JP5358381B2 - 内燃機関の吸気装置 - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、共通のスロットルボディから複数の燃焼室に吸気管が分岐する内燃機関の吸気装置において、正確な吸気量を把握できるようにすることを目的とする。
この構成によれば、共通のスロットルボディの下流で分岐する各分岐管内に吸気量センサを設けたため、各分岐管内を介して各燃焼室内に流入する吸気量を吸気量センサによって正確に把握できる。これにより、吸気量センサで測定した吸気量に基づいて燃料噴射装置の燃料噴射量を正確に算出できる。また、圧縮自己着火燃焼を行うに当たっては、空燃比を正確に決定しないと圧縮自己着火燃焼域から燃焼条件が外れて、目標とする燃費及びエミッションが得られないが、各分岐管内に吸気量センサを設けたため、正確な空燃比を算出でき、確実に圧縮自己着火燃焼を行うことができる。
この場合、燃焼室内の既燃ガス及び混合の割合を可変させる可変バルブ機構では、変化するバルブ特性に合わせて空燃比を正確に決定しないと適正な燃焼域から燃焼条件が外れて、目標とする燃費及びエミッションが得られないが、分岐管内に吸気量センサを設けたため、正確な空燃比を算出でき、適正な燃焼を行うことができる。
この場合、吸気チャンバの上流側にスロットルボディのバルブ開度を操作する電子駆動式吸気バルブを設け、吸気チャンバの下流側に吸気量センサを設けたため、吸気バルブ及び可変バルブ機構に影響されずに、正確な吸気量を測定できる。
この場合、吸気量センサが、シリンダヘッドと別体の上部吸気ポートに取り付けられており、吸気量センサの着脱が容易であるため、メンテナンス性が良い。
また、各分岐管内に吸気量センサを設けたため、正確な空燃比を算出でき、確実に圧縮自己着火燃焼を行うことができる。
さらに、吸気チャンバの上流側に電子駆動式吸気バルブを設け、吸気チャンバの下流側に吸気量センサを設けたため、吸気バルブ及び可変バルブ機構に影響されずに、正確な吸気量を測定できる。
さらにまた、吸気量センサをシリンダヘッドと別体の上部吸気ポートに取り付けたため、吸気量センサの着脱が容易であり、メンテナンス性が良い。
図1は、本発明の実施の形態に係る内燃機関の吸気装置を適用した自動二輪車を示す側面図である。この自動二輪車10は、車体フレーム11と、車体フレーム11の前端部に取り付けられたヘッドパイプ12に回動自在に支持された左右一対のフロントフォーク13と、フロントフォーク13の上端部を支持するトップブリッジ14に取り付けられた操舵用のハンドル15と、フロントフォーク13に回転自在に支持された前輪16と、車体フレーム11に支持された内燃機関としてのエンジン17と、エンジン17に排気管18A,18Bを介して連結された排気マフラー19A,19Bと、車体フレーム11の後下部のピボット20に上下に揺動自在に支持されたリアスイングアーム21と、このリアスイングアーム21の後端部に回転自在に支持された後輪22とを備え、リアスイングアーム21と車体フレーム11との間にリアクッション23が配設される。ハンドル15には、操縦者が操作するスロットル15Aが設けられ、スロットル15Aの操作によりエンジン17がコントロールされる。
前バンク110Aと後バンク110Bとの間に側面視でV状に形成された空間であるVバンク空間Kには、エンジン17の吸気装置299が配置され、吸気装置299はエアクリーナ41、スロットルボディ42、吸気チャンバ43(図2参照)、及び、吸気チャンバ43に接続される分岐管300(図2参照)が配設される。スロットルボディ42は、エアクリーナ41から前バンク110A及び後バンク110Bに供給される空気の量を調整する。また、各バンク110A,110Bには、エンジン排気系を構成する排気管18A,18Bが接続され、各排気管18A,18Bが車体右側を通ってその後端に排気マフラー19A,19Bが各々接続され、これら排気管18A,18B及び排気マフラー19A,19Bを介して排気ガスが排出される。
