以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の物品保管設備100(移動体制御システム、物品保管システム)は、物品W(図3等参照)を収納する物品収納棚1と、物品収納棚1において物品Wを搬送する搬送台車3(移動体、物品搬送車)とを備えて構成されている。本実施形態において、物品Wは、単体のパレット及び荷物が積載されたパレットである。物品収納棚1に対しては、利用者によって運転操作されるフォークリフト20などの荷役運搬車両によって、物品Wの積み下ろしが行われる。具体的には、物品Wの入庫の際には、物品収納棚1の端部(ホームポジションHP;図6及び図8等も参照)にフォークリフト20によって物品Wが載置される。搬送台車3は、ホームポジションHPに載置された物品Wを積載して物品収納棚1上を走行し、物品収納棚1に奥詰めで収納する。物品Wの出庫の際には、物品収納棚1の最も手前側(ホームポジションHPの側)に収納されている物品Wを搬送台車3が積載してホームポジションHPまで走行し、物品収納棚1のホームポジションHPに物品Wを載置する。載置された物品Wは、フォークリフト20によって物品収納棚1から取り出される。
一般的にフォークリフト20の運転席から物品収納棚1に配置された搬送台車3までの距離は運転席にいる利用者の手が届くほど近い距離ではない。従って、利用者が搬送台車3に設けられた操作パネルなどを直接操作して、搬送台車3に入出庫等の搬送動作(移動動作)を行わせることは容易ではない。このため、利用者は、搬送台車3を遠隔操作することが可能なリモートコントローラ7(図7参照)を所持している。或いは、リモートコントローラ7は、フォークリフト20に設置されていてもよい。搬送台車3を遠隔操作するリモートコントローラ7は、物品収納棚1及び搬送台車3と共に、物品保管設備100を構成するということができる。
一般的に、物品保管設備100を構成する物品倉庫10には、複数の物品収納棚1が設けられている。つまり、物品収納棚1が鉛直方向Vにおいて複数段形成されると共に、水平方向(第2水平方向H2)において複数列形成されて、物品倉庫10が構成される。図1では、簡略化のため、物品収納棚1が鉛直方向Vにおいて2段、及び水平方向(第2水平方向H2)において2列形成されて、合計4つの物品収納棚1によって物品倉庫10が構成されている形態を例示している。当然ながら、鉛直方向V及び水平方向(第2水平方向H2)の何れか一方のみにおいて、物品収納棚1が複数形成されて物品倉庫10が構成されていてもよい。また、単一の物品収納棚1によって物品倉庫10が構成されることを妨げるものではない。
図1に示すように、物品倉庫10は、鉛直方向Vに立設された支柱11と、支柱11によって支持されて水平方向(第1水平方向H1)に延在するビーム材13(水平材)とを有している。支柱11は、第1水平方向H1に直交する第2水平方向H2において、物品W(ここではパレット)の幅よりも少し広い間隔で立設されており、一対の支柱11の間に物品収納棚1が形成される。支柱11は、一対の支柱11が互いに平行して並ぶように、第1水平方向H1にも立設されている。ビーム材13は、第1水平方向H1に並ぶ支柱11によって支持されている。ビーム材13は、一対の支柱11に対してそれぞれ対向するように取り付けられており、一対のビーム材13は、パレット受け(物品受け)として機能する。具体的には、第1水平方向H1に延在する一対のビーム材13の上面には物品支持面13hが形成され、物品支持面13hによって、第2水平方向H2における物品Wの両端が支持される。上述したように、ビーム材13は、第1水平方向H1に沿って延在しており、物品収納棚1には、第1水平方向H1に沿って、物品Wを複数個並べて収納可能である。尚、一対のビーム材13を鉛直方向Vに所定の間隔(高さ間隔)で支柱11に取り付けることによって鉛直方向Vにおいて複数段の物品収納棚1が形成される。
図1及び図2に示すように、搬送台車3は、ビーム材13の物品支持面13hよりも鉛直方向Vにおける下方で一対のビーム材13に支持される。具体的には、ビーム材13の物品支持面13hよりも下方には、一対のビーム材13がそれぞれ対向する方向に突出するように台車支持面13vが形成されている。本実施形態では、ビーム材13の断面形状は鉤型(Z型)であり、物品支持面13h及び台車支持面13vは、ほぼ平行しており、物品支持面13hと台車支持面13vとをつなぐように鉛直方向Vに沿って形成された側壁13gは、物品支持面13h及び台車支持面13vとほぼ直角である。搬送台車3は、この台車支持面13vによって支持される。図3及び図4に示すように、搬送台車3は、4つの走行輪3dと4つのガイド輪3gとを備えている。4つの走行輪3dが台車支持面13vに接触し、搬送台車3が台車支持面13vによって支持される。また、ガイド輪3gは、側壁13gに接触し、搬送台車3がビーム材13に沿って走行する際に搬送台車3を案内する。
