JP5474699B2 - 可変動弁機構を備える内燃機関 - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、可変動弁機構を備えた内燃機関において、可変動弁機構の切り換えのレスポンスを向上することを目的とする。
この構成によれば、油圧制御機構から油圧アクチュエータに圧油を送給するメイン油路を、油圧制御機構の圧油排出口より低い位置でシリンダヘッドの下端側側面に沿って設けたため、油圧駆動用の油は、油圧を解除した後にも常にメイン油路内に残る。これにより、次回に油圧を作用させて油圧アクチュエータを駆動させる際に、メイン油路に残った油を用いることができるため、可変動弁機構の切り換えのレスポンスを向上することができる。
この場合、2本のメイン油路を同じ側に設けることで、吸気弁側と排気弁側の両方のメイン油路に油圧駆動用の油を残すことができる。このため、吸気側及び排気側の両方の可変動弁機構の切り換えのレスポンスを向上することができる。また、2本のメイン油路を同じ側に設けるため、メイン油路をまとめて配置して油路の配置が容易になる。
また、前記メイン油路(163,173)を二重管で構成した構成としても良い。
この場合、メイン油路を二重管で構成するため、1本の管を設けるための配置スペースでメイン油路を設けることができ、メイン油路を容易に配置できる。
この場合、排気弁用油圧制御機構及び吸気弁用油圧制御機構からの油圧駆動用の油が各メイン油路に残るため、可変動弁機構の切り換えのレスポンスを向上することができる。 また、2本のメイン油路を排気弁用油圧制御機構と吸気弁用油圧制御機構との高さに合わせて上下2段に配置するため、メイン油路、排気弁用油圧制御機構及び吸気弁用油圧制御機構をコンパクトに配置できる。
この構成によれば、メイン油路と油圧制御機構の圧油吐出口とを連結する供給油路がメイン油路より高い位置を一旦通過後、メイン油路に連結されているため、メイン油路から油圧制御機構に油圧駆動用の油が下って戻ることを防止できる。これにより、次回に油圧を作用させて油圧アクチュエータを駆動させる際に、メイン油路に残った油を用いることができるため、可変動弁機構の切り換えのレスポンスを向上することができる。
この場合、バルブリフタ内のスライドピンホルダ内を摺動するスライドピンを油圧によって駆動し、バルブステムエンドをスライドピンの逃げ孔に嵌入させることでバルブのリフト量を変化させるため、比較的簡単な構造で可変動弁機構を構成することができる。
また、2本のメイン油路を同じ側に設けることで、吸気弁側及び排気弁側の両方のメイン油路に油圧駆動用の油を残すことができ、吸気側及び排気側の両方の可変動弁機構の切り換えのレスポンスを向上することができる。メイン油路をまとめて配置することで油路の配置が容易になる。
また、排気弁用油圧制御機構及び吸気弁用油圧制御機構からの油圧駆動用の油が各メイン油路に残るため、可変動弁機構の切り換えのレスポンスを向上することができる。また、メイン油路、排気弁用油圧制御機構及び吸気弁用油圧制御機構をコンパクトに配置できる。
また、バルブリフタ内のスライドピンホルダ内を摺動するスライドピンを油圧によって駆動し、バルブステムエンドをスライドピンの逃げ孔に嵌入させることでバルブのリフト量を変化させるため、比較的簡単な構造で可変動弁機構を構成することができる。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る可変動弁機構を備える内燃機関を有する自動二輪車を示す左側面図である。なお、以下の説明中、前後左右及び上下といった方向の記載は車体に対してのものとする。
自動二輪車100の車体フレーム111は、車体前部に位置するヘッドパイプ112と、このヘッドパイプ112から車体中央まで後方に延びる左右一対のメインフレーム114と、メインフレーム114の後端部から下方に延びる左右一対のピボットプレート115と、メインフレーム114の後端部から車体後部まで延びるリヤフレーム(不図示)とを備えている。
ヘッドパイプ112には、フロントフォーク116が回動自在に取り付けられ、このフロントフォーク116の下端に前輪117が回転自在に支持されている。また、ヘッドパイプ112の上部には、操舵用ハンドル118が取り付けられている。
前側バンクBfの排気口には、左右一対の排気パイプ119の一端が接続され、排気パイプ119は、排気口から下側に延びた後に、車体後方に向かって引き回され、後側バンクBrの排気口から延びる左右一対の排気パイプ120に接続されて集合され、一本の排気管127(図3参照)を介して、内燃機関1の後方に設けられたマフラー(不図示)に連結されている。
