最初に、以下に説明する実施例の特徴を列記する。なお、ここに列記する特徴は、何れも独立して有効なものである。
(特徴1) 液量検出装置は、複数個の貯留部に貯留される合計の液量が下限値である場合に、下限電圧値を出力し、複数個の貯留部に貯留される合計の液量が上限値である場合に、上限電圧値を出力してもよい。第1の出力電圧値の上限値は、下限電圧値と、上限電圧値と、所定の液量比と、に応じた値であってもよい。所定の液量比は、第1の貯留部に貯留可能な液量と、複数個の貯留部に貯留可能な合計の液量と、の比であってもよい。この構成によると、第1の検出器は、適切な第1の出力電圧値を出力することができる。
(特徴2) 第1の貯留部と第2の貯留部とは、同じ容器内に設けられていてもよい。容器は、水平面に沿った広がりを有する第1の板状部であって、第1の貯留部の底面を画定する第1の板状部と、水平面に沿った広がりを有する第2の板状部であって、第2の貯留部の底面を画定する第2の板状部と、第1の板状部から上方に延びる第1の側壁部であって、第1の貯留部の側面を画定する第1の側壁部と、第2の板状部から上方に延びる第2の側壁部であって、第2の貯留部の側面を画定する第2の側壁部と、水平面に沿った広がりを有する第3の板状部であって、第1の側壁部の上端と第2の側壁部の上端とに連続している第3の板状部と、を備えていてもよい。この構成によると、液量検出装置は、第1及び第2の貯留部が設けられている容器がいわゆる鞍型タンクである場合に、適切に液量を検出することができる。
(特徴3) 第1の貯留部に貯留可能な液量と、第2の貯留部に貯留可能な液量と、は等しくてもよい。第1の側壁部の高さと、第2の側壁部の高さと、は等しくてもよい。
(特徴4) 第2の検出器は、さらに、第1の貯留部と第2の貯留部とに貯留される合計の液量に比例する第2の出力電圧値が出力されるように、積算電圧値を補正する補正回路を備えていてもよい。この構成によると、液量検出装置は、第1及び第2の貯留部に貯留される合計の液量に比例する第2の出力電圧値を適切に出力することができる。また、液面検出装置の外部機器は、積算電圧値を補正する必要がなくなる。
(第1実施例)
図1に示すように、燃料量検出装置10は、自動車に搭載される鞍型の燃料タンク12に設置されている。図1,2に示すように、燃料量検出装置10は、第1燃料量検出器36と、第2燃料量検出器22と、第1,2燃料量検出器36,22を接続するための接続線47と、を備えている。
まず、燃料タンク12について説明する。燃料タンク12は、第1板状部12aと、第2板状部12bと、第1側壁部12cと、第2側壁部12dと、第3板状部12eと、第3側壁部12fと、第4側壁部12gと、第4板状部12hと、を備える。自動車が水平面上に位置する状態で、第1,2板状部12a,12bは、水平面に沿った広がりを有する。なお、各板状部12a,12bでは、少なくとも一部が湾曲あるいは屈曲していてもよい。第1板状部12aと第2板状部12bとは、間隔を開けて配置されており、同一の高さに位置している。
第1板状部12aの第2板状部12b側の側縁には、第1側壁部12cが配置されている。第1側壁部12cは、平板形状を有しており、第1板状部12aから上方に延びている。第2板状部12bの第1板状部12a側の側縁には、第2側壁部12dが配置されている。第2側壁部12dは、平板形状を有しており、第2板状部12bから上方に延びている。なお、各側壁部12c、12dでは、少なくとも一部が湾曲あるいは屈曲していてもよい。
第1側壁部12cの上端と第2側壁部12dの上端とは、第3板状部12eによって連結されている。第3板状部12eは、水平面に沿った広がりを有する。なお、第3板状部12eでは、少なくとも一部が湾曲あるいは屈曲していてもよい。第1板状部12aと、第2板状部12bと、第1側壁部12cと、第2側壁部12dと、第3板状部12eと、によって、燃料タンク12の底壁が構成されている。以下では、第1板状部12aと、第2板状部12bと、第1側壁部12cと、第2側壁部12dと、第3板状部12eと、を有するタンクを鞍型タンクと呼ぶ。鞍型タンクでは、2個の貯留部14,16の間に空間(本実施例では、第1,2側壁部12c,12dと第3板状部12eとによって画定される空間)がある。当該空間は、プロペラシャフト等の部材を設置するために利用される。
第3側壁部12fは、第1板状部12aから上方に延びており、第4側壁部12gは、第2板状部12bから上方に延びている。第3側壁部12fの上端と、第4側壁部12gの上端とは、第4板状部12hによって連結されている。第4板状部12hは、自動車が水平面上に位置する状態で、水平面に沿った広がりを有する。燃料タンク12では、上述した各部12a〜12hによって、2個の貯留部14,16が構成されている。言い換えると、燃料タンク12内の空間は、第1貯留部14と、第2貯留部16と、によって二分割されている。
第1貯留部14は、第1板状部12a全体の上方、及び、第3板状部12eの第1板状部12a側に位置する半分の領域の上方に位置する。第2貯留部16は、第2板状部12b全体の上方、及び、第3板状部12eの第2板状部12b側に位置する半分の領域の上方に位置する。第1貯留部14と、第2貯留部16とは、第3板状部12eの上方で接触している。図1には、第1貯留部14と第2貯留部16との境界を示す仮想の境界面18が示されている。即ち、第1板状部12aは、第1貯留部14の底面を画定し、第2板状部12bは、第2貯留部16の底面を画定し、第1側壁部12cは、第1貯留部14の側面を画定し、第2側壁部12dは、第2貯留部16の側面を画定している。
