JP6283386B2 - ホーニング加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、周方向の両端部間に非連続部が設けられた弧状の内周面を研削するホーニング加工方法に関する。
円筒状のワークの内周摺動面を仕上げ加工する場合、潤滑性能及び量産性に優れる等の観点からホーニング加工を採用することが好ましい。ホーニング加工に用いるホーニングヘッドは、略円柱形状であり、その軸方向に沿って延在する棒状の砥石が、その周方向に沿って間隔をおいて複数個装着されている。この砥石の延在方向が軸心に沿うようにワークの内部にホーニングヘッドを挿入し、砥石を回転させながらワークの内周面に適切な面圧を掛けて接触させることで研削が可能になっている。
このようなホーニング加工では、ワークの内周面に軸心に沿って延在する溝や開口等が形成されている場合、換言すると、ワークの周方向の両端部間に非連続部が設けられ内周面が弧状である場合、良好に研削を行うことが困難になる懸念がある。すなわち、上記の非連続部を形成する両端部間の距離が砥石の幅よりも大きいと、研削の際に非連続部に砥石が入り込んでしまう。これによりワークの軸心とホーニングヘッドの回転中心とにずれが生じることで、ワークの内周面を均等に研削することが困難になり加工精度が低下してしまうことが想定される。
そこで、特許文献1には、溝が形成されたワークの内周面を該溝の幅よりも狭い幅の砥石を用いてホーニング加工する際に、加工精度が低下すること抑制するための方法が提案されている。具体的には、複数個のワークを、互いの溝の周方向の位置が異なるように積層して保持し、これらのワークの内周面に同時に砥石を接触させてホーニング加工を施す。これによって、砥石全体が溝に入り込むことを回避して、ワークの軸心とホーニングヘッドの回転中心とにずれが生じることを抑制する。
特開昭58−155167号公報
しかしながら、特許文献1記載の方法のように積層したワーク同士で溝の周方向の位置がそれぞれ異なると、ホーニング加工の際、内周面に対して砥石が接触と非接触とを繰り返して断続的に研削が行われることになる。この場合、加工負荷が連続的に変動してしまうため、結局、ワークの内周面を高精度に研削することは困難である。
本発明は、前記の課題を考慮してなされたものであり、非連続部が形成された弧状の内周面を高精度に研削することが可能なホーニング加工方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、周方向の両端部間に非連続部が設けられた弧状の内周面を備えるワークの該内周面を研削するホーニング加工方法であって、複数個の前記ワークを積層して互いの相対位置を固定する固定工程と、積層した前記ワークの内部に形成される中空の軸心に沿って延在する砥石が周方向に沿って間隔をおいて複数個装着されたホーニングヘッドを回転させて、複数個の前記ワークの内周面をともに研削する研削工程と、を有し、前記固定工程では、前記研削工程で、前記ワークごとに、前記軸心を介して前記非連続部と対向する内周面の部位に対し前記軸心に直交する方向に加えられる加工負荷について、積層方向の両端側に配置した前記ワーク同士の合力と、積層方向の中央側に配置した前記ワーク同士の合力とが、積層方向の中央で互いに反対向きに生じるように複数個の前記ワークの相対位置を固定することを特徴とする。
以下では、研削工程で、ワークの軸心を介して非連続部と対向する内周面の部位に対し、軸心に直交する方向に加えられる加工負荷を単に加工負荷ともいう。上記のように相対位置を固定したワークでは、積層方向の両端側の加工負荷の合力(第1合力)が、積層方向の中央に生じる。この第1合力は、積層方向の中央側のワークの加工負荷の合力(第2合力)と方向が互いに反対で大きさが同じとなる。
このため、本発明に係るホーニング加工方法によれば、積層方向の中央で、複数個のワーク全体の加工負荷を均衡させることができる。これによって、砥石が延在方向に対して傾くことや、加工負荷が変動することを抑制して、非連続部が形成された弧状の内周面を高精度に研削することが可能になる。
上記のホーニング加工方法において、前記固定工程では、偶数個の前記ワークを積層し、複数個の前記ワークのうち、積層方向の一端側と他端側とに配置する端部側ワークを合計した個数と、積層方向の中央側に配置する中央側ワークを合計した個数とを等しくし、前記端部側ワークは全て、互いの前記非連続部の周方向の位置が同一の第1周方向位置となり、前記中央側ワークは全て、互いの前記非連続部の周方向の位置が同一の第2周方向位置となり、前記第1周方向位置と前記第2周方向位置とが、周方向に180°異なるように、複数個の前記ワークの相対位置を固定することが好ましい。
