以下に、図1乃至8Bを参照しながら、この発明に係る、樹脂製のフィルム帯状体101の中に被包装物110が包装された包装体1を作成するための包装装置10及び包装方法の一実施形態について説明する。説明の都合上、被包装物110が搬送される搬送方向Xの下流側を「前方」又は単に「前」、搬送方向Xの上流側を「後方」又は単に「後」として呼ぶことがある。
この明細書や特許請求の範囲において、包装体1は、図4A及び4Bに図示するように、ポリエチレンやポリプロピレン等の熱溶着可能な樹脂製のフィルム帯状体101の中に、被包装物110が包装されたものである。被包装物110は、一般的に、雑誌やカタログやパンフレットのような平坦な紙類である。
図1は、この発明に係る包装装置10の平面図である。包装装置10の上部には、搬送方向Xの上流側から下流側に向かって順に、被包装物110が装填される供給部12と、被包装物110がフィルム帯状体101で包装される包装部13と、被包装物110が包装された包装体1が排出される排出部14と、が配置されている。また、包装装置10内には、包装部13を構成するユニット30,40,50,60のそれぞれの動作を制御する制御部(図示せず)が配置されている。また、包装装置10の下部には、被包装物110を包装する樹脂製の(例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等からなる)フィルム帯状体101が巻回されたシートロールが配置されている。シートロールは、支持ローラによって回動自在に支持されており、帯状のフィルム帯状体101が、フィルム折り部材21に向けて上方に引き出されるようになっている。
制御部としてのCPU(中央処理演算装置)は、入力操作部や出力表示部が配置された操作パネルや、各ユニットの動作を制御する制御プログラム等を記憶したROM(リード・オンリー・メモリ:フラッシュROM)や、種々のデータを一時的に記憶するRAM(ランダム・アクセス・メモリやハードディスク)や、各種の入出力装置等の動作を制御する。制御部としてのCPU(中央処理演算装置)は、溶着ローラ31、第1従動ローラ41、溶断刃51及び第2従動ローラ61の上下方向の各移動動作と、第1駆動ローラ42及び第2駆動ローラ62の各回動動作と、を独立して制御する。
図2は、図1に示した包装装置10の搬送方向断面図である。フィルム折り部材21の搬送方向Xの下流側には、包装部13が配設されている。包装部13は、包装装置10における上方部分に配置されていて、搬送方向Xの上流側から下流側に向けて順に、溶着ユニット30と、第1搬送ユニット40と、溶断ユニット50と、第2搬送ユニット60と、を備えている。溶着ユニット30や第1搬送ユニット40や溶断ユニット50や第2搬送ユニット60は、基本的な昇降機構において、同一又は類似した形状をしている。上方に配置された包装部13の全体が包装装置10のフレームに対して開閉自在に構成されている(例えば、包装部13がヒンジによって回動自在に支持されている)ので、万が一、フィルム帯状体101や、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101や、包装体1(以下、包装体1等という。)が搬送面131で詰まっても、包装部13を開くことにより包装体1等を容易に取り除くことができる。また、各ユニットの点検や交換・保守も容易である。
なお、第1搬送ユニット40と溶断ユニット50との間には、センサ52が配設されている。センサ52は、発光部及び受光部を有する光学式のセンサであり、発光部からの光が被包装物110によって遮光されたか否かを受光部で検出することによって、搬送方向Xに移動する被包装物110の前端2aや後端2b(図4A及び4Bに図示)を検出することができる。
フィルム折り部材21は、図4aに示すように、フィルム帯状体101の左右の側端部1gを折り返して、側端部1g同士を重ね合わせることによって折り合わせ部1hがフィルム帯状体101に形成されるように構成されている。
溶着ユニット30は、ラック・アンド・ピニオンによって上下方向に移動可能に構成された溶着ローラ(溶着部材)31を備える。溶着ローラ31は、周りよりも径方向外側に突出した溶着刃230(図7A及び7Bに図示)を有する。制御部は、溶着プラテン35の上で支持されている折り合わせ部1hに対して、加熱された溶着ローラ31の溶着刃230が押し付けられるように、溶着ローラ31の下方移動を制御する。その結果、折り合わせ部1hが熱で溶着されることによって、搬送方向Xに沿った溶着部1cが形成される。なお、溶着ユニット30の詳細については、後述する。
第1搬送ユニット40は、ラック・アンド・ピニオンによって上下方向に移動可能に構成された第1従動ローラ41と、第1駆動ローラ42と、を備え、第1従動ローラ41及び第1駆動ローラ42によって挟持されたフィルム帯状体101を前方の溶断ユニット50に搬送するようになっている。この実施形態では、第1従動ローラ41及び第1駆動ローラ42が、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101の正味の全体厚みtを測定する全体厚み測定部として働いている。なお、第1搬送ユニット40の詳細については、後述する。
溶断ユニット50は、ラック・アンド・ピニオンによって上下方向に移動可能に構成された溶断刃(溶断部材)51を備え、加熱された溶断刃51によって、溶着された折り合わせ部1hを有するフィルム帯状体101を搬送方向Xに対して直交する方向に溶断する。その結果、フィルム帯状体101の前端部及び後端部が溶断されることにより、図4A及び4Bに示すように、前方溶断端1a及び後方溶断端1bを有する包装体1が形成される。なお、溶断ユニット50の詳細については、後述する。
第2搬送ユニット60は、ラック・アンド・ピニオンによって上下方向に移動可能に構成された第2従動ローラ61と、第2駆動ローラ62と、を備え、第2従動ローラ61及び第2駆動ローラ62によって挟持されたフィルム帯状体101を排出部14に搬送するようになっている。なお、第2搬送ユニット60の詳細については、後述する。
図3A乃至図3Oは、包装部13における溶着ローラ31、第1従動ローラ41、溶断刃51及び第2従動ローラ61の各動作を説明する概略図である。以下、図3A乃至図3Oを用いて、包装部13での動作を説明する。なお、図3A乃至図3Fは、初期のフィルム帯状体101から袋状のフィルム帯状体101を予め作成する準備段階での動作を説明する図であり、図3G乃至図3Oは、袋状のフィルム帯状体101を用いて被包装物110を包装する包装方法を説明する図である。
図3Aに示されるように、フィルム折り部材21によって側端部1g同士が重ねられることによって、折り合わせ部1hがフィルム帯状体101に形成される。当該フィルム帯状体101の下面が、包装部13の搬送面131に配置される。フィルム帯状体101の折り合わせ部1hが、溶着プラテン35の上に配置される。
次に、図3Bに示されるように、第1搬送ユニット40の第1従動ローラ41が下方に移動し、フィルム帯状体101は、第1従動ローラ41及び第1駆動ローラ42によって挟持される。その後、折り合わせ部1hでの溶着を行うために、溶着ユニット30の溶着ローラ31が、下方に移動し、溶着プラテン35の上で支持されている折り合わせ部1hに当接する。そして、折り合わせ部1hで溶着されたフィルム帯状体101は、第1従動ローラ41及び第1駆動ローラ42によって挟持されながら前方に搬送される。前方への搬送過程で、溶着ローラ31によって折り合わせ部1hの前方部分(溶着部1cの前方部分に対応する)が溶着される。ここで、第1駆動ローラ42は、例えば、反時計方向に回動する。
フィルム帯状体101が或る長さだけ前方に搬送されると、図3Cに示されるように、第2搬送ユニット60の従動ローラ61が下方に移動し、フィルム帯状体101は、第2従動ローラ61及び第2駆動ローラ62によって挟持され、その後、第1従動ローラ41が上方に移動する。すなわち、フィルム帯状体101は、第1従動ローラ41及び第1駆動ローラ42から、第2従動ローラ61及び第2駆動ローラ62に受け渡される。そして、フィルム帯状体101は、第2従動ローラ61及び第2駆動ローラ62によって挟持されながら前方に搬送される。ここで、第2駆動ローラ62は、例えば、反時計方向に回動する。
