JP6269229B2 - 高清浄鋼の溶製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼材の製鋼段階において、鋼材性能を低下させる要因となりうる粗大な介在物を低減することができる、高清浄鋼の溶製方法に関する。
鋼材中の非金属介在物(以下、「介在物」という)は、製品段階で製品性能を低下させる要因となり得ることが知られている。特に、Alキルド鋼中に存在するアルミナ系酸化物は硬質であり、クラスタを形成して粗大化することもある。例えば、最も清浄性を要求される軸受鋼といった清浄鋼では、鋼材中の酸化物が破壊の起点となり、転動疲労寿命を低下させることが知られている。また、大型構造物として用いられる厚板鋼においては、粗大酸化物が溶接時の靱性を低下させる場合がある。したがって、溶鋼段階で粗大な介在物を低減することは極めて重要である。
このような要求に応えるため、減圧下で生じるC+O=CO反応(以下、「C脱酸反応」という)を活用した溶鋼清浄化方法が考案されている。例えば、特許文献1では、環流型脱ガス装置において、所定の組成の溶鋼を減圧下で環流させることで、(1)式で表されるCの酸化反応と、(2)式で表されるAlの酸化反応を考えた場合、Cの酸化反応を優先的に生じさせ、Alの分解反応が生じることで、Alを低減する技術が開示されている。
C+O=CO(g) ・・・(1)
2Al+3O=Al(s) ・・・(2)
C脱酸反応を用いるとAlに留まらず、MgO、Ti、SiO、MnO、FeOといった酸化物であっても(1)式におけるO源として作用するが、これら酸化物の還元反応は、溶鋼中の溶存酸素濃度が十分に低下した後に生じる。溶鋼の清浄化を考えた場合、溶鋼中の溶存酸素濃度を速やかに低減する必要があるが、取鍋上にFeOやMnOといった低級酸化物濃度の高いスラグが存在する場合、溶鋼に酸素が供給されることになるため、溶鋼の清浄化効果を十分に得られない。このため、減圧C脱酸を最大限活用するには、スラグからの再酸化を防ぐ手法が必要である。
スラグからの再酸化を防ぐ技術はこれまでもいくつか開示されているが、それらはAl脱酸と組み合わせたものが多い一方、未脱酸鋼もしくは弱脱酸鋼を対象にした技術はほとんど無い。
例えば、特許文献2には、「真空処理前の取鍋内のスラグ中のCaO含有率とAl含有率の重量%の比CaO/Alを0.6以上2.0以下、FeOおよびMnOの含有率の合計を2重量%以上10重量%以下、SiO含有率を12重量%以下ならびにMgO含有率を5重量%以上10重量%以下に調整した後、溶鋼を脱炭処理し、引き続き溶鋼を脱酸処理するために溶鋼にAlを添加し、それと同時にまたはその後に、真空槽内にMgOを含有する酸化物を添加すること」を特徴とする清浄性に優れた極低炭素鋼の溶製方法が開示されている。この技術は、真空槽内に添加したMgOを用いて、脱炭処理後のスラグの固相割合を増やすことで、溶鋼の再酸化を抑制する技術である。
また、特許文献3には、「RH環流式脱ガス装置による処理以前に取鍋スラグに金属Al含有物質を添加して、取鍋スラグ中のFeO、MnO などの低級酸化物を還元し、その後RH環流式脱ガス装置において環流開始後直ちにMgOが主たる成分であるフラックスをRH脱ガス槽内に添加した後、目標炭素濃度以下となるまで引き続き脱炭処理を行い、更に脱酸用合金を添加して脱酸処理を行うこと」を特徴とする高清浄度極低炭素鋼の溶製方法が開示されている。この技術は、RH環流開始直後直ちに真空槽内にMgOを添加することで、スラグ中酸化鉄濃度の上昇を抑制する技術である。
