JP6272615B2 - パワーユニットの補機取り付け構造 - Google Patents

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Description

本発明は、パワーユニットの補機をシリンダヘッドに取り付ける場合の補機取り付け構造に関する。
従来のパワーユニットにおいて、シリンダヘッドにウォーターポンプを取り付けるものでは、例えば下記特許文献1に示されるように、カムシャフトに嵌装されたジョイント部材に対してウォーターポンプ軸を挿入して組み付けられており、カムシャフトを取り外す場合には、挿入したウォーターポンプ軸を取り外さなければならず、カムシャフトを取り外す必要が生じるタペットシムの交換等において、メンテナンスの作業性の改善が望まれていた。
特開2014−070499号公報(図1〜図5)
本発明は、かかる従来技術に鑑みてなされたものであり、シリンダヘッドにカムシャフトと同軸線で接続して回転する被動シャフトを有する補機を取り付けた場合でも、補機を取り外すことなく、カムシャフトを取り外すことができ、弁駆動部材の取り外し取り付け操作ができ、整備性が良好で、パワーユニットを小型化することができるパワーユニットの補機取り付け構造を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、シリンダヘッドとそれを覆うヘッドカバーと、前記シリンダヘッドに支持されたカムシャフトの一端側に設けられカムシャフトと同軸線で接続して回転する被動シャフトを有する補機を備え、前記カムシャフトの前記一端側のカム山により押圧駆動される弁駆動部材を備えたパワーユニットの補機取り付け構造において、前記パワーユニットは、シリンダ軸線がクランク軸方向において2本並び、クランクピンの位相が相互に180度ずれ、前記シリンダヘッド上に前記クランク軸と平行に吸気カムシャフトおよび排気カムシャフトを備えた直列2気筒DOHC式の内燃機関で構成され、前記吸気カムシャフトの一端側に前記補機が設けられ、前記吸気カムシャフトの前記一端側の軸端に前記吸気カムシャフトの軸線と垂直方向の補機駆動用の直線溝を有し、前記補機側の前記被動シャフトには前記直線溝と嵌合する直線リブが突設されるとともに、同直線リブは、前記被動シャフトの軸線を含む中央部に前記弁駆動部材を通過させる逃げ部を備え、前記クランク軸方向で前記補機取り付け側から見て、前記クランク軸にはタイミング合わせマークが180度間隔で2個所印字されており、その一方のタイミング合わせマークが所定の位置の時、前記吸気カムシャフトの一端側の軸端の補機駆動用の前記直線溝が前記シリンダ軸線の方向となるように設けられたことを特徴とするパワーユニットの補機取り付け構造である。
請求項2に記載の発明は、シリンダヘッドとそれを覆うヘッドカバーと、前記シリンダヘッドに支持されたカムシャフトの一端側に設けられ同カムシャフトと同軸線で接続して回転する被動シャフトを有する補機を備え、前記カムシャフトの前記一端側のカム山により押圧駆動される弁駆動部材を備えたパワーユニットの補機取り付け構造において、前記パワーユニットは、シリンダ軸線がクランク軸方向において2本並び、前記シリンダヘッド上に前記クランク軸と平行に吸気カムシャフトおよび排気カムシャフトを備えた直列2気筒DOHC式の内燃機関で構成され、前記吸気カムシャフトの一端側に前記補機が設けられ、前記吸気カムシャフトの前記一端側の軸端に前記吸気カムシャフトの軸線と垂直方向の補機駆動用の直線溝を有し、前記補機側の前記被動シャフトには前記直線溝と嵌合する直線リブが突設されるとともに、同直線リブは、前記被動シャフトの軸線を含む中央部に前記弁駆動部材を通過させる逃げ部を備え、前記直線溝は、前記シリンダ軸線方向に見て前記弁駆動部材と重なる位置にあり、前記被動シャフトの逃げ部は、前記直線リブに前記弁駆動部材を通過させる傾斜切欠き部を設けることによって備えられたことを特徴とするパワーユニットの補機取り付け構造である。
請求項に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のパワーユニットの補機取り付け構造において、前記弁駆動部材は、前記シリンダヘッドに設けられた吸気弁または排気弁のバルブリフタであり、同バルブリフタと前記吸気弁または排気弁のステムエンドとの間にシム部材を備えたことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のパワーユニットの補機取り付け構造において、前記補機はウォーターポンプ装置であり、同ウォーターポンプ装置は、前記吸気カムシャフトの前記一端側に設けられたことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のパワーユニットの補機取り付け構造において、前記内燃機関の吸気系部品は、スロットル装置のスロットルバルブと、同スロットルバルブを駆動するスロットル駆動モータとを備え、同スロットル駆動モータの動力をスロットルバルブへ伝動するための駆動系部材が前記ウォーターポンプ装置に近設されたことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のパワーユニットの補機取り付け構造において、前記ウォーターポンプ装置は、インペラ室を備え、同インペラ室から前記パワーユニットの内燃機関の冷却水入口までの冷却水吐出通路のポンプ本体側が一体成形されたことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のパワーユニットの補機取り付け構造において、前記ウォーターポンプ装置(8)は、前記インペラ室(85)と一体化された前記冷却水吐出通路(86)が前記シリンダヘッド(23)の側面に締結具(91)により組立てられることを特徴とする。
