JP5474699B2 - 可変動弁機構を備える内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、可変動弁機構を備える内燃機関に関する。
従来、弁機構の態様を油圧アクチュエータで切り換える可変動弁機構を備える内燃機関において、油圧源から供給される油圧をスプールバルブ等の油圧制御弁で切り換えることで油圧アクチュエータを駆動し、可変動弁機構を切り換えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−224733号公報
ところで、上記可変動弁機構の切り換えの速さは、油圧制御弁自体の応答性もさることながら、油圧制御弁と油圧アクチュエータとの間に比較的長い油路が設けられているために、この油路の残油の状態に大きく影響される。このため、上記油路の残油の量によっては油圧アクチュエータが駆動し始める時間にバラツキが生じ、可変動弁機構の切り換えのレスポンスに影響するという課題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、可変動弁機構を備えた内燃機関において、可変動弁機構の切り換えのレスポンスを向上することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、油圧をコントロールする油圧制御機構(75I,75E)と、前記油圧制御機構(75I,75E)によりコントロールされた油圧によって駆動される油圧アクチュエータ(13I,13E)とを備え、前記油圧アクチュエータ(13I,13E)により駆動されて弁機構の態様を切り替える可変動弁機構(80)を備える内燃機関において、シリンダ(3a)をクランク軸線を中心に回動して傾斜して配置すると共に、シリンダヘッド(4r)のクランク軸方向の側面(161A)に一対の前記油圧制御機構(75I,75E)を設け、一対の前記油圧制御機構(75I,75E)にそれぞれ接続されて前記油圧アクチュエータ(13I,13E)に圧油を送給する一対のメイン油路(163,173,263,273)を設け、前記メイン油路(163,173,263,273)は、前記シリンダ(3a)が傾斜することで低くなった側の側面(161B)と前記油圧アクチュエータ(13I,13E)との間で前記低くなった側の側面(161B)に沿って一対でまとめて配置されるとともに、前記油圧制御機構(75I,75E)の圧油排出口(77I、77E)より低い位置に配置されたことを特徴とする。
この構成によれば、油圧制御機構から油圧アクチュエータに圧油を送給するメイン油路を、油圧制御機構の圧油排出口より低い位置でシリンダヘッドの下端側側面に沿って設けたため、油圧駆動用の油は、油圧を解除した後にも常にメイン油路内に残る。これにより、次回に油圧を作用させて油圧アクチュエータを駆動させる際に、メイン油路に残った油を用いることができるため、可変動弁機構の切り換えのレスポンスを向上することができる。
また、上記構成において、排気弁(12)用及び吸気弁(11)用の2本の前記メイン油路(163,173,263,273)を同じ側に設けても良い。
この場合、2本のメイン油路を同じ側に設けることで、吸気弁側と排気弁側の両方のメイン油路に油圧駆動用の油を残すことができる。このため、吸気側及び排気側の両方の可変動弁機構の切り換えのレスポンスを向上することができる。また、2本のメイン油路を同じ側に設けるため、メイン油路をまとめて配置して油路の配置が容易になる。
また、前記メイン油路(163,173)を二重管で構成した構成としても良い。
この場合、メイン油路を二重管で構成するため、1本の管を設けるための配置スペースでメイン油路を設けることができ、メイン油路を容易に配置できる。
さらに、前記油圧制御機構(75I,75E)は、排気弁用油圧制御機構(75E)と吸気弁用油圧制御機構(75I)とを有し、前記排気弁用油圧制御機構(75E)と前記吸気弁用油圧制御機構(75I)とをエンジン(1)の上下方向にその高さをずらして配置すると共に、前記2本のメイン油路(263,273)を前記油圧制御機構(75I,75E)の高さに合わせて上下2段に配置しても良い。
この場合、排気弁用油圧制御機構及び吸気弁用油圧制御機構からの油圧駆動用の油が各メイン油路に残るため、可変動弁機構の切り換えのレスポンスを向上することができる。 また、2本のメイン油路を排気弁用油圧制御機構と吸気弁用油圧制御機構との高さに合わせて上下2段に配置するため、メイン油路、排気弁用油圧制御機構及び吸気弁用油圧制御機構をコンパクトに配置できる。
また、本発明は、油圧をコントロールする油圧制御機構(75I,75E)と、前記油圧制御機構(75I,75E)によりコントロールされた油圧によって駆動される油圧アクチュエータ(13I,13E)とを備え、前記油圧アクチュエータ(13I,13E)により駆動されて弁機構の態様を切り替える可変動弁機構(80)を備える内燃機関において、シリンダ(3a)をクランク軸線を中心に回動して傾斜して配置すると共に、シリンダヘッド(4r)のクランク軸線方向の側面(161A)に一対の前記油圧制御機構(75I,75E)を設け、一対の前記油圧制御機構(75I,75E)にそれぞれ接続されて前記油圧アクチュエータ(13I,13E)に圧油を送給する一対のメイン油路(163,173,263,273)を設け、前記メイン油路(163,173,263,273)は、前記シリンダ(3a)が傾斜することで低くなった側の側面(161B)と前記油圧アクチュエータ(13I,13E)との間で前記低くなった側の側面(161B)に沿って一対でまとめて配置され、一対の前記メイン油路(163,173,263,273)一対の前記油圧制御機構(75I,75E)の圧油吐出口(77I,77E)とを連結する一対の供給油路(164,174,264,274,364,374)は、前記メイン油路(163,173,263,273)より高い位置を一旦通過後、前記メイン油路(163,173,263,273)に連結されることを特徴とする。
この構成によれば、メイン油路と油圧制御機構の圧油吐出口とを連結する供給油路がメイン油路より高い位置を一旦通過後、メイン油路に連結されているため、メイン油路から油圧制御機構に油圧駆動用の油が下って戻ることを防止できる。これにより、次回に油圧を作用させて油圧アクチュエータを駆動させる際に、メイン油路に残った油を用いることができるため、可変動弁機構の切り換えのレスポンスを向上することができる。
また、上記構成において、前記可変動弁機構(80)はバルブリフタ(13I,13E)と、該バルブリフタ内のスライドピンホルダ(87)に吸排気弁のバルブステム(11c,12c)と直交する方向に形成されたシリンダ孔(87a)内を摺動するスライドピン(86)と、前記スライドピン(86)に油圧を作用させる圧油供給機構(88)と、前記スライドピン(86)に加わる油圧に抗してスライドピン(86)を付勢するリターンスプリング(89)とを有し、前記スライドピン(86)をスライドすることにより、バルブステムエンド(11d,12d)が前記スライドピン(86)に設けた逃げ孔(93)に嵌入することによってバルブ(11,12)のリフト量を変化させる構成としても良い。
この場合、バルブリフタ内のスライドピンホルダ内を摺動するスライドピンを油圧によって駆動し、バルブステムエンドをスライドピンの逃げ孔に嵌入させることでバルブのリフト量を変化させるため、比較的簡単な構造で可変動弁機構を構成することができる。
本発明に係る可変動弁機構を備える内燃機関では、メイン油路を、油圧制御機構の圧油排出口より低い位置に設けたため、油圧駆動用の油は、油圧を解除した後にも常にメイン油路内に残る。これにより、次回に油圧を作用させて油圧アクチュエータを駆動させる際に、メイン油路に残った油を用いることができるため、可変動弁機構の切り換えのレスポンスを向上することができる。
また、2本のメイン油路を同じ側に設けることで、吸気弁側及び排気弁側の両方のメイン油路に油圧駆動用の油を残すことができ、吸気側及び排気側の両方の可変動弁機構の切り換えのレスポンスを向上することができる。メイン油路をまとめて配置することで油路の配置が容易になる。
