JP6640628B2 - 電極位置決め方法、電極位置決め装置および溶接装置 - Google Patents

電極位置決め方法、電極位置決め装置および溶接装置 Download PDF

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本発明は、溶接電極を感圧紙に押し付け、感圧紙に溶接電極の圧痕を記し、その圧痕と溶接対象物との画像を1つのカメラで得ることにより、溶接対象物に対する溶接電極の位置を自動的に決める電極位置決め方法、電極位置決め装置および溶接装置に関する。
太陽電池にはバイパスダイオードが接続される。人工衛星に搭載される太陽電池とバイパスダイオードとの接続は、コネクタと称される薄い金属製の導体を両者の裏面に溶接することにより行われる。図11は、そのコネクタの一例の要部を示す平面図である。このコネクタは、厚さ25μmの銀(Ag)製であり、片端にフィンガー71が設けられている。図11の例ではフィンガー71は7個である。各フィンガー71は共通の1つの太陽電池に溶接される。コネクタ70の太陽電池接続端を7つのフィンガー71に分岐するという構造が採用されているのは、コネクタ71と太陽電池との溶接部に、何らかの原因で部分的に過大な力が加わり、両者の溶接面に剥離が生じ始めても、その剥離が周囲領域にさらに拡大するのを防ぐためである。このように、コネクタ70の太陽電池接続端にフィンガー構造を設け、各フィンガーを個別に太陽電池に溶接しておくことにより、1つのフィンガーと太陽電池との剥離が生じたとしても、その剥離を生じさせる力が隣接のフィンガーに伝わりにくく、剥離を当該フィンガーに限定できる可能性が高くなる。
図12は、図11のコネクタ70のフィンガー71およびこれらフィンガー71が太陽電池に溶接されるべき領域、すなわち溶接領域72を示す図である。図12において、コネクタ70は図11と同様に平面図で表してあり、フィンガー71の幅が0.4〜0.5mmであることを示している(図における一番上のフィンガーの幅は0.5mm、上から2番目から7番目(一番下)のフィンガーの幅は0.4mm)。そして、これらフィンガー71において、太陽電池に溶接されるべき溶接領域72は、横幅0.5mm、縦幅0.4〜0.5mm(図における一番上の溶接領域72の縦幅は0.5mm、上から2番目から7番目(一番下)の溶接領域72の縦幅は0.4mm)である。
太陽電池とコネクタ70との溶接は、抵抗溶接の一種であるパラレルギャップ方式で行われる。このパラレルギャップ方式溶接では、後述のように、フィンガー71を太陽電池裏面の所定位置に載置した状態で、微小な間隔で保持された電気抵抗の異なる第1および第2の電極をフィンガー71に押し当て、しかも抵抗値の高い方の第1電極(後に説明する図1乃至図10における溶接電極32に相当)を溶接領域72に位置させ、両電極間に電流を流し、抵抗値の高い方の第1電極をその電気抵抗により発生するジュール熱により高温に加熱し、第1電極下の溶接領域72のフィンガー71および太陽電池を溶接温度まで熱することにより、溶接領域72においてフィンガー71と太陽電池とを溶接する。
その第1電極については、溶接装置の調整や溶接後の電極の研磨により、溶接装置の基準位置に対する位置や電極の下面(溶接領域72に押し当てらえる面)の形を常に一定に保持することは難しい。コネクタの形も正確には一定ではない。そこで、各フィンガー71の溶接領域72に第1電極を正確に押し付けるには、溶接装置の調整や溶接後の電極の研磨の都度、第1電極と各フィンガー71との相対位置を正確に把握する必要がある。第1電極が溶接領域72に正確に押し付けられないときは、押し付ける力が偏在し、太陽電池に傷や割れが生じたり、溶接されたのちに溶接領域における抵抗値が高くなったり、溶接領域に加わる外力が偏在し、溶接部の剥離の原因になったりするおそれがある。
