JP2004011464A - 動弁装置およびこれを備えた内燃機関 - Google Patents

動弁装置およびこれを備えた内燃機関 Download PDF

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Kosaku Yamauchi
山内 幸作
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Abstract

【課題】つねに適正かつ円滑なバルブ動作を保証するとともに、有効にコンパクト化等を図り得る動弁装置およびこれを備えた内燃機関を提供する。
【解決手段】カムシャフトと一体回転するとともにその軸方向に相対移動可能に構成された立体カムと、そのカム面に押圧されてバルブを進退させるバルブリフタとを備える。立体カムとして、バルブ27を開弁する開カム11およびバルブ27を閉弁する閉カム12を含む。カムシャフトとして、開カム11および閉カム12をそれぞれスライド自在に支持する相互に平行配置された開カムシャフト13および閉カムシャフト14を含み、開カム11と閉カム12の間にそれらの双方に摺接するバルブリフタ23の回転摺接部25を介置する。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動二輪車あるいは自動車などにおける内燃機関において、アクセル開度に応じてバルブのリフト量、リフトタイミングおよび作動角を可変制御する動弁装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の内燃機関において、最近では可変位相とカム切換の組合せが出始め、その後作用角およびリフト量を連続可変する3次元カムを使用する方式が提案されている。たとえば、直打式円筒タペットの頂部に接触角変化に対する追従機構を設け、3次元カムを軸方向にスライドさせることにより、バルブリフト量を無段階に可変するものがある。
【0003】
3次元カム等を用いてリフト特性(バルブリフト量、リフトタイミングおよび作動角)を連続無段段に可変制御する際、バルブの閉弁動作をスプリングの弾力で行なう場合、スプリングの性能がリフト特性に大きく影響する。そのためバルブのジャンプやバランス等を許容範囲内に抑える必要から、エンジン出力が犠牲になる場合がある。特にバルブ径やシリンダ径が大径化されたエンジンでは、高回転化、高バルブリフト量化あるいは高加速度化に対応するのが難しくなる。
【0004】
そこで、たとえば特開平3−156110号公報あるいは特開平5−321617号公報に係る動弁装置において、開弁用カムと閉弁用カムを同一カム軸上に配置し、ロッカーアーム式に吸排気バルブを押圧するようにしたものが知られている。この装置によれば、バルブスプリングを廃止することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来例において、上述したように開弁用カムおよび閉弁用カムを同一カム軸上に配置するため、カム軸方向の寸法が大きくなる。特にカム軸方向に長尺な3次元カムもしくは立体カムにあっては、そのようなカム配置構成によりカム軸方向の長さが著しく長くなり、そのままではシリンダヘッドが大型化せざるを得ない等の問題がある。
【0006】
本発明はかかる実情に鑑み、つねに適正かつ円滑なバルブ動作を保証するとともに、有効にコンパクト化等を図り得る動弁装置およびこれを備えた内燃機関を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の動弁装置は、カム高さとカム作用角が連続的に変化するように形成され、カムシャフトと一体回転するとともにその軸方向に相対移動可能に構成された立体カムと、前記カムのカム面に押圧されてバルブを進退させるバルブリフタとを備えた動弁装置であって、前記立体カムとして、前記バルブを開弁する開カムおよび前記バルブを閉弁する閉カムを含むとともに、前記カムシャフトとして、前記開カムおよび前記閉カムをそれぞれスライド自在に支持する相互に平行配置された開カムシャフトおよび閉カムシャフトを含み、前記開カムと前記閉カムの間にそれらの双方に摺接する前記バルブリフタの回転摺接部を介置したことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の動弁装置において、前記バルブのバルブステムの軸方向に沿って、前記開カムシャフト、前記閉カムシャフトおよび回転摺接部を並設し、前記閉カムシャフトをシリンダの燃焼室寄りに配置したことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の動弁装置において、前記バルブリフタは、前記バルブのリフト方向と平行に配設されたガイドピンに沿って移動可能に保持され、前記バルブリフタの内方に前記閉カムシャフトを配置することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の動弁装置において、前記バルブリフタは、揺動軸のまわりに揺動可能に支持されたロッカアームを含み、該ロッカアームはその一端に前記回転摺接部を有するとともに、他端で前記バルブに結合することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の動弁装置において、前記揺動軸を前記バルブステムの上方かつ外側に配置するとともに、前記回転摺接部を前記揺動軸よりも上方に配置し、前記回転摺接部の外側および内側にそれぞれ、前記開カムシャフトおよび前記閉カムシャフトを配置することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の動弁装置において、前記バルブリフタは、前記バルブとプラグホールの間に配置された揺動軸のまわりに揺動可能に支持されスイングアームを含み、該スイングアームはその先端で前記バルブに結合するとともに、途中適所に前記回転摺接部を有し、前記スイングアームを挟んでその上方に前記開カムシャフトを配置し、下方に前記閉カムシャフトを配置することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の動弁装置において、前記閉カムシャフトは、エンジンのクランク軸により無端回転手段を介して回転駆動されるとともに、前記開カムシャフトへ回転駆動力を伝達するように構成されていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の動弁装置において、前記開カムシャフトおよび前記閉カムシャフトはアイドルギヤを介して結合し、同一方向に回転駆動されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の動弁装置において、前記開カムおよび前記閉カムは、それぞれ前記開カムシャフトおよび前記閉カムシャフトに沿って同期して変位するようにスライド駆動されることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の内燃機関は、吸気バルブおよび排気バルブにより吸排気を制御するようにした内燃機関であって、吸気側または排気側に上記いずれかの動弁装置を備えたことを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、この種のエンジンにおいてアクセル開度に応じてバルブリフト量および作動角を無段階可変制御する。この場合、特に吸気バルブを開く際には開カムでタペットローラを押し下げ、閉じる際には閉カムでタペットローラを押し上げる。これにより吸気バルブを押上げ駆動するためバルブスプリングを廃止することができ、バルブ駆動時の機械的損失を大幅に減少する。
【0018】
また、開カムシャフトおよび閉カムシャフトによりカム軸を2元化したことで、開カムおよび閉カムのカム軸方向寸法を大きくとることができる。これにより滑らかなバルブリフト特性を実現可能である。この場合、単一のタペットローラを用いることでタペット重量を軽量化し、吸排気バルブの高リフト化および高加速度化が可能になる。
【0019】
また、たとえば特に開カム、タペットローラおよび閉カムが吸気バルブのバルブステムの軸方向に沿って直線状に配置される。このような配置関係によりバルブリフタの作動方向をバルブステムの方向と合致させ、実質的に直打式バルブを構成することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき、本発明による動弁装置の好適な実施の形態を説明する。
(第1の実施形態)
本発明による動弁装置は、自動二輪車あるいは四輪自動車に搭載される各種のガソリンエンジンに対して有効に適用可能であり、この実施形態ではたとえば図1に示すように自動二輪車のエンジンを例とする。
【0021】
ここで先ず、本実施形態に係る自動二輪車100の全体構成を説明する。図1において、鋼製あるいはアルミニウム合金材でなる車体フレーム101の前部には、ステアリングヘッドパイプ102によって左右に回動可能に支持された2本のフロントフォーク103が設けられる。フロントフォーク103の上端にはハンドルバー104が固定され、ハンドルバー104の両端にグリップ105を有する。フロントフォーク103の下部には前輪106が回転可能に支持されるとともに、前輪106の上部を覆うようにフロントフェンダ107が固定される。前輪106は、前輪106と一体回転するブレーキディスク108を有している。
【0022】
車体フレーム101の後部には、スイングアーム109が揺動可能に設けられるとともに、車体フレーム101とスイングアーム109の間にリヤショックアブソーバ110が装架される。スイングアーム109の後端には後輪111が回転可能に支持され、後輪111はチェーン112が巻回されたドリブンスプロケット113を介して、回転駆動されるようになっている。
【0023】
車体フレーム101に搭載されたエンジンユニット1(実線部)には、エアクリーナ114に結合する吸気管115から混合気が供給されるとともに、燃焼後の排気ガスが排気管116を通って排気される。エアクリーナ114は容量確保のためにエンジンユニット1の後方、かつ燃料タンク117およびシート118の下方にある大きなスペース内に設置される。そのため吸気管115はエンジンユニット1の後部側に結合させ、排気管116はエンジンユニット1の前部側に結合される。また、エンジンユニット1の上方には、燃料タンク117が搭載され、燃料タンク117の後方にシート118およびシートカウル119が連設される。
