JP5346644B2 - 内燃機関の動弁装置 - Google Patents

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Description

本発明は、機関弁が開閉するバルブ作動特性を変更可能にする機能を備えた内燃機関の動弁装置に関する。
従来、内燃機関の動弁装置において、シリンダヘッドに支持されたカム軸と一体回転する駆動カムと、カム軸に揺動可能に支持され、機関弁を開閉させる動弁カムと、カム軸を中心に揺動可能に支持され、駆動カムの弁駆動力を動弁カムに伝達し、動弁カムを揺動させるリンク機構と、リンク機構に設けられた支点を中心にカム軸の周りを回動自在なホルダと、このホルダを回転させてリンク機構の支点位置を変化させる駆動機構とを備え、揺動されたリンク機構の揺動位置によって、機関弁の作動特性を変更可能にしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−208800号公報
ところで、上記従来の内燃機関の動弁装置では、ホルダと、機関弁を開閉させる動弁カムとの間に動弁カムの圧縮コイルスプリング(リターンスプリング)が、動弁カムとホルダとの間に圧縮された状態で設けられていたため、ホルダを組み付けする際にコイルスプリングを圧縮して組み付けなければならず、組み付けにくいものであった。
そこで、本発明は、内燃機関の動弁装置において、動弁装置の組立て作業を簡単にするとともに、シリンダヘッドをコンパクトにすることを目的とする。
上述課題を解決するため、内燃機関(17)の回転に同期して回転するカム軸(151)と、前記カム軸(151)と一体回転する駆動カム(153)と、前記カム軸(151)と相対回転し、機関弁(147)を開閉させる動弁カム(52)と、前記駆動カム(153)の弁駆動力を前記動弁カム(52)に伝達するリンク機構(56)と、前記リンク機構(56)の支点(59B)を支持し前記カム軸(151)の周りを揺動可能なホルダ部材(53)と、前記ホルダ部材(53)を揺動させて前記リンク機構(56)の支点位置を変化させる駆動機構(60)とを備え、前記リンク機構(56)の支点(59B)の揺動位置で、前記機関弁(147)が開閉するバルブ作動特性を変更可能にする内燃機関の動弁装置において、前記動弁カム(52)のリターンスプリング(57)は、前記カム軸(151)に装着した捻じりコイルスプリングで形成し、一端(57B)を前記動弁カム(52)に、他端(57C)を前記ホルダ部材(53)に係合し、前記カム軸(151)には動弁カム(52)を位置決め可能にカム軸カラー(155)を嵌合し、前記カム軸カラー(155)の前記動弁カム(52)側にリターンスプリング押え用鍔部(155A)を設け、前記カム軸カラー(155)は、前記カム軸(151)の端に締めこまれた固定ボルト(156)によって前記動弁カム(52)の側に押圧されて前記カム軸(151)に固定され前記ホルダ部材(53)は、前記駆動カム(153)、前記動弁カム(52)、及び前記リターンスプリング(57)を間に挟んで前記カム軸(151)の軸方向に所定の間隔を空けて配置される一対のホルダプレート(53A,53B)と、当該一対のホルダプレート(53A,53B)を軸方向に連結する支持部材(59)とを組み立てて形成され、前記リターンスプリング(57)は、前記ホルダ部材(53)の内側で、前記動弁カム(52)を挟んで前記駆動カム(153)の反対側で前記カム軸カラー(155)に嵌合し、前記カム軸カラー(155)は、前記リターンスプリング押え用鍔部(155A)よりも軸端側の部分が、前記リターンスプリング(57)を挿通可能に前記リターンスプリングの内径部(57A)よりも小さな径に形成されており、前記リターンスプリング(57)の前記一端(57B)は、前記カム軸(151)の軸方向に延びて前記動弁カム(52)の側面の支持孔(52C)に係合されることを特徴とする内燃機関の動弁装置を提供する。
この構成によれば、捻じりコイルスプリングにより形成されたリターンスプリングを、カム軸に装着したため、リターンスプリングの配置が簡単で、リターンスプリングの配置スペースを少なくできる。また、リターンスプリングの一端を動弁カムに係合させ、リターンスプリングの他端をホルダ部材に係合させるため、リターンスプリングをカム軸に簡単に装着できる。さらに、リターンスプリングを、カム軸に装着した捻じりコイルスプリングとしたため、リターンスプリングを押し縮めながらの作業が不要になり、組立て作業が簡単になる。また、リターンスプリングをカム軸に装着したため、動弁装置を小型化でき、シリンダヘッドをコンパクトにできる。また、カム軸カラーのリターンスプリング押え用鍔部によって動弁カムを位置決めできるともに、リターンスプリング押え用鍔部にリターンスプリングを当接させて、リターンスプリングを位置決めできる。
さらに、記リターンスプリング(57)は、前記一端(57B)を前記支持部材(59)に係合されて取付けられても良い。
この場合、リターンスプリングの一端をリンク機構の揺動支点となる支持部材に係合させ、リターンスプリングの他端を動弁カムの支持孔に係合させてリターンスプリングを取付けできるため、リターンスプリング用の特別な係合部材を設ける必要がなく、また、組付けも容易である。これにより、部品点数及び組立工数の削減が可能である。
本発明に係る内燃機関の動弁装置では、捻じりコイルスプリングにより形成されたリターンスプリングを、カム軸に装着したため、リターンスプリングの配置が簡単で、リターンスプリングの配置スペースを少なくできる。また、リターンスプリングの一端を動弁カムに係合させ、リターンスプリングの他端をホルダ部材に係合させるため、リターンスプリングをカム軸に簡単に装着できる。さらに、リターンスプリングを、カム軸に装着した捻じりコイルスプリングとしたため、リターンスプリングを押し縮めながらの作業が不要になり、組立て作業が簡単になる。また、リターンスプリングをカム軸に装着したため、動弁装置を小型化でき、シリンダヘッドをコンパクトにできる。
また、カム軸カラーのリターンスプリング押え用鍔部によって動弁カムを位置決めできるともに、リターンスプリング押え用鍔部にリターンスプリングを当接させて、リターンスプリングを位置決めできる。