第1貯留部14は、第1板状部12a、第1側壁部12c、第3板状部12eの一部、第3側壁部12f、第4板状部12hのうちの第1板状部12a及び上記の第3板状部12eの一部に対向する部分、及び、境界面18によって画定される空間である。第2貯留部16は、第2板状部12b、第2側壁部12d、第3板状部12eの残りの一部、第4側壁部12g、第4板状部12hのうちの第2板状部12b及び上記の第3板状部12eの残りの一部に対向する部分、及び、境界面18によって画定される空間である。本実施例では、第1貯留部14と、第2貯留部16とは、同一の容積を有する。このため、第1貯留部14に貯留に貯留可能な燃料量と、第2貯留部16に貯留可能な燃料量と、は等しい。
燃料タンク12の第1貯留部14には、図示しない燃料ポンプが配置されている。燃料ポンプは、燃料タンク12内(詳細には、第1貯留部14内)の燃料を吸引して昇圧し、昇圧した燃料を燃料タンク12の外部(すなわち、エンジン)に供給する。一方、燃料ポンプが第1貯留部14に配置されていることから、燃料タンク12内の燃料の液位が低下したときに、第2貯留部16内の燃料を第1貯留部14に移送する必要がある。第2貯留部16から第1貯留部14への燃料の移送は、走行時の加減速や旋回時の遠心力により行われ、あるいは、燃料ポンプから吐出される燃料の一部を利用するジェットポンプ(図示しない)によって行われるようになっている。
第1燃料量検出器36は、第1貯留部14内に設置されている。第1燃料量検出器36は、フロート32と、フロート32に固定されたアーム部材34と、アーム部材34の基端に固定されたロータ45と、ロータ45の回転角を検出する磁気センサユニット41と、電源と接続するためのVDD端子45aと、グランドに接続するための基準端子45bと、電圧を出力するための出力端子45cと、を備えている。フロート32は、第1貯留部14内の燃料に浮かんでおり、燃料の液位に応じて上下方向に運動する。フロート32には、アーム部材34の先端が固定されている。アーム部材34の基端には、ロータ45が固定されている。ロータ45は、永久磁石等によって構成され、所定の磁界を発生するようになっている。ロータ45は、ケーシング43に回転可能に支持されている。磁気センサユニット41は、ケーシング43に設置されている。磁気センサユニット41は、ロータ45が発生する磁界を検出する。このため、第1貯留部14内の燃料の液位に応じてフロート32が上下運動すると、それによってアーム部材34が揺動して、ロータ45がケーシング43に対して揺動回転する。ロータ45が回転すると、ロータ45によって発生する磁界の向きが変化する。すると、磁気センサユニット41内の磁気センサ141(図2参照)で検出されるロータ45の磁界の向きや強さが変化する。磁気センサ141は、検出されるロータ45の磁界の向きや強さに基づいて、第1貯留部14内に貯留される燃料量に応じたアナログ信号を出力する。磁気センサユニット41の詳細については、後で詳述する。
第2燃料量検出器22は、第1燃料量検出器36と同一構成をしており、フロート24と、アーム部材26と、ロータ55と、磁気センサユニット31と、VDD端子35aと、基準端子35bと、出力端子35cと、を備えている。第2貯留部16内の燃料の液位に応じてフロート24が上下方向に運動すると、アーム部材26が揺動し、ロータ55がケーシング33に対して回転する。磁気センサユニット31の磁気センサ131(図2参照)は、ロータ55の回転運動(詳細には、ロータ55の磁界)を検出し、その検出結果に基づいて、第2貯留部16内に貯留される燃料量に応じたアナログ信号を出力する。
次に、第1,2燃料量検出器36,22及び燃料メータ52を接続する配線について説明する。第1燃料量検出器36と燃料メータ52とは、電源ライン42,42a及びグランドライン46によって接続されている。なお、電源ライン42は、燃料タンク12内で、電源ライン42a,42bに分岐している。電源ライン42aは、VDD端子45aに接続されている。これにより、第1燃料量検出器36は、電源ライン42,42aから供給される電源によって動作する。グランドライン46は、基準端子45bに接続されている。これにより、第1燃料量検出器36は、グランドライン46を介して、接地されている。
第1燃料量検出器36の出力端子45cは、接続線47を介して、第2燃料量検出器22の基準端子35bに接続されている。この結果、第1燃料量検出器36が出力したアナログ信号は、接続線47を介して、第2燃料量検出器22に入力される。また、第2燃料量検出器22と燃料メータ52とは、電源ライン42,42b及び出力ライン44によって接続されている。電源ライン42bは、VDD端子35aに接続されている。これにより、第2燃料量検出器22は、電源ライン42,42bから供給される電源によって動作する。なお、上述した配線のうち、電源ライン42、グランドライン46、出力ライン44は、燃料タンク12の開口を塞ぐ蓋部材40を貫通し、燃料タンク12内から燃料タンク12外に伸びている。
燃料メータ52は、CPU48と表示器50とを有している。CPU48には、出力電圧値が入力される。CPU48は、出力ライン44から入力される出力電圧値から燃料タンク12内に貯留される燃料量を特定し、その特定した燃料量を表示器50に表示する。CPU48及び表示器50は、従来公知の燃料メータにおけるそれぞれと同様に構成することができる。