次に、溶着ローラ31が上方に移動することによって、折り合わせ部1hにおける前方部分(溶着部1cの前方部分に対応する)の溶着が完了すると、図3Dに示されるように、第2従動ローラ61及び第2駆動ローラ62は、フィルム帯状体101の搬送を停止する。そして、溶断ユニット50の溶断刃51が下方に移動し、フィルム帯状体101の前端部を溶断して、フィルム帯状体101の前方溶断端1a(搬送方向Xの下流側の溶断部)が形成される。なお、溶断ユニット50の溶断刃51が下方に移動する直前に、第2従動ローラ61が上昇するように構成してもよい。そうすれば、溶断時において、フィルム帯状体101に皺が発生することを効果的に防ぐことができる。また、溶着ユニット30の溶着ローラ31が下方に移動してフィルム帯状体101に当接する直前に、フィルム帯状体101を搬送するように構成してもよい。そうすれば、溶着時において、フィルム帯状体101での穴開きが発生することを効果的に防ぐことができる。
次に、図3Eに示されるように、溶断刃51が上方に移動し、その後、図3Fに示されるように、第2従動ローラ61及び第2駆動ローラ62が、溶断されたフィルム帯状体101の搬送方向Xの下流側の部分(不要なフィルムシート体)を前方に搬送して、包装部13の搬送面131から除去する。そして、第2従動ローラ61が上方に移動する。その結果、前方溶断端1aと前方に形成された溶着部1cの一部分とによって前方が袋状に構成されたフィルム帯状体101が作成される。以上のプロセスにより、初期のフィルム帯状体101から、被包装物110を包装するための袋状のフィルム帯状体101を予め作成するという準備動作が完了する。
次に、図3Gに示されるように、前方溶断端1aと前方に形成された溶着部1cの一部分とによって前方が袋状に構成されたフィルム帯状体101の中に被包装物110が装填される。そして、センサ52が被包装物110の前端2a(搬送方向Xの下流側の端部)を検出すると、図3Hに示されるように、第1従動ローラ41が下方に移動し、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101は、第1従動ローラ41及び第1駆動ローラ42によって挟持される。このとき、詳細を後述するように、第1従動ローラ41及び第1駆動ローラ42による圧接状態での挟持によって、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101についての正味の全体厚みtが測定される。したがって、第1従動ローラ41及び第1駆動ローラ42は、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101の正味の全体厚みtを測定する全体厚み測定部として働いている。
次に、図3Iに示されるように、溶着ローラ31が下方に移動してフィルム帯状体101に圧接する。そして、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101は、第1従動ローラ41及び第1駆動ローラ42によって挟持されながら前方に搬送されると、溶着ローラ31によって折り合わせ部1hが溶着される。
図3Iにおいて、フィルム帯状体101が第1従動ローラ41及び第1駆動ローラ42によって前方に搬送されるのと略同時に、加熱された溶着ローラ31がフィルム帯状体101に圧接する。それによって、前方に形成された溶着部1cの一部分に続いて、後方に形成された溶着部1cの一部分が形成される。
図3Jに示されるように、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101が或る長さだけ前方に搬送されると、図3Kに示されるように、第2従動ローラ61が下方に移動する。その結果、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101は、第2従動ローラ61及び第2駆動ローラ62によって挟持され、その後、第1従動ローラ41が上方に移動する。そして、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101は、第2従動ローラ61及び第2駆動ローラ62によって挟持されながら前方に搬送される。
次に、センサ52が被包装物110の後端2b(搬送方向Xの上流側の端部)を検出すると、図3Lに示されるように、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101は、第2従動ローラ61及び第2駆動ローラ62によってさらに或る長さだけ前方に搬送され、被包装物110の後端2bが溶断刃51よりも前方に位置する。それと同時に、溶着ローラ31が上方に移動する。
図3Lでは、上述したように、センサ52によって被包装物110の後端2bが検出されると、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101は、或る長さだけ前方に搬送される。上記の或る長さとは、センサ52が被包装物110の後端2bを検出した後、溶断刃51によってフィルム帯状体101を溶断するまでの長さであり、後端検出後の溶断長さということができる。当該後端検出後の溶断長さは、センサ52及び溶断刃51の間での搬送方向の長さに対して、後端空きスペース3の搬送方向長さ3b(以下、後端空き長さ3bという。)を加算したものである。センサ52及び溶断刃51の間での搬送方向の長さは、包装装置10におけるセンサ52及び溶断刃51の配置間隔によって一義的に決まる固定設定値である。これに対して、後端空き長さ3bは、第1従動ローラ41及び第1駆動ローラ42による圧接状態での挟持によって測定された正味の全体厚みtに応じて変動する後方溶断長さである。
制御部は、後端空き長さ3bを、例えば、全体厚みtが、1mm以下である場合に約17mmに、包装装置10における仕様上の最大厚みである20mmである場合に35mmにそれぞれ設定する。なお、全体厚みtに対する後端空き長さ3bの値のそれぞれは、記憶部としてのROMに「データテーブル」として記憶する態様とすることができる。また、制御部は、全体厚みtに対する後端空き長さ3bの値を、ROMに記憶された算出式によって算出する態様であってもよい。したがって、後端空き長さ3bは、測定された全体厚みtに応じて自動的に求められる。なお、後端空き長さ3bは、被包装物110の後端2bが第2従動ローラ61及び第2駆動ローラ62のニップ部に差し掛かってから所定長さ以内に収まるように上限値が決められている。
次に、図3Mに示されるように、溶断刃51が下方に移動し、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101の後端部を溶断して、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101において、後方溶断端1b(搬送方向Xの上流側の溶断部)が形成される。その結果、被包装物110がフィルム帯状体101の中に包装された包装体1が作成される。それと同時に、次のフィルム帯状体101の前方溶断端1a(搬送方向Xの下流側の溶断部)も形成される。
次に、図3Nに示されるように、包装体1は、第2従動ローラ61及び第2駆動ローラ62によって挟持されながら前方に搬送される。そして、図3Oに示されるように、第2従動ローラ61が上方に移動する。
以後、図3G乃至図3Oの動作を繰り返すことによって、被包装物110がフィルム帯状体101の中に包装された包装体1が形成される。
次に、この発明の一実施形態に係る包装体1の包装方法について、図4A、4B及び5を参照しながら詳細に且つ具体的に説明する。
図5において、被包装物110が、前方溶断端1aと前方に形成された溶着部1cの一部分とによって前方が袋状に構成されたフィルム帯状体101の中に装填される(ステップS10)。
被包装物110が前方溶断端1aの方まで装填されているか否かを検出するために、センサ52が被包装物110の前端2a(搬送方向Xの下流側の端部)を検出しているか否かを制御部が判断する(ステップS12)。センサ52が被包装物110の前端2aを検出していない場合、制御部がエラーに関する報知を行って、被包装物110を前方溶断端1aの方までさらに差し入れることを使用者に促す。センサ52が被包装物110の前端2aを検出しないと、溶着ローラ31、第1従動ローラ41、溶断刃51、第2従動ローラ61、第1駆動ローラ42及び第2駆動ローラ62等は、動作しない。
