JP7322904B2 - 金属部品の接合方法、及び接合部品の製造方法 - Google Patents

金属部品の接合方法、及び接合部品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、2以上の金属部品の板状部の部分を、バーリング成形を用いたかしめ加工により接合する接合方法、それを適用した接合部品の製造方法及び金属部品の接合構造に関する技術である。
近年、自動車車体の衝突安全性向上と軽量化を両立させるため、車体部品の異種材接合技術の開発が進んでいる。一般的に自動車プレス部品の接合として、スポット溶接等の接合方法が用いられるが、異種材の接合は金属間化合物などの課題がある。また、超ハイテン材においてもLME等の溶接課題があり、溶接以外の接合方法が求められている。
上記スポット溶接の代替として、摩擦撹拌接合(FSW)やセルフピアシングリベット、メカニカルクリンチングといった接合方法の開発が進んでいる。しかし、自動車部品の量産にこれらの技術を適用する場合、摩擦撹拌接合やセルフピアシングリベットでは設備投資や追加部品のコストアップ、メカニカルクリンチングでは接合強度の低下といった課題が挙げられる。
ここで、特許文献1には、2枚の金属板の下穴が一致するように重ね合わせ、この状態でバーリング成形を施して筒状のフランジ部を形成した後に、筒状のフランジ部の端部周縁部を他方の金属板を包み込むように拡径方向へ屈曲してかしめることで、端部かしめ部と最外側に位置する金属板の間に、他の金属板を狭着することを記載されている。
また、特許文献2に記載のプレス成形方法は、丸穴を有するベース金属板の上に丸穴を有する被接合金属板を各穴の中心が一致するように重ね合わせ、バーリング加工用のパンチを被接合金属板の丸穴に圧入することで、バーリング部の周縁部がベース金属板の内周部に圧着し、2枚の金属板が接合される、ことが記載されている。
また、特許文献3には、薄板金属板の重ね合わせ部に突き破りポンチを差し込んで、ガイド孔を形成するとともに、このガイド孔の周縁を裏面に向かって屈曲させるバーリング加工を行った後に、カウンタポンチを薄板金属板の裏面から屈曲縁に押し付けることにより、屈曲縁を重ね合わせ部の裏面に折り返すヘミング加工を行って薄板金属板を重ね合わせ部で結合する方法が記載されている。
特開平11-239834号公報 特開平8-215778号公報 特開平6-190471号公報
しかしながら、特許文献1に記載のプレス成形方法では、バーリング加工により立ち上がるフランジ部が円筒状となっており、金属板面に対して垂直方向(板面に対し90度以下の立上り)までしか成形されない。このため、筒状のフランジ部の端部周縁部のかしめ工程で、フランジ部の先端部が潰されてかしめができない可能性がある。また、かしめ工程でフランジ部(バーリング部)の先端板端面が金型に潰されることで、当該金型が傷みやすくなり、量産コストが増加する可能性がある。
また、特許文献2に記載のプレス成形方法は、バーリング部の周縁部がベース金属板の端面に圧着する方法であり、この成形方法では、接合する金属板が薄板の場合に、十分な接合強度が得られない可能性がある。
更に、特許文献3に記載のプレス成形方法は、1つの工程で穴開けからかしめ加工まで実施することを前提としているため、金型構造が複雑になり、金型の製作費用や補修費などが増加する可能性がある。また、このプレス成形方法では、接合する板材の強度が高いハイテン材の場合には、金型制約上加工できない可能性がある。
本発明は、上記のような点を鑑みてなされたものであり、金型の構造を複雑化することなく、十分な接合強度を確保できる、バーリング加工を用いたかしめ接合の技術を提供することを目的とする。