請求項1に記載の発明のパワーユニットの補機取り付け構造によれば、カムシャフトは、その直線溝の方向を所定の上下方向にして補機側の被動シャフトの直線リブに沿って移動させることで、補機を取り外すことなく、シリンダヘッドから取り外すことができ、
補機側の被動シャフトを直線リブの逃げ部が弁駆動部材を通過させる回動位置にすれば、直線リブによる支障無しに弁駆動部材の取り外し取り付け操作ができ、
整備性が向上するとともに、逃げ部によって直線リブをカムシャフトの軸心方向で弁駆動部材に近づけることができてパワーユニットを小型化することができる。
そして、クランク軸に設けられた2つのタイミング合わせマークの一方により、カムシャフトの取り外し位相が容易に判別できてパワーユニットのメンテナンス性を向上できる。
また、請求項2に記載の発明のパワーユニットの補機取り付け構造によれば、カムシャフトは、その直線溝の方向を所定の上下方向にして補機側の被動シャフトの直線リブに沿って移動させることで、補機を取り外すことなく、シリンダヘッドから取り外すことができ、
補機側の被動シャフトを直線リブの逃げ部が弁駆動部材を通過させる回動位置にすれば、直線リブによる支障無しに弁駆動部材の取り外し取り付け操作ができ、
整備性が向上するとともに、逃げ部によって直線リブをカムシャフトの軸心方向で弁駆動部材に近づけることができてパワーユニットを小型化することができる。
そして、カムシャフトの小型化と補機の内側配置が可能となり、メンテナンス性が確保される。
請求項の発明によれば、請求項1または請求項2の発明の効果に加え、バルブリフタの頂面に外側シム部材を備えた場合は、頂面に、カム山と当接する範囲の大きさの外側シム部材を装着するための周囲の囲い部分の大きさが必要となるが、
バルブリフタの中側にシム部材が収納されたので、バルブリフタの頂面はカム山と当接する範囲の大きさでよく、バルブリフタの小型化が図られ、更なるパワーユニットの小型化に寄与することができる。
請求項の発明によれば、請求項の発明の効果に加え、吸気系部品との距離が近接する吸気カムシャフト側へ配置されたウォーターポンプ装置においても、バルブリフタのシム部材のメンテナンス時のウォーターポンプ装置の取り外しが不要であるため、
ウォーターポンプ装置の取り外しによる工数的およびスペース的なメンテナンス性の低下を防止でき、メンテナンススペースの削減によって更なるパワーユニットの小型化に寄与することができる。
請求項の発明によれば、請求項の発明の効果に加え、スロットル装置の駆動系部材をウォーターポンプ装置に近設したことで、スロットル駆動モータをシリンダヘッドに近づけることができて、メンテナンス性の確保と小型化を更に図ることができる。
請求項の発明によれば、請求項の発明の効果に加え、シム部材交換等のメンテナンス時においてウォーターポンプ装置の取り外しが不要なので、ウォーターポンプ装置から内燃機関までの冷却水吐出通路を、ウォーターポンプ装置の取り外しを考慮した場合の可撓性ホースとすることなく、ウォーターポンプ装置と一体化されたものとしたので、冷却水吐出通路がコンパクトに形成され部品点数が減じると共に、メンテナンスを効率よく行える。
請求項の発明によれば、請求項の発明の効果に加え、カムシャフトメンテナンス時のウォーターポンプ装置の取り外しを防止できるので内部冷却水の流出に伴うメンテナンス性の低下を防止できる。
本発明の一実施形態に係る補機取り付け構造を有するパワーユニット1の一部を断面とする左側面図である。 図2に示すパワーユニットのクランク軸より上方の右側面断面図である。 図2中、III−III矢視と、III−III′矢視の合成による、パワーユニットの断面展開図である。 なお、図3においては、矢視方向の関係から、排気側の部材が図示されないが、図示された吸気側の部材の符号に、対応する排気側の部材の符号を、カギカッコ付きで添記して示す。 図2中に示される吸気カムシャフトを抜き出して(a)部に示し、(a)部中、b−b矢視による左端面図を(b)部に示す。 図2中に示されるポンプ軸を抜き出して(a)部に示し、(a)部中、b−b矢視による右端面図を(b)部に示し、(a)、(b)部中、c−c矢視図を(c)部に示す。 図2中、概ねVI−VI矢視による、ヘッドカバー、カムシャフトホルダを外し、バルブリフタを示さず、吸気カムシャフトとポンプ軸を2点鎖線で示す、シリンダヘッドの上面図であり、両軸の係合状態において、吸気カムシャフト取り外し可能状態を示す。 図2中、概ねVII−VII矢視によるシリンダヘッドの上面図であり、図6において、さらに吸気カムシャフトを取り外した後、ポンプ軸を回動させた状態を示す。なお、シリンダヘッドの上面の、吸気弁側のバルブガイドの上端とバルブリフタを収容する筒部材が、バルブリフタを外した状態で示される。 クランクアングルと、各気筒に対する吸気カム、排気カムのカム山の突出状態の関係を示す。 クランクアングル0度あるいは720度の第1タイミングT1における、クランク軸と同軸同回転するACGのローターホイールおよびカム駆動スプロケット、同期回転駆動される吸気側被動スプロケット、吸気カムシャフトおよびそのフランジ部と吸気カム、排気側被動スプロケット、排気カムシャフトおよびそのフランジ部と排気カム等の状態を重ね合わせて示し、吸気カムシャフトの直線溝の状態とともに模式的に図示する左面図である。 クランクアングル180度の第2タイミングT2における、クランク軸と同軸同回転するACGのローターホイールおよびカム駆動スプロケット、同期回転駆動される吸気側被動スプロケット、吸気カムシャフトおよびそのフランジ部と吸気カム、排気側被動スプロケット、排気カムシャフトおよびそのフランジ部と排気カム等の状態を重ね合わせて示し、吸気カムシャフトの直線溝の状態とともに模式的に示す左面図である。
