し、かつ、内側電極31を動吸振器20と連動して移動させる。
この構成によれば、ピストンピン2を固定しておいて、動吸振器20をピストンピン2に対して相対移動させる場合に、例えば、内側電極31が動吸振器20より速く移動し、その結果、内側電極31が動吸振器20から離間して通電しなくなるというような不具合が回避できる。
本実施形態においては、内側金属部材準備工程及び外側金属部材準備工程では、圧入部20aの外径φ20aと取り付け部2bの内径φ2bとの半径差である圧入代が10〜30μmとなるように動吸振器20及びピストンピン2を準備する。
この構成によれば、圧入部20aと取り付け部2bとの接触部Aにおいて動吸振器20とピストンピン2との接合強度を十分に高めることができる。すなわち、上記圧入代が10μm未満では、溶融金属が飛散するスパッタ等の現象が生じ、金属同士の拡散接合が不完全になるおそれがある。一方、上記圧入代が30μmを超えると、単なる圧入と同じような状態となり、やはり金属同士の拡散接合が不完全になるおそれがある。
本実施形態においては、接合工程では、動吸振器20の加圧時間を0.3秒以下とし、通電時間を上記加圧時間と同じ時間とする。
この構成によれば、加圧時間及び通電時間を共に0.3秒以下で同じ時間としたから、加圧及び通電のいきすぎを防いで、接合が効率よく短時間で完了する。
また、本実施形態では、動吸振器20をピストンピン2に圧入しつつ溶接する金属部材の接合装置において、次のような特徴的構成を採用した。すなわち、接合装置は加圧装置と通電装置23とを含む。
加圧装置は、ピストンピン2を保持し、動吸振器20を軸方向に移動させることにより、動吸振器20をピストンピン2の貫通孔2aに下面側の端部(これは圧入部20aより上側の動吸振器20を基準として見たとき圧入部20a側の端部である)から軸方向に挿入し、圧入部20aと取り付け部2bとを接触させた状態で動吸振器20を上面側の端部(これは圧入部20aより上側の動吸振器20を基準として見たとき上側の可動部20b側の端部である)から軸方向に加圧する。
通電装置23は、ピストンピン2の下面に当接された外側電極32と、動吸振器20の下面(これは圧入部20aより上側の動吸振器20を基準として見たとき圧入部20a側の端部である)に当接された内側電極31とを有し、加圧装置による加圧と同期して、上記外側電極32と上記内側電極31との間で通電する。
本接合装置によっても、上記接合方法と同様、ピストンピン2に圧入される動吸振器20に他の部分より径の小さい支持部20cが形成されている場合であっても、その支持部20cの座屈を抑制できる金属部材の接合装置が提供される。
<第2の実施形態>
次に、図4を参照して、本発明の第2の実施形態を説明する。第1の実施形態では、接合工程において、ピストンピン2を保持・固定し、動吸振器20を軸方向に移動させたが、この第2の実施形態では、逆に、動吸振器20を保持・固定し、ピストンピン2を軸方向に移動させる点が異なっているので、この点を中心に説明し、その他の点は説明を省略する。なお、「(3)本実施形態に係る接合方法」で説明した構成要素と同じ又は類似の構成要素には同じ符号を用いる。
図4に示すように、接合装置は、通電装置を含む。通電装置は、動吸振器20の上面(圧入部20aより上側の可動部20bの上面)に当接させた固定側の内側電極41と、ピストンピン2の上部の周面に当接させたクランプタイプの可動側の外側電極42とを有し、これらの内側電極41及び外側電極42に電圧を印加して電極41,42間で通電するものである(本発明の通電手段に相当する)。通電装置は、図示しないが、図3に類似して、電解コンデンサと、溶接トランスと、放電回路と、内側電極41及び外側電極42を接続する大電流回路とを備えている。通電装置は、溶接に必要なエネルギー(電気量)を電解コンデンサに充電し、これを放電回路を介して瞬時に溶接トランスに放電することにより、短時間に大きな溶接電流を大電流回路を介して内側電極41と外側電極42との間に流す。
接合装置は、他に、ピストンピン2の上面(上方を向く端面)に当接させた加圧ブロック43、上記加圧ブロック43を上下に移動させる加圧装置50(本発明の加圧手段に相当する)、及びワークを保持する治具(図示せず)等を含んで構成されている。
加圧装置50は、加圧ブロック43の上面に連結された加圧プレート45と、この加圧プレート45を上下に移動させるシリンダ46とを備えている。
内側電極41は、加圧装置50に備えられたシリンダ49の下方側への付勢力で常に動吸振器20の上面側に付勢されており、土台44との間で動吸振器20を上下に挟み付けて固定する。シリンダ49の付勢力は、ガイドブッシュ48で上下方向の移動が案内されるプランジャ47を介して内側電極41に伝達される。