図2において、エンジン17の前バンク110A及び後バンク110Bは略同一の構造である。図2中、前バンク110Aはピストン周辺を示し、後バンク110Bはカムチェーン周辺を示している。また、図2において、符号121は中間シャフト(後側バランサシャフト)を示し、符号123はメインシャフトを示し、符号125はカウンタシャフトを示している。クランクシャフト105を含むこれらシャフト121,123,125は、車体前後方向及び上下方向にずらして互いに平行に配置され、これらシャフトを支持するクランクケース110C内には、クランクシャフト105の回転を、中間シャフト121、メインシャフト123及びカウンタシャフト125の順に伝達する歯車伝達機構が構成されている。
各シリンダヘッド132A,132Bの下面には、ピストン136上方に形成される燃焼室140の天面を構成する燃焼凹部141が形成され、各燃焼凹部141には、点火プラグ142がその先端を臨ませて配置される。この点火プラグ142は、シリンダ軸線Cと略同軸に設けられる。
シリンダヘッド132Aの上部には、燃料ポンプ144が設けられ、燃料ポンプ144から燃料配管144Aを介して各インジェクタ143に燃料が供給される。
この中間シャフト121の右端部には、オイルポンプ用駆動スプロケット181と、上記中間側被動歯車177と、この被動歯車177より小径の駆動歯車(以下、中間側駆動歯車という)182とが順に取り付けられている。
オイルポンプ用駆動スプロケット181は、中間シャフト121の後側であって、メインシャフト123下方に配置されたオイルポンプ184の駆動軸185に固定された被動スプロケット186に伝動チェーン187を介して該中間シャフト121の回転力を伝達し、オイルポンプ184を駆動させる。
カウンタシャフト125の左端部は、車体の前後方向に延びるドライブシャフト(不図示)に連結される。これによって、カウンタシャフト125の回転がドライブシャフトに伝達される。
動弁装置50は、図3に示すように、シリンダ軸線Cを中心として吸気側と排気側とに独立して対称に設けられている。前バンク110A及び後バンク110Bの動弁装置50は略同一構造であるため、本実施の形態では、前バンク110Aの吸気側の動弁装置50について説明する。
また、カムシャフト支持部201,202における吸気カム153の側の面には、ホルダ53を支持するホルダ支持部201D,202Dがそれぞれ設けられている。
また、連結部材59は、カムシャフト151と平行な軸部59Aを有し、軸部59Aの第1プレート53A側の端には、サブロッカアーム54の一端が連結されるサブロッカアーム支持部59Bが形成されている。連結部材59は、第1,第2プレート53A,53Bの外面側から軸部59Aの両端に挿入される一対のボルト53Dによって第1,第2プレート53A,53Bに固定される。また、連結部材59は、図4に示すように、軸部59Aに平行な軸部59Cを備えており、第1,第2プレート53A,53Bの外面側からこの軸部59Cの両端に挿入される一対のボルト(不図示)によっても第1,第2プレート53A,53Bに固定される。軸部59Aと軸部59Cとは、第1プレート53Aと第2プレート53Bとの間隔において中間部に位置する結合部73によって結合されている。
また、サブロッカアーム54は、連結部材59の円筒状の収容部74に収容されたサブロッカアームリターンスプリング58(以下、リターンスプリングという)により付勢されており、サブロッカアーム54のローラ54Aは常に吸気カム153に押し付けられている。ここで、リターンスプリング58はコイルスプリングである。
リンク部54Dは偏心部54Cの端に連続して設けられ、動弁カム52に連結されている。このように、サブロッカアーム54は偏心部54Cが偏心することで、カムシャフト151上の軸方向に異なる位置に設けられた吸気カム153と動弁カム52とを連結している。
上記のように構成された動弁装置50において、図4を参照し、カムシャフト151が図中の反時計方向に回転されると、カムシャフト151と一体に回転する吸気カム153のカム山部153Bにより、サブロッカアーム54がローラ54Aを介して押し上げられて軸部59Aを中心として揺動し、これに伴い、コネクトリンク55を介して動弁カム52がカムシャフト151を中心として図4中の時計回りに回転する。そして、動弁カム52の回転によりカム山部52Bがローラ51Cを介してロッカアーム51と共に吸気弁147を押し下げ、吸気弁147が開弁される。