内燃機関1の後部には、車体を停めるためのスタンド125が設けられている。また、内燃機関1の左側面の下部には、サイドスタンド126が設けられている。
また、自動二輪車100は、車体を覆う樹脂製の車体カバー150を有し、この車体カバー150は、車体フレーム111の前方から内燃機関1の前部までを連続的に覆うフロントカバー151と、シート142の下方を覆うリヤカバー152とを備えている。フロントカバー151の上部には、左右一対のミラー153が取り付けられている。また、フロントフォーク116には、前輪117の上方を覆うフロントフェンダ146が取り付けられている。
図2に示すように、前側バンクBfと後側バンクBrとの間には側面視でV字状に形成された空間であるVバンク空間Kが形成されている。
クランクケース3は上下割りで構成され、上クランクケース3Uと下クランクケース3Lとを有している。クランク軸2はクランクケース3U、3Lにより挟まれるようにして回転自在に軸支され、上クランクケース3Uには、それぞれ左右に2気筒が配列される前シリンダブロック3fと後シリンダブロック3rとが、側面視でV字をなすように斜め上方に延出されて一体に形成されている。
また、クランクケース3内には、クランク軸2とそれぞれ平行に配置されるメイン軸41、カウンタ軸42、及び、出力軸43が設けられている。クランク軸2を含むこれらの軸41,42,43は、クランク軸2の回転をメイン軸41、カウンタ軸42、及び、出力軸43の順に伝達する歯車伝達機構を構成している。カウンタ軸42とメイン軸41との間には、6段変速の変速歯車群が跨って配置され、これらによって変速装置が構成されている。出力軸43には、傘歯車(不図示)を介してドライブシャフト123(図1参照)が接続されている。
後シリンダヘッド4rには、第2気筒C2の燃焼室20に連通する吸気ポート21r及び排気ポート22r、及び、第3気筒C3の燃焼室20に連通する吸気ポート21r及び排気ポート22rが設けられている。
前シリンダヘッド4fの各吸気ポート21f,21fには、吸気ポート21f,21fに流れる吸気の量を調整する前側スロットルボディ60fが接続され、後シリンダヘッド4rの各吸気ポート21r,21rには、吸気ポート21r,21rに流れる吸気の量を調整する後側スロットルボディ60rが接続されている。
吸気バルブ11は、吸気バルブ開口81を塞ぐ弁体部11bと、弁体部11bを基端として延びるバルブステム11cとを有し、排気バルブ12は、排気バルブ開口82を塞ぐ弁体部12bと、弁体部12bを基端として延びるバルブステム12cとを有している。
バルブステム11c及びバルブステム12cは、吸気バルブ開口81及び排気バルブ開口82の上方に設けられたガイド筒83に摺動自在に嵌合されている。
これらの吸気バルブ11及び排気バルブ12は、図2に示すように、各シリンダヘッド4f,4rごとに1本ずつ配設されたカムシャフト25f,25rで駆動されるユニカム方式の動弁機構10によって開閉駆動される。
後シリンダヘッド4rの動弁機構10は、吸気バルブ11を有してカムシャフト25rに直押しされる吸気側動弁機構10Iと、排気バルブ12を有してロッカーアーム27により駆動される排気側動弁機構10Eとを備えて構成されている。吸気側動弁機構10I及び排気側動弁機構10Eは、1本のカムシャフト25rにより駆動され、互いに連動して動作する。
後側バンクBrにおいて、カムシャフト25rと吸気バルブ11との間には、カムシャフト25rの下方で後シリンダヘッド4rに摺動可能に嵌合されるバルブリフタ13I(油圧アクチュエータ)が設けられている。
また、前側バンクBf及び後側バンクBrの右端部には、上下に延びるカムチェーン室35が設けられており、カムシャフト25f,25rは、クランク軸2により駆動されカムチェーン室35を通るカムチェーン(不図示)によって回転駆動される。
バルブ休止機構80は、第2気筒C2及び第3気筒C3の全ての吸気バルブ11及び排気バルブ12に対応してそれぞれ設けられている。すなわち、本第1の実施の形態では、図3に示すように、第2気筒C2及び第3気筒C3の計8本の吸気バルブ11及び排気バルブ12に対応してバルブ休止機構80が設けられている。
また、バルブ休止機構80は、吸気側及び排気側で同様に構成されており、ここでは、主として排気側動弁機構10E側のバルブ休止機構80について説明する。
