JP6277003B2 - ヒータチップ研磨工具 - Google Patents
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Description
パルスヒート法は、モリブデン等の高抵抗材料からなるヒータチップによって被接合物を加圧しながら、このヒータチップにパルス状の大電流を流して、そこで発生するジュール熱により被接合物を溶融させて接合を得るものである。接合装置は、例えばヒータチップの先端に取り付けられた熱電対によってヒータチップの温度を検出し、この温度が予め設定された温度になるようにヒータチップに供給する電流を制御していた。
従来、ヒータチップの先端を研磨する手段として、特許文献1に開示されたヒータチップ研磨機構が提案されている。特許文献1に開示されたヒータチップ研磨機構は、X−Yステージの一部に設けた研磨ステージにラッピングペーパを貼り付け、ヒーターチップを下降させてラッピングペーパに接触させた状態でX−Yテーブルを動作させることにより、ヒータチップの先端を研磨するようにしたものである。
また、本発明のヒータチップ研磨工具の1構成例は、さらに、被接合物を前記ヒータチップで加熱して接合するときの前記ヒータチップの高さ方向の変位量を検出する変位検出部と、この変位検出部で検出される変位量が所定のしきい値以下となったときに、前記上下機構と前記ステージとを制御して、前記研磨シートを間に挟んだ状態で前記ヒータチップの先端面と前記治具の受け面とを嵌合させ、前記治具を動かすことで前記ヒータチップの先端面の研磨を開始させる制御部とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明のヒータチップ研磨工具の1構成例は、前記研磨シートを前記治具に固定する固定機構を備えることを特徴とするものである。
また、本発明のヒータチップ研磨工具の1構成例は、さらに、被接合物を前記ヒータチップで加熱して接合するときの前記ヒータチップの高さ方向の変位量を検出する変位検出部と、この変位検出部で検出される変位量が所定のしきい値以下となったときに、前記上下機構と前記ステージとを制御して、前記研磨シートを間に挟んだ状態で前記ヒータチップの先端面と前記治具の受け面とを嵌合させ、前記研磨シートを動かすことで前記ヒータチップの先端面の研磨を開始させる制御部とを備えることを特徴とするものである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係るヒータチップ研磨工具の斜視図である。
本実施の形態のヒータチップ研磨工具は、ヒータチップ1の先端面(被接合物との接触面であり、下面)と対向する受け面(上面)が前記先端面と嵌合する形状である治具10と、ヒータチップ1と治具10との間に配置される研磨シート11とから構成される。
治具10の受け面には、このヒータチップ1の先端面の凹部2に対応して、凹部2と同数の凸部12が設けられている。こうして、治具10は、ヒータチップ1と嵌合するようになっている。ヒータチップ1と治具10との嵌め合いには、凹部2の配列方向(図1X方向)と直交する方向(図1Y方向)に沿って治具10を動かすことができるように、若干のゆとりが設けられている。
研磨シート11としては、例えば表面に研磨粒子が塗布された市販のラッピングフィルムを用いることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、作業員が治具10を動かしていたが、治具10をステージ上に設置してステージを動かすようにしてもよい。図4は本発明の第2の実施の形態に係るヒータチップ研磨工具の構成を示すブロック図であり、図1、図2と同様の構成には同一の符号を付してある。
なお、本実施の形態では、治具10をXYステージ14で動かすため、治具10の厚さ(図1のt)をヒータチップ1よりも厚くすることが望ましい。また、第1の実施の形態で説明したとおり、研磨シート11を固定する固定機構を治具10に設けることが望ましい。
ヒータチップ1の上下機構16には図示しない変位センサが設けられており、被接合物を接合中のヒータチップ1の高さ方向(図4Z方向)の変位量を電気信号に変換できるようになっている。変位検出部17は、この変位センサの出力に基づいて、ヒータチップ1の高さ方向の変位量を検出する。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。第1、第2の実施の形態では、治具10またはXYステージ14を動かしてヒータチップ1の先端面を研磨していたが、研磨シート11を動かすようにしてもよい。図5は本発明の第3の実施の形態に係るヒータチップ研磨工具の構成を示すブロック図であり、図1〜図4と同様の構成には同一の符号を付してある。