また、メイン油路を二重管で構成するため、1本の管を設けるための配置スペースでメイン油路を設けることができ、メイン油路を容易に配置できる。
また、排気弁用油圧制御機構及び吸気弁用油圧制御機構からの油圧駆動用の油が各メイン油路に残るため、可変動弁機構の切り換えのレスポンスを向上することができる。また、メイン油路、排気弁用油圧制御機構及び吸気弁用油圧制御機構をコンパクトに配置できる。
さらに、メイン油路と圧油吐出口とを連結する供給油路がメイン油路より高い位置を一旦通過後、メイン油路に連結されているため、メイン油路から油圧制御機構に油が下って戻ることを防止できる。これにより、油圧アクチュエータを駆動させる際に、メイン油路に残った油を用いることができるため、可変動弁機構の切り換えのレスポンスを向上することができる。
また、バルブリフタ内のスライドピンホルダ内を摺動するスライドピンを油圧によって駆動し、バルブステムエンドをスライドピンの逃げ孔に嵌入させることでバルブのリフト量を変化させるため、比較的簡単な構造で可変動弁機構を構成することができる。
本発明の実施の形態に係る内燃機関の可変動弁機構を備えた自動二輪車を示す左側面図である。 内燃機関を示す断面図である。 内燃機関を上方から見た場合における構成を示す模式図である。 排気側動弁機構のバルブ休止機構の拡大断面図である。 後側バンクの平面図である。 後シリンダヘッドの側面断面図である。 後シリンダヘッドを後方から見た一部破断正面図である。 第2の実施の形態における後シリンダヘッドの側面断面図である。 第2の実施の形態における後シリンダヘッドを後方から見た一部破断正面図である。 第3の実施の形態における後シリンダヘッドの側面断面図である。 第3の実施の形態における後シリンダヘッドを後方から見た一部破断正面図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る可変動弁機構を備える内燃機関を有する自動二輪車を示す左側面図である。なお、以下の説明中、前後左右及び上下といった方向の記載は車体に対してのものとする。
自動二輪車100の車体フレーム111は、車体前部に位置するヘッドパイプ112と、このヘッドパイプ112から車体中央まで後方に延びる左右一対のメインフレーム114と、メインフレーム114の後端部から下方に延びる左右一対のピボットプレート115と、メインフレーム114の後端部から車体後部まで延びるリヤフレーム(不図示)とを備えている。
ヘッドパイプ112には、フロントフォーク116が回動自在に取り付けられ、このフロントフォーク116の下端に前輪117が回転自在に支持されている。また、ヘッドパイプ112の上部には、操舵用ハンドル118が取り付けられている。
メインフレーム114の下方には、前後V型4気筒の内燃機関1(エンジン)が配置されている。この内燃機関1は、クランク軸2を左右水平方向に指向させる横置き配置のエンジンであって、OHC型の4ストロークの水冷式で、クランクケース3を備え、このクランクケース3から2気筒ずつ前後に傾いた前側バンクBfと、後側バンクBrとがV型に構成され、互いのバンク角が90度よりも小さい狭角V型エンジンである。
前側バンクBfの排気口には、左右一対の排気パイプ119の一端が接続され、排気パイプ119は、排気口から下側に延びた後に、車体後方に向かって引き回され、後側バンクBrの排気口から延びる左右一対の排気パイプ120に接続されて集合され、一本の排気管127(図3参照)を介して、内燃機関1の後方に設けられたマフラー(不図示)に連結されている。
内燃機関1の後方には、ピボット軸121が設けられており、このピボット軸121には、リヤフォーク122がピボット軸121を中心に上下方向に揺動自在に取り付けられている。リヤフォーク122の後端部には、後輪131が回転自在に支持されている。後輪131と内燃機関1とは、リヤフォーク122内に設けられたドライブシャフト123によって連結されており、内燃機関1からの回転動力がドライブシャフト123を介して後輪131へと伝達される。また、リヤフォーク122と車体フレーム111との間には、リヤフォーク122からの衝撃を吸収するリヤクッション124が掛け渡されている。
内燃機関1の後部には、車体を停めるためのスタンド125が設けられている。また、内燃機関1の左側面の下部には、サイドスタンド126が設けられている。
メインフレーム114の上部には、内燃機関1の上方を覆うようにして燃料タンク141が搭載されている。この燃料タンク141の後方には、シート142が位置し、該シート142は上記リヤフレームに支持されている。シート142の後方には、テールランプ143が配置され、テールランプ143の下方には、後輪131の上方を覆うリヤフェンダ144が配置されている。
また、自動二輪車100は、車体を覆う樹脂製の車体カバー150を有し、この車体カバー150は、車体フレーム111の前方から内燃機関1の前部までを連続的に覆うフロントカバー151と、シート142の下方を覆うリヤカバー152とを備えている。フロントカバー151の上部には、左右一対のミラー153が取り付けられている。また、フロントフォーク116には、前輪117の上方を覆うフロントフェンダ146が取り付けられている。
図2は、内燃機関1を示す断面図である。図3は、内燃機関1を上方から見た場合における構成を示す模式図である。なお、図2では、図の上下を内燃機関1の上下、図の左側を内燃機関1の前側、図の右側を内燃機関1の後側として説明する。
図2に示すように、前側バンクBfと後側バンクBrとの間には側面視でV字状に形成された空間であるVバンク空間Kが形成されている。
クランクケース3は上下割りで構成され、上クランクケース3Uと下クランクケース3Lとを有している。クランク軸2はクランクケース3U、3Lにより挟まれるようにして回転自在に軸支され、上クランクケース3Uには、それぞれ左右に2気筒が配列される前シリンダブロック3fと後シリンダブロック3rとが、側面視でV字をなすように斜め上方に延出されて一体に形成されている。
下クランクケース3Lの下部には、内燃機関1のオイルが貯留されるオイルパン3Gが下方に膨出するように設けられている。内燃機関1内にオイルを循環させるオイルポンプ50は、下クランクケース3L内においてクランク軸2の下方に位置している。オイルポンプ50は、クランク軸2とオイルポンプ50との間に掛け渡されるポンプ駆動チェーン(不図示)によって駆動され、クランク軸2が回転する際には常に稼働される。
また、クランクケース3内には、クランク軸2とそれぞれ平行に配置されるメイン軸41、カウンタ軸42、及び、出力軸43が設けられている。クランク軸2を含むこれらの軸41,42,43は、クランク軸2の回転をメイン軸41、カウンタ軸42、及び、出力軸43の順に伝達する歯車伝達機構を構成している。カウンタ軸42とメイン軸41との間には、6段変速の変速歯車群が跨って配置され、これらによって変速装置が構成されている。出力軸43には、傘歯車(不図示)を介してドライブシャフト123(図1参照)が接続されている。
前シリンダブロック3fには、前シリンダヘッド4fが前方斜め上に重ねられて締結ボルト(不図示)により締結され、前シリンダヘッド4fの上を前シリンダヘッドカバー5fが覆っている。同様に、後シリンダブロック3rには後シリンダヘッド4r(シリンダヘッド)が後方斜め上に重ねられて締結ボルト(不図示)により締結され、後シリンダヘッド4rは後シリンダヘッドカバー(不図示)により覆われる。
前シリンダブロック3f及び後シリンダブロック3rには、一対のシリンダボア3a(シリンダ)がそれぞれ形成され、各シリンダボア3aにはシリンダボア3a内を往復運動するピストン6が収容されている。各ピストン6は、各ピストン6に共通な1本のクランク軸2に対し、各コンロッド7f,7rを介して連結されている。