一方、特許文献4には、「取鍋内のスラグのMgO濃度が6〜15質量%となるように、MgCO3を60質量%以上含有するMgCO含有物質を取鍋内のスラグに添加し、次いで、真空脱ガス装置において、溶鋼中の炭素と溶鋼中の溶存酸素とを減圧下で反応させて溶存酸素濃度を0.050質量%以下まで低減し、溶鋼中の溶存酸素濃度が0.050質量%以下となった後に減圧下の溶鋼に金属Alを添加して溶鋼を脱酸」することを特徴とする高清浄度鋼の製造方法が開示されている。この技術は、未脱酸鋼を脱酸処理する際のスラグ中MgO濃度を高めているが、その目的は、取鍋内スラグを固化させて取鍋からタンディッシュへの注入末期に形成される渦流に巻き込まれないようにするとともに、溶鋼の清浄性を向上させるものである。
特開2013−167009号公報 特開2000−38614号公報 特開平6−116623号公報 特開2013−95947号公報
上記した特許文献2〜4の従来技術はAl等で脱酸した溶鋼の清浄性を向上させるためのスラグ改質を目的としているが、これらの技術がC脱酸に伴う脱酸効率を改善たり、清浄性を向上できるかどうかは明確でない。
本発明は、上記した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、C脱酸を用いた清浄鋼の溶製手法において、C脱酸を阻害することなくスラグ改質を行うことで、スラグ中の低級酸化物濃度が高いスラグ存在下であっても、スラグからの再酸化を抑制し、C脱酸による溶鋼清浄化効果を最大限得る手法を提供することである。
上記した課題を解決するため、本発明者らは、C脱酸を阻害せずにC脱酸による溶鋼清浄化効果を最大限得られるスラグ改質手法を検討した。
始めに、C脱酸による溶鋼清浄化の原理を示す。(1)、(2)式で決定される平衡酸素濃度は、各反応における平衡関係式からそれぞれ下記(3)、(4)式で表される。
[O]=C(定数)×PCO/[C] ・・・(3)
[O]Al=C(定数)×[Al]-2/3 ・・・(4)
[O]<[O]<[O]Al ・・・(5)
ここで、[O]Al:Alの酸化反応から求まる溶鋼中O濃度、[O]:Cの酸化反応から求まる溶鋼中O濃度、C、C:定数、[Al]:sol.Al濃度、PCO:真空槽内のCO分圧、[C]:C濃度、[O]:溶存酸素濃度である。
すなわち、(5)式に示すように、溶存酸素濃度が[O]Al以下であり、かつ[O]以上の条件(以下、「C脱酸領域」という)では、熱力学的にはAlが生成せず、C脱酸のみが生じる条件となり、懸濁するAlはC脱酸により還元されていくことになる。なお、本発明の条件では全ての条件において[O]<[O]Alを満たしているため、[O]<[O]Alを満たせばC脱酸によりAlを還元できる条件となる。この条件は具体的には(i)式で表される。
Al<0.0008×((101.325×C)/P0_former1.5
・・・(i)
Al:溶鋼中sol.Al濃度(質量%)
C:溶鋼中C濃度(質量%)
0_former:減圧清浄化処理時の真空槽内圧力(kPa)
C脱酸が生じる場合、(1)式に示すC脱酸反応が生じるが、溶鋼清浄化を考えた場合、(2)式に示すAl生成反応をいかに抑制もしくは還元反応に制御するかが重要である。この時、熱力学的には(5)式が成り立つ状況であったとしても、スラグから溶鋼に大量の酸素供給が生じる場合、Al生成反応を抑制するのは困難である。また、スラグからの酸素供給が過剰である場合、C脱酸に伴う脱酸速度も低減することになるため、RH処理時間が延長してしまうことになる。
これらを鑑みた結果、C脱酸による溶鋼清浄化効果を享受しつつ、スラグからの再酸化を抑制する手法として、C脱酸処理中のスラグ中の固相率を増加させ、流動性を著しく低下させ、スラグメタル反応を抑制することが有効と考えた。
MgO源を添加してスラグメタル反応を抑制することを考えた場合であっても、スラグ組成が極端な条件である場合、MgO源を添加したとしても、発明の効果は十分に得られない。このため、MgO源を添加する前のスラグ組成を適切に調整しておく必要がある。
