JP3781092B2 - フランジ形成方法およびその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フランジ形成方法およびその装置に関し、さらに詳しくは、中空パイプ状のワークを軸方向に押圧して座屈させることにより外側に突出するフランジを形成する方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば流体導管等に用いられる製品を得るため、中空パイプ状のワークWにフランジFを形成する場合には、図5の軸線Cから左方に示すように、ワークWを挿通することが可能な穴Fb’を有するフランジF’をワークWと別体に用意し、ワークWを穴Fb’に挿通して溶接等により固着することが、従来から一般に行われている。
【0003】
また、図5の軸線Cから右方に示すように、中空パイプ状のワークWを軸方向に押圧して座屈させることによりフランジFを形成することも従来から考えられている。このようにしてフランジFを形成する場合、図2に参照されるように、フランジ形成装置のワークWを軸方向に押圧する押圧面20a,22aは、一般に、軸方向に対してほぼ直交するように形成されている。
【0004】
一方、フランジFを形成した製品が比較的大きい負荷をかけられる駆動軸等のようなものである場合には、図6の軸線Cから左方に示すように、ワークW’を熱間または冷間鍛造することにより据え込み加工して、フランジFを形成することも従来から一般に行われている。
【0005】
また、比較的大きい負荷をかけられる駆動軸のような製品を得る場合において、その製品の軽量化を図る等の目的から、図6の軸線Cから右方に示すように、中空パイプ状のワークWを座屈させてフランジFを形成する場合には、図5の軸線Cから右方に示したワークWの厚さt1と比べて、ワークWの厚さt2が比較的肉厚のものを用いることとなる。
【0006】
さらには、パネルワークの端末にいわゆる縁曲げを施すための技術として、特開昭60−210327号公報や特開平9−262624号公報に開示されたものが知られている。そして、特開昭60−210327号公報には、折り返されたフランジ部の基端部(折り返されたフランジ部の先端縁の部分)をほぼ円筒状に形成することなどが記載されている。また、特開平9−262624号公報には、逃げのための懐部を有する形状の従来の180度曲げ用ラムが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の技術のうち、図5の軸線Cから左方に示したように、別体のフランジF’の穴にワークWを挿通して溶接等により固着する場合にあっては、ワークWと別体のフランジF’を用意し、このフランジF’にワークWを挿通するための穴Fb’を形成し、さらには両者を固着するための溶接等を行わなければならないため、工程数が多くなって製造コストがかかるという問題があった。
【0008】
また、上述した従来の技術のうち、図5の軸線Cから右方に示したように、中空パイプ状のワークWを軸方向に押圧して座屈させることによりフランジFを形成する場合にあっては、ワークWを座屈させることにより拡径させるために、形成されるフランジFの周縁先端Faに周方向の引張りが生じることとなる。そして、ワークWの引張り限度を越えて拡径すると、形成されたフランジFの周縁先端Faに径方向に延びる割れ(亀裂)が生じることとなるため、引張り限界を越えるような大きな径のフランジFを形成することができないという問題があった。また、特に、大きな径のフランジFを形成する場合には、部分によって座屈進行速度や方向性が異なるなどの理由から、図7に示すように、形成されたフランジFにシワあるいは波打ちRが生じるという問題があった。
【0009】
さらに、座屈させることによりフランジFを形成する場合、特に、比較的肉厚のワークW(図6の軸線Cの右方のt2を参照)にフランジFを形成する場合にあっては、図8に示すように、フランジFの周縁先端Faがほぼ180度折り曲げられるために、フランジFの周縁先端Faに周方向に延びる外割れSa(図8の拡大して示した上側の鎖線円)や内割れSb(図8の拡大して示した下側の鎖線円)が発生するという問題があった。このような割れSa,Sbが生じる場合には、フランジFの一体形成を断念せざるを得なかった。
【0010】