本明細書の説明および特許請求の範囲における前後左右上下等の向きは、本実施形態に係るパワーユニット1を、図示しない車両、例えば自動二輪車に搭載された図1に示す姿勢での車両(自動二輪車)の向きに従って記載する。
図1に示す姿勢において、図示左方が車両前方、図示上方が車両上方、図示向こう側が車両右方、図示手前側が車両左方である。
図中において、矢印FRは車両の向きに従い前方を、LHは左方を、RHは右方を、UPは上方を、それぞれ示す。
図1は、本発明の一実施形態に係る補機取り付け構造を有するパワーユニット1の、一部を断面とする左側面図である。パワーユニット1を構成する内燃機関2は、水冷直列2気筒の4ストロークサイクルDOHC内燃機関である。すなわち、シリンダヘッドの動弁機構において直列2気筒の各バルブリフタを共に操作する吸気側と排気側のカムシャフト41、42が、それぞれ1本、計2本備えられている。
本実施形態に係る内燃機関2は、そのクランク軸21を、搭載される車両である図示しない自動二輪車の車幅方向、すなわち左右方向に指向させて自動二輪車に搭載される。
図1に示されるように、クランク軸21を車幅方向に配置して軸支するクランクケース20は、クランク軸21を中心に分割面20aで上下に分割される上下割りに構成されている。
上部クランクケース20Aの前側上面には、2個のシリンダボア22a(図3参照)を有するシリンダブロック22と、シリンダヘッド23が、シリンダ軸線Xをやや前傾させて、上方に突出するように順に重ね合わされて締結され、さらにシリンダヘッド23の上にはヘッドカバー24が被せられている。
上部クランクケース20Aと下部クランクケース20Bとの分割面20aに、車幅方向にクランク軸21が回転自在に保持されている。
一方、下側クランクケース20Bの下にはオイルパン25が取り付けられる。また、下側クランクケース20Bの前部にはオイルフィルタ26が設けてある。
本実施形態の内燃機関2は、クランクケース20内に変速機5が組み込まれており、パワーユニット1を構成している。
クランクケース20は、クランク軸21より後方に延在して、クランク軸21のほか、クランク軸21より後方のクランクケース20内に配設される変速機5のメイン軸51、カウンタ軸52等を、クランク軸21と平行に車幅方向に配向して回転自在に軸支している。
メイン軸51とカウンタ軸52は、クランク軸21と同様に上側クランクケース20Aと下側クランクケース20Bとの分割面20aに軸受を介して保持されている。
変速機5は、常時噛合い式のギヤ変速機であり、メイン軸51とカウンタ軸52にそれぞれ設けられた変速ギヤ群が、互いに対となるギヤ同士を噛合しており、変速操作機構によってギヤ切換えがなされて、変速が行われる。
クランク軸21の回転は、メイン軸51の右端に設けられた図示しないクラッチを介して、メイン軸51に伝達され、変速機5の変速ギヤ群のギヤ切換えによってカウンタ軸52が変速されて回転駆動される。
カウンタ軸52は、クランクケース20の左方に貫通して外部に突出し、パワーユニット1の最終の出力軸となっており、突出部位に出力スプロケット11がスプライン嵌合されている。
以下、図示されないが、出力スプロケット11に巻き掛けられる駆動チェーンが、後輪側の被動スプロケットに架渡されて後輪に回転動力が伝達される。
図2、図3に示されるように、シリンダボア22aの中を摺動するピストン27は、クランク軸21のクランクピン21aとコンロッド28を介して連結されてクランク機構が構成されている。
シリンダヘッド23には、シリンダボア22aの中を摺動するピストン27の頂面に対向する面がドーム状に凹んで燃焼室30が形成されている。
本実施形態の内燃機関2は、1気筒につき吸気弁31と排気弁32を2本ずつ備える4弁方式の内燃機関であり、ピストン27頂面が対向するシリンダヘッド23の燃焼室30の天井面30aには、吸気弁31が開閉する吸気弁口33と、排気弁32が開閉する排気弁口34が2つずつ並んで設けられており(図3参照)、燃焼室30の天井面30aのほぼ後半面に吸気弁口33が左右に並んで開口し、天井面30aのほぼ前半面に排気弁口34が左右に並んで開口している(図2参照)。
シリンダヘッド23においては、吸気弁口33から後方に湾曲して吸気ポート35が延出し、排気弁口34から前方に湾曲して排気ポート36が延出している(図2参照)。
1気筒ごとに左右に並んだ2つの吸気弁口33からそれぞれ後方に延出した吸気ポート35は、上流側で1気筒ごとに集合吸気ポート35aに集合しており、集合吸気ポート35aにはスロットル装置10が接続される。
また、1気筒ごとに左右に並んだ2つの排気弁口34からそれぞれ前方に延出した排気ポート36は、下流側で1気筒ごとに集合排気ポート36aに集合しており、集合排気ポート36aには、図示しない排気管が接続される。
シリンダヘッド23における各燃焼室30の天井面30aには、中央部のシリンダ軸線X付近に点火プラグ29が先端の電極部を燃焼室30に臨ませて螺入されている(図3参照)。
吸気弁31は、バルブステム31aが吸気ポート35の上壁に嵌着されたバルブガイド37に摺動自在に支持され、バルブステム31aの先端の傘部31bが吸気弁口33を開閉する。
排気弁32も、同様でバルブステム32aが排気ポート36の上壁に嵌着されたバルブガイド37に摺動自在に支持され、バルブステム32aの先端の傘部32bが排気弁口34を開閉する。
吸気弁31と排気弁32を駆動する動弁機構は、公知のDOHC型のものであり詳説しないが、互いに平行でクランク軸21とも平行な吸気カムシャフト41と排気カムシャフト42にはそのフランジ部41b、42bに、それぞれ吸気側被動スプロケット43と排気側被動スプロケット44が取り付けられており、クランク軸21に取り付けられたカム駆動スプロケット47との間に無端状のカムチェーン48が懸け回され(図3参照)、クランク軸21の2分の1の回転速度で、互いに同期して回転する。