【0024】
ここで、エンジンユニット1のシリンダヘッド2乃至シリンダヘッドカバー2aの所定部位には、後述するアクセルモータ34が装着される。アクセルモータ34はたとえば図示例のように、シリンダヘッドカバー2aの上面から突設される。その場合、燃料タンク117の下部に設けた凹部内にアクセルモータ34部分が配設されるようになっており、燃料タンク117とシリンダヘッドカバー2aは相互に干渉しないように配置される。
【0025】
アクセルモータ34はリンクを用いれば、吸気側でも排気側でも設置可能であるが、排気側に設ける場合燃料タンク117に形成する凹部が露出されて、そのままでは外観性が低下するので、それを考慮に入れるとアクセルモータ34は吸気側に設ける方が好ましい。
【0026】
さらに図1において、120はヘッドランプ、121はスピードメータ、タコメータあるいは各種インジケータランプ等を含むメータユニット、122はステー123を介してハンドルバー104に支持されるバックミラーである。また、車体フレーム101の下部にはメインスタンド124が揺動自在に取付けられ、後輪111を接地させたり地面から浮かせたりできる。車体フレーム101は、前部に設けたヘッドパイプ102から後斜め下方へ向けて延設され、エンジンユニット1の下方を包むように湾曲した後、スイングアーム109の軸支部であるピボット109aを形成してタンクレール101aおよびシートレール101bに連結している。
【0027】
この車体フレーム101には、フロントフェンダ107との干渉を避けるべく車体フレームと平行にラジエータ125が設けられるとともに、このラジエータ125から車体フレーム101に沿って冷却水ホース126が配設され、排気管116と干渉することなくエンジンユニット1に連通している。
【0028】
つぎに、図2は本発明装置の要部側断面図、図3は図2のA−A線およびB−B線に沿う断面図である。この実施形態では並列2気筒エンジンであって、各気筒ごとに吸気側(IN)および排気側(EX)にそれぞれ2つのバルブ(つまり4バルブ)を有している。なお、この実施形態では吸気側に適用した例とするが、吸気側および排気側の双方に適用することもできる。シリンダ内で上下に往復動するピストンの上部にシリンダヘッド2が配置され、このシリンダヘッド2内に動弁装置10が収容される。
【0029】
動弁装置10は、気筒の配列方向に沿って配置されるカム/カムシャフトユニットと、カム/カムシャフトユニットにおけるカムのカム面に押されてバルブを進退させるバルブリフタユニットと、この例では吸気制御するバルブユニットと、アクセル開度に応じてカムを変位させるアクセルシャフトユニットとを含んでいる。なお、バルブユニットについては、排気側も同様の構成であってよい。
【0030】
まずカム/カムシャフトユニットにおいて、カム高さとカム作用角が連続的に変化するように形成され、カムシャフトと一体回転するとともにその軸方向に相対移動可能に構成された立体カムを有する。この立体カムとして、バルブを開弁する開カム11およびバルブを閉弁する閉カム12を含むとともに、カムシャフトとして、開カム11および閉カム12をそれぞれスライド自在に支持する相互に平行配置された開カムシャフト13および閉カムシャフト14を含む。
【0031】
開カムシャフト13および閉カムシャフト14はそれぞれ、ベアリング15および16を介してシリンダヘッド2に回転自在に支持される。これらの開カムシャフト13および閉カムシャフト14にはそれぞれ、たとえば3条のボールスプライン13aおよび14aが形成され、そのガイドによって開カム11および閉カム12がボール17,18を介して直線運動(リニアモーション)するようになっている。なお、開カムシャフト13および閉カムシャフト14は中空構造とし、その中空内部に潤滑油路を形成して開カム11および閉カム12等にそれぞれ注油することができる。
【0032】
閉カムシャフト14の一端にはスプロケット19が固着している。排気側のカムシャフト14Exの一端にもスプロケット19Exが固着しており、図4に示すようにこれらのスプロケット19,19Exとクランクシャフト(図示せず)の一端に固着するドライブスプロケット3との間にカムチェーン4が巻回装架される。なお、図4に示されるようにチェーンガイド5、チェーンテンショナ6およびテンショナアジャスタ7等を含み、これらによりカムチェーン4が適正走行するようになっている。
【0033】
ここで、開カム11および閉カム12はいわゆる「3次元カム」として構成され、各気筒に1つずつ設けられる。開カム11および閉カム12には、開カムシャフト13および閉カムシャフト14の軸方向に緩やかに傾斜するカム面が延設され、バルブリフト量を連続的に変化させる形状に成形されている。この場合、カム高さと同時にカム作用角およびリフトタイミングも変化し、すなわちバルブリフト量が大きくなるのに従ってカム作用角も大きくなり、さらにはバルブのリフトタイミングも変化させ得るように設定されている。かかる開カム11および閉カム12を開カムシャフト13および閉カムシャフト14に沿って移動させることにより、吸気バルブのリフト量、作動角およびリフトタイミングを無段階に可変制御することができる。
【0034】
閉カムシャフト14は、エンジンのクランク軸により無端回転手段としてのカムチェーン4を介して回転駆動されるとともに、開カムシャフト13へ回転駆動力を伝達するように構成されている。すなわち開カムシャフト13および閉カムシャフト14のスプロケット19とは反対側の端部には、図3に示されるようにギヤ20,21がそれぞれ固着し、これらのギヤ20,21にアイドルギヤ22が噛合する。開カムシャフト13および閉カムシャフト14はアイドルギヤ22を介して結合し、同一方向に回転駆動される。
【0035】
なお、後述するように開カム11および閉カム12はアクセルシャフトユニットによって、それぞれ開カムシャフト13および閉カムシャフト14に沿って同期して変位するようにスライド駆動される。
【0036】
バルブリフタユニットにおいて、バルブリフタ23は概略環状を呈し、バルブリフト方向と平行に植設されたガイドピン24に沿って移動可能に装着される。この場合バルブリフタ23はその上部に、回転摺接部として構成されたタペットローラ25を有し、開カム11と閉カム12の間にそれらの双方に摺接するタペットローラ25を介置する。
【0037】
ここで、図5はバルブリフタ23の構成例を示している。バルブリフタ23はたとえばアッパハーフ23Aとロアハーフ23Bとが一体的に構成され、両側部にガイドピン24を挿通させるための挿通孔23aを有する。バルブリフタ23のロアハーフ23Bの下部両端には、バルブ(バルブステム)が取り付けられる取付ねじ孔23bが形成された一対の腕部23cが延出する。タペットローラ25はピン26を介して、そのまわりに回転自在に支持される。タペットローラ25の外周面は典型的には円弧状(R状)に形成され、つまり球状接触面を有し、開カム11および閉カム12とは点接触するようになっている。
【0038】
図2に示されるようにバルブのバルブステムの軸方向に沿って、開カムシャフト13、閉カムシャフト14およびタペットローラ25が並設され、閉カムシャフト14がシリンダの燃焼室寄りに配置される。この場合、閉カムシャフト14は、バルブリフタ23の内方もしくは内側に配置される。
【0039】
なお、本実施形態では排気側については、図2あるいは図3(図2のA−A線断面)に示されるように平板状の開カム11Exと閉カム12Exを持ち、タペットローラ25Exがそれらの双方に摺接する。タペットローラ25Exの外周面は接触平面として構成される。その他の構成は、実質的に吸気側と同様である。
【0040】
バルブユニットにおいて、それぞれのバルブステム27aがバルブガイド28によってガイドされる2つの吸気バルブ27を含んでいる。また、各バルブステム27aの上端部は、アジャストボルト29を介してバルブリフタ23の取付ねじ孔23bに取り付けられる。この場合、ロックナット30によって各バルブステム27aの上端部をバルブリフタ23に固定する。そして、図6に示すようにアジャストボルト29の上下にサークリップ201,202を装着するとともに、サークリップ201とアジャストボルト29の間にシールスプリング203(皿バネ)を介装する。このような皿バネを介装することにより、バルブ着座時のシール性を確保するが、特に加工公差によって開カム11Exおよび閉カム12Ex間に生じる隙間のばらつきを吸収し、あるいは運転使用によるバルブ傘座の磨耗に起因する隙間を吸収し得るようにしている。
【0041】
アクセルシャフトユニットにおいて、開カムシャフト13および閉カムシャフト14と平行に配置されたアクセルシャフト31と、アクセルシャフト31に固着するとともに開カムシャフト13および閉カムシャフト14の双方に連結するアクセルフォーク32を含んでいる。アクセルシャフト31はその軸方向にスライド可能にシリンダヘッド2によって支持され、一端側でネジリスプライン31aを介してドリブンギヤ33(ホイール)と係合している。ドリブンギヤ33はシリンダヘッド2に回転自在に支持され、アクセルモータ34の出力軸に固着したドライブギヤ35(ウォーム)と噛合する。
【0042】
アクセルモータ34は、アクセル変化(アクセル開度や加速・減速方向など)に対応してその出力軸が回転し、その回転はドライブギヤ35およびドリブンギヤ33を介して、アクセルシャフト31のスライド運動に変換される。この例ではアクセルモータ34はシリンダ軸線方向に沿って配置され、シリンダヘッドカバー2aによって覆われている。
【0043】
なお、たとえば自動二輪車の場合にあっては、アクセルグリップの回転操作量をアクセルモータ34の出力軸の回転量に対応させるようにしてもよい。また、アクセルモータ34を駆動する際、そのときの走行状況(出力)に合うようにコントローラ(図示せず)によって駆動制御されるようになっている。
【0044】
アクセルフォーク32は、ベアリング36,38を介してそれぞれ開カム11および閉カム12の端部に回転自在に装着されたフォークガイド37,39と係合する。これによりアクセルシャフト31がその軸方向にスライドするのに連動もしくは同期して、開カム11および閉カム12が開カムシャフト13および閉カムシャフト14に沿ってそれぞれスライドする。