さらに、リターンスプリングの一端を支持部材に係合させ、他端を動弁カムの支持孔に係合させてリターンスプリングを取付けできるため、リターンスプリング用の特別な係合部材を設ける必要がなく、また、組付けも容易である。これにより、部品点数及び組立工数の削減が可能である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右及び上下といった方向の記載は、車体に対してのものとする。
図1は、本発明の実施の形態に係る動弁装置を適用した自動二輪車を示す側面図である。この自動二輪車10は、車体フレーム11と、車体フレーム11の前端部に取り付けられたヘッドパイプ12に回動自在に支持された左右一対のフロントフォーク13と、フロントフォーク13の上端部を支持するトップブリッジ14に取り付けられた操舵用のハンドル15と、フロントフォーク13に回転自在に支持された前輪16と、車体フレーム11に支持された内燃機関としてのエンジン17と、エンジン17に排気管18A,18Bを介して連結された排気マフラー19A,19Bと、車体フレーム11の後下部のピボット20に上下に揺動自在に支持されたリアスイングアーム21と、このリアスイングアーム21の後端部に回転自在に支持された後輪22とを備え、リアスイングアーム21と車体フレーム11との間にリアクッション23が配設される。
車体フレーム11は、ヘッドパイプ12から後下がりに延びるメインフレーム25と、メインフレーム25の後部に連結される左右一対のピボットプレート(センターフレームとも言う)26と、ヘッドパイプ12から下方に延びた後に屈曲して延びてピボットプレート26に連結されるダウンチューブ27とを備えている。メインフレーム25を跨ぐように燃料タンク28が支持され、メインフレーム25後方が後輪22上方まで延びてリアフェンダ29が支持され、このリアフェンダ29上方から燃料タンク28までの間にシート30が支持される。なお、図1中、符号31はダウンチューブ27に支持されたラジエータ、符号32はフロントフェンダ、符号33はサイドカバー、符号34はヘッドライト、符号35はテールライト、符号36は乗員用ステップである。
メインフレーム25、ピボットプレート26及びダウンチューブ27によって囲まれる空間にはエンジン17が支持される。エンジン17は、シリンダ(気筒)がV字状に前後にバンクした前後V型の2気筒水冷式4サイクルエンジンである。エンジン17は、車体に対してクランクシャフト105が左右水平方向に指向するように複数のエンジンブラケット37(図1では一部のみを図示)を介して車体フレーム11に支持される。エンジン17の動力は後輪22左側に配設されたドライブシャフト(不図示)を介して後輪22に伝達される。
エンジン17は、シリンダを各々構成する前バンク110Aと後バンク110Bとの挟み角度(バンク角度とも言う)は90度より小さい角度(例えば、52度)で形成されている。各バンク110A,110Bの動弁装置はともに、4バルブのダブルオーバーヘッドカムシャフト(DOHC)方式に構成されている。
前バンク110Aと後バンク110Bによって形成されるV字状の空間には、エンジン吸気系を構成するエアクリーナ41とスロットルボディ42が配設される。スロットルボディ42は、エアクリーナ41で浄化された空気を前バンク110A及び後バンク110Bに供給する。また、各バンク110A,110Bには、エンジン排気系を構成する排気管18A,18Bが接続され、各排気管18A,18Bが車体右側を通ってその後端に排気マフラー19A,19Bが各々接続され、これら排気管18A,18B及び排気マフラー19A,19Bを介して排気ガスが排出される。
図2はエンジン17の内部構造を側方から見た図であり、図3は、図2の前バンク110Aの内部構造を拡大して示す図である。
図2において、エンジン17の前バンク110A及び後バンク110Bは同一の構造である。図2中、前バンク110Aはピストン周辺を示し、後バンク110Bはカムチェーン周辺を示している。また、図2において、符号121は中間シャフト(後側バランサシャフト)を示し、符号123はメインシャフトを示し、符号125はカウンタシャフトを示している。クランクシャフト105を含むこれらシャフト121,123,125は、車体前後方向及び上下方向にずらして互いに平行に配置され、これらシャフトを支持するクランクケース110C内には、クランクシャフト105の回転を、中間シャフト121、メインシャフト123及びカウンタシャフト125の順に伝達する歯車伝達機構が構成されている。
図2に示すように、エンジン17のクランクケース110C上面には、前側シリンダブロック131A及び後側シリンダブロック131Bが車体前後に所定の挟み角度をなすように配置され、これらシリンダブロック131A、131Bの上面に前側シリンダヘッド132A、後側シリンダヘッド132Bが各々結合され、さらに各シリンダヘッド132A,132Bの上面にはヘッドカバー133A,133Bが各々装着されて前バンク110A及び後バンク110Bが構成される。
各シリンダブロック131A,131Bには、シリンダボア135が各々形成され、各シリンダボア135にはそれぞれピストン136が摺動自在に挿入され、各ピストン136は、コンロッド137を介してクランクシャフト105に連結される。
各シリンダヘッド132A,132Bの下面には、ピストン136上方に形成される燃焼室の天面を構成する燃焼凹部141が形成され、各燃焼凹部141には、点火プラグ142がその先端を臨ませて配置される。この点火プラグ142は、シリンダ軸線Cと略同軸に設けられる。
エンジン17は、各燃焼凹部141に設けられたインジェクタ143から燃焼室に直接燃料を噴射する筒内噴射式エンジンである。各インジェクタ143は、各シリンダヘッド132A,132BのVバンク内側側面から挿入され、その先端を各燃焼凹部141に臨ませて配置される。インジェクタ143は、シリンダ軸線Cに対して寝かせた状態で取り付けられる。
シリンダヘッド132Aの上部には、燃料ポンプ144が設けられ、燃料ポンプ144から燃料配管144Aを介して各インジェクタ143に燃料が供給される。