次に、図2を参照して、磁気センサユニット41,31について詳細に説明する。磁気センサユニット41は、磁気センサ141を備える。磁気センサ141は、アーム部材34の回転角を検出する磁気式のセンサであって、例えば、ホール素子を利用した公知のセンサを用いることができる。磁気センサユニット41は、ロータ45の回転角に応じたアナログ信号を生成する。ロータ45の回転角は、アーム部材34の回転角である。このため、ロータ45の回転角は、第1貯留部14内に貯留される燃料の液位によって変化する。磁気センサ141は、「磁気センサ141のアナログ信号の電圧値−第1貯留部14に貯留される燃料の液位」の関係を規定するテーブルデータを用いて、液位に比例するアナログ信号を生成する。テーブルデータは予め作成され、磁気センサ141のメモリに記憶される。磁気センサユニット41は、出力端子45cを介して、アナログ信号を出力する。なお、第1燃料量検出器36は、基準端子45bを介して、接地されているため、アナログ信号は、グランド(即ち0V)を基準電圧とする。基準端子45bは、磁気センサ141に接続されている。
磁気センサユニット31は、磁気センサ131と、演算部(補正回路)25と、を備える。磁気センサ131は、磁気センサ141と同様に構成され、ロータ55の回転角(即ちアーム部材26の回転角)に応じたアナログ信号を生成する。即ち、磁気センサ131は、「磁気センサ131のアナログ信号の電圧値−第2貯留部16に貯留される燃料の液位」の関係を規定するテーブルデータを用いて、液位に比例するアナログ信号を生成する。テーブルデータは予め作成され、磁気センサユニット31のメモリに記憶される。磁気センサ131には、磁気センサユニット41から出力されるアナログ信号が基準端子35bを介して、入力される。このため、磁気センサユニット31は、磁気センサ131が生成する上記アナログ信号と、磁気センサ141から出力されるアナログ信号と、が積算されたアナログ信号を出力する。
磁気センサ131は、演算部25に接続されている。演算部25は、演算部25に入力されるアナログ信号を補正し、補正されたアナログ信号を燃料メータ52に出力するための回路である。演算部25には、磁気センサ131から出力されるアナログ信号が入力される。以下では、磁気センサ131から出力されるアナログ信号の電圧値、即ち、演算部25に入力されるアナログ信号の電圧値を、「積算電圧値」と呼ぶ。演算部25は、積算電圧値を有するアナログ信号が入力されると、アナログ信号を補正し、補正されたアナログ信号を、出力端子35c及び出力ライン44を介して、燃料メータ52に出力する。以下では、演算部25から出力されるアナログ信号の値を、「出力電圧値」と呼ぶ。
演算部25は、入力されたアナログ信号(即ち磁気センサ131から出力されるアナログ信号)の電圧値が、出力電圧値(図4の右端のグラフの実線で図示)となるようにアナログ信号を補正するための回路を有する。演算部25は、出力電圧値と燃料タンク12内の燃料量とが比例するように、演算部25に入力されたアナログ信号を補正する。詳細には、演算部25は、図4の右端グラフに示すように、出力電圧値が、原点を通り、燃料量が第1,2貯留部14,16に貯留可能な燃料量の上限値である場合に、アナログ信号の電圧値が5.0Vとなる直線上に配置されるように、アナログ信号を調整する。これにより、演算部25から燃料メータ52に出力されるアナログ信号の出力電圧値を、燃料タンク12内の燃料量に比例させることができる。
図3,4を参照して、磁気センサユニット31,41の動作の具体例について説明する。最初に、燃料量検出装置10及び磁気センサユニット31,41から出力されるアナログ信号の電圧値がどのように設定されているのかを説明する。燃料量検出装置10では、第1,2貯留部14,16に貯留される合計の燃料量が下限値である(即ち、燃料が全く貯留されていない)場合に、下限電圧値である0Vが出力され、第1,2貯留部14,16に貯留される合計の燃料量が上限値である場合に、上限電圧値である5.0Vが出力されるように設定されている。
磁気センサ141から出力されるアナログ信号の電圧値(以下では単に「電圧値」と呼ぶ)の上限値は、下限電圧値(即ち0V)と、上限電圧値(即ち5.0V)と、第1燃料量比と、に応じた値となる。第1燃料量比とは、第1,2貯留部14,16に貯留可能な合計の燃料量に対する第1貯留部14に貯留可能な燃料量の割合である。具体的には、磁気センサ141の電圧値の上限値は、上限電圧値と下限電圧値との差(即ち5.0V)に、第1燃料量比を乗じた値となる。本実施例では、第1貯留部14に貯留可能な燃料量と、第2貯留部16に貯留可能な燃料量と、の比は、1:1である。従って、磁気センサ141の電圧値の上限値は、2.5Vとなるように設定されている。なお、磁気センサ131の電圧値の上限値は、下限電圧値(即ち0V)と、上限電圧値(即ち5.0V)と、第2燃料量比と、に応じた値となる。ここで、磁気センサ131の電圧値は、上述したように、実際には積算電圧値であるが、以下の記載では、基準端子35bを介して磁気センサ131に入力される信号の電圧値(即ち基準電圧)が0Vであると仮定した場合に、磁気センサ131から出力される信号の電圧値(即ち積算電圧値から磁気センサ141の電圧値を減算した値)とする。第2燃料量比は、第1,2貯留部14,16に貯留可能な合計の燃料量に対する第2貯留部16に貯留可能な燃料量の割合(即ち1/2)である。具体的には、磁気センサ131の電圧値の上限値は、上限電圧値及び下限電圧値の差に、第2燃料量比を乗じた値となる。従って、磁気センサ131の電圧値の上限値は、2.5Vである。