接合方法は、まず、図4に示すように、動吸振器20(一体化されたもの)を軸方向が上下方向となるように土台44の上に立ててセットし、動吸振器20を土台44で下方から支持する。この状態でピストンピン2を軸方向が上下方向となるように立てて軸方向に移動させる。貫通孔2aの内径φ2a>圧入部20aの外径φ20aであるから、ピストンピン2を動吸振器20に対して上方から被せることにより、動吸振器20をピストンピン2の下面(下方を向く端面)からピストンピン2の貫通孔2aに軸方向に挿入することができる。取り付け部2bの内径φ2b>可動部20bの外径φ20bであるから、圧入部20aより上側の可動部20b及び支持部20cが取り付け部2bを潜り抜ける。圧入部20aの外径φ20a>取り付け部2bの内径φ2bであるから、圧入部20aの上部が取り付け部2bの下部に接触する(この接触部に符号「A」を付してある)。動吸振器20の上面に内側電極41を当接させ、シリンダ49で挟み付けて固定する。
ここで、取り付け部2bに接触する圧入部20a、取り付け部2bを潜り抜けていない圧入部20aより下側の可動部20b及び支持部20cが、特許請求の範囲の請求項1及び請求項5に記載される大径部、中径部及び小径部にそれぞれ相当する。
ピストンピン2の上面に加圧ブロック43を当接させ、加圧装置50により、加圧ブロック43でピストンピン2をその上端部側から下方に加圧する(したがって圧入部20aより下側の可動部20bは土台44側から加圧力が付与される加圧部である)。
この状態で、通電装置により、内側電極41と外側電極42との間で溶接用の大電流を通電する。これにより、内側電極41が当接された動吸振器20の上面と外側電極42が当接されたピストンピン2の上部の周面との間で電流が流れる。この電流は上記圧入部20aと上記取り付け部2bとの接触部Aを通過する(破線矢印参照)。なお、図例は内側電極41から外側電極42へ電流が流れる場合を示しているが、逆に外側電極42から内側電極41へ電流が流れる場合も事情は同じである。そのため、上記接触部Aにおいて接触抵抗による発熱が起きる。これにより、接触部A近傍の圧入部20a及び取り付け部2bが軟化し、動吸振器20(詳しくはこれの圧入部20a)が土台44側から加圧力を受けてピストンピン2(詳しくはこれの取り付け部2b)に圧入されつつ溶接される。
この第2の実施形態に係る接合方法では、次のような利点がある。内側電極41と外側電極42の間で通電したとき、内側電極41は動吸振器20の上面にあり、外側電極42もピストンピン2の上部の周面にあるので、電流は、動吸振器20の上面とピストンピン2の上部との間を流れ、その際、圧入部20aより上側の支持部20cを通過する。支持部20cは圧入部20aや可動部20bより断面積が小さいので、これらより電気抵抗が大きい。そのため、上側の支持部20cを電流が通過することによって、上側の支持部20cが発熱・軟化する(図4にハッチングを施してある)。
ここで、加圧ブロック43ひいては土台44側から軸方向に圧入の荷重(加圧力)を受けているのは圧入部20aより下側の支持部20cであり、上側の支持部20cは加圧ブロック43ひいては土台44側から上記加圧力を受けていない。つまり、加圧力を受けかつ電流が通過して発熱・軟化する支持部20cは存在しない。上側の支持部20cは電流が通過して発熱・軟化するだけであり、下側の支持部20cは、加圧力を受けるだけである。そのため、上側の支持部20c又は下側の支持部20cが座屈するという問題が抑制され、出来上がった製品の要求品質、つまりコンロッド10の伸縮共振を抑制する機能が満たされる。
そして、この第2の実施形態においても、接合工程では、動吸振器20をピストンピン2の貫通孔2aに上面側の端部(これは圧入部20aより下側の動吸振器20を基準として見たとき圧入部20a側の端部である)から軸方向に挿入し、圧入部20aと取り付け部2bとを接触させた状態で動吸振器20を下面側の端部(これは圧入部20aより下側の動吸振器20を基準として見たとき下側の可動部20b側の端部である)から軸方向に加圧しつつ、ピストンピン2の上部の周面に当接させた外側電極42と動吸振器20の上面(これは圧入部20aより下側の動吸振器20を基準として見たとき圧入部20a側の端部である)に当接させた内側電極41との間で通電することになる。
<他の実施形態>
内側金属部材は、他の部分より径の小さい部分が形成されている限り、換言すれば、くびれ部分を有する形状である限り、動吸振器に限定されず、他の用途・機能を有する部材でもよい。