図3に示すように、内燃機関1おいては、ピストン6が収容される気筒が、車幅方向の左側から順に第1気筒C1、第2気筒C2、第3気筒C3、第4気筒C4として設けられている。詳細には、前側バンクBfの左側の気筒が第1気筒C1、右側の気筒が第4気筒C4であり、後側バンクBrの左側の気筒が第2気筒C2、右側の気筒が第3気筒C3である。
図2及び図3に示すように、前シリンダヘッド4f及び後シリンダヘッド4rには、4つの各シリンダボア3aの上方に位置する燃焼室20がそれぞれ設けられている。前シリンダヘッド4fには、第1気筒C1の燃焼室20に連通する吸気ポート21f及び排気ポート22f、及び、第4気筒C4の燃焼室20に連通する吸気ポート21f及び排気ポート22fが設けられている。
後シリンダヘッド4rには、第2気筒C2の燃焼室20に連通する吸気ポート21r及び排気ポート22r、及び、第3気筒C3の燃焼室20に連通する吸気ポート21r及び排気ポート22rが設けられている。
前シリンダヘッド4fの各吸気ポート21f,21fには、吸気ポート21f,21fに流れる吸気の量を調整する前側スロットルボディ60fが接続され、後シリンダヘッド4rの各吸気ポート21r,21rには、吸気ポート21r,21rに流れる吸気の量を調整する後側スロットルボディ60rが接続されている。
図2に示すように、各気筒の燃焼室20の上面を形成する燃焼凹部20Aには、一対の吸気バルブ開口81及び一対の排気バルブ開口82が形成されている。吸気バルブ開口81は吸気バルブ11(吸気弁)により開閉され、排気バルブ開口82は排気バルブ12(排気弁)により開閉される。
吸気バルブ11は、吸気バルブ開口81を塞ぐ弁体部11bと、弁体部11bを基端として延びるバルブステム11cとを有し、排気バルブ12は、排気バルブ開口82を塞ぐ弁体部12bと、弁体部12bを基端として延びるバルブステム12cとを有している。
バルブステム11c及びバルブステム12cは、吸気バルブ開口81及び排気バルブ開口82の上方に設けられたガイド筒83に摺動自在に嵌合されている。
バルブステム11c及びバルブステム12cの先端のバルブステムエンド11d,12dにはリテーナ84がそれぞれ設けられている。コイル状のバルブスプリング11a及びバルブスプリング12aは、各リテーナ84と吸気バルブ開口81及び排気バルブ開口82との間に設けられ、吸気バルブ11及び排気バルブ12を閉じる方向に付勢している。
これらの吸気バルブ11及び排気バルブ12は、図2に示すように、各シリンダヘッド4f,4rごとに1本ずつ配設されたカムシャフト25f,25rで駆動されるユニカム方式の動弁機構10によって開閉駆動される。
動弁機構10は、各シリンダヘッド4f,4rにおける吸気バルブ11の上方の支持部に回転自在に軸支されるカムシャフト25f,25rと、カムシャフト25f,25rと平行な軸線を有して各シリンダヘッド4f,4rに固定されるロッカシャフト26と、ロッカシャフト26に揺動可能に軸支されるロッカーアーム27とを有している。
後シリンダヘッド4rの動弁機構10は、吸気バルブ11を有してカムシャフト25rに直押しされる吸気側動弁機構10Iと、排気バルブ12を有してロッカーアーム27により駆動される排気側動弁機構10Eとを備えて構成されている。吸気側動弁機構10I及び排気側動弁機構10Eは、1本のカムシャフト25rにより駆動され、互いに連動して動作する。
カムシャフト25f,25rは、カムシャフト25f,25rの外周側に突出した吸気カム30及び排気カム31を有し、クランク軸2の回転に同期して回転させられる。吸気カム30および排気カム31は、中心から外周までの距離(半径)が一定でないカムプロフィールを有し、吸気カム30及び排気カム31が回転した際の半径の変化によって、吸気バルブ11及び排気バルブ12を上下運動させる。
前側バンクBfにおいて、カムシャフト25fと吸気バルブ11との間には、カムシャフト25fの下方で前シリンダヘッド4fに摺動可能に嵌合される前側バルブリフタ13が設けられている。
後側バンクBrにおいて、カムシャフト25rと吸気バルブ11との間には、カムシャフト25rの下方で後シリンダヘッド4rに摺動可能に嵌合されるバルブリフタ13I(油圧アクチュエータ)が設けられている。
ロッカシャフト26に軸支されたロッカーアーム27の一端には排気カム31に転がり接触するローラ27aが設けられ、ロッカーアーム27の他端には排気バルブ12の上端に接触するタペットねじ27bが進退位置を調節可能として螺合されている。後側バンクBr側のタペットねじ27bと排気バルブ12との間には、バルブリフタ13E(油圧アクチュエータ)が設けられている。
そして、カムシャフト25f,25rと一体に吸気カム30及び排気カム31が回転されると、吸気カム30が前側バルブリフタ13及びバルブリフタ13Iを介して吸気バルブ11を押し下げるとともに、ローラ27aに当接する排気カム31がロッカーアーム27を介して排気バルブ12を押し下げ、吸気カム30及び排気カム31の回転の位相によって定まる所定のタイミングで各吸気ポート21f,22f及び各排気ポート22r,22rが開閉される。
図3に示すように、前側スロットルボディ60fは前側バンクBfの後部に設けられ、第1気筒C1及び第4気筒C4へ連通する一対の吸気通路61,61を一つのケース体62に備えて構成されている。吸気通路61,61には、バタフライ式の一対のスロットルバルブ63,63が開閉可能にそれぞれ設けられており、スロットルバルブ63,63は、吸気通路61,61に設けられるシャフト64(図2参照)によって支持されている。シャフト64は、シャフト64に接続された1つのモータ65によって駆動され、2つのスロットルバルブ63,63は同時に駆動される。
また、後側スロットルボディ60rは後側バンクBrの前部に設けられ、第2気筒C2及び第3気筒C3へ連通する一対の吸気通路66a,66bを一つのケース体68に備えて構成されている。吸気通路66a,66bには、バタフライ式の一対のスロットルバルブ67,67が開閉可能にそれぞれ設けられており、スロットルバルブ67,67は、吸気通路66a,66bに設けられるシャフト64(図2参照)によって支持されている。シャフト64は、シャフト64に接続された1つのモータ65によって駆動され、2つのスロットルバルブ67,67は同時に駆動される。
スロットルバルブ63,63及びスロットルバルブ67,67は、運転者により操作されるアクセル開度、つまり、運転者の加速意思等に応じて各モータ65に連係して電子制御により開閉動作する、いわゆるTBW(スロットル・バイ・ワイヤ)式のスロットルバルブである。各モータ65の駆動状態は、車両の電子制御ユニットとしてのECU76によってアクセル開度等に応じて制御される。
吸気通路61,61及び吸気通路66a,66bには、吸気通路61,61及び吸気通路66a,66b内に燃料を噴射するインジェクタ70がそれぞれ設けられている。各燃焼室20の中央には、各燃焼室20に供給される混合気に点火する点火プラグ71が設けられている。
また、前側バンクBf及び後側バンクBrの右端部には、上下に延びるカムチェーン室35が設けられており、カムシャフト25f,25rは、クランク軸2により駆動されカムチェーン室35を通るカムチェーン(不図示)によって回転駆動される。
本実施の形態では、吸気バルブ11及び排気バルブ12を閉状態に維持して気筒を休止させるバルブ休止機構80(可変動弁機構)が後側バンクBrに設けられている。バルブ休止機構80は、図2に示すように、吸気側においては、吸気バルブ11のバルブステムエンド11dと吸気カム30との間に設けられ、排気側においては、排気バルブ12のバルブステムエンド12dとロッカーアーム27のタペットねじ27bとの間に設けられている。
バルブ休止機構80は、吸気カム30から吸気バルブ11への開弁方向の押圧力の作用・非作用、及び、ロッカーアーム27から排気バルブ12への開弁方向の押圧力の作用・非作用を切り換え可能であり、内燃機関1の特定の運転域、例えば、低速運転域などの低負荷域では押圧力を非作用状態として、吸気バルブ11及び排気バルブ12を休止状態とするものである。すなわち、バルブ休止機構80は、弁機構の態様を切り換える可変動弁機構であり、具体的には、吸気バルブ11及び排気バルブ12を作動させるか否かを切り換え可能な可変動弁機構である。