図3は、燃料が燃料タンク12に貯留される様子を模式的に示す。具体的には、燃料は、状態A1、即ち、燃料タンク12に燃料が貯留されていない状態から、第1貯留部14に燃料が供給され、状態A2、即ち、第1貯留部14に貯留された状態に移行する。次いで、第1貯留部14内の燃料の液位が第1側壁部12cの上端に達すると、燃料は、第2貯留部16に供給される。そして、状態A2から状態A3、即ち、第2貯留部16に貯留された状態に移行する。次いで、第2貯留部16内の燃料の液位が第2側壁部12dの上端に達すると、第1貯留部14と第2貯留部16とに同時的に燃料が貯留される。その結果、状態A3から状態A4、即ち、第1,2貯留部14,16に燃料が充満された状態に移行する。図4には、図3の燃料タンク12の各状態A1〜A4に対応して、磁気センサ141,131が出力するアナログ信号の電圧値と、出力電圧値と、が変化する様子を示す。なお、出力電圧値を示す右端のグラフでは、実線は出力電圧値を表し、一点鎖線は積算電圧値を表す。なお、燃料タンク12に貯留される燃料が消費されることによって、燃料量が減少する場合、燃料タンク12の各状態は、状態A4,A3,A2,A1の順に変化する。なお、変形例では、第1貯留部14内の燃料と第2貯留部16内の燃料とは、同時的に減少してもよい。
次に、燃料タンク12内の液位に応じた磁気センサ141の電圧値と、磁気センサ131の電圧値と、出力電圧値と、について説明する。図3の状態A1では、燃料は、燃料タンク12に貯留されていない。この場合、磁気センサ141の電圧値と、磁気センサ131の電圧値と、出力電圧値と、はいずれも0Vである(図4の状態A1)。
燃料が第1貯留部14に貯留されると、第1貯留部14に貯留される燃料の液位に従って、フロート32が上昇する(図3の状態A1から状態A2)。これにより、磁気センサ141の電圧値が上昇する(図4の左端グラフの状態A1から状態A2)。磁気センサ141の電圧値は、燃料タンク12に貯留される燃料量に比例して増加する。図4の左端グラフにおいて、状態A1から状態A2に変化する際の磁気センサ141の電圧値のグラフの傾きをαとする。磁気センサ141の電圧値は、燃料の液位が第1側壁部12cの上端に達するまで増加する(図3,4の状態A1から状態A2)。一方において、燃料は第2貯留部16に貯留されないため、磁気センサ131の電圧値は、0Vのままである(図4の真ん中グラフの状態A1から状態A2)。従って、演算部25には、磁気センサ141の電圧値と等しい積算電圧値のアナログ信号が入力される。演算部25は、入力されたアナログ信号の積算電圧値が出力電圧値となるように、入力されたアナログ信号を補正する。なお、出力電圧値は、積算電圧値よりも小さい。これにより、第1,2貯留部14,16に貯留される合計の燃料量に比例する出力電圧値が出力される(図4の右端グラフの状態A1〜A2参照)。
次いで、燃料は、第2貯留部16に貯留される(図3の状態A2から状態A3)。この場合、第1貯留部14に貯留される燃料の液位が変化しないため、フロート32の位置は変動しない。従って、磁気センサ141の電圧値は変化しない(図4の左端グラフの状態A2から状態A3)。一方において、第2貯留部16に貯留される燃料の液位が上昇するのに従ってフロート24は上昇する。この結果、磁気センサ131の電圧値は燃料量に比例して増加する(図4の真ん中グラフの状態A2から状態A3)。この場合、磁気センサ131の電圧値のグラフの傾きはαとなる。磁気センサ131の電圧値は、燃料の液位が第2側壁部12dの上端に達するまで増加する。積算電圧値は、磁気センサ131の電圧値の増加分だけ増加する。この結果、積算電圧値は、状態A1から状態A2と、状態A2から状態A3と、の両者において、燃料タンク12内に貯留される燃料量に比例する。演算部25には、積算電圧値のアナログ信号が入力される。演算部25は、入力されたアナログ信号の積算電圧値が出力電圧値となるように、入力されたアナログ信号を補正する。なお、出力電圧値は、積算電圧値よりも小さい。
次いで、燃料は、第1,2貯留部14,16に同時的に貯留される(図3の状態A3から状態A4)。この場合、第1貯留部14に貯留される燃料の液位が上昇するため、フロート32は、液位に従って上昇する。従って、磁気センサ141の電圧値は燃料量に比例して増加する(図4の左端グラフの状態A3から状態A4)。磁気センサ141の電圧値のグラフの傾きをβとする。状態A3から状態A4の間では、燃料は、第1,2貯留部14,16に同時的に貯留されるため、傾きβは、燃料が第1貯留部14のみに貯留される状態A1からA2の間における磁気センサ141の電圧値のグラフの傾きαとは異なる。即ち、燃料量の変化に対する磁気センサ141の電圧値の変化量が、状態A3から状態A4の間と状態A1から状態A2の間とで異なる。なお、第1,2貯留部14,16に貯留される合計の燃料量が上限値となる場合、磁気センサ141の電圧値は、上限値である2.5Vとなる。
図3の状態A3から状態A4へ移行する間、磁気センサ131の電圧値は、磁気センサ141の電圧値と同様に増加する。即ち、磁気センサ131の電圧値のグラフの傾きはβである。第1,2貯留部14,16に貯留される合計の燃料量が上限値となる場合、磁気センサ131の電圧値は、上限値である2.5Vとなる。
傾きαと傾きβとの相違について、具体的に説明する。第1,2板状部12a,12bの面積を共にSとし、第3板状部12eの面積をTとする。状態A1から状態A2において燃料タンク12内で燃料が貯留される部分の横断面積UA2は、第1板状部12aの面積Sに等しい。一方において、状態A3から状態A4において燃料タンク12内で燃料が貯留される部分の横断面積UA4は、第1板状部12aの面積Sと、第2板状部12bの面積Sと、第3板状部の面積Tと、の和(2S+T)に等しい。即ち、横断面積UA4は、横断面積UA2の2倍より大きい。従って、状態A1から状態A2、状態A3から状態A4において同量の燃料が新たに貯留された場合、状態A3から状態A4において上昇する液位の変化量は、状態A1から状態A2において上昇する液位の変化量の2分の1未満となる。即ち、傾きβは、α/2未満となる。