センサ52が被包装物110の前端2aを検出すると、第1従動ローラ41が下降する(ステップS14)。このとき、第1駆動ローラ42は、停止している。第1従動ローラ41の下降により、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101が、第1従動ローラ41及び第1駆動ローラ42によって圧接状態で挟持される。被包装物110の装填されたフィルム帯状体101が、第1従動ローラ41及び第1駆動ローラ42によって圧接状態で挟持されることにより、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101についての正味の全体厚みtが測定される(ステップS16)。
被包装物110の装填されたフィルム帯状体101についての正味の全体厚みtの測定が完了すると、制御部としてのCPUは、正味の全体厚みtの測定値をRAMに記憶するとともに、後端空き長さ3b及び後端検出後の溶断長さを自動的に求めるように制御する。
第1駆動ローラ42を駆動させることにより、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101が、第1従動ローラ41及び第1駆動ローラ42で形成されるニップ部によって前方に搬送される。第1駆動ローラ42の駆動と同時に、加熱された溶着ローラ31が下降して、溶着動作を開始する(ステップS20)。すなわち、加熱された溶着ローラ31が折り合わせ部1hに圧接することにより、前方に形成された溶着部1cの一部分に続いて、後方に形成された溶着部1cの一部分が、折り合わせ部1hに形成される。
フィルム帯状体101の中に装填された被包装物110の前端2aが、第2従動ローラ61及び第2駆動ローラ62で形成されるニップ部のところまで搬送されて、被包装物110が第2従動ローラ61及び第2駆動ローラ62で形成されるニップ部のところに受け渡される(ステップS22)。被包装物110の前端2aが第2従動ローラ61及び第2駆動ローラ62のところに搬送されると、第2従動ローラ61が下降する(ステップS24)。その結果、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101は、第2従動ローラ61及び第2駆動ローラ62で形成されるニップ部によって挟持される。その後、第1従動ローラ41が上昇して(ステップS26)、第1従動ローラ41及び第1駆動ローラ42のニップ部によるニップを解除する。その結果、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101は、第2従動ローラ61及び第2駆動ローラ62で形成されるニップ部によって前方に搬送される。
次に、センサ52が被包装物110の後端2b(搬送方向Xの上流側の端部)を検出したか否かを制御部が判断する(ステップS28)。センサ52が被包装物110の後端2bを検出するまで、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101は、第2従動ローラ61及び第2駆動ローラ62で形成されるニップ部によって前方に搬送される。センサ52が被包装物110の後端2bを検出すると、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101は、被包装物110の後端2bが溶断刃51よりも前方に位置するように、第2従動ローラ61及び第2駆動ローラ62によって、測定された正味の全体厚みtに応じて変化する後端検出後の溶着長さで前方に搬送される(ステップS30)。被包装物110の装填されたフィルム帯状体101が後端検出後の溶着長さで搬送されるのが完了したのと同時に、溶着ローラ31が上昇して(ステップS32)、溶着動作を終了する。ステップS20での溶着動作の開始から、ステップS32での溶着動作の終了までの間に、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101の後方に形成された溶着部1cと、次のフィルム帯状体101の前方に形成された溶着部1cの一部分とが、折り合わせ部1hにおいて搬送方向Xに延びるように形成される。
第2従動ローラ61が上昇して(ステップS34)、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101が、第1従動ローラ41及び第1駆動ローラ42のニップ部によって挟持されることを解除して、前方への搬送動作を一時的に停止する。次に、溶断刃51が下降して、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101の後端部を溶断する(ステップS36)。当該溶断によって、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101では後方溶断端1b(搬送方向Xの上流側の溶断部)が形成される。その結果、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101は、被包装物110がフィルム帯状体101の中に包装された包装体1となる。それとともに、次のフィルム帯状体101として、前方溶断端1aと前方に形成された溶着部1cの一部分とを有する袋状のフィルム帯状体101が形成されている。
第2従動ローラ61が下降して(ステップS38)、包装体1について第2従動ローラ61及び第2駆動ローラ62で形成されるニップ部による前方への搬送を再開する。そして、包装体1が排出部14に排出される(ステップS40)。その後、第2従動ローラ61が上昇して(ステップS42)、前方への搬送動作を一時的に停止して、一連の搬送、溶着、溶断の各動作が完了する。
以後、上述した動作を繰り返すことによって、被包装物110がフィルム帯状体101の中に包装された包装体1が順次作成される。
図4A及び4Bは、上述した包装方法によって作成された包装体1を示している。図4Aに示すように、包装体1は、溶断によって形成された前方溶断端1a及び後方溶断端1bと、フィルム帯状体101の側端部1g同士を重ね合わせることによって形成された折り合わせ部1hと、を有する。折り合わせ部1hにおいては、搬送方向Xの前方に形成された溶着部1cの一部分と後方に形成された溶着部1cの一部分とが、一直線上に延在することによって、直線状の溶着部1cを形成している。
被包装物110が包装された包装体1では、被包装物110の前端2aがフィルム帯状体101の前方溶断端1aに対して実質的に突き当たっている。被包装物110の後端2bとフィルム帯状体101の後方溶断端1bとの間の搬送方向Xには、後端空きスペース3が形成されている。したがって、被包装物110の後端2bは、フィルム帯状体101の後方溶断端1bから、後端空き長さ3bで離間している。
ここで、後端空き長さ3bは、(後端検出後の溶断長さ)−(センサ52及び溶断刃51の間での搬送方向の長さ)という式で算出され、第1従動ローラ41及び第1駆動ローラ42でニップすることによって測定された正味の全体厚みtに応じて調整される値である。
したがって、第1従動ローラ41及び第1駆動ローラ42でニップすることによって測定された正味の全体厚みtに応じて、包装体1における後端空き長さ3bが自動的に調整されるので、全体厚みtに応じた適切な長さを有する後端空きスペース3が形成され、包装作業の自動化の推進、包装体1の包装品質の向上、樹脂製のフィルム帯状体101の使用量の適正化を図ることができる。
なお、上記実施形態は、第1従動ローラ41及び第1駆動ローラ42でニップすることによって測定された正味の全体厚みtに応じて、包装体1における後端空き長さ3bを自動的に調整する態様であるが、操作パネルの入力操作部を通じて、使用者の望む任意の数値が入力可能であるように構成することもできる。
次に、この発明に係る包装装置10において使用される第1搬送ユニット40,第2搬送ユニット60の構成について、図6A乃至図6Fを参照しながら詳細に且つ具体的に説明する。