図4は、排気側動弁機構10Eのバルブ休止機構80の拡大断面図である。
バルブ休止機構80は、第2気筒C2及び第3気筒C3の全ての吸気バルブ11及び排気バルブ12に対応してそれぞれ設けられている。すなわち、本第1の実施の形態では、図3に示すように、第2気筒C2及び第3気筒C3の計8本の吸気バルブ11及び排気バルブ12に対応してバルブ休止機構80が設けられている。
また、バルブ休止機構80は、吸気側及び排気側で同様に構成されており、ここでは、主として排気側動弁機構10E側のバルブ休止機構80について説明する。
図4に示すように、排気側のバルブ休止機構80は、バルブリフタ13Eをケースとしてバルブリフタ13Eにその主要部が設けられている。バルブ休止機構80は、ロッカーアーム27からの押圧力によりバルブステム12cの軸方向に上下に摺動するリフタ85と、リフタ85内に設けられ、バルブステムエンド12dの軸方向に直交する方向に摺動するスライドピン86と、スライドピン86を保持するスライドピンホルダ87と、スライドピン86に油圧を作用させる圧油供給機構88と、スライドピン86に加わる油圧に抗してスライドピン86を一方向に付勢するリターンスプリング89と、リフタ85をタペットねじ27bの下端からの押圧力に抗して付勢するリフタスプリング90とを有している。バルブリフタ13Eは、圧油供給機構88からの油圧によって駆動される油圧アクチュエータである。
吸気側動弁機構10Iのバルブ休止機構80は、吸気バルブ11のバルブステムエンド11dと吸気カム30との間に設けられるバルブリフタ13Iにその主要部が設けられている。バルブリフタ13Iは、バルブリフタ13Eと略同一に構成されている。
リフタ85は軸方向の上端が平面状に形成された円筒形に構成されるとともに、下面が開口し、内部に円板状のスライドピンホルダ87を収容している。リフタ85の外周面にはリフタ85の内外を連通させる連通孔85aが形成されている。
また、リフタ85の上面とタペットねじ27bの下端との間には、タペットねじ27bの受け部材94が介装されている。リフタスプリング90はコイルばねであり、リフタ85内に収容され、スライドピンホルダ87の下面に当接して設けられている。
リフタ85は、後シリンダヘッド4rの上部に設けられた円筒状の排気側リフタ孔96E(吸気側では図5に示す吸気側リフタ孔96I)内に摺動自在に支持されている。吸気側リフタ孔96I及び排気側リフタ孔96Eには、径方向に貫通する油導入孔91aが設けられ、該リフタ孔の内周面には、リフタ85の外周を囲うように円環状の油供給溝91bが形成されている。圧油供給機構88の油圧は、油導入孔91a及び油供給溝91bを介してバルブリフタ13I,13Eにそれぞれ供給される。
圧油供給機構88は、作動油を送出するオイルポンプ50と、オイルポンプ50に接続される上流側制御油路72(図3参照)と、上流側制御油路72から第2気筒C2及び第3気筒C3の計4つのバルブリフタ13Iに接続される吸気側制御油路73と、上流側制御油路72から第2気筒C2及び第3気筒C3の計4つのバルブリフタ13Eに接続される排気側制御油路74と、吸気側制御油路73及び排気側制御油路74に流れる作動油を切り換える油圧切換え部75(図3参照)とを備えている。
油圧切換え部75は、4つのバルブリフタ13Iに供給される作動油の油圧のON/OFFを一括して切り換える油圧制御機構としての吸気弁用スプールバルブ75I(吸気弁用油圧制御機構)、及び、4つのバルブリフタ13Eに供給される作動油の油圧のON/OFFを一括して切り換える油圧制御機構としての排気弁用スプールバルブ75E(排気弁用油圧制御機構)を有している。吸気弁用スプールバルブ75I及び排気弁用スプールバルブ75Eの切り換えは、内燃機関1の回転数等の車両の運転状況に基づいてECU76によって制御される。
すなわち、第1の実施の形態では、吸気側制御油路73に接続される吸気弁用スプールバルブ75Iと、排気側制御油路74に接続される排気弁用スプールバルブ75Eとが独立して設けられており、各バルブリフタ13Iと各バルブリフタ13Eとは互いに独立して油圧のON/OFFが切り換えられる。
図4に示すように、スライドピンホルダ87は、その円板形状の径方向に延びるとともにバルブステム12cと直交する方向を向いて形成されたシリンダ孔87aと、スライドピンホルダ87の中央にバルブステム12cと同軸に設けられたステム孔87bとを有し、リフタ85内に嵌着されている。シリンダ孔87aの一端には開口87cが設けられ、他端には壁部87dが形成されている。また、シリンダ孔87aの開口87c側には、シリンダ孔87a内のスライドピン86の位置を規制するストッパピン92が設けられている。
スライドピン86は、シリンダ孔87a内においてバルブステム12cに直交する方向に摺動自在に設けられ、その軸方向と直交する方向に貫通するステム逃げ孔93(逃げ孔)を有している。また、スライドピン86は、その外周面が内側に窪んだステム当り面93aを有し、ステム当り面93aは、ステム逃げ孔93に隣り合わせて連続して設けられている。シリンダ孔87a内において、スライドピン86の一端とリフタ85との間の空間は、上記作動油が作用する油圧室95となっている。
スライドピン86の他端とシリンダ孔87aの壁部87dとの間には、リターンスプリング89が設けられており、図4に示すように、リターンスプリング89は、スライドピン86を油圧室95側に付勢している。スライドピン86は、一端側に設けられた溝部にストッパピン92が嵌合することで軸方向の位置を規制される。スライドピン86がストッパピン92側に押し付けられた状態では、ステム逃げ孔93は、ステム孔87bと略同軸の位置関係にあり、ステム孔87bに連通する。
そして、油圧室95に油圧切換え部75からの油圧が作用してスライドピン86がリターンスプリング89の付勢力に抗してスライドすると、ステム逃げ孔93はステム孔87bからずれて、ステム当り面93aがバルブステムエンド12dの端面に対向する。
排気バルブ12のバルブステムエンド12dは、ステム孔87bに挿通されるとともに、スライドピン86のステム逃げ孔93に臨んだ状態で設けられている。バルブ休止機構80では、スライドピン86が油圧によってスライドされることで、各バルブリフタ13I,13Eと各吸排気バルブ11,12との係合状態が変化する。
すなわち、バルブ休止機構80は、油圧の制御によってスライドピン86を移動して、ステム当り面93aとステム逃げ孔93とを選択的にバルブステムエンド12dに臨ませることが可能に構成されている。
バルブ休止機構80では、排気弁用スプールバルブ75EがON状態に制御されて油圧室95に作動油が供給されると、スライドピン86がリターンスプリング89に抗して他端側に移動され、バルブステムエンド12dがステム当り面93aに当接し、排気バルブ12がリフタ85に連結される。このため、カムシャフト25rの回転により排気カム31を介してロッカーアーム27が揺動され、タペットねじ27bによってリフタ85が押圧されて下降すると、スライドピン86のステム当り面93aを介して排気バルブ12に押圧力が作用して排気バルブ12がリフトされて開かれることとなり、リフタ85の往復運動に伴って排気バルブ12が開閉動作する。
また、排気弁用スプールバルブ75EがOFF状態に制御され、スライドピン86に作用する油圧が低く、スライドピン86がリターンスプリング89に抗して他端側に移動されない状態では、スライドピン86のステム逃げ孔93がステム孔87bに連通し、排気バルブ12のバルブステムエンド12dはステム逃げ孔93に嵌入可能な状態となる。この状態において、カムシャフト25rの回転によりロッカーアーム27を介してリフタ85が押圧されて往復運動する場合、リフタ85は、排気バルブ12のバルブステムエンド12dが嵌入された状態で単独で上下に往復するだけであり、排気バルブ12にロッカーアーム27の押圧力は伝達されない。すなわち、排気バルブ12には、カムシャフト25rが回転してもロッカーアーム27の押圧力が作用せず、排気バルブ12はリフト量が常に0となり閉弁状態が維持されて休止状態となる。
