JP2015165151A - ダボカシメ方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ダボ孔付き板材1とダボ付き板材2とを準備し、ダボ付き板材2ではダボ6の根本部内面に拡径部8を形成しておき、ダボ孔付き板材1とダボ付き板材2とをダボ孔5にダボ6が嵌る状態にして重ね合わせ、ダボ付き板材2では、ダボ6の内部へ拡径部8の内周面と非接触を保持する末広がりのテーパ基部15が形成された受け側パンチ12を挿入し、ダボ孔付き板材1には、ダボ孔5を突き抜けて突出しているダボ6の先端部へ潰し側パンチ13を突き当て、受け側パンチ12と潰し側パンチ13とを対向押圧させることによりダボ6の先端部をダボ孔5の開口周部で径方向外方へ押し広げてダボ孔付き板材1とダボ付き板材2とを接合する。
【選択図】図1
Description
即ち、本発明に係るダボカシメ方法は、板厚方向に貫通するダボ孔が形成されたダボ孔付き板材とこのダボ孔付き板材の前記ダボ孔を突き抜けて突出する中空のダボが形成されたダボ付き板材とを準備し、前記ダボ付き板材では前記ダボの根本部内面に段差状又はテーパ状に内径が拡大する拡径部を形成しておき、前記ダボ孔付き板材と前記ダボ付き板材とを前記ダボ孔に前記ダボが嵌る状態にして重ね合わせ、前記ダボ付き板材に対しては前
記ダボの内部へ前記拡径部の内周面と非接触を保持する末広がりのテーパ基部が形成された受け側パンチを挿入すると共に、前記ダボ孔付き板材に対しては前記ダボ孔を突き抜けて突出している前記ダボの先端部へ潰し側パンチを突き当て、前記受け側パンチと前記潰し側パンチとを対向押圧させることにより前記ダボの先端部を前記ダボ孔の開口周部で径方向外方へ押し広げて前記ダボ孔付き板材と前記ダボ付き板材とを接合することを特徴とする。
前記潰し側パンチのパンチ先端部に対し前記ダボよりも径小の突起を設けておき、前記受け側パンチと前記潰し側パンチとの対向押圧時に前記突起によるダボ先端部の径方向外方への押し広げを促進させるようにしてもよい。
図1乃至図3は、本発明に係るダボカシメ方法を実施してダボ孔付き板材1とダボ付き板材2とを接合する状況を示しており、また図4は、このダボカシメ方法の実施により構成された接合構造を示している。本実施形態では、ダボ孔付き板材1の板厚t1とダボ付き板材2の板厚t2とを同じ寸法にする場合を例示してある。
なお、ダボ孔付き板材1の板形状や用途、またダボ付き板材2の板形状や用途等は、特に限定されるものではない。例えば、ダボ孔付き板材1をベース材としてダボ付き板材2をベース材に取り付けるブラケットやフック等の小物類としたり、その反対に、ダボ付き板材2をベース材にしてダボ孔付き板材1を小物類としたりすることは、任意に選択可能である。また筐体等を製作する際などにあって、ダボ孔付き板材1とダボ付き板材2とのいずれもが、筐体の壁材や仕切材を形成するための要素(板状部品)とすることも、当然に可能である。
ても、金属板であれば特に限定されるものではなく、加えて各板材1,2を同一材質としても異なる材質としてもよい。要するに、これら寸法的な要件や材質的な要件は、ダボ付き板材2に関して言えば中空のダボ6を形成でき、またそのダボ6をプレスで押し潰せるものであることで判断すればよい。
一方、ダボ付き板材2において、ダボ6のダボ高さh(板厚t2を含んだ寸法)は、図3に示すように、このダボ6をダボ孔付き板材1のダボ孔5へ嵌め付けたときに、ダボ孔5を突き抜けて突出するダボ先端部の高さm(m=h−t2−t1)が、おおよそダボ孔付き板材1の板厚t1の半分以上となること(即ち、m≧0.5×t1)を目安として、形成されている。そのうえで、このダボ6には、その根本部内面に内径を拡大させた拡径部8が形成されている。
受け側パンチ12はダボ6内へ挿入する突起形状を有して形成されたもので、ダイプレート14から突出する基部まわりには、末広がりのテーパ基部15が形成されている。このテーパ基部15は、ダボ6に設けられた拡径部8の内周面とは非接触を保持するものとなっている。ここにおいて「非接触を保持する」とは、ダボ6に対して受け側パンチ12を挿入した時点(受け側パンチ12と潰し側パンチ13との対向押圧を行う前の段階)を言う。すなわち、テーパ部8aを備える拡径部8の場合、この拡径部8の内周面と受け側パンチ12のテーパ基部15との周間には、菱形状の隙間が環状に連通した状態で形成されることになる。
まず、図3に示すように、ダボ孔付き板材1とダボ付き板材2とを、ダボ孔5にダボ6が嵌る状態で重ね合わせる。そして、ダボ付き板材2のダボ6内へ受け側パンチ12を挿入する。このとき、受け側パンチ12のテーパ基部15がダボ6の拡径部8内に収まり、ダイプレート14がダボ付き板材2(ダボ6の下端部まわり)を支持した状態にする。