電極(上述の例では第1電極)と溶接対象物(上述の例では、コネクタ70の各フィンガー71)との相対位置を自動的に制御し、溶接対象物の所定領域(上述の例では、溶接領域72)を正しく加熱する手段が求められる。溶接対象物の所定領域をレーザ照射により、加熱し溶接する例とし、特許文献1の特開2003−181669号公報に記載の「レーザ溶接装置」が開示されている。このレーザ溶接装置は、上述の電極に対応する加熱手段としてレーザヘッドを備え、被溶接部材(前記溶接対象物)を撮像手段で撮像し、得られた被溶接部材の画像とレーザ溶接装置の基準位置との変位量を画像処理手段で検出し、その変位量に基づき位置調整ユニットを制御することにより、被溶接部材とレーザヘッドとの相対位置を自動的制御する。
電極の先端形状を把握する技術は、特許文献2の実開平4−104283号公報に「スポット溶接機の制御装置」として開示されている。この特許文献2の技術では、加圧テーブルを挟んで両面に感圧紙に搬送させ、上下のスポット電極でもってそれらの感圧紙を加圧テーブルに押し付け、感圧紙に転写された電極先端形状を上下2つのカメラで撮影し、電極の形状を把握する。
目標位置(上述の溶接領域に対応)とダイボンディングツール(上述の第1の電極に対応)との位置ずれを補正する技術が特許文献3の特開平6−89910号公報に「ダイボンディング装置」として開示されている。この特許文献3のダイボンディング装置は、フレーム搬送レール(11)上に、溶接対象物であるフレームのアイランド(18)に代えて、感圧紙(21)を貼り付けた加圧ブロック(22)を連結し、その感圧紙(21)にボンディングツール(15)を押し付け、圧痕(23)を印し、圧痕(23)をTVカメラ(19)で撮像し、TVカメラ(19)で取得した画像情報を処理して、圧痕(23)の中心座標を求め、この圧痕(23)の中心座標(ボンディングツール(15)の中心)と目標位置とのずれ量を算出し、このずれ量に基づき、ボンディングツール(15)の中心とTVカメラ(19)の中心とのオフセット量(予めメモリに記憶してある)を修正している。
特開2003−181669号公報 実開平4−104283号公報 特開平6−89910号公報
上述の特許文献1に記載されたレーザ溶接装置では、レーザヘッドの位置が一定であり、すなわち、レーザ溶接装置の基準位置に対しレーザヘッドの位置が一定であり、溶接領域におけるレーザ照射の面積も一定であることを前提としている。そこで、このような条件を満たすときには、レーザヘッドと溶接領域との相対位置を正しく制御して、所定の溶接領域にレーザ照射を行うことができる。しかし、前述のように、パラレルギャップ方式溶接のような抵抗溶接では、溶接装置の調整や溶接後の電極の研磨を要するので、溶接装置の基準位置に対する溶接領域および電極の位置、ならびに電極の下面の形はその調整や研磨の度に変化する。そこで、溶接装置の基準位置に対する電極の位置が一定であることを前提とする特許文献1の技術では、溶接領域に電極を正確に押し付けることはできない。
上述の特許文献2に記載されたスポット溶接機の制御装置では、電極先端形状を上下2つのカメラで撮影し、電極の形状を把握しているが、2つのカメラを要するので、装置が高価で大型になる。
上述の特許文献3に記載されたダイボンディング装置では、溶接対象物であるリードフレームのアイランド(18)に代えて、感圧紙(21)を貼り付けた加圧ブロック(22)をフレーム搬送レール(11)上に連結し、アイランド(18)に溶接されるべきダイ(16)は吸着されていないボンディングツール(15)を感圧紙(21)上に降下し、感圧紙(21)にボンディングツール(15)の圧痕(23)を形成するというダミーボンディングを行い、このダミーボンディングで形成された圧痕(23)をカメラ(19)撮像し、圧痕(23)の画像情報を処理して、ボンディング目標位置であるアイランド(18)に対するボンディングツール(15)の位置ずれを検出し、ボンディングツール(15)とボンディング目標位置とのずれ量を自動的に補正する。