また、リフタ85の上面とタペットねじ27bの下端との間には、タペットねじ27bの受け部材94が介装されている。リフタスプリング90はコイルばねであり、リフタ85内に収容され、スライドピンホルダ87の下面に当接して設けられている。
リフタ85は、後シリンダヘッド4rの上部に設けられた円筒状の排気側リフタ孔96E(吸気側では図5に示す吸気側リフタ孔96I)内に摺動自在に支持されている。吸気側リフタ孔96I及び排気側リフタ孔96Eには、径方向に貫通する油導入孔91aが設けられ、該リフタ孔の内周面には、リフタ85の外周を囲うように円環状の油供給溝91bが形成されている。圧油供給機構88の油圧は、油導入孔91a及び油供給溝91bを介してバルブリフタ13I,13Eにそれぞれ供給される。
すなわち、第1の実施の形態では、吸気側制御油路73に接続される吸気弁用スプールバルブ75Iと、排気側制御油路74に接続される排気弁用スプールバルブ75Eとが独立して設けられており、各バルブリフタ13Iと各バルブリフタ13Eとは互いに独立して油圧のON/OFFが切り換えられる。
そして、油圧室95に油圧切換え部75からの油圧が作用してスライドピン86がリターンスプリング89の付勢力に抗してスライドすると、ステム逃げ孔93はステム孔87bからずれて、ステム当り面93aがバルブステムエンド12dの端面に対向する。
すなわち、バルブ休止機構80は、油圧の制御によってスライドピン86を移動して、ステム当り面93aとステム逃げ孔93とを選択的にバルブステムエンド12dに臨ませることが可能に構成されている。
つまり、バルブ休止機構80は、カムシャフト25rによりバルブリフタ13I,13Eが駆動された際の吸気バルブ11及び排気バルブ12のリフト量を、通常の開閉動作時のリフト量、及び、0(休止状態)に変化させる可変動弁機構である。
すなわち、第2気筒C2及び第3気筒C3で構成される後側バンクBrは、休止可能な休止気筒である。一方、第1気筒C1及び第4気筒C4はバルブ休止機構80を有しておらず、前側バンクBfは、内燃機関1の運転時には常に吸気バルブ11及び排気バルブ12の開閉が行われる常時稼働気筒である。
ここで、内燃機関1は、4気筒の全てを運転させる4気筒運転、及び、第2気筒C2及び第3気筒C3を休止して、前側バンクBfの2つの気筒を運転させる2気筒運転を行うことができる。
図5に示すように、後シリンダヘッドカバーを取り外した状態では、後シリンダヘッド4rの上面には、カムシャフト25rやロッカーアーム27等を収容する動弁室の底面を構成するヘッド上面部160が露出している。
第2気筒C2及び第3気筒C3は、クランク軸2の軸線方向に一致する車幅方向に横並びで設けられ、ヘッド上面部160において後シリンダヘッド4rの前後方向の中央部には、点火プラグ71(図3参照)が設けられるプラグ支持孔51が各気筒に設けられている。
後シリンダヘッド4r内において第3気筒C3の外側の側方には、カムチェーン室35が形成されている。
吸気弁用スプールバルブ75I及び排気弁用スプールバルブ75Eから油圧が供給される吸気側制御油路73及び排気側制御油路74は、ヘッド上面部160の内部に設けられた油路であり、各排気側リフタ孔96Eよりも後方の後シリンダヘッド4rの後部を通った後、吸気側リフタ孔96I及び排気側リフタ孔96Eに接続されている。
図2及び図6に示すように、後側バンクBrは、シリンダボア3aをクランク軸2の軸線を中心に後方へ回動させて傾斜して配置されている。これに伴い、後シリンダブロック3r及び後シリンダヘッド4rは、後方に傾斜して配置され、後シリンダヘッド4rのヘッドカバーとの合わせ面52やヘッド上面部160は、後部ほど低い位置に位置している。また、後シリンダヘッド4rが後傾しているため、後シリンダヘッド4rの下端は、後シリンダヘッド4rの後壁161Bが有している。すなわち、後壁161Bは、後シリンダヘッド4rの下端側側壁である。
吸気弁用スプールバルブ75I及び排気弁用スプールバルブ75Eは、その上部において側壁161A側に、吸気側制御油路73及び排気側制御油路74に接続される圧油排出口77I,77Eをそれぞれ有している。
また、排気側制御油路74は、後シリンダヘッド4rの後壁161Bの内部を車幅方向に延びる排気側メイン油路173(メイン油路)と、圧油排出口77Eと排気側メイン油路173とを接続する供給油路174と、排気側メイン油路173と各排気側リフタ孔96Eとを接続する分岐油路175とを有している。