また、カムシャフト151がさらに回転されて吸気カム153のベース円部153Aがローラ54Aに当接する状態では、サブロッカアーム54がリターンスプリング58により押し下げられると共に、動弁カム52が動弁カムリターンスプリング57より図4中の反時計回りに回転させられてベース円部52Aがローラ51Cに当接する。これにより、吸気弁147は弁ばね149(図2参照)により押し上げられて閉弁される。
エンジン17は、ホルダ53を揺動させる駆動機構60を有し、駆動機構60は、車両の電子制御ユニットとしてのECU(不図示)に接続された電動アクチュエータ70と、カムシャフト151,152に直交するボールねじ61と、ボールねじ61上を軸方向に移動可能な2つのナット62を備えて構成されている。各ナット62は、各連結リンク部材63(図4参照)を介して吸気側及び排気側の動弁装置50の各ホルダ53に連結されている。電動アクチュエータ70の駆動によってボールねじ61が回転されると、各ナット62がボールねじ61上を移動し、各連結リンク部材63を介して各ホルダ53が揺動される。
駆動機構60は、上記ECUによって制御され、エンジン17の運転状態に応じてホルダ53を揺動させることで、吸気弁147及び排気弁148の開閉のバルブ作動特性を変更し、所望の燃焼条件を実現する。
図4に示すように、ホルダ53は、駆動機構60(図6参照)の駆動によって図4中の矢印A方向または矢印B方向に移動される。
ホルダ53が矢印AまたはBの方向に揺動すると、図4に示すリンク機構56がカムシャフト151を中心にそれぞれ揺動する。リンク機構56の位置が変化することにより、ローラ54A及び動弁カム52は、カムシャフト151を中心にそれぞれ揺動し、カムシャフト151に対して周方向に位置が変位されて、吸気カム153の回転に対する動弁カム52の揺動の位相、及び、揺動の初期位置が変更される。ここで、動弁カム52の揺動の初期位置とは、ローラ54Aが吸気カム153のベース円部153Aに当接しており、サブロッカアーム54がカム山部153Bによって押し上げられていない状態における動弁カム52の揺動位置を指している。
このように、吸気カム153に対する動弁カム52の揺動の位相及び揺動位置を変化させることで、動弁カム52のカム山部52Bがローラ51Cに当接する時期、期間、及び、カム山部52Bがローラ51Cを押し下げる量を変更できるため、吸気弁147の開閉時期、開弁期間、及び、リフト量を変更することができる。
吸気弁147及び排気弁148は、駆動機構60により駆動される動弁装置50によって、図7に示すように、開閉時期、開閉期間、及び、最大リフト量が変更される。
吸気弁147は、吸気弁147のリフト量が最大となる最大バルブ作動特性Uimax及び、吸気弁147のリフト量が最小となる最小バルブ作動特性Uiminを境界値として、最小バルブ作動特性Uiminと最大バルブ作動特性Uimaxとの間の任意のバルブ特性で開閉作動される。同様に、排気弁148は、排気弁148のリフト量が最大となる最大バルブ作動特性Uemax及び、排気弁148のリフト量が最小となる最小バルブ作動特性Ueminを境界値として、最小バルブ作動特性Ueminと最大バルブ作動特性Uemaxとの間の任意のバルブ特性で開閉作動される。
図7において、符号O1は、吸気弁147の開時期を示し、符号C1は吸気弁147の閉時期を示している。また、符号O2は排気弁148の開時期を示し、符号C2は排気弁148の閉時期を示している。
エンジン17において、圧縮自己着火燃焼を行う場合は、図7に最小バルブ作動特性Uimin及び最小バルブ作動特性Ueminで示すように、ピストン136が圧縮上死点T1を過ぎた時点で吸気弁147を開く。すると、スロットルボディ42で吸気量を調整されて前吸気ポート301及び後吸気ポート302(図3参照)をそれぞれ通過した空気が、前サイクルの既燃ガス(残留ガス)が残る各燃焼室140内に流れ込む。ピストン136が圧縮下死点B1を過ぎると、吸気弁147が閉じられ、吸気弁147及び排気弁148が閉じた状態となり、ピストン136の上昇に伴って各燃焼室140内の空気及び残留ガスが圧縮され、圧縮上死点(不図示)付近でインジェクタ143から燃料が燃焼室140内に噴射される。このとき、燃焼室140内のガス温度が、一例として、1000K(ケルビン)を超えると、前サイクルの残留ガスの熱により燃料が自己着火して燃焼し、ピストン136を押し下げる力が発生し、コンロッド137を介してクランクシャフト105の回転エネルギーに変換される。そして、ピストン136が圧縮下死点B2に到達する前に排気弁148を開いて既燃ガスの一部を排気ポート146から排気管18A,18B、排気マフラー19A,19Bを介して外部に排出し、ピストン136が圧縮上死点T1に到達する前に排気弁148を閉じて、1サイクルを終了する。
