JP6284837B2 - 剪断抵抗材、その位置出し補助治具、及び、その設置工法 - Google Patents
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Description
まず本発明の第1実施形態の剪断抵抗材を説明する前に、それとの対比のために、図1に示した従来の剪断抵抗材について説明する。
(a)ドリル穿孔機を用いて穿孔作業を実施し、ドリルを置いて、
(b)カップルボルト用孔110にアンカーボルト90を埋め込み、
(c)芯棒部及び/又は外周挿入管部がハンマー又は打ち込み棒を使って打ち込まれるか又はボルト部に対応するナットがスパナ等で回して締めつけられて、外周挿入管部の拡張部が拡張されて、アンカーボルト90がコンクリートに固定され、
(d)アンカーボルト90の突出したボルトねじ切り部91に、剪断抵抗材10を通し、
(e)さらにナット80もボルトねじ切り部91に通して、
(f)ナット締め器をナットにあてがって固定する。
作業者は上記した(a)〜(f)のような多工程で多種の工具とアンカーボルト90と剪断抵抗材10とナット80を持ち替えながらの作業を、法面の多くの場所で、宙づりの不安定な状態で繰り返して行う必要があった。
以下、本発明の第1実施形態について、図2(a)、(b)を用いながら詳細に説明する。
剪断抵抗材20は、既設モルタル層100と接触可能で平行な平面を有する底面部21、その底面部21の周囲に結合されて上端が先の開いた管状に開口した層横断方向部22、底面部21の中心に設けられてコンクリート用ピンネイル50のネイル部52が通過可能な直径のネイル貫通孔23、及び、層横断方向部22の開口上端に結合されて底面部21と平行方向の周囲に延伸された層平行方向部24から構成される。従来の剪断抵抗材10との主な相違点は、アンカーボルト貫通孔113に代えて、コンクリート用ピンネイル50の直径よりも僅かに大きいネイル貫通孔23が設けられている点である。
以下、本発明の第2実施形態について、図3(a)、(b)を用いながら詳細に説明する。
剪断抵抗材30は、第1実施形態と同様な底面部31、層横断方向部32、層平行方向部34、ネイル貫通孔33を有するが、ネイル貫通孔33の下面側に、外形がナット80と同形状のスペーサ部材35が溶接されて結合されている。結合方法は確実に結合できれば溶接いがいでも良い。
以下、本発明の第3実施形態について、図4(a)、(b)を用いながら詳細に説明する。
剪断抵抗材40は、ベース部49と、別体の上記した従来例の剪断抵抗材10との2ピースで構成される。ベース部49は、既設モルタル層100と接触可能で平行な平面を有する底面部41、その底面部41の周囲に結合されて上端が開口した層横断方向部42、底面部41の長辺の中心軸上に設けられてコンクリート用ピンネイル50のネイル部52が通過可能な直径の2個のネイル貫通孔43と、を有する。他の実施形態との相違点は、剪断抵抗材40がベース部49と従来例の剪断抵抗材10との2ピースで構成である点と、ベース部49には2個のネイル貫通孔43が設けられ、中心にはナット81が溶接されており、ナット81がスペーサとしても機能しているが、ボルト85により従来からの剪断抵抗材10を固定可能な点である。その他の構成と効果は、第1実施形態と同様である。
以下、本発明の第4実施形態について、図5(a)、(b)を用いながら詳細に説明する。