この場合、第1合力と第2合力とを積層方向の中央で容易に均衡させて、非連続部が形成された弧状の内周面を高精度に研削することができる。
上記のホーニング加工方法において、隣接して配置される少なくとも2つの前記砥石の、周方向に最も離間した側面同士の距離が、前記非連続部を介した前記両端部間の距離よりも小さい場合に、本発明に係るホーニング加工方法を好適に適用することができる。
上記のホーニング加工方法において、前記ワークは、周方向の両端部間に開口が設けられた断面略C字形状のインナーカムであることが好ましい。このようなインナーカムの内周摺動面は、高精度に研削する必要があるため、本発明に係るホーニング加工方法を好適に適用することができる。
また、本発明は、周方向の両端部間に開口が設けられ、該開口を介してカムシャフトの外軸にその径方向から取り付けられる断面略C字形状のインナーカムであって、内周摺動面にホーニング加工跡であるクロスハッチが形成され、且つ真円度が10μmよりも小さいことを特徴とする。
本発明に係るインナーカムは、ホーニング加工により量産的に得ることができ、且つ内周面が摺動に適した高精度で高性能な面性状に加工されているため品質にも優れる。
本発明では、積層方向の中央で、複数個のワーク全体の加工負荷を均衡させることができるため、砥石が延在方向に対して傾くことや、加工負荷が変動することを抑制して、非連続部が形成された弧状の内周面を高精度に研削することが可能になる。
本発明の実施形態に係るインナーカムを備えるカムシャフトの概略分解斜視図である。 図1のカムシャフトのインナーカムが固定された部位の概略断面図である。 図1のインナーカムの内周摺動面に形成されたクロスハッチを説明するための概略斜視図である。 図1のインナーカムの内周面をホーニング加工するホーニングヘッドの要部概略正面図である。 図4のホーニングヘッドの部分断面図である。 本発明に係るホーニング加工方法について説明するための説明図である。 比較例に係るホーニング加工方法について説明するための説明図である。
本発明に係るホーニング加工方法及びこれによって内周面が研削されたインナーカムについて好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るインナーカム10は、アウターカム12と軸方向に沿って隣接するようにカムシャフト14に備えられ、該アウターカム12とともにロッカーアーム(不図示)を駆動する。これによって、内燃機関の気筒に設けられたエンジンバルブ(何れも不図示)を開閉する。本実施形態では、3気筒の内燃機関のエンジンバルブを開閉するべく、3組のインナーカム10及びアウターカム12が備えられる。
先ず、カムシャフト14の具体的な構成について説明する。カムシャフト14は、外周にアウターカム12が一体成形された筒状の外軸16と、該外軸16の内部に回転可能に配設される内軸18と、該内軸18に後述するように固定されるインナーカム10とを備えている。アウターカム12は、外軸16の軸方向に沿って、所定の間隔をおいて設けられた3つからなる。なお、図1に示す通り、隣接するアウターカム12の長径方向同士は、360°を前記気筒の数である3で除した角度、すなわち、120°をなすように配置される。
外軸16は、3つのアウターカム12が設けられた部位にそれぞれ隣接して3組みの切欠20が形成されている。一組の切欠20は、外軸16の径方向に対向するように設けられる。また、切欠20のそれぞれは、外軸16の周方向に沿って延在する円弧状である。外軸16の切欠20に隣接する両側の部位のうち、アウターカム12と反対側には細径部22がそれぞれ形成されている。細径部22は、外軸16の外径を部分的に小さくするべく、該外軸16の外周壁の径方向の両端側が切り欠かれた部位である。
内軸18は、外軸16の内径よりも小さい直径の中実の丸棒である。このため、外軸16内に同軸となるように内軸18を配設することで、互いの内周面と外周面の間にはクリアランスが形成される。また、内軸18は、その径方向に沿って延在する貫通孔であるピン孔24が、該内軸18の軸方向に沿って間隔をおいて3つ設けられる。
インナーカム10は、その周方向の両端部間に開口が設けられた断面略C字形状であり、外軸16のアウターカム12のそれぞれと隣接する部位に周方向に沿って摺動可能に取り付けられる3つからなる。インナーカム10の開口を形成する両端部間の距離は、外軸16の細径部22の外径よりも僅かに大きく、外軸16のインナーカム10が取り付けられる部位の外径よりも小さい。
これによって、開口を介して外軸16の細径部22をインナーカム10内に挿入した後、該インナーカム10を外軸16の軸方向に沿って摺動させることで、アウターカム12と隣接する位置に取り付けることができる。この際、インナーカム10は、外軸16の周方向の半分(180°)以上を覆うように周方向の長さが設定されているため、該外軸16から脱離することを抑制できる。