図4の状態A3から状態A4での積算電圧値のグラフの傾きは、2β(即ち、α未満)となる。即ち、状態A4での積算電圧値のグラフの傾き2βは、状態A1から状態A2、状態A2から状態A3での積算電圧値のグラフの傾きαとは異なる。従って、積算電圧値は、第1,2貯留部14,16に貯留される合計の燃料量に完全には比例しない。なお、第1,2貯留部14,16に貯留される合計の燃料量が上限値となる場合、積算電圧値は、上限値である5.0Vとなる。一方、演算部25は、演算部25に入力されるアナログ信号を、第1,2貯留部14,16に貯留される合計の燃料量に比例する出力電圧値のアナログ信号に補正する。
燃料タンク12から自動車のエンジン(図示省略)に燃料が供給される状況では、燃料タンク12の各状態は、状態A4,A3,A2,A1の順に変化する。このため、磁気センサ131の電圧値は、図4の左端グラフに示すように、第1貯留部14内の燃料の減少に従って変化する。同様に、磁気センサ141の電圧値は、図4の真ん中グラフに示すように、第2貯留部16内の燃料の減少に従って変化する。従って、出力電圧値は、図4の右端グラフに示すように、燃料タンク12内の燃料量に比例して小さくなる。
(本実施例の効果)
本実施例では、磁気センサユニット31には、接続線47及び基準端子35bを介して、磁気センサユニット41から、磁気センサ141が出力するアナログ信号が入力される。磁気センサユニット31は、磁気センサ141の電圧値と、磁気センサ131の電圧値と、が積算された積算電圧値に対応する出力電圧値を出力する。このような構成によると、第2燃料量検出器22は、磁気センサ141の電圧値を基準電圧値として、第1及び第2の貯留部14,16内の合計の液量に応じた出力電圧値を出力することができる。このように、上記の構成によると、第1燃料量検出器36からアナログ信号を出力するための接続線47が、基準電圧値を第2燃料量検出器22に入力するための接続線47を兼ねている。この結果、接続線の総数の増加を抑制することができる。
また、本実施例では、燃料タンク12の内部から外部へ貫通して伸びる接続線は3本(即ち、電源ライン42、出力ライン44、グランドライン46)である。一方において、第1,2燃料量検出器36,22から、それぞれ第1,2貯留部14,16内の液量を示す出力電圧値を取得する構成では、本実施例に比べて、燃料タンク12の内部から外部へ貫通して伸びる出力ラインが1本増加する。即ち、本実施例によると、燃料タンク12の内部から外部へ貫通して伸びる接続線の増加を抑制することができる。その結果、燃料タンク12のシール箇所が少なくなり、燃料タンク12のシール性を高めることができる。
上述したように、積算電圧値は、第1貯留部14と第2貯留部16とに貯留される合計の液量に完全には比例しない。そのため、正確な燃料量が表示器50に表示されるようにするために、積算電圧値は、演算部25によって、第1貯留部14と第2貯留部16とに貯留される合計の液量に比例する出力電圧値に補正される。磁気センサユニット31が演算部25を備えることにより、燃料量検出装置10の外部機器(即ち燃料メータ52)は、積算電圧値を補正する必要がなくなる。
(第2実施例)
図5,6を参照して、第2実施例について、第1実施例と異なる点を中心に説明する。本実施例では、燃料量検出装置10では、第1,2貯留部14,16に貯留される合計の燃料量が下限値である(即ち燃料が全く貯留されていない)場合に、下限電圧値である0Vが出力され、第1,2貯留部14,16に貯留される合計の燃料量が上限値である場合に、上限電圧値である3.75Vが出力されるように設定されている。第2側壁部12dは、第1側壁部12cよりも短くなっており、各貯留部14,16に貯留可能な燃料量の比は、2:1である。磁気センサ141の電圧値の上限値と、磁気センサ131の電圧値の上限値と、は、磁気センサ141の電圧値の上限値と磁気センサ131の電圧値の上限値との比が、各貯留部14,16に貯留可能な燃料量の比と等しくなるように、設定されている。具体的には、磁気センサ141の電圧値の上限値は、2.5Vであり、磁気センサ131の電圧値の上限値は、1.25Vである。
演算部25は、出力電圧値(図6の右端のグラフの実線で図示)が、原点を通り、燃料量が第1,2貯留部14,16に貯留可能な燃料量の上限値である場合に、アナログ信号の電圧値が3.75Vとなる直線上に配置されるように、アナログ信号を調整する。
図5には、燃料が燃料タンク12に貯留される様子を模式的に示す。図6には、図5の燃料タンク12の各状態B1〜B4に対応して、磁気センサ141,131が出力するアナログ信号の電圧値と、出力電圧値と、が変化する様子を示す。
次に、燃料タンク12内の液位に応じた磁気センサ141の電圧値と、磁気センサ131の電圧値と、出力電圧値と、について説明する。図5,6の状態B1,B2は、図3,4の状態A1,A2と同様である。