この特許文献3のダイボンディング装置では、カメラ(19)で取得するのは、一方の撮像溶接対象物であるダイ(16)を吸着していないボンディングツール(15)の圧痕(23)の画像情報である。したがって、この画像情報で表される位置は、一方の撮像溶接対象物であるダイ(16)の正確な位置とは言えない。また、他方の撮像溶接対象物であるアイランド(18)ではなく、溶接されるアイランド(18)位置を、加圧ブロック(22)でもって置き換えているので、他方の撮像溶接対象物であるアイランド(18)とボンディングツール(15)との正確な相対位置情報を取得できないおそれがある。したがって、特許文献3の技術では、アイランド(18)上のボンディング目標位置にダイ(16)を正確にボンディングできないおそれがある。
そこで、本発明は、かかる課題を解決するために、2つのカメラを要することなく電極と溶接対象物との相対的な位置情報を自動的に取得して、溶接対象物の目標位置に電極を正確に押し付けることのできる電極位置決め方法、電極位置決め装置および溶接装置の提供を目的とする。
前述の課題を解決するため、本発明による電極位置決め方法および溶接装置は、主に次のような特徴的な構成を採用している。
(1)本発明による電極位置決め方法は、溶接ステージ上に固定された溶接対象物の目標位置に溶接用の電極を所定の方向から押し付けて前記溶接対象物の溶接をするための溶接装置における前記電極の位置決め方法であって、前記方向に直交する溶接ステージ上の平面に感圧紙を固定し、前記方向に平行な方向から前記感圧紙に前記電極を押し付けることにより、前記電極の圧痕を前記感圧紙に印し、前記圧痕をカメラで撮像することにより、前記圧痕の画像情報を取得し、前記画像情報の処理により、前記平面に平行な平面における前記電極の位置を決めることを特徴とする。
(2)本発明による電極位置決め装置は、溶接ステージ上に固定された溶接対象物の目標位置に溶接用の電極を所定の方向から押し付けて前記溶接対象物の溶接をする溶接装置における電極位置決め装置であって、
前記方向に直交する溶接ステージ上の平面に感圧紙を固定する感圧紙固定手段と、
前記平面に平行な平面における前記電極と前記感圧紙との相対位置を制御し、前記方向に平行な方向から前記感圧紙に前記電極を押し付け、前記感圧紙に前記電極の圧痕を印す圧痕形成機能を有する位置制御手段と、
前記方向に平行な方向から前記圧痕を撮像し、前記圧痕の画像情報を取得するカメラと、
前記圧痕の前記画像情報を処理し、前記平面に平行な平面における前記圧痕の位置情報を電極位置情報として生成する位置情報生成手段と
を有することを特徴とする。
(3)本発明による溶接装置は、溶接ステージ上に固定された溶接対象物の目標位置に溶接用の電極を所定の方向から押し付けて前記溶接対象物の溶接をする溶接装置において、
前記(2)に記載の電極位置決め装置を有し、
前記位置制御手段は、前記平面に平行な平面における前記カメラと前記溶接対象物との相対位置を制御し、前記方向に平行な方向にある前記カメラの画角の中心を前記目標位置に指向させるカメラ位置制御機能を有し、
前記カメラは、前記方向から前記溶接対象物を撮像し、前記溶接対象物の画像情報を取得し、
前記位置情報生成手段は、前記圧痕の前記画像情報の処理に加えて、さらに、前記溶接対象物の前記画像情報の処理をも行い、前記目標位置に対する前記電極の相対位置情報を生成し、
前記位置制御手段は、前記カメラ位置制御機能に加え、さらに、前記相対位置情報に基づき、前記方向からみた前記電極の位置を前記目標位置に一致させ、前記電極を前記目標位置に押し付ける機能をも有する
ことを特徴とする。