図6及び図7に示すように、後シリンダヘッド4rが後傾して配置されているため、吸気側メイン油路163は、圧油排出口77Iよりも低い位置に位置し、排気側メイン油路173は、圧油排出口77Eよりも低い位置に位置している。これに伴い、供給油路164,174は、圧油排出口77I,77Eに向かって高くなるように傾斜している。このように、圧油排出口77I,77Eよりも吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173が低い位置にあるため、油圧がOFFの状態において吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173内に残留している油がバルブリフタ13I,13E側に流れ出すことが防止される。
内燃機関1の回転数等の車両の運転状況に基づいて、4気筒運転から2気筒運転への切り換えを判断すると、ECU76は、吸気弁用スプールバルブ75I及び排気弁用スプールバルブ75EをOFFの状態に制御する。これに伴い、吸気側では、供給油路164、吸気側メイン油路163及び分岐油路165を介してバルブリフタ13Iに油圧が供給され、排気側では、供給油路174、排気側メイン油路173及び分岐油路175を介してバルブリフタ13Eに油圧が供給され、第2気筒C2及び第3気筒C3が気筒休止されて2気筒運転への変更が行なわれる。
第1の実施の形態では、吸気側メイン油路163が、圧油排出口77I及び吸気側リフタ孔96Iの油導入孔91aよりも低い位置にあり、吸気弁用スプールバルブ75IがOFFにされた後に油が圧油排出口77I及び吸気側リフタ孔96Iに流出することが防止されるため、吸気側メイン油路163内に油を貯留しておくことができる。また、排気側メイン油路173が、圧油排出口77E及び排気側リフタ孔96Eの油導入孔91aよりも低い位置にあり、排気弁用スプールバルブ75EがOFFにされた後に油が圧油排出口77E及び排気側リフタ孔96Eに流出することが防止されるため、排気側メイン油路173内に油を貯留しておくことができる。
また、吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173を、内管177を外管167に収容した二重管で構成するため、1本の管を設けるための配置スペースで吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173を設けることができ、吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173を容易に配置できる。
また、バルブリフタ13I,13E内のスライドピンホルダ87内を摺動するスライドピン86を油圧によって駆動し、バルブステムエンド11d,12dをスライドピン86のステム逃げ孔93に嵌入させることで吸気バルブ11及び排気バルブ12のリフト量を変化させるため、比較的簡単な構造でバルブ休止機構80を構成することができる。
上記第1の実施の形態では、吸気側制御油路73に接続される吸気弁用スプールバルブ75Iと、排気側制御油路74に接続される排気弁用スプールバルブ75Eとが独立して設けられており、各バルブリフタ13Iと各バルブリフタ13Eとは互いに独立して油圧のON/OFFが切り換えられるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、吸気弁用スプールバルブ75Iに替えて第2気筒C2のバルブ休止機構80に油圧を供給する第2気筒用スプールバルブを設け、第2気筒用スプールバルブを吸気側制御油路73に替えて後壁161B側に設けた第2気筒用制御油路を介して第2気筒C2の全てのバルブ休止機構80に接続し、同様に、排気弁用スプールバルブ75Eに替えて第3気筒C3のバルブ休止機構80に油圧を供給する第3気筒用スプールバルブを設け、第3気筒用スプールバルブを排気側制御油路74に替えて後壁161B側に設けた第3気筒用制御油路を介して第3気筒C3の全てのバルブ休止機構80に接続し、第2気筒用制御油路及び第3気筒用制御油路は、後壁161Bに沿って車幅方向に延びるメイン油路をそれぞれ有し、これら両メイン油路を、第2気筒用スプールバルブ及び第3気筒用スプールバルブの各圧油排出口よりも低い位置に設け、第2気筒用スプールバルブ及び第3気筒用スプールバルブのいずれかのみをONの状態として第2気筒C2及び第3気筒C3のいずれかを稼働させることで、3気筒運転を可能に構成しても良い。この場合、第2気筒用スプールバルブ及び第3気筒用スプールバルブがOFFの状態においても上記両メイン油路に油が残り、次回の油圧の駆動時に上記両メイン油路に残った油を使用できるため、2気筒運転から3気筒運転への変更、及び、3気筒運転から4気筒運転への変更を迅速に行なうことができる。また、自動二輪車100の細部構成については任意に変更可能であることは勿論である。