各シリンダヘッド132A,132Bには、一対の開口部145Aにて各燃焼凹部141に連通する吸気ポート145と、一対の開口部146Aにて各燃焼凹部141に連通する排気ポート146とが形成されている。吸気ポート145は、シリンダ軸線Cとインジェクタ143との間に配置される。
各吸気ポート145は、図2及び図3に示すように、シリンダヘッド132A,132Bと一体に設けた下部吸気ポート145Bと、シリンダヘッド132A,132Bと別体に設けた上部吸気ポート145Cとを備えている。上部吸気ポート145Cは、下部吸気ポート145Bに対し、よりヘッドカバー133A,133Bに接近する方向に角度を変えて取り付けられている。
各吸気ポート145は吸気チャンバ43で合流しており、この吸気チャンバ43はスロットルボディ42に連結される。スロットルボディ42には、スロットルバルブの断面積をアクチュエータの駆動により変化させるTBW(スロットル・バイ・ワイヤ)が採用されている。シリンダヘッド132Aの排気ポート146は、排気管18A(図1参照)に連結されており、シリンダヘッド132Bの排気ポート146は、排気管18B(図1参照)に連結されている。
シリンダヘッド132A,132Bには、吸気ポート145の開口部145Aを開閉する一対の吸気弁147(機関弁)と、排気ポート146の開口部146Aを開閉する一対の排気弁148(機関弁)とが配置される。吸気弁147及び排気弁148は、弁ばね149,149で各ポートを閉じる方向に各々付勢されている。各弁体147,148は、開閉のタイミングやリフト量等のバルブ作動特性を変更可能な動弁装置50によって駆動される。動弁装置50は、シリンダヘッド132A,132Bに回転可能に支持され、エンジン17の回転に同期して回転する吸気側と排気側のカムシャフト151,152(カム軸)を備える。
カムシャフト151には、吸気カム153(駆動カム)が一体に形成されている。吸気カム153は、円形のカム面を形成するベース円部153Aと、ベース円部153Aから外周側に突出して山形のカム面を形成するカム山部153Bとを備えている。また、カムシャフト152には、排気カム154(駆動カム)が一体に形成されている。排気カム154は、円形のカム面を形成するベース円部154Aと、ベース円部154Aから外周側に突出して山形のカム面を形成するカム山部154Bとを備えている。
図2に示すように、シリンダヘッド132A,132Bの幅方向の一端側には、中間軸158が回転可能に支持され、この中間軸158に中間スプロケット159,160が固定される。カムシャフト151の一端側には被動スプロケット161が固定され、カムシャフト152の一端側には被動スプロケット162が固定され、クランクシャフト105の両端側には駆動スプロケット163が固定される。これらスプロケット159,163間には第1カムチェーン164が巻回され、スプロケット160〜162間には第2カムチェーン165が巻回される。これらスプロケット159〜163及びカムチェーン164,165は、各バンク110A、110Bの一端側に形成されたカムチェーン室166に収容される。
駆動スプロケット163から被動スプロケット161,162への減速比は2に設定され、クランクシャフト105が回転すると、クランクシャフト105と一体に駆動スプロケット163が回転し、カムチェーン164,165を介して被動スプロケット161,162がクランクシャフト105の半分の回転速度で回転して、被動スプロケット161,162と一体に回転するカムシャフト151,152のカムプロフィールに従って吸気弁147及び排気弁148が吸気ポート145及び排気ポート146を各々開閉させる。
クランクシャフト105の左端部には図示しない発電機が設けられ、クランクシャフト105の右端部には、上記右側の駆動スプロケット163の内側(車体左側)に駆動歯車(以下、クランク側駆動歯車という)175が固定される。このクランク側駆動歯車175は、中間シャフト121に設けられた被動歯車(以下、中間側被動歯車という)177と噛み合い、クランクシャフト105の回転を等速で中間シャフト121に伝達し、クランクシャフト105と同速かつ逆向きで中間シャフト121を回転させる。
中間シャフト121は、クランクシャフト105の後側下方かつメインシャフト123の前側下方に回転可能に支持されている。
この中間シャフト121の右端部には、オイルポンプ用駆動スプロケット181と、上記中間側被動歯車177と、この被動歯車177より小径の駆動歯車(以下、中間側駆動歯車という)182とが順に取り付けられている。
オイルポンプ用駆動スプロケット181は、中間シャフト121の後側であって、メインシャフト123下方に配置されたオイルポンプ184の駆動軸185に固定された被動スプロケット186に伝動チェーン187を介して該中間シャフト121の回転力を伝達し、オイルポンプ184を駆動させる。
また、中間側駆動歯車182は、メインシャフト123に相対回転自在に設けられた被動歯車(以下、メイン側被動歯車という)191に噛み合い、中間シャフト121の回転を減速してクラッチ機構(不図示)を介してメインシャフト123に伝達する。すなわち、中間側駆動歯車182及びメイン側被動歯車191の減速比によって、クランクシャフト105からメインシャフト123までの減速比、つまり、エンジン17の1次減速比が設定される。
メインシャフト123は、クランクシャフト105の後側上方に回転可能に支持され、メインシャフト123の略後方には、カウンタシャフト125が回転可能に支持される。メインシャフト123とカウンタシャフト125には、図示しない変速歯車群が跨って配置され、これらによって変速装置が構成される。
カウンタシャフト125の左端部は、車体の前後方向に延びるドライブシャフト(不図示)に連結される。これによって、カウンタシャフト125の回転がドライブシャフトに伝達される。
図4は、動弁装置50を示す一部破断側面図であり、図5は、前バンク110Aの動弁装置50を後部側から見た縦断面図である。