課題解決のため、本発明の一態様は、複数の金属部品の板状部を、バーリング加工で形成されたフランジ部をかしめて接合する金属部品の接合方法であって、上記複数の金属部品から選択した金属部品であるかしめ材の板状部に下穴を形成する工程と、上記かしめ材以外の金属部品であるかしめ相手材の板状部における接合位置に開口を形成する工程と、上記かしめ材の下穴外周にバーリング加工を施して、下穴の周囲を立ち上げてフランジ部を形成するバーリング工程と、上記下穴と上記開口とを合わせてかしめ材の上にかしめ相手材を重ねた状態で、上記フランジ部をかしめて板状部同士を接合するかしめ工程と、を備え、上記バーリング工程の前に、上記かしめ材における上記下穴の外周部となる領域を、上記フランジ部の立ち上げ方向とは反対側に凹の凹形状とする凹形状形成工程を有し、上記凹形状内に、上記フランジ部となる領域が設定され、上記かしめ工程において、上記バーリング加工後の凹形状の部分を、上記立ち上げ方向に押し上げてから、若しくは押し上げつつ、上記フランジ部をかしめる。
本発明の態様によれば、かしめの際に、フランジ部の外周に形成されたバーリング後の凹形状の部分を、フランジ部の立ち上がり方向に押し上げることで、フランジ部が、かしめ相手材の上に巻きつくように変形する。そして、かしめ加工のプレスによって、よりその巻きつけられた部分をかしめることが可能となる。
このため、本発明の態様によれば、バーリング加工を用いたかしめ接合について、金型形状などの金型構造を複雑化することなく、十分な接合強度を確保できる接合構造体を取得することができる。この結果、本発明の態様によれば、例えば、自動車部品におけるハイテン材を用いたかしめ接合や、異種材接合が可能となり、自動車車体の軽量化に貢献できる。
本発明に基づく実施形態に係る接合方法の工程を説明する図である。 開口工程及び下穴工程を説明する図である。 凹形状形成工程及びバーリング工程を説明する図である。 凹形状の部分とフランジ部となる領域の関係を示す平面図である。 各部の寸法位置を示す図である。 凹形状の形成の別の例を説明する図である。 かしめ工程の例を説明する図である。 従来のかしめ接合の場合を説明する図である。
次に、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態は、複数の金属部品の板状部を重ねて、バーリング加工で形成されたフランジ部をかしめて接合する金属部品の接合技術に関する。すなわち、本実施形態は、バーリング加工を用いたかしめ接合の技術に関するものである。
ここで、「金属部品の板状部」と記載しているのは、少なくともかしめ接合される部分が板状となっていればよく、金属部品として、かしめ接合される箇所以外に板形状以外の部分を有していても良いことを表している。
本実施形態では、金属部品全体が板材からなる場合を例にして説明する。このため、金属部品及び金属部品の板状部をともに、金属板とも呼んで説明する。すなわち、本実施形態の例では、複数の金属板をかしめ接合する場合とする。また、バーリング加工を施す金属板をかしめ材と呼び、かしめ材以外の金属板をかしめ相手材と呼ぶ。
本実施形態の金属部品の接合方法は、図1に示すように、開口工程100、下穴工程101、バーリング工程103、かしめ工程104を備える。更に、本実施形態の接合方法は、凹形状形成工程102を備える。各工程は、プレス加工で行われる。
開口工程100は、かしめ相手材1の板状部における接合位置に開口1aを形成する工程である。
下穴工程101は、かしめ材2の板状部(接合部)に下穴2aを形成する工程である。
凹形状形成工程102は、バーリング工程103の前に、かしめ材2における下穴2aの外周部となる領域を、立ち上げ方向とは反対側に凹の凹形状3とする成形工程である。ここで、凹形状3内、例えば凹形状の底面部分に、フランジ部2Aとなる領域が設定される。