状態B2からさらに燃料が供給されると、燃料は、第2貯留部16に貯留される(図5の状態B3)。この場合、図4の状態A3と同様に、磁気センサ141の電圧値は変化せず(図6の左端グラフの状態B2から状態B3)、磁気センサ131の電圧値は燃料量に比例して増加する(図6の真ん中グラフの状態B2から状態B3)。この場合、磁気センサ131の電圧値のグラフの傾きはαとなる。磁気センサ131の電圧値は、燃料の液位が第2側壁部12dの上端に達するまで増加する。なお、第2側壁部12dは第1側壁部12cより短いため、状態B3では、第2貯留部16に貯留される燃料は、第1貯留部14に貯留される燃料よりも少ない。このため、状態B3において、磁気センサ131の電圧値は、磁気センサ141の電圧値よりも低い(図6の左端グラフ、真ん中グラフの状態B3)。積算電圧値は、磁気センサ141の電圧値の増加分だけ増加する。この結果、積算電圧値は、状態B1から状態B2と、状態B2から状態B3と、の両者において、燃料タンク12内に貯留される燃料量に比例する。第1実施例と同様に、演算部25は、入力されたアナログ信号の積算電圧値が出力電圧値(即ち図6の右端グラフにおいて実線で示される電圧値)となるように、入力されたアナログ信号を補正する。なお、出力電圧値は、積算電圧値よりも小さい。
次いで、燃料は、第1,2貯留部14,16に同時的に貯留される(図5の状態B3からB4)。この場合、第1貯留部14に貯留される燃料の液位が上昇するため、フロート32は、液位に従って上昇する。従って、磁気センサ141の電圧値は燃料量に比例して増加する(図6の左端グラフの状態B3から状態B4)。この場合、磁気センサ141の電圧値のグラフの傾きはβとなる。なお、第1,2貯留部14,16に貯留される合計の燃料量が上限値となる場合、磁気センサ141の電圧値は、上限値である2.5Vとなる。
図6の状態B3から状態B4へ移行する間、磁気センサ131の電圧値は、磁気センサ141の電圧値と同様に増加する。即ち、磁気センサ131の電圧値のグラフの傾きはβである。第1,2貯留部14,16に貯留される合計の燃料量が上限値となる場合、磁気センサ131の電圧値は、上限値である1.25Vとなる。
積算電圧値は、第1実施例と同様に、第1,2貯留部14,16に貯留される合計の燃料量に完全には比例しない。第1,2貯留部14,16に貯留される合計の燃料量が上限値となる場合、積算電圧値は、上限値である3.75Vとなる。
実施例1と同様に、演算部25は、演算部25に入力されるアナログ信号を、第1,2貯留部14,16に貯留される合計の燃料量に比例する出力電圧値のアナログ信号に補正する。
(本実施例の効果)
本実施例でも、第1実施例と同様の効果を得ることができる。さらに、本実施例によると、燃料量検出装置10は、第1,2貯留部14,16に貯留可能な燃料量が異なる場合であっても、燃料量を適切に検出することができる。
(第3実施例)
図7,8を参照して、第3実施例について、第1実施例と異なる点を中心に説明する。本実施例では、燃料量検出装置10は、第1,2燃料量検出器36,22に加えて、第3貯留部54に配置される第3燃料量検出器56を備える。本実施例では、第2燃料量検出器22は演算部25を備えておらず、第2燃料量検出器22の出力端子35cを介して、磁気センサ141の電圧値と、磁気センサ131の電圧値と、が積算された積算電圧値が出力される。当該積算電圧値は、第3燃料量検出器56の基準端子(図示しない)を介して、第3燃料量検出器56に入力される。さらに、第3燃料量検出器56の出力端子(図示しない)を介して、出力電圧値が出力される。当該出力電圧値は、第3燃料量検出器56の磁気センサ151の電圧値と、第2燃料量検出器22の出力端子35cを介して出力される積算電圧値と、が積算された積算電圧値に対応する。換言すると、出力電圧値は、磁気センサ141の電圧値と、磁気センサ131の電圧値と、磁気センサ151の電圧値と、が積算された積算電圧値に対応する。ここで、磁気センサ151の電圧値は、実際には積算電圧値であるが、以下の記載では、第3燃料量検出器56の基準端子を介して磁気センサ151に入力される信号の電圧値(即ち基準電圧)が0Vであると仮定した場合に、磁気センサ151から出力される信号の電圧値(即ち積算電圧値から磁気センサ141の電圧値及び磁気センサ131の電圧値を減算した値)とする。当該積算電圧値は、第3燃料量検出器56内の演算部(補正回路)(図示しない)によって、当該出力電圧値に補正されている。なお、本実施例の以下の記載において、「出力電圧値」は、第3燃料量検出器56の磁気センサユニット51が出力する電圧値を指し、「積算電圧値」は、当該出力電圧値に対応する電圧値を指す。また、本実施例では、燃料量検出装置10では、第1〜3貯留部14,16,54に貯留される合計の燃料量が下限値である(即ち、燃料が全く貯留されていない)場合に、下限電圧値である0Vが出力され、第1〜3貯留部14,16,54に貯留される合計の燃料量が上限値である場合に、上限電圧値である3.9Vが出力される。各貯留部14,16,54に貯留可能な燃料量の比は1:1:1である。従って、磁気センサ141の電圧値、磁気センサ131の電圧値、磁気センサ151の電圧値の上限値は、それぞれ1.3Vに設定される。
演算部は、出力電圧値(図8の右端のグラフの実線で図示)が、原点を通り、燃料量が第1〜3貯留部14,16,54に貯留可能な燃料量の上限値である場合に、アナログ信号の電圧値が3.9Vとなる直線上に配置されるように、アナログ信号を調整する。