【0045】
ここで、閉カムシャフト14の他端には位相センサユニットが設けられる。位相センサユニットは、閉カムシャフト14の他端に植設されたピン40とこのピン40を検出して出力信号を得る位相センサ41を含んでいる。
【0046】
上記構成において、アクセルグリップ(もしくはアクセルペダル)を操作するとアクセルモータ34が作動し、その出力軸の回転によりアクセルシャフト31がスライドする。たとえば、エンジン低速時には図3に示されるようにタペットローラ25は開カム11に対して、カム高さの低い部位に当接している。なお、そのとき閉カム12に対しては、カム高さの高い部位に当接する。この状態で加速、すなわちアクセルを開くと、アクセルモータ34の作動によりドリブンギヤ33が回転して、アクセルシャフト31は図中、右方にスライドする。
【0047】
これにより開カム11および閉カム12はアクセルフォーク32を介して、アクセルシャフト31の動きに連動してそれぞれ開カムシャフト13および閉カムシャフト14に沿って、同様に図中、右方にスライドする。なお、このとき開カム11および閉カム12のスライド量や速度は、アクセルの開度および開く速さに対応している。開カム11のスライドによりタペットローラ25は次第に、カム高さの高い部位に当接し、これにより開カム11のリフト特性に従ってバルブリフト量が増大する。一方、減速時にはアクセルを戻すことで、上記とは逆の動作でバルブリフト量を減少させる。
【0048】
ここで、上述した本発明の動弁装置あるいは内燃機関において特に、まず開カム11および閉カム12の間にタペットローラ25を挟むかたちで、これらが吸気バルブ27のバルブステム27aの軸方向に沿って直線状に配置される。吸気バルブ27を開く際には開カム11でタペットローラ25を押し下げ、閉じる際には閉カム12でタペットローラ25を押し上げる。つまり吸気バルブ27を押上げ駆動するためバルブスプリングを廃止することができ、これによりバルブ駆動時の機械的損失(メカロス)を大幅に減少する。なお、排気側についても同様に、バルブスプリングを廃止することができる。
【0049】
この場合、開カム11および閉カム12のカム形状(凸部および凹部)は、それらに挟まれるタペットローラ25の直径を含む各カム山高さの合計が、実質的に開カムシャフト13および閉カムシャフト14の軸間距離と一致するように形成される。したがって、いかなるカム位相においてもタペットローラ25は、開カム11および閉カム12の間にガタつきなく挟まれ、カム駆動機構の円滑動作が保証される。
【0050】
また、開カムシャフト13および閉カムシャフト14によりカム軸を2元化したことで、開カム11および閉カム12のカム軸方向寸法を大きくとることができる。これにより滑らかなバルブリフト特性を実現可能である。
【0051】
単一のタペットローラ25を用いることでタペット重量を軽量化し、吸排気バルブの高リフト化および高加速度化が可能になる。この場合タペットローラ25の直径を適宜設定することで、開カム11あるいは閉カム12との隙間を調整することができ、これにより吸排気バルブのリフト量を正確に制御する。
【0052】
また、開カム11、タペットローラ25および閉カム12が吸気バルブ27のバルブステム27aの軸方向に沿って直線状に配置される。このような配置関係によりバルブリフタの作動方向をバルブステム27aの方向と合致させ、実質的に直打式バルブを構成することができる。この場合、タペットローラ25と開カム11あるいは閉カム12との接触部を単一化し、軽量化を図ることができる。
【0053】
エンジンのクランク軸に近い側に配置された閉カムシャフト14に対して、カムチェーン4によりその駆動力を入力することで、カムチェーン4を短尺化することができる。この場合、開カムシャフト13および閉カムシャフト14は、アイドルギヤ22を介して同一方向に回転駆動されるため、開カム11および閉カム12に接触するタペットローラ25の回転摺動部の磨耗等を有効に低減することができる。
【0054】
バルブリフタ23は概略環状を呈し、バルブリフト方向と平行に植設されたガイドピン24に沿って移動可能である。バルブリフタ23が環状であるため閉カムシャフト14との干渉を避けるとともに、バルブリフタ23に作用する荷重を分散させて応力を均等にすることができる。
(第2の実施形態)
【0055】
つぎに、本発明による第2の実施形態を説明する。なお、上述の第1の実施形態と同一または対応する部材には同一符号を用いて、図面を参照して説明する。図7は本発明装置の要部側断面図、図8は図7のC−C線およびD−D線に沿う断面図、図9は図7のE−E線に沿う断面図、図10は図7のF−F線に沿う断面図である。この実施形態では吸気側に適用した例とするが、排気側に適用することもできる。また、シリンダ内で上下に往復動するピストンの上部にシリンダヘッド2が配置され、このシリンダヘッド2内に動弁装置が収容される。
【0056】
第2の実施形態による動弁装置は、気筒の配列方向に沿って配置されるカム/カムシャフトユニットと、カム/カムシャフトユニットにおけるカムのカム面に押されてバルブを進退させるバルブリフタユニットと、この例では吸気制御するバルブユニットと、アクセル開度に応じてカムを変位させるアクセルシャフトユニットとを含んでいる。なお、バルブユニットについては、排気側も同様の構成であってよい。
これらのうち第1の実施形態と実質的に同一のものについては、適宜その説明を省略もしくは簡略化するものとする。
【0057】
カム/カムシャフトユニットにおいて、バルブを開弁する開カム11およびバルブを閉弁する閉カム12を含むとともに、カムシャフトとして、開カム11および閉カム12をそれぞれスライド自在に支持する相互に平行配置された開カムシャフト13および閉カムシャフト14を含む。開カムシャフト13および閉カムシャフト14はそれぞれ、ベアリング15および16を介してシリンダヘッド2に回転自在に支持される。これらの開カムシャフト13および閉カムシャフト14にはそれぞれ、たとえば3条のボールスプライン13aおよび14aが形成され、そのガイドによって開カム11および閉カム12がボール17,18を介して直線運動(リニアモーション)するようになっている。なお、開カムシャフト13および閉カムシャフト14は中空構造とし、その中空内部に潤滑油路を形成して開カム11および閉カム12等にそれぞれ注油することができる。
【0058】
この実施形態では特に開カムシャフト13は、吸気側および排気側のそれぞれバルブステム軸によって挟まれる領域(所謂、Vバンク)の外側に配置される。また閉カムシャフト14は、Vバンクの内側に配置される。この場合さらに、開カムシャフト13および閉カムシャフト14が配置される平面は、シリンダ軸線と略直交するように設定される。
【0059】
閉カムシャフト14の一端にはスプロケット19が固着している。排気側のカムシャフト14Exの一端にもスプロケット19Exが固着しており、これらのスプロケット19,19Exとクランクシャフトの一端に固着するドライブスプロケット3との間にカムチェーン4が巻回装架される(図4参照)。なお、図4に示されるようにチェーンガイド5、チェーンテンショナ6およびテンショナアジャスタ7等を含み、これらによりカムチェーン4が適正走行するようになっている。
【0060】
閉カムシャフト14は、エンジンのクランク軸により無端回転手段としてのカムチェーン4を介して回転駆動されるとともに、開カムシャフト13へ回転駆動力を伝達するように構成されている。すなわち開カムシャフト13および閉カムシャフト14のスプロケット19とは反対側の端部には、図8に示されるようにギヤ20,21がそれぞれ固着し、これらのギヤ20,21にアイドルギヤ22が噛合する。開カムシャフト13および閉カムシャフト14はアイドルギヤ22を介して結合し、同一方向に回転駆動される。
【0061】
なお、後述するように開カム11および閉カム12はアクセルシャフトユニットによって、それぞれ開カムシャフト13および閉カムシャフト14に沿って同期して変位するようにスライド駆動される。
【0062】
バルブリフタユニットにおいて、本実施形態ではバルブリフタは、揺動軸のまわりに揺動可能に支持されたロッカアーム42により構成される。揺動軸として図9に示されるようにシリンダヘッド2により支持されたロッカシャフト43を含み、該ロッカシャフト43はバルブステム27aの上方かつ外側に配置される。ロッカアーム42は概略L字状を呈し(図7)、その一端にピン26を介してタペットローラ25が回転自在に支持される。ロッカアーム42はその他端でバルブステム27aに結合する。
【0063】
タペットローラ25は図7に示されるようにロッカシャフト43よりも上方に配置され、その外側および内側にそれぞれ、開カムシャフト13および閉カムシャフト14を配置する。そして、開カム11および閉カム12ならびにタペットローラ25は、シリンダ軸線と略直交する平面上に位置する。また、ロッカシャフト43およびタペットローラ25はVバンクの外側に配置される。
【0064】
ロッカアーム42の他端側においてアーム42aが延出し、このアーム42aにはロッカシャフト43と平行に、バルブステム27aの上部を両側から挟むようにピン44が横架される(図9参照)。各ピン44にはローラ45が装着される。バルブステム27aの上部に形成されたネジ部27bには、鍔部を有するアジャストナット46が螺着し、該アジャストナット46には、鍔部を有するタペットガイド47が外嵌する。アジャストナット46およびタペットガイド47はシールスプリング48を介して、ロックナット49により締付固定される。また、アジャストナット46およびタペットガイド47の鍔部相互間にローラ45を介挿することで、ロッカアーム42およびバルブステム27aが結合する。
図11に詳しく示すようにバルブステム27aのネジ部27b(雄ネジ)に対して、アジャストナット46およびロックナット49(雌ネジ)がダブル(W)ナットを構成し、これらが弛み止めとして機能する。この場合、アジャストナット46およびロックナット49の接触面がロック面となり、それらに対してシールスプリング48(皿バネ)の内径がその外側に位置する。