図2を参照して、吸気カムシャフト41と排気カムシャフト42が回転することにより、吸気カムシャフト41に設けられた吸気カム45と、排気カムシャフト42に設けられた排気カム46が、吸気弁31のバルブステム31bのステムエンド31cと、排気弁32のバルブステム32aのステムエンド32cにそれぞれ被せられたバルブリフタ74を押して、吸気弁31および排気弁32をクランク軸21の回転位置に応じて所定のタイミングで往復動させて、吸気弁口33と排気弁口34を開閉する。
各バルブガイド37のシリンダヘッド23の上面から突出する部分には、円盤形状のばね座70が、バルブガイド37の軸線に直交し、かつシリンダヘッド23の上面に当接するように嵌着される。一方、吸気弁31および排気弁32のステムエンド31c、32c近傍には円盤形状のリテーナ71がそれぞれ固定されており、各リテーナ71とばね座70との間にはバルブスプリング72が縮設されている。これにより、吸気弁31および排気弁32は、常時上向き(閉弁方向)に付勢されて傘部31b、32bが吸気弁口33、排気弁口34を塞ぎ、吸気ポート35および排気ポート36の燃焼室30側の端部を閉塞する
吸気弁31のステムエンド31cには、シム部材73を挟んでバルブリフタ74が取り付けられている。バルブリフタ74は、吸気カム45に外面が押圧される底壁74aと、底壁74aの外周縁から下方に立ち上げられた周壁74bとからなる有底筒状の部材である。底壁74aの内面中央にシム部材73を介して吸気弁31のステムエンド31cの端部が当てられている。
周壁74bは、シリンダヘッド23に設けられた筒部材23aの内周面に摺動移動自在に嵌合されている。
排気弁31側も、吸気弁32側と同様に構成される。
以上のように、吸気カム45により押圧駆動される吸気弁31側の弁駆動部材としてのバルブリフタ74においても、排気カム46により押圧駆動される排気弁32側の弁駆動部材としてのバルブリフタ74においても、カム山が押圧状態では下方に移動し弁を開くが、各カムシャフト41、42の各カム45、46のカム山以外の位置、すなわちカムのベース円においてはバルブリフタ74が各カム45、46と接しないようにして、バルブステム31a、32aは、バルブスプリング72によって、傘部31a、32aが吸気弁口33、排気弁孔34を完全に塞ぐような上昇位置となる必要がある。
一方、各カム45、46のベース円と、各バルブリフタ74の上昇位置との間隔が広すぎれば、カム山が接触するときに衝撃、騒音が発生してしまう。
したがって、各カム45、46のベース円と、各バルブリフタ74の上昇位置との間隔を最適に調整するように、シム部材73の厚さが調整設定される。
しかしながら、内燃機関2運転中の、各カム45、46とバルブリフタ74との摺動接触による摩耗や、各弁31、32の傘部31a、32aと吸気弁口33、排気弁口34との接触による摩耗等により、上記間隔に変化が生じる恐れがあるため、上記間隔を測定する、いわゆるタペットクリアランス測定を適時行い、必要に応じてシム部材交換を行う等のメンテナンスがなされる。
その場合は、バルブリフタ74を上方へ抜き出してシム部材73を交換するため、その前に各バルブリフタ74の上方を覆っている各カムシャフト41、42を取り外す必要が生じる。
一般に、カム山とバルブリフタ74の接点は周期的に移動するので、バルブリフタ74の頂面に外側シム部材を備えた場合は、頂面に、カム山と当接する範囲の大きさの外側シム部材を装着するための、周囲の囲い部分の大きさが必要となるが、本実施形態においては、バルブリフタと74と、吸気弁31、排気弁32のステムエンドと31c、32cの間にシム部材73を備え、バルブリフタ74の中側にシム部材73が収納されたので、バルブリフタ74の頂面はカム山と当接する範囲の大きさでよく、バルブリフタの小型化が図られ、パワーユニット1の小型化に寄与することができるものとなっている。
ところで、本実施形態のパワーユニット1は、図1、図3に示すように、シリンダヘッド23に、カムシャフトと同軸線で接続して回転する被動シャフトとなるポンプ軸81を有する補機としての冷却用のウォーターポンプ装置8を取り付けており、具体的には、ウォーターポンプ装置8は吸気カムシャフト41の左端側に設けられている。
図3において、ウォーターポンプ装置8のポンプ軸81とインペラ82を内蔵するポンプ本体80の筒状突出部83が、シリンダヘッド23のポンプ取付け開口23bに嵌入し、ポンプ本体80には、左方からポンプカバー84が被せられ、その間に吸引側となるインペラ室85、吐出側となりシリンダヘッド23側の冷却水入口23cまで延出する冷却水吐出通路86が一体に形成され、インペラ室86から冷却水入口23cまでの冷却水吐出通路86のポンプ本体80側が一体成形される。冷却水吐出通路86は冷却水入口23cにおいて、シリンダヘッド23側の水冷ジャケット39と連通する。
ウォーターポンプ装置8は、ポンプ本体80とポンプカバー84が周囲の締結ボルト(本発明における「締結具」)91で、相互に締結され、一部はさらにシリンダヘッド23に共締めで締結される。
すなわち、ウォーターポンプ装置8は、インペラ室85と一体化された冷却水吐出通路86がシリンダヘッド23の側面に締結ボルト91により組立てられる。
そのため、吸気カムシャフト41のメンテナンス時のウォーターポンプ装置8の取り外しを防止できるので内部冷却水の流出に伴うメンテナンス性の低下を防止できる。
図1に示されるように、ウォーターポンプ装置8のポンプカバー84には、図示しないラジエータからの主戻り管88、バイパス戻り管89が接続し、吸引側のインペラ室85に開口している。