走行輪3dの内の少なくとも2つは、搬送台車3に内蔵される走行モータ46(図5参照)に駆動連結されており、搬送台車3は、走行モータ46の動力によって一対のビーム材13が延在する第1水平方向H1に沿って走行する。搬送台車3には、走行モータ46を駆動するための電力を供給する電源として、バッテリ37が搭載されている。バッテリ37は、例えば、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池などの二次電池である。
図3及び図4に示すように、搬送台車3は、走行輪3d及びガイド輪3gを備えた台車本体部31と、物品Wを搭載する物品載置部33とを備えて構成されている。物品載置部33は、昇降可能であり、物品載置部33において物品Wと接触する面、即ち物品載置面は、物品支持面13hよりも上方である第1位置まで上昇し、物品支持面13hよりも下方である第2位置まで下降する。つまり、物品載置部33は、第1位置と第2位置との間で昇降可能である。
物品載置部33を物品支持面13hよりも上昇させて物品Wを支持すると、搬送台車3及び物品Wの全ての荷重は、走行輪3dを介して台車支持面13vに掛かる(一部はガイド輪3gを介して側壁13gにも掛かる。)。物品支持面13hには当該物品Wの荷重は掛からなくなり、搬送台車3は、物品載置部33を物品支持面13hよりも上昇させて物品Wを支持した状態で一対のビーム材13に沿って走行する。そして、搬送台車3は、所定の収納場所まで物品Wを搬送した後、物品載置部33を物品支持面13hよりも下降させる。物品Wの荷重は物品載置部33には掛からなくなっていき、物品Wの全ての荷重が物品支持面13hに移った時点で一対のビーム材13への載置が完了する。搬送台車3は、単独でビーム材13に沿って移動可能となる。
図5に示すように、搬送台車3には、物品載置部33を昇降させるために、モータやソレノイドなどのアクチュエータ(リフトアクチュエータ48)も備えられている。このリフトアクチュエータ48も、バッテリ37から電力を供給されて動作する。また、搬送台車3には、ホームポジションHPなどの規定位置(後述するオポジットポジションOP、収納部最後尾LP、収納部先頭FP等を含む)を検出するための位置センサ(センサ群44の1つ)や、搬送台車3の上方に物品Wが存在するか否かを検出する物品検出センサ(センサ群44の1つ)、走行距離を測定する距離センサ(センサ群44の1つ)等も備えられている。
搬送台車3は、通信制御部41と、主制御部43とを備えて構成されている。通信制御部41は、後述するように、主としてリモートコントローラ7との通信を制御する機能部である。通信制御部41は、マイクロコンピュータ等のプロセッサ、通信回路、メモリ等の周辺回路等を備えて構成されており、これらハードウェアと、プロセッサなどのハードウェア上で実行されるプログラムとの協働によってその機能が実現される。主制御部43も、マイクロコンピュータ等のプロセッサ、メモリ等の周辺回路等を備えて構成されている。主制御部43も、これらのハードウェアと、プロセッサなどのハードウェア上で実行されるプログラムとの協働によってその機能が実現される。主制御部43は、上述したような種々のセンサ(センサ群44)による検出結果を取得して、モータドライバ45やアクチュエータドライバ47を介して、走行モータ46やリフトアクチュエータ48を駆動制御する。また、主制御部43は、ブザー49などの鳴動装置を鳴動させることもできる。
次に、図6を参照して、物品Wを物品収納棚1に入庫する際の動作について説明する。図6において、物品収納棚1には既に1つの物品W(W1)が収納されている。搬送台車3は、基準位置(ホームポジションHP)で待機している(#1)。利用者は、物品収納棚1に入庫する物品W(W2)を、フォークリフト20を用いてビーム材13のホームポジションHPに載置する(#1〜#2)。利用者が、後述するリモートコントローラ7を操作して入庫の指示を与えると、搬送台車3はセンサにより物品WがホームポジションHPに載置されていることを確認した後、物品載置部33を上昇させて、物品W(W2)をビーム材13の物品支持面13hよりも高い位置まで持ち上げる(#3)。そして、搬送台車3は、既に収納済みの物品W(W1)の手前まで物品W(W1)を支持したまま走行する(#3〜#4)。
搬送台車3は、既に入庫済みの物品W(W1)と入庫中の物品W(W2)との間に所定の隙間(物品間距離)を設けて停止し、物品載置部33を下降させる(#4〜#5)。入庫対象の物品W(W2)は、ビーム材13の物品支持面13hに支持されて物品収納棚1に入庫される。物品載置部33に物品Wを載置していない搬送台車3(空荷の搬送台車3)は、ビーム材13を走行してホームポジションHPに戻る(#5〜#6)。尚、物品Wを出庫する際には、上記とは逆の手順(#6→#1)となり、利用者は、ホームポジションHPまで移送された物品Wをフォークリフト20により物品収納棚1から取り出す。
本実施形態では、搬送台車3は、リモートコントローラ7を用いて遠隔操作される。図7は、そのようなリモートコントローラ7の一例である。本実施形態では、リモートコントローラ7は、主要な機能を搬送台車3に対して直接指示することが可能な短縮キー(71〜75)と、搬送台車3が複数台存在する場合に制御対象の搬送台車3を指定する号機選択キー77と、機能を選択して搬送台車3に指示するための機能選択キー78と、リモートコントローラ7による操作内容等を表示するディスプレイ70とを備えている。本実施形態では、短縮キー(71〜75)として、入庫指示キー71と、出庫指示キー72と、停止指示キー73と、奥揃え指示キー74と、手前揃え指示キー75と、を備えている。