本発明によれば、2つのカメラを要することなく電極と溶接対象物との相対的な位置情報を自動的に取得して、溶接対象物の目標位置に電極を正確に押し付けることのできる電極位置決め方法、電極位置決め装置および溶接装置を提供できる。
本発明の一実施形態である溶接装置を概念的に示す部分断面図である。 図1の溶接装置を用いて行う本発明の電極位置決め方法の一実施形態における第1の工程を概念的に示す部分断面図である。 図1の溶接装置を用いて行う本発明の電極位置決め方法の一実施形態における第2の工程を概念的に示す部分断面図である。 図1の溶接装置を用いて行う本発明の電極位置決め方法の一実施形態における第3の工程を概念的に示す部分断面図である。 図1の溶接装置を用いて行う本発明の電極位置決め方法の一実施形態における第4の工程を概念的に示す部分断面図である。 図1の溶接装置を用いて行う本発明の電極位置決め方法の一実施形態における第5の工程を概念的に示す部分断面図である。 図1の溶接装置を用いて行う本発明の電極位置決め方法の一実施形態における第6の工程を概念的に示す部分断面図である。 図1の溶接装置を用いて行う本発明の電極位置決め方法の一実施形態における第7の工程を概念的に示す部分断面図である。 図1の溶接装置を用いて行う本発明の電極位置決め方法の一実施形態における第8の工程を概念的に示す部分断面図である。 図1の溶接装置を用いて行う本発明の電極位置決め方法の一実施形態における第9の工程を概念的に示す部分断面図である。 人工衛星に搭載される太陽電池とバイパスコンデンサとを接続するコネクタの一例を示す部分平面図である。 図11のコネクタにおける溶接領域を示す平面図である。
以下、本発明による電極位置決め方法、電極位置決め装置および溶接装置の実施形態について図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態である溶接装置を概念的に示す部分断面図である。この溶接装置100は、溶接ヘッド80、XYステージ10、溶接ステージ20、画像認識用カメラ50を有する。溶接ヘッド80は、溶接用電極30を下端に有する。溶接用電極30は電極32および34でなる。電極32および34は溶接ヘッド80においては互いに絶縁されている。電極32の電気抵抗は電極34の電気抵抗より大きい。溶接ステージ20には凹部が設けてあり、この凹部に溶接対象物が固定される。図1の例では、溶接対象物は太陽電池60とコネクタ70である。その凹部の底面は、平面であり、溶接対象物が載置される溶接対象物載置面22である。溶接ステージ20は、XYステージ10に取り付けられ、後述の位置制御手段により水平面内において任意に位置を制御されるXYステージ10と一体に、水平面内位置が制御される。
溶接ステージ20の上面であって、その凹部の左側縁をなしている領域の表面も該溶接対象物載置面22に平行は平面をなし、この平面が感圧紙載置平面21である。この感圧紙載置平面21には感圧紙40が感圧紙固定手段で固定される。感圧紙固定手段は、図示が省略してあるが、例えば、感圧紙載置面21に載置された感圧紙40の外縁を該感圧紙載置面21に押し付けるクリップで構成することができる。
電極32,34は、溶接ヘッド80の下部に取り付けられており、溶接時には、溶接ヘッド80全体と伴に一体的に溶接対象物載置面22に直交する方向、すなわち鉛直方向に、位置制御手段により制御され、溶接対象物(図1の例ではコネクタ70)の上面に押し付けられる(位置制御手段は図示が省略されている。)。画像処理用カメラ50は、溶接時における溶接ヘッド80の移動方向に平行な方向、図1の例では鉛直方向に、光軸を有する。画像処理用カメラ50の光軸は、溶接電極32の中心線(溶接電極32の下面の中心を通る鉛直線)と平行に、溶接電極32の中心線と一定の間隔に保持される。画像処理用カメラ50の光軸と溶接電極32の中心線とを平行に、一定の間隔に、保持する手段は、溶接装置100の機構部材であり、図示は省略してある。
