JP5226580B2 - 自動二輪車 - Google Patents
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Description
この構成によれば、カムシャフトによって燃料ポンプを駆動できるとともに、ヘッドパイプ後方の前側バンクに燃料ポンプを設け、ヘッドパイプのすぐ後方に燃料ポンプを配設したため、ヘッドパイプ及びヘッドパイプ近傍のフレームによって燃料ポンプを覆うようにすることができ、専用のカバーを設けることなく、外力等から燃料ポンプを保護できる。
また、ヘッドパイプ後方のデッドスペースに燃料ポンプを配置したため、他の部品の配置の妨げにならない。さらに、ヘッドパイプ後方の外側から見えにくい位置に燃料ポンプを設けて燃料ポンプを目立たないように配置でき、外観をすっきりと見せることができるため、車両の外観性を向上できる。また、燃料配管を、シリンダヘッドカバーの頂面に沿うように平行に延ばすと共にガセットパイプの下方に設け、シリンダヘッドカバーの頂面とガセットパイプとにより囲うようにしたため、燃料配管を保護できる。
この構成によれば、燃料ポンプが前側バンクの前側のカムシャフトの上方に設けられるため、ヘッドパイプのすぐ後方に燃料ポンプを配置でき、専用のカバーを設けることなく、ヘッドパイプ及びヘッドパイプ近傍のフレームによって外力等から燃料ポンプを保護できる。また、ヘッドパイプに近い位置のカムシャフトによって燃料ポンプを駆動できるため、ヘッドパイプの後方に燃料ポンプ配置するために、カムシャフトと燃料ポンプとの間の駆動力伝達経路を長くする必要がない。
この場合、燃料ポンプを、ヘッドパイプ、及び、ヘッドパイプ後方のメインパイプとダウンチューブとによって囲うことによって、外力等から保護できる。
また、ヘッドパイプ後方のデッドスペースに燃料ポンプを配置したため、他の部品の配置の妨げにならない。さらに、ヘッドパイプ後方の外側から見えにくい位置に燃料ポンプを設けて燃料ポンプを目立たないように配置でき、外観をすっきりと見せることができるため、車両の外観性を向上できる。
また、燃料配管を、シリンダヘッドカバーの頂面に沿うように平行に延ばすと共にガセットパイプの下方に設け、シリンダヘッドカバーの頂面とガセットパイプとにより囲うようにしたため、燃料配管を保護できる。
図1は、本発明の実施の形態に係るエンジンを適用した自動二輪車を示す側面図である。この自動二輪車10は、車体フレーム11と、車体フレーム11の前端部に取り付けられたヘッドパイプ12に回動自在に支持された左右一対のフロントフォーク13と、フロントフォーク13の上端部を支持するトップブリッジ14に取り付けられた操舵用のハンドル15と、フロントフォーク13に回転自在に支持された前輪16と、車体フレーム11に支持されたV型内燃機関としてのエンジン17と、エンジン17に排気管18A,18Bを介して連結された排気マフラー19A,19Bと、車体フレーム11の後下部のピボット20に上下に揺動自在に支持されたリアスイングアーム21と、このリアスイングアーム21の後端部に回転自在に支持された後輪22とを備え、リアスイングアーム21と車体フレーム11との間にリアクッション23が配設される。
前バンク110Aと後バンク110Bとの間に側面視でV状に形成された空間であるVバンク空間K(Vバンク)には、エンジン吸気系を構成するエアクリーナ41及びスロットルボディ42や、エンジン17に燃料を供給するインジェクタ143等が配設される。スロットルボディ42は、エアクリーナ41で浄化された空気を前バンク110A及び後バンク110Bに供給する。また、各バンク110A,110Bには、エンジン排気系を構成する排気管18A,18Bが接続され、各排気管18A,18Bが車体右側を通ってその後端に排気マフラー19A,19Bが各々接続され、これら排気管18A,18B及び排気マフラー19A,19Bを介して排気ガスが排出される。