シリンダブロック22側の水冷ジャケット39が開口する冷却水出口22Bには冷却水流出管90が取り付けられ、内燃機関2内を巡った後の冷却水を図示しないサーモスタットまで送っている。
内燃機関2からの冷却水は、サーモスタットにおいて、起動時等、冷却水が所定温度以下の場合はバイパス戻り管89に送られて、直接ウォーターポンプ装置8に戻される。所定温度以上の場合は図示しない配管によってラジエータに送られ冷却された後、主戻り管88経由、ウォーターポンプ装置8に戻される。
吸気カムシャフト41と排気カムシャフト42は、シリンダヘッド23の上辺において、上方から締結されるカムシャフトホルダ23dに挟まれて回転自在に保持されるが(図2参照)、図3に示されるように、吸気カムシャフト41の右側の軸端にはフランジ部41bを介して吸気側被動スプロケット43が取り付けられ、左側の軸端はウォーターポンプ装置8のポンプ軸81の右端と係合している。
なお、排気カムシャフト42の右側の端部には、図3に図示されないが、フランジ部42b(図9参照)を介して、排気側被動スプロケット44が取り付けられている。
図4に示されるように、吸気カムシャフト41の左側の軸端にはその軸線Sと垂直方向のウォーターポンプ装置8駆動用の直線溝41aが形成されている。
図5に示されるように、ウォーターポンプ装置8のポンプ軸81の右端には、吸気カムシャフト41の直線溝41aと嵌合し、ポンプ軸81の軸線Pと垂直な直線リブ81aが突設されている。
したがって、吸気カムシャフト41とポンプ軸81とが同軸心に配置され、吸気カムシャフト41の直線溝41aにポンプ軸81の直線リブ81aが嵌合されると、吸気カムシャフト41の回転によってポンプ軸81が回転駆動される。
図6は、図2中、概ねVI−VI矢視による、ヘッドカバー24、カムシャフトホルダ23dを外し、バルブリフタ74を示さず、吸気カムシャフト41とポンプ軸81を2点鎖線で示す、シリンダヘッド23の上面図であり、両軸41、81の係合状態において、吸気カムシャフト41取り外し可能状態を示す。
ここで図6図示のように、吸気カムシャフト41の直線溝41aとポンプ軸81の直線リブ81aとが上下方向、好ましくはシリンダ軸線X方向を向いた状態で(図2参照)停止させると、カムシャフトホルダ23dを取り外した後、直線溝41aを直線リブ81aに沿って上方に抜き出すことで、吸気カムシャフト41とポンプ軸81との係合を解いて、ウォーターポンプ装置8をシリンダヘッド23から取り外すことなく、吸気カムシャフト41を取り外すことができる。
図7は、図2中、概ねVII−VII矢視によるシリンダヘッド23の上面図であるが、図6において、さらに吸気カムシャフト41を取り外した後、ポンプ軸81を回動させた状態を示す。なお、シリンダヘッド23の上面の、吸気弁31側のバルブガイド37の上端とバルブリフタ74を収容する筒部材23aが、バルブリフタ74を外した状態で示される。
図6図示のように、吸気カムシャフト41の左端側の吸気カム45Aのカム山により押圧駆動される左端側のバルブリフタ74A(図7参照)は、それを収容する左端側の筒部材23aAに収容された状態で、ポンプ軸81の直線リブ81aとオーバーラップしているため、抜き出しに支障が生ずる恐れがあるが、本実施形態では図5、図7図示の構造によって問題を解消している。
すなわち、ポンプ軸81の直線リブ81aは、図5、図7図示のように、ポンプ軸81の軸線Pを含む中央部に、左端側のバルブリフタ74Aを通過させる傾斜切欠き部81aaを設けることによって逃げ部81bを備えている。
すなわち、直線リブ81aはポンプ軸81の軸線Pと垂直に直線状に延びる突起を、ポンプ軸81の外周側のみを残してポンプ軸81の軸線P回りを切り欠いて、左端側のバルブリフタ74Aを通過させる傾斜切欠き部81aaを設けることによって逃げ部81bとし、蝶ねじの翼のような形状に形成されている
図7図示のように、吸気カムシャフト41を取り外した後、直線リブ81aが、左端側のバルブリフタ74Aの抜き出し方向と略垂直になるようにポンプ軸81を回動させれば、図7中に抜き出し中のバルブリフタ74Aの外形を2点鎖線で特に示すように、バルブリフタ74Aは逃げ部81bを通って、直線リブ81aに引っ掛かることなく抜き出すことができる。
このことによって、吸気カムシャフト41は、その直線溝41aの方向を所定の上下方向、好ましくはシリンダ軸線X方向、にしてウォーターポンプ装置8側のポンプ軸81の直線リブ81aに沿って移動させることで、ウォーターポンプ装置8を取り外すことなく、シリンダヘッド23から取り外すことができ、また、ウォーターポンプ装置8側のポンプ軸81を直線リブ81aの逃げ部81bが左端側のバルブリフタ74Aを通過させる回動位置にすれば、直線リブ81aによる支障無しにバルブリフタ74Aの取り外し取り付け操作ができ、シム部材73交換等の整備性が向上する。
また、逃げ部81bによって直線リブ81aを、吸気カムシャフト41の軸線S方向、すなわちポンプ軸81の軸線P方向で、バルブリフタ74Aに近づけることができて、シリンダ軸線X方向に見てバルブリフタ74Aと重なる位置にでき、吸気カムシャフト41が小型化し、ウォーターポンプ装置8が図3に示されるように内側配置され、パワーユニット1を小型化することができる。
本実施形態のパワーユニット1は、シリンダ軸線Xがクランク軸21方向において2本並ぶ2気筒を備え(これを第1気筒C1と第2気筒C2とする)、クランクピン21aの位相が相互に180度ずれ、シリンダヘッド23上にクランク軸21と平行に吸気カムシャフト41および排気カムシャフト42を備えた直列2気筒DOHC式の内燃機関2で構成されている。