バーリング工程103は、かしめ材2の下穴2aの外周にバーリング加工を施して、下穴2aの周囲を立ち上げてフランジ部2A(立上り部)を形成する工程である。本実施形態のバーリング加工は、凹形状形成工程102で形成した凹形状3内の外周部を拘束した状態で、下穴2aの周囲を立ち上げて上記フランジ部を形成する。
かしめ工程104は、かしめ相手材1の開口1aにフランジ部2Aを通して複数の板状部を重ねた状態として、フランジ部2Aよりも外周の部分(例えば、凹形状3内の外周部3a位置)を曲げることでフランジ部2Aをかしめて、複数の金属板同士(板状部同士)を接合する工程である。本実施形態では、かしめ工程において、バーリング工程103後の凹形状3の部分を、上記立ち上げ方向に押し上げてから、若しくは押し上げつつ、上記フランジ部2Aをかしめる。
ここで、バーリング工程103の前に、下穴工程101及び凹形状形成工程102が行われるが、下穴工程101及び凹形状形成工程102の実行順序には特に限定はない。
また、接合される金属板の引張強度について、特に限定はない。例えば、接合される金属板のうち、少なくともかしめ相手材1は、引張強度が270MPa以上の鋼板やアルミ合金材などの金属板から構成されてもよい。かしめ材2も、引張強度が270MPa以上の鋼板やアルミ合金材などの金属板であってもよい。異種材料同士の接合の場合には、かしめ材2の引張強度が、かしめ相手材1の引用強度よりも大きくなるように設定することが好ましい。
また、かしめ相手材1は、2枚以上であってもよい。
次に、金属部品の具体的な接合方法の例を、図面を参照して説明する。
以下の例では、かしめ材2及びかしめ相手材1を構成する金属板がそれぞれ1枚ずつの場合とする。かしめ相手材1が2枚以上であってもよい。
<開口工程100、下穴工程101>
開口工程100及び下穴工程101は、図2に示すように、かしめ相手材1若しくはかしめ材2を構成する金属板を厚さ方向でダイ10と板押え11とで拘束した状態で、穴形状と同じ断面形状のパンチ12を板厚方向に下降することで板を打ち抜き、金属板1,2に穴1a、2aを形成する。
なお、開口1aの径は、かしめ材2に設ける下穴2aの径よりも大きい。具体的には、かしめ接合するためにかしめ相手材1とかしめ材2を重ねた際に、開口1aの開口端は、フランジ部を形成する領域ARAの外縁と同じか、それよりも外側に位置する。
<凹形状形成工程102及びバーリング工程103>
本実施形態では、図3に示すように、1つのプレス金型によって、凹形状形成工程102及びバーリング工程103を一連のプレス加工として実行する場合を例に挙げる。凹形状形成工程102とバーリング工程103とを個別のプレス工程としてもよい。
まず、図3(a)→(b)のように、かしめ材2における、下穴2aの外周であってフランジ部2Aとなる領域ARA(図4参照)の外側を、下型13と上型14で上下からプレスする。
このとき、下型13の上面には、凹形状3の形成位置に、凹形状3に倣った形状の凹部13aが内周側に形成されている。また、上型14の下面には、凹形状3の形成位置に、凹形状3に倣った形状の張出部14aが内周面側に形成されている。すなわち、凹部13aと張出部14aがプレス方向で対向している。
このため、図3(a)→(b)のように、かしめ材2を下型13と上型14で上下からプレスすることで、下穴2aの外周に凹形状3が形成される。凹形状3は、図4に示すように、底面にフランジ形成領域ARAが配置されるだけの大きさの外周輪郭形状を有する。すなわち、凹形状3内に、具体的には、凹形状3の底面内にフランジ部2Aとなる領域ARAを設定することが可能な大きさに、当該凹形状3の大きさが設定されている。
この図3(a)→(b)の処理が、凹形状形成工程102を構成する。
続いて、図3(b)のように、上型14と下型13でかしめ材2を拘束した状態で、下穴2aに対して下側(立上り方向とは反対側)から、図3の(b)→(c)のように、バーリング用のパンチ15を通過させることで、下穴2a外周を立ち上げてフランジ部2Aを形成する。