以下、図8及び図9を参照して、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
第2の実施の形態では、第1の実施の形態で説明した吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173が2重管で構成されておらず、吸気側メイン油路263及び排気側メイン油路273が2本で別々に設けられている点が第1の実施の形態と異なっている。
排気弁用スプールバルブ75Eを各バルブリフタ13Eに接続する排気側制御油路182は、後壁161Bの内部を車幅方向に延びる排気側メイン油路273(メイン油路)と、圧油排出口77Eと排気側メイン油路273とを接続する供給油路274と、排気側メイン油路273と各排気側リフタ孔96Eの油導入孔91aとを接続する分岐油路275とを有している。
また、吸気側メイン油路263及び排気側メイン油路273は、内燃機関1の上下方向に高さをずらして配置された吸気弁用スプールバルブ75I及び排気弁用スプールバルブ75Eに合わせて、上下に2段で配置されている。詳細には、吸気側メイン油路263は、排気側メイン油路273よりも上方に配置されている。
また、別れて2本で配置された吸気側メイン油路263及び排気側メイン油路273を、圧油排出口77I,77Eよりも下方で後壁161Bにまとめて設けたため、吸気側メイン油路263及び排気側メイン油路273に油を貯留でき、吸気及び排気の両方のバルブ休止機構80の切り換えのレスポンスを向上することができる。
以下、図10及び図11を参照して、本発明を適用した第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
第3の実施の形態では、圧油排出口77I,77Eが、吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173よりもそれぞれ低い位置にあるとともに、排気側メイン油路173が、排気側リフタ孔96Eの油導入孔91aよりも高い位置にある点が、第1の実施の形態と異なっている。
第3の実施の形態では、吸気弁用スプールバルブ75I及び排気弁用スプールバルブ75Eの圧油排出口77I,77Eは、吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173よりも下方に位置している。これに伴い、第3の実施の形態では、第1の実施の形態の供給油路164,174に替えて、吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173に向かって上方に延びる供給油路364,374によって、吸気弁用スプールバルブ75I及び排気弁用スプールバルブ75Eは、吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173に接続されている。
また、排気側の供給油路374は、後シリンダヘッド4r内の側壁161A側を上方に延びており、排気側メイン油路173の高さ位置を超えて上方に延びる上方延長部374Aと、上方延長部374Aから下方に屈曲して排気側メイン油路173に接続される傾斜部374Bとを有している。
分岐管377Aは、排気側メイン油路173の高さ位置を超えて前上方に延び、排気側メイン油路173よりも高い位置で分岐油路365に接続されている。
2 クランク軸
3a シリンダボア(シリンダ)
4r 後シリンダヘッド(シリンダヘッド)
11 吸気バルブ(吸気弁)
11c、12c バルブステム
11d、12d バルブステムエンド
12 排気バルブ(排気弁)
13I、13E バルブリフタ(油圧アクチュエータ)
164、174、264、274、364、374 供給油路
75E 排気弁用スプールバルブ(油圧制御機構)
75I 吸気弁用スプールバルブ(油圧制御機構)
77I、77E 圧油排出口
80 バルブ休止機構(可変動弁機構)
86 スライドピン
87 スライドピンホルダ
87a シリンダ孔
88 圧油供給機構
89 リターンスプリング
93 ステム逃げ孔(逃げ孔)
96E 排気側リフタ孔
96I 吸気側リフタ孔
161A 側壁
161B 後壁(下端側側面)
163、263 吸気側メイン油路(メイン油路)
