JP5331536B2 - V型内燃機関の吸気通路構造 - Google Patents
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本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、吸気通路の長さが等しいV型内燃機関の吸気通路構造を提供することを目的とする。
上記構成によれば、前後バンクの吸気通路を同じ長さにすることができる。
上記構成によれば、オフセットにより形成される広い空間にアクチュエータが配置されるので、アクチュエータの取り付け作業が容易になる。
図1は、本発明の実施の形態に係る吸気通路構造を適用した自動二輪車を示す側面図である。この自動二輪車10は、車体フレーム11と、車体フレーム11の前端部に取り付けられたヘッドパイプ12に回動自在に支持された左右一対のフロントフォーク13と、フロントフォーク13の上端部を支持するトップブリッジ14に取り付けられた操舵用のハンドル15と、フロントフォーク13に回転自在に支持された前輪16と、車体フレーム11に支持されたV型内燃機関としてのエンジン17と、エンジン17に排気管18A,18Bを介して連結された排気マフラー19A,19Bと、車体フレーム11の後下部のピボット20に上下に揺動自在に支持されたリアスイングアーム21と、このリアスイングアーム21の後端部に回転自在に支持された後輪22とを備え、リアスイングアーム21と車体フレーム11との間にリアクッション23が配設される。
前バンク110Aと後バンク110Bによって形成されるV字状の空間には、エンジン吸気系を構成するエアクリーナ41とスロットルボディ42が配設される。スロットルボディ42は、エアクリーナ41で浄化された空気を前バンク110A及び後バンク110Bに供給する。また、各バンク110A,110Bには、エンジン排気系を構成する排気管18A,18Bが接続され、各排気管18A,18Bが車体右側を通ってその後端に排気マフラー19A,19Bが各々接続され、これら排気管18A,18B及び排気マフラー19A,19Bを介して排気ガスが排出される。
図2において、エンジン17の前バンク110A及び後バンク110Bは同一の構造である。図2中、前バンク110Aはピストン周辺を示し、後バンク110Bはカムチェーン周辺を示している。また、図2において、符号121は中間シャフト(後側バランサシャフト)を示し、符号123はメインシャフトを示し、符号125はカウンタシャフトを示している。クランクシャフト105を含むこれらシャフト121,123,125は、車体前後方向及び上下方向にずらして互いに平行に配置され、これらシャフトを支持するクランクケース110C内には、クランクシャフト105の回転を、中間シャフト121、メインシャフト123及びカウンタシャフト125の順に伝達する歯車伝達機構が構成されている。
各シリンダヘッド132A,132Bの下面には、ピストン136上方に形成される燃焼室の天面を構成する燃焼凹部141が形成され、各燃焼凹部141には、点火プラグ142がその先端を臨ませて配置される。この点火プラグ142は、シリンダ軸線Cと略同軸に設けられる。
シリンダヘッド132Aの上部には、燃料ポンプ144が設けられ、燃料ポンプ144から燃料配管144Aを介して各インジェクタ143に燃料が供給される。
各吸気ポート145は、図3に示すように、シリンダヘッド132A,132Bと一体に設けた下部吸気ポート145Bと、シリンダヘッド132A,132Bと別体で下部吸気ポート145Bの上端部145Dに連結される上部吸気ポート145Cとを備えている。上部吸気ポート145Cは、図示しないボルトによって下部吸気ポート145Bに固定され、ヘッドカバー133A,133Bに接近する方向に角度を変えて延出している。上記インジェクタ143は、下部吸気ポート145Bの下方に、下部吸気ポート145Bに沿って設けられている。
この中間シャフト121の右端部には、オイルポンプ用駆動スプロケット181と、上記中間側被動歯車177と、この被動歯車177より小径の駆動歯車(以下、中間側駆動歯車という)182とが順に取り付けられている。
オイルポンプ用駆動スプロケット181は、中間シャフト121の後側であって、メインシャフト123下方に配置されたオイルポンプ184の駆動軸185に固定された被動スプロケット186に伝動チェーン187を介して該中間シャフト121の回転力を伝達し、オイルポンプ184を駆動させる。
カウンタシャフト125の左端部は、車体の前後方向に延びるドライブシャフト(不図示)に連結される。これによって、カウンタシャフト125の回転がドライブシャフトに伝達される。
動弁装置50は、図4に示すように、シリンダ軸線Cを中心として吸気側と排気側とに独立して対称に設けられている。前バンク110A及び後バンク110Bの動弁装置50は略同一構造であるため、本実施の形態では、前バンク110Aの吸気側の動弁装置50について説明する。