【0065】
なお、本実施形態では排気側については、図7あるいは図8に示されるように平板状の開カム11Exと閉カム12Exを持ち、タペットローラ25Exがそれらの双方に摺接する。タペットローラ25Exの外周面は接触平面として構成される。その他の構成は、実質的に吸気側と同様である。
排気側のバルブリフタユニットあるいはバルブユニットの構成およびそれらの結合部まわりを図10に示す。
【0066】
アクセルシャフトユニットにおいて、開カムシャフト13および閉カムシャフト14と平行に配置されたアクセルシャフト31と、アクセルシャフト31に固着するとともに開カムシャフト13および閉カムシャフト14の双方に連結するアクセルフォーク32を含んでいる。
【0067】
アクセルモータ34は、アクセル変化(アクセル開度や加速・減速方向など)に対応してその出力軸が回転し、その回転はドライブギヤ35およびドリブンギヤ33を介して、アクセルシャフト31のスライド運動に変換される。この例ではアクセルモータ34はシリンダ軸線方向に沿って配置され、シリンダヘッドカバー2aによって覆われている。
【0068】
アクセルフォーク32は、ベアリング36,38を介してそれぞれ開カム11および閉カム12の端部に回転自在に装着されたフォークガイド37,39と係合する。これによりアクセルシャフト31がその軸方向にスライドするのに連動もしくは同期して、開カム11および閉カム12が開カムシャフト13および閉カムシャフト14に沿ってそれぞれスライドする。
【0069】
第2の実施形態において、開カム11および閉カム12はアクセルフォーク32を介して、アクセルシャフト31の動きに連動してそれぞれ開カムシャフト13および閉カムシャフト14に沿って、左右にスライドする。開カム11および閉カム12の間にタペットローラ25を挟むかたちで配置され、吸気バルブ27を開く際には開カム11でタペットローラ25を揺動させ、閉じる際には閉カム12でタペットローラ25を揺動させる。
【0070】
第2の実施形態ではロッカアーム式のバルブ駆動方式とすることで、バルブリフタの大型化を有効に防止しながら、強制開閉式連続無段階リフト特性を実現する。この場合、特にロッカシャフト43およびタペットローラ25はVバンクの外側に配置され、すなわち揺動軸であるロッカシャフト43をVバンク内に配置しない構成としたことで、動弁系部材とプラグホール8との干渉を回避することができる。そして、Vバンク角を小さくし、燃焼室をコンパクトにして高出力化および高熱効率化を図ることができる。
【0071】
また、開カム11および閉カム12を並設する(シリンダ軸線と直交方向に同一面上に配置する)ことで、直打方式に比べてシリンダヘッド高を低く抑えることができる。さらに、これにより加工が容易になるとともに、加工精度が向上する上、カムホルダまわりの部品点数を削減可能である。
ロッカシャフト43のまわりに揺動するロッカアーム42を含む揺動機構の往復運動相当質量は、小さくなる。これにより鉄製ロッカであっても、往復運動相当質量自体が小さいため、バルブスプリングを用いる場合よりもバルブリフト量やバルブ開閉加速度を大幅に向上することができる。
【0072】
バルブリフタユニットあるいはバルブユニットの結合部において、アジャストナット46およびタペットガイド47はシールスプリング48を介して、ロックナット49により締付固定される。そして、アジャストナット46によってバルブ27の位置を調整可能にし、すなわちバルブシム等を用いることなく、つまりカムシャフトを分解しないでバルブ位置を調整することができる。
【0073】
この場合、シールスプリング48(皿バネ)のストロークをたとえば0.1〜0.3mm程度に設定し、バルブ無リフト域にてシールスプリング48を、その半分程度変位させる位置にアジャストナット46およびロックナット49にてバルブ位置を調整するとよい。これにより無リフト時のバルブシール性能を確保するとともに、磨耗による位置変化を吸収し、シール性能を向上することができる。また、シールスプリング48の初期荷重がある場合でもロックナット49の締付で対応することができ、特殊工具等を用いないで済む。
(第3の実施形態)
【0074】
つぎに、本発明による第3の実施形態を説明する。なお、上述の第1の実施形態と同一または対応する部材には同一符号を用いて、図面を参照して説明する。図12は本発明装置の要部側断面図、図13は図12のG−G線およびH−H線に沿う断面図、図14は図12のI−I線に沿う断面図である。この実施形態では吸気側に適用した例とするが、排気側に適用することもできる。また、シリンダ内で上下に往復動するピストンの上部にシリンダヘッド2が配置され、このシリンダヘッド2内に動弁装置が収容される。
【0075】
第3の実施形態による動弁装置は、気筒の配列方向に沿って配置されるカム/カムシャフトユニットと、カム/カムシャフトユニットにおけるカムのカム面に押されてバルブを進退させるバルブリフタユニットと、この例では吸気制御するバルブユニットと、アクセル開度に応じてカムを変位させるアクセルシャフトユニットとを含んでいる。なお、バルブユニットについては、排気側も同様の構成であってよい。
これらのうち第1の実施形態と実質的に同一のものについては、適宜その説明を省略もしくは簡略化するものとする。
【0076】
カム/カムシャフトユニットにおいて、バルブを開弁する開カム11およびバルブを閉弁する閉カム12を含むとともに、カムシャフトとして、開カム11および閉カム12をそれぞれスライド自在に支持する相互に平行配置された開カムシャフト13および閉カムシャフト14を含む。開カムシャフト13および閉カムシャフト14はそれぞれ、ベアリング15および16を介してシリンダヘッド2に回転自在に支持される。これらの開カムシャフト13および閉カムシャフト14にはそれぞれ、たとえば3条のボールスプライン13aおよび14aが形成され、そのガイドによって開カム11および閉カム12がボール17,18を介して直線運動(リニアモーション)するようになっている。
【0077】
この実施形態では特に開カムシャフト13および閉カムシャフト14は、Vバンク内に配置され、この場合開カムシャフト13が閉カムシャフト14よりも上方に隔置される。さらに、開カムシャフト13および閉カムシャフト14の軸間方向が、吸気バルブ27のバルブステム27aの軸方向と略平行になるように設定される。
【0078】
閉カムシャフト14の一端にはスプロケット19が固着している。排気側のカムシャフト14Exの一端にもスプロケット19Exが固着しており、これらのスプロケット19,19Exとクランクシャフトの一端に固着するドライブスプロケット3との間にカムチェーン4が巻回装架される(図4参照)。なお、図4に示されるようにチェーンガイド5、チェーンテンショナ6およびテンショナアジャスタ7等を含み、これらによりカムチェーン4が適正走行するようになっている。
【0079】
閉カムシャフト14は、エンジンのクランク軸により無端回転手段としてのカムチェーン4を介して回転駆動されるとともに、開カムシャフト13へ回転駆動力を伝達するように構成されている。すなわち開カムシャフト13および閉カムシャフト14のスプロケット19とは反対側の端部には、図11に示されるようにギヤ20,21がそれぞれ固着し、これらのギヤ20,21にアイドルギヤ22が噛合する。開カムシャフト13および閉カムシャフト14はアイドルギヤ22を介して結合し、同一方向に回転駆動される。
【0080】
なお、後述するように開カム11および閉カム12はアクセルシャフトユニットによって、それぞれ開カムシャフト13および閉カムシャフト14に沿って同期して変位するようにスライド駆動される。
【0081】
バルブリフタユニットにおいて、本実施形態ではバルブリフタは、吸気バルブ27とプラグホール8の間に配置された揺動軸のまわりに揺動可能に支持されスイングアーム50により構成される。揺動軸として図14に示されるようにシリンダヘッド2により支持されたスイングアームシャフト51を含み、該スイングアームシャフト51はプラグホール8の至近位置に配置される。
【0082】
スイングアーム50はその先端で吸気バルブ27に結合するとともに、その途中適所にはピン26を介してタペットローラ25が回転自在に支持される。またスイングアーム50を挟んでその上方に開カムシャフト13を配置し、下方には閉カムシャフト14を配置する。
【0083】
スイングアーム50の先端にはスイングアームシャフト51と平行に、バルブステム27aの上部を両側から挟むようにピン44が横架される(図14参照)。各ピン44にはローラ45が装着される。バルブステム27aの上部に形成されたネジ部27bには、鍔部を有するアジャストナット46が螺着し、該アジャストナット46には、鍔部を有するタペットガイド47が外嵌する。アジャストナット46およびタペットガイド47はシールスプリング48を介して、ロックナット49により締付固定される。また、アジャストナット46およびタペットガイド47の鍔部相互間にローラ45を介挿することで、ロッカアーム42およびバルブステム27aが結合する。この結合構造は実質的に、第2の実施形態の場合と同様である(図11参照)。
【0084】
図12に示されるようにスイングアーム50の力点(ピン26)、作用点(ピン44)および支点(スイングアームシャフト51)は、略一直線上に配置される。この場合、スイングアーム50は支点であるスイングアームシャフト51のまわりに回動するが、そのストローク範囲内でバルブステム27aの軸線方向に対して略直交するように支点が設定される。
【0085】
なお、本実施形態では排気側については、図12あるいは図13に示されるように平板状の開カム11Exと閉カム12Exを持ち、タペットローラ25Exがそれらの双方に摺接する。タペットローラ25Exの外周面は接触平面として構成される。その他の構成部材自体は、実質的に吸気側と同様である。
排気側のバルブリフタユニットあるいはバルブユニットの構成およびそれらの結合部まわりを図14に示す。
【0086】
本実施形態では特に、排気側のカム/カムシャフトユニット(開カム11Exおよび閉カム12Ex、開カムシャフト13Exおよび閉カムシャフト14Ex等)やバルブリフタユニット(スイングアーム50Ex、スイングアームシャフト51Exおよびタペットローラ25Ex等)をVバンクの外側に配置する。この場合、開カムシャフト13および開カムシャフト13Exの軸間方向と、閉カムシャフト14および閉カムシャフト14Exの軸間方向とが相互に略平行となるように配置される。