一方、上述した従来の技術のうち、図6の軸線Cから左方に示したように、ワークW’を熱間または冷間鍛造することにより据え込み加工する場合にあっては、ワークW’が必然的に中実のものに限定されるため、ワークWが多くの材料を必要として、製造コストがかかるという問題があった。さらにこの場合にあっては、製品が重くなって慣性力が増加するために、製品を回転軸に使用する場合等に不具合が生じるという問題もあった。
【0011】
さらにまた、特に、比較的肉厚のワークW(図6の軸線Cの右方のt2を参照)にフランジFを形成する場合にあっては、図9に示すように、ワークWが単に圧縮されて据え込みの場合(図6の軸線Cの左方を参照)のように変形hが生じると共に、ワークWを軸方向に押圧してフランジFを形成するための装置に大きな負荷がかかるという問題があった。
【0012】
そして、特開昭60−210327号公報や特開平9−262624号公報に開示された技術にあっては、パネルワークの端末にほぼ直線状の縁曲げを施すためのもので、本発明のように中空パイプ状のワークを軸方向に押圧して座屈させることによりフランジを形成するための技術とは根本的に異なり、180度曲げ用ラムを本発明に適用することはできない。
【0013】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、ワークを軸方向に押圧して確実に座屈させて比較的大きな径のフランジを容易に形成することができ、しかも、割れなどのような不具合の発生を防止して、製品の歩留を向上させることができるフランジ形成方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1のフランジ形成方法に係る発明は、上記目的を達成するため、中空パイプ状のワークを軸方向に押圧して座屈させることにより外側に突出するフランジを形成する方法であって、ワークの端面の内側を外側よりも先行して押圧して、ワークを所定量まで座屈させることを特徴とするものである。
【0015】
請求項2のフランジ形成方法に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明において、所定量まで座屈したワークを、ワークの端面の外側を内側よりも先行して押圧して、さらにワークを座屈させることを特徴とするものである。
【0016】
請求項3のフランジ形成方法に係る発明は、上記目的を達成するため、中空パイプ状のワークを軸方向に押圧して座屈させることにより外側に突出するフランジを形成する方法であって、ワークを軸方向に押圧する押圧部材によってワークを座屈させ、前記押圧部材のフランジ押圧部によってワークの座屈した部分を押圧して、フランジの基端部となる部分のワークの内周面を互いに接しさせると共に、ワークに形成されるフランジの周縁先端を押しつぶすことなく所定の曲率半径をもって折り曲げて、フランジを形成することを特徴とするものである。
【0017】
また、請求項4のフランジ形成装置に係る発明は、上記目的を達成するため、中空パイプ状のワークを軸方向に押圧して座屈させることにより外側に突出するフランジを形成する装置であって、ワークの端面を押圧する押圧部材を、ワークの内側を外側よりも先行して押圧して座屈させるようにその押圧面を傾斜させると共に、ワークが所定量まで座屈するのを許容するように形成したことを特徴とするものである。
【0018】
請求項5のフランジ形成装置に係る発明は、上記目的を達成するため、中空パイプ状のワークを軸方向に押圧して座屈させることにより外側に突出するフランジを形成する装置であって、ワークを軸方向に押圧する押圧部材の、ワークの座屈させた部分を押圧してフランジを形成する部分が、フランジの基端部となる部分の内周面を互いに接しさせると共に、ワークに形成されるフランジの周縁先端を押しつぶすことなく所定の曲率半径をもって折り曲げる形状に形成されていることを特徴とするものである。
【0019】
請求項1の発明では、中空パイプ状のワークを軸方向に押圧する当初において、ワークの端面の内側を外側よりも先行して押圧し、ワークを所定量まで座屈させる。ワークは、その端面の内側を外側よりも先行して押圧されることにより、フランジとなる部分が外側に向かって突出するように確実に座屈される。
【0020】
請求項2の発明では、請求項1に記載の発明において、所定量まで座屈したワークの端面の外側を内側よりも先行して押圧し、最終的にフランジが形成されるまでワークを座屈させる。所定量まで座屈したワークの端面の外側を内側よりも先行して押圧することにより、外側に突出するように形成されたフランジの周縁先端は、引張りを受けることなくほぼ180度折り曲げらる。したがって、ワークに割れなどの不具合が生じることがない。