剪断抵抗材140は、ベース部149と、別体の上記した従来例の剪断抵抗材10との2ピースで構成される。ベース部149は、長辺方向両端に既設モルタル層100と接触可能で平行な平面を有する2個の底面部141、その両底面部141に挟まれて折り曲げ加工又はプレス加工により両底面部141から上側に突出させてそれらの間に後述するナット81を収容する空間が形成された層横断方向部142、その各層横断方向部142の突出された各上端部を接続するように形成されて中心にボルト85の雄ネジ部が貫通可能な開口部145を有する層平行方向部144、上記層横断方向部142と層平行方向部144により両側面と上面の三方を囲った下側の空間内に収容されて溶接等によりその周縁部の一箇所以上が囲われた三方の何れかに固定されるナット81、両底面部141の長辺の中心軸上に設けられてコンクリート用ピンネイル50のネイル部52が通過可能な直径の2個のネイル貫通孔143と、を有する。本実施形態が上記した第3実施形態と相違する点は、ベース部149の周囲外径が単純な長方形を基本として、型抜き加工と、折り曲げ加工又はプレス加工が容易になり、省力化と省材料化、省コスト化に有利である点、ナット81を、層横断方向部142で挟んで配置できることで、ナット81の固定と長辺方向の位置出しに層横断方向部142が利用できるので溶接が容易になり、挟まれることで溶接のみの場合よりも固定強度を高められる点である。その他の構成と効果は、第3実施形態と同様である。
11、21、31、41、141 底面部、
12、22、32、42、142 層横断方向部、
13 アンカーボルト貫通孔、
14、24、34、144 層平行方向部、
23、33、143 ネイル貫通孔、
35、81 スペーサ部材、
36 ヘッド用凹部、
37 延伸ネイル貫通孔、
49、149 ベース部、
50 コンクリート用ピンネイル、
51 ヘッド部、
52 ネイル部、
60、70、190 位置出し補助治具、
61、71、161 先端側表面、
62、72、162 銃口部貫通孔、
65、75 磁石、
73 先端外周部、
74 導磁性の金属板、
80、81 ナット、
82 ナット内孔、
85 ボルト、
90 (カップルボルトの)アンカーボルト、
91 ボルトねじ切り部、
95 外周挿入管部(スリーブ部)、
96 挿入管拡幅部、
100 既設モルタル層、
110 カップルボルト用孔、
120 ネイル部孔、
145 開口部、
160 銃口取り付け部、
170 リング部、
171 ナット穴挿入部、
172、173 位置出し板、
200 高圧コンクリートピンネイラ、
201 銃口部、
300 高圧エアコンプレッサ、
D1 治具先端部直径、
D2 剪断抵抗材底面部上側内径、
D11 治具先端外周部上端直径、
D21 剪断抵抗材層横断方向上側内径。
Claims (12)
- 既設モルタル層の表面上に追加モルタル層を形成する前に設置されて両層の剪断を抑制する剪断抵抗材であって、
平面状に形成される底面部と、
前記底面部と結合され、前記底面部から、前記追加モルタル層の表面に向けて突出する方向に形成される層横断方向部と、
前記層横断方向部と結合され、前記追加モルタル層の表面と平行方向に延伸されて形成される層平行方向部と、
からなり、
前記底面部には、少なくともコンクリート用ピンネイルのネイル部が通過可能な直径寸法の一つ以上のネイル貫通孔が設けられ、
前記底面部と前記層横断方向部とが、前記底面部の直径よりも前記層横断方向部の開放された上面の直径が大きい皿形状で一体に形成される
ことを特徴とする剪断抵抗材。 - 前記底面部の下面に、前記既設モルタル層の表面と前記底面部とを離間させるスペーサ部材が結合される
ことを特徴とする請求項1に記載の剪断抵抗材。 - 前記スペーサ部材は、前記底面部の前記ネイル貫通孔の外面周囲に設けられ、前記スペーサ部材内部に、前記ネイル貫通孔に連続して設けられる延伸ネイル貫通孔と、前記コンクリート用ピンネイルのヘッド部を収容するヘッド用凹部が設けられる
ことを特徴とする請求項2に記載の剪断抵抗材。 - 前記底面部と前記層横断方向部と前記層平行方向部とが、1枚の金属板から打ち抜き工程を含むプレス成形により一体に形成される