動弁装置50は、図3に示すように、シリンダ軸線Cを中心として吸気側と排気側とに独立して対称に設けられている。前バンク110A及び後バンク110Bの動弁装置50は略同一構造であるため、本実施の形態では、前バンク110Aの吸気側の動弁装置50について説明する。
動弁装置50は、図4及び図5に示すように、カムシャフト151(排気側ではカムシャフト152)と、カムシャフト151と一体回転する吸気カム153(排気側では排気カム154)と、吸気弁147(排気側では排気弁148)を開閉するロッカアーム51と、カムシャフト151に相対回転可能に支持され、ロッカアーム51を介して吸気弁147を開閉する動弁カム52と、カムシャフト151の周りを揺動自在なホルダ53(ホルダ部材)と、ホルダ53に揺動可能に支持され、吸気カム153の弁駆動力を動弁カム52に伝達し、動弁カム52を揺動させるリンク機構56と、ホルダ53を揺動する駆動機構60とを備えている。また、リンク機構56は、ホルダ53に連結されるサブロッカアーム54と、サブロッカアーム54と動弁カム52とを揺動可能に連結するコネクトリンク55とを備えている。
ロッカアーム51は幅広に形成されており、1つのロッカアーム51によって一対の吸気弁147を開閉する。ロッカアーム51は、一端部において、シリンダヘッド132Aに固定されるロッカアームピボット51Aに揺動可能に支持される。ロッカアーム51の他端部には、各吸気弁147の上端部に当接する一対の調整ねじ51Bが設けられ、中央部には、動弁カム52に接触するローラ51Cが回転可能に支持されている。
図5に示すように、カムシャフト151は、一端側に被動スプロケット161(図2参照)が固定されるスプロケット固定部151Aを有し、スプロケット固定部151Aの側から順に、カムシャフト151の外周に突出し断面円形形状を有する位置決め部151B、吸気カム153、動弁カム52を揺動可能に支持する動弁カム支持部151C、及び、動弁カム支持部151Cよりも小径に形成されたカラー嵌合部151Dが設けられている。カラー嵌合部151Dには、カムシャフト151のベアリングとして機能するカムシャフトカラー155(カム軸カラー)が嵌合され、カムシャフトカラー155はカムシャフト151の他端側に締めこまれた固定ボルト156によって動弁カム52の側に押圧されてカムシャフト151に固定されている。
カムシャフト151は、その両端がそれぞれカムシャフト支持部201,202によって回転自在に支持されている。詳細には、カムシャフト支持部201,202は、シリンダヘッド132Aの上部に形成されたヘッド側支持部201A,202Aに、断面半円状の支持部を有するキャップ201B,202Bをそれぞれ固定して構成されている。位置決め部151Bの側に設けられたカムシャフト支持部201には、位置決め部151Bの形状に合わせて形成された溝201Cが形成され、位置決め部151Bの位置が溝201Cに規制されることによって、カムシャフト151は軸方向に位置決めされている。
また、カムシャフト支持部201,202における吸気カム153の側の面には、ホルダ53を支持するホルダ支持部201D,202Dがそれぞれ設けられている。
動弁カム52は、カムシャフト151の中間部に設けられた動弁カム支持部151Cに吸気カム153に隣接して配置される。動弁カム52には、図4に示すように、吸気弁147を閉弁状態に維持するベース円部52Aと、吸気弁147を押し下げて開弁させるカム山部52Bとが形成され、カム山部52Bには支持孔52Cが形成されている。動弁カム52には、動弁カムリターンスプリング57(以下、リターンスプリングという)が取り付けられている。このリターンスプリング57は、カム山部52Bが、ロッカアーム51のローラ51Cから離れる方向、すなわち、吸気弁147を閉弁する方向に動弁カム52を付勢している。
ホルダ53は、吸気カム153及び動弁カム52を挟んでカムシャフト151の軸方向に所定の間隔を空けて配置される第1,第2プレート53A,53B(ホルダプレート)と、第1,第2プレート53A,53Bをカムシャフト151の軸方向に連結する連結部材59(支持部材)とを備えている。第1プレート53Aはカムシャフト151の被動スプロケット161が固定される一端側に配置され、第2プレート53Bはカムシャフト151の他端側に配置される。
連結部材59は、カムシャフト151と平行な軸部59A、59Cと、軸部59Aと軸部59Cとを繋ぐ結合部73とを備えて構成されている。軸部59Aは軸部59Cより下方に位置し、結合部73は軸部59Cから軸部59Aの側に傾斜している。また、結合部73は、第1プレート53Aと第2プレート53Bとの間隔において中間部に位置している。
軸部59Aの第1プレート53A側の端には、サブロッカアーム54の一端が連結されるサブロッカアーム支持部59B(支点)が形成されている。
これら第1,第2プレート53A,53B及び連結部材59は、第1プレート53Aの外面側から第1プレート53Aと連結部材59とを締結する一対のボルト53Dと、第2プレート53Bの外面側から第2プレート53Bと連結部材59とを締結する一対のボルト53Eとによって固定される。これらのボルト53D、53Eが螺号される雌ネジ部79は、軸部59A、59Cにそれぞれ形成されている。
また、第1,第2プレート53A,53Bは、図5に示すように、カムシャフト151が貫通するシャフト孔157A,158Aをそれぞれ有し、これらシャフト孔157A,158Aの周縁部は、ホルダ支持部201D,202Dに向けて突出した円環状の凸部157B,158Bとなっている。ホルダ53は、凸部157B,158Bがホルダ支持部201D,202Dに嵌合されることで支持され、カムシャフト151を中心に揺動可能となっている。
サブロッカアーム54は、第1,第2プレート53A,53B間に吸気カム153及び動弁カム52と共に配置されており、一端部において連結部材59のサブロッカアーム支持部59Bに回転可能に支持され、サブロッカアーム支持部59Bを中心として揺動するようになっている。サブロッカアーム54の中央部には、吸気カム153に接触してカム面を押圧するローラ54Aが回転可能に支持されている。サブロッカアーム54の他端部には、コネクトリンク55を揺動可能に支持するピン55Aを介してコネクトリンク55の一端が連結され、コネクトリンク55の他端には、動弁カム52を揺動可能に支持するピン55Bを介して動弁カム52が連結される。