図6A乃至図6Fに示した第1搬送ユニット40及び第2搬送ユニット60の各搬送機構は、同じ機構を有するように共通化されたユニットである。第1搬送ユニット40及び第2搬送ユニット60は、それぞれ、駆動モータ300の取り付けられた上ユニット325と、包装体1等を搬送するための従動ローラ343と、従動ローラ343が弾性的に支持された状態で取り付けられた下ユニット335と、駆動モータ300の回転駆動力を従動シャフト305に伝達する駆動力伝達機構と、駆動モータ300の回転駆動力を下ユニット335の上下駆動力に変換する駆動力変換機構と、を備えている。下ユニット335が上ユニット325に対して上下に移動自在であるように支持されている。従動ローラ343は、第1搬送ユニット40では第1従動ローラ41に対応し、第2搬送ユニット60では第2従動ローラ61に対応する。
上ユニット325は、駆動源としての駆動モータ300と、左右一対の上ガイドレール324の取り付けられた上フレーム部321と、従動シャフト305を回動自在に支持する左右一対の上支持部322と、を備える。左右の上支持部322が、上フレーム部321から直角に屈曲して延在するように形成されている。駆動モータ300が左側の上支持部322にビス等で取り付けられている。下ユニット335についての上位の退避位置を検出するフォトセンサ309が、上フレーム部321の表面側上部にビス等で取り付けられている。フォトセンサ309は、例えば離間配置された一対の発光部と受光部とを備えている。
駆動モータ300は、例えば、駆動パルスの数に比例して回転量が規定されるステッピングモータや、エンコーダによって回転量が検出されるサーボモータである。駆動モータ300の駆動シャフト301に取り付けられたプーリ302と、従動シャフト305に取り付けられたプーリ306とが、無端ベルト303を介して、連結されていて、駆動モータ300の回転駆動力が従動シャフト305に伝達される。したがって、プーリ302とプーリ306と無端ベルト303とにより、駆動力伝達機構が構成されている。
搬送方向Xに直交する横方向(すなわち左右方向)に延びる従動シャフト305は、左右の上支持部322に形成された開口部によって軸支されており、左右の上支持部322に対して中央寄りの位置においてそれぞれ取り付けられた一対のピニオン310を有する。各ピニオン310は、下ユニット335に取り付けられた後述するラック311と噛合している。各ピニオン310は、駆動力伝達機構を介して駆動モータ300と連動する従動シャフト305の回転運動を下ユニット335の上下の直線運動に変換する。すなわち、従動シャフト305のピニオン310と、下ユニット335のラック311とは、駆動力変換機構として働く。したがって、左右に設けられたピニオン310及びラック311からなる駆動力変換機構により、駆動モータ300の回転駆動力を下ユニット335の上下駆動力に変換することができる。
下ユニット335は、従動ローラ343と、左右のラック支持部332と、左右一対の下ガイドレール334の取り付けられた下フレーム部331と、従動ローラ343を回動自在に弾性的に支持する左右一対の搬送ローラ取付部342と、を備える。
左右の搬送ローラ取付部342が、下フレーム部331の下部から直角に屈曲して延在するように形成されている。左右のラック支持部332が、下フレーム部331の上部から直角に屈曲して延在するように形成されている。左側の搬送ローラ取付部342の外側には、センサ支持部312が、ストッパ面330を介して、搬送ローラ取付部342に対して離間して対向するように形成されている。
圧接検出手段350は、フォトセンサ319と先端突出部361とを備える。当該先端突出部361は、従動ローラ343の軸体340の一端(図6C等においては左端)からフォトセンサ319に向けて横方向の外方に延びる細い棒状体である。先端突出部361は、フォトセンサ319を構成する発光部と受光部との間に位置するように構成されている。先端突出部361とフォトセンサ319とは、実質的に、従動ローラ343の軸体340の回転軸上に整列配置されている。
なお、先端突出部361は、必ずしも従動ローラ343の軸体340から同軸で延びている必要はなく、従動ローラ343を一体的に軸支する軸支持部材337の上端面や側端面からフォトセンサ319に向けて横方向の外方に延びていてもよい。すなわち、圧接検出手段350の一部として働く先端突出部361は、従動ローラ343の軸体又は軸支持部材337からフォトセンサ319に向けて延びる構成とすることができる。また、先端突出部361は、軸支持部材337の上下のスライド移動方向に対して傾斜して配置されていてもよい。このように、従動ローラ343と一体になって移動する、従動ローラ343の軸体340あるいは軸支持部材337に形成される先端突出部361が、圧接検出手段350の一部分を構成しているので、圧接検出手段350の簡易化、部品点数の削減、低コスト化に貢献する。
従動ローラ343の圧接部341が包装体1等に圧接しているか否かを検出する圧接検出手段としてのフォトセンサ319が、最も下方に押し下げられた非圧接位置にある従動ローラ343から延びる先端突出部361に対向するように、センサ支持部312の内側側面に取り付けられている。例えば、フォトセンサ319の取付部がセンサ支持部312に形成された挿入孔に嵌挿されることで、フォトセンサ319がセンサ支持部312に固定されている。センサ支持部312は、第1取付部材として働く。
フォトセンサ319は、例えば離間した一対の発光部と受光部とを備えている。フォトセンサ319の発光部から放射された光が、最も下方に押し下げられた非圧接位置にある従動ローラ343の先端突出部361で遮光されて受光部で受光できなくなることにより、従動ローラ343の非圧接位置が検出される。そして、フォトセンサ319は、従動ローラ343が非圧接位置にあるという電気信号を発する。非圧接位置においては、フォトセンサ319と先端突出部361とが、横方向に一列に整列配置されている。逆に、圧接位置においては、従動ローラ343が包装体1等に当接してから従動ローラ343につながった先端突出部361が押し上げられるために、フォトセンサ319と先端突出部361とが、横一列の整列配置から外れた状態になり、フォトセンサ319は、従動ローラ343が圧接位置にあるという電気信号を発する。なお、コストダウンの目的で、第1搬送ユニット10で測定された全体厚みtのデータを、そのまま第2搬送ユニット60で用いるようにすれば、第2搬送ユニット60におけるフォトセンサ319を省略することも可能である。
したがって、従動ローラ343の圧接部341が包装体1等に対して当接してから後述する圧縮バネ348による押圧力に抗して押し上げられることによって、従動ローラ343の包装体1等に対する圧接位置が検出される。このように、従動ローラ343が圧接検出手段を兼ねることによって、圧接検出手段を簡易に且つ安価に構成することができる。なお、従動ローラ343が最も下方に押し下げられて当該従動ローラ343の圧接部341が包装体1等に対して当接及び圧接が行われていない非圧接位置は、フォトセンサ319による圧接状態の検出が行われずに次の圧接状態になるのを待機している状態にあるので、待機位置又はホーム位置と呼ぶことができる。
上フレーム部321の上ガイドレール324と下フレーム部331の下ガイドレール334とが滑動自在に係合して、下フレーム部331が上フレーム部321に対して上下にスライド移動することができるように構成されている。また、左右のピニオン310に噛合する左右のラック311が、左右のラック支持部332の外側面のそれぞれに対して、ビス等で取り付けられている。
上位の退避位置を検出するフォトセンサ309の離間した一対の発光部と受光部との間を検出バー352が自在に挿通できるように、検出バー352が、左側のラック支持部332の上端に設けられている。図6Aに示した例では、フォトセンサ309の発光部から放射された光が、検出バー352で遮光されて、フォトセンサ309の受光部で受光できなくなることにより、下ユニット335の上位の退避位置が検出される。そして、フォトセンサ309は、下ユニット335が上位の退避位置にあるという電気信号を発する。上述した待機位置(ホーム位置)は、フォトセンサ309によって検出された退避位置から、適宜のストロークで下動させた位置である。初期作動状態では、従動ローラ343が待機位置に位置するよりも、上位の退避位置に位置することにより、規定の厚みよりも大きなサイズの包装体1等が誤って混入・搬送されたとしても、混入・搬送された包装体1等が従動ローラ343と衝突すること無く安全に且つ確実に下流側に搬送される。なお、図6Fでは、下ユニット335が下方の位置にあり、フォトセンサ309の発光部から放射された光が、検出バー352で遮光されずに、フォトセンサ309の受光部で受光される。