【0087】
アクセルシャフトユニットにおいて、開カムシャフト13および閉カムシャフト14と平行に配置されたアクセルシャフト31と、アクセルシャフト31に固着するとともに開カムシャフト13および閉カムシャフト14の双方に連結するアクセルフォーク32を含んでいる。
【0088】
アクセルモータ34は、アクセル変化(アクセル開度や加速・減速方向など)に対応してその出力軸が回転し、その回転はドライブギヤ35およびドリブンギヤ33を介して、アクセルシャフト31のスライド運動に変換される。この例ではアクセルモータ34はシリンダ軸線方向に沿って配置され、シリンダヘッドカバー2aによって覆われている。
【0089】
アクセルフォーク32は、ベアリング52,53(図13参照)を介してそれぞれ開カム11および閉カム12の端部に結合する。ベアリング52およびベアリング53はそれぞれスラストニードルベアリングおよびラジアルニードルベアリングを含み、これらによりスラスト方向およびラジアル方向双方の負荷荷重に対応し得るようになっている。この場合、開カム11および閉カム12のカムロブ傾斜面により発生するスラストを受ける側にのみスラストニードルベアリングが設けられる。これによりアクセルシャフト31がその軸方向にスライドするのに連動もしくは同期して、開カム11および閉カム12が開カムシャフト13および閉カムシャフト14に沿ってそれぞれスライドする。
【0090】
ここでアクセルシャフト31は図12に示されるように、スイングアーム50の支点であるスイングアームシャフト51の上方において、開カムシャフト13および開カムシャフト13Exの軸間を結ぶ線上に配置される。また、開カムシャフト13、ピン26および閉カムシャフト14に沿った配列方向と、アクセルシャフト31、スイングアームシャフト51および閉カムシャフト14に沿った配列方向とによりV字状の配置関係となっている。
【0091】
上記の場合、プラグホール8は着脱可能に構成される。すなわち図12のようにプラグホール8を形成するプラグホールパイプ54が、シリンダヘッド2およびシリンダヘッドカバー2aの所定に着脱可能に取り付けられる。この場合、プラグホールパイプ54の装着部にはOリング55,55′が装着される。
【0092】
第3の実施形態において、開カム11および閉カム12はアクセルフォーク32を介して、アクセルシャフト31の動きに連動してそれぞれ開カムシャフト13および閉カムシャフト14に沿って、左右にスライドする。開カム11および閉カム12の間にタペットローラ25を挟むかたちで配置され、吸気バルブ27を開く際には開カム11でタペットローラ25を介してスイングアーム50を揺動させ、閉じる際には閉カム12でタペットローラ25を介してスイングアーム50を揺動させる。
【0093】
第3の実施形態ではスイングアーム式のバルブ駆動方式とするが、特に吸気系においてスイングアーム50や開カム11および閉カム12等の主要部品は、プラグホール8と吸気バルブ27(バルブステム27a)の間に配置され、すなわち吸気バルブ27の外側には実質的に部品が配置されない。これにより図12に示されるようにシリンダ軸線に対する吸気ポート9の傾斜角度αを小さくし、該吸気ポート9をシリンダ軸線側に起こすことでストレート吸気にすることができる。そしてシリンダ内でのタンブル流を増加させるとともに、吸気の吸入抵抗を小さくすることにより、高出力化およびリーンバーン化等が可能になる。
【0094】
また、スイングアーム50を挟んでその上方に開カムシャフト13を、また下方には閉カムシャフト14を配置することで、動弁機構をシリンダの燃焼室に接近配置することができる。これによりシリンダヘッド高を低く抑え、エンジンのコンパクト化および低重心化等を図ることができる。
特に吸気系の主要部品をVバンク内に配置することで、吸気側におけるシリンダヘッド2の前後長を大幅に短くすることができる。
【0095】
また、前述したようにスイングアーム50の力点、作用点および支点が略一直線上に配置され、スイングアーム50のストローク範囲内でバルブステム27aの軸線方向に対して略直交するように支点が設定される。かかる配置によりスイングアーム50を最大に軽量化し、高リフト、高開閉加速度および高回転化等を可能にする。その場合、スイングアーム50の揺動角のためにバルブステム27aに生じる曲げモーメントを小さくし、これにより該バルブステム27aのストローク作動が円滑化するとともに、バルブガイド28を磨耗を防止することができる。
【0096】
また、アクセルシャフト31をスイングアームシャフト51の上方において、開カムシャフト13および開カムシャフト13Exの軸間を結ぶ線上に配置し、開カムシャフト13、ピン26および閉カムシャフト14に沿った配列方向と、アクセルシャフト31、スイングアームシャフト51および閉カムシャフト14に沿った配列方向とによりV字状の配置関係とする。このような配置構成により、Vバンク内の空間を有効利用し、シリンダヘッド2のコンパクト化を図ることができる。
【0097】
排気側のカム/カムシャフトユニットやバルブリフタユニットをVバンクの外側に配置し、開カムシャフト13および開カムシャフト13Exの軸間方向と、閉カムシャフト14および閉カムシャフト14Exの軸間方向とが相互に略平行となるように配置する。これによりカムホルダの加工が容易になるとともに、Vバンク角を小さくしつつプラグホール8を配設することができる。
【0098】
そのプラグホール8を形成するプラグホールパイプ54を、シリンダヘッド2およびシリンダヘッドカバー2aに着脱可能に取り付けることで、開カム11および閉カム12まわりの部品組付性を向上することができる。また、プラグホールパイプ54を薄肉化することにより、Vバンク角を小さくすることができる。
【0099】
また、アクセルフォーク32と開カム11および閉カム12との間にスラストニードルベアリングおよびラジアルニードルベアリングが装着され、開カム11および閉カム12のカムロブ傾斜面により発生するスラストを受ける側にのみスラストニードルベアリングが設けられる。これによりアクセルフォーク32の爪部の外径を小さくし、Vバンク角を小さくすることができる。また、該爪部のスライドの幅をスラストニードルベアリング1個分狭くすることができ、開カム11および閉カム12のスライド量を大きく確保することができる。
(第4の実施形態)
【0100】
つぎに、本発明による第4の実施形態を説明する。なお、上述の第1の実施形態と同一または対応する部材には同一符号を用いて、図面を参照して説明する。図15は本発明装置の要部側断面図、図16は図15のJ−J線およびK−K線に沿う断面図、図17は図15のL−L線に沿う断面図ある。この実施形態では、シリンダ内で上下に往復動するピストンの上部にシリンダヘッド2が配置され、このシリンダヘッド2内に動弁装置が収容される。
【0101】
第4の実施形態による動弁装置は、気筒の配列方向に沿って配置されるカム/カムシャフトユニットと、カム/カムシャフトユニットにおけるカムのカム面に押されてバルブを進退させるバルブリフタユニットと、この例では吸気制御するバルブユニットと、アクセル開度に応じてカムを変位させるアクセルシャフトユニットとを含んでいる。
これらのうち第1の実施形態と実質的に同一のものについては、適宜その説明を省略もしくは簡略化するものとする。
【0102】
カム/カムシャフトユニットにおいて、バルブを開弁する開カム11およびバルブを閉弁する閉カム12を含むとともに、カムシャフトとして、開カム11および閉カム12をそれぞれスライド自在に支持する相互に平行配置された開カムシャフト13および閉カムシャフト14を含む。開カムシャフト13および閉カムシャフト14はそれぞれ、ベアリング15および16を介してシリンダヘッド2に回転自在に支持される。これらの開カムシャフト13および閉カムシャフト14にはそれぞれ、たとえば3条のボールスプライン13aおよび14aが形成され、そのガイドによって開カム11および閉カム12がボール17,18を介して直線運動(リニアモーション)するようになっている。
【0103】
開カムシャフト13および閉カムシャフト14は、Vバンク内に配置される。この場合開カムシャフト13が閉カムシャフト14よりも上方に隔置される。さらに、開カムシャフト13および閉カムシャフト14の軸間方向が、吸気バルブ27のバルブステム27aの軸方向と略平行になるように設定される。
【0104】
閉カムシャフト14の一端にはスプロケット19が固着している。排気側のカムシャフト14Exの一端にもスプロケット19Exが固着しており、これらのスプロケット19,19Exとクランクシャフトの一端に固着するドライブスプロケット3との間にカムチェーン4が巻回装架される(図4参照)。なお、図4に示されるようにチェーンガイド5、チェーンテンショナ6およびテンショナアジャスタ7等を含み、これらによりカムチェーン4が適正走行するようになっている。
【0105】
閉カムシャフト14は、エンジンのクランク軸により無端回転手段としてのカムチェーン4を介して回転駆動されるとともに、開カムシャフト13へ回転駆動力を伝達するように構成されている。すなわち開カムシャフト13および閉カムシャフト14のスプロケット19とは反対側の端部には、図16に示されるようにギヤ20,21がそれぞれ固着し、これらのギヤ20,21にアイドルギヤ22が噛合する。開カムシャフト13および閉カムシャフト14はアイドルギヤ22を介して結合し、同一方向に回転駆動される。
【0106】
なお、後述するように開カム11および閉カム12はアクセルシャフトユニットによって、それぞれ開カムシャフト13および閉カムシャフト14に沿って同期して変位するようにスライド駆動される。
【0107】
バルブリフタユニットにおいてバルブリフタは、吸気バルブ27とプラグホール8の間に配置された揺動軸のまわりに揺動可能に支持されスイングアーム50により構成される。揺動軸として図17に示されるように、シリンダヘッド2により支持されたスイングアームシャフト51を含み、該スイングアームシャフト51はプラグホール8の至近位置に配置される。
【0108】