【0021】
請求項3の発明では、ワークを軸方向に押圧する押圧部材によってワークを座屈させ、前記押圧部材のフランジ押圧部によってワークの座屈した部分を押圧して、フランジの基端部となる部分のワークの内周面を互いに接しさせると共に、ワークに形成されるフランジの周縁先端を押しつぶすことなく所定の曲率半径をもって折り曲げることにより、フランジの外側に生じる引張応力が少なくなるため、周縁先端割れが生じることなくフランジが形成される。
【0022】
請求項4の発明では、中空パイプ状のワークの端面を軸方向に押圧する押圧部材の押圧面ワークの内側を外側よりも先行して押圧して座屈させるように傾斜させて形成したことにより、ワークのフランジとなる部分が外側に向かって突出するように確実に所定量まで座屈される。
【0023】
請求項5の発明では、押圧部材によりワークを軸方向に押圧して外側に座屈させ、この座屈させた部分を前記押圧部材のフランジを形成する部分により押圧する。このとき、押圧部材のフランジを形成する部分が、フランジの基端部となる部分の内周面を互いに接しさせると共に、ワークに形成されるフランジの周縁先端を押しつぶすことなく所定の曲率半径をもって折り曲げる形状に形成されていることにより、フランジの外側に生じる引張応力が少なくなるため、周縁先端に割れが生じることなくフランジが形成される。
【0024】
【発明の実施の形態】
最初に、本発明のフランジ形成装置の第一の実施の形態を図1に基づいて詳細に説明する。図において同一符号は同一部分または相当部分とする。なお、図1においては、ワークWの軸線Cの左右で異なる状態が示されていることに注意されたい。
【0025】
本発明のフランジ形成装置は、概略、プレスのラム(図示は省略する)に設けられたダイ10およびパンチ11と、これらダイ10およびパンチ11と対向して配置されたスリーブ12とを備えてなり、スリーブ12の内周に中空パイプ状のワークWを支持して、ダイ10およびパンチ11をスリーブ12に近接移動させるようにラムを駆動することにより、ワークWの端部Waをその軸方向に押圧して外側に突出するよう座屈させ、フランジFを形成するものである。そして、押圧部材としてのワークWの端部Waを押圧するダイ10およびスリーブ12の押圧面10a,12aが、ワークWのフランジFが形成されない側(すなわち、中空パイプ状のワークWの内側)を送りつつ座屈させるように傾斜され、また、ダイ10およびスリーブ12が、ワークWを所定量まで座屈させるように形成されたものである。
【0026】
ダイ10はクッション(図示は省略する)を介してラムに取付けられており、その内部にはパンチ11が同軸上に配置されている。そして、ダイ10は、パンチ11に対して軸線C方向に所定量の相対移動が可能となっている。ダイ10の内周面には、スリーブ12に近接移動させたときにワークWがパンチ11のとの間に挿入されるワーク挿入部15が形成されている。
【0027】
一方、スリーブ12は、ラムが近接駆動されたときにパンチ11が挿通される穴16を中心に有しており、その内周面には、ダイ10と同様に、ワークWを挿入して支持するワーク挿入部17が形成されている。
【0028】
さらに、ダイ10およびスリーブ12の各ワーク挿入部15,17のワークWの端部Waの面と当接して押圧する押圧面10a,12aは、ワークWの端部Waの面を押圧する当初において、フランジFを形成すべく突出させる側とは反対側のワークWの端部Waの面の内側を、フランジFを形成すべく突出させるワークWの端部Waの面の外側よりも先行して押圧するように、それぞれ傾斜している。また、ダイ10およびスリーブ12の外周の互いに対向する対向面10b,12bは、図1の右方に示すように、ワークWを所定量まで座屈させたときに互いに当接して、ワークWの座屈を制限するよう設定されている。さらにまた、ダイ10およびスリーブ12のワーク挿入部15,17と対向面10b,12bとの径方向の間には、それぞれ座屈されたワークの形状Wを案内転写するワーク形状案内部10c,12cが形成されている。
【0029】