駆動モータ300が回動すると、無端ベルト303を介して従動シャフト305が回動する。従動シャフト305の回動により、ピニオン310及びラック311を介して、下ユニット335が上下にスライド移動する。下ユニット335においては、後述するように、従動ローラ343が、左右の圧縮バネ348で下向きに付勢された左右の軸支持部材337を介して、左右の搬送ローラ取付部342に弾性的に支持されている。弾性体としての圧縮バネ348は、好適には、高温でもへたりの少ない、耐熱性や剛性に優れた金属材料(例えばピアノ線やステンレス鋼線)から構成されている。したがって、駆動モータ300が回動すると、下ユニット335は、上位の退避位置と下位の圧接位置との間を往復運動する。このとき、下ユニット335は、駆動モータ300の回転駆動力により、従動ローラ343が包装体1等から離間した状態にある離間動作、又は、従動ローラ343が包装体1等を圧接した状態にある圧接動作(全体厚みtを測定する全体厚み測定動作を含む。)のいずれかを行う。
第1従動ローラ41及び第2従動ローラ61としての従動ローラ343は、溶断ユニット50の溶断部材51の近傍に配置されるために、溶断部材51からの熱の影響を受けやすくなっているので、熱伝導性や耐熱性や剛性に優れた金属材料(例えばステンレス)から構成されていることが好ましい。当該構成により、従動ローラ343は、包装体1等を安定して押圧・搬送することができる。
従動ローラ343の軸体340を軸支する左右の軸支持部材337は、幅の狭いガイド部339と、ガイド部339よりも幅の広いフランジ部344と、軸体340が挿入される軸穴349と、圧縮バネ348の下端部を受け入れる凹部338と、をそれぞれ有する。軸支持部材337のガイド部339は、フランジ部344によって回転軸方向の変位が規制されながら、搬送ローラ取付部342のガイド溝347に沿って上下にスライド移動するように構成されている。その結果、左右の軸支持部材337で軸支された従動ローラ343は、圧縮バネ348を介して、搬送ローラ取付部342とセンサ支持部312と下フレーム部331とを含む第1取付部材(以下、第1取付部材等という。)に対して、上下にスライド移動することができる。したがって、従動ローラ343を回動自在に軸支する左右の軸支持部材337が、第2取付部材を構成する。なお、ガイド溝347の上下方向の長さは、従動ローラ343のスライド移動可能量(ストローク)を規定する。
他方、左右の搬送ローラ取付部342は、軸体340の回転軸方向に直交する上下方向に延びるガイド溝347を備えている。ガイド溝347の上部には、下向きに突出する突起329が形成されており、突起329が圧縮バネ348の上端部と係合し、圧縮バネ348の上向きの動きを規制する。ガイド溝347の下端部には、軸支持部材337のフランジ部344を係止して軸支持部材337の下限位置を規定するストッパ面330が形成されている。ストッパ面330は、搬送ローラ取付部342とセンサ支持部312とをつなぐ横方向に延びる接続面である。
圧縮バネ348は、軸支持部材337の凹部338と、搬送ローラ取付部342の突起329との間で係合保持される。すなわち、圧縮バネ348は、圧縮バネ348が押圧力を発揮できる圧縮状態にあって、軸支持部材337と搬送ローラ取付部342との間で係合保持されている。従動ローラ343を支持する軸支持部材337が、搬送ローラ取付部342のガイド溝347に沿って上向きにスライド移動するとき、逆に言えば、下ユニット335における第1取付部材等が下向きにスライド移動するとき、圧縮バネ348を圧縮する。そして、圧縮バネ348の圧縮量に比例して、軸支持部材337すなわち従動ローラ343を下向きに押圧する押圧力が発生する。
したがって、従動ローラ343の圧接部341が包装体1等に対して圧接位置にあることが圧接検出手段350で検出されたあと、第1取付部材等を含む下ユニット335がさらに下向きにスライド移動することができる。圧接状態では、そのスライド移動量に比例した押圧力が発生する。発生した押圧力により、従動ローラ343の圧接部341が包装体1等に圧接してニップ状態になる。すなわち、軸支持部材337の下面が、搬送ローラ取付部342の横方向に延びるストッパ面330で係止される下限位置(すなわち当接位置)から、圧縮バネ348の圧縮量すなわち従動ローラ343が上向きに変位する変位量が一定になるように制御される。当該制御により、従動ローラ343を下向きに押圧する押圧力を所定の一定の大きさにすることができる。一定の大きさを持った当該押圧力を包装体1等に対して印加しながら包装体1等を搬送方向下流側に搬送するので、当該押圧力はニップ搬送力と呼ぶことができる。
なお、従動ローラ343が包装体1等と圧接する圧接位置から、次の圧接動作に備える待機位置まで戻る場合、圧縮バネ348の押圧力により、従動ローラ343を軸支する左右の軸支持部材337の下面が、搬送ローラ取付部342のストッパ面330で係止されるまで、搬送ローラ取付部342がスライド移動する。
第1搬送ユニット40及び第2搬送ユニット60において、各従動ローラ343は、圧縮バネ348を介して、第1取付部材等を含む下ユニット335にそれぞれ連結されている。駆動モータ300の回転駆動力により、第1取付部材等を含む下ユニット335が上下にスライド移動することに伴って、従動ローラ343が上下にスライド移動するが、第1取付部材等を含む下ユニット335の置かれている状態により、第1取付部材等の挙動と従動ローラ343の挙動とが異なる。
従動ローラ343及び第1取付部材等を含む下ユニット335が取り得る状態を整理すると、上方から下方に向けて順に、包装体1等との衝突を回避するための上位の退避位置と、従動ローラ343の圧接部341が包装体1等に対して非当接である待機位置と、従動ローラ343の圧接部341が包装体1等に当接する当接位置と、従動ローラ343が包装体1等に圧接する圧接位置と、になる。
上述したように、駆動モータ300の回転駆動力により、下ユニット335が上下にスライド移動する。例えば、駆動モータ300がある方向に回転すると、下ユニット335が下方にスライド移動して、下ユニット335が、順に、退避位置、待機位置、当接位置、及び、圧接位置の各位置を取ることができる。そして、駆動モータ300が逆方向に回転すると、下ユニット335が上方にスライド移動して、下ユニット335が、順に、圧接位置、当接位置、待機位置、及び、退避位置の各位置を取ることができる。
退避位置から当接位置までの間は、従動ローラ343と、第1取付部材等を含む下ユニット335とが、一体的に上下にスライド移動する。これに対して、当接位置から圧接位置までの間は、従動ローラ343と、第1取付部材等を含む下ユニット335とは異なった動きをする。
すなわち、従動ローラ343は、包装体1等に当接することで、それ以上移動することが制限されるために静止状態となる。それに対して、第1取付部材等を含む下ユニット335は、包装体1等に向けてさらにスライド移動することができる。第1取付部材等を含む下ユニット335が包装体1等に最も近づいたときが圧接位置となる。このとき、圧縮バネ348の圧縮が行われるために、圧縮バネ348からの押圧力が発生する。その結果、圧接位置では、圧縮バネ348の圧縮量に比例した、従動ローラ343を下向きに押圧する押圧力が発生するので、従動ローラ343が包装体1等に圧接することになる。圧縮バネ348の圧縮量をある一定量に規定すると、押圧力が所定の一定の大きさになる。そして、搬送ローラ(第1駆動ローラ42及び第2駆動ローラ62)が回動すると、圧接位置にある従動ローラ343は、常に所定の一定で適切な大きさの押圧力を印加しながら包装体1等を搬送するようになる。