入庫指示キー71は、例えば図6の#2において使用されるキーであり、ホームポジションHPに載置されている物品Wを入庫させるための動作指令(入庫指令)が送信される。出庫指示キー72は、物品Wを出庫させるための動作指令(出庫指令)を送信するために用いられる。出庫指示キー72が押されると、出庫インジケータ72iが点灯する。停止指示キー73を押すと、動作中の搬送台車3を一時停止させることができ、再度押すと一時停止を解除して動作を再開させることができる。一時停止中には、一時停止インジケータ73iが点灯し、再開させると一時停止インジケータ73iが消灯する。尚、停止指示キー73を長押しする(所定の設定時間以上押し続ける)ことによって、搬送台車3が実行中の機能をキャンセルさせることができる。詳細は後述するが、奥揃え指示キー74及び手前揃え指示キー75は、物品収納棚1に収納された物品Wを並べ直すための動作指令(再配置指令(奥揃え指令、手前揃え指令))を送信するために用いられる。尚、これらの入庫指令、出庫指令、再配置指令は、総称して搬送指令(移動指令)と称することができる。尚、後述する特殊搬送指令と区別する場合には、基本搬送指令と称する。
リモートコントローラ7は、上述したような機能を含めて種々の機能(操作)を搬送台車3に対して指令して実行させることが可能である。本実施形態では、入庫操作、出庫操作、連続入庫操作、連続出庫操作、個数指定出庫操作、終端移動操作、在庫数確認操作、奥揃え操作、手前揃え操作、鳴動操作、状態確認操作を例示する。
入庫操作及び出庫操作は、図6を参照して上述したように、1つの物品Wを入庫させたり、出庫させたりするものである。連続入庫操作は、図8に示すように、入庫操作において、搬送台車3が1つの物品W(W2)を搬送している間に、次の物品W(W3)をホームポジションHPに載置し、ホームポジションHPに戻った搬送台車3によって連続して物品収納棚1へ収納させる操作である。連続入庫操作は、ホームポジションHPに戻った搬送台車3が物品W(ここでは“W3”)を検出しない期間が所定の設定時間を経過した場合(タイムアウトした場合)や、停止指示キー73を長押しして連続入庫操作を停止させた場合に終了する。連続入庫操作を指示する動作指令(連続入庫指令)は、機能選択キー78を利用して送信される。連続入庫指令は、特殊搬送指令(移動指令)である。
連続出庫操作は、連続入庫操作と逆の動作であるので詳細な説明は省略するが、出庫指示キー72を長押しすることによって連続出庫操作の動作指令(連続出庫指令)が送信される。連続出庫操作は、物品収納棚1に収納された物品Wを全てホームポジションHPまで移送した場合や、停止指示キー73を長押しして連続出庫操作を停止させた場合に終了する。個数指定出庫操作は、出庫する物品Wの個数を指定した連続出庫操作であり、個数を指定する以外は、連続出庫操作と同様の動作である。個数の指定は、出庫指示キー72を押した回数によって設定される。2回目の押し操作以降、出庫個数を含めて動作指令(個数指定出庫指令)が送信される。出庫回数のカウントダウン個数指定出庫操作も、指定個数の物品Wを全てホームポジションHPまで移送した場合や、停止指示キー73を長押しして個数指定出庫操作を停止させた場合に終了する。尚、連続出庫操作及び個数指定出庫操作が行われている際にも、出庫インジケータ72iが点灯する。連続出庫指令及び個数指定出庫指令は、出庫指令と同様に基本搬送指令である。
終端移動操作は、搬送台車3を物品収納棚1のホームポジションHPの反対側(奥側、終端側)へ移動させる操作である。図6や図8を参照した上記の説明では、フォークリフト20による物品Wの出し入れが、ホームポジションHPの側からのみ行われ、物品Wは、物品収納棚1に対して奥詰めで収納される形態を例示した。つまり、1列形式の物品収納棚1において、先入れ後出し方式で物品Wが入出庫される形態を例示した(片面使用棚)。しかし、物品収納棚1には、ホームポジションHPの側からのみではなく、オポジットポジションOPの側からも物品Wの出し入れが可能なものもある(両面使用棚)。このような場合は、オポジットポジションOPの側で物品Wの出し入れを行うフォークリフト20(或いは利用者)から見れば、オポジットポジションOPがホームポジションHPに相当する。従って、搬送台車3をオポジットポジションOPに移動させた後に、入庫操作、出庫操作、連続入庫操作、連続出庫操作、個数指定出庫操作などの指示を行う必要がある。終端移動操作は、このような場合に、搬送台車3をオポジットポジションOPに位置させるための操作である。終端移動操作を指示する動作指令(終端移動指令)は、機能選択キー78を利用して送信される。終端移動指令は、特殊搬送指令(移動指令)である。
