JP7322904B2 - 金属部品の接合方法、及び接合部品の製造方法 - Google Patents
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Description
本実施形態は、複数の金属部品の板状部を重ねて、バーリング加工で形成されたフランジ部をかしめて接合する金属部品の接合技術に関する。すなわち、本実施形態は、バーリング加工を用いたかしめ接合の技術に関するものである。
下穴工程101は、かしめ材2の板状部(接合部)に下穴2aを形成する工程である。
凹形状形成工程102は、バーリング工程103の前に、かしめ材2における下穴2aの外周部となる領域を、立ち上げ方向とは反対側に凹の凹形状3とする成形工程である。ここで、凹形状3内、例えば凹形状の底面部分に、フランジ部2Aとなる領域が設定される。
また、かしめ相手材1は、2枚以上であってもよい。
以下の例では、かしめ材2及びかしめ相手材1を構成する金属板がそれぞれ1枚ずつの場合とする。かしめ相手材1が2枚以上であってもよい。
開口工程100及び下穴工程101は、図2に示すように、かしめ相手材1若しくはかしめ材2を構成する金属板を厚さ方向でダイ10と板押え11とで拘束した状態で、穴形状と同じ断面形状のパンチ12を板厚方向に下降することで板を打ち抜き、金属板1,2に穴1a、2aを形成する。
本実施形態では、図3に示すように、1つのプレス金型によって、凹形状形成工程102及びバーリング工程103を一連のプレス加工として実行する場合を例に挙げる。凹形状形成工程102とバーリング工程103とを個別のプレス工程としてもよい。
まず、図3(a)→(b)のように、かしめ材2における、下穴2aの外周であってフランジ部2Aとなる領域ARA(図4参照)の外側を、下型13と上型14で上下からプレスする。
この図3(a)→(b)の処理が、凹形状形成工程102を構成する。
この図3の(b)→(c)の処理が、バーリング工程を構成する。
D2を(D1+2t)より小さくすることは物理的に不可能であり、また、D2を5×D1より大きくすると伸びフランジ割れが発生する可能性がある。
またフランジ部2Aの高さY[mm]は X ≦ Y ≦ 10X の範囲とすることが望ましい。YがXより小さいと、かしめ成形が成り立たず、Yが10Xより大きいと、伸びフランジ割れが発生する可能性がある。
この場合、凹形状3の形成の際に、平底の伸びフランジ成形を無視することができ、伸びフランジ割れリスクを低減することができる。
かしめ工程104は、バーリング工程103によって立ち上げたフランジ部2A及び当該フランジ部2Aより外周に凹形状3が形成されたかしめ材2を用いて(図7(a)参照)、実行される。
かしめ工程104では、まず、図7(b)に示すように、下穴2aと開口1aを同心に配置して、かしめ材2の上にかしめ相手材1を重ねた状態とする。すなわち、フランジ部2Aを開口1aに挿入した状態とする。
ここで、本実施形態では、かしめ工程104のフランジ部2Aをかしめるための上型28として、図7(b)に示すように、円錐上型28を用いる。円錐上型28は、円錐の先端が下穴内に臨むように下方に向けて設定される。
円錐型の上型28を使用してかしめを実行することにより、決め押しの工程を省くことが可能となるが、上型28で巻き付いたフランジ部2Aに対し決め押しを実施しても良い。
本実施形態のようにバーリング加工前に凹形状3を形成しない場合、すなわち、平板状のかしめ材2に下穴2aを形成し(打抜きにより打抜き穴を加工し)、下穴2aに対してバーリング成形を施して、フランジ部2A(バーリング部)を形成した場合、図8(a)に示すように、フランジ部2Aは、円筒形状となって板面に対して垂直方向に成形される。このため、かしめの工程(図8(b)~(d)参照)にて、フランジ部2Aを上側から押し潰すと、図8(c)のように、フランジ部2Aの先端部の端面が潰れて、図8(d)のように、かしめができないか不十分である可能性がある。
これによって、バーリング加工で立ち上がったフランジ部2Aの外周の全周に無端環状の凹形状3が配置される。
この結果、確実に、かしめ接合を実現することが可能となる。
本開示は、以下のような構成も取ることができる。
この構成によれば、バーリング工程でフランジ部を形成する際に、より確実にフランジ部外周の凹部を残存させることができる。
(D1+2t) ≦ D2 ≦ 5・D1 ・・・(1)