例えば、圧接検出手段350によって圧接位置が検出されてから、第1取付部材等を含む下ユニット335が包装体1等に向けて変位する変位量(圧縮バネ348の圧縮量)が所定の一定量になるように、駆動モータ300による駆動量が制御される。例えば、ステッピングモータでは、駆動パルス数により回転量が制御される。また、サーボモータでは、エンコーダ(回転検出器)によってサーボモータの回転量が検出されて所定のフィードバック制御が行われる。その結果、駆動シャフト301や従動シャフト305の回転量が制御されて、第1取付部材等を含む下ユニット335の変位量が制御される。それにより、圧縮バネ348の圧縮量が所定の一定量に制御され、従動ローラ343による押圧力が所定の一定で適切な大きさに制御される。
第1搬送ユニット40及び第2搬送ユニット60によれば、包装体1等を安全に且つ安定して搬送できることに加えて、圧接検出手段350の構成及び第1取付部材等を含む下ユニット335を包装体1に対して接離自在に移動させるための第1取付部材等の駆動機構がそれぞれ簡易であるので、更なる低コスト化を図ることができる。
上記構成の第1搬送ユニット(第1搬送部)40では、第1駆動ローラ42と、第1駆動ローラ42に対して接離自在に構成された第1従動ローラ41と、第1従動ローラの接離を検出する圧接検出手段350とが、全体厚み測定部の構成要素として働いている。
第1搬送部としての第1搬送ユニット40では、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101が、第1従動ローラ41及び第1駆動ローラ42によって圧接状態で挟持されたときの挟持間隔が、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101の正味の全体厚みtになる。圧接状態での挟持間隔は、第1従動ローラ41が退避位置から第1駆動ローラ42と圧接するローラ圧接位置まで移動するときの最大ストロークから、第1従動ローラ41が退避位置から被包装物110の装填されたフィルム帯状体101に圧接状態で挟持する圧接位置まで移動するときの挟持ストロークを差し引くことによって算出される。なお、ローラ圧接位置は、通常の圧接位置のように被包装物110毎に変動するものでないため、組み立てられた包装装置10に固有の初期設定値としてROMに記憶される。
第1従動ローラ41においては、金属製の軸体340等に起因したそれ自身の比較的大きな重力と、圧縮バネ348によって第1駆動ローラ42に向けて付勢する押圧力と、が働いている。これらの力に抗して第1従動ローラ41を上方に移動させるためには、比較的大きな力を必要とする。そして、第1従動ローラ41の自重及び押圧力からなる力は、第1従動ローラ41を被包装物110に対して圧接させる圧接力として働く。
なお、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101が、第1従動ローラ41及び第1駆動ローラ42によって圧接状態ではなくて当接状態で挟持されたときには、挟持間隔が、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101の当接状態での全体厚みtになる。当接状態での挟持間隔(全体厚みt)は、第1従動ローラ41が退避位置から第1駆動ローラ42と当接するローラ当接位置まで移動するときの最大ストロークから、第1従動ローラ41が退避位置から被包装物110の装填されたフィルム帯状体101に当接状態で挟持する当接位置まで移動するときの挟持ストロークを差し引くことによって算出される。なお、ローラ当接位置も、組み立てられた包装装置10に固有の初期設定値としてROMに記憶される。後述するように、圧接状態の方が、当接状態よりも全体厚みtを正確に測定することができる。
被包装物110が全体的に平坦ではなく、反っていたり膨らんでいたりする場合(以下、単に、「反っている」や「反った」という。)がある。そのような場合、上記圧接力を備える第1従動ローラ41が被包装物110に圧接することによって、反った状態の被包装物110を平坦な状態に矯正することができる。第1従動ローラ41が被包装物110に圧接することによって、反った状態の被包装物110が平坦な状態に矯正され、平坦な状態に矯正された被包装物110の装填されたフィルム帯状体101が測定される。その結果、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101についての正味の全体厚みtを測定することができる。
上記構成によれば、新たな全体厚み測定部を設置することなく、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101についての正味の全体厚みtを正確に且つ低コストで測定することができる。
なお、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101についての全体厚みtを測定する全体厚み測定部として、公知の厚み検出センサ(接触式、光学式、超音波式等のセンサ)を、包装装置10において別途に設ける構成とすることもできる。
例えば、接触式の厚み検出センサでは、一般的に、検出レバーが被包装物110の装填されたフィルム帯状体101に軽く当接するだけであるため、上記第1従動ローラ41による圧接力は働かない。公知の厚み検出センサを用いた場合、被包装物110に対する圧接力が実質的に働かず、大きく反った被包装物110を平坦な状態に矯正することができないため、大きく反った被包装物110の測定には適していない。しかしながら、大きく反った被包装物110であっても高い測定精度を必要としない場合や、大きく反っていない被包装物110を測定する場合や、厚みの薄い被包装物110を測定する場合には、上述した公知の厚み検出センサでも用いることができる。
したがって、全体厚み測定部としては、反った状態の被包装物110を平坦な状態に矯正して正味の厚みを測定することができる圧接力を備える第1従動ローラ41を用いる態様が好適であるが、圧接力の働かない公知の厚み検出センサでも用いる態様とすることもできる。
次に、この発明に係る包装装置10において使用される溶着ユニット30の構成について、図7A及び7Bを参照しながら詳細に且つ具体的に説明する。
図7A及び7Bに示した溶着ユニット30は、駆動モータ200の取り付けられたメインフレーム221と、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101に溶着部1cを形成するための溶着フレーム241Aと、溶着フレーム241Aがスライド自在に弾性的に支持されたサブフレーム231と、駆動モータ200の回転駆動力を従動シャフト205に伝達する駆動力伝達機構と、駆動モータ200の回転駆動力をサブフレーム231の上下駆動力に変換する駆動力変換機構と、を備えている。左右一対のガイドレール234を介して、サブフレーム231がメインフレーム221に対して上下にスライド自在であるように構成されている。
メインフレーム221は、駆動源としての駆動モータ200と、左右一対のガイドレール234の一方の取り付けられたメインフレーム本体223と、従動シャフト205を回動自在に支持する左右一対の支持部と、を備える。駆動モータ200が左側の支持部にビス等で取り付けられている。サブフレーム231についての上位の退避位置を検出するフォトセンサ209が、メインフレーム本体223の表面側上部にビス等で取り付けられている。フォトセンサ209は、例えば離間配置された一対の発光部と受光部とを備えている。
駆動モータ200は、例えば、駆動パルスの数に比例して回転量が規定されるステッピングモータや、エンコーダによって回転量が検出されるサーボモータである。駆動モータ200の駆動シャフト201に取り付けられたプーリ202と、従動シャフト205に取り付けられたプーリ206とが、無端ベルト203を介して、連結されていて、駆動モータ200の回転駆動力が従動シャフト205に伝達される。したがって、プーリ202とプーリ206と無端ベルト203とにより、駆動力伝達機構が構成されている。
搬送方向Xに直交する横方向(すなわち、図7A及び7Bの左右方向)に延びる従動シャフト205は、左右の支持部に形成された開口部によって軸支されており、左右の支持部に対して中央寄りの位置においてそれぞれ取り付けられた一対のピニオン210を有する。各ピニオン210は、サブフレーム231に取り付けられた後述するラック211と噛合している。各ピニオン210は、駆動力伝達機構を介して駆動モータ200と連動する従動シャフト205の回転運動をサブフレーム231の上下の直線運動に変換する。すなわち、従動シャフト205のピニオン210と、サブフレーム231のラック211とは、駆動力変換機構として働く。したがって、左右に設けられたピニオン210及びラック211からなる駆動力変換機構により、駆動モータ200の回転駆動力をサブフレーム231の上下駆動力に変換することができる。