図7には、燃料が、燃料タンク12に貯留される様子を模式的に示す。具体的には、燃料は、状態C1、即ち、燃料タンク12に燃料が貯留されていない状態から、状態C2、即ち、第1貯留部14に貯留された状態に移行する。次いで、第1貯留部14内の燃料の液位が第1側壁部12cの上端に達すると、燃料は、第2貯留部16に供給される。そして、状態C2から状態C3、即ち、第2貯留部16に貯留された状態に移行する。次いで、第2貯留部16内の燃料の液位が第2側壁部12dの上端に達すると、燃料は、第3貯留部54に供給される。そして、状態C3から状態C4、即ち、第3貯留部54に貯留された状態に移行する。次いで、第3貯留部54内の燃料の液位が、第3貯留部54の側面を画定している第5側壁部12iの上端に達すると、状態C5、即ち、第1〜3貯留部14,16,54に同時的に貯留される。その結果、状態C5、即ち、第1〜3貯留部14,16,54に燃料が充満された状態に移行する。図8には、図7の燃料タンク12の各状態C1〜C5に対応して、磁気センサ141,131,151が出力するアナログ信号の電圧値と、出力電圧値と、が変化する様子を示す。なお、出力電圧値を示す右端のグラフでは、実線は出力電圧値を表し、一点鎖線は積算電圧値を表す。なお、燃料タンク12に貯留される燃料が消費されることによって、燃料量が減少する場合、燃料タンク12の各状態は、状態C5,C4,C3,C2,C1の順に変化する。なお、変形例では、第1〜3貯留部14,16,54内の燃料は、同時的に減少してもよい。
次に、燃料タンク12内の液位に応じた磁気センサ141の電圧値と、磁気センサ131の電圧値と、磁気センサ151の電圧値と、出力電圧値と、について説明する。図7の状態C1では、燃料は、燃料タンク12に貯留されていない。この場合、磁気センサ141の電圧値と、磁気センサ131の電圧値と、磁気センサ151の電圧値と、出力電圧値と、はいずれも0Vである(図8の状態C1)。
燃料が第1貯留部14に貯留されると、磁気センサ141の電圧値は、燃料タンク12内に貯留される燃料量に比例して増加する(図8の左端グラフの状態C2)。この場合、磁気センサ141の電圧値のグラフの傾きをγとする。磁気センサ141の電圧値は、燃料の液位が第1側壁部12cの上端に達するまで増加する(図7,8の状態C2)。一方において、磁気センサ131の電圧値と、磁気センサ151の電圧値は、0Vのままである。従って、第3燃料量検出器56内の演算部には、磁気センサ141の電圧値と等しい積算電圧値のアナログ信号が入力される。演算部は、入力されたアナログ信号の積算電圧値が出力電圧値となるように、入力されたアナログ信号を補正する。なお、出力電圧値は、積算電圧値よりも小さい。これにより、第1〜3貯留部14,16,54に貯留される合計の燃料量に比例する出力電圧値が出力される(図8の右端グラフの状態C1〜C5参照)。
次いで、燃料は、第2貯留部16に貯留される(図7の状態C2から状態C3)。この場合、磁気センサ141の電圧値と、磁気センサ151の電圧値と、は変化しない(図8左端グラフ、中央右グラフの状態C3)。一方において、磁気センサ131の電圧値は燃料量に比例して増加する(図8中央左グラフの状態C3)。この場合、磁気センサ131の電圧値のグラフの傾きはγとなる。磁気センサ131の電圧値は、燃料の液位が第2側壁部12dの上端に達するまで増加する。積算電圧値は、磁気センサ131の電圧値の増加分だけ増加する。この結果、積算電圧値は、状態C1からC2と、状態C2からC3と、の両者において、燃料タンク12内に貯留される燃料量に比例する。第3燃料量検出器56内の演算部は、入力されたアナログ信号の積算電圧値が出力電圧値となるように、入力されたアナログ信号を補正する。なお、出力電圧値は、積算電圧値よりも小さい。
次いで、燃料は、第3貯留部54に貯留される(図7の状態C3から状態C4)。この場合、磁気センサ141の電圧値と、磁気センサ131の電圧値と、は変化しない(図8左端グラフ、中央左グラフの状態C4)。一方において、磁気センサ151の電圧値は燃料量に比例して増加する(図8中央右グラフの状態C4)。この場合、磁気センサ151の電圧値のグラフの傾きはγとなる。磁気センサ151の電圧値は、燃料の液位が、第5側壁部12iの上端に達するまで増加する。積算電圧値は、磁気センサ141の電圧値の増加分だけ増加する。この結果、積算電圧値は、状態C2から状態C3と、状態C3から状態C4と、の両者において(即ち状態C1から状態C4の全てにおいて)、燃料タンク12内に貯留される燃料量に比例する。第3燃料量検出器56内の演算部は、入力されたアナログ信号の積算電圧値が出力電圧値となるように、入力されたアナログ信号を補正する。なお、出力電圧値は、積算電圧値よりも小さい。
次いで、燃料は、第1〜3貯留部14,16,54に同時的に貯留される(図7の状態C4から状態C5)。この場合、第1貯留部14に貯留される燃料の液位が上昇するため、フロート32は、液位と共に上昇する。従って、磁気センサ141の電圧値は燃料量に比例して増加する(図8の状態C4から状態C5)。磁気センサ141の電圧値のグラフの傾きをΔとする。状態C5では、燃料は、第1〜3貯留部14,16,54に同時的に貯留されるため、傾きΔは、燃料が第1貯留部14のみに貯留される状態C1から状態C2の間における磁気センサ141の電圧値のグラフの傾きγとは異なる。傾きΔは、図5の状態A4の場合と同様に考えると、γ/3未満となることが分かる。
第1〜3貯留部14,16,54に貯留される合計の燃料量が上限値となる場合、磁気センサ141の電圧値は、上限値である1.3Vとなる。
図8の状態C4から状態C5に移行する間、磁気センサ131の電圧値と、磁気センサ151の電圧値とは、磁気センサ141の電圧値と同様に増加する。即ち、磁気センサ131の電圧値と、磁気センサ151の電圧値とのグラフの傾きはΔである。第1〜3貯留部14,16,54に貯留される合計の燃料量が上限値となる場合、磁気センサ131の電圧値と、磁気センサ151の電圧値とは、それぞれ上限値である1.3Vとなる。