MgO源が添加される状況を考えた場合、基本的には転炉から溶鋼が出鋼される際に不可避的に流出する取鍋上の転炉スラグに対し、CaO、Alといった成分を含む造滓剤、すなわち生石灰やカルシウムアルミネートといった造滓剤が添加される状況が想定される。転炉スラグには通常FeO+MnOが20〜30%含まれているが、未脱酸もしくはSiやMnのみで弱脱酸したのみでは、出鋼後のFeO+MnOは15%程度含まれており、スラグの希釈効果だけでFeO+MnOを10%以下まで低減させるには多量の造滓剤を添加する必要がある。
この状況から、環流型脱ガス装置で減圧清浄化処理するまでの間には、耐火物からのMgOおよびAl溶出、取鍋に付着していたスラグからのAl溶出、さらに、Al昇熱した場合にはAlの生成が生じ、スラグ組成が変化することが想定される。
転炉出鋼時の造滓剤はこれらの想定を踏まえて添加されることになるが、前述したようにCaO源添加だけでスラグ改質する場合、溶製コストが増大してしまう。
本発明者らは、上記検討を踏まえ、C脱酸に伴う溶鋼清浄化効果を最大限得られる溶鋼組成および真空度の条件、並びに溶鋼再酸化を抑制できるスラグ組成とスラグ改質方法を明確化することで、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の通りである。
(1)製鋼炉から取鍋に出鋼した、質量%でsol.Al:0.005%以下、Si:0.005〜0.3%、O(全酸素濃度):0.02%以下を含有する溶鋼を、減圧清浄化処理として、環流型脱ガス装置において、(i)式を満たすAl濃度、C濃度および真空槽内圧力で10分間以上環流処理する清浄性の高い鋼材の製造方法において、前記取鍋内溶鋼上のスラグ組成が(ii)〜(iii)式を満たした状態で、MgO源をMgO純分で0.80kg/ton以上添加した後に減圧清浄化処理を開始することを特徴とする、清浄性の高い鋼材の製造方法。
Al<0.0008×((101.325×C)/P0_former1.5
・・・(i)
Al:溶鋼中sol.Al濃度(質量%)
C:溶鋼中C濃度(質量%)
0_former:減圧清浄化処理時の真空槽内圧力(kPa)
0.6<(%CaO)/(%Al)・・・(ii)
10<(%FeO)+(%MnO)≦20・・・(iii)
ここで、(%CaO)、(%Al)、(%FeO)、(%MnO)はそれぞれスラグ中のCaO、Al、FeO、MnOの濃度(質量%)である。
(2)減圧清浄化処理後のスラグ中MgO濃度が13.0%以上であることを特徴とする、上記(1)に記載の清浄性の高い鋼材の製造方法。
本発明によれば、溶鋼再酸化を抑制した上で、C脱酸に伴う溶鋼清浄化効果を最大限得られ、鋼材中の粗大な介在物が低減された、清浄度が高い鋼材を効率よく製造できる。このような鋼材を溶製することで、粗大介在物による鋼材への悪影響を低減できる。本発明は、既存の製鋼プロセスを大きく変更することなく実施可能であることから、製造コストの増大を抑制可能であり、本発明の社会的貢献度は非常に大きい。
1.本発明における用語の定義
「製鋼炉」とは、転炉または電気炉を指し、製鋼炉から出鋼された「溶鋼」とは、脱硫、脱りんもしくは脱炭といった一次精錬処理が実施された状態であるものとする。
「環流型脱ガス装置」とは、真空槽を具備する溶鋼処理装置であって、代表的な装置としてRHがある。「環流処理」とは、環流型脱ガス装置を用いて、取鍋に溶鋼を受鋼している状態で、真空槽内圧力を低下させることで溶鋼を真空槽に吸い上げ、環流ガスを流すことで、溶鋼を取鍋と真空槽との間で環流させる操作を指す。環流中の溶鋼では、溶鋼が減圧雰囲気にさらされることから脱ガス反応が促進されるとともに、介在物の凝集、浮上除去が促進される。
「減圧清浄化処理」とは、(1)式で示されるC脱酸反応を用いて溶存酸素濃度を低減、並びに粗大酸化物を低減させることを目的とした処理である。具体的には、環流型脱ガス装置において、(i)式を満たすAl濃度、C濃度および真空槽内圧力で溶鋼を環流させる処理である。減圧清浄化処理は、溶鋼環流処理の一部であり、減圧清浄化処理前であれば、溶鋼成分調整のための合金添加や、Alの酸化反応を利用した溶鋼昇熱処理を行っても良い。その場合、一時的にSol.Al濃度が0.005%を超えてもよい。ただし、脱炭脱酸反応が生じる溶存酸素を確保し、反応中のAl生成を抑制するため、Al濃度が0.005%以下になるまで送酸処理を行ってAl濃度を低減させる必要がある。また、減圧清浄化処理後に、溶存酸素濃度のみを増加させる処理を行っても良い。