したがって、図8にクランクアングルと、各気筒に対する吸気カム45、排気カム46のカム山の突出状態の関係を示すように、第1気筒C1と第2気筒C2においてクランクアングルに応じて同期して、それぞれに対応する吸気カム45、排気カム46のカム山が対応するバルブリフタ74に向けて突出する。(図8においては、カム山の突出方向が上向きに図示されているが、実際はバルブリフタ74に向けて下方に突出する。)
各カム山が突出していないクランクアングルの期間は、各カム山のベース円に対応する期間である。
各カム山のベース円とバルブリフタ74の上限位置との間のクリアランス(いわゆるタペットクリアランス)を測定し、さらに、各カムシャフト41、42を取り外すのは、排気カムシャフト42においては、第1気筒C1、第2気筒C2ともにバルブリフタ74に向けて排気カム46のカム山の突出がない期間であり、図示のクランクアングルがCA1の範囲であって、最も好ましいクランクアングルを720度(あるいは0度)とし、この時を第1タイミングT1とする。
吸気カムシャフト41においては、第1気筒C1、第2気筒C2ともにバルブリフタ74に向けて吸気カム45のカム山の突出がない期間であり、図示のクランクアングルがCA2の範囲であって、最も好ましいのは上記第1タイミングT1のクランクアングル720度(あるいは0度)に対して、クランクアングルが180度の時であり、この時を第2タイミングT2とする。
各カムのバルブリフタ74に向けてのカム山の突出がないベース円の状態を選ぶのは、タペットクリアランスの測定をするために必須であることと、カムシャフトの取り外しに於いては、カム山が突出していてバルブリフタ74を押し下げていた状態でカムシャフト41、42の取り外した場合のカムシャフト41、42に働く反発力を避けるためである。
しかして、本実施形態では、タペットクリアランス測定や、シム部材73の交換等のメンテナンス作業においては、排気カムシャフト42側は、第1タイミングT1(クランクアングル0度あるいは720度)で行い、吸気カムシャフト41側は、第2タイミングT2(クランクアングル180度)で行うこととし、クランク軸21には上記の第1、第2タイミングT1、T2の状態に合わせて、第1、第2タイミング合わせマークT、2Tが所定の検知個所で検知されるように、180度間隔で2個所印字されている。
具体的には、第1、第2タイミング合わせマークT、2Tは、クランク軸21と同軸で同回転する交流発電機(ACG)15のローターホイール16の外周縁16aに刻印され、すなわち、実質的にクランク軸21に印字されたと同じになる。
また、所定の検知個所としては、ACGカバー17に開けられ、通常は塞ぎ栓17aで塞がれた覗き窓17bから視認検知するものとしている。
第1、第2タイミング合わせマークT、2Tはそれぞれ、クランクアングルの720度の範囲中の1か所を示すものなので、クランクアングル360度でもT1が、クランクアングル540度でもT2が覗き窓17bから検知されるが、図8に示されるように、クランクアングル360度では第1気筒C1、第2気筒C2ともに排気カム46がやや突出状態であり、クランクアングル540度では、第1気筒C1、第2気筒C2ともに吸気カム45がやや突出状態であるので、機体状態から容易に識別される。
図9は、クランクアングル0度あるいは720度の第1タイミングT1における、クランク軸21と同軸同回転するACG15のローターホイール16およびクランク軸21のカム駆動スプロケット47、カムチェーン48でクランク軸21の1/2の回転速度で同期回転駆動される吸気側被動スプロケット43、吸気カムシャフト41およびそのフランジ部41bと吸気カム45、排気側被動スプロケット44、排気カムシャフト42およびそのフランジ部42bと排気カム46等の状態を重ね合わせて示し、吸気カムシャフト41の直線溝41bの状態とともに模式的に図示する左面図である。
図10は、クランクアングル180度、すなわち各カムシャフト41、42が、図9の状態から90度回転した第2タイミングT2における、クランク軸21と同軸同回転するACG15のローターホイール16およびクランク軸21のカム駆動スプロケット47、カムチェーン48でクランク軸21の1/2の回転速度で同期回転駆動される吸気側被動スプロケット43、吸気カムシャフト41およびそのフランジ部41bと吸気カム45、排気側被動スプロケット44、排気カムシャフト42およびそのフランジ部42bと排気カム46等の状態を重ね合わせて示し、吸気カムシャフト41の直線溝41bの状態とともに模式的に示す左面図である。
なお、図9、図10における、バルブリフタ74の位置や隙間ゲージ18の図示は、タペットクリアランスの測定を行うことを示すためだけのもので、実際の形態、大きさと異なる。
図9においては、第1タイミングT1の状態であり、ACGカバー17の覗き窓17bからは、交流発電機(ACG)15のローターホイール16に刻印された第1タイミング合わせマークTが視認検知される。
排気カムシャフト42の排気カム46のカム山はバルブリフタ74に向かって突出状態ではなく、排気カムシャフト42のタペットクリアランスの測定等が行われる。
また、排気カムシャフト42にはウォーターポンプ装置8が取り付けられておらず、且つ、排気カム46のカム山が突出状態でないので、排気カムシャフト42の取り外し、シム部材73の交換等のメンテナンスを行える。
吸気カムシャフト41のフランジ部41bの中心に示す仮想線41baは、フランジ部41bと反対側の軸端に設けられる直線溝41aの方向を示すもので、覗き窓17bから第1タイミング合わせマークTが視認検知される第1タイミングT1では、直線溝41aは上下方向を向いていないので、吸気カムシャフト41の取り外しは行えない。
図10においては、第2タイミングT2の状態であり、ACGカバー17の覗き窓17bからは、交流発電機(ACG)15のローターホイール16に刻印された第2タイミング合わせマーク2Tが視認検知される。