また、サブロッカアーム54は、連結部材59に形成された穴に収容されたサブロッカアームリターンスプリング58により付勢されており、サブロッカアーム54のローラ54Aが常に吸気カム153に押し付けられている。ここで、サブロッカアームリターンスプリング58は円筒状のコイルスプリングである。
つぎに、動作を説明する。
このように構成された動弁装置50において、図4を参照し、カムシャフト151が回転されると、カムシャフト151と一体に回転する吸気カム153のカム山部153Bにより、サブロッカアーム54がローラ54Aを介して押し上げられて軸部59Aを中心として揺動し、これに伴い、コネクトリンク55を介して動弁カム52がカムシャフト151を中心として図4中の時計回りに回転する。そして、動弁カム52の回転によりカム山部52Bがローラ51Cを介してロッカアーム51と共に吸気弁147を押し下げ、吸気弁147が開弁される。また、カムシャフト151がさらに回転されて吸気カム153のベース円部153Aがローラ54Aに当接する状態では、サブロッカアーム54がサブロッカアームリターンスプリング58により押し下げられると共に、動弁カム52がリターンスプリング57により図4中の反時計回りに回転させられてベース円部52Aがローラ51Cに当接する。これにより、吸気弁147は弁ばね149(図2参照)により押し上げられて閉弁される。
この動弁装置50では、図4に示すように、ホルダ53に連結リンク部材63を接続している。この連結リンク部材63を矢印A方向に移動すると、ホルダ53が吸気側カムシャフト151の軸心を中心に時計回り方向に揺動し、サブロッカアーム支持部59Bが図中下に変位し、矢印B方向に移動すると、ホルダ53が吸気側カムシャフト151の軸心を中心に反時計回り方向に揺動し、サブロッカアーム支持部59Bが図中上に変位する。
これによって、動弁装置50は、吸気弁147及び排気弁148の開閉の作動特性を変更可能に構成されている。
連結リンク部材63は、図6に示すように、駆動機構60に連結されている。
図6は、駆動機構60を側面側から見た縦断面図であり、図7は、駆動機構60を前部側から見た縦断面図である。
駆動機構60は、図6に示すように、連結リンク部材63を介してホルダ53に連結されている。駆動機構60は、吸気側カムシャフト151と排気側カムシャフト152とに跨って配置されたボールねじ61と、吸気側・排気側のそれぞれに設けられ、ボールねじ61上を軸方向に移動可能な2つのナット62とを備え、ナット62及びホルダ53間に連結リンク部材63が設けられている。
ボールねじ61の端部にはギヤ64が固着され、ギヤ64には図示を省略した電動アクチュエータがギヤ輪列で連結されている。
ボールねじ61は、カムシャフト151,152と直交し、これらカムシャフト151,152の他端側、すなわち被動スプロケット161,162が固定される側と反対側に配置されている。このように、ボールねじ61は、エンジン17の上下方向に延出するのではなく、吸気側カムシャフト151と排気側カムシャフト152とに跨って配置されるので、エンジン17の高さを低く抑えることが可能になる。ボールねじ61は、図6に示すように、シリンダヘッド132Aの上部に設けられたボールねじ支持部203によって両端をそれぞれ支持され、回転自在となっている。
図6に示すように、ボールねじ61の外周面には、吸気側と排気側にそれぞれ螺旋状のねじ山61A,61Bと、螺旋状の軸ねじ溝61C,61Dとが形成されている。これらねじ山61A,61B及び軸ねじ溝61C,61Dは、巻き方向が吸気側と排気側で異なる方向に設定されている。
ナット62は、ボールねじ61が貫通する貫通孔62Aを有し、貫通孔62Aの内周面には、ねじ山61A,61Bに対応する螺旋状のナットねじ山62Bと、軸ねじ溝61C,Dに対応する螺旋状のナットねじ溝62Cが形成されている。このナットねじ溝62Cと軸ねじ溝61C,61Dとの間に、転動可能な複数のボール65が配置される。ナット62は、ボールねじ61が回転されることにより、ボール65を介してボールねじ61上を移動する。
連結リンク部材63は、図6及び図7に示すように、ナット62に一端部が固定されるナット側リンク63Aと、ナット側リンク63Aの他端部と第2プレート53Bとを連結するホルダ側リンク63Bとを備えている。
ナット側リンク63Aの一端部は、ナット62を両側方から挟み込み、ボルト66によってナット62に固定されている。ナット側リンク63Aの他端部は、ピン67によってホルダ側リンク63Bの一端部に揺動可能に支持されている。ホルダ側リンク63Bの他端部は、偏心ピン68によって第2プレート53Bに揺動可能に支持されている。偏心ピン68は、六角ボルト68Aと、六角ボルト68Aの頭部に偏心して一体形成された偏心軸68Bとを備えて構成されている。六角ボルト68Aは、スプリングワッシャ68C及び六角ナット68Dによって第2プレート53Bに固定され、偏心軸68Bは、ナット側リンク63Aに回転自在に支持される。
図6において、ホルダ53が矢印P、Qの方向に揺動すると、図4に示すリンク機構56のサブロッカアーム支持部59Bの位置が変化させられる。サブロッカアーム支持部59Bの位置が変化されることにより、動弁カム52は、カムシャフト151を中心に揺動し、カムシャフト151に対して周方向に位置が変位されて、吸気カム153に対する周方向の位相、ここでは、角度位置又は周方向位置が変更される。このように、吸気カム153に対する動弁カム52の周方向の位置を変化させることで、動弁カム52のカム山部52Bがローラ51Cに当接する期間及び押し下げる量を変更できるため、吸気弁147の開弁期間及びリフト量を変更することができる。
例えば、ボールねじ61が回転してナット62がボールねじ61の中央側に移動させられ、連結リンク部材63によってホルダ53が図4中の時計回り方向にさらに揺動されると、動弁カム52はリンク機構56によって時計回り方向に回転され、この状態でカムシャフト151が回転されると、カム山部52Bがローラ51Cを押し下げる期間及び押し下げ量が大きくなり、吸気-弁147の開弁期間及びリフト量が大きくなる。