「スラグ組成調整」とは、(ii)、(iii)式を満たすべく、意図的に造滓剤を添加してスラグ組成を調整する操作を指す。具体的には、転炉からの出鋼時、環流型脱ガス装置で溶鋼環流を開始した直後、もしくはAl昇熱が完了した直後などが該当する。なお、スラグ組成調整には、耐火物からのMgOおよびAl溶出、取鍋に付着していたスラグからのAl溶出、さらに、Al昇熱した場合にはAlの生成に伴うスラグ組成変化は含めない。
2.本発明に係る溶鋼組成
本発明を実施するに当たって、溶鋼段階の鋼に含まれる元素について説明する。以下、断りが無い限り全て質量%とする。
[Sol.Al濃度:0.005%以下]
本発明は、環流型脱ガス装置において、C脱酸反応を活用して酸化物の分解反応を生じさせる。このため、減圧清浄化処理の前段階において、溶存酸素が完全に低減されていないことが必要である。このため、脱炭脱酸反応中は終始、溶鋼中のSol.Al濃度は0.005%以下である必要がある。この時、Sol.Al濃度は低位であるほうがC脱酸反応を効率的に活用できる。
減圧清浄化処理を行う前段階として、Alの酸化反応を利用した溶鋼昇熱処理を実施してもよい。昇温に必要な温度が高い場合、溶鋼中のAl濃度は一時的に0.005%を超える場合もあるが、昇熱操作に伴う酸素吹きによりAl濃度を0.005%以下に制御し、脱炭脱酸反応が生じるのに必要な酸素量を確保すればよい。Sol.Al濃度が低い場合、溶存酸素濃度は高くなり、脱炭脱酸反応を効率的に活用できる。一方で、Alを完全に低減することは困難であることから、減圧清浄化処理中および後環流中の望ましいSol.Al濃度は、0.0005〜0.0020%である。
[Si濃度:0.005〜0.3%]
Siは、溶鋼中で脱酸元素として働き、鋼材中では焼き入れ性を高める。脱酸成分が低位過ぎると、溶鋼中酸素濃度が過度に高くなってしまう可能性があることから、Siは0.005%以上含有されることが必要である。一方、Siが0.3%を超えて含有されると、溶存酸素濃度が低くなり過ぎ、C脱酸反応が停滞する可能性がある。このことから、減圧清浄化処理中は終始、Si濃度は0.005〜0.3%であることが必要である。減圧清浄化処理中にSi濃度が上昇することは無く、またSi濃度が低下することも実際上無いので、この条件は減圧清浄化処理を開始する前に満足させておくことで達成される。
[O濃度:0.02%以下]
Oは、鋼材の製造過程において不可避的に含有される元素であり、溶存、もしくは酸化物として存在する。両者を明確に分離することは困難であり、かつC脱酸反応では溶存酸素とともに酸化物としての酸素も酸素源に成り得ると考えられることから、本発明でのO濃度は両者を合わせた全酸素濃度とする。本発明の対象鋼は清浄性の高い鋼であり、減圧清浄化処理後は脱酸元素を新たに添加しなくても酸素濃度が低い状態にする必要がある。減圧清浄化処理を開始する前の段階でO濃度が0.02%を超えていると、C脱酸反応によって脱酸するのに長時間要し、生産性が低下することから、減圧清浄化処理を開始する前の段階で、溶鋼中のO濃度は0.02%以下であることが必要である。また、極端にO濃度が低い場合、C脱酸反応を効率的に活用できないことから、減圧清浄化処理を開始する前の段階ではO濃度が0.003%以上であることが望ましい。
[C濃度:0.03〜1.2%]