図2において、エンジン17の前バンク110A及び後バンク110Bは同一の構造である。図2中、前バンク110Aはピストン周辺を示し、後バンク110Bはカムチェーン周辺を示している。また、図2において、符号121は中間シャフト(後側バランサシャフト)を示し、符号123はメインシャフトを示し、符号125はカウンタシャフトを示している。クランクシャフト105を含むこれらシャフト121,123,125は、車体前後方向及び上下方向にずらして互いに平行に配置され、これらシャフトを支持するクランクケース110C内には、クランクシャフト105の回転を、中間シャフト121、メインシャフト123及びカウンタシャフト125の順に伝達する歯車伝達機構が構成されている。
各シリンダヘッド132A,132Bの下面には、ピストン136上方に形成される燃焼室の天面を構成する燃焼凹部141が形成され、各燃焼凹部141には、点火プラグ142がその先端を臨ませて配置される。この点火プラグ142は、シリンダ軸線Cと略同軸に設けられる。
シリンダヘッド132Aの上部には、燃料ポンプ144が設けられ、燃料ポンプ144から燃料配管144Aを介して各インジェクタ143に燃料が供給される。
図2及び図3に示すように、各吸気ポート145は吸気チャンバ43で合流しており、この吸気チャンバ43はスロットルボディ42に連結される。スロットルボディ42には、スロットルバルブの断面積をアクチュエータの駆動により変化させるTBW(スロットル・バイ・ワイヤ)が採用されている。シリンダヘッド132Aの排気ポート146は、排気管18A(図1参照)に連結されており、シリンダヘッド132Bの排気ポート146は、排気管18B(図1参照)に連結されている。
各弁体147,148は、開閉のタイミングやリフト量等のバルブ作動特性を変更可能な動弁装置50によって駆動される。動弁装置50は、シリンダヘッド132A,132Bに回転可能に支持され、エンジン17の回転に同期して回転する吸気側と排気側のカムシャフト151,152を備える。
この中間シャフト121の右端部には、オイルポンプ用駆動スプロケット181と、上記中間側被動歯車177と、この被動歯車177より小径の駆動歯車(以下、中間側駆動歯車という)182とが順に取り付けられている。
オイルポンプ用駆動スプロケット181は、中間シャフト121の後側であって、メインシャフト123下方に配置されたオイルポンプ184の駆動軸185に固定された被動スプロケット186に伝動チェーン187を介して該中間シャフト121の回転力を伝達し、オイルポンプ184を駆動させる。
カウンタシャフト125の左端部は、車体の前後方向に延びるドライブシャフト(不図示)に連結される。これによって、カウンタシャフト125の回転がドライブシャフトに伝達される。
図中において、カムシャフト151の側は動弁機構を示し、カムシャフト152の側は主として燃料ポンプ144の駆動系を示している。
カムシャフト151には、図4に示すように、吸気カム153が一体に形成されている。吸気カム153は、円形のカム面を形成するベース円部153Aと、ベース円部153Aから外周側に突出して山形のカム面を形成するカム山部153Bとを備えている。また、カムシャフト152には、排気カム154が一体に形成されている。排気カム154は、円形のカム面を形成するベース円部154Aと、ベース円部154Aから外周側に突出して山形のカム面を形成するカム山部154Bとを備えている。
燃料ポンプ144は、シリンダヘッド132Aのヘッドカバー133A上に設けられ、カムシャフト152により駆動される。詳細には、燃料ポンプ144は、プランジャポンプであり、ヘッドカバー133Aに設けられたプランジャ収容部77と、プランジャ収容部77内を上下に往復運動するプランジャ78とを備え、カムシャフト152上に設けられてプランジャ78を上下に往復運動させるポンプ駆動カム79によって駆動される。
すなわち、燃料ポンプ144は、カムシャフト152と一体に回転するポンプ駆動カム79によってプランジャ78が上下に往復運動させられ、プランジャ78の上下運動により燃料ポンプ144内部の空間が交互に拡縮されることによって燃料の吸い込み及び吐出を交互に行ない、燃料タンク28(図1参照)から吸い込んだ燃料を連続的にエンジン17に供給する。