スイングアーム50はその先端で吸気バルブ27に結合するとともに、その途中適所にはピン26を介してタペットローラ25が回転自在に支持される。またスイングアーム50を挟んでその上方に開カムシャフト13を配置し、下方には閉カムシャフト14を配置する。
【0109】
スイングアーム50の先端にはスイングアームシャフト51と平行に、バルブステム27aの上部を両側から挟むようにピン44が横架される(図17参照)。各ピン44にはローラ45が装着される。バルブステム27aの上部に形成されたネジ部27bには、鍔部を有するアジャストナット46が螺着し、該アジャストナット46には、鍔部を有するタペットガイド47が外嵌する。アジャストナット46およびタペットガイド47はシールスプリング48を介して、ロックナット49により締付固定される。また、アジャストナット46およびタペットガイド47の鍔部相互間にローラ45を介挿することで、ロッカアーム42およびバルブステム27aが結合する。この結合構造は実質的に、第2の実施形態の場合と同様である(図11参照)。
【0110】
図15に示されるようにスイングアーム50の力点(ピン26)、作用点(ピン44)および支点(スイングアームシャフト51)は、略一直線上に配置される。この場合、スイングアーム50は支点であるスイングアームシャフト51のまわりに回動するが、そのストローク範囲内でバルブステム27aの軸線方向に対して略直交するように支点が設定される。
【0111】
なお、本実施形態では排気側については、図15あるいは図16に示されるように平板状の開カム11Exと閉カム12Exを持ち、タペットローラ25Exがそれらの双方に摺接する。タペットローラ25Exの外周面は接触平面として構成される。その他の構成部材自体は、実質的に吸気側と同様である。
排気側のバルブリフタユニットあるいはバルブユニットの構成およびそれらの結合部まわりを図17に示す。
【0112】
排気側のカム/カムシャフトユニット(開カム11Exおよび閉カム12Ex、開カムシャフト13Exおよび閉カムシャフト14Ex等)やバルブリフタユニット(タペットローラ25Ex等)をVバンクの外側に配置する。この場合、開カムシャフト13および開カムシャフト13Exの軸間方向と、閉カムシャフト14および閉カムシャフト14Exの軸間方向とが相互に略平行となるように配置される。
【0113】
本実施形態では特に、スイングアーム50Exは吸気側のスイングアーム50と同軸に、すなわち吸気側のスイングアームシャフト51のまわりに揺動可能に支持される。この場合、図17に示されるようにプラグホール8の両側を通すかたちで、一対のスイングアーム50Exが支持される。各スイングアーム50Exは、その先端でピン26Exを介してタペットローラ25Exを回転自在に支持するとともに、その途中適所で排気バルブ27Exに結合する。
【0114】
また、スイングアーム50Exを挟んでその上方に開カム11Exを配置し、下方には閉カム12Exを配置する。図15から分かるように、これら開カム11Exおよび閉カム12Exのカム外周部プロフィールとバルブステム27aとが側面視でオーバラップするように配置される。
【0115】
アクセルシャフトユニットにおいて、開カムシャフト13および閉カムシャフト14と平行に配置されたアクセルシャフト31と、アクセルシャフト31に固着するとともに開カムシャフト13および閉カムシャフト14の双方に連結するアクセルフォーク32を含んでいる。
【0116】
アクセルモータ34は、アクセル変化(アクセル開度や加速・減速方向など)に対応してその出力軸が回転し、その回転はドライブギヤ35およびドリブンギヤ33を介して、アクセルシャフト31のスライド運動に変換される。この例ではアクセルモータ34はシリンダ軸線方向に沿って配置され、シリンダヘッドカバー2aによって覆われている。
【0117】
アクセルフォーク32は、ベアリング52,53を介してそれぞれ開カム11および閉カム12の端部に結合する。ベアリング52およびベアリング53はそれぞれスラストニードルベアリングおよびラジアルニードルベアリングを含み、これらによりスラスト方向およびラジアル方向双方の負荷荷重に対応し得るようになっている。この場合、開カム11および閉カム12のカムロブ傾斜面により発生するスラストを受ける側にのみスラストニードルベアリングが設けられる。これによりアクセルシャフト31がその軸方向にスライドするのに連動もしくは同期して、開カム11および閉カム12が開カムシャフト13および閉カムシャフト14に沿ってそれぞれスライドする。
【0118】
ここでアクセルシャフト31は図15に示されるように、スイングアーム50の支点であるスイングアームシャフト51の上方において、開カムシャフト13および開カムシャフト13Exの軸間を結ぶ線上に配置される。また、開カムシャフト13、ピン26および閉カムシャフト14に沿った配列方向と、アクセルシャフト31、スイングアームシャフト51および閉カムシャフト14に沿った配列方向とによりV字状の配置関係となっている。
【0119】
上記の場合、プラグホール8は着脱可能に構成される。すなわち図15のようにプラグホール8を形成するプラグホールパイプ54が、シリンダヘッド2およびシリンダヘッドカバー2aの所定に着脱可能に取り付けられる。この場合、プラグホールパイプ54の装着部にはOリング55,55′が装着される。
【0120】
第4の実施形態において、開カム11および閉カム12はアクセルフォーク32を介して、アクセルシャフト31の動きに連動してそれぞれ開カムシャフト13および閉カムシャフト14に沿って、左右にスライドする。開カム11および閉カム12の間にタペットローラ25を挟むかたちで配置され、吸気バルブ27を開く際には開カム11でタペットローラ25を介してスイングアーム50を揺動させ、閉じる際には閉カム12でタペットローラ25を介してスイングアーム50を揺動させる。
【0121】
また、排気側において排気バルブ27Exを開く際には開カム11Exでタペットローラ25Exを介してスイングアーム50Exを揺動させ、閉じる際には閉カム12Exでタペットローラ25Exを介してスイングアーム50Exを揺動させる。この場合、スイングアーム50Exは吸気側のスイングアームシャフト51のまわりに揺動する。
【0122】
第4の実施形態では特に、排気側のスイングアーム50Exを吸気側のスイングアーム50と同軸に配置することで、閉カムシャフト14および閉カムシャフト14Exを排気バルブ27Exのバルブステム27aと干渉しない限り、シリンダ軸線側に配設することができる。これによりシリンダヘッド2の前後長を大幅に短くすることができる。また、スイングアームシャフト51を吸気側と排気側で共用することで、加工性が向上するとともに軽量化を図ることができる。なお、開カム11Exおよび閉カム12Exのカム外周部プロフィールとバルブステム27aとをオーバラップさせることでも、同様な効果が得られる。
(第5の実施形態)
【0123】
つぎに、本発明による第5の実施形態を説明する。なお、上述の第1の実施形態と同一または対応する部材には同一符号を用いて、図面を参照して説明する。図18は本発明装置の要部側断面図、図19は図18のM−M線およびN−N線に沿う断面図、図20は図18のO−O線に沿う断面図、図21は図18のP−P線に沿う断面図ある。この実施形態ではシリンダ内で上下に往復動するピストンの上部にシリンダヘッド2が配置され、このシリンダヘッド2内に動弁装置が収容される。
【0124】
第5の実施形態による動弁装置は、気筒の配列方向に沿って配置されるカム/カムシャフトユニットと、カム/カムシャフトユニットにおけるカムのカム面に押されてバルブを進退させるバルブリフタユニットと、この例では吸気制御するバルブユニットと、アクセル開度に応じてカムを変位させるアクセルシャフトユニットとを含んでいる。
これらのうち第1の実施形態と実質的に同一のものについては、適宜その説明を省略もしくは簡略化するものとする。
【0125】
カム/カムシャフトユニットにおいて、バルブを開弁する開カム11およびバルブを閉弁する閉カム12を含むとともに、カムシャフトとして、開カム11および閉カム12をそれぞれスライド自在に支持する相互に平行配置された開カムシャフト13および閉カムシャフト14を含む。開カムシャフト13および閉カムシャフト14はそれぞれ、ベアリング15および16を介してシリンダヘッド2に回転自在に支持される。これらの開カムシャフト13および閉カムシャフト14にはそれぞれ、たとえば3条のボールスプライン13aおよび14aが形成され、そのガイドによって開カム11および閉カム12がボール17,18を介して直線運動(リニアモーション)するようになっている。
【0126】
開カムシャフト13および閉カムシャフト14は、Vバンクの外側、すなわち吸気バルブ27のバルブステム27aの外側に配置される。この場合、開カムシャフト13が閉カムシャフト14よりも上方に隔置される。さらに、開カムシャフト13および閉カムシャフト14の軸間方向が、吸気バルブ27のバルブステム27aの軸方向と略平行になるように設定される。
【0127】
閉カムシャフト14の一端にはスプロケット19が固着している。排気側のカムシャフト14Exの一端にもスプロケット19Exが固着しており、これらのスプロケット19,19Exとクランクシャフトの一端に固着するドライブスプロケット3との間にカムチェーン4が巻回装架される(図4参照)。なお、図4に示されるようにチェーンガイド5、チェーンテンショナ6およびテンショナアジャスタ7等を含み、これらによりカムチェーン4が適正走行するようになっている。
【0128】
閉カムシャフト14は、エンジンのクランク軸により無端回転手段としてのカムチェーン4を介して回転駆動されるとともに、開カムシャフト13へ回転駆動力を伝達するように構成されている。すなわち開カムシャフト13および閉カムシャフト14のスプロケット19とは反対側の端部には、図19に示されるようにギヤ20,21がそれぞれ固着し、これらのギヤ20,21にアイドルギヤ22が噛合する。開カムシャフト13および閉カムシャフト14はアイドルギヤ22を介して結合し、同一方向に回転駆動される。
【0129】
なお、後述するように開カム11および閉カム12はアクセルシャフトユニットによって、それぞれ開カムシャフト13および閉カムシャフト14に沿って同期して変位するようにスライド駆動される。