XYステージ10は、位置制御手段により、水平面内で直交するX軸方向およびY軸方向に位置が制御される。XYステージ10に固定されている溶接ステージ20も、XYステージ10と一体に水平面内位置が制御される。そこで、溶接ステージ20における溶接対象物載置面22に固定されている溶接対象物(図1の例ではコネクタ70と太陽電池60)は、画像処理用カメラ50の光軸に直交する平面(図1の例では水平面)内で、水平面内の位置が制御される。したがって、画像処理用カメラ50は、位置制御手段の制御により、溶接ステージ20上の任意の対象物の撮像をすることができる。図1の実施の形態では、画像処理用カメラ50の撮像対象物は、溶接対象物であるコネクタ70と、後に説明する感圧紙40に印された溶接電極32の圧痕である。
位置情報生成手段および位置制御手段は、前述の特許文献1における画像処理装置(12)や特許文献3の図1に示されている制御回路(画像処理部32、制御部動作31、動作部34などでなる。)と同様に、画像処理用カメラ50による撮像で取得した対象物(図1の例では、コネクタ70と、感圧紙40に印された溶接電極32の圧痕)の画像を処理し、溶接電極32と溶接対象物(図1の例では、コネクタ70)との相対位置を計算し、溶接対象物の目標位置の真上に溶接電極32が位置するようにXYステージ10を移動させ、溶接電極32を溶接対象物まで降下させて、溶接電極32を溶接対象物の目標位置に押し付ける。
図1の溶接装置100は、抵抗溶接機の一種であるパラレルギャップ方式溶接機である。図1の溶接対象物であるコネクタ70と太陽電池60とは、図1に断面図で表されているように、両者の一部分において互いに重ねわせて溶接ステージ20の凹部内に固定されている。コネクタ70における太陽電池に溶接される側の端部は、図11、図12に示したものである。図11および図12に表されている部分のコネクタ70は、前述のとおり、厚さ25μmの極薄い銀(Ag)製である。図1に表されているコネクタ70における厚みが薄い部分が、その厚さ25μmの極薄い部分である。コネクタ70の厚みが薄い部分が太陽電池60の上面(図1においては上側の面であるが、太陽電池60の裏面である。)に重ねられており、この重ねられた部分の先端部が図11、図12にフィンガー71として示されている。
電極32および電極34は、長手軸を平行にして、溶接ヘッド80に固定してある。これら両電極の先端面は溶接対象物載置面22に平行である。溶接装置100における位置情報生成手段および位置制御手段により、溶接ヘッド80を下降させ(位置制御手段は溶接ヘッド80の昇降機構を含む。)、電極32を図12に示す溶接領域72の1つに押し付け、同時に電極34もコネクタ70に押し付け、両電極の間をコネクタ70で接続する。続いて、電極32と電極34との間に電圧を加え、電極32とコネクタ70と電極34に電流を流す。この電流が電極32にジュール熱を発生させ、このジュール熱によりコネクタ70のフィンガー71が太陽電池60に溶接される。電極32の電気抵抗を電極34の電気抵抗より大きく設定してあるので、ジュール熱は主に電極32において発生する。溶接装置100は、位置情報生成手段および位置制御手段の制御により、一旦溶接ヘッド80をコネクタ70から上に引き上げ、XYステージ10を移動させて、次のフィンガー71上に電極32を位置させ、再び溶接ヘッド80を下して、電極32と電極34をコネクタ70に押し付け、同様に溶接を行う。
次に、図2から図10を参照して、図1の溶接装置による電極位置決め方法の実施形態およびこの電極位置決め方法により位置決めした電極により溶接対象物を溶接する方法を説明する。
図2は、図1の溶接装置を用いて行う本発明の電極位置決め方法の一実施形態における第1の工程を概念的に示す部分断面図である。第1工程においては、XYステージ10に溶接ステージ20が取り付けられる。