Cは、鋼材の製造過程において不可避的に含有される元素であり、C脱酸反応を効率的に生じさせるためには、溶鋼中のC濃度が一定量以上含有されていることが望ましい。減圧清浄化処理を開始する前の段階で0.03%を下回ると、溶存酸素濃度が低い状況において脱炭脱酸反応が停滞することになる。脱炭脱酸反応を促進する点から、減圧清浄化処理を開始する前の段階はC濃度が高いほうが望ましい。一方、製品性能の面からは、1.2%を超えてCが含有されると過度に硬くなり過ぎることに加え、1.2%を超えてCが含有されていても脱炭脱酸反応の効率は飽和している。このため、減圧清浄化処理を開始する前の段階のC濃度は0.03〜1.2%であることが望ましい。
[Mn濃度:0.3〜2.5%]
Mnは、鋼材の製造過程において不可避的に含有される元素であり、脱酸剤として有用であるとともに、鋼材中でMnSを形成して赤熱脆性を防止する作用もある。左記の効果を得るにはMnが0.3%以上含有されることが望ましい。一方、Mnが2.5%を超えて含有されても効果が飽和してしまうことから、減圧清浄化処理中は終始Mn濃度は0.3〜2.5%であることが望ましい。
本発明で溶製する清浄性の高い鋼には、上記したAl、C、Si、Mn、O以外に、P:0.1%以下、S:0.55%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物で構成される。また、上記以外に、製品に必要な機能を付加する目的で、さらに、Ti:0.005%以下、Cr:2.0%以下、Nb:0.05%以下、Mo:1.0%以下、V:0.3%以下、B:0.004%以下、Cu:1.0%以下、Ni:3.0%以下、Sn:1.0%以下、Mg:0.002%以下、Ca:0.002%以下、N:0.02%以下を含有させても良い。
3.溶製時の溶鋼成分測定方法
溶鋼中のC、Si、Al濃度は、取鍋から採取したサンプルを分析することで測定できる。溶鋼中の全酸素濃度は特許第4888516号明細書(鉄鋼中酸素の分析方法)に基づき迅速分析できる。また、酸素濃淡電池を原理とする酸素濃度プローブで直接溶鋼の溶存酸素濃度を測定することができる。
所定のsol.Al、Si濃度を満たすように溶鋼組成が調整されている場合、減圧清浄化処理前に全酸素濃度が0.02%以下になっていることは容易に推定可能であることから、常に全酸素濃度を確認する必要はない。
4.本発明に係るMgO源を添加する前のスラグ組成
[0.6<(%CaO)/(%Al)]
本発明では、減圧清浄化処理を開始する前のスラグ組成制御が重要である。通常、転炉スラグにはCaOが30〜50%含まれている一方、Alは5%程度であるが、Alを添加しない条件であったとしても、耐火物からのAl溶出、取鍋に付着していたスラグからのAl溶出、さらに、Al昇熱した場合にはAlの生成が生じる。これらの不可避的なAl濃度の上昇自体は許容されるが、溶鋼中のAl濃度が0.005%と低いにもかかわらず、(%CaO)/(%Al)が0.6以下の状況となった場合、MgOを添加してスラグの反応性を低下させた場合であっても、介在物がスラグからAl汚染を受け、清浄性が低下してしまう。このため、(%CaO)/(%Al)は0.6よりも大きいことが必要である。また、スラグ組成調整よりも先行してMgO源を添加した場合、スラグの流動性が低下するため、(%CaO)/(%Al)の調整は困難である。このため、(%CaO)/(%Al)はMgO源添加前に調整する必要がある。(%CaO)/(%Al)は同じ製鋼炉における直近の同種の精錬結果を参考にして、主に出鋼時に添加する生石灰量で調整する。(%CaO)/(%Al)が4.0以上となる状況は、生石灰が過剰に添加されたことを意味しており、生石灰添加によりすでにスラグの流動性が低下していることに加え、溶製コストの増大を招く。このため、(%CaO)/(%Al)は4.0より小さいことが望ましい。
[10<(%FeO)+(%MnO)≦20]