吸気カムシャフト41の吸気カム45のカム山はバルブリフタ74に向けて突出状態ではなく、吸気カムシャフト41のタペットクリアランスの測定等が行われる。
また、吸気カムシャフト41のフランジ部41bの中心の仮想線41baが示すように、吸気カムシャフト41の左側の軸端に設けられる直線溝41aが、図中右上に引出し図示されるように、シリンダ軸線X方向を向いており、カムシャフトホルダ23d(図2、図3参照)を取り外した後、直線溝41aを直線溝41aに嵌合しているポンプ軸81の直線リブ81aに沿って上方に抜き出すことで、吸気カムシャフト41とポンプ軸81との係合を解いて、ウォーターポンプ装置8をシリンダヘッド23から取り外すことなく、吸気カムシャフト41を取り外すことができ、シム部材73の交換等のメンテナンスを行える。
以上のように、補機としてのウォーターポンプ装置8は吸気カムシャフト41の左端側に設けられ、また、クランク軸21方向でウォーターポンプ装置8取付け側、すなわち左側から見て、メンテナンス上各カムシャフト41、42の位置を検知するために、クランク軸21と同軸同回転する交流発電機(ACG)15のローターホイール16には第1、第2タイミング合わせマークT、2Tが180度間隔で2個所印字されており、その一方のタイミング合わせマーク2Tが所定の位置の時、吸気カムシャフト41の左端側の軸端のウォーターポンプ装置8駆動用の直線溝41aがシリンダ軸線Xの方向となるように設けられたので、メンテナンス用の2つのタイミング合わせマークの一方2Tにより、ウォーターポンプ装置8を取付けた吸気カムシャフト41の取り外し位相が容易に判別できて、パワーユニットのメンテナンス性が向上している。
以上の本実施形態においては、補機としてのウォーターポンプ装置8が、吸気カムシャフト41の左端側に設けられたが、スロットル装置10等の吸気系部品との距離が近接している吸気カムシャフト41側へ配置されたウォーターポンプ装置8であっても、バルブリフタ74のシム部材73のメンテナンス時のウォーターポンプ装置8の取り外しが不要であるため、ウォーターポンプ装置8の取り外しによる工数的およびスペース的なメンテナンス性の低下を防止でき、メンテナンススペースの削減によって更なるパワーユニット1の小型化に寄与することができるものとなっている。
また、吸気系部品としてのスロットル装置10は、図1、図2に示されるように、集合吸気ポート35aに接続され、スロットルバルブ101と、スロットルバルブ101を駆動するスロットル駆動モータ102と、スロットル駆動モータ102の動力をスロットルバルブ101へ伝動するための駆動系部材103を備えている。
駆動系部材103は、スロットル装置10に一体に形成され構成される駆動ユニットケース104と、そのモータ収納部105に収納されたスロットル駆動モータ102の出力ピニオン102aからスロットルバルブ101のバルブ軸101aまでの間を減速伝動する減速機構106を駆動ユニットケース104に内装して備えており、その駆動系部材103が、ウォーターポンプ装置8に近設されているので、スロットル駆動モータ102をシリンダヘッド23に近づけることができて、メンテナンス性の確保と小型化を更に図ることができる。
また、本実施形態においては、ウォーターポンプ装置8は、インペラ室85を備え、インペラ室85からパワーユニット1の内燃機関2の冷却水入口23cまでの冷却水吐出通路86のポンプ本体80側が一体成形で形成されている。
すなわち、シム部材73交換等のメンテナンス時においてウォーターポンプ装置8の取り外しが不要なので、ウォーターポンプ装置8から内燃機関2までの冷却水吐出通路86を、ウォーターポンプ装置8の取り外しを考慮した場合の可撓性ホースとする必要がなく、ウォーターポンプ装置8と一体化されたものとすることができ、冷却水吐出通路86がコンパクトに形成され部品点数が減じると共に、メンテナンスを効率よく行えるものとなっている。
また、本実施形態においては、ウォーターポンプ装置8は、インペラ室85と一体化された冷却水吐出通路86がシリンダヘッド23の側面に締結ボルト91により組立てられるので、吸気カムシャフト41メンテナンス時のウォーターポンプ装置8の取り外しを防止できるため冷却水の流出に伴うメンテナンス性の低下を防止できる。
以上、本発明に係る実施形態のパワーユニットの補機取り付け構造につき説明したが、本発明の態様が上記実施形態に限定されず、本発明の各請求項の要旨の範囲で、多様な態様で実施されるものを含むことは勿論である。
また、各機器の左右の配置は、実施形態の説明の便宜上、図示のものに特定して記載したが、上記実施形態に示すものと左右逆となる配置のものであってもよく、本発明に含まれる。
1…パワーユニット、2…内燃機関、8…ウォーターポンプ装置、10…スロットル装置、15…交流発電機(ACG)、17b…覗き窓、16…ローターホイール、18…隙間ゲージ、20…クランクケース、21…クランク軸、21a…クランクピン、22…シリンダブロック、22b…冷却水出口、23…シリンダヘッド、23a…筒部材、23b…ポンプ取付け開口、23c…冷却水入口、23d…カムシャフトホルダ、24…ヘッドカバー、27…ピストン、30…燃焼室、31…吸気弁、31a…バルブステム、31c…ステムエンド、32…排気弁、32a…バルブステム、32c…ステムエンド、35…吸気ポート、36…排気ポート37…バルブガイド、41…吸気カムシャフト、41a…直線溝、42…排気カムシャフト、43…吸気側被動スプロケット、44…排気側被動スプロケット、45…吸気カム、46…排気カム、47…カム駆動スプロケット、48…カムチェーン、73…シム部材、74…バルブリフタ、80…ポンプ本体、81…ポンプ軸、81a…直線リブ、81aa…傾斜切欠き部、81b…逃げ部、82…インペラ、85…インペラ室、86…冷却水吐出通路、91…締結ボルト(本発明における「締結具」)、101…スロットルバルブ、102…スロットル駆動モータ、103…駆動系部材、106…減速機構、X…シリンダ軸線、S…(吸気カムシャフト41の)軸線、P…(ポンプ軸81の)軸線、T…第1タイミング合わせマーク、2T…第2タイミング合わせマーク