上記の通り、カムシャフト14では、アウターカム12に対して位相がずれた部分のみインナーカム10のプロフィールが使用される。このため、インナーカム10では、プロフィールが使用されない部位を開口とした断面略C字形状とすることで、円筒状のインナーカムに比して軽量化を図ることができる。また、インナーカム10を形成するために必要な材料の量を低減してコストの削減を図ることもできる。さらに、インナーカム10を断面略C字形状とすることで、アウターカム12を設けた後の外軸16に対して、その径方向からインナーカム10を取り付けることができる。このため、カムシャフト14の製造工程を簡素化すること及び効率化することができる。
インナーカム10には、上記のように外軸16に取り付けられた際に、切欠20及びピン孔24と対向する一組の挿通孔26が形成されている。図2に示すように、挿通孔26及び切欠20を介してピン孔24にピン28を圧入することにより、内軸18にインナーカム10が固定される。これによって、インナーカム10は、内軸18とともに回転可能となっている。
すなわち、外軸16に対して内軸18を相対的に回転させることで、インナーカム10が内軸18に追従回転(いわゆる連れ回り)して、外軸16の外周面を周方向に沿って摺動する。その結果、アウターカム12とインナーカム10の相対位置を可変とすることができ、これによって、エンジンバルブの開時間を任意に制御することが可能になる。
また、図3に示すように、インナーカム10は、ホーニング加工により研削処理が施さることで、内周面にホーニング加工跡であるクロスハッチ11が形成されるとともに、真円度が10μmよりも小さくなっている。なお、クロスハッチ11の交差角2θ(クロスハッチ角)は0°〜180°の溝を形成しており、オイル溜りとして摺動面に良好な潤滑をもたらす。つまり、インナーカム10は、量産性に優れるホーニング加工によって、内周摺動面が高精度に研削されることで良好な真円度を有する。これによって、上記のようにインナーカム10の内周面と、外軸16の外周面とを周方向に沿って良好に摺動させて、アウターカム12に対するインナーカム10の相対位置を高精度に調整することが可能である。
本発明に係るホーニング加工方法は、上記のように、高精度に研削することが求められる断面略C字形状のインナーカム10の内周面に対して好適に適用することができる。このため、本実施形態では、ホーニング加工を施す対象のワークがインナーカム10である場合を例に挙げて説明する。しかしながら、特にこれに限定されるものではなく、本発明に係るホーニング加工方法は、周方向の両端部間に非連続部が設けられた弧状の内周面を備えるワークの内周面を研削加工する場合であれば、同様に適用することができる。
このホーニング加工方法は、図4及び図5に示すホーニングヘッド30を用いて行うことができる。ホーニングヘッド30は、略円柱形状であり、後端側が、例えば、自在継手等を介して加工装置の取付部(何も不図示)にフローティング状態で連結される。このため、後述するように積層されて相対位置が固定された複数個のインナーカム10の中空の軸心に倣って、ホーニングヘッド30の軸方向を変位させることが可能になっている。また、ホーニングヘッド30は、加工装置によって軸方向に沿って昇降可能である。
具体的には、ホーニングヘッド30は、略円筒形状の本体軸部31と、砥石32と、拡縮バー34と、砥石シュー36とを備えている。本体軸部31の先端側には、4個の切欠31aが形成され、後述するように、該切欠31aを介して砥石32が突出可能となっている。砥石32は、本体軸部31の周方向に沿って間隔をおいて装着される4個(図6参照)からなり、本体軸部31の軸方向に沿って延在する棒形状である。また、隣接して配置される少なくとも2つの砥石32の、周方向に最も離間した側面同士の距離が、インナーカム10の開口を形成する両端部間の距離よりも小さく設定される。
拡縮バー34は、本体軸部31の内部に、該本体軸部31と略同軸に配設され、基端側がスプリング(不図示)を介して加工装置に取り付けられるとともに、先端側の複数箇所(本実施形態では3箇所)にテーパ状面を有する拡径部38が形成されている。拡縮バー34は、前記スプリングにより、本体軸部31の先端側に常時弾発付勢され、該スプリングの付勢力に抗して加工装置に牽引された場合に、該本体軸部31の後端側に向かって軸方向に沿って移動可能となっている。
砥石シュー36は、砥石32と同数の4個からなり、これらは、本体軸部31の内部であって、拡径部38と砥石32との間にそれぞれ配設されている。砥石シュー36と砥石32とは一体に固定され、本体軸部31の軸心に向かって、スプリングバンド(不図示)等によって弾発付勢されている。砥石シュー36の拡縮バー34に臨む部位には、拡径部38のテーパ状面と対応する形状のテーパ状面を有する凹部40がそれぞれ形成されている。