つまり、バルブ休止機構80は、カムシャフト25rによりバルブリフタ13I,13Eが駆動された際の吸気バルブ11及び排気バルブ12のリフト量を、通常の開閉動作時のリフト量、及び、0(休止状態)に変化させる可変動弁機構である。
内燃機関1が気筒休止される際には、吸気弁用スプールバルブ75I及び排気弁用スプールバルブ75EがOFF状態に制御され、第2気筒C2及び第3気筒C3の全ての吸気バルブ11及び排気バルブ12が休止状態とされる。一方、内燃機関1の全気筒が運転される場合は、吸気弁用スプールバルブ75I及び排気弁用スプールバルブ75EがON状態に制御され、第2気筒C2及び第3気筒C3の全ての吸気バルブ11及び排気バルブ12の休止状態が解除される。
すなわち、第2気筒C2及び第3気筒C3で構成される後側バンクBrは、休止可能な休止気筒である。一方、第1気筒C1及び第4気筒C4はバルブ休止機構80を有しておらず、前側バンクBfは、内燃機関1の運転時には常に吸気バルブ11及び排気バルブ12の開閉が行われる常時稼働気筒である。
ここで、内燃機関1は、4気筒の全てを運転させる4気筒運転、及び、第2気筒C2及び第3気筒C3を休止して、前側バンクBfの2つの気筒を運転させる2気筒運転を行うことができる。
ECU76は、車両の運転状況に対応してバルブ休止機構80の吸気弁用スプールバルブ75I及び排気弁用スプールバルブ75Eを切り換えて後側バンクBrの気筒休止を制御し、気筒を休止する際には、休止する気筒のインジェクタ70の燃料供給を停止する。このため、内燃機関1の燃費を向上させることができる。
図5は、後側バンクBrの平面図である。図5では、後シリンダヘッド4rから、後シリンダヘッドカバー、カムシャフト25r、バルブリフタ13I,13E、及び、ロッカーアーム27等を取り外した状態を示している。
図5に示すように、後シリンダヘッドカバーを取り外した状態では、後シリンダヘッド4rの上面には、カムシャフト25rやロッカーアーム27等を収容する動弁室の底面を構成するヘッド上面部160が露出している。
第2気筒C2及び第3気筒C3は、クランク軸2の軸線方向に一致する車幅方向に横並びで設けられ、ヘッド上面部160において後シリンダヘッド4rの前後方向の中央部には、点火プラグ71(図3参照)が設けられるプラグ支持孔51が各気筒に設けられている。
後シリンダヘッド4r内において第3気筒C3の外側の側方には、カムチェーン室35が形成されている。
ヘッド上面部160には、プラグ支持孔51を挟んで前後の位置に、各バルブリフタ13I,13Eを摺動可能に収容する吸気側リフタ孔96I及び排気側リフタ孔96Eがそれぞれ設けられている。4箇所に設けられる吸気側リフタ孔96Iは、プラグ支持孔51の前側において、車幅方向に一列に並んで配置されている。また、4箇所に設けられる排気側リフタ孔96Eは、プラグ支持孔51の後側において、車幅方向に一列に並んで配置されている。
後シリンダヘッド4rの車幅方向の側壁において、カムチェーン室35とは反対側の側壁161A(側面)の外側面には、吸気弁用スプールバルブ75I及び排気弁用スプールバルブ75Eが取り付けられている。
吸気弁用スプールバルブ75I及び排気弁用スプールバルブ75Eから油圧が供給される吸気側制御油路73及び排気側制御油路74は、ヘッド上面部160の内部に設けられた油路であり、各排気側リフタ孔96Eよりも後方の後シリンダヘッド4rの後部を通った後、吸気側リフタ孔96I及び排気側リフタ孔96Eに接続されている。
図6は、後シリンダヘッド4rの側面断面図に、吸気弁用スプールバルブ75I及び排気弁用スプールバルブ75Eの位置を示した図である。図7は、後シリンダヘッド4rを後方から見た一部破断正面図である。図7では、吸気側制御油路73及び排気側制御油路74の一部を断面で図示している。
図2及び図6に示すように、後側バンクBrは、シリンダボア3aをクランク軸2の軸線を中心に後方へ回動させて傾斜して配置されている。これに伴い、後シリンダブロック3r及び後シリンダヘッド4rは、後方に傾斜して配置され、後シリンダヘッド4rのヘッドカバーとの合わせ面52やヘッド上面部160は、後部ほど低い位置に位置している。また、後シリンダヘッド4rが後傾しているため、後シリンダヘッド4rの下端は、後シリンダヘッド4rの後壁161Bが有している。すなわち、後壁161Bは、後シリンダヘッド4rの下端側側壁である。
吸気弁用スプールバルブ75I及び排気弁用スプールバルブ75Eは、前後に並べて側壁161Aに設けられているとともに、後側バンクBrの上下方向にその高さをずらして配置されている。詳細には、吸気弁用スプールバルブ75I及び排気弁用スプールバルブ75Eは、その上面が、後下がりに傾斜した合わせ面52と略平行になるように配置されており、後側に配置される排気弁用スプールバルブ75Eは、前側に配置される吸気弁用スプールバルブ75Iよりも下方に位置している。ここで、吸気弁用スプールバルブ75I及び排気弁用スプールバルブ75Eは略同一に構成されており、大きさも略同一である。
吸気弁用スプールバルブ75I及び排気弁用スプールバルブ75Eは、その上部において側壁161A側に、吸気側制御油路73及び排気側制御油路74に接続される圧油排出口77I,77Eをそれぞれ有している。
図5〜図7に示すように、吸気側制御油路73は、後シリンダヘッド4rの後壁161Bの内部を車幅方向に延びる吸気側メイン油路163(メイン油路)と、圧油排出口77Iと吸気側メイン油路163とを接続する供給油路164と、吸気側メイン油路163と各吸気側リフタ孔96Iとを接続する分岐油路165とを有している。
また、排気側制御油路74は、後シリンダヘッド4rの後壁161Bの内部を車幅方向に延びる排気側メイン油路173(メイン油路)と、圧油排出口77Eと排気側メイン油路173とを接続する供給油路174と、排気側メイン油路173と各排気側リフタ孔96Eとを接続する分岐油路175とを有している。
吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173は、2重管構造によって構成されている。詳細には、排気側メイン油路173を構成する内管177を、吸気側メイン油路163を構成する外管167内に収容することで、上記2重管構造が形成されている。ここで、内管177は、外管167の外側に連通する分岐管177A(図7参照)を有し、分岐管177Aは、排気側リフタ孔96Eの位置に対応した4箇所に設けられている。外管167は、外管167の外側に連通する連通孔167A(図7参照)を有し、連通孔167Aは、吸気側リフタ孔96Iの位置に対応した4箇所に設けられている。
後壁161B内において、合わせ面52の下方かつ排気ポート22rの上方の部分には、外管167を収容する収容穴166が車幅方向に延びて形成されている。収容穴166は、側壁161A側から穴開け加工により形成され、カムチェーン室35の手前で終端している。吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173は予め2重管に構成され、この2重管を収容穴166に挿入することで、吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173が設けられる。収容穴166の開口は、キャップ166Aにより閉塞される。
分岐油路165,175は、ヘッド上面部160内に形成された油路であり、前後方向に延在している。分岐油路165は、外管167の連通孔167Aと吸気側リフタ孔96Iとを接続することで、吸気側メイン油路163を各バルブリフタ13Iに接続している。また、分岐油路175は、内管177の分岐管177Aと排気側リフタ孔96Eとを接続することで、排気側メイン油路173を各バルブリフタ13Eに接続している。