つぎに、本発明のフランジ形成方法の一実施の形態を、上述したように構成されたフランジ形成装置を用いた場合によって図1および図2に基づいて詳細に説明する。図2においても、図1と同様に、ワークWの軸線Cの左右で異なる状態が示されていることに注意されたい。
【0030】
本発明のフランジ形成方法は、概略、ダイ10およびスリーブ12の押圧面10a,12aでワークWの端部Waの面を軸方向に押圧することにより、ワークWのフランジFを形成すべく突出させる側と反対側(すなわち、ワークWの内側)を送りつつ、ワークWを所定量まで座屈させるものであり、また、所定量まで座屈したワークWを、ワークWの端部Waの面のフランジFを形成すべく突出させる側(すなわち、ワークWの外側)を送りつつ、さらにワークを座屈させるものである。
【0031】
中空パイプ状のワークWにフランジFを形成するに際しては、最初にラムを上昇させてダイ10およびパンチ11をスリーブ12から離間させた状態とし、スリーブ12のワーク挿入部17にワークを挿入する。このとき、スリーブ12の押圧面12aが傾斜するよう形成されているため、ワークWの下側の端部Waの面のフランジFを形成すべく突出させる側とは反対側の内側がスリーブ12の押圧面12a上に載置され、また、ワークWの下方の外周面がスリーブ12のワーク挿入部17の内周面に保持された状態となる。
【0032】
次いで、図示しないラムを下降させるよう駆動してダイ10およびパンチ11をスリーブ12に近接させる。このとき、ワークWの上方は、内側にパンチ11が挿入されて、ダイ10のワーク挿入部15とパンチ11との間で保持される。また、スリーブ12と同様に、ダイ10の押圧面10aが傾斜するよう形成されているため、ワークWの上側の端部Waの面のフランジを形成しない内側がダイ10の押圧面10aに最初に当接することとなる(図1の軸線の左方を参照)。そして、ダイ10とスリーブ12との傾斜した押圧面10a,12aの間で押圧されることにより、ワークWは、その上下の端部Waの面のフランジFを形成しない内側が、端部WaのフランジFを形成する外側の面よりも先行して押圧される。すなわち、ワークWの端部WaのフランジFを形成しない内側がフランジFを形成する外側よりも先行して送られることとなる(図1の鎖線の右方の矢印を参照)。これにより、ワークWのダイ10およびスリーブ12のワーク挿入部15,17に保持されていない部分がフランジFを形成すべく外側に向かって突出するように確実に座屈される。そして、ダイ10およびスリーブ12の外側の対向面10b,12bが互いに当接したときには、ワークWはダイ10およびスリーブ12のワーク形状案内部10c,12cに沿うように座屈する。また、ワークWの端部Waは、ダイ10とスリーブ12との押圧面10a,12aの傾斜が転写される。なお、このワークWを所定量まで座屈させる工程を便宜上予備成形工程ということにする。
【0033】
予備成形工程が完了すると、図2に示すように、ワークWは、最終的にフランジFを形成するための仕上げ工程が行われる。この仕上げ工程では、上述したような押圧面10a,12aが傾斜したダイ10およびスリーブ12ではなく、軸線Cに対してほぼ直交する一般的な押圧面20a,22bを有するダイ20およびスリーブ22が用いられる。このような押圧面20a,22aにより予備成形工程が完了したワークWを押圧して座屈させるとき、予備成形工程においてダイ10とスリーブ12との押圧面10a,12aの傾斜が転写されたワークWは、その端部Waの面のフランジFを形成すべく突出される外側が、端部Waの面のフランジFを形成しない内側よりも先行して押圧される。すなわち、ワークWのフランジFを形成する外側がフランジFを形成しない内側よりも先行して送られることとなる(図2の鎖線の左方の矢印を参照)。これにより、ワークWのダイ20およびスリーブ22のワーク挿入部25,27に保持されていない座屈した部分がフランジFを形成すべくさらに外側に向かって突出するように確実に座屈される。そして、ダイ20およびスリーブ22の外側の対向面20b,22bが互いに当接したときには、ダイ20およびスリーブ22のほぼ平行に形成されたフランジ押圧部20d,22dによりフランジFを押圧してワークWのフランジFが形成された周縁先端Faがほぼ180度折り曲げられた状態となるが(図2の鎖線の右方を参照)、ワークWのフランジFを形成する外側がフランジFを形成しない内側よりも先行して送られることにより、ワークWの180度折り曲げられる外側に引張り応力が生じることがないため、割れが生じることはない。