Claims (7)

  1. シリンダヘッド(23)とそれを覆うヘッドカバー(24)と、
    前記シリンダヘッド(23)に支持されたカムシャフト(41)の一端側に設けられカムシャフト(41)と同軸線で接続して回転する被動シャフト(81)を有する補機(8)を備え、
    前記カムシャフト(41)の前記一端側のカム山(45)により押圧駆動される弁駆動部材(74)を備えたパワーユニット(1)の補機取り付け構造において、
    前記パワーユニット(1)は、シリンダ軸線(X)がクランク軸(21)方向において2本並び、クランクピン(21a)の位相が相互に180度ずれ、前記シリンダヘッド(23)上に前記クランク軸(21)と平行に吸気カムシャフト(41)および排気カムシャフト(42)を備えた直列2気筒DOHC式の内燃機関(2)で構成され、前記吸気カムシャフト(41)の一端側に前記補機(8)が設けられ、
    前記吸気カムシャフト(41)の前記一端側の軸端に前記吸気カムシャフト(41)の軸線(S)と垂直方向の補機(8)駆動用の直線溝(41a)を有し、
    前記補機(8)側の前記被動シャフト(81)には前記直線溝(41a)と嵌合する直線リブ(81a)が突設されるとともに、同直線リブ(81a)は、前記被動シャフト(81)の軸線(P)を含む中央部に前記弁駆動部材(74)を通過させる逃げ部(81b)を備え
    前記クランク軸(21)方向で前記補機(8)取り付け側から見て、前記クランク軸(21)にはタイミング合わせマーク(T,2T)が180度間隔で2個所印字されており、その一方のタイミング合わせマーク(2T)が所定の位置の時、前記吸気カムシャフト(41)の一端側の軸端の補機(8)駆動用の前記直線溝(41a)が前記シリンダ軸線(X)の方向となるように設けられたことを特徴とするパワーユニットの補機取り付け構造。
  2. シリンダヘッド(23)とそれを覆うヘッドカバー(24)と、
    前記シリンダヘッド(23)に支持されたカムシャフト(41)の一端側に設けられ同カムシャフト(41)と同軸線で接続して回転する被動シャフト(81)を有する補機(8)を備え、
    前記カムシャフト(41)の前記一端側のカム山(45)により押圧駆動される弁駆動部材(74)を備えたパワーユニット(1)の補機取り付け構造において、
    前記パワーユニット(1)は、シリンダ軸線(X)がクランク軸(21)方向において2本並び、前記シリンダヘッド(23)上に前記クランク軸(21)と平行に吸気カムシャフト(41)および排気カムシャフト(42)を備えた直列2気筒DOHC式の内燃機関(2)で構成され、前記吸気カムシャフト(41)の一端側に前記補機(8)が設けられ、
    前記吸気カムシャフト(41)の前記一端側の軸端に前記吸気カムシャフト(41)の軸線(S)と垂直方向の補機(8)駆動用の直線溝(41a)を有し、
    前記補機(8)側の前記被動シャフト(81)には前記直線溝(41a)と嵌合する直線リブ(81a)が突設されるとともに、同直線リブ(81a)は、前記被動シャフト(81)の軸線(P)を含む中央部に前記弁駆動部材(74)を通過させる逃げ部(81b)を備え、
    前記直線溝(41a)は、前記シリンダ軸線(X)方向に見て前記弁駆動部材(74)と重なる位置にあり、前記被動シャフト(81)の逃げ部(81b)は、前記直線リブ(81a)に前記弁駆動部材(74)を通過させる傾斜切欠き部(81aa)を設けることによって備えられたことを特徴とするパワーユニットの補機取り付け構造。
  3. 前記弁駆動部材(74)は、前記シリンダヘッド(23)に設けられた吸気弁(31)または排気弁(32)のバルブリフタ(74)であり、同バルブリフタ(74)と前記吸気弁(31)または排気弁(32)のステムエンド(31c,32c)との間にシム部材(73)を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパワーユニットの補機取り付け構造。
  4. 記補機(8)はウォーターポンプ装置(8)であり、
    同ウォーターポンプ装置(8)は、前記吸気カムシャフト(41)の前記一端側に設けられたことを特徴とする請求項に記載のパワーユニットの補機取り付け構造。
  5. 前記内燃機関(2)の吸気系部品は、スロットル装置(10)のスロットルバルブ(101)と、同スロットルバルブ(101)を駆動するスロットル駆動モータ(102)とを備え、同スロットル駆動モータ(102)の動力をスロットルバルブ(101)へ伝動するための駆動系部材(103)が前記ウォーターポンプ装置(8)に近設されたことを特徴とする請求項に記載のパワーユニットの補機取り付け構造。
  6. 前記ウォーターポンプ装置(8)は、インペラ室(85)を備え、同インペラ室(85)から前記パワーユニット(1)の前記内燃機関(2)の冷却水入口(23c)までの冷却水吐出通路(86)のポンプ本体(80)側が一体成形されたことを特徴とする請求項に記載のパワーユニットの補機取り付け構造。
  7. 前記ウォーターポンプ装置(8)は、前記インペラ室(85)と一体化された前記冷却水吐出通路(86)が前記シリンダヘッド(23)の側面に締結具(91)により組立てられることを特徴とする請求項に記載のパワーユニットの補機取り付け構造
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