図3は、図1の溶接装置を用いて行う本発明の電極位置決め方法の一実施形態における第2の工程を概念的に示す部分断面図である。第2工程においては、溶接ステージ20における凹部の底面の載置面22上に太陽電池60とコネクタ70が載置され、太陽電池60とコネクタ70が溶接ステージ20固定される。太陽電池60とコネクタ70がこの実施形態における溶接対象物である。本実施形態においては、溶接対象物の表面は、太陽電池60およびコネクタ70の厚さ分だけ、載置面22の上方に位置している。コネクタ70の極薄い部分(厚さ25μm)である図11および図12に示す部分が、太陽電池60の上面に載せられるので、太陽電池60の表面は溶接ステージ20の上面(後述の感圧紙載置面21に同じ)とは、ほぼ同じ平面にある。
図4は、図1の溶接装置を用いて行う本発明の電極位置決め方法の一実施形態における第3の工程を概念的に示す部分断面図である。第3工程においては、溶接ステージ20の上の感圧紙載置面21に感圧紙固定手段(クリップ等でなる)で固定して、設置し、電極32および電極34を、その感圧紙40に押し当てて、電極32および電極34の圧痕42を感圧紙40につける。
図5は、図1の溶接装置を用いて行う本発明の電極位置決め方法の一実施形態における第4の工程を概念的に示す部分断面図である。第4工程においては、第3工程において付けた、電極32および電極34の圧痕42を画像認識カメラ50により撮像し、圧痕の画像情報を取得し、画像処理技術などを用いて、位置情報生成手段において圧痕の画像情報を処理し、溶接対象物載置面22に平行な平面におけるその圧痕の位置情報を電極位置情報として生成する。電極32および電極34の位置情報は位置情報生成手段のメモリに記憶させる。
図6は、図1の溶接装置を用いて行う本発明の電極位置決め方法の一実施形態における第5の工程を概念的に示す部分断面図である。第5工程においては、太陽電池60の表面上における所定の位置に載置されたコネクタ70の先端形状を画像認識カメラ50により撮像する。そして、位置情報生成手段において、画像処理技術などを用いて、コネクタ70の先端形状の画像情報(前述の溶接対象物の画像情報)を処理し、コネクタ70における溶接領域72(前述の目標位置)に対する電極32および電極34の相対位置の情報を生成する。溶接領域72に対する電極32および電極34の相対位置がゼロになり、溶接領域72(図12)が電極32および電極34の真下に位置するように、XYステージ10を移動するべき位置を計算する。
図7は、図1の溶接装置を用いて行う本発明の電極位置決め方法の一実施形態における第6の工程を概念的に示す部分断面図である。第6工程において、第5工程によって計算された位置にXYステージ10および溶接ステージ20を移動させ、溶接領域72(図12)を電極32および電極34の真下に位置させる。
図8は、図1の溶接装置を用いて行う本発明の電極位置決め方法の一実施形態における第7の工程を概念的に示す部分断面図である。第7工程においては、位置制御手段により、溶接ヘッド80を矢印AR30方向に下降移動させる。溶接ヘッド80の下降移動によって溶接電極32および電極34が、コネクタ70における所定の溶接領域72に接触する。位置制御手段による溶接ヘッド80の下降移動制御により、コネクタ70は、太陽電池60に対して所定の加圧力で押さえ付けられる。
図9は、図1の溶接装置を用いて行う本発明の電極位置決め方法の一実施形態における第8の工程を概念的に示す部分断面図である。第8工程においては、電極32と電極34をコネクタ70に接触させた状態で、電極32と電極34との間に、コネクタ70を介して溶接電流が通電される。当該通電により、電極32にジュール熱が発生し、このジュール熱がコネクタ70および太陽電池60に伝わり、コネクタ70および太陽電池60が加熱され、コネクタ70と太陽電池60とが互いに溶接され、溶接部が例えば図中の符号90の位置に形成される。