この図3の(b)→(c)の処理が、バーリング工程を構成する。
このバーリング工程では、フランジ部2Aの外周に位置した凹形状3の外周部分は、上型14と下型13で拘束されているため、フランジ部2Aの成形に影響することなく、若しくは影響が殆どないので、フランジ部2Aの外周にリング状(ドーナツ状)の凹状態として残存している。
ここで、図5に示すように、フランジ部2Aの内周面での直径(内径)をD1[mm]、かしめ材2の板厚をt[mm]とした場合、凹形状3の外周輪郭形状の直径D2[mm]は、(D1+2t) ≦ D2 ≦ 5D1 とすることが望ましい。
D2を(D1+2t)より小さくすることは物理的に不可能であり、また、D2を5×D1より大きくすると伸びフランジ割れが発生する可能性がある。
また、凹形状3の深さX[mm]は、t ≦ X ≦ 10t の範囲とすることが望ましい。Xを10tより大きくなると伸びフランジ割れが発生する可能性がある。
またフランジ部2Aの高さY[mm]は X ≦ Y ≦ 10X の範囲とすることが望ましい。YがXより小さいと、かしめ成形が成り立たず、Yが10Xより大きいと、伸びフランジ割れが発生する可能性がある。
上記実施形態では、下穴2aを形成した後に、凹形状3の成形を行う場合を例示したが、これに限定されない。例えば、図6(a)→(b)に示すように、凹形状3に倣った凹部21aを有する下型21と、凹形状3に倣った張出部22aを有する上型22で、下穴を開口していないかしめ材2をプレスして凹形状3を形成した後に、図6(c)→(d)のように、上型24と下型23で拘束し、凹形状3の中央部を、抜きパンチ25で板を打ち抜いて下穴2aを形成するようにしても良い。
この場合、凹形状3の形成の際に、平底の伸びフランジ成形を無視することができ、伸びフランジ割れリスクを低減することができる。
<かしめ工程104>
かしめ工程104は、バーリング工程103によって立ち上げたフランジ部2A及び当該フランジ部2Aより外周に凹形状3が形成されたかしめ材2を用いて(図7(a)参照)、実行される。
かしめ工程104では、まず、図7(b)に示すように、下穴2aと開口1aを同心に配置して、かしめ材2の上にかしめ相手材1を重ねた状態とする。すなわち、フランジ部2Aを開口1aに挿入した状態とする。
そして、フランジ部2A(立上り部)の外側であって、凹形状3よりも外周部位置を、下型26と上型28で拘束する。符号27は、上型28の高さを調整し、かしめ材の厚さ相当の隙間を形成するスペーサーである。
ここで、本実施形態では、かしめ工程104のフランジ部2Aをかしめるための上型28として、図7(b)に示すように、円錐上型28を用いる。円錐上型28は、円錐の先端が下穴内に臨むように下方に向けて設定される。
次に、図7(b)→(c)のように、フランジ部2Aの外周に位置する凹形状3をパンチ29で下側から立ち上がり方向に押し上げる。この押し上げによって、リング状の凹形状3の部分が外周側(下型で拘束側)を支点にフランジ部2A側が回転することで、フランジ部2Aが拡径方向(負角の方向)に変形する。
このとき、フランジ部2Aは、上型28の円錐部28Aの傾斜面に案内されることで、リング状の凹形状3の部分が回転しながら曲げられるように、フランジ部2Aが確実に拡径方向(負角の方向)に変形して、かしめ相手材1の上に巻き付いてかしめた状態となる。
ここで、円錐上型28の円錐部28Aのパンチ頂角θ[°]は、θ ≦ 150°の範囲とすることが望ましい。パンチ頂角θが150°より大きいと、かしめ時にリング状となった凹形状3の部分が潰れて、かしめ接合できない可能性がある。またパンチ頂角θが小さい角度の場合、凹形状3が回り易くなる。ただし、パンチ頂角θが小さくなるほど、スペーサー27の厚さを厚くする必要があり、その分、かしめが緩くなる可能性がある。