一方、圧縮自己着火燃焼においては、上記のように、吸気弁147及び排気弁148が共に閉じた状態、すなわち、負のオーバーラップ領域Nを有している。負のオーバーラップ領域Nでは、吸気弁147及び排気弁148が閉じられており、前サイクルの既燃ガスが燃焼室140に留められている。
このように、エンジン17は、排気ガスの一部をシリンダ内に残留させ、吸気された空気と混ぜるEGRシステム(Exhaust Gas Recirculation)を用いているため、燃焼温度を低下させて排気エミッションを改善できると共に、燃費を向上させることが可能である。圧縮自己着火燃焼を行うEGRシステムでは、所定の空燃比を正確に得られなければ目標とする燃費及び排気エミッションを実現できないため、各燃焼室140に流入する空気量を正確に把握することが重要である。
また、圧縮自己着火燃焼において、前吸気ポート301及び後吸気ポート302から各燃焼室140に流入する空気と、インジェクタ143が噴射する燃料との混合の割合は、所望の燃焼条件が得られるように吸気弁147及び排気弁148の開度及び開閉のタイミングを制御して連続的に変更され、吸気量に基づいてインジェクタ143の噴射量を変更することで調整される。
ここで、図6及び図8を参照して、前吸気ポート301及び後吸気ポート302とその周辺部について説明する。
図6に示すように、エアクリーナ41に接続されたスロットルボディ42はVバンク空間Kの一端側に位置し、スロットルボディ42には吸気チャンバ43が接続されている。吸気チャンバ43は、Vバンク空間K内の車幅方向の中間部に位置し、この吸気チャンバ43からは、前バンク110A及び後バンク110Bの各々に向けて分岐して、吸気チャンバ43と各燃焼室140とを相通させる分岐管300が延びている。
前吸気ポート301は、シリンダヘッド132Aと一体に形成された下部吸気ポート301Aと、シリンダヘッド132Aと別体で下部吸気ポート301Aの上端部303に連結される上部吸気ポート301Bとを備えて構成されている。
後吸気ポート302は、シリンダヘッド132Bと一体に形成された下部吸気ポート302Aと、シリンダヘッド132Bと別体で下部吸気ポート302Aの上端部303に連結される上部吸気ポート302Bとを備えて構成されている。
上部吸気ポート301B,302Bは、ヘッドカバー133A,133Bの最上部よりも下方において、略同一高さまで上方にそれぞれ延出し、上部吸気ポート301B,302Bの上端部304には、吸気チャンバ43が連結されている。吸気チャンバ43は、その吸気通路の断面積を前吸気ポート301、後吸気ポート302及びスロットルボディ42の吸気通路の断面積より大きくすることにより、吸気脈動を抑制する沈静槽として機能するものである。
吸気チャンバ43の下面には、略円形状の一対の貫通孔45A,45B(図6参照)が形成され、これらの貫通孔45A,45Bに上部吸気ポート301B,302Bの上端部304が連結されている。吸気チャンバ43内には、吸気が矢印Dに沿って接続口44から貫通孔45Aに流れる吸気流路43Aと、吸気が矢印Eに沿って接続口44から貫通孔45Bに流れる吸気流路43Bとが形成されることとなる。
図6、図8、図9に示すように、吸気量センサ310,311は、板状のセンサ部312と、センサ部312の基端が固定されるセンサベース313と、センサベース313に設けられ、ECUに接続されるコネクタ部314と、センサベース313に形成された固定孔313Bとをそれぞれ有している。
吸気量センサ310,311は、熱線式の流量センサであり、上記センサ本体の周囲を流れる空気によってセンサ本体の熱が奪われた際の、センサ本体の電気抵抗の変化を検出して流量を測定するセンサである。
センサベース313には、側面視で円形に形成された係合部313Aが設けられている。