図8は、動弁装置50の要部正面図である。
動弁装置50は、カムシャフト151にホルダ53や動弁カム52等の部品が組み込まれたカムシャフト構造体80が、シリンダヘッド132Aに取り付けてられて構成される。このカムシャフト構造体80は、ホルダ53、サブロッカアーム54、コネクトリンク55、動弁カム52、カムシャフトカラー155、サブロッカアームリターンスプリング58及び、リターンスプリング57を備えている。
カムシャフト151は、切削や研削加工等の工程を経て製作され、一本の主軸81上に、スプロケット固定部151A、位置決め部151B、吸気カム153、動弁カム支持部151C、及び、カラー嵌合部151Dを一体に形成して構成されている。このように、カムシャフト151には吸気カム153が一体に形成されているため、吸気カム153をカムシャフト151に設けるために圧入をする必要がなく、製作工数を低減できる。
主軸81は、カラー嵌合部151Dの側からスプロケット固定部151Aの側にかけて段階的に大径になるように形成されており、吸気カム153が形成された部分の主軸81の径D1は、動弁カム支持部151Cの径D2より大きく、径D2は、径D2を挟んで径D1の反対側に位置するカラー嵌合部151Dの径D3よりも大径に形成されている。そして、カムシャフト構造体80を組み立てる際には、手前側の小径のカラー嵌合部151Dの側から奥側のスプロケット固定部151Aの方へ各部品が挿通される。
図9は、第1プレート53A及びカムシャフト151をスプロケット固定部151Aの側から見た一部破断側面図である。
第1プレート53Aの上部には、第1プレート53Aを連結部材59に連結するボルト53Dが通る孔75が形成されている。カムシャフト151が貫通するシャフト孔157Aは、第1プレート53Aの下部に位置している。第1,第2プレート53A,53Bは、プレス加工及び切削加工等を経て製作され、ホルダ支持部201D,202Dに相対回転可能に嵌合わされる凸部157B,158Bの外周の径は高精度に加工されている。また、円環状の凸部157B,158Bは、それぞれシャフト孔157A,158Aと同軸に形成されている。
図5に示すように、カムシャフト支持部201,202は、ヘッド側支持部201A,202Aとキャップ201B,202Bとにそれぞれ上下に分割されて構成され、ヘッド側支持部201A,202Aとキャップ201B,202Bとの分割面である割り面205は、カムシャフト151の軸線に略一致している。ヘッド側支持部201A,202A及びキャップ201B,202Bは、それぞれカムシャフト151を支持する半円状の凹部201F,202Fを有している。
ホルダ支持部201D,202Dは、ヘッド側支持部201A,202A及びキャップ201B,202Bの各々に形成された半円状の上下一対の凹部が、ヘッド側支持部201A,202Aにキャップ201B,202Bが取り付けられて合わさることで円環状に構成される。円環状のホルダ支持部201D,202Dは、カムシャフト151をカムシャフト支持部201,202に組み付けた状態で、カムシャフト151と同軸となるように形成されている。また、ホルダ支持部201D,202Dの内径は、カムシャフト支持部201,202の各々がカムシャフト151を支持する部分の径よりも大径に形成されている。
図9に示すように、シャフト孔157Aの内径Yは、吸気カム153の最大外径Xよりも大きな内径に形成されている。ここで、最大外径Xは、カム山部153Bの頂点とベース円部153Aとをカムシャフト151の中心を通って結ぶ直線の距離である。このように、シャフト孔157Aの内径Yは吸気カム153の最大外径Xよりも大きいため、カムシャフト151に挿通された第1プレート53Aは、吸気カム153を通ってカムシャフト151上を軸方向に移動することができる。
一方、第2プレート53Bのシャフト孔157Bの内径は、最大外径Xよりも小さく形成されており、第2プレート53Bは吸気カム153を乗り越えて移動されない。このため、第2プレート53Bが吸気カム153を乗り越えた位置に誤って配設されないため、第2プレート53Bの誤組を防止できる。
図8に示すように、カラー嵌合部151Dには、動弁カム52に隣接してカムシャフトカラー155が嵌合されて固定ボルト156によって固定されている。カムシャフトカラー155は、その外周面155Bがプレーンベアリング(滑り軸受け)として構成されている。カムシャフト支持部202(図5参照)は、プレーンベアリングであるカムシャフトカラー155の外周面155Bを介してカムシャフト151を回転自在に支持している。
カムシャフトカラー155の動弁カム52の側の端には、カムシャフトカラー155の外周面155Bから周方向の外側に突出したリターンスプリング押え用鍔部155A(以下、鍔部とよぶ)が形成されている。この鍔部155Aは、動弁カム支持部151Cにおけるカラー嵌合部151Dの側の段部151Eに当接して動弁カム52の側面近傍に位置し、動弁カム52の軸方向の位置を規制している。また、吸気カム153と動弁カム52との間には、動弁カム支持部151Cよりも大径に形成された段部82が形成されており、動弁カム52における吸気カム153側の側面は、段部82に当接している。すなわち、動弁カム52は、段部151Eと段部82とによって動弁カム支持部151Cに位置決めされている。
リターンスプリング57は、線材257をコイリングして形成された捻じりコイルスプリングであり、内周側には円筒状の内径部57A(図4参照)を有している。リターンスプリング57は、無負荷状態において内径部57Aがカムシャフトカラー155の外径よりも大きく形成されており、カムシャフトカラー155の外径部に挿通されてカムシャフト151に組み付けられている。リターンスプリング57は、動弁カム52に隣接するとともに、動弁カム52を挟んで吸気カム153の反対側に配設されている。