燃料ポンプ144は、上部がヘッドカバー133Aから外側に突出して設けられ、その後部側には燃料配管144Aが接続される燃料配管接続部144Bを有し、前部側には燃料タンク28からの配管(図示略)が接続されるタンク配管接続部144Cを有している。
また、ヘッドパイプ12後方の前部空間Fは、他の部品が配置されていないデッドスペースであり、このデッドスペースを利用して燃料ポンプ144を設けたため、他の部品の配置を妨げることなく燃料ポンプ144を配置することができる。
バンク110A,110Bの上部吸気ポート145Cは、互いに略平行に上方に延出し、各上部吸気ポート145Cの上端部145Eに、Vバンク空間K内に配置した吸気チャンバ43が連結されている。吸気チャンバ43は、吸気ポート145とスロットルボディ42との間の吸気通路に吸気ポート145及びスロットルボディ42の吸気通路より大きい容積を持たせることにより、吸気脈動を抑制する沈静槽として機能するものである。
動弁装置50は、図3に示すように、シリンダ軸線Cを中心として吸気側と排気側とに独立して対称に設けられている。前バンク110A及び後バンク110Bの動弁装置50は略同一構造であるため、本実施の形態では、前バンク110Aの吸気側の動弁装置50について説明する。
また、カムシャフト支持部201,202における吸気カム153の側の面には、ホルダ53を支持するホルダ支持部201D,202Dがそれぞれ設けられている。
また、連結部材59は、カムシャフト151と平行な軸部59Aを有し、軸部59Aの第1プレート53A側の端には、サブロッカアーム54の一端が連結されるサブロッカアーム支持部59Bが形成されている。連結部材59は、第1,第2プレート53A,53Bの外面側から軸部59Aの両端に挿入される一対のボルト53Dによって第1,第2プレート53A,53Bに固定される。また、連結部材59は、軸部59Aに平行な軸部59Cを備えており、第1,第2プレート53A,53Bの外面側からこの軸部59Cの両端に挿入される一対のボルト(不図示)によっても第1,第2プレート53A,53Bに固定される。
また、サブロッカアーム54は、図5に示すように、連結部材59に収容されたサブロッカアームリターンスプリング58により付勢されており、サブロッカアーム54のローラ54Aが常に吸気カム153に押し付けられている。ここで、サブロッカアームリターンスプリング58はコイルスプリングである。
このように構成された動弁装置50において、図5を参照し、カムシャフト151が回転されると、カムシャフト151と一体に回転する吸気カム153のカム山部153Bにより、サブロッカアーム54がローラ54Aを介して押し上げられて軸部59Aを中心として揺動し、これに伴い、コネクトリンク55を介して動弁カム52がカムシャフト151を中心として図5中の時計回りに回転する。そして、動弁カム52の回転によりカム山部52Bがローラ51Cを介してロッカアーム51と共に吸気弁147を押し下げ、吸気弁147が開弁される。また、カムシャフト151がさらに回転されて吸気カム153のベース円部153Aがローラ54Aに当接する状態では、サブロッカアーム54がサブロッカアームリターンスプリング58により押し下げられると共に、動弁カム52が動弁カムリターンスプリング57より図5中の反時計回りに回転させられてベース円部52Aがローラ51Cに当接する。これにより、吸気弁147は弁ばね149(図2参照)により押し上げられて閉弁される。
これによって、動弁装置50は、吸気弁147及び排気弁148の開閉の作動特性を変更可能に構成されている。
連結リンク部材63は、図7に示すように、駆動機構60に連結されている。
駆動機構60は、図7に示すように、連結リンク部材63を介してホルダ53に連結されている。駆動機構60は、吸気側カムシャフト151と排気側カムシャフト152とに跨って配置されたボールねじ61と、吸気側・排気側のそれぞれに設けられ、ボールねじ61上を軸方向に移動可能な2つのナット62とを備え、ナット62及びホルダ53間に連結リンク部材63が設けられている。