従って、本体軸部31の先端側に向かって拡縮バー34を移動させると、凹部40のテーパ状面に沿って拡径部38のテーパ状面が摺動するため、砥石シュー36が拡縮バー34に押圧される。これによって、砥石シュー36が、前記スプリングバンドの付勢力に抗して本体軸部31の軸心から離間する方向に移動する。その結果、砥石シュー36に一体に固定された砥石32が、切欠31aを介して本体軸部31の外周面から突出する長さ(突出量)が大きくなる。
これとは逆に、本体軸部31の基端側に向かって拡縮バー34を移動させると、本体軸部31の軸心側に向かって砥石32を移動させることができるため、前記突出量を小さく、ないしはゼロにすることができる。このように本体軸部31に対する拡縮バー34の相対位置を調整することによって、砥石32の突出量を調整できるため、ホーニング加工の際に加工面に掛かる面圧の大きさを調整することができる。なお、図4及び図5は、前記突出量を最大とした状態を示す。また、本実施形態においては、拡縮バー34の付勢にスプリングを用いていたが、スプリングに換えて、油圧シリンダーを用いてもよい。
本実施形態に係るホーニング加工方法は、降下したホーニングヘッド30の先端側がインナーカム10の中空に挿入されるように、先ず、ホーニングヘッド30の下方に、インナーカム10を配置してワークホルダ(不図示)で固定する固定工程を行う。次に、図6に示すように、ホーニングヘッド30を降下させて、砥石32の延在方向と、積層したインナーカム10の中空の軸心とを沿わせた状態で、砥石32を回転させながらインナーカム10の内周面に適切な面圧を掛けて接触させる。
これによって、複数個のインナーカム10の内周面をともに研削する研削工程を行う。この際、インナーカム10の軸心を介して開口と対向する内周面の部位に対し、軸心に直交する方向に加えられる加工負荷を、以下、単に加工負荷ともいう。
このホーニング加工方法では、固定工程において、以下に説明するように複数個のインナーカム10の相対位置を固定することで、研削工程において、インナーカム10の内周面を高精度に研削することが可能になる。
本実施形態では、複数個のインナーカム10として、4個のインナーカム10を積層して、互いの相対位置を固定することとする。以下では、これら4個のインナーカム10をそれぞれ区別するべく、積層方向の下方側から順に第1インナーカム10a、第2インナーカム10b、第3インナーカム10c、第4インナーカム10dともいう。換言すると、第1インナーカム10a、第2インナーカム10b、第3インナーカム10c、第4インナーカム10dを総称してインナーカム10ともいう。
積層方向の両端側に配置した第1インナーカム10aと第4インナーカム10d(端部側ワーク)に加えられる加工負荷X1同士の合力を第1合力Y1とする。また、積層方向の中央側に配置した第2インナーカム10bと第3インナーカム10c(中央側ワーク)に加えられる加工負荷X2同士の合力を第2合力Y2とする。これらの第1合力Y1と第2合力Y2とが、積層方向の中央で互いに反対向きに生じるように第1インナーカム10a〜第4インナーカム10dの相対位置を固定する
つまり、積層方向の両端側に配置される合計2個の第1インナーカム10aと第4インナーカム10dの開口の周方向の位置を互いに同一の第1周方向位置とする。また、積層方向の中央側に配置される合計2個の第2インナーカム10bと第3インナーカム10cの開口の周方向の位置を互いに同一の第2周方向位置とする。これらの第1周方向位置と第2周方向位置とが、周方向に180°異なるように、第1インナーカム10a〜第4インナーカム10dの相対位置を固定する。
この状態で、研削工程を行うことで、積層方向の中央で、第1インナーカム10a〜第4インナーカム10d全体の加工負荷を均衡させることができる。これによって、砥石32が延在方向に対して傾くことや、加工負荷が変動することを抑制して、第1インナーカム10a〜第4インナーカム10dの内周面を高精度に研削することが可能になる。このようにして研削されたインナーカム10の内周面にはホーニング加工跡としてクロスハッチ11が形成される。また、真円度を10μmよりも小さくすることができるため、上記の通り、インナーカム10の内周面と、外軸16の外周面とを周方向に沿って良好に摺動させて、アウターカム12とインナーカム10の相対位置を高精度に調整することができる。
なお、例えば、図7に示す比較例のように、隣接するインナーカム10の開口の周方向の位置が互い違いとなるようにインナーカム10を積層すると、積層方向の中央で全体の加工負荷を均衡させることができない。すなわち、開口の周方向の位置が互いに同一である第1インナーカム10a及び第3インナーカム10cの加工負荷V1同士の合力W1と、第2インナーカム10b及び第4インナーカム10dの加工負荷V2同士の合力W2とでは、互いの大きさは同じであるが、積層方向の位置が一致しない。