動弁カム52の側面には、カム山部52Bの下部をカムシャフト151の軸方向に貫通するばね支持孔52Cが形成されている。また、ホルダ53における連結部材59の軸部59Aには、軸部59Aの外周面を一段窪ませて形成されたばね支持段部59Dが設けられている。
リターンスプリング57は、カムシャフト151の軸方向に延びる線材257の一端57Bが、ばね支持孔52Cに係合されて動弁カム52に取り付けられ、カムシャフト151の軸方向と直交するように延びる線材257の他端57Cが、ばね支持段部59Dに引っ掛けられるようにして係合することで連結部材59に取り付けられている。詳細には、図4に示すように、他端57CはL字状に屈曲されるとともに、ばね支持段部59Dとの接触部では、ばね支持段部59Dの表面の曲面形状に合わせて曲線状に形成され、ばね支持段部59Dの上方から引っ掛けられている。
リターンスプリング57におけるコイル状部分のカムシャフト151の軸方向の長さは、鍔部155Aと第2プレート53Bとの間の幅内に収まっている。そして、リターンスプリング57は、コイル状部分の一端が鍔部155Aに当接するとともに、ばね支持段部59Dに係合することにより、カムシャフト151の軸方向の位置が規制されている。
ここで、図8を参照して、カムシャフト構造体80を組み立てる手順を説明する。
カムシャフト151は、一端に大径のスプロケット固定部151Aを一体に有しており、第1,第2プレート53A,53B及び動弁カム52は一端側からカムシャフト151に挿通されることができない。このため、第1,第2プレート53A,53B及び動弁カム52等のカムシャフト構造体80の構成部品は、他端側のカラー嵌合部151Dの側である手前側からスプロケット固定部151Aが位置する奥側へ挿通される。
まず、カムシャフト151における奥側に配置される第1プレート53Aを、凸部157Bがスプロケット固定部151Aを向く向きで、カラー嵌合部151Dの側からシャフト孔157Aを介してカムシャフト151に通し、吸気カム153を乗り越えて位置決め部151Bと吸気カム153との間の位置に配置する。この際、シャフト孔157Aの内径Yが吸気カム153の最大外径Xよりも大きいため、カムシャフト151に一体に形成された吸気カム153を通してカムシャフト151に第1プレート53Aを組み込むことができる。
次に、サブロッカアーム54とコネクトリンク55と動弁カム52とを組んだものをカラー嵌合部151Dの側からカムシャフト151に通し、動弁カム52を動弁カム支持部151Cに組み付ける。次いで、サブロッカアーム54の一端を連結部材59のサブロッカアーム支持部59Bに連結するとともに、第1プレート53Aと連結部材59とをボルト53Dで締結する。
そして、カムシャフトカラー155をカラー嵌合部151Dに嵌合させるとともにワッシャ156Aを介在させて固定ボルト156を締め付けてカムシャフトカラー155を固定し、その後、リターンスプリング57をカムシャフトカラー155に通し、一端57Bを支持孔52Cに挿入し、他端57Cをホルダ53に引っ掛ける。それから、第2プレート53Bをカムシャフト151に通し、ボルト53Eにより第2プレート53Bを連結部材59に締結し、第1,第2プレート53A,53Bを連結部材59に一体とし、ホルダ53を組み上げる。最後に、サブロッカアームリターンスプリング58を連結部材59の穴に組み付けることでカムシャフト構造体80が組み上げられる。
上記のように、リターンスプリング57をカムシャフト151に組み込む際には、サブロッカアーム54、コネクトリンク55及び動弁カム52がすでにカムシャフト151に組み付けられた状態で、リターンスプリング57をカムシャフトカラー155に通すことで組み込むことができる。すなわち、サブロッカアーム54、コネクトリンク55及び動弁カム52をカムシャフト151に組み込む時点では、リターンスプリング57が組み付けられていないため、動弁カム52及びサブロッカアーム54を組み込む際に、リターンスプリング57のばね力に反して作業をしなくて良い。これにより、動弁装置50の組立て性を向上できる。
その後、図5に示すように、カムシャフト構造体80は、シリンダヘッド132Aのヘッド側支持部201A,202Aに配設され、キャップ201B,202Bを介して上方から固定される。この際、カムシャフト支持部201,202の割り面205がカムシャフト151の軸線に略一致しているため、カムシャフト構造体80をヘッド側支持部201A,202Aに上方から配置した後に、キャップ201B,202Bを固定することで、カムシャフト構造体80をシリンダヘッド132Aに簡単に取り付けできる。また、カムシャフト支持部201,202は、カムシャフト151の両端を支持するともに、ホルダ支持部201D,202Dを凸部157B,158Bに嵌合させることでホルダ53を支持している。このため、カムシャフト構造体80をカムシャフト支持部201,202に配置し、キャップ201B,202Bを固定することによりカムシャフト151及びホルダ53の両方を支持でき、組立てを簡単にできる。また、ホルダ支持部201D,202Dがカムシャフト151と同軸であるため、第1,第2プレート53A,53Bをカムシャフト151を中心に揺動可能に支持できる。
また、カムシャフト構造体80は、シャフト孔157A,158Aの凸部157B,158Bの外側面である外周面157C,158Cが、ホルダ支持部201D,202Dの内周面201E,202Eに嵌合されて取り付けられ、外側からホルダ支持部201D,202Dに支持されている。すなわち、カムシャフト構造体80をカムシャフト支持部201,202配置した後に、キャップ201B,202Bを後から固定することで外側からカムシャフト構造体80を支持するため、動弁装置50の組立てを簡単にすることができる。