本発明は、スラグ中に低級酸化物が含まれていたとしても、MgO源を添加してスラグの流動性を低下させ、スラグメタル反応を抑制することを指向している。FeO+MnOが10%以下であれば、MgO添加をしなくとも、減圧C脱酸に伴う溶鋼清浄化効果が得られるため、本発明の対象スラグ組成としては、(%FeO)+(%MnO)>10を満たしていることが必要である。この条件は、製鋼炉における酸素供給条件に強く依存しているため、同じ製鋼炉における直近の精錬結果を参考にすれば、適切にコントロールすることができる。%FeO+%MnOが20%を超える状況は、溶鋼中の溶存酸素濃度が高い状態を意味しており、減圧清浄化処理を行う前提条件となるO:0.02%以下を満たすのが困難である。また、O濃度を満たした場合であっても、低級酸化物濃度が高すぎると、MgO添加した場合であってもスラグから溶鋼への酸素供給を十分に抑制できなくなるため、(%FeO)+(%MnO)≦20を満たしている必要がある。
但し、出鋼前の溶鋼中C濃度を0.10%以下等の低炭素濃度にする必要がある鋼種では、(%FeO)+(%MnO)が20%を超えてしまう場合が多くなる。そのような場合にも、溶鋼へのSiやMnの添加量が多い鋼種では取鍋内溶鋼上のスラグの(%FeO)+(%MnO)は20%以下になるが、SiやMnの添加量が少ない鋼種では、製鋼炉からの出鋼時にスラグ中へAlを添加するなどして合計で20%以下にまで低下させる。
なお、MgO源を添加した後にこれら低級酸化物の調整する場合、スラグの均一性が確保できていない中での調整となるため、MgO源を添加する前に調整することが必要である。
5.本発明に係るMgO源の添加条件
本発明では、スラグの流動性を低下させ、スラグメタル反応を抑制する目的で、(ii)、(iii)式を満たしたスラグにMgO源を添加する。この時、MgO源としては、MgO単体、MgO・CaO、MgO・Al等を使用できる。MgO単体としては、MgOを85〜90%以上含有する天然マグネシアあるいは海水マグネシアと呼ばれる酸化物がある。また、MgO・CaOとしては、MgOを50〜70%以上含有するマグネシアドロマイトがある。さらに、MgO・Alとしては、MgOを60%以上に高めてMgO飽和組成にしたマグネシアスピネルがある。これらをMgO源として、MgO源を添加する前のスラグ組成およびコストを勘案して使い分ければ良い。
MgO源を添加する時期は、スラグ組成の調整後であって、減圧清浄化処理を行う前であれば、特に制約は無いが、MgO源を添加しても直ちにスラグの流動性が低下する訳では無いので、MgO源を添加する時期は早めであることが望ましい。
MgO源を添加する形態としては、環流型脱ガス装置で添加する場合は、真空槽内に添加すれば良く、この形態が最も確実である。この時のMgO源の粒径としては、0.1〜30mm程度であることが望ましい。より好ましくは、1.0〜20mm程度であるのが良い。
MgO源の添加量としては、MgO純分で0.80kg/ton以上であることが必要である。添加量が0.80kg/tonよりも少ない場合、スラグ中に生成する固相の量が少ないことから、スラグメタル反応を抑制する効果が不十分である。一方で、MgO源を過剰に添加した場合、スラグメタル反応を抑制する効果は飽和しており、溶製コストが増大してしまう。このため、MgO源の添加量は4.8kg/tonよりも少ないことが望ましく、3.2kg/tonよりも少ないことがさらに望ましい。
6.本発明における、減圧清浄化処理後のスラグ組成
請求項1に記載の条件でMgO源を添加することで、減圧清浄化処理中のスラグはMgO濃度が高くなり、スラグ中のMgO固相割合が増加することになり、スラグの流動性が低下し、スラグメタル反応が抑制されることになる。MgO源を添加してもMgO濃度が低い場合、スラグからの酸素供給を抑制できないため、発明の効果を得るためには、減圧清浄化処理後のMgO濃度が13.0%以上であることが望ましい。
7.処理手順