ボールねじ61の排気側の一端部にはギヤ64が固着され、ギヤ64にはボールねじ61を回転させるための電動アクチュエータ70(図9参照)がギヤ輪列で連結されている。
図7に示すように、ボールねじ61の外周面には、吸気側と排気側にそれぞれ螺旋状のねじ山61A,61Bと、螺旋状の軸ねじ溝61C,61Dとが形成されている。これらねじ山61A,61B及び軸ねじ溝61C,61Dは、巻き方向が吸気側と排気側で異なる方向に設定されている。
センサ80は、ボールねじ61の他端部に固定される回転軸81と、この回転軸81の下方に略平行に配置され、ボールねじ支持部203に固定される六角ねじからなる固定軸82とを備えている。回転軸81の外周面には駆動ギヤ83が形成され、固定軸82には、駆動ギヤ83と噛み合う従動ギヤ84が形成されている。したがって、ボールねじ61が回転すると、ボールねじ61と一体に回転する回転軸81の回転が駆動ギヤ83を介して従動ギヤ84に伝達される。センサ80は、従動ギヤ84の回転量により、ボールねじ61の回転量を検出する。
ナット側リンク63Aの一端部は、ナット62を両側方から挟み込み、ボルト66によってナット62に固定されている。ナット側リンク63Aの他端部は、ピン67によってホルダ側リンク63Bの一端部に揺動可能に支持されている。ホルダ側リンク63Bの他端部は、偏心ピン68によって第2プレート53Bに揺動可能に支持されている。偏心ピン68は、六角ボルト68Aと、六角ボルト68Aの頭部に偏心して一体形成された偏心軸68Bとを備えて構成されている。六角ボルト68Aは、スプリングワッシャ68C及び六角ナット68Dによって第2プレート53Bに固定され、偏心軸68Bは、ナット側リンク63Aに回転自在に支持される。
例えば、ボールねじ61が回転してナット62がボールねじ61の中央側に移動させられ、連結リンク部材63によってホルダ53が図5中の時計回り方向にさらに揺動されると、動弁カム52はリンク機構56によって時計回り方向に回転され、この状態でカムシャフト151が回転されると、カム山部52Bがローラ51Cを押し下げる期間及び押し下げ量が大きくなり、吸気弁147の開弁期間及びリフト量が大きくなる。
図3に示すように、燃料供給装置90は、燃料ポンプ144と、燃料配管144Aと、燃料配管144Aの下流側の端に接続されるフューエルチャンバ91と、フューエルチャンバ91とインジェクタ143とを連結する燃料パイプ92,93と、インジェクタ143とを備えて構成されている。
また、フューエルチャンバ91、燃料パイプ92,93及びインジェクタ143は、前バンク110Aと後バンク110Bとの間において、Vバンク空間K内に設けられている。
フューエルチャンバ91は、燃料ポンプ144によって加圧された高圧の燃料を貯留する蓄圧室94を有し、フューエルチャンバ91の大きさは、インジェクタ143の燃料噴射によるフューエルチャンバ91内の燃料圧力の変動を、蓄圧室94によって緩和できる十分な大きさに形成されている。
すなわち、フューエルチャンバ91は、シリンダヘッド132Aの側に寄せてシリンダヘッド132Aと略平行に上方に延出され、上端部91Aは、ヘッドカバー133Aの上部に臨ませて配置されている。燃料配管144Aは、上端部91Aから立ち上がり、前方へ略直角に屈曲し、ヘッドカバー133Aの頂面133Cと略平行に延びて燃料ポンプ144の燃料配管接続部144Bに接続されている。このように、フューエルチャンバ91及び燃料配管144Aをシリンダヘッド132Aに沿うように設けたため、燃料供給装置90をコンパクトに配置できる。
また、燃料配管144Aを頂面133Cとガセットパイプ25A(図1参照)との間に配置し、頂面133Cとガセットパイプ25Aとにより上下から囲うようにしたため、燃料配管144Aを外力等から保護できる。