サブフレーム231は、裏面側に左右一対のガイドレール234の他方が取り付けられているとともに、表面側に左右一対のガイドレール224の一方の取り付けられたサブフレーム本体232を備える。サブフレーム本体232の表面側の左右の側部には、ラック211がそれぞれ取り付けられている。
溶着ローラ31の溶着刃230が包装体1等に圧接しているか否かを検出する圧接検出手段としてのフォトセンサ219が、サブフレーム本体232の表面側に取り付けられている。溶着フレーム241Aの上面には、上方に延在する上方突出部261が取り付けされている。
フォトセンサ219は、例えば離間した一対の発光部と受光部とを備えている。フォトセンサ219の発光部から放射された光が、最も下方に押し下げられた非圧接位置にある溶着フレーム241Aの上方突出部261で遮光されずに受光部で受光できることにより、溶着ローラ31の溶着刃230の非圧接位置が検出される。そして、フォトセンサ219は、溶着刃230が非圧接位置にあるという電気信号を発する。逆に、圧接位置においては、溶着刃230が包装体1等に当接したあと溶着フレーム241Aに取り付けられた上方突出部261が押し上げられる。そのために、フォトセンサ219の発光部から放射された光が、上方突出部261で遮光されて受光部で受光できなくなることにより、溶着刃230の当接が検出される。そして、フォトセンサ219は、溶着刃230が当接状態にあるという電気信号を発する。したがって、フォトセンサ219によって、溶着刃230が包装体1等に当接しているか否かについて検出することができる。
図7Bに示すように、検出バー252がサブフレーム231の左側のラック支持部の上端に設けられ、フォトセンサ209がメインフレーム221の上部に設けられている。検出バー252が、上位の退避位置を検出するフォトセンサ209の離間した一対の発光部と受光部との間を自在に挿通できるように構成されている。図7Bに示した例では、フォトセンサ209の発光部から放射された光が、検出バー252で遮光されて、フォトセンサ209の受光部で受光できなくなることにより、溶着フレーム241Aの上位の退避位置が検出される。そして、フォトセンサ209は、溶着フレーム241Aが上位の退避位置にあるという電気信号を発する。
駆動モータ200が回動すると、無端ベルト203を介して従動シャフト205が回動する。従動シャフト205の回動により、ピニオン210及びラック211からなる駆動力変換機構とガイドレール224とを介して、サブフレーム231が上下にスライド移動する。
溶着フレーム241Aは、溶着フレーム本体237を備え、溶着フレーム本体237の上面に設けられた取付部を介して、左右一対のガイドレール224の他方に取り付けられている。サブフレーム231のサブフレーム本体232には開口233が形成されている。開口233を通じて、引張バネ235の上端が溶着フレーム241Aの溶着フレーム本体237に接続され、引張バネ235の下端がサブフレーム231のサブフレーム本体232に接続されている。溶着フレーム241Aがサブフレーム231に対して上方に移動すると、引張バネ235が引き伸ばされて、弾性力が発生する。当該弾性力は、引張バネ235の引張量に比例して、溶着ローラ31を下向きに押圧する押圧力として働く。当該押圧力によって、溶着ローラ31の溶着刃230が包装体1等に圧接することを可能にする。また、溶着フレーム241Aの落下を規制する係止ストッパーが、サブフレーム231のサブフレーム本体232の上部に設けられており、溶着フレーム241Aの溶着フレーム本体237の上側係止部で係止するように構成されている。
溶着フレーム241Aは、溶着ローラ31の回転駆動源としての駆動モータ225と、左右一対のガイドレール224の他方に取り付けられた溶着フレーム本体237と、溶着ローラ31を回動自在に支持する左右一対の支持部と、を備える。駆動モータ227が左側の取付板227にビス等で取り付けられている。駆動モータ227からの回転駆動力は、変速ギア226及び従動シャフトを介して、溶着ローラ31に伝達される。
溶着ローラ31は、中心に位置する円柱状のヒータ部と、ヒータ部の回りを回転する中空の円筒状のローラ部と、ローラ部において周囲よりも径方向外側に突出した溶着刃230と、を備える。溶着刃230が、溶着フレーム本体237の下面に形成された切欠開口部から露出するように構成されている。溶着ローラ31のヒータ部に通電すると、ヒータ部が加熱され、ヒータ部の熱がローラ部に伝わって、最終的に溶着刃230が所定の溶着温度に加熱される。例えば、溶着刃230は、約150度に加熱される。溶着動作においては溶着ローラ31が高温になるため、溶着ローラ31を囲むように保護カバー228が設けられている。なお、溶着ローラ31において、ヒータ部からの溶着刃230への熱伝達が遅延する場合には、サーミスタ等のセンサにて測定した溶着ローラ31周辺の雰囲気温度に基づいて、フィルム帯状体101の搬送速度を調整するように構成してもよい。例えば、溶着ローラ31周辺の雰囲気温度が、所定の温度よりも低い場合は、フィルム帯状体101の搬送速度を遅らせるように制御すれば、上記熱伝達の遅延も解消することができる。
なお、包装装置10の電源をOFFにしたときに、ステッピングモータやサーボモータからなる駆動モータ200の静止保持力が働かないために、サブフレーム231及び溶着フレーム241Aの自重で、加熱された溶着ローラ31が落下してフィルム帯状体101を破損してしまう恐れがある。溶着ローラ31の落下を防止するために、落下防止部材270が、メインフレーム221とサブフレーム231との間に介在配置されている。落下防止部材270は、例えば、サブフレーム231及び溶着フレーム241Aの自重を支えて保持することができる磁力を有する永久磁石である。例えば、永久磁石がサブフレーム231の上部に取り付けされて、磁石のくっつく金属材料(例えば、鉄板)からなるメインフレーム221の上面に永久磁石が吸着することによって、サブフレーム231をメインフレーム221に固着させるように構成することができる。永久磁石の磁気固着力が駆動モータ200の回転駆動力よりも小さくなるように構成されている。したがって、包装装置10の電源をONにすると、駆動モータ200の回転駆動力が永久磁石の磁気固着力に打ち勝って、サブフレーム231がメインフレーム221から離脱して、下方に動くことができる。したがって、落下防止部材270の配設によって、サブフレーム231をメインフレーム221に対して着脱自在に取り付けることができる。また、フォトセンサ209によってサブフレーム231についての上位の退避位置が検出されているが、落下防止部材270によるサブフレーム231の固着位置は、サブフレーム231の退避位置よりも上位に位置している。
上述したように、包装部13が、溶着ユニット30と、第1搬送ユニット40と、溶断ユニット50と、第2搬送ユニット60と、から構成され、溶着ユニット30の搬送方向Xの上流側には、フィルム折り部材21が配設されている。包装装置10は、複数種類の被包装物110の厚みに対応するべく、複数種類のフィルム折り部材21が交換可能に構成されている。溶着プラテン35がフィルム折り部材21の上面に一体構成されているため、フィルム折り部材21を交換すると、溶着ローラ31の溶着刃230から溶着プラテン35までの距離が変わってしまう。そのため、フィルム帯状体101の搬送タイミングや溶着開始タイミングの微調整が必要になる。
フィルム折り部材21の種別を判別するための方策として、例えば、使用者が操作パネルの入力操作部を介して入力する方法や、フィルム折り部材21の形状を部分的に特徴的な形状に変えて、当該特徴的な形状をセンサによって検出する方法とすることができる。また、駆動モータ200としてステッピングモータ又はサーボモータを用いた場合、溶着ローラ31の溶着刃230が退避位置から溶着プラテン35に圧接する位置まで移動するときの距離を、駆動パルス又はエンコーダの回転量をそれぞれ計測することによって、判別することもできる。