パンチ13を突き当て、更に受け側パンチ12と潰し側パンチ13とを対向押圧させる。受け側パンチ12を加圧側とするか潰し側パンチ13を加圧側とするかはカシメ装置の仕様によるものであって、特に限定されるものではない。
この両パンチ12,13の対向押圧により、ダボ6の先端部が潰し側パンチ13の突起16によって軸方向(図3下方)に押圧される。従って、ダボ6においてダボ孔5から突出(露出)している周壁部分には、図1に示すように、押し潰しの負荷と同時にダボ孔5の開口周部で径方向外方へ拡がるように変形させる負荷(矢符X参照)が生じる。そのためダボ6は、その先端部が実際にダボ孔付き板材1の表面に沿う方向で拡径状に変形を起こすことになる。
ダボ6は、突起16による押圧部分が、この突起16の形状に対応した凹み形状に変形されるが、この凹み変形部分の外周部は、潰し側パンチ13において突起16を取り囲んでいる円環状の平坦な先端面で押圧されて、押し返しによる隆起は抑えられることになる。そのため、ダボ6において拡径状の変形を起こした部分は、ダボ孔付き板材1の環状凹部7内を埋めるように収容されるようになり、ダボ孔付き板材1の表面にダボ6による凸部は生じず、ほぼフラットな状態に保持されることになる。
ここにおいて、ダボ付き板材2の拡径部8と受け側パンチ12のテーパ基部15との周間には環状の隙間が形成されていることから、ダボ6の根元部はこの隙間内へ向けた(縮径方向へ向けた)変形が許容される状況にある。そのため、この変形を起こそうとする作用が、ダボ6の根元部に負荷する軸方向圧縮力を緩和し、且つダボ6の径方向外方へ負荷を円滑に逃がすように作用する(矢符Yの円弧カーブ参照)。実質的に、ダボ6の根元部が隙間内へ向けて変形し、受け側パンチ12のテーパ基部15へ接触干渉するようになれば、ダボ6の径方向外方へ負荷を逃がす作用は、より一層高くなる。
このようにして、図4に示すように、ダボ孔付き板材1とダボ付き板材2とが確実に、且つ高い(強い)接合強度で接合されるものとなる。
ところで、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
図5に示すように、ダボ付き板材2のダボ6に対して設ける拡径部8のテーパ部8aと、受け側パンチ12の基部まわりに設けるテーパ基部15とを接近させて形成することも可能である。この場合には、拡径部8のテーパ部8aに付与するテーパ角αよりも、受け側パンチ12のテーパ基部15に付与するテーパ角βのほうが小さくなる関係にすること
で、拡径部8とテーパ基部15との間を非接触に保持させる(隙間を生じさせる)ことができる。
2 ダボ付き板材
5 ダボ孔
6 ダボ
7 環状凹部
8 拡径部
10 残肉部
12 受け側パンチ
13 潰し側パンチ
14 ダイプレート
15 テーパ基部
Claims (4)
- 板厚方向に貫通するダボ孔が形成されたダボ孔付き板材とこのダボ孔付き板材の前記ダボ孔を突き抜けて突出する中空のダボが形成されたダボ付き板材とを準備し、
前記ダボ付き板材では前記ダボの根本部内面に段差状又はテーパ状に内径が拡大する拡径部を形成しておき、
前記ダボ孔付き板材と前記ダボ付き板材とを前記ダボ孔に前記ダボが嵌る状態にして重ね合わせ、
前記ダボ付き板材に対しては前記ダボの内部へ前記拡径部の内周面と非接触を保持する末広がりのテーパ基部が形成された受け側パンチを挿入すると共に、
前記ダボ孔付き板材に対しては前記ダボ孔を突き抜けて突出している前記ダボの先端部へ潰し側パンチを突き当て、
前記受け側パンチと前記潰し側パンチとを対向押圧させることにより前記ダボの先端部を前記ダボ孔の開口周部で径方向外方へ押し広げて前記ダボ孔付き板材と前記ダボ付き板材とを接合する
ことを特徴とするダボカシメ方法。 - 前記ダボ付き板材の板厚に対し前記ダボ孔付き板材が同等以上の板厚を有していることを特徴とする請求項1記載のダボカシメ方法。
- 前記潰し側パンチのパンチ先端部に対し前記ダボよりも径小の突起を設けておき、前記受け側パンチと前記潰し側パンチとの対向押圧時に前記突起によるダボ先端部の径方向外方への押し広げを促進させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のダボカシメ方法。
- 前記ダボ孔付き板材における前記ダボ孔の開口周部に対し、前記ダボ孔から前記ダボが突き抜けた時の根本部を取り囲むように環状凹部を形成しておき、前記受け側パンチと前記潰し側パンチとの対向押圧時にダボ先端部の径方向外方への押し広げ部分を前記環状凹部内へ収容させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のダボカシメ方法。
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