図3及び図9に示すように、フューエルチャンバ91は、Vバンク空間K内において、エアクリーナ41とは反対側の左端側に設けられるとともに、縦長に配置されており、フューエルチャンバ91がVバンク空間Kのスペースを占める割合が小さくなるように設けられている。これにより、フューエルチャンバ91より右側のVバンク空間Kに大きなスペースを確保でき、スロットルボディ42、吸気チャンバ43、吸気ポート145及びインジェクタ143等の部品の配置の自由度を向上できる。
また、インジェクタ143A,143Bは、吸気チャンバ43の下方においてVバンク空間K内の幅方向の中間部に位置し、それぞれ、車幅方向においては、点火プラグ142が設けられるプラグ穴142Aと同一の位置に設けられている。さらに、点火プラグ142(図4参照)は、シリンダ軸線Cと略同軸に設けられて燃焼凹部141の中央に配設されている。
また、図3の側面視に示すように、フューエルチャンバ91の下端部91Bの前側取り付け部97及び後側取り付け部98は、それぞれインジェクタ側取付ナット部172,173に臨むように配置されている。前側取り付け部97及び後側取り付け部98の各々は、インジェクタ側取付ナット部172,173に対し、車両前後方向及び高さ方向の位置が略一致するように設けられ、それぞれオーバーラップして設けられている。さらに、前側取り付け部97、後側取り付け部98及びインジェクタ側取付ナット部172,173は、Vバンク空間Kの前後方向中央に位置し、前後の各下部吸気ポート145Bよりも、車両前後方向においてVバンク空間K内の内方側に位置している。
前側取り付け部97及び後側取り付け部98と、インジェクタ側取付ナット部172,173とはそれぞれ高さ方向の位置が略一致しているため、燃料パイプ92,93は略水平に配設されている。このように、燃料パイプ92,93が略水平であるため、Vバンク空間K内において燃料パイプ92,93が占めるスペースを小さくでき、燃料パイプ92,93をコンパクトに配置できる。
すなわち、共に分岐部96から延びる配管取り付け面97B、98Bの内、配管取り付け面97Bをインジェクタ143Aのオフセット量Yの分だけ延ばしたため、配管取り付け面97Bとインジェクタ側取付ナット部172との間の距離と、配管取り付け面98Bとインジェクタ側取付ナット部173との間の距離とを等しい距離にすることができる。これにより、燃料パイプ92及び燃料パイプ93の長さを同一にすることができ、同一のパイプを用いて燃料パイプ92及び燃料パイプ93を構成できるため、部品の種類を削減できる。
まず、前バンク110A及び後バンク110Bの組立てが完了した状態のエンジン17に対し、Vバンク空間Kを介してインジェクタ挿入部171A,171Bにそれぞれインジェクタ143A,143Bを配置し、インジェクタ固定ボルト170Bを締め込んでインジェクタ143A,143Bを固定する。次いで、車両左側から燃料パイプ92,93をそれぞれインジェクタ側取付ナット部172,173に挿入し、インジェクタ側取付ナット部172,173をスパナ等の工具で回転させて締め込むことで燃料パイプ92,93をインジェクタ143A,143Bに接続する。この際、上部吸気ポート145Cが取り付けられていない状態で作業することで、作業スペースを確保でき、作業性を向上できる。
一方、インジェクタ143A,143Bを取り外す場合には、取付ナット部97A,98Aを外した後に、インジェクタ側取付ナット部172,173を外し、その後、インジェクタ固定ボルト170Bを取り外せば良い。
また、Vバンク空間K内の下方にインジェクタ143A,143Bを設けることが可能となり、図4に示すように、下部吸気ポート145Bの下方にインジェクタ143A,143Bを設けたため、シリンダヘッド132A,132Bの燃焼凹部141の中央のスペースを確保することができ、燃焼凹部141の中央部に点火プラグ142を設けるセンタープラグ方式を実現できる。
また、フューエルチャンバ91の側方のVバンク空間Kのスペースを利用して工具を使用でき、インジェクタ固定ボルト170Bを容易に着脱できるため、作業性を向上できる。