図10は、図1の溶接装置を用いて行う本発明の電極位置決め方法の一実施形態における第9の工程を概念的に示す部分断面図である。第9工程においては、位置制御手段により、溶接ヘッド80を上昇移動させる。これにより、太陽電池60とコネクタ70により構成される組立体101が溶接装置100から回収される。この組立体101においては溶接位置ずれのような溶接不良は発生していない。
上述の本発明の実施形態によれば、カメラ50は1つだけで足り、電極32,34と溶接対象物(太陽電池60とコネクタ70)との相対的な位置情報を自動的に取得して、溶接対象物の目標位置(溶接領域72)に電極32,34を正確に押し付けることのできる電極位置決め方法、電極位置決め装置および溶接装置を提供できる。
以上、本発明の好適な実施形態の構成を説明した。しかし、かかる実施形態は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。例えば、上述の実施形態では、溶接対象物が太陽電池60とコネクタ70とである場合について説明したが、溶接対象物は半導体とリードフレームであても差し支えないし、その他のものであってもよい。
本発明では、溶接ステージに感圧紙を固定し、その感圧紙に電極を押し付け、感圧紙に圧痕を印し、圧痕を画像認識用カメラで撮像することにより電極の位置情報を取得する。この撮像は、電極側から溶接ステージ側に向かって行われるので、溶接ステージ側から電極を撮像する画像認識用カメラは必要でなく、電極側から溶接対象物を撮像し、溶接対象物の画像情報を取得する画像認識用カメラでもって、電極の位置情報に相当する圧痕の位置情報が取得できる。すなわち、本発明では、1つの画像認識用カメラでもって、溶接対象物の画像情報および電極の位置情報に相当する圧痕の画像情報が取得できる。そこで、溶接対象物撮像に用いる画像認識用カメラとは別に、電極撮像専用の画像認識用カメラを要した従来の電極位置決め方法、電極位置決め装置および溶接装置では、2台が必要であったのに対し、本発明では画像認識用カメラが1台で足り、同じ機能の電極位置決め方法、電極位置決め装置および溶接装置を提供できるのである。画像認識用カメラが1台で足りる本発明の電極位置決め装置および溶接装置は、従来の電極位置決め装置および溶接装置より安価に、小型に製造できる。
また、前述の実施形態における画像情報の処理では、圧痕42の中心位置を計算し、その中心位置を電極32または34の位置とすることも可能である。更に、その圧痕42の中心位置は圧痕42の画像情報における重心位置としても差し支えない。また、前述の実施形態における画像情報の処理では、圧痕42の輪郭形の決定を行い、電極の位置を決めるための情報として、圧痕42の輪郭形を利用することも可能である。
なお、本発明は、要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。また、本発明は、1つの画像認識カメラにて2つの対象の画像認識処理を行い、位置ずれ量を計算して、2つを合わせる方法であるので、溶接装置だけではなく、例えばボンディングマシーンの様な、加工もしくは組立対象物に何かを押し付けて加工および組み立て工程を行う構成の装置にも利用できる。
10 XYステージ
20 溶接ステージ
21 感圧紙載置面
22 溶接対象物載置面
30 溶接用電極
32 電極
34 電極
40 感圧紙
50 画像認識用カメラ
42 圧痕
60 太陽電池
70 コネクタ
71 フィンガー
72 溶接領域
80 溶接ヘッド
90 溶接部
100 溶接装置
101 組立体

Claims (10)