吸気量センサ310,311は上部吸気ポート301B,302Bの外側からセンサ取付孔306に挿入され、係合部313Aがセンサ取付孔306に係合した状態で固定孔313B(図8参照)に挿通されるボルト(不図示)により固定されている。センサ部312は、流路308の中心を通って真直ぐ延び、先端312Dは、センサ取付孔306に対向する流路308の内面の近傍に位置している。
吸気量センサ310,311は、上下に延在する前吸気ポート301及び後吸気ポート302内において、略同一の高さ位置に配置されている。このため、吸気チャンバ43から分岐して前吸気ポート301及び後吸気ポート302をそれぞれ流れる吸気量を同一の条件で測定でき、吸気量を正確に測定できる。
上部吸気ポート301B,302Bにおいて、各センサ取付孔306はそれぞれ空間Sの側に面して設けられ、吸気量センサ310,311は、各センサベース313が各空間Sに位置する向きで互いに対向して配置されている。このように、空間Sを利用して吸気量センサ310,311を設けたため、吸気量センサ310,311をコンパクトに配置できる。
また、吸気量センサ310,311は、シリンダヘッド132A,132Bと別体の上部吸気ポート301B,302Bに取り付けられているため、シリンダヘッド132A,132Bから上部吸気ポート301B,302Bを取り外した状態で吸気量センサ310,311をメンテナンスでき、メンテナンス性が良い。
本実施の形態では、2気筒エンジン17の各気筒毎に設けられた2つの吸気量センサ310,311を利用して、各気筒に吸入される空気量が、気筒毎に測定され、この空気量に対応した燃料噴射量が決定される。
エンジン17は、点火プラグ142によって点火する火花点火燃焼と、圧縮自己着火燃焼とを切り換えて運転する直噴エンジンである。始動時及びエンジン17が所定の回転数よりも高い高回転域では火花点火燃焼が行われ、エンジン17の低回転域及び上記所定の回転数よりも低い中回転域では圧縮自己着火燃焼が行われる。
この実施の形態では、いずれの燃焼が行われる状態であっても、各気筒に吸入される空気量が、気筒毎に測定され、この空気量に対応した燃料噴射量が決定される。
エアクリーナ41から吸い込まれてスロットルボディ42に流入した空気は、電子駆動式吸気バルブ42Aによって流量が調整されて吸気チャンバ43に到達し、吸気チャンバ43から前吸気ポート301と後吸気ポート302とに分岐してそれぞれ流れ、前吸気ポート301及び後吸気ポート302を流れる際に吸気量センサ310,311によって吸気量が測定され、その後、前バンク110A及び後バンク110Bの各燃焼室140に流入する。
吸気量センサ310,311によって測定された前吸気ポート301及び後吸気ポート302の吸気量は、上記ECUに送られ、ECUは、得られた各吸気量に基づいて各インジェクタ143の噴射量をそれぞれ算出し、各燃焼室140に燃料を噴射させる。
また、前吸気ポート301及び後吸気ポート302に吸気量センサ310,311を設け、各燃焼室140の直前の流路に吸気量センサ310,311を設けたため、各動弁装置50によるバルブ作動特性の変更に伴う吸気量の変動をも含んだ吸気量を測定できるため、正確な吸気量を得ることができる。
また、点火プラグ142による火花点火燃焼を行う際においても、吸気量センサ310,311によって各燃焼室140に流入する吸気量を正確に測定できる。このため、各吸気量センサ310,311によって測定した吸気量に基づいてインジェクタ143の燃料を正確に算出でき、所定の空燃比を正確に得られるため、目標とする燃費及び排気エミッションを実現できる。
また、圧縮自己着火燃焼を行う際に、燃焼室140に残される既燃ガスの割合、及び、燃焼室140に供給される吸気と燃料との混合の割合を可変させる動弁装置50では、変化するバルブ特性に合わせて空燃比を正確に決定しないと適正な燃焼域から燃焼条件が外れて、目標とする燃費及びエミッションが得られないが、前吸気ポート301及び後吸気ポート302内に吸気量センサ310,311を設けたため、正確な吸気量を測定でき、この吸気量に基づいて正確な空燃比を算出して適正な燃焼を行うことができる。
さらにまた、吸気量センサ310,311が、シリンダヘッド132A,132Bと別体の上部吸気ポート301B,302Bに取り付けられており、シリンダヘッド132A,132Bから上部吸気ポート301B,302Bを取り外した状態で吸気量センサ310,311をメンテナンスでき、メンテナンス性が良い。