円錐型の上型28を使用してかしめを実行することにより、決め押しの工程を省くことが可能となるが、上型28で巻き付いたフランジ部2Aに対し決め押しを実施しても良い。
上記の説明では、上型28が下方へ突出する円錐部28Aを有し、その円錐部28Aの傾斜面で、フランジ部2Aを案内する場合を説明しているが、これに限定されない。上型28は、円錐部2Aの代わりに、フランジ部2Aを上記のように案内するための傾斜面を有するR形状が付与された上型でも良い。
ここで、上記説明では、下穴2aが丸穴である場合を想定して記載しているが、下穴2aの断面形状が円形でなくても良い。例えば下穴2aの断面形状が、四隅の角部にRや面取りが付与された四角形形状や楕円形状であっても良い。また、必ずしも下穴2aの全周をバーリングする必要はなく、周方向の一部分だけをバーリングしてフランジ部2Aとしても良い。形成したフランジ部2Aをかしめることで、金属部品が接合可能であればよい。例えば、下穴が上記のような四角形状であれば、4隅の角部部分だけをバーリングしたり、4辺の部分だけをバーリングしたりしても良い。またこの場合には、上型28の円錐部28Aを円錐以外の角錐などの錐体形状としても良い。
また、上記図7に示す例では、上記バーリング加工後の凹形状の部分を押し上げつつ、上型28でフランジ部2Aをかしめているが、これに限定されない。例えば、バーリング加工後の凹形状の部分を立ち上げ方向に押し上げてから、上型28でフランジ部2Aをかしめてもよい。
(動作その他)
本実施形態のようにバーリング加工前に凹形状3を形成しない場合、すなわち、平板状のかしめ材2に下穴2aを形成し(打抜きにより打抜き穴を加工し)、下穴2aに対してバーリング成形を施して、フランジ部2A(バーリング部)を形成した場合、図8(a)に示すように、フランジ部2Aは、円筒形状となって板面に対して垂直方向に成形される。このため、かしめの工程(図8(b)~(d)参照)にて、フランジ部2Aを上側から押し潰すと、図8(c)のように、フランジ部2Aの先端部の端面が潰れて、図8(d)のように、かしめができないか不十分である可能性がある。
これに対し、本実施形態では、バーリング工程の前に、下穴2aの外周部となる領域であってフランジ部2Aとなる領域ARAを完全に含む大きさの底面を有する凹形状3を、かしめ材2に形成しておく。
これによって、バーリング加工で立ち上がったフランジ部2Aの外周の全周に無端環状の凹形状3が配置される。
そして、かしめ工程において、バーリング工程後の凹形状3をフランジ部2Aの立上り方向に下側から押し上げるという簡単な操作で、フランジ部2Aが拡径方向に変形、つまりかしめ工程でのプレス方向に対して、フランジ部2Aが負角(拡径方向に角度がついた状態)となって、フランジ部2Aをかしめ相手材1の上に巻きつけることが可能となる。
この結果、確実に、かしめ接合を実現することが可能となる。
(その他)
本開示は、以下のような構成も取ることができる。
(1)本実施形態は、複数の金属部品の板状部を、バーリング加工で形成されたフランジ部をかしめて接合する金属部品の接合方法であって、上記複数の金属部品から選択した金属部品であるかしめ材の板状部に下穴を形成する工程と、上記かしめ材の下穴外周にバーリング加工を施して、下穴の周囲を立ち上げてフランジ部を形成するバーリング工程と、上記かしめ材以外の金属部品であるかしめ相手材の板状部における接合位置に開口を形成する工程と、かしめ相手材の開口に上記フランジ部を通して複数の板状部を重ねた状態で、上記フランジ部をかしめて板状部同士を接合するかしめ工程と、を備え、上記バーリング工程の前に、上記かしめ材における上記下穴の外周部となる領域を、上記フランジ部の立ち上げ方向とは反対側に凹の凹形状とする凹形状形成工程を有し、上記凹形状内に、上記フランジ部となる領域が設定され、上記かしめ工程において、上記バーリング加工後の凹形状の部分を、上記立ち上げ方向に押し上げてから、若しくは押し上げつつ、上記フランジ部をかしめる。