第1の実施の形態では、吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173が、後傾して配置された後シリンダヘッド4rの後壁161Bに沿って設けられており、吸気側リフタ孔96I及び排気側リフタ孔96Eの各油導入孔91a(図6参照)は、吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173よりも高い位置に位置している。これに伴い、分岐油路165及び分岐油路175は、各油導入孔91aに向かって前上がりに傾斜している。このため、油圧がOFFの状態において吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173内に残留している油が、バルブリフタ13I,13E側に流れ出すことが防止される。
供給油路164,174は、後シリンダヘッド4rの側壁161A側に形成された油路であり、外管167及び内管177における側壁161A側の端に接続されている。
図6及び図7に示すように、後シリンダヘッド4rが後傾して配置されているため、吸気側メイン油路163は、圧油排出口77Iよりも低い位置に位置し、排気側メイン油路173は、圧油排出口77Eよりも低い位置に位置している。これに伴い、供給油路164,174は、圧油排出口77I,77Eに向かって高くなるように傾斜している。このように、圧油排出口77I,77Eよりも吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173が低い位置にあるため、油圧がOFFの状態において吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173内に残留している油がバルブリフタ13I,13E側に流れ出すことが防止される。
ここで、バルブ休止機構80の動作に伴う油圧の供給について説明する。
内燃機関1の回転数等の車両の運転状況に基づいて、4気筒運転から2気筒運転への切り換えを判断すると、ECU76は、吸気弁用スプールバルブ75I及び排気弁用スプールバルブ75EをOFFの状態に制御する。これに伴い、吸気側では、供給油路164、吸気側メイン油路163及び分岐油路165を介してバルブリフタ13Iに油圧が供給され、排気側では、供給油路174、排気側メイン油路173及び分岐油路175を介してバルブリフタ13Eに油圧が供給され、第2気筒C2及び第3気筒C3が気筒休止されて2気筒運転への変更が行なわれる。
第1の実施の形態では、吸気側メイン油路163が、圧油排出口77I及び吸気側リフタ孔96Iの油導入孔91aよりも低い位置にあり、吸気弁用スプールバルブ75IがOFFにされた後に油が圧油排出口77I及び吸気側リフタ孔96Iに流出することが防止されるため、吸気側メイン油路163内に油を貯留しておくことができる。また、排気側メイン油路173が、圧油排出口77E及び排気側リフタ孔96Eの油導入孔91aよりも低い位置にあり、排気弁用スプールバルブ75EがOFFにされた後に油が圧油排出口77E及び排気側リフタ孔96Eに流出することが防止されるため、排気側メイン油路173内に油を貯留しておくことができる。
その後、内燃機関1の回転数等の車両の運転状況に基づいて、2気筒運転から4気筒運転への切り換えを判断すると、ECU76は、吸気弁用スプールバルブ75I及び排気弁用スプールバルブ75EをONの状態に制御して油圧を供給する。この際、吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173内に油が貯留されており、吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173内に新たに油を満たす必要がないため、バルブ休止機構80の切り換えのレスポンスを向上することができる。これにより、2気筒運転から4気筒運転の切り替えのタイムラグを減少させることができる。
以上説明したように、本発明を適用した第1の実施の形態によれば、吸気弁用スプールバルブ75I及び排気弁用スプールバルブ75Eからバルブリフタ13I,13Eに圧油を送給する吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173を、吸気弁用スプールバルブ75I及び排気弁用スプールバルブ75Eの圧油排出口77I,77Eより低い位置で後シリンダヘッド4rの後壁161Bに沿って設けたため、油圧駆動用の油は、油圧を解除した後にも常に吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173内に残る。これにより、次回に油圧を作用させてバルブリフタ13I,13Eのスライドピン86を駆動させる際に、吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173に残った油を用いることができるため、バルブ休止機構80の切り換えのレスポンスを向上することができる。
また、2本の吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173を後壁161Bに設け、同じ側に設けることで、吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173の両方に油圧駆動用の油を残すことができる。このため、吸気側及び排気側の両方のバルブ休止機構80の切り換えのレスポンスを向上することができる。また、2本の吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173をまとめて配置することで油路の配置が容易になる。
また、吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173を、内管177を外管167に収容した二重管で構成するため、1本の管を設けるための配置スペースで吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173を設けることができ、吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173を容易に配置できる。
さらに、吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173と圧油排出口77I,77Eとを連結する供給油路164,174が吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173より高い位置を一旦通過後、吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173にそれぞれ連結されているため、吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173から吸気弁用スプールバルブ75I及び排気弁用スプールバルブ75Eに油圧駆動用の油が下って戻ることを防止できる。これにより、次回に油圧を作用させてバルブリフタ13I,13Eを駆動させる際に、吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173に残った油を用いることができるため、バルブ休止機構80の切り換えのレスポンスを向上することができる。
また、バルブリフタ13I,13E内のスライドピンホルダ87内を摺動するスライドピン86を油圧によって駆動し、バルブステムエンド11d,12dをスライドピン86のステム逃げ孔93に嵌入させることで吸気バルブ11及び排気バルブ12のリフト量を変化させるため、比較的簡単な構造でバルブ休止機構80を構成することができる。
なお、上記第1の実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記第1の実施の形態に限定されない。