【0130】
バルブリフタユニットにおいてバルブリフタは、開カムシャフト13および閉カムシャフト14の外側に配置された揺動軸のまわりに揺動可能に支持されスイングアーム50により構成される。揺動軸として図20に示されるように、シリンダヘッド2により支持されたスイングアームシャフト51を含む。スイングアーム50はその先端で吸気バルブ27に結合するとともに、その途中適所にはピン26を介してタペットローラ25が回転自在に支持される。またスイングアーム50を挟んでその上方に開カムシャフト13を配置し、下方には閉カムシャフト14を配置する。
【0131】
スイングアーム50の先端にはスイングアームシャフト51と平行に、バルブステム27aの上部を両側から挟むようにピン44が横架される(図20参照)。各ピン44にはローラ45が装着される。バルブステム27aの上部に形成されたネジ部27bには、鍔部を有するアジャストナット46が螺着し、該アジャストナット46には、鍔部を有するタペットガイド47が外嵌する。アジャストナット46およびタペットガイド47はシールスプリング48を介して、ロックナット49により締付固定される。また、アジャストナット46およびタペットガイド47の鍔部相互間にローラ45を介挿することで、ロッカアーム42およびバルブステム27aが結合する。この結合構造は実質的に、第2の実施形態の場合と同様である(図11参照)。
【0132】
なお、本実施形態では排気側については、カムシャフト14Exに所定間隔おいて平板状の溝カム56が支持され、そのカム溝56aに係合するタペット57を介して排気バルブ27Exを駆動するようになっている。
【0133】
この場合、バルブステム27aExのネジ部27bExにアジャストナット46Exが螺着する。タペット57およびバルブステム27aExはシールスプリング48Exを介して、ロックナット49Exにより締付固定される。タペット57の端部は、ローラ58を介してカム溝56aと係合する。タペット57はガイドシャフト59を介して、バルブステム27aExの軸方向にガイドされる。
【0134】
ここで本実施形態では特に、図18に示されるようにプラグホール8および吸気ポート9をVバンク内に配置するとともに、それらを略平行にして傾斜配置する。この場合、プラグホール8および吸気ポート9が側面視で部分的に重なるように、上面視でプラグホール8を吸気ポート9間の中央付近に配置する(図20、図21)。
【0135】
アクセルシャフトユニットにおいて、開カムシャフト13および閉カムシャフト14と平行に配置されたアクセルシャフト31と、アクセルシャフト31に固着するとともに開カムシャフト13および閉カムシャフト14の双方に連結するアクセルフォーク32を含んでいる。
【0136】
アクセルモータ34は、アクセル変化(アクセル開度や加速・減速方向など)に対応してその出力軸が回転し、その回転はドライブギヤ35およびドリブンギヤ33を介して、アクセルシャフト31のスライド運動に変換される。この例ではアクセルシャフト31は開カムシャフト13よりも外側に配置され、アクセルモータ34はシリンダ軸線に対して傾斜して配置される。
【0137】
アクセルフォーク32は、ベアリング52,53を介してそれぞれ開カム11および閉カム12の端部に結合する。ベアリング52およびベアリング53はそれぞれスラストニードルベアリングおよびラジアルニードルベアリングを含み、これらによりスラスト方向およびラジアル方向双方の負荷荷重に対応し得るようになっている。この場合、開カム11および閉カム12のカムロブ傾斜面により発生するスラストを受ける側にのみスラストニードルベアリングが設けられる。これによりアクセルシャフト31がその軸方向にスライドするのに連動もしくは同期して、開カム11および閉カム12が開カムシャフト13および閉カムシャフト14に沿ってそれぞれスライドする。
【0138】
上記構成において、吸気ポート9の軸線を略シリンダ軸線方向に設定することができるため吸入効率を向上させ、出力や燃費性能を大幅に向上することができる。また、開カムシャフト13および閉カムシャフト14を吸気バルブ27の傘部付近に近接配置しても、それらが吸気ポート9と干渉することはない。これによりシリンダヘッド高を低く抑えるとともに、バルブステム27aを短くすることができ、高回転化および高加速度化を可能にするバルブ開閉を行なうことができる。
【0139】
また、プラグホール8および吸気ポート9を略平行に配置することによりVバンク角を狭く設定し、シリンダヘッド2をコンパクトに構成するとともに、燃焼室面積を小さくすることで燃焼効率を向上することができる。
【0140】
つぎに、本発明による動弁装置における典型的な変形例を説明する。
(変形例1)
この例ではバルブステム上部にスイングアーム式の開カム用タペットローラおよび開カムを順に配置し、バルブステム上部に開カム用ロッカアーム作用点(開リフトローラ)を配置する。また、ロッカアーム支点に対して作用点の反対側に力点(タペットローラ)を配置し、これに接する開カムをプラグホールに対して開カムの反対側に配置する。
【0141】
この例によれば、プラグホールと吸気ポートの間には開カムシャフトおよびスイングアームのみの配置となるため、その前後方向寸法を小さくすることができる。これによりシリンダ軸線に対する吸気ポートの傾斜角度を小さくするとともに、シリンダヘッド高を低く抑えることができる。また、タペット部の下側には閉リフトローラのみの配置となるため、バルブステム長を現状のバルブスプリング仕様並みのものと同程度に短くすることができる。
【0142】
また、この例では吸気側の閉ロッカシャフト(支点)をエンジン側面視にて、プラグホールとオーバラップする位置に配置する。
これによりロッカアーム長を短くすることができ、高回転化、高リフト化および高加速度化を図ることができる。また、閉カムをプラグホールに近接配置することができ、シリンダヘッドの前後長をコンパクトにすることができる。
【0143】
また、この例では吸気側閉カムの下側にエンジン側面視にて、吸気側閉タペットローラの揺動軌跡とオーバラップするように排気側にて板状の溝カムを配置する。
これによりバルブステム長を現状のバルブスプリング仕様並みのものよりも実質的に短くすることができる。また、可変ストローク化されてはいないが、開カムおよび閉カムを併用することができ、カム軸を1本省略することでシリンダヘッドまわりをコンパクトにする。
【0144】
また、この例では吸気側開スイングアームの力点(タペットローラ)、作用点(リフトローラ)、開カム軸および吸気側閉ロッカアーム作用点(リフトローラ)の中心を略バルブステム軸上に配置する。
これによりバルブステムに作用する曲げモーメントを小さくすることができ、円滑作動を保証することともに耐久性を向上させる。
【0145】
また、この例では吸気側タペットローラとリフトローラを同軸上に配置する。これにより2つのローラを同一軸に配置することで、軽量化やコストダウンを図ることができる。
【0146】
また、この例では吸気側ロッカアームの形状をプラグホールを囲み、ロの字状とし、すなわち複数のバルブを1つのタペットローラでリフトさせるように一体化する。
これによりタペットローラ1個により複数のバルブをリフトすることができる。また、高剛性化を図ることができる。
【0147】
また、この例ではシリンダ軸線に対してバルブの外側に一対の円板状の溝カムを配置し、タペットを両持ち式にてリフトさせる。
これにより両持ちすることでバルブリフト作動をスムースに行なうことができる。また、溝カムがその外側のベアリング軸受に近く配置されるため、曲げモーメントが小さくなり、カムシャフトの径を小さくし、その分だけ溝カムの外径を小さくしてシリンダヘッドまわりをコンパクトにすることができる。
【0148】
(変形例2)
この例ではバルブステム上部にスイングアーム式の開カム用タペットローラおよび開カムを順に配置し、バルブステム上部に開カム用ロッカアーム作用点(開リフトローラ)を配置する。また、ロッカアーム支点をVバンク内に配置し、その支点に対して作用点の反対側に力点(タペットローラ)を配置し、これに接する閉カムをプラグホールに対して開カムの反対側に配置する。さらに、開スイングアームの支点(軸)をVバンク内に配置する。
【0149】
この例によれば、吸気側バルブステムと吸気ポートの間にスイングアームシャフトがないため、シリンダ軸に対する吸気ポート傾斜角度を小さくすることができ、シリンダヘッドをさらにコンパクトにするとともに、タンブル流を強くするとともに高出力化を図ることができる。
【0150】
また、この例ではロッカアーム支点とスイングアーム支点を同一軸とする。この場合、ロッカアーム支点およびスイングアーム支点をエンジン側面視にて、プラグホールとオーバラップするように配置する。
これによりロッカアームおよびスイングアーム長を短くし、高回転化を図るとともに、シリンダヘッドの前後長をコンパクトにすることができる。また、軸を共用することで加工費用、重量および組立工数等を削減することができる。
【0151】
また、この例では開カム用スイングアームの支点を閉カム用ロッカアームのアーム部に設ける。
これによりスイングアームをさらにコンパクト化し、往復運動量を軽減することで高回転化および高開閉加速度化を図ることができる。また、スイングアームをロッカアームに部組可能にし、組立性を向上することができる。
【0152】
(変形例3)
この例では吸気バルブを強制開閉するが、開カム側を直打式にするとともに、閉カム側をロッカアーム式に構成する。
【0153】
この例によれば、往復運動部の重量を軽減することでリフト量および開閉加速度を高め、高出力化や高回転化および図ることができる。また、開タペットが直線的にストローク作動するため、さらに正確なリフト作動が得られる。
【0154】
また、この例ではタペットガイドを複数のバルブステム軸間に設ける。
これによりタペットガイド溝の開放端がリフト小側、すなわちガイドにかかる負荷が小さい側に配置される。したがって、ガイドの変形を小さくすることができ、軽量化を図ることができる。また、リフト大側では溝の底部となり、剛性を有する部分で負荷が最大となり、負荷が大きくなっても変形量が小さい。
【0155】