【0034】
次に、本発明のフランジ形成装置の第2の実施の形態を図3に基づいて説明する。なお、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0035】
この実施の形態におけるフランジ形成装置は、概略、ワークWを軸方向に押圧して座屈させることによりフランジFを形成する装置であって、ワークWのフランジFを押圧するダイ30およびスリーブ32の互いに対向するフランジ押圧面30d,32dを、フランジFの周縁先端Faに向って漸次間隔が拡がるように所定の相対角度αを有するよう形成したものである。
【0036】
この実施の形態におけるダイ30およびスリーブ32のワーク挿入部35,37のワークWの端部Waの面を押圧する押圧面30a,32aは、軸線Cに対してほぼ直交するよう形成されている。ダイ30のフランジ押圧面30dとなる下面は軸線Cに対する内側が外側に対して突出するように傾斜した状態に形成されている。また、スリーブ32のフランジ押圧面32dとなる上面も同様に、軸線Cに対する内側が外側に対して突出するように傾斜した状態に形成されている。このように構成したことにより、ダイ30をスリーブ32に近接させたときに、ワークWに形成されるフランジFの周縁先端Faを押しつぶすことなく、フランジFの基端部Fbとなる部分のワークWの内周面が互いに接する。
【0037】
次に、本発明のフランジ形成方法の第2の実施の形態を、図3に示したように構成されたフランジ形成装置を用いた場合により詳細に説明する。なお、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略する。本発明のフランジ形成方法は、概略、中空パイプ状のワークWを軸方向に押圧して座屈させることによりフランジFを形成する方法であって、ワークWに形成されるフランジFの周縁先端Faを押しつぶすことなく、ワークWの基端部Fbとなる部分が互いに接するように軸方向の力を加えるものである。
【0038】
図3に示したフランジ形成装置では、最初にダイ30およびパンチ31をスリーブ32から離間させた状態とし、スリーブ32のワーク挿入部37にワークWを挿入する。ワークWの下方は、外周面がスリーブ32のワーク挿入部37の内周面に保持された状態となる。次いで、ダイ30およびパンチ31をスリーブ32に近接させると、ワークWの上方は、内側にパンチ31が挿入されて、ダイ30のワーク挿入部35とパンチ31との間で保持される。そして、さらにダイ30およびパンチ31をスリーブ32に近接させと、図3の軸線Cの左方に示すように、ワークWのダイ30およびスリーブ32のワーク挿入部35,37に保持されていない部分がフランジFを形成すべく外側に向かって突出するように確実に座屈される。さらにダイ30およびパンチ31をスリーブ32に近接させると、図3の軸線Cの右方に示すように、ダイ30のフランジ押圧部30dである下面とスリーブ32のフランジ押圧部32dである上面との間でワークWが押圧されてフランジFが形成されることとなる。このとき、図3に示すように、フランジFの基端部Fbとなる部分のワークWの内周面が互いに接することとなる。しかしながら、ワークWのフランジFとなる部分を押圧するダイ30のフランジ押圧部30dとスリーブ32のフランジ押圧部32dとがフランジFの周縁先端Faに向って暫時間隔が拡がるように所定の相対角度αを有しているため、フランジFの周縁先端Faが押しつぶされることなく所定の曲率半径をもって折り曲げられる。したがって、形成されたフランジFの外側に生じる引張り応力が少なくなるため、割れが生じることはない。
【0039】
次に、本発明のフランジ形成装置の第3の実施の形態を図4に基づいて説明する。なお、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0040】
この実施の形態におけるフランジ形成装置は、概略、ワークWを軸方向に押圧して座屈させることによりフランジFを形成する装置であって、ワークWのフランジFを押圧するダイ40およびスリーブ42の、フランジFの周縁先端Faと対応する位置に環状の凹部40e,42eをそれぞれ形成したものである。
【0041】