治具10と搬送機構19とは、第2の実施の形態で説明したXYステージに取り付けられている。ヒータチップ1の先端面を研磨する場合、接合装置の制御部15は、作業員の指示に応じてXYステージ14を移動させて治具10をヒータチップ1の真下の位置に移動させる。そして、制御部15は、上下機構16によりヒータチップ1を下降させる。このとき、制御部15は、ヒータチップ1と治具10との間を研磨シート11が滑り動くことができる程度のゆとりが生じるように、ヒータチップ1の加圧力を調節する。制御部15は、このような状態で搬送機構19によりY方向に沿って研磨シート11を動かす。
なお、本実施の形態の場合、治具10の厚さ(図1のt)はヒータチップ1の厚さと同じでもよいし、ヒータチップ1より厚くてもよい。また、第2の実施の形態で説明したとおり、変位検出部17で検出される変位量に応じて自動的に研磨を開始するようにしてもよい。
Claims (6)
- 先端面に被接合物を押さえる凹凸が設けられたヒータチップを研磨するヒータチップ研磨工具であって、
ヒータチップの先端面と対向する受け面が前記先端面と嵌合する形状である治具と、
前記ヒータチップの先端面と前記治具の受け面との間に配置される研磨シートと、
前記研磨シートを前記治具に固定する固定機構とを備えることを特徴とするヒータチップ研磨工具。 - 先端面に被接合物を押さえる凹凸が設けられたヒータチップを研磨するヒータチップ研磨工具であって、
ヒータチップの先端面と対向する受け面が前記先端面と嵌合する形状である治具と、
前記ヒータチップの先端面と前記治具の受け面との間に配置される研磨シートと、
前記ヒータチップを上下方向に移動させることが可能な上下機構と、
前記研磨シートを間に挟んで前記ヒータチップの先端面と前記治具の受け面とが嵌合している状態で、前記治具を前記ヒータチップの移動方向と垂直な方向に動かすことが可能なステージとを備えることを特徴とするヒータチップ研磨工具。 - 請求項2記載のヒータチップ研磨工具において、
さらに、被接合物を前記ヒータチップで加熱して接合するときの前記ヒータチップの高さ方向の変位量を検出する変位検出部と、
この変位検出部で検出される変位量が所定のしきい値以下となったときに、前記上下機構と前記ステージとを制御して、前記研磨シートを間に挟んだ状態で前記ヒータチップの先端面と前記治具の受け面とを嵌合させ、前記治具を動かすことで前記ヒータチップの先端面の研磨を開始させる制御部とを備えることを特徴とするヒータチップ研磨工具。 - 請求項2または3記載のヒータチップ研磨工具において、
さらに、前記研磨シートを前記治具に固定する固定機構を備えることを特徴とするヒータチップ研磨工具。 - 先端面に被接合物を押さえる凹凸が設けられたヒータチップを研磨するヒータチップ研磨工具であって、
ヒータチップの先端面と対向する受け面が前記先端面と嵌合する形状である治具と、
前記ヒータチップの先端面と前記治具の受け面との間に配置される研磨シートと、
前記ヒータチップを上下方向に移動させることが可能な上下機構と、
前記治具を前記ヒータチップの移動方向と垂直な方向に動かすことが可能なステージと、
前記研磨シートを間に挟んで前記ヒータチップの先端面と前記治具の受け面とが嵌合している状態で、前記研磨シートを前記ヒータチップの移動方向と垂直な方向に動かすことが可能な搬送機構とを備えることを特徴とするヒータチップ研磨工具。 - 請求項5記載のヒータチップ研磨工具において、
さらに、被接合物を前記ヒータチップで加熱して接合するときの前記ヒータチップの高さ方向の変位量を検出する変位検出部と、
この変位検出部で検出される変位量が所定のしきい値以下となったときに、前記上下機構と前記ステージとを制御して、前記研磨シートを間に挟んだ状態で前記ヒータチップの先端面と前記治具の受け面とを嵌合させ、前記研磨シートを動かすことで前記ヒータチップの先端面の研磨を開始させる制御部とを備えることを特徴とするヒータチップ研磨工具。
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