また、カムシャフト支持部201,202における吸気カム153の側の面には、ホルダ53を支持するホルダ支持部201D,202Dがそれぞれ設けられている。
また、連結部材59は、カムシャフト151と平行な軸部59Aを有し、軸部59Aの第1プレート53A側の端には、サブロッカアーム54の一端が連結されるサブロッカアーム支持部59B(支点)が形成されている。連結部材59は、第1,第2プレート53A,53Bの外面側から軸部59Aの両端に挿入される一対のボルト53Dによって第1,第2プレート53A,53Bに固定される。また、連結部材59は、軸部59Aに平行な軸部59Cを備えており、第1,第2プレート53A,53Bの外面側からこの軸部59Cの両端に挿入される一対のボルト(不図示)によっても第1,第2プレート53A,53Bに固定される。
また、サブロッカアーム54は、図5に示すように、連結部材59に収容されたサブロッカアームリターンスプリング58により付勢されており、サブロッカアーム54のローラ54Aが常に吸気カム153に押し付けられている。ここで、サブロッカアームリターンスプリング58はコイルスプリングである。
このように構成された動弁装置50において、図5を参照し、カムシャフト151が回転されると、カムシャフト151と一体に回転する吸気カム153のカム山部153Bにより、サブロッカアーム54がローラ54Aを介して押し上げられて軸部59Aを中心として揺動し、これに伴い、コネクトリンク55を介して動弁カム52がカムシャフト151を中心として図5中の時計回りに回転する。そして、動弁カム52の回転によりカム山部52Bがローラ51Cを介してロッカアーム51と共に吸気弁147を押し下げ、吸気弁147が開弁される。また、カムシャフト151がさらに回転されて吸気カム153のベース円部153Aがローラ54Aに当接する状態では、サブロッカアーム54がサブロッカアームリターンスプリング58により押し下げられると共に、動弁カム52が動弁カムリターンスプリング57より図5中の反時計回りに回転させられてベース円部52Aがローラ51Cに当接する。これにより、吸気弁147は弁ばね149(図2参照)により押し上げられて閉弁される。
これによって、動弁装置50は、吸気弁147及び排気弁148の開閉の作動特性を変更可能に構成されている。
連結リンク部材63は、図7に示すように、駆動機構60に連結されている。
駆動機構60は、図7に示すように、連結リンク部材63を介してホルダ53に連結されている。駆動機構60は、吸気側カムシャフト151と排気側カムシャフト152とに跨って配置されたボールねじ61と、吸気側・排気側のそれぞれに設けられ、ボールねじ61上を軸方向に移動可能な2つのナット62(スライダ)とを備え、ナット62及びホルダ53間に連結リンク部材63が設けられている。
ボールねじ61の排気側の一端部には従動ギヤ64が固着され、従動ギヤ64にはボールねじ61を回転させるための電動アクチュエータ(アクチュエータ)70(図9参照)がギヤ輪列で連結されている。
図7に示すように、ボールねじ61の外周面には、吸気側と排気側にそれぞれ螺旋状のねじ山61A,61Bと、螺旋状の軸ねじ溝61C,61Dとが形成されている。これらねじ山61A,61B及び軸ねじ溝61C,61Dは、巻き方向が吸気側と排気側で異なる方向に設定されている。
ナット側リンク63Aの一端部は、ナット62を両側方から挟み込み、ボルト66によってナット62に固定されている。ナット側リンク63Aの他端部は、ピン67によってホルダ側リンク63Bの一端部に揺動可能に支持されている。ホルダ側リンク63Bの他端部は、偏心ピン68によって第2プレート53Bに揺動可能に支持されている。偏心ピン68は、六角ボルト68Aと、六角ボルト68Aの頭部に偏心して一体形成された偏心軸68Bとを備えて構成されている。六角ボルト68Aは、スプリングワッシャ68C及び六角ナット68Dによって第2プレート53Bに固定され、偏心軸68Bは、ナット側リンク63Aに回転自在に支持される。
例えば、ボールねじ61が回転してナット62がボールねじ61の中央側に移動させられ、連結リンク部材63によってホルダ53が図5中の時計回り方向にさらに揺動されると、動弁カム52はリンク機構56によって時計回り方向に回転され、この状態でカムシャフト151が回転されると、カム山部52Bがローラ51Cを押し下げる期間及び押し下げ量が大きくなり、吸気弁147の開弁期間及びリフト量が大きくなる。
図9は、エンジン17を上方から見た横断面図である。なお、図9では、前後バンク110A,110Bは、エンジン17の上方からシリンダ軸線C(図2参照)に沿って見た図が示されている。