この実施の形態におけるダイ40およびスリーブ42の環状の凹部40e,42eは、ダイ40とスリーブ42を衝合させたときの断面がほぼ円形となるように、断面がそれぞれほぼ半円形に形成されている。また、ダイ40およびスリーブ42の、フランジFの基端部Fbと対応する位置から凹部40e,42eまでは、ワークWに形成されるフランジFの厚さとほぼ同様の間隔で平行に形成されている。このように構成したことにより、ダイ40をスリーブ42に近接させたときに、ワークWに形成されるフランジFの周縁先端Faを押しつぶすことなく断面が所定の半径を有するほぼ円形のパイプ状に形成され、かかる部分からフランジFの基端部Faまでのみが押しつぶされてワークWの内周面が互いに接する。
【0042】
次に、本発明のフランジ形成方法の第3の実施の形態を、図4に示したように構成されたフランジ形成装置を用いた場合により詳細に説明する。なお、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略する。本発明のフランジ形成方法は、概略、中空パイプ状のワークWを軸方向に押圧して座屈させることによりフランジFを形成する方法であって、ワークWに形成されるフランジFの周縁先端Faを押しつぶすことがないように断面パイプ状に形成して、ワークWの、フランジFの基端部となる部分のみが互いに接するように軸方向の力を加えるものである。
【0043】
図4に示したフランジ形成装置では、最初にダイ40およびパンチ41をスリーブ42から離間させた状態とし、スリーブ42のワーク挿入部47にワークWを挿入する。ワークWの下方は、外周面がスリーブ42のワーク挿入部47の内周面に保持された状態となる。次いで、ダイ40およびパンチ41をスリーブ42に近接させると、ワークWの上方は、内側にパンチ41が挿入されて、ダイ40のワーク挿入部45とパンチ41との間で保持される。そして、さらにダイ40およびパンチ41をスリーブ42に近接させると、図4の軸線Cの左方に示すように、ワークWのダイ40およびスリーブ42のワーク挿入部45,47に保持されていない部分がフランジFを形成すべく外側に向かって突出するように確実に座屈される。さらにダイ40およびパンチ41をスリーブ42に近接させると、図4の軸線Cの右方に示すように、ダイ40の下面とスリーブ42の上面との間でワークWが押圧されてフランジFが形成されることとなる。このとき、図4に示すように、フランジFの基端部Fbとなる部分のワークWの内周面が押しつぶされるように互いに接することとなる。しかしながら、ワークWのフランジFを押圧するダイ40およびスリーブ42の、フランジFの周縁先端Faと対応する位置に環状の凹部40e,42eをそれぞれ形成したことにより、フランジFの周縁先端Faが押しつぶされることなく所定の曲率半径を有する断面ほぼ円形のパイプ状に形成される。したがって、形成されたフランジFの外側に生じる引張り応力が少なくなるため、割れが生じることはない。
【0044】
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されることはなく、例えば、図1に示したフランジ形成装置により予備成形工程を行った後に、図3または図4に示したフランジ形成装置により最終的なフランジを形成する仕上げ工程を行ってもよい。
【0045】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、ワークの端面の内側を外側よりも先行して押圧して、ワークを所定量まで座屈させることにより、ワークを軸方向に押圧して確実に外側に突出するよう座屈させて比較的大きな径のフランジを容易に形成することが可能なフランジ形成方法を提供することができる。
【0046】
請求項2の発明によれば、請求項1に記載の発明において、所定量まで座屈したワークの端面の外側を内側よりも先行して押圧して、さらにワークを座屈させることにより、外側に突出するように形成されたフランジの周縁先端割れなど発生するのを防止して、製品の歩留を向上させることが可能なフランジ形成方法を提供することができる。
【0047】
請求項3の発明によれば、ワークを軸方向に押圧する押圧部材のフランジ押圧部によってワークの座屈させた部分を押圧して、フランジの基端部となる部分のワークの内周面を互いに接しさせると共に、ワークに形成されるフランジの周縁先端を押しつぶすことなく所定の曲率半径をもって折り曲げて、フランジを形成することにより、フランジの周縁先端に割れなどが発生するのを防止して、製品の歩留を向上させることが可能なフランジ形成方法を提供することができる。
【0048】