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の剪断抵抗材。 - 前記底面部 と、少なくとも前記層横断方向部とが別体に形成され、
前記底面部 には、一つ以上の前記ネイル貫通孔 が設けられ、
前記層横断方向部の下端部には、前記底面部と平行な第二の底面部が形成され、
前記底面部 と前記第二の底面部が結合手段により結合される
ことを特徴とする請求項1に記載の剪断抵抗材。 - 前記底面部 の上面と前記第二の底面部の下面との間に、当該各面を離間させるスペーサ部材を有する
ことを特徴とする請求項5に記載の剪断抵抗材。 - 請求項1〜6の何れか1項の剪断抵抗材を設置するための前記コンクリート用ピンネイルを射出する高圧コンクリートピンネイラの銃口部に取り付ける位置出し補助治具であって、
当該位置出し補助治具におけるネイラ銃口部取り付け後の先端部が、
前記剪断抵抗材の前記底面部の前記ネイル貫通孔を含んで、前記ネイル貫通孔の周囲の前記層横断方向部に囲まれた領域の上面と面接触可能な先端部表面を有し、
当該先端部の外周形状が、前記層横断方向部に囲まれた領域と同様な外周形状であり、
前記ネイル貫通孔に軸合わせして前記前記コンクリート用ピンネイルを供給可能な銃口部貫通孔を有する
ことを特徴とする位置出し補助治具。 - 前記ネイル貫通孔の周囲の前記層横断方向部が、前記底面部の直径よりも前記層横断方向部の開放された上面の直径が大きい皿形状である場合、
前記位置出し補助治具の先端部の周囲の先端外周部を、前記皿形状の内部と嵌合可能な外周形状とする
ことを特徴とする請求項7に記載の位置出し補助治具。 - 前記剪断抵抗材が金属磁性材料で形成される場合に、
前記位置出し補助治具の先端側表面に、前記剪断抵抗材の金属磁性材料を吸着する磁石を配置する
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の位置出し補助治具。 - 前記位置出し補助治具の先端部に、前記磁石に接するか近傍に、前記先端部及び前記先端外周部の外周形状と合致させて導磁性の金属板を配置する
ことを特徴とする請求項9に記載の位置出し補助治具。 - 請求項5又は6の剪断抵抗材を設置するための前記コンクリート用ピンネイルを射出する高圧コンクリートピンネイラの銃口部に取り付ける位置出し補助治具であって、
前記ネイラ銃口部の周囲に当該銃口部を保持するように形成され、前記ネイラ銃口部取り付け後の先端部が、前記剪断抵抗材の前記底面部の前記ネイル貫通孔を含んで、前記ネイル貫通孔の周囲の前記層横断方向部に囲まれた領域の上面と面接触可能な先端部表面と、前記ネイル貫通孔に軸合わせして前記前記コンクリート用ピンネイルを供給可能な銃口部貫通孔を有する銃口取り付け部、
前記銃口取り付け部の周囲に、当該銃口取り付け部を保持するように形成されるリング部、
前記リング部に結合されると共に、第二の底面部を結合させる結合手段の内孔径寸法と同等の外形寸法を有して、当該結合手段の内孔に挿入されるナット穴挿入部と、
前記リング部に結合されると共に、前記層平行方向部の幅方向の両端を挟むように設けられる位置出し板、
を有する
ことを特徴とする位置出し補助治具。 - 請求項1〜6の何れか1項の剪断抵抗材を、既設モルタル層の表面上に前記コンクリート用ピンネイルを射出する高圧コンクリートピンネイラを用いて設置する設置工法であって、
前記剪断抵抗材を、前記既設モルタル層の表面上の取り付け位置に保持するステップと、
前記高圧コンクリートピンネイラの銃口を前記剪断抵抗材の前記ネイル貫通孔に位置合わせし、前記コンクリート用ピンネイルを射出するステップと
を少なくとも有する
ことを特徴とする設置工法。
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