在庫数確認操作は、物品収納棚1に沿って搬送台車3を移動させ、搬送台車3に搭載されたセンサを用いて物品Wを検出して、物品収納棚1に収納された物品Wの個数を検出する操作である。尚、搬送台車3は、物品Wを計数しても良いし、物品Wが載置された距離を計測し、物品Wの載置間隔で除して個数を算出してもよい。在庫数確認操作を指示する動作指令(在庫数確認指令)は、機能選択キー78を利用して送信される。在庫数確認指令は、特殊搬送指令(移動指令)である。
奥揃え操作及び手前揃え操作は、収納部最後尾LPや収納部先頭FPを基準として、物品Wを並べ直す操作である。尚、ここでの“奥”及び“手前”は、ホームポジションHPから見た位置を示している。以下、図9〜図11を参照して説明する。
図9は、ホームポジションHPの側からのみ、物品収納棚1への物品Wの出し入れを行う形態を例示している。ホームポジションHPの側では、物品収納棚1からフォークリフト20を用いて、搬送台車3を取り出す場合がある。例えば、搬送台車3のメンテナンスを行ったり、物品倉庫10が複数の物品収納棚1を有する場合に他の物品収納棚1で当該搬送台車3を利用したりするために、搬送台車3が取り出される場合がある。ホームポジションHPに物品Wが収納されていると、搬送台車3を物品収納棚1から下ろすことができなくなるため、ホームポジションHPを空けて物品Wが収納される。一方、オポジットポジションOPは、空けておく必要はないため、オポジットポジションOPまで詰めて物品Wが収納される。このため、図9のように、ホームポジションHPの側からのみ、物品収納棚1への物品Wの出し入れを行う形態では、オポジットポジションOPが、収納部最後尾LPとなり、ホームポジションHPから見て次ぎの収納位置が、収納部先頭FPとなる。
ここで、ホームポジションHP及びオポジットポジションOPの双方から物品収納棚1への物品Wの出し入れを行う形態へと使用形態を変更する場合、オポジットポジションOPでも、物品収納棚1から搬送台車3が取り出される場合がある。このため、オポジットポジションOPを空けて物品Wが収納される。片面使用棚から両面使用棚に使用形態を変更する場合や、両面使用棚において、ホームポジションHP及びオポジットポジションOPの何れの側に詰めて物品Wを収納するかを変更する場合には、物品Wを並べ直す必要がある。奥揃え操作及び手前揃え操作は、例えば、このようなケースにおいて物品Wを並べ直す際に実行される。上述したように、奥揃え操作及び手前揃え操作は、短縮キーである奥揃え指示キー74及び手前揃え指示キー75を用いて与えられる動作指令(再配置指令(奥揃え指令、手前揃え指令))に基づいて実行される。再配置指令(奥揃え指令、手前揃え指令)は、基本搬送指令である。
図10は、オポジットポジションOPから見て収納部最後尾LPの側に詰めて、物品Wを並べる形態を例示しており、図11は、ホームポジションHPから見て収納部最後尾LPの側に詰めて物品Wを並べる形態を例示している。共にホームポジションHP及びオポジットポジションOPは、搬送台車3の出し入れのために空けておく必要がある。従って、オポジットポジションOPから見て収納部最後尾LPの側に詰めて物品Wを並べる場合には、収納部最後尾LPは、ホームポジションHPから見てホームポジションHPの次の位置(2番目の位置)となる。この位置は、ホームポジションHPから見て手前側であるから、この場合には、手前揃え操作が実行される。一方、ホームポジションHPから見て収納部最後尾LPの側に詰めて物品Wを並べる場合には、収納部最後尾LPは、オポジットポジションOPから見てオポジットポジションOPの次の位置(ホームポジションHPから見て奥から2番目の位置)となる。この位置は、ホームポジションHPから見て奥側であるから、この場合には、奥揃え操作が実行される。
物品倉庫10が複数の物品収納棚1を有して構成されており、物品保管設備100に複数の搬送台車3が備えられており、物品収納棚1が両面使用棚であるような場合、利用者が利用したい搬送台車3が、どの辺りに位置しているかが判らない場合がある。鳴動操作は、搬送台車3に搭載されたブザー49等の鳴動装置を鳴動させる操作である。鳴動操作を指示する動作指令(鳴動指令)は、機能選択キー78の1つを短縮キーとして利用して送信される。ここでは、設定キー(SET)が鳴動指示キー78bとして利用される形態を例示している。尚、鳴動指令は、その指令自体には搬送台車3の移動を伴わない動作指令であり、本実施形態では一般指令に相当する。
上述したように、搬送台車3は、バッテリ37を搭載している。状態確認操作は、バッテリ37の残量など、搬送台車3の状態を確認するための操作である。搬送台車3の状態は、例えば、リモートコントローラ7のディスプレイ70に表示される。図示及び具体的な説明は省略するが、鳴動指令と同様に、機能選択キー78の1つを短縮キーとして利用して状態確認操作を指示する動作指令(状態確認指令)を送信させてもよい。また、例えばバッテリ37の残量確認は、号機番号を指定して通信開始の要求信号(例えば後述するreq_link)を送信する際に動作指令(バッテリ残量確認指令)を含めることによって指示する形態であってもよい。これらの動作指令(状態確認指令、バッテリ残量確認指令)も、搬送台車3の移動を伴わない動作指令であり、本実施形態では一般指令に相当する。