上記実施の形態においては、直噴型のエンジン17において、前吸気ポート301及び後吸気ポート302にそれぞれ吸気量センサ310,311を設けるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、直噴型でなくても、動弁装置50のような可変動弁系を有するものでは、吸気量が動弁装置の影響を受けるため、各燃焼室に分岐する前吸気ポート301及び後吸気ポート302に吸気量センサ310,311を設けて吸気量を直接測定することで、吸気量を正確に把握することができる。
また、上記実施の形態においては、エンジン17は、V型の2気筒水冷エンジンであるものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、3気筒以上のエンジンにおいて、共通のスロットルボディの下流側で各燃焼室に接続される分岐管にそれぞれ吸気量センサを設けても良い。
42 スロットルボディ
42A 電子駆動式吸気バルブ
43 吸気チャンバ
50 動弁装置(可変バルブ機構)
132A 前側シリンダヘッド(シリンダヘッド)
132B 後側シリンダヘッド(シリンダヘッド)
140 燃焼室
143 インジェクタ(燃料噴射装置)
299 吸気装置
300 分岐管
301 前吸気ポート(吸気ポート)
301A、302A 下部吸気ポート
301B、302B 上部吸気ポート
302 後吸気ポート(吸気ポート)
310、311 吸気量センサ
Claims (4)
- 共通のスロットルボディ(42)の下流に吸気チャンバ(43)を設け、前記吸気チャンバ(43)から複数の燃焼室(140)に吸気管を分岐させて前記燃焼室(140)内に相通させると共に、前記燃焼室(140)内に燃料を直接噴射する燃料噴射装置(143)を備えた内燃機関の吸気装置において、
前記燃焼室(140)に流入する空気量を測定する吸気量センサ(310,311)を、前記吸気チャンバ(43)の下流の分岐管(300)内にそれぞれ設け、前記内燃機関(17)は火花点火燃焼と圧縮自己着火燃焼とを切り換えて運転し、
前記内燃機関(17)は、一対のバンク(110A,110B)の間にVバンク空間(K)が形成されるV型の内燃機関であり、前記各バンク(110A,110B)は、クランクシャフト(105)の軸方向に互いにオフセットして設けられ、
前記分岐管(300)は、前記Vバンク空間(K)に配置されて前記各バンク(110A,110B)に接続される吸気ポート(301,302)をそれぞれ備え、当該各吸気ポート(301,302)は、前記各バンク(110A,110B)の配置に合わせて互いにオフセットして配置されるとともに上端部(304)が略同一高さまで延出され、前記吸気チャンバ(43)は前記上端部(304)に接続され、
前記各吸気ポート(301,302)は、前記オフセットされた方向とは反対側の側面に、内部の流路(308)に連通するセンサ取付孔(306)をそれぞれ備え、前記各吸気量センサ(310,311)は、互いに対向する向きで前記各センサ取付孔(306)に挿入されるとともに略同一の高さ位置に配置されていること、
を特徴とする内燃機関の吸気装置。 - 前記内燃機関(17)は、圧縮自己着火燃焼時における前記燃焼室(140)内の既燃ガス及び混合の割合を可変させる可変バルブ機構(50)を備えたこと、
を特徴とする請求項1記載の内燃機関の吸気装置。 - 前記吸気チャンバ(43)の上流側に、操縦者のスロットル操作量に基づき前記スロットルボディ(42)のバルブ開度を自動操作する電子駆動式吸気バルブ(42A)を設けたこと、
を特徴とする請求項2記載の内燃機関の吸気装置。 - 前記吸気ポート(301,302)は、前記シリンダヘッド(132A,132B)と一体に設けた下部吸気ポート(301A,302A)と、前記シリンダヘッド(132A,132B)と別体に設けた上部吸気ポート(301B,302B)とからなり、前記吸気量センサ(310,311)は、前記上部吸気ポート(301B,302B)に取り付けられたこと、
を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の内燃機関の吸気装置。
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