この構成によれば、バーリング工程の前に凹形状を形成し、かしめ工程の際に、その凹形状を押し上げるという、簡単な操作によって、フランジ部を確実に負角にした状態で、かしめを行うことができる。
この結果、バーリング加工を用いたかしめ接合について、金型形状などの金型構造を複雑化することなく、十分な接合強度を確保できる接合構造体を取得するができる。この結果、本発明の態様によれば、例えば、自動車部品におけるハイテン材を用いたかしめ接合や、異種材接合が可能となり、自動車車体の軽量化に貢献できる。
(2)上記バーリング工程は、上記凹形状内の外周部を拘束した状態で、下穴の周囲を立ち上げて上記フランジ部を形成する。
この構成によれば、バーリング工程でフランジ部を形成する際に、より確実にフランジ部外周の凹部を残存させることができる。
(3)上記フランジ部及び上記凹形状の外周輪郭形状は、平面視円形形状であり、上記フランジ部の内周面の直径をD1[mm]、上記かしめ材の板厚をt[mm]とした場合、上記凹形状3の外周輪郭形状の直径D2[mm]は(1)式の範囲とする。
(D1+2t) ≦ D2 ≦ 5・D1 ・・・(1)
この構成によれば、伸びフランジ割れをより確実に抑えつつ、かしめ接合を行うことができる。
(4)上記かしめ材の板厚をt[mm]とした場合、上記凹形状の深さX[mm]は、(2)式の範囲とする。
t ≦ X ≦ 10t ・・・・(2)
この構成によれば、伸びフランジ割れをより確実に抑えつつ、かしめ接合を行うことができる。
(5)上記凹形状の深さX[mm]とした場合、上記フランジ部の高さY[mm]は、(3)式の範囲とする。
X ≦ Y ≦ 10X ・・・・(3)
この構成によれば、伸びフランジ割れをより確実に抑えつつ、かしめ接合を行うことができる。
(6) 上記かしめ工程で上記フランジ部をかしめるために使用するパンチは、上記フランジ部の先端部に当接する面が円錐形状となっており、その円錐形状のパンチ頂角θ[°]は、(4)式の範囲である。
θ ≦ 150° ・・・・(4)
この構成によれば、かしめ工程において、凹形状を持ち上げる際のフランジ部の変形を上型の円錐面によって案内してフランジ部がかしめ相手材1の上に確実に巻きつけてかしめた状態とする際に、上記角度とすることで、押し上げられる凹形状の潰れを抑制して、より確実にフランジ部をかしめ相手材の上に巻きつけた状態にできる。
なお、パンチ頂角θは60°以上とする。
(7)上記金属部品のうち、少なくともかしめ相手材は、引張強度が270MPa以上の金属板からなる。
この構成によれば、仮にかしめ相手材1がアルミ合金材などの部材から構成されていても、より確実に異種材接合が可能となる。
(8)本実施形態の接合部品の製造方法では、複数の金属部品の板状部を、本実施形態に記載の金属部品の接合方法で接合する。
この構成によれば、バーリング加工を用いた接合部品をより簡易に製造可能となる。
接合部品は、例えば自動車車体部品である。
(9)複数の金属部品の板状部が重ねられ、上記複数の金属部品から選択した金属部品であるかしめ材の板状部に形成された穴の外周部をバーリング加工で立ち上げられたフランジ部が、上記かしめ材以外の金属部品であるかしめ相手材の板状部における接合位置に形成された開口に挿入され、当該フランジ部が上記開口の外周側に向けてかしめられることで、重ねられた上記複数の板状部分が接合された金属部品の接合構造であって、上記かしめ材の板状部における上記フランジ部よりも外周の部分が曲げられて、上記かしめ相手材の上記開口の外周面に上記かしめ材の上記フランジ部が当接することで、かしめられており、対向する上記フランジ部の面と上記かしめ相手材の上記開口の外周面とが、面接触状態で当接している、金属部品の接合構造。
本実施形態に基づく上述のかしめ接合方法によって、本構造を構成することが可能である。