この構成によれば、伸びフランジ割れをより確実に抑えつつ、かしめ接合を行うことができる。
t ≦ X ≦ 10t ・・・・(2)
この構成によれば、伸びフランジ割れをより確実に抑えつつ、かしめ接合を行うことができる。
X ≦ Y ≦ 10X ・・・・(3)
この構成によれば、伸びフランジ割れをより確実に抑えつつ、かしめ接合を行うことができる。
θ ≦ 150° ・・・・(4)
なお、パンチ頂角θは60°以上とする。
この構成によれば、仮にかしめ相手材1がアルミ合金材などの部材から構成されていても、より確実に異種材接合が可能となる。
この構成によれば、バーリング加工を用いた接合部品をより簡易に製造可能となる。
接合部品は、例えば自動車車体部品である。
本実施形態に基づく上述のかしめ接合方法によって、本構造を構成することが可能である。
1a 開口
2 かしめ材(金属部品)
2A フランジ部
2a 下穴
3 凹形状
100 開口工程
101 下穴工程
102 凹形状形成工程
103 バーリング工程
104 かしめ工程
Claims (8)
- 複数の金属部品の板状部を、バーリング加工で形成されたフランジ部をかしめて接合する金属部品の接合方法であって、
上記複数の金属部品から選択した金属部品であるかしめ材の板状部に下穴を形成する工程と、
上記かしめ材以外の金属部品であるかしめ相手材の板状部における接合位置に開口を形成する工程と、
上記かしめ材の下穴外周にバーリング加工を施して、下穴の周囲を立ち上げてフランジ部を形成するバーリング工程と、
上記下穴と上記開口とを合わせてかしめ材の上にかしめ相手材を重ねた状態で、上記フランジ部をかしめて板状部同士を接合するかしめ工程と、
を備え、
上記バーリング工程の前に、上記かしめ材における上記下穴の外周部となる領域を、上記フランジ部の立ち上げ方向とは反対側に凹の凹形状とする凹形状形成工程を有し、
上記凹形状内に、上記フランジ部となる領域が設定され、
上記かしめ工程において、上記バーリング加工後の凹形状の部分を、上記立ち上げ方向に押し上げてから、若しくは押し上げつつ、上記フランジ部をかしめる、
ことを特徴とする金属部品の接合方法。 - 上記バーリング工程は、上記凹形状内の外周部を拘束した状態で、下穴の周囲を立ち上げて上記フランジ部を形成する、ことを特徴とする請求項1に記載した金属部品の接合方法。
- 上記フランジ部及び上記凹形状の外周輪郭形状は、平面視円形形状であり、
上記フランジ部の内周面の直径をD1[mm]、上記かしめ材の板厚をt[mm]とした場合、上記凹形状の外周輪郭形状の直径D2[mm]は(1)式の範囲とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した金属部品の接合方法。
(D1+2t) ≦ D2 ≦ 5・D1 ・・・(1) - 上記かしめ材の板厚をt[mm]とした場合、上記凹形状の深さX[mm]は、(2)式の範囲とすることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか1項に記載した金属部品の接合方法。
t ≦ X ≦ 10t ・・・・(2) - 上記凹形状の深さX[mm]とした場合、上記フランジ部の高さY[mm]は、(3)式の範囲とすることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか1項に記載した金属部品の接合方法。
X ≦ Y ≦ 10X ・・・・(3) - 上記かしめ工程で、上記フランジ部をかしめるために使用するパンチは、上記フランジ部の先端部に当接する面が円錐形状となっており、
その円錐形状のパンチ頂角θ[°]は、(4)式の範囲である、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載した金属部品の接合方法。
θ ≦ 150° ・・・・(4) - 上記金属部品のうち、少なくともかしめ相手材は、引張強度が270MPa以上の金属板からなる、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載した金属部品の接合方法。
- 複数の金属部品の板状部を、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の金属部品の接合方法で接合する、接合部品の製造方法。
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