図8の状態C4から状態C5での積算電圧値のグラフの傾きは、3Δ(即ち、γ未満)となる。即ち、状態C5での積算電圧値のグラフの傾き3Δは、状態C1から状態C2、状態C2から状態C3、状態C3から状態C4での積算電圧値のグラフの傾きγとは異なる。従って、積算電圧値は、第1〜3貯留部14,16,54に貯留される合計の燃料量に完全には比例しない。なお、第1〜3貯留部14,16,54に貯留される合計の燃料量が上限値となる場合、積算電圧値は、上限値である3.9Vとなる。
一方、演算部は、演算部に入力されるアナログ信号を、第1〜3貯留部14,16,54に貯留される合計の燃料量に比例する出力電圧値(即ち図8の右端グラフにおいて実線で表される電圧値)のアナログ信号に補正する。
(本実施例の効果)
本実施例でも、第1実施例と同様の効果を得ることができる。本実施例では、さらに、貯留部が3個(即ち、第1〜3貯留部14,16,54)である場合に、燃料量を適切に検出することができる。
(第4実施例)
図9を参照して、第4実施例について、第1実施例と異なる点を中心に説明する。本実施例では、磁気センサ141は、演算部(補正回路)27に接続されている。演算部27は、入力されるアナログ信号を補正し、補正されたアナログ信号を出力端子45cを介して出力するための回路である。演算部27には、磁気センサ141から出力されるアナログ信号が入力される。演算部27は、当該アナログ信号が入力されると、アナログ信号を補正し、補正されたアナログ信号を、出力端子45c及び基準端子35bを介して、磁気センサユニット31に出力する。
このため、磁気センサ131には、磁気センサユニット41から出力され、演算部27によって補正されたアナログ信号が基準端子35bを介して、入力される。この結果、磁気センサ131の電圧値の液位に対する変化は、第1実施例と異なる。一方、本実施例では、磁気センサ141の電圧値の液位に対する変化は第1実施例と同様である。演算部25は、磁気センサ141から出力されるアナログ信号を補正して、第1実施例と同様の出力電圧値を有するアナログ信号を、燃料メータ52に出力する。この構成によれば、燃料量検出装置10は、第1貯留部14と第2貯留部16とに貯留される合計の液量に比例する出力電圧値を出力することができる。
(本実施例の効果)
本実施例でも、第1実施例と同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。
上記の各実施例では、2(又は3)個の燃料量検出器36,22(56)が、2(または3)個の貯留部14,16(54)のそれぞれに配置されているが、変形例では、4個以上の燃料量検出器が4個以上の貯留部のそれぞれに配置されていてもよい。即ち、「複数個の貯留部」は、2個以上の貯留部であればよい。
上記の第1,2実施例では、下限電圧値は0Vであるが、例えば、1.0Vであってもよい。この場合、各燃料量検出器36,22の電圧値の下限値は、それぞれ0.5Vとなる。このように0V以外の下限電圧値を設定することによって、各燃料量検出器36,22の故障を判定することができる。第3実施例でも同様に下限電圧値を、例えば1.5Vとすることができる。即ち、「下限電圧値」は、0V以外の値であってもよい。
上記の各実施例では、第1,2貯留部14,16は、同じ燃料タンク12内に設けられているが、変形例では、別個の燃料タンク内に設けられていてもよい。即ち、「第1の貯留部」と「第2の貯留部」とは、別個の容器内に設けられていてもよい。
燃料タンク12は、鞍型タンクでなくてもよく、例えば、直方体、円柱等のタンクであってもよい。即ち、「容器」は、「第1の側壁部」と、「第2の側壁部」と、「第3の板状部」と、を備えていなくてもよい。
上記の各実施例では、燃料タンク12の断面の形状及び面積は、一定であるが、変形例では、一定でなくてもよい。本変形例においても、各貯留部に貯留される燃料の液位が分かれば、燃料タンクに貯留される燃料量が特定されるため、例えば、燃料量検出装置10は、積算電圧値を演算部によって適切に補正することにより、燃料タンク12に貯留される燃料量を正確に検出することができる。
上記の第1,2実施例では、演算部25は、積算信号値を、出力信号値に補正する。しかしながら、上記の第1,2実施例の磁気センサユニット31は、演算部25を備えていなくてもよい。即ち、磁気センサユニット31は、積算信号値を補正せずに、燃料メータ52に出力してもよい。また、第3実施例でも同様に、磁気センサユニット51は、演算部を備えていなくてもよい。本変形例では、例えば、外部機器(例えば、燃料メータ52)が積算電圧値を補正するか、あるいは、外部機器が、積算電圧値と、燃料タンク12に貯留される燃料量と、の関係を予め記憶することによって、積算電圧値を燃料量に変換することができる。
上記の第1実施例では、出力電圧値のグラフは、原点を通り、燃料量が第1,2貯留部14,16に貯留可能な燃料量の上限値である場合に、アナログ信号の電圧値が5.0Vとなる直線上に配置される(図4の右端グラフ)。しかしながら、変形例では、出力電圧値のグラフは、原点を通り、燃料量が第1,2貯留部14,16に貯留可能な燃料量の上限値である場合に、アナログ信号の電圧値が5.0Vより大きい、又は、小さい値となる直線上に配置されていてもよい。即ち、出力電圧値は、第1,2貯留部14,16に貯留される合計の液量に比例していればよい。なお、第2,3実施例でも同様の変形例が可能である。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。