本発明は、溶鋼は製鋼炉から取鍋に出鋼された後、環流型脱ガス装置にて還流処理される。取鍋に出鋼される際に、請求項1に示す範囲を超えない範囲での合金添加や造滓剤添加を行っても良い。また、出鋼完了後、環流型脱ガス装置で処理するまでの間に、脱硫やスラグ改質を目的に溶鋼およびスラグに攪拌操作を加えても良い。
環流型脱ガス装置にて、減圧清浄化処理を行う前段階で、Alの酸化反応を利用した昇熱処理や、成分調整のための合金添加、造滓剤添加を行っても良い。好ましくは、このタイミングでMgO源を添加し、スラグの流動性を低下させた状態でC脱酸を生じさせると良い。減圧清浄化処理としては、(i)式を満たすAl濃度、C濃度および真空槽内圧力に調整した状態で、10分間以上環流させる必要がある。
8.効果の確認方法
本発明の効果を確認するため、環流型脱ガス装置にて、MgO源を添加する直前のスラグサンプルおよび減圧清浄化処理した後の溶鋼およびスラグサンプルを採取し、サンプルの一部を化学分析に供することで溶鋼およびスラグの成分濃度を得た。
採取した溶鋼のボンブサンプルの切断面を光学顕微鏡で観察し、測定視野面積200mmに存在する5.0μm以上20μm以下の酸化物の個数を調査した。酸化物とは、EDS付属の走査電子顕微鏡で測定した際、Al、Si、Mn、Ti、Ca、MgおよびOの占める割合が90atm%以上である介在物を指す。Sが10atm%以上含まれる介在物は、酸化物として計数しない。本発明において、5.0μm以上20μm以下の酸化物個数密度が10個/mm未満であったものを、発明の効果が特に顕著に得られたと判断した。
高炉から出銑された溶銑を、溶銑予備処理して脱硫し、転炉型精錬容器にて脱Pおよび脱C処理した後、取鍋に受鋼した。出鋼の際、Si、Mnを始めとする合金を添加するとともに、生石灰等の媒溶剤を添加した。その後、RH真空脱ガス装置に搬送し、還流処理開始直後に合金添加して溶鋼成分を調整し、同時にMgO源を真空槽内に添加した。この時、Al昇熱をした場合には、Al昇熱後にMgO源を添加した。また、酸素濃度プローブで溶鋼中酸素濃度を測定するとともに、溶鋼サンプルを採取し、迅速酸素濃度分析装置で全酸素濃度を得るとともに、発光分光分析に供して溶鋼成分値を得た。さらに、減圧清浄化処理後に採取した溶鋼サンプルから検鏡用のミクロサンプルを切り出し、検鏡法にて5.0μm以上の酸化物個数を計数した。また、同じタイミングでスラグサンプルを採取し、蛍光X線分析に供してスラグの成分値を得た。RH真空脱ガス装置で処理した後は、連続鋳造法によって、スラブあるいはブルームといった半製品を得た。
減圧清浄化処理前の溶鋼組成および真空槽内の圧力、(i)式右辺を表1に、MgO源添加前スラグ成分、スラグ量、MgO源添加量、減圧清浄化処理後のスラグ中MgO濃度、全酸素濃度および酸化物個数調査結果を表2に示す。
Figure 0006269229
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スラグ量はスラグ厚みから推算した。全てのHeatで、減圧清浄化処理時間は10分から25分までであり、減圧清浄化処理中の溶鋼温度はHeat7,8,16ではおよそ1510℃から1550℃で推移し、その他は1540℃から1590℃で推移した。溶鋼量はHeat7,8,16が80tonで、他は全て250ton規模である。
表1において、Heat1から8までは、溶鋼、スラグ組成およびMgO源添加量が全て請求項1に記載した内容を満足しており、本発明の効果が得られたものである。また、Heat9から16までは請求項1に記載した内容を満足していないため、本発明の効果が得られていないものである。
Heat9および14は溶鋼成分や真空槽内の圧力、CaO/AlやMgO源の添加量は満足していたものの、MgO源添加前のFeO+MnOが20%を超えていたため、スラグからの酸素供給を十分に抑制できず、本発明の効果が得られていない。このため、MgO源添加前にFeO+MnO<20%を満たす必要がある。
Heat10、11、12はスラグ組成やMgO源の添