  1. 溶接ステージ上に固定された溶接対象物の目標位置に溶接用の電極を所定の方向から押し付けて前記溶接対象物の溶接をするための溶接装置における前記電極の位置決め方法であって、前記方向に直交する溶接ステージ上の平面に感圧紙を固定し、前記方向に平行な方向から前記感圧紙に前記電極を押し付けることにより、前記電極の圧痕を前記感圧紙に印し、前記圧痕をカメラで撮像することにより、前記圧痕の画像情報を取得し、前記画像情報の処理により、前記平面に平行な平面における前記電極の位置を決めることを特徴とする電極位置決め方法。
  2. 前記画像情報の処理では、前記圧痕の中心位置を計算し、前記中心位置を前記電極の位置とすることを特徴とする請求項1に記載の電極位置決め方法。
  3. 前記圧痕の中心位置は前記圧痕の画像情報における重心位置とすることを特徴とする請求項2に記載の電極位置決め方法。
  4. 前記画像情報の処理では、前記圧痕の輪郭形の決定を行い、前記電極の位置を決めるための情報として、前記圧痕の輪郭形を利用することを特徴とする請求項1に記載の電極位置決め方法。
  5. 溶接ステージ上に固定された溶接対象物の目標位置に溶接用の電極を所定の方向から押し付けて前記溶接対象物の溶接をする溶接装置における電極位置決め装置であって、
    前記方向に直交する溶接ステージ上の平面に感圧紙を固定する感圧紙固定手段と、
    前記平面に平行な平面における前記電極と前記感圧紙との相対位置を制御し、前記方向に平行な方向から前記感圧紙に前記電極を押し付け、前記感圧紙に前記電極の圧痕を印す圧痕形成機能を有する位置制御手段と、
    前記方向に平行な方向から前記圧痕を撮像し、前記圧痕の画像情報を取得するカメラと、
    前記圧痕の前記画像情報を処理し、前記平面に平行な平面における前記圧痕の位置情報を電極位置情報として生成する位置情報生成手段と
    を有することを特徴とする電極位置決め装置。
  6. 前記位置情報生成手段は、前記画像情報の処理では、前記圧痕の中心位置を計算し、前記中心位置を前記電極位置情報とすることを特徴とする請求項5に記載の電極位置決め方法。
  7. 前記位置情報生成手段は、前記圧痕の中心位置を前記圧痕の画像情報における重心位置とすることを特徴とする請求項6に記載の電極位置決め方法。
  8. 前記位置情報生成手段は、前記画像情報の処理では、前記圧痕の輪郭形の決定を行い、前記電極の位置を決めるための情報として、前記圧痕の輪郭形を利用することを特徴とする請求項5に記載の電極位置決め方法。
  9. 溶接ステージ上に固定された溶接対象物の目標位置に溶接用の電極を所定の方向から押し付けて前記溶接対象物の溶接をする溶接装置において、
    請求項5乃至8に記載の電極位置決め装置を有し、
    前記位置制御手段は、前記平面に平行な平面における前記カメラと前記溶接対象物との相対位置を制御し、前記方向に平行な方向にある前記カメラの画角の中心を前記目標位置に指向させるカメラ位置制御機能を有し、
    前記カメラは、前記方向から前記溶接対象物を撮像し、前記溶接対象物の画像情報を取得し、
    前記位置情報生成手段は、前記圧痕の前記画像情報の処理に加えて、さらに、前記溶接対象物の前記画像情報の処理をも行い、前記目標位置に対する前記電極の相対位置情報を生成し、
    前記位置制御手段は、前記カメラ位置制御機能に加え、さらに、前記相対位置情報に基づき、前記方向からみた前記電極の位置を前記目標位置に一致させ、前記電極を前記目標位置に押し付ける機能をも有する
    ことを特徴とする溶接装置。
  10. 前記溶接対象物が太陽電池および該太陽電池をバイパスダイオードに接続するコネクタであり、前記目標位置が前記コネクタの前記太陽電池側端部に設けられたフィンガー上にあることを特徴とする請求項9に記載の溶接装置。
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