173、273 排気側メイン油路(メイン油路)
Claims (6)
- 油圧をコントロールする油圧制御機構(75I,75E)と、前記油圧制御機構(75I,75E)によりコントロールされた油圧によって駆動される油圧アクチュエータ(13I,13E)とを備え、前記油圧アクチュエータ(13I,13E)により駆動されて弁機構の態様を切り替える可変動弁機構(80)を備える内燃機関において、
シリンダ(3a)をクランク軸線を中心に回動して傾斜して配置すると共に、シリンダヘッド(4r)のクランク軸線方向の側面(161A)に一対の前記油圧制御機構(75I,75E)を設け、一対の前記油圧制御機構(75I,75E)にそれぞれ接続されて前記油圧アクチュエータ(13I,13E)に圧油を送給する一対のメイン油路(163,173,263,273)を設け、
前記メイン油路(163,173,263,273)は、前記シリンダ(3a)が傾斜することで低くなった側の側面(161B)と前記油圧アクチュエータ(13I,13E)との間で前記低くなった側の側面(161B)に沿って一対でまとめて配置されるとともに、前記油圧制御機構(75I,75E)の圧油排出口(77I、77E)より低い位置に配置されたことを特徴とする可変動弁機構を備える内燃機関。 - 排気弁(12)用及び吸気弁(11)用の2本の前記メイン油路(163,173,263,273)を同じ側に設けたことを特徴とする請求項1に記載の可変動弁機構を備える内燃機関。
- 前記メイン油路(163,173)を二重管で構成したことを特徴とする請求項2に記載の可変動弁機構を備える内燃機関。
- 前記油圧制御機構(75I,75E)は、排気弁用油圧制御機構(75E)と吸気弁用油圧制御機構(75I)とを有し、
前記排気弁用油圧制御機構(75E)と前記吸気弁用油圧制御機構(75I)とをエンジン(1)の上下方向にその高さをずらして配置すると共に、前記2本のメイン油路(263,273)を前記油圧制御機構(75I,75E)の高さに合わせて上下2段に配置したことを特徴とする請求項2に記載の可変動弁機構を備える内燃機関。 - 油圧をコントロールする油圧制御機構(75I,75E)と、前記油圧制御機構(75I,75E)によりコントロールされた油圧によって駆動される油圧アクチュエータ(13I,13E)とを備え、前記油圧アクチュエータ(13I,13E)により駆動されて弁機構の態様を切り替える可変動弁機構(80)を備える内燃機関において、
シリンダ(3a)をクランク軸線を中心に回動して傾斜して配置すると共に、シリンダヘッド(4r)のクランク軸線方向の側面(161A)に一対の前記油圧制御機構(75I,75E)を設け、一対の前記油圧制御機構(75I,75E)にそれぞれ接続されて前記油圧アクチュエータ(13I,13E)に圧油を送給する一対のメイン油路(163,173,263,273)を設け、
前記メイン油路(163,173,263,273)は、前記シリンダ(3a)が傾斜することで低くなった側の側面(161B)と前記油圧アクチュエータ(13I,13E)との間で前記低くなった側の側面(161B)に沿って一対でまとめて配置され、
一対の前記メイン油路(163,173,263,273)と一対の前記油圧制御機構(75I,75E)の圧油吐出口(77I,77E)とを連結する一対の供給油路(164,174,264,274,364,374)は、前記メイン油路(163,173,263,273)より高い位置を一旦通過後、前記メイン油路(163,173,263,273)に連結されることを特徴とする可変動弁機構を備える内燃機関。 - 前記可変動弁機構(80)はバルブリフタ(13I,13E)と、該バルブリフタ内のスライドピンホルダ(87)に吸排気弁のバルブステム(11c,12c)と直交する方向に形成されたシリンダ孔(87a)内を摺動するスライドピン(86)と、前記スライドピン(86)に油圧を作用させる圧油供給機構(88)と、前記スライドピン(86)に加わる油圧に抗してスライドピン(86)を付勢するリターンスプリング(89)とを有し、前記スライドピン(86)をスライドすることにより、バルブステムエンド(11d,12d)が前記スライドピン(86)に設けた逃げ孔(93)に嵌入することによってバルブ(11,12)のリフト量を変化させるようにしたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の可変動弁機構を備える内燃機関。
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