上述したような各種“操作”は、リモートコントローラ7より送信される要求信号に含まれる動作指令に基づいて実行される。つまり、搬送台車3に対して、上述したような操作を実行させたい利用者は、リモートコントローラ7を用いて搬送台車3を遠隔操作する。ところで、ある搬送台車3は、特定の利用者にのみ利用されるものではなく、複数の利用者によって利用される。つまり、1つの搬送台車3は、複数のリモートコントローラ7からの要求信号を受信可能である。しかし、例えば異なる利用者からの入庫操作の指示等は、当然ながら異なる物品収納棚1における異なる物品Wに対するものであるから、同一時期に動作指令を受け付けて、入庫操作を実行することはできない。このため、例えば入庫操作のような動作指令は、排他的に処理される。一方、上述した鳴動操作や状態確認操作は、入庫操作などの他の操作を実行中であっても実行することが可能である。従って、排他的に処理する必要はなく、非排他的或いは協調的な処理が可能である。
本実施形態では、搬送台車3は、要求信号に含まれる搬送台車3に対する動作指令が、搬送台車3を移動させる移動指令(搬送指令)である場合には、複数のリモートコントローラ7からの動作指令を排他的に受け付けて1つのリモートコントローラ7からの動作指令に基づいて動作する。一方、動作指令が移動指令とは異なる一般指令である場合には、搬送台車3は、複数のリモートコントローラ7からの動作指令を非排他的に受け付けて複数のリモートコントローラ7からの複数の動作指令に基づいて動作する。
複数のリモートコントローラ7からの動作指令を排他的に受け付けることから明らかなように、本実施形態において、搬送台車3は、複数のリモートコントローラ7からの要求信号を同一時期に受信することができる。つまり、通常動作モードにおいては、搬送台車3は、複数のリモートコントローラ7からの要求信号を受け付ける。しかし、特定の操作を実行する際には、搬送台車3は、単一のリモートコントローラ7と1対1での通信のみを許可する専有動作モードで動作する。本実施形態において、概ね短縮キー(71〜75)を用いて指示が可能な操作である入庫操作、出庫操作、連続出庫操作、個数指定出庫操作、再配置操作(奥揃え操作、手前揃え操作)などの基本搬送操作(一般移動操作)、及び鳴動操作、状態確認操作などの一般操作は、通常動作モードにおいて実行される。一方、概ね機能選択キー78を用いた指示が必要な操作である連続入庫操作、終端移動操作、在庫数確認操作などの特殊搬送操作(特殊移動操作)は、専有動作モードで動作する。つまり、入庫指令、出庫指令、連続出庫指令、個数指定出庫指令、再配置指令(奥揃え指令、手前揃え指令)などの基本搬送指令(一般移動指令)、及び鳴動指令、状態確認指令などの一般指令は、通常動作モードの際に送信される動作指令である。一方、連続入庫指令、終端移動指令、在庫数確認指令などの特殊搬送指令(特殊移動指令)は、専有動作モードの際に送信される動作指令である。
以下、リモートコントローラ7を用いて、搬送台車3を遠隔操作する際の好適な実施形態を説明する。尚、以下では、物品保管設備100が搬送台車3を複数備えており、複数のリモートコントローラ7のそれぞれが、制御対象の搬送台車3を複数個選択して、同一の動作指令を含む要求信号を同時に送信可能であるものとして説明する。
上述したように、1つの搬送台車3は、複数の物品収納棚1において使用される。但し、搬送台車3の自走能力は、1つの物品収納棚1における一対のビーム材13に沿った移動に限られており、異なる物品収納棚1の間での移動は、フォークリフト20等を用いて行われる。利用者は、フォークリフト20のフォークに載せた搬送台車3を、当該搬送台車3を使用する物品収納棚1のビーム材13の台車支持面13vよりも高い位置まで持ち上げた状態で、フォークが物品収納棚1の中に入るようにフォークリフト20を前進させる。フォーク上の搬送台車3がストッパ13t(図1参照)よりも奥側に入ったら、利用者は、ゆっくりとフォークを降下させて台車支持面13vに搬送台車3を降ろす。利用者が、複数の搬送台車3を利用する場合には、対象の物品収納棚1及び搬送台車3に対して上記を繰り返して、荷役作業の準備を行う。
搬送台車3の設置が完了すると、利用者はリモートコントローラ7の電源キー79を押し、リモートコントローラ7を起動させる。リモートコントローラ7が起動すると電源インジケータ79iが例えば緑色に点灯する。次に、利用者は、利用したい搬送台車3の号機選択キー77を押し、対応する搬送台車3を起動する。搬送台車3は、図5に示すように、大きな機能部として、通信制御部41と主制御部43とを備えて構成されている。リモートコントローラ7による起動に先立って、搬送台車3に設けられた主電源スイッチ40が投入されており、通信制御部41にはバッテリ37から電力が供給されている。主電源スイッチ40が投入されただけでは、主制御部43には電源が供給されておらず、搬送台車3はスリープ状態である。ここで、搬送台車3に設けられた不図示の操作パネルに設けられた不図示の電源スイッチが投入される、或いはリモートコントローラ7を介して上記起動指示が与えられると、リレーや半導体電力スイッチ等により構成されたサブ電源スイッチ42が接続され、主制御部43にバッテリ37から電力が供給される。尚、図5では同じバッテリ37から通信制御部41と主制御部43とに電力が供給される形態を示しているが、異なるバッテリから電力が供給される形態であってもよい。