ところで、バルブスプリング仕様のエンジンにあってはバルブステム軸間にガイドを排気位置することがでいないため、タペットおよびカム間にガイドを設けていない。ガイドの閉じ端肉厚とリフト分だけタペットローラ径を大きくする必要があり、タペット重量が増加するとともに、シリンダヘッド高が高くなる。これに対して本発明ではステム間にガイドを設けることで、かかる不都合を解消することができる。
【0156】
また、この例ではバルブステム軸方向視にて、閉ロッカアームのプロフィールに重ならないようにタペットガイドを形成する。そして、エンジン側面視にてロッカアームとタペットが重なるように配置する。
これによりシリンダヘッド高が低くなるとともに、ガイドの取付座を高くすることができるためポートの傾斜角度を小さくすることができる。また、ロッカアームを外さなくてもタペットガイドの分解整備が可能になる。
【0157】
(変形例4)
この例では吸気バルブを強制開閉するが、閉カム側をロッカアーム式に構成するとともに、吸気側の開カムおよび閉カムシャフトを近接配置し、プラグホールを閉カムシャフトと排気側のカムシャフトの間に配置する。なお、吸気側においてはスイングアーム式あるいは直打式のいずれであってもよい。
【0158】
この例によれば、アクセルフォークをコンパクトにすることができ、剛性を高めるとともに、開閉カムを正確に同調させることができる。また、装置重量やコストを低減することができる。さらに、閉カム駆動ギヤをコンパクトにするとともに、アイドルギヤを廃止することができる。
【0159】
また、この例ではプラグホールを前後面視にてシリンダ軸線に対して傾斜させ、側面視にては閉タペットローラ軌跡とオーバラップさせる。
これによりVバンク角を小さくすることができ、シリンダヘッドをコンパクト化するとともに、燃焼室容積に対する表面積(SV値)を小さくして燃焼効率や出力を向上させる。
【0160】
以上、本発明を種々の実施形態とともに説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
たとえば上記実施形態で説明した具体的な数値例等は、必ずしもこれに限定されず、必要に応じて変更可能である。また、各実施形態において、2気筒エンジンの場合の例を説明したが、本発明は単気筒または3気筒以上のエンジンに対しても有効に適用可能である。
【0161】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、この種の動弁装置においてアクセル開度に応じてバルブリフト量、作動角およびリフトタイミングを無段階可変制御する。この場合、特に吸気バルブを押上げ駆動するためバルブスプリングを廃止することができ、バルブ駆動時の機械的損失を大幅に減少する。また、開カムシャフトおよび閉カムシャフトによりカム軸を2元化したことで、開カムおよび閉カムのカム軸方向寸法を大きくとることができる。これにより滑らかなバルブリフト特性を実現可能である。この場合、単一のタペットローラを用いることでタペット重量を軽量化し、吸排気バルブの高リフト化および高加速度化が可能になる。
【0162】
また、たとえば特に開カム、タペットローラおよび閉カムが吸気バルブのバルブステムの軸方向に沿って直線状に配置される。このような配置関係によりバルブリフタの作動方向をバルブステムの方向と合致させ、実質的に直打式バルブを構成することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用例に係るエンジンまわりを含む自動二輪車の構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における動弁装置の要部側断面図である。
【図3】図2のA−A線およびB−B線に沿う断面図である。
【図4】本発明の動弁装置に係るカムシャフトの回転駆動系を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るバルブリフタの構成例を示す正面図および側面図である。
【図6】本発明の実施形態におけるバルブステムおよびバルブリフタの結合構造例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態における動弁装置の要部側断面図である。
【図8】図7のC−C線およびD−D線に沿う断面図である。
【図9】図7のE−E線に沿う断面図である。
【図10】図7のF−F線に沿う断面図である。
【図11】本発明の実施形態におけるバルブステムおよびバルブリフタの結合構造例を示す図である。
【図12】本発明の第3の実施形態における動弁装置の要部側断面図である。
【図13】図12のG−G線およびH−H線に沿う断面図である。
【図14】図12のI−I線に沿う断面図である。
【図15】本発明の第4の実施形態における動弁装置の要部側断面図である。
【図16】図15のJ−J線およびK−K線に沿う断面図である。
【図17】図15のL−L線に沿う断面図である。
【図18】本発明の第5の実施形態における動弁装置の要部側断面図である。
【図19】図18のM−M線およびN−N線に沿う断面図である。
【図20】図18のO−O線に沿う断面図である。
【図21】図18のN−P線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 エンジンユニット、2 シリンダヘッド、2a シリンダヘッドカバー、3ドライブスプロケット、4 カムチェーン、5 チェーンガイド、6 チェーンテンショナ、7 テンショナアジャスタ、8 プラグオール、9 吸気ポート、10 動弁装置、11 開カム、12 閉カム、13 開カムシャフト、14 閉カムシャフト、15,16 ベアリング、17,18 ボール、19 スプロケット、20,21 ギヤ、22 アイドルギヤ、23 バルブリフタ、24 ガイドピン、25 タペットローラ、27 吸気バルブ、27a バルブステム、28 バルブガイド、29 アジャストボルト、30 ロックナット、31 アクセルシャフト、32 アクセルフォーク、33 ドリブンギヤ、34 アクセルモータ、35 ドライブギヤ、36,38 ベアリング、37,39 フォークガイド、40 ピン、41 位相センサ、42 ロッカアーム、43 ロッカシャフト、44 ピン、45 ローラ、46 アジャストナット、47 タペットガイド、48 シールスプリング、49 ロックナット、50 スイングアーム、51 スイングアームシャフト、54 プラグホールパイプ、56 溝カム、57 タペット、58 ローラ、59 ガイドシャフト、100 自動二輪車、101 車体フレーム、102 ステアリングヘッドパイプ、103 フロントフォーク、104 ハンドルバー、106 前輪、108 ブレーキディスク、109 スイングアーム、110 リヤショックアブソーバ、111 後輪、112 チェーン、113 ドリブンスプロケット、114 エアクリーナ、115 吸気管、116 排気管、117 燃料タンク、118 シート、119 シートカウル、120 ヘッドランプ、121 メータユニット、125 ラジエータ。

Claims (10)

  1. カム高さとカム作用角が連続的に変化するように形成され、カムシャフトと一体回転するとともにその軸方向に相対移動可能に構成された立体カムと、前記カムのカム面に押圧されてバルブを進退させるバルブリフタとを備えた動弁装置であって、
    前記立体カムとして、前記バルブを開弁する開カムおよび前記バルブを閉弁する閉カムを含むとともに、前記カムシャフトとして、前記開カムおよび前記閉カムをそれぞれスライド自在に支持する相互に平行配置された開カムシャフトおよび閉カムシャフトを含み、
    前記開カムと前記閉カムの間にそれらの双方に摺接する前記バルブリフタの回転摺接部を介置したことを特徴とする動弁装置。
  2. 前記バルブのバルブステムの軸方向に沿って、前記開カムシャフト、前記閉カムシャフトおよび回転摺接部を並設し、前記閉カムシャフトをシリンダの燃焼室寄りに配置したことを特徴とする請求項1に記載の動弁装置。
  3. 前記バルブリフタは、前記バルブのリフト方向と平行に配設されたガイドピンに沿って移動可能に保持され、前記バルブリフタの内方に前記閉カムシャフトを配置することを特徴とする請求項2に記載の動弁装置。
  4. 前記バルブリフタは、揺動軸のまわりに揺動可能に支持されたロッカアームを含み、該ロッカアームはその一端に前記回転摺接部を有するとともに、他端で前記バルブに結合することを特徴とする請求項1に記載の動弁装置。
  5. 前記揺動軸を前記バルブステムの上方かつ外側に配置するとともに、前記回転摺接部を前記揺動軸よりも上方に配置し、前記回転摺接部の外側および内側にそれぞれ、前記開カムシャフトおよび前記閉カムシャフトを配置することを特徴とする請求項4に記載の動弁装置。
  6. 前記バルブリフタは、前記バルブとプラグホールの間に配置された揺動軸のまわりに揺動可能に支持されスイングアームを含み、該スイングアームはその先端で前記バルブに結合するとともに、途中適所に前記回転摺接部を有し、前記スイングアームを挟んでその上方に前記開カムシャフトを配置し、下方に前記閉カムシャフトを配置することを特徴とする請求項1に記載の動弁装置。
  7. 前記閉カムシャフトは、エンジンのクランク軸により無端回転手段を介して回転駆動されるとともに、前記開カムシャフトへ回転駆動力を伝達するように構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の動弁装置。
  8. 前記開カムシャフトおよび前記閉カムシャフトはアイドルギヤを介して結合し、同一方向に回転駆動されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の動弁装置。
  9. 前記開カムおよび前記閉カムは、それぞれ前記開カムシャフトおよび前記閉カムシャフトに沿って同期して変位するようにスライド駆動されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の動弁装置。
  10. 吸気バルブおよび排気バルブにより吸排気を制御するようにした内燃機関であって、
    吸気側または排気側に請求項1〜9のいずれか1項に記載の動弁装置を備えたことを特徴とする内燃機関。
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