1 かしめ相手材(金属部品)
1a 開口
2 かしめ材(金属部品)
2A フランジ部
2a 下穴
3 凹形状
100 開口工程
101 下穴工程
102 凹形状形成工程
103 バーリング工程
104 かしめ工程

Claims (8)

  1. 複数の金属部品の板状部を、バーリング加工で形成されたフランジ部をかしめて接合する金属部品の接合方法であって、
    上記複数の金属部品から選択した金属部品であるかしめ材の板状部に下穴を形成する工程と、
    上記かしめ材以外の金属部品であるかしめ相手材の板状部における接合位置に開口を形成する工程と、
    上記かしめ材の下穴外周にバーリング加工を施して、下穴の周囲を立ち上げてフランジ部を形成するバーリング工程と、
    上記下穴と上記開口とを合わせてかしめ材の上にかしめ相手材を重ねた状態で、上記フランジ部をかしめて板状部同士を接合するかしめ工程と、
    を備え、
    上記バーリング工程の前に、上記かしめ材における上記下穴の外周部となる領域を、上記フランジ部の立ち上げ方向とは反対側に凹の凹形状とする凹形状形成工程を有し、
    上記凹形状内に、上記フランジ部となる領域が設定され、
    上記かしめ工程において、上記バーリング加工後の凹形状の部分を、上記立ち上げ方向に押し上げてから、若しくは押し上げつつ、上記フランジ部をかしめる、
    ことを特徴とする金属部品の接合方法。
  2. 上記バーリング工程は、上記凹形状内の外周部を拘束した状態で、下穴の周囲を立ち上げて上記フランジ部を形成する、ことを特徴とする請求項1に記載した金属部品の接合方法。
  3. 上記フランジ部及び上記凹形状の外周輪郭形状は、平面視円形形状であり、
    上記フランジ部の内周面の直径をD1[mm]、上記かしめ材の板厚をt[mm]とした場合、上記凹形状の外周輪郭形状の直径D2[mm]は(1)式の範囲とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した金属部品の接合方法。
    (D1+2t) ≦ D2 ≦ 5・D1 ・・・(1)
  4. 上記かしめ材の板厚をt[mm]とした場合、上記凹形状の深さX[mm]は、(2)式の範囲とすることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか1項に記載した金属部品の接合方法。
    t ≦ X ≦ 10t ・・・・(2)
  5. 上記凹形状の深さX[mm]とした場合、上記フランジ部の高さY[mm]は、(3)式の範囲とすることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか1項に記載した金属部品の接合方法。
    X ≦ Y ≦ 10X ・・・・(3)
  6. 上記かしめ工程で、上記フランジ部をかしめるために使用するパンチは、上記フランジ部の先端部に当接する面が円錐形状となっており、
    その円錐形状のパンチ頂角θ[°]は、(4)式の範囲である、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載した金属部品の接合方法。
    θ ≦ 150° ・・・・(4)
  7. 上記金属部品のうち、少なくともかしめ相手材は、引張強度が270MPa以上の金属板からなる、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載した金属部品の接合方法。
  8. 複数の金属部品の板状部を、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の金属部品の接合方法で接合する、接合部品の製造方法。
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