本実施形態では、リモートコントローラ7を利用して搬送台車3を起動する例を用いて説明する。例えば、利用者が1号機、2号機、3号機の搬送台車3を用いて作業を行いたい場合、利用者はリモートコントローラ7の号機選択キー77の“1”、“2”、“3”を押す。リモートコントローラ7から各搬送台車3(1号機から3号機)に接続リクエスト(要求信号)が送信される(req_link)。応答信号を受け取った各搬送台車3の通信制御部41は、それぞれの搬送台車3の状態に応じた応答信号(後述するack_green, ack_blue, ack_red)をリモートコントローラ7に返信する。応答信号を受け取ったリモートコントローラ7は、号機選択キー77に設けられた号機選択インジケータ77iを応答信号に応じた色で点灯させる。
例えば、搬送台車3がスリープ状態であった場合には、上述したようにサブ電源スイッチ42が投入され、搬送台車3からリモートコントローラ7に「使用可能」を示す状態情報と共に応答信号が送信される(ack_green)。尚、既に搬送台車3にサブ電源スイッチ42が投入されている場合であっても、搬送台車3が使用可能な状態(例えば他の利用者により使用されていない状態など)であれば、“ack_green”の応答信号が送信される。この応答信号を受け取ったリモートコントローラ7は、号機選択キー77の号機選択インジケータ77iを緑色に点灯させる。
ここで、号機選択キー77によって指定された搬送台車3が、既に起動しており、さらに他の利用者(他のリモートコントローラ7)により、上述した専有動作モード(連続入庫操作、終端移動操作、在庫数確認操作)での操作を指示されている場合には、搬送台車3からリモートコントローラ7に「専有動作モードで使用中」を示す状態情報と共に応答信号が送信される(ack_blue)。この応答信号を受け取ったリモートコントローラ7は、号機選択キー77の号機選択インジケータ77iを青色に点灯させる。この青色は、当該搬送台車3がこのリモートコントローラ7によって遠隔操作できないことを示している。
リモートコントローラ7が後述する“ack_red”の応答信号を受け取った場合には、リモートコントローラ7は当該応答信号に対応する搬送台車3の号機選択インジケータ77iを赤色に点灯させる。この赤色は、当該搬送台車3が使用不可であることを示している。搬送台車3は、自己診断機能やバッテリ37の残量検知機能を有して構成されており、それらの結果に基づいて“ack_red”の応答信号が送信される。
例えば、自己診断機能は主制御部43によって実行され、バッテリ37の残量検知機能は通信制御部41によって実行される。通信制御部41は、リモートコントローラ7からの接続リクエスト(req_link)を受け取った際に、バッテリ37の残量が所定の下限容量を下回っている場合には、リモートコントローラ7に対して「使用不可(バッテリ残量低下によるエラー有り)」を示す状態情報と共に応答信号を送信する(ack_red)。また、主制御部43による自己診断によって、例えばセンサ群44を構成するセンサや、リフトアクチュエータ48、走行モータ46、或いは主制御部43を構成する回路などに故障等が発見されたり、センサ群44によって異物の挟み込みなどの異常が発見されたりした場合には、通信制御部41を介してリモートコントローラ7に対して「使用不可(故障等によるエラー有り)」を示す状態情報と共に応答信号が送信される(ack_red)。
図12は、要求信号を受け取った搬送台車3の通信制御部41が、搬送台車3の状態に応じた応答信号(ack_green, ack_blue, ack_red)をリモートコントローラ7に返信するまでの手順の一例を示している。通信制御部41は、要求信号(req_link)を受け取り(#11)、主制御部43がスリープ中であるか否かを確認し(#12)、スリープ中であれば主制御部43を起動する(#13)。次に、通信制御部41及び主制御部43による自己診断(バッテリ残量診断を含む)の結果に基づいて、エラーの有無を判定する(#14)。エラーが無い場合には、当該搬送台車3が専有動作モードで動作しているか否か(主制御部43が専有動作モードで制御を行っているか否か)を判定する(#15)。通信制御部41は、搬送台車3が専有動作モードで動作していない場合には、「使用可能」を示す状態情報と共に応答信号(ack_green)を送信する(#16)。搬送台車3が専有動作モードで動作している場合には、通信制御部41は、「専有動作モードで使用中」を示す状態情報と共に応答信号(ack_blue)を送信する(#17)。自己診断によりエラーが検出されている場合には、通信制御部41は、「使用不可(エラー有り)」を示す状態情報と共に応答信号(ack_red)を送信する。