請求項4の発明によれば、ワークの端面を押圧する押圧部材を、ワークの内側を外側よりも先行して押圧して座屈させるようにその押圧面を傾斜させると共に、ワークが所定量まで座屈するのを許容するように形成したことにより、ワークを軸方向に押圧して確実に外側へ座屈させて比較的大きな径のフランジを容易に形成することができ、しかも、割れなどの発生を防止して、製品の歩留を向上させることが可能なフランジ形成装置を提供することができる。
【0049】
請求項5の発明によれば、ワークを軸方向に押圧する押圧部材の、ワークの座屈させた部分を押圧してフランジを形成する部分を、フランジの基端部となる部分の内周面を互いに接しさせると共に、ワークに形成されるフランジの周縁先端を押しつぶすことなく所定の曲率半径をもって折り曲げる形状に形成したことにより、割れなどの発生を防止して、製品の歩留を向上させることが可能なフランジ形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフランジ形成方法および装置の第1の実施の形態の予備成形工程を説明するための端面図である。
【図2】本発明のフランジ形成方法および装置の第1の実施の形態の仕上げ工程を説明するための端面図である。
【図3】本発明のフランジ形成方法および装置の第2の実施の形態を説明するための端面図である。
【図4】本発明のフランジ形成方法および装置の第3の実施の形態を説明するための端面図である。
【図5】従来の技術によりフランジを形成する場合を説明するための端面図である。
【図6】他の従来の技術によりフランジを形成する場合を説明するための端面図である。
【図7】他の従来の技術によりフランジにしわが発生した状態をを説明するための端面図である。
【図8】他の従来の技術によりフランジの先端周縁に割れが発生した状態を説明するための端面図である。
【図9】従来の技術により比較的肉厚のワークに軸方向の力を加えたときに、ワークが単に圧縮されて据え込みのように変形した状態を説明する端面図である。
【符号の説明】
W ワーク
Wa 端部
F フランジ
Fa 周縁先端
Fb 基端部
10 ダイ
10a 押圧面
12 スリーブ
12a 押圧面
15 ワーク挿入部
17 ワーク挿入部
20 ダイ
22 スリーブ
30 ダイ
30d フランジ押圧部
32 スリーブ
32d フランジ押圧部
40 ダイ
40e 凹部
40 スリーブ
40e 凹部

Claims (5)

  1. 中空パイプ状のワークを軸方向に押圧して座屈させることにより外側に突出するフランジを形成する方法であって、
    ワークの端面の内側を外側よりも先行して押圧して、ワークを所定量まで座屈させることを特徴とするフランジ形成方法。
  2. 所定量まで座屈したワークを、ワークの端面の外側を内側よりも先行して押圧して、さらにワークを座屈させることを特徴とする請求項1に記載のフランジ形成方法。
  3. 中空パイプ状のワークを軸方向に押圧して座屈させることにより外側に突出するフランジを形成する方法であって、
    ワークを軸方向に押圧する押圧部材によってワークを座屈させ、前記押圧部材のフランジ押圧部によってワークの座屈した部分を押圧して、フランジの基端部となる部分のワークの内周面を互いに接しさせると共に、ワークに形成されるフランジの周縁先端を押しつぶすことなく所定の曲率半径をもって折り曲げて、フランジを形成することを特徴とするフランジ形成方法。
  4. 中空パイプ状のワークを軸方向に押圧して座屈させることにより外側に突出するフランジを形成する装置であって、
    ワークの端面を押圧する押圧部材を、ワークの内側を外側よりも先行して押圧して座屈させるようにその押圧面を傾斜させると共に、ワークが所定量まで座屈するのを許容するように形成したことを特徴とするフランジ形成装置。
  5. 中空パイプ状のワークを軸方向に押圧して座屈させることにより外側に突出するフランジを形成する装置であって、
    ワークを軸方向に押圧する押圧部材の、ワークの座屈させた部分を押圧してフランジを形成する部分が、フランジの基端部となる部分の内周面を互いに接しさせると共に、ワークに形成されるフランジの周縁先端を押しつぶすことなく所定の曲率半径をもって折り曲げる形状に形成されていることを特徴とするフランジ形成装置。
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