また、ヘッドパイプ12後方のデッドスペースに燃料ポンプ144を配置したため、他の部品の配置の妨げにならない。さらに、ヘッドパイプ12後方の外側から見えにくい位置に燃料ポンプ144を設けて燃料ポンプ144を目立たないように配置でき、外観をすっきりと見せることができるため、自動二輪車10の外観性を向上できる。
また、ヘッドパイプ12に近くに位置するカムシャフト152によって燃料ポンプを駆動できるため、ヘッドパイプ12のすぐ後方に燃料ポンプ144配置するために、カムシャフトと燃料ポンプ144との間の駆動力伝達経路を長くする必要がないという利点がある。例えば、カムシャフト151によってヘッドパイプ12のすぐ後方の燃料ポンプ144を駆動しようとした場合には、カムシャフト151と燃料ポンプ144との間に比較的長い駆動力伝達経路が必要となる。
さらに、燃料配管144Aを、ヘッドカバー133Aの頂面133Cに沿うように平行に延ばすと共にガセットパイプ25Aの下方に設け、頂面133Cとガセットパイプ25Aとにより囲うようにしたため、燃料配管144Aを保護できる。
上記実施の形態では、燃料ポンプ144はカムシャフト152により駆動されるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、燃料ポンプ144を駆動するカムシャフトは前バンク110Aが有するものであれば良く、吸気側のカムシャフト151によって燃料ポンプ144を駆動するように構成し、カムシャフト151の上方に燃料ポンプ144を設けても良い。その他の自動二輪車10の細部構成についても任意に変更可能であることは勿論である。
12 ヘッドパイプ
17 エンジン(V型内燃機関)
25 メインフレーム
25A ガセットパイプ
27 ダウンチューブ
110A 前バンク(シリンダブロック)
110B 後バンク(シリンダブロック)
132A、132B シリンダヘッド
133A ヘッドカバー(シリンダヘッドカバー)
133B 頂面
144 燃料ポンプ
144A 燃料配管
151、152 カムシャフト
K Vバンク空間(Vバンク)
Claims (3)
- シリンダブロックをV型に配置すると共に、燃料噴射用の燃料ポンプ(144)を搭載したV型エンジン(17)を搭載した自動二輪車において、
前記燃料ポンプ(144)は、シリンダヘッド(132A)のカムシャフト(152)によって駆動されてシリンダヘッド(132A)上部に設けられると共に、前記燃料ポンプ(144)が取り付けられるシリンダヘッド(132A)はヘッドパイプ(12)後方の前側バンク(110A)のシリンダヘッドであり、
前記前側バンク(110A)のシリンダヘッド(132A)に設けた燃料ポンプ(144)と燃料噴射インジェクタ(143)との間にフューエルチャンバ(91)を設け、前記フューエルチャンバ(91)をVバンク(K)内に上下方向に縦長に配置し、上端部(91A)を前側バンク(110A)のシリンダヘッドカバー(133A)の上部に臨ませて配置し、上端部(91A)から立ち上がり前記シリンダヘッドカバー(133A)の頂面(133B)と略平行に延びる燃料配管(144A)で前記燃料ポンプ(144)に連結し、前記燃料配管(144A)をガセットパイプ(25A)の下方に配置したことを特徴とする自動二輪車。 - 前記前側バンク(110A)の前記シリンダヘッド(132A)内には前後に2本のカムシャフト(152,151)が設けられ、前記燃料ポンプ(144)は前側のカムシャフト(152)に駆動されて前側のカムシャフト(152)の上方に配設されたことを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車。
- 前記前側バンク(110A)のシリンダヘッド(132A)はヘッドパイプ(12)後方でメインフレーム(25)とダウンチューブ(27)とに囲まれて配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動二輪車。
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