前後一対(図9では、左右一対)の前後バンク110A,110Bは、車体左右方向(図9では、上下方向)に延びるカムシャフト151,152の軸方向に互いにオフセットして配置されている。より詳細には、前バンク110Aは車体左方向(図9では、上方向)にオフセットされ、後バンク110Bは車体右方向(図9では、下方向)にオフセットされている。前バンク110Aの車体右側と後バンク110Bの車体左側には、バンク110A,110Bのオフセット量分だけスペースが形成される。電動アクチュエータ70は、このスペースを利用して、ヘッドカバー133A,133Bのオフセットした方向と反対側の側面に設けられている。すなわち、前バンク110Aの電動アクチュエータ70は車体右側(図9では、下側)に設けられ、後バンク110Bの電動アクチュエータ70は車体左側(図9では、上側)に設けられている。この電動アクチュエータ70は、その上面がヘッドカバー133A,133Bの頂面(不図示)より下方に位置するように取り付けられる。
駆動軸72には、駆動ギヤ72Aが形成されており、中間軸73には、駆動ギヤ72Aと噛み合う第1中間ギヤ73Aと、ボールねじ61に設けられた従動ギヤ64と噛み合う第2中間ギヤ73Bとが固定されている。
前後バンク110A,110Bのシリンダボア135は、コンロッド137(図2参照)の車体左右方向のオフセットに対応して、クランクシャフト105(図2参照)の軸方向、すなわち、カムシャフト151,152の軸方向に互いにオフセットして配置されている。より詳細には、前バンク110Aの車体前後方向のシリンダ中心線CAは車体右方向にオフセットし、後バンク110Bの車体前後方向のシリンダ中心線CBは車体左方向にオフセットしている。
スロットルボディ42には、スロットルの開度をアクチュエータ42Aの駆動により変化させるTBW(スロットル・バイ・ワイヤ)が採用されている。このアクチュエータ42Aは、スロットルボディ42のオフセットにより形成されたスペースを利用して、スロットルボディ42のオフセットした方向と反対側、すなわち、Vバンク内側の車体前側に設けられている。
これら吸気通路43A,43Bは略同一の長さに形成されている。したがって、スロットルボディ42のオフセット量は、これら吸気通路43A,43Bが同じ長さになるように設定される。
スロットルボディ42は、前後バンク110A,110Bのオフセットにより車体左右方向に広くなったVバンク内側の空間に配置されるので、スロットルボディ42の取り付け作業が容易になる。スロットルボディ42のアクチュエータ42Aは、スロットルボディ42のオフセットにより形成されたスロットルボディ42と前バンク110Aとの間の広い空間に配置されるので、アクチュエータ42Aの取り付け作業が容易になる。
42 スロットルボディ
42A アクチュエータ
43 吸気チャンバ
43A,43B 吸気通路
110A,110B バンク
135 シリンダボア(気筒)
145 吸気ポート(吸気管)
145E 上端部(上端開口)
Claims (2)
- V型に配置した前後一対のバンク(110A,110B)を備え、前後バンク(110A,110B)共通のスロットルボディ(42)の下流に吸気チャンバ(43)を設け、前記吸気チャンバ(43)から前後バンク(110A,110B)の燃焼室に吸気管を分岐させたV型内燃機関(17)の吸気通路構造において、
前記前後バンク(110A,110B)は略等しい吸気通路長を有する吸気ポート(145)を備え、前バンク(110A)の吸気ポート(145)の上端開口(145E)は前記前バンク(110A)のシリンダ中心線(CA)上に設けた貫通孔(45A)により、後バンク(110B)の吸気ポート(145)の上端開口(145E)は前記後バンク(110B)のシリンダ中心線(CB)上に設けた貫通孔(45B)により、それぞれ前記吸気チャンバ(43)に連結され、
前記スロットルボディ(42)及び前記吸気チャンバ(43)は、前記スロットルボディ(42)から遠い側の気筒(135)に連なる側にオフセットされ、
前記吸気チャンバ(43)内は、前記スロットルボディ(42)から前記遠い側の気筒(135)に連なる吸気ポート(145)の上端開口(145E)までの第1の吸気通路(43B)が略ストレートに形成されると共に、近い側の気筒(135)に連なる吸気ポート(145)の上端開口(145E)までの第2の吸気通路(43A)が湾曲して形成され、前記第1の吸気通路(43B)と前記第2の吸気通路(43A)が同じ長さになるように設定されていることを特徴とするV型内燃機関の吸気通路構造。 - 前記スロットルボディ(42)は、該スロットルの開度をコントロールするアクチュエータ(42A)を、前記オフセットした方向と反対側に備えたことを特徴とする請求項1に記載のV型内燃機関の吸気通路構造。
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