上記第1の実施の形態では、吸気側制御油路73に接続される吸気弁用スプールバルブ75Iと、排気側制御油路74に接続される排気弁用スプールバルブ75Eとが独立して設けられており、各バルブリフタ13Iと各バルブリフタ13Eとは互いに独立して油圧のON/OFFが切り換えられるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、吸気弁用スプールバルブ75Iに替えて第2気筒C2のバルブ休止機構80に油圧を供給する第2気筒用スプールバルブを設け、第2気筒用スプールバルブを吸気側制御油路73に替えて後壁161B側に設けた第2気筒用制御油路を介して第2気筒C2の全てのバルブ休止機構80に接続し、同様に、排気弁用スプールバルブ75Eに替えて第3気筒C3のバルブ休止機構80に油圧を供給する第3気筒用スプールバルブを設け、第3気筒用スプールバルブを排気側制御油路74に替えて後壁161B側に設けた第3気筒用制御油路を介して第3気筒C3の全てのバルブ休止機構80に接続し、第2気筒用制御油路及び第3気筒用制御油路は、後壁161Bに沿って車幅方向に延びるメイン油路をそれぞれ有し、これら両メイン油路を、第2気筒用スプールバルブ及び第3気筒用スプールバルブの各圧油排出口よりも低い位置に設け、第2気筒用スプールバルブ及び第3気筒用スプールバルブのいずれかのみをONの状態として第2気筒C2及び第3気筒C3のいずれかを稼働させることで、3気筒運転を可能に構成しても良い。この場合、第2気筒用スプールバルブ及び第3気筒用スプールバルブがOFFの状態においても上記両メイン油路に油が残り、次回の油圧の駆動時に上記両メイン油路に残った油を使用できるため、2気筒運転から3気筒運転への変更、及び、3気筒運転から4気筒運転への変更を迅速に行なうことができる。また、自動二輪車100の細部構成については任意に変更可能であることは勿論である。
[第2の実施の形態]
以下、図8及び図9を参照して、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
第2の実施の形態では、第1の実施の形態で説明した吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173が2重管で構成されておらず、吸気側メイン油路263及び排気側メイン油路273が2本で別々に設けられている点が第1の実施の形態と異なっている。
図8は、第2の実施の形態における後シリンダヘッド4rの側面断面図に、吸気弁用スプールバルブ75I及び排気弁用スプールバルブ75Eの位置を示した図である。図9は、第2の実施の形態における後シリンダヘッド4rを後方から見た一部破断正面図である。図9では、吸気側メイン油路263及び排気側メイン油路273を断面で図示している。
吸気弁用スプールバルブ75Iを各バルブリフタ13Iに接続する吸気側制御油路181は、後壁161Bの内部を車幅方向に延びる吸気側メイン油路263(メイン油路)と、圧油排出口77Iと吸気側メイン油路263とを接続する供給油路264と、吸気側メイン油路263と各吸気側リフタ孔96Iの油導入孔91aとを接続する分岐油路265とを有している。
排気弁用スプールバルブ75Eを各バルブリフタ13Eに接続する排気側制御油路182は、後壁161Bの内部を車幅方向に延びる排気側メイン油路273(メイン油路)と、圧油排出口77Eと排気側メイン油路273とを接続する供給油路274と、排気側メイン油路273と各排気側リフタ孔96Eの油導入孔91aとを接続する分岐油路275とを有している。
吸気側メイン油路263及び排気側メイン油路273は、後シリンダヘッド4rの後壁161B内に前後に分かれて2本で形成され、後シリンダヘッド4rの側壁において同じ側壁内に設けられている。
また、吸気側メイン油路263及び排気側メイン油路273は、内燃機関1の上下方向に高さをずらして配置された吸気弁用スプールバルブ75I及び排気弁用スプールバルブ75Eに合わせて、上下に2段で配置されている。詳細には、吸気側メイン油路263は、排気側メイン油路273よりも上方に配置されている。
吸気側メイン油路263は、圧油排出口77I及び吸気側リフタ孔96Iの油導入孔91aよりも低い位置に形成されている。また、排気側メイン油路273は、圧油排出口77E及び排気側リフタ孔96Eの油導入孔91aよりも低い位置に形成されている。これにより、油圧がOFFにされた状態おいても、吸気側メイン油路263及び排気側メイン油路273内に油が貯留されるため、次回に油圧を作用させてバルブ休止機構80を切り換える際のレスポンスを向上することができる。
第2の実施の形態によれば、2本の吸気側メイン油路263及び排気側メイン油路273を、吸気弁用スプールバルブ75I及び排気弁用スプールバルブ75Eの高さに合わせて上下2段に配置するため、吸気側メイン油路263、排気側メイン油路273、吸気弁用スプールバルブ75I及び排気弁用スプールバルブ75Eをコンパクトに配置できる。
また、別れて2本で配置された吸気側メイン油路263及び排気側メイン油路273を、圧油排出口77I,77Eよりも下方で後壁161Bにまとめて設けたため、吸気側メイン油路263及び排気側メイン油路273に油を貯留でき、吸気及び排気の両方のバルブ休止機構80の切り換えのレスポンスを向上することができる。
[第3の実施の形態]
以下、図10及び図11を参照して、本発明を適用した第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
第3の実施の形態では、圧油排出口77I,77Eが、吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173よりもそれぞれ低い位置にあるとともに、排気側メイン油路173が、排気側リフタ孔96Eの油導入孔91aよりも高い位置にある点が、第1の実施の形態と異なっている。
図10は、第3の実施の形態における後シリンダヘッド4rの側面断面図である。図11は、第3の実施の形態における後シリンダヘッド4rを後方から見た一部破断正面図である。図11では、吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173を断面で図示している。
第3の実施の形態では、吸気弁用スプールバルブ75I及び排気弁用スプールバルブ75Eの圧油排出口77I,77Eは、吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173よりも下方に位置している。これに伴い、第3の実施の形態では、第1の実施の形態の供給油路164,174に替えて、吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173に向かって上方に延びる供給油路364,374によって、吸気弁用スプールバルブ75I及び排気弁用スプールバルブ75Eは、吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173に接続されている。
図10に示すように、吸気側の供給油路364は、後シリンダヘッド4r内の側壁161A側を上方に延びており、吸気側メイン油路163の高さ位置を超えて上方に延びる上方延長部364Aと、上方延長部364Aから下方に屈曲して吸気側メイン油路163に接続される傾斜部364Bとを有している。
また、排気側の供給油路374は、後シリンダヘッド4r内の側壁161A側を上方に延びており、排気側メイン油路173の高さ位置を超えて上方に延びる上方延長部374Aと、上方延長部374Aから下方に屈曲して排気側メイン油路173に接続される傾斜部374Bとを有している。
すなわち、供給油路364,374は、吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173よりも高い位置を一旦通過後、吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173に接続されている。このため、油圧がOFFの状態において、吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173に残った油は、傾斜部364B,374Bによって、圧油排出口77I,77E側への流出を阻止される。