ここで、搬送台車3から「使用可能」を示す状態情報と共に応答信号(ack_green)が送信された場合には、利用者は、当該搬送台車3を利用した作業が可能である。即ち、号機選択インジケータ77iが緑色に点灯している号機の搬送台車3を用いて入出庫等の作業を行うことができる。尚、号機選択した複数の搬送台車3の内の一部が、「専有動作モードで使用中」であったり、「使用不可(エラー有り)」であったりした場合には、利用者は、当該搬送台車3に対応する号機選択キー77を長押しして、選択を解除する。選択が解除されると、対応する号機選択インジケータ77iは消灯する。
尚、上述したように、特定の操作(本実施形態では、連続入庫操作、終端移動操作、在庫数確認操作)を実行する際には、搬送台車3は、単一のリモートコントローラ7と1対1での通信のみを許可する専有動作モードで動作する。従って、これらの操作を実行する際には、利用する搬送台車3以外の号機選択キー77を長押しして、選択を解除しておく必要がある。
ところで、上述したように、ある搬送台車3は、特定の利用者にのみ利用されるものではなく、複数の利用者によって利用される。つまり、1つの搬送台車3は、複数のリモートコントローラ7からの要求信号を受信可能である。しかし、例えば入庫操作のような操作を指示する動作指令(移動指令(搬送指令(基本搬送指令)))は、排他的に処理される。一方、鳴動操作や状態確認操作は、入庫操作などの他の操作を実行中であっても実行することが可能である。従って、鳴動操作や状態確認操作などを指示する動作指令(一般指令)は、排他的に処理する必要はなく、非排他的或いは協調的な処理が可能である。
例えば、異なる2つのリモートコントローラ7(便宜的に“7A”、“7B”とする)において、同じ号機番号の号機選択キー77が押された場合、対応する号機番号の搬送台車3が「使用不可(エラー有り)」の状態でもなく、「専有動作モードで使用中」の状態でもない場合、両リモートコントローラ7の号機選択インジケータ77iが点灯する。上述したように、1号機から3号機の3つの搬送台車3が選択され、全ての搬送台車3に例えば「入庫操作」をさせる場合には、利用者はリモートコントローラ7の入庫指示キー71を押す。同様に全ての搬送台車3に例えば「出庫操作」をさせる場合には、利用者はリモートコントローラ7の出庫指示キー72を押す。ここで、ほぼ同時期に、例えば一方のリモートコントローラ7(7A)の入庫指示キー71が押され、他方のリモートコントローラ7(7B)の出庫指示キー72が押された場合には、動作指令が競合する。搬送台車3の通信制御部41は、両リモートコントローラ7から送信された動作指令を排他的に処理して何れか一方のリモートコントローラ7(例えば“7A”)のみの動作指令を受け付ける。他方のリモートコントローラ7(この場合は“7B”)からの動作指令は無視され、該当する搬送台車3が空いた際に、再度動作指令を送信する必要がある。通信制御部41による排他的な処理の優先順位は、例えば、要求信号の受信順であると好適である。
尚、このような排他的な処理は、各搬送台車3の通信制御部41によって実行される。つまり、何れのリモートコントローラ7からの動作指令に従って動作するかについては、各搬送台車3によって決定される。従って、上記の例のように複数の搬送台車3に対して複数のリモートコントローラ7から動作指令を送信した場合には、複数の搬送台車3の内の何台かは一方のリモートコントローラ7(例えば“7A”)からの動作指令に従って動作し、別の何台かは他方のリモートコントローラ7(この場合は“7B”)からの動作指令に従って動作する可能性がある。
一方、何れかのリモートコントローラ7からの動作指令が、移動指令(搬送指令)ではなく一般指令であった場合には、そのような排他的な処理はされず、両動作指令が受け付けられる。例えば、一方のリモートコントローラ7(7A)からは入庫指示キー71用いて入庫指令が送信され、他方のリモートコントローラ7(7B)から機能選択キー78及びディスプレイ70を用いて鳴動操作を実行させるための鳴動指令が送信された場合には、両方の動作指令が受け付けられて、実行される。即ち、搬送台車3は、入庫操作中であっても鳴動することができ、逆に停止中に鳴動している状態から入庫操作を開始することもできる。
以下、排他的な処理の優先順位が、要求信号の受信順である場合を例として、動作指令を受け付ける手順について図13を参照して説明する。通信制御部41は、動作指令を受信すると、当該動作指令が一般指令であるか否かを判定する(#21,#22)。受信した動作指令が一般指令である場合には、他の一般指令や移動指令(搬送指令)と同時に実行することが可能であるから、当該動作指令を受け付ける(#23:非排他的受け付け工程)。受け付けた動作指令は、主制御部43に伝達され、主制御部43は、当該動作指令に基づいて搬送台車3を制御する。ステップ#21は、動作指令受信工程、ステップ#22〜#23は、非排他的動作指令受け付け工程と称することができる。尚、以下に説明するステップ#24〜#26は、排他的動作指令受け付け工程と称することができる。