以上説明したように、本発明を適用した実施の形態によれば、リターンスプリング57を、捻じりコイルスプリングにより形成し、捻じりコイルスプリングを、カムシャフト151の軸上に巻き付けるように装着し、リターンスプリング57の一端57Bを、動弁カム52側に直角に曲げて、その先端を動弁カム52のばね支持孔52Cに係合させ、リターンスプリング57の他端57Cを、サブロッカアーム54の面と平行な面内で、略直角に曲げて、ホルダ53のばね支持段部59Dに係合させて、リターンスプリング57をカムシャフト151に装着できる。これにより、第1プレート53A、サブロッカアーム54、コネクトリンク55及び動弁カムをカムシャフト151に組み込んだ後に、リターンスプリング57をカムシャフト151に挿通してリターンスプリング57を装着できるため、リターンスプリング57を押し縮めながらリンク機構56や動弁カム52の組み付け作業をする必要がなく、組立て作業を簡単にできる。
また、リターンスプリング57をカムシャフト151に挿通させて装着し、リターンスプリング57の内周側のスペースを有効に利用してリターンスプリング57を設けるため、動弁装置50を小型化できる。このため、シリンダヘッド132Aをコンパクトにできる。
また、カムシャフトカラー155の鍔部155Aを動弁カム52に当接させて動弁カム52を位置決めできるともに、鍔部155Aにリターンスプリング57を当接させて、リターンスプリング57を位置決めできる。
さらに、リターンスプリング57の一端57Bをサブロッカアーム54を支持する連結部材59に形成されたばね支持段部59Dに係合させ、リターンスプリング57の他端57Cを動弁カム52の支持孔52Cに係合させてリターンスプリング57を取付けできるため、リターンスプリング57用の特別な係合部材を設ける必要がなく、また、組付けも容易である。これにより、部品点数及び組立工数の削減が可能である。
なお、上記実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記実施の形態に限定されない。
上記実施の形態では、エンジン17は、DOHC型のエンジンであるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、1つの気筒に設けられるカムシャフト151、吸気弁147及び排気弁148の数は特に限定されず、例えば、エンジンはSOHC型のエンジンであっても良い。その他の自動二輪車10の細部構成についても任意に変更可能であることは勿論である。
本発明の実施形態に係るクルーザタイプの自動二輪車の側面図である。 エンジンの内部構造を側方から見た図である。 図2の前バンクの内部構造を拡大して示す図である。 動弁装置を示す一部破断側面図である。 前バンクの動弁装置を後部側から見た縦断面図である。 駆動機構を側面側から見た縦断面図である。 駆動機構を前部側から見た縦断面図である。 動弁装置の要部正面図である。 第1プレート及びカムシャフトをスプロケット固定部の側から見た一部破断側面図である。
10 自動二輪車
17 エンジン(内燃機関)
50 動弁装置
52 動弁カム
52C 支持孔
53 ホルダ(ホルダ部材)
53A 第1プレート(ホルダプレート)
53B 第2プレート(ホルダプレート)
56 リンク機構
57 リターンスプリング
57B 一端
57C 他端
59 連結部材(支持部材)
59B サブロッカアーム支持部(支点)
60 駆動機構
132A、132B シリンダヘッド
147 吸気弁(機関弁)
148 排気弁(機関弁)
151、152 カムシャフト(カム軸)
153 吸気カム(駆動カム)
154 排気カム(駆動カム)
155 カムシャフトカラー(カム軸カラー)
155A リターンスプリング押え用鍔部

Claims (2)

  1. 内燃機関(17)の回転に同期して回転するカム軸(151)と、前記カム軸(151)と一体回転する駆動カム(153)と、前記カム軸(151)と相対回転し、機関弁(147)を開閉させる動弁カム(52)と、前記駆動カム(153)の弁駆動力を前記動弁カム(52)に伝達するリンク機構(56)と、前記リンク機構(56)の支点(59B)を支持し前記カム軸(151)の周りを揺動可能なホルダ部材(53)と、前記ホルダ部材(53)を揺動させて前記リンク機構(56)の支点位置を変化させる駆動機構(60)とを備え、前記リンク機構(56)の支点(59B)の揺動位置で、前記機関弁(147)が開閉するバルブ作動特性を変更可能にする内燃機関の動弁装置において、
    前記動弁カム(52)のリターンスプリング(57)は、前記カム軸(151)に装着した捻じりコイルスプリングで形成し、一端(57B)を前記動弁カム(52)に、他端(57C)を前記ホルダ部材(53)に係合し
    前記カム軸(151)には動弁カム(52)を位置決め可能にカム軸カラー(155)を嵌合し、前記カム軸カラー(155)の前記動弁カム(52)側にリターンスプリング押え用鍔部(155A)を設け、前記カム軸カラー(155)は、前記カム軸(151)の端に締めこまれた固定ボルト(156)によって前記動弁カム(52)の側に押圧されて前記カム軸(151)に固定され、
    前記ホルダ部材(53)は、前記駆動カム(153)、前記動弁カム(52)、及び前記リターンスプリング(57)を間に挟んで前記カム軸(151)の軸方向に所定の間隔を空けて配置される一対のホルダプレート(53A,53B)と、当該一対のホルダプレート(53A,53B)を軸方向に連結する支持部材(59)とを組み立てて形成され、
    前記リターンスプリング(57)は、前記ホルダ部材(53)の内側で、前記動弁カム(52)を挟んで前記駆動カム(153)の反対側で前記カム軸カラー(155)に嵌合し、
    前記カム軸カラー(155)は、前記リターンスプリング押え用鍔部(155A)よりも軸端側の部分が、前記リターンスプリング(57)を挿通可能に前記リターンスプリングの内径部(57A)よりも小さな径に形成されており、前記リターンスプリング(57)の前記一端(57B)は、前記カム軸(151)の軸方向に延びて前記動弁カム(52)の側面の支持孔(52C)に係合されることを特徴とする内燃機関の動弁装置。
  2. 記リターンスプリング(57)は、前記一端(57B)を前記支持部材(59)に係合されて取付けられたことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の動弁装置。
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