このため、砥石32(ホーニングヘッド30)を、軸心から傾斜させる方向Zに力が作用する。その結果、インナーカム10の中空の軸心とホーニングヘッド30の回転中心とが連続的に変化して、加工精度が低下してしまう。その結果、真円度が10μmより小さいインナーカム10を得ることが困難になる。
以上から、本実施形態に係るホーニング加工方法によれば、インナーカム10の開口が形成された弧状の内周面を高精度に研削することができる。また、4個のインナーカム10を同時に研削することができるため、量産性や加工効率にも優れる。
本発明は、上記した実施形態に特に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
上記の実施形態に係るホーニング加工方法では、4個のインナーカム10を積層して、互いの相対位置を固定することとしたが、積層するインナーカム10の個数はこれに限定されるものではない。例えば、8個のインナーカム10を積層する場合、積層方向の一端側と他端側に2個ずつのインナーカム10を、開口の周方向の位置が第1周方向位置となるように合計4個配置する。また、積層方向の中央側に4個のインナーカム10を、開口の周方向の位置が第2周方向位置となるように配置する。これによって、積層方向の中央で、インナーカム10全体の加工負荷を均衡させることができるため、砥石32が延在方向に対して傾くことや、加工負荷が変動することを抑制して、インナーカム10の内周面を高精度に研削することが可能になる。
また、上記の実施形態に係るホーニング加工方法では、4個の砥石32を備えるホーニングヘッド30を用いることとしたが、砥石32の個数は複数個であればよい。
さらに、上記の実施形態に係るインナーカム10は、3気筒の内燃機関用のカムシャフト14に備えられることとしたが、内燃機関の気筒の数は3に限定されるものでもない。
10…インナーカム 12…アウターカム
14…カムシャフト 16…外軸
18…内軸 20、31a…切欠
22…細径部 24…ピン孔
26…挿通孔 30…ホーニングヘッド
31…本体軸部 32…砥石
34…拡縮バー 36…砥石シュー
38…拡径部 40…凹部

Claims (4)

  1. 周方向の両端部間に非連続部が設けられた弧状の内周面を備えるワークの該内周面を研削するホーニング加工方法であって、
    複数個の前記ワークを積層して互いの相対位置を固定する固定工程と、
    積層した前記ワークの内部に形成される中空の軸心に沿って延在する砥石が周方向に沿って間隔をおいて複数個装着されたホーニングヘッドを回転させて、複数個の前記ワークの内周面をともに研削する研削工程と、
    を有し、
    前記固定工程では、前記研削工程で、前記ワークごとに、前記軸心を介して前記非連続部と対向する内周面の部位に対し前記軸心に直交する方向に加えられる加工負荷について、積層方向の両端側に配置した前記ワーク同士の合力と、積層方向の中央側に配置した前記ワーク同士の合力とが、積層方向の中央で互いに反対向きに生じるように複数個の前記ワークの相対位置を固定することを特徴とするホーニング加工方法。
  2. 請求項1記載のホーニング加工方法において、
    前記固定工程では、偶数個の前記ワークを積層し、複数個の前記ワークのうち、積層方向の一端側と他端側とに配置する端部側ワークを合計した個数と、積層方向の中央側に配置する中央側ワークを合計した個数とを等しくし、
    前記端部側ワークは全て、互いの前記非連続部の周方向の位置が同一の第1周方向位置となり、
    前記中央側ワークは全て、互いの前記非連続部の周方向の位置が同一の第2周方向位置となり、
    前記第1周方向位置と前記第2周方向位置とが、周方向に180°異なるように、複数個の前記ワークの相対位置を固定することを特徴とするホーニング加工方法。
  3. 請求項1又は2記載のホーニング加工方法において、
    隣接して配置される少なくとも2つの前記砥石の、周方向に最も離間した側面同士の距離は、前記非連続部を介した前記両端部間の距離よりも小さいことを特徴とするホーニング加工方法。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載のホーニング加工方法において、
    前記ワークは、周方向の両端部間に開口が設けられた断面略C字形状のインナーカムであることを特徴とするホーニング加工方法。
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