通信制御部41は、受信した動作指令が一般指令ではないと判定すると、他の移動指令を実行中であるか否かを判定する(#24)。例えば、通信制御部41は主制御部43に対して移動命令を伝達すると、通信制御部41の移動命令実行フラグを有効状態(例えば“1”)に設定する。主制御部43は、伝達された移動命令に応じた制御を終了すると、終了情報を通信制御部41に伝達し、通信制御部41は当該終了情報に基づいて移動命令実行フラグを無効状態(例えば“0”)に設定する。或いは主制御部43が移動命令実行フラグを無効状態(例えば“0”)に設定してもよい。ステップ#24において、通信制御部41は、この移動命令実行フラグの状態に基づいて、他の移動指令を実行中であるか否かを判定する。既に他の移動命令を実行中である場合(他の移動命令を受け付け済みである場合)には、受信した動作指令(移動指令)は受け付けられずに無視される(#25)。つまり、移動指令は排他的に処理される。
通信制御部41は、ステップ#24において、他の移動命令を実行中ではない(他の移動命令を受け付け済みではない)と判定すると、受信した動作指令(移動指令)を受け付ける(#26)。そして、通信制御部41は、受け付けた動作指令(移動指令)を主制御部43に伝達し、移動命令実行フラグを有効状態に設定する。通信制御部41から動作指令(移動指令)を伝達された主制御部43は、当該動作指令に基づいて搬送台車3を制御する。
〔その他の実施形態〕
以下、本発明のその他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記においては、移動体制御システムとして、物品保管設備100を例として説明したが、リモートコントローラによって遠隔操作可能な移動体を制御するものであれば、本発明はこの形態に限定されるものではない。例えば、遊園地等において、遊戯エリアに散らばったゴーカート等の乗り物を遠隔操作して集合させるようなシステムなどにも摘要することができる。この場合、ゴーカート等の乗り物が移動体に対応する。
(2)上記においては、物品収納棚1が複数形成され、移動体としての搬送台車3も複数存在している形態を例示した。しかし、物品収納棚1及び搬送台車3がそれぞれ1つであり、当該1つの搬送台車3を複数のリモートコントローラ7によって遠隔操作する形態であってもよい。
(3)上記においては、複数のリモートコントローラ7のそれぞれが、制御対象の移動体としての搬送台車3を同時に複数個選択して、同一の動作指令を含む要求信号を同時に送信可能である形態を例示した。しかし、この形態に限らず、リモートコントローラ7が1つの搬送台車3を選択して動作指令を含む要求信号を送信する形態であってもよい。
(4)上記においては、搬送台車3は、複数のリモートコントローラ7からの要求信号を受け付ける通常動作モード、及び、単一のリモートコントローラ7からの要求信号のみを受け付ける専有動作モードで動作する形態を例示した。しかし、搬送台車3が、専有動作モードを有さず、通常動作モードのみで動作する形態であってもよい。
(5)また、上記においては、一般指令と一般指令とが重複した場合、及び、一般指令と基本搬送指令(移動指令)とが重複した場合に、排他的に受け付けされずに、両指令が受け付けられる例を示した。しかし、専有動作モードを有さないような形態では、基本搬送指令及び特殊搬送指令は、共に搬送指令(移動指令)ということができる。従って、このような場合には、一般指令と特殊搬送指令(移動指令)とが重複した場合にも、両指令が受け付けられる形態を採用することができる。
(6)上記においては、動作指令を排他的に受け付ける際の優先順位が、受信した順番である形態を例示した。しかし、優先順位は、受信順序に限定されるものではない。例えば、動作指令に重要度を付与し、当該優先度に応じて排他的な受け付けを行ってもよい。例えば、入庫指令と出庫指令とが競合した場合には、出庫指令を優先摘要するなどの優先順位を設けてもよい。尚、このような排他的処理を行うに際しては、通信制御部41が動作指令を受け付けた後、主制御部43が当該動作指令に基づく制御を開始していない場合に摘要することが好適である。つまり、入庫指令と出庫指令とが競合し、既に入庫指令に基づく制御を開始していた場合には、新たに出庫指令を受け付けるのではなく、既に受け付けている入庫指令を優先すると好適である。
(7)上記においては、動作指令が排他的に受け付け処理される場合、例えば図13のステップ#25のように、一方の動作指令が受け付けられずに無視される例を示した。しかし、実行に回される(通信制御部41によって受け付けられて主制御部43に伝達される)動作指令が1つのみであれば、通信制御部41によって排他的な受け付け処理が行われたということができる。即ち、受け付けられない一方の動作指令については、無視される形態に限らず、通信制御部41などに設けられた記憶部に一時記憶しておき、順次、主制御部43へと伝達される形態であってもよい。尚、この場合には、直ぐに動作指令が実行されなくても、一時記憶されて実行待ちの状態となっていること(例えば、予約状態となっていること)が、通信制御部41からリモートコントローラ7に通知される形態であると好ましい。