次に、この発明に係る包装装置10において使用される溶断ユニット50の構成について、図8A及び8Bを参照しながら詳細に且つ具体的に説明する。溶断フレーム241Bを除く基本的な構成が、上述した溶着ユニット30の構成と共通しているので、溶着ユニット30との相違点を中心に説明する。また、溶着ユニット30における構成要素と実質的に同じ機能を有する構成要素については、同じ参照符号を付している。
図8A及び8Bに示した溶断ユニット50は、駆動モータ200の取り付けられたメインフレーム221と、被包装物110の装填されたフィルム帯状体101に前方溶断部1a及び後方溶断部1bを形成するための溶断フレーム241Bと、溶断フレーム241Bがスライド自在に弾性的に支持されたサブフレーム231と、駆動モータ200の回転駆動力を従動シャフト205に伝達する駆動力伝達機構と、駆動モータ200の回転駆動力をサブフレーム231の上下駆動力に変換する駆動力変換機構と、を備えている。左右一対のガイドレール234を介して、サブフレーム231がメインフレーム221に対して上下にスライド自在であるように構成されている。
溶断ユニット50のメインフレーム221は、駆動モータ200と、左右一対のガイドレール234の一方の取り付けられたメインフレーム本体223と、従動シャフト205を回動自在に支持する左右一対の支持部と、フォトセンサ209と、を備える。従動シャフト205のピニオン210と、サブフレーム231のラック211とによって、駆動力変換機構が構成されている。
溶断ユニット50のサブフレーム231は、裏面側に左右一対のガイドレール234の他方が取り付けられているとともに、表面側に左右一対のガイドレール224の一方の取り付けられたサブフレーム本体232を備える。サブフレーム本体232の表面側の左右の側部には、ラック211がそれぞれ取り付けられている。
メインフレーム221に設けられたフォトセンサ209の発光部から放射された光が、サブフレーム231に設けられた検出バー252で遮光されて、フォトセンサ209の受光部で受光できなくなることにより、溶断フレーム241Bの上位の退避位置が検出される。そして、フォトセンサ209は、溶断フレーム241Bが上位の退避位置にあるという電気信号を発する。駆動モータ200の回動により、ピニオン210及びラック211からなる駆動力変換機構とガイドレール224とを介して、サブフレーム231が上下にスライド移動する。
溶断フレーム241Bは、溶断フレーム本体222を備え、溶断フレーム本体222の上面に設けられた取付部を介して、左右一対のガイドレール224の他方に取り付けられている。サブフレーム231のサブフレーム本体232に形成された開口233を通じて、左右の引張バネ235の上端が溶断フレーム241Bの溶断フレーム本体222にそれぞれ接続され、左右の引張バネ235の下端がサブフレーム231のサブフレーム本体232にそれぞれ接続されている。
溶断フレーム241Bがサブフレーム231に対して上方に移動すると、左右の引張バネ235が引き伸ばされて、弾性力が発生する。当該弾性力は、引張バネ235の引張量に比例して、溶断刃51を下向きに押圧する押圧力として働く。当該押圧力によって、溶断刃51がフィルム帯状体101に圧接することを可能にする。また、溶断フレーム241Bの落下を規制する係止ストッパーが、サブフレーム231のサブフレーム本体232の上部に設けられており、溶断フレーム241Bの溶断フレーム本体222の上側係止部で係止するように構成されている。
溶断フレーム241Bは、左右一対のガイドレール224の他方に取り付けられた溶断フレーム本体222と、溶断刃51を有する溶断ブロック243と、を備える。
溶断ブロック243は、中心に位置する円柱状のヒータ部242と、ヒータ部242が埋入される中空の加熱ブロックと、加熱ブロックの下面に取り付けられて下方に先細に突出する溶断刃51と、を備える。溶断刃51が、サブフレーム本体232の下部に取り付けられた保護カバー224の開口部245を通じて出没自在となるように構成されている。溶断ブロック243のヒータ部242に通電すると、ヒータ部242が加熱され、ヒータ部242の熱が加熱ブロックに伝わって、最終的に溶断刃51が所定の溶断温度に加熱される。溶断刃51は、例えば、約200度に加熱される。
なお、溶断ユニット50のサブフレーム231には、溶断時において溶断フレーム241Bの溶断刃51が適切な態様で圧接しているかを検出するためのセンサが設けられていない。これは、溶断位置が、被包装物110の厚みとは無関係の或る固定位置(フィルム帯状体101の厚みを無視すると、実質的には、図2に示す溶断プラテン55の位置)になるからである。さらに、溶断刃51が溶着刃230よりも高温に加熱されるため、高温の溶断刃51の近傍にセンサを設置することが難しいからである。
駆動モータ200としてステッピングモータを用いた溶断ユニット50では、センサを設置する代わりに、以下の方法によって、溶断時において溶断刃51が適切な圧接力で押圧しているか否かを検出している。
包装装置10が組み立てられて出荷される前に、溶断フレーム241Bの溶断刃51が退避位置から溶断プラテン55との圧接位置まで下降するように、ステッピングモータを作動させる。溶断刃51が溶断プラテン55に当接したあと、ステッピングモータをさらに作動させることによって、左右2つの引張バネ235による押圧力が印加される。引張バネ235による押圧力に抗しながら、サブフレーム231をさらに下方に移動させると、溶断フレーム241Bの上面がサブフレーム231の表面側に設けられた突出ストッパ238(例えば、ネジのヘッド部)に当たってステッピングモータの作動が停止する。このとき、ステッピングモータは、過負荷により、入力パルス信号とロータ回転との同期が失われて、いわゆる脱調を引き起こす。
そこで、退避位置から脱調近傍位置までの下方移動動作を繰り返すことにより、ステッピングモータが脱調を引き起こす直前のパルス数を求めることができる。脱調を引き起こす直前のパルス数から、或る包装装置10に固有である溶断ストロークを求めることができる。当該溶断ストロークは、或る包装装置10に固有の定数として包装装置10毎に求められて、ROMに記憶される。そして、溶断ストロークに基づいて、フィルム帯状体101に対する溶断刃51の圧接力を適切に調整される。したがって、溶断ユニット50において、溶断刃51の位置を検出するためのセンサを用いることなく、溶断刃51による圧接を適切に制御することができる。
(この実施形態の作用及び効果)
したがって、この発明の包装装置10及び包装方法によれば、
(1)被包装物110が装填されたフィルム帯状体101の全体厚みtが全体厚み測定部によって測定され、当該全体厚みtに応じて、包装体1における後端空きスペース3の搬送方向長さ3bを自動的に調整することによって、全体厚みtに応じた適切な長さの後端空きスペース3が形成され、包装作業の自動化の推進、包装体の包装品質の向上、フィルムの使用量の適正化を図ることができる。
(2)全体厚み測定部が第1駆動ローラ42及び第1従動ローラ41を含み、第1駆動ローラ42及び第1従動ローラ41を用いて、被包装物110が装填されたフィルム帯状体101を挟持したときの挟持間隔を測定することによって、厚み検出センサを別途に設けることが不要になり、包装装置10における部品点数の削減と低コスト化に寄与することができる。
(3)挟持間隔は、第1従動ローラ41が退避位置からローラ当接位置まで移動するときの最大ストロークから、第1従動ローラ41が退避位置から当接位置まで移動するときの挟持ストロークを差し引くことによって算出されるので、全体厚みtの測定が非常に容易である。
(4)第1従動ローラ41は、第1駆動ローラ42に向けて押圧力が働くように構成されているので、第1駆動ローラ42による圧接力が被包装物110が装填されたフィルム帯状体101に働き、正味の全体厚みtを測定することができる。
(5)被包装物110の後端2bは、光学式センサによって検出されるので、被包装物110の後端2bの検出動作が簡単で且つ確実になる。
なお、この発明を理解しやすくするために、具体的な構成や材料を示して説明したが、これらはあくまでも例示であって、この発明の技術的範囲を限定するものではない。この発明の技術的範囲内において、種々の実施形態や変形例を構成することができることは、当業者には明らかである。