図11に示すように、排気側メイン油路173を構成する内管177は、排気側リフタ孔96Eの油導入孔91aよりも上方に位置している。内管177には、外管167の外側に連通する分岐管377Aが接続されており、分岐管377Aは、各排気側リフタ孔96Eへ向かって下方に延びる分岐油路365によって油導入孔91aに接続されている。
分岐管377Aは、排気側メイン油路173の高さ位置を超えて前上方に延び、排気側メイン油路173よりも高い位置で分岐油路365に接続されている。
すなわち、排気側メイン油路173は、分岐管377Aによって、排気側メイン油路173よりも高い位置を一旦通過後、各排気側リフタ孔96Eに接続されている。このため、油圧がOFFの状態において、排気側メイン油路173に残った油は、分岐管377Aによって、排気側リフタ孔96E側への流出を阻止される。これにより、排気側メイン油路173に残った油を、次回の油圧の駆動に使用できるため、バルブ休止機構80を切り換える際のレスポンスを向上することができる。
第3の実施の形態によれば、吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173と吸気弁用スプールバルブ75I及び排気弁用スプールバルブ75Eの圧油排出口77I,77Eとを連結する供給油路364,374が吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173より高い位置を一旦通過後、吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173に連結されているため、吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173から吸気弁用スプールバルブ75I及び排気弁用スプールバルブ75Eに油圧駆動用の油が下って戻ることを防止できる。これにより、次回に油圧を作用させてバルブリフタ13I,13Eを駆動させる際に、吸気側メイン油路163及び排気側メイン油路173に残った油を用いることができるため、バルブ休止機構80の切り換えのレスポンスを向上することができる。
1 内燃機関(エンジン)
2 クランク軸
3a シリンダボア(シリンダ)
4r 後シリンダヘッド(シリンダヘッド)
11 吸気バルブ(吸気弁)
11c、12c バルブステム
11d、12d バルブステムエンド
12 排気バルブ(排気弁)
13I、13E バルブリフタ(油圧アクチュエータ)
164、174、264、274、364、374 供給油路
75E 排気弁用スプールバルブ(油圧制御機構)
75I 吸気弁用スプールバルブ(油圧制御機構)
77I、77E 圧油排出口
80 バルブ休止機構(可変動弁機構)
86 スライドピン
87 スライドピンホルダ
87a シリンダ孔
88 圧油供給機構
89 リターンスプリング
93 ステム逃げ孔(逃げ孔)
96E 排気側リフタ孔
96I 吸気側リフタ孔
161A 側壁
161B 後壁(下端側側面)
163、263 吸気側メイン油路(メイン油路)
173、273 排気側メイン油路(メイン油路)

Claims (6)

  1. 油圧をコントロールする油圧制御機構(75I,75E)と、前記油圧制御機構(75I,75E)によりコントロールされた油圧によって駆動される油圧アクチュエータ(13I,13E)とを備え、前記油圧アクチュエータ(13I,13E)により駆動されて弁機構の態様を切り替える可変動弁機構(80)を備える内燃機関において、
    シリンダ(3a)をクランク軸線を中心に回動して傾斜して配置すると共に、シリンダヘッド(4r)のクランク軸方向の側面(161A)に一対の前記油圧制御機構(75I,75E)を設け、一対の前記油圧制御機構(75I,75E)にそれぞれ接続されて前記油圧アクチュエータ(13I,13E)に圧油を送給する一対のメイン油路(163,173,263,273)を設け
    前記メイン油路(163,173,263,273)は、前記シリンダ(3a)が傾斜することで低くなった側の側面(161B)と前記油圧アクチュエータ(13I,13E)との間で前記低くなった側の側面(161B)に沿って一対でまとめて配置されるとともに、前記油圧制御機構(75I,75E)の圧油排出口(77I、77E)より低い位置に配置されたことを特徴とする可変動弁機構を備える内燃機関。
  2. 排気弁(12)用及び吸気弁(11)用の2本の前記メイン油路(163,173,263,273)を同じ側に設けたことを特徴とする請求項1に記載の可変動弁機構を備える内燃機関。
  3. 前記メイン油路(163,173)を二重管で構成したことを特徴とする請求項2に記載の可変動弁機構を備える内燃機関。
  4. 前記油圧制御機構(75I,75E)は、排気弁用油圧制御機構(75E)と吸気弁用油圧制御機構(75I)とを有し、
    前記排気弁用油圧制御機構(75E)と前記吸気弁用油圧制御機構(75I)とをエンジン(1)の上下方向にその高さをずらして配置すると共に、前記2本のメイン油路(263,273)を前記油圧制御機構(75I,75E)の高さに合わせて上下2段に配置したことを特徴とする請求項2に記載の可変動弁機構を備える内燃機関。
  5. 油圧をコントロールする油圧制御機構(75I,75E)と、前記油圧制御機構(75I,75E)によりコントロールされた油圧によって駆動される油圧アクチュエータ(13I,13E)とを備え、前記油圧アクチュエータ(13I,13E)により駆動されて弁機構の態様を切り替える可変動弁機構(80)を備える内燃機関において、
    シリンダ(3a)をクランク軸線を中心に回動して傾斜して配置すると共に、シリンダヘッド(4r)のクランク軸線方向の側面(161A)に一対の前記油圧制御機構(75I,75E)を設け、一対の前記油圧制御機構(75I,75E)にそれぞれ接続されて前記油圧アクチュエータ(13I,13E)に圧油を送給する一対のメイン油路(163,173,263,273)を設け、
    前記メイン油路(163,173,263,273)は、前記シリンダ(3a)が傾斜することで低くなった側の側面(161B)と前記油圧アクチュエータ(13I,13E)との間で前記低くなった側の側面(161B)に沿って一対でまとめて配置され、
    一対の前記メイン油路(163,173,263,273)一対の前記油圧制御機構(75I,75E)の圧油吐出口(77I,77E)とを連結する一対の供給油路(164,174,264,274,364,374)は、前記メイン油路(163,173,263,273)より高い位置を一旦通過後、前記メイン油路(163,173,263,273)に連結されることを特徴とする可変動弁機構を備える内燃機関。
  6. 前記可変動弁機構(80)はバルブリフタ(13I,13E)と、該バルブリフタ内のスライドピンホルダ(87)に吸排気弁のバルブステム(11c,12c)と直交する方向に形成されたシリンダ孔(87a)内を摺動するスライドピン(86)と、前記スライドピン(86)に油圧を作用させる圧油供給機構(88)と、前記スライドピン(86)に加わる油圧に抗してスライドピン(86)を付勢するリターンスプリング(89)とを有し、前記スライドピン(86)をスライドすることにより、バルブステムエンド(11d,12d)が前記スライドピン(86)に設けた逃げ孔(93)に嵌入することによってバルブ(11,12)のリフト量を変化させるようにしたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の可変動弁機構を備える内燃機関。
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