内側金属部材は、軸方向中央部を境に対称形でなくてもよい。例えば、軸方向に大径部と小径部と中径部とが1組だけ並んで形成されてもよい。
外側金属部材は、取り付け部を軸方向中央部に備えなくてもよい。例えば、取り付け部が外側金属部材の一方の端部側に偏って配置されてもよい。
外側電極は、外側金属部材に当接される限り、外側金属部材のいずれの部位に当接されてもよい。例えば、図3において、外側電極32をピストンピン2の上面に当接させてもよく、図4において、外側電極42をピストンピン2の下部の周面に当接させてもよい。それらの場合でも、通電の際、電流は、加圧力を受けていない支持部20cを通過し、加圧力を受けている支持部20cを通過しない。
1 ピストン
2 ピストンピン(外側金属部材)
2a 貫通孔
2b 取り付け部
20 動吸振器(内側金属部材)
20a 圧入部(大径部)
20b 可動部(中径部)
20c 支持部(小径部)
23 通電装置(通電手段)
31 内側電極
32 外側電極
33 加圧プレート
41 内側電極
42 外側電極
43 加圧ブロック
45 加圧プレート
46 シリンダ
50 加圧装置(加圧手段)
A 接触部
C 電解コンデンサ
T 溶接トランス

Claims (5)

  1. 内側金属部材を外側金属部材に圧入しつつ溶接する金属部材の接合方法であって、
    所定の外径を有する大径部と、上記大径部より小さい外径を有する中径部と、上記中径部より小さい外径を有する小径部とが軸方向に大径部、小径部、及び中径部の順に並んで形成された内側金属部材を準備する内側金属部材準備工程と、
    上記大径部の外径より大きい内径を有する貫通孔が軸方向に延びて形成され、かつ上記貫通孔の内周面の軸方向の所定の部位が軸中心側に膨出することにより上記大径部の外径より小さく上記中径部の外径より大きい内径を有する取り付け部とされた外側金属部材を準備する外側金属部材準備工程と、
    上記内側金属部材を上記外側金属部材の貫通孔に大径部側の端部から軸方向に挿入し、上記大径部と上記取り付け部とを接触させた状態で上記内側金属部材を中径部側の端部から軸方向に加圧しつつ、上記外側金属部材の所定の部位に当接させた外側電極と上記内側金属部材の上記大径部側の端部に当接させた内側電極との間で通電する接合工程と、
    を含む、金属部材の接合方法。
  2. 請求項1に記載の金属部材の接合方法において、
    上記接合工程では、上記外側金属部材を固定し、上記内側金属部材を軸方向に移動させることにより上記内側金属部材を軸方向に加圧し、かつ、上記内側電極を上記内側金属部材と連動して移動させる、金属部材の接合方法。
  3. 請求項1又は2に記載の金属部材の接合方法において、
    上記内側金属部材準備工程及び上記外側金属部材準備工程では、上記大径部の外径と上記取り付け部の内径との半径差である圧入代が10〜30μmとなるように上記内側金属部材及び上記外側金属部材を準備する、金属部材の接合方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の金属部材の接合方法において、
    上記接合工程では、上記内側金属部材の加圧時間を0.3秒以下とし、通電時間を上記加圧時間と同じ時間とする、金属部材の接合方法。
  5. 内側金属部材を外側金属部材に圧入しつつ溶接する金属部材の接合装置であって、
    所定の外径を有する大径部と、上記大径部より小さい外径を有する中径部と、上記中径部より小さい外径を有する小径部とが軸方向に大径部、小径部、及び中径部の順に並んで形成された内側金属部材、及び、上記大径部の外径より大きい内径を有する貫通孔が軸方向に延びて形成され、かつ上記貫通孔の内周面の軸方向の所定の部位が軸中心側に膨出することにより上記大径部の外径より小さく上記中径部の外径より大きい内径を有する取り付け部とされた外側金属部材のいずれか一方を保持し、他方を軸方向に移動させることにより、上記内側金属部材を上記外側金属部材の貫通孔に大径部側の端部から軸方向に挿入し、上記大径部と上記取り付け部とを接触させた状態で上記内側金属部材を中径部側の端部から軸方向に加圧する加圧手段と、
    上記外側金属部材の所定の部位に当接された外側電極と、上記内側金属部材の上記大径部側の端部に当接された内側電極とを有し、上記加圧手段による加圧と同期して、上記外側電極と上記内側電極との間で通電する通電手段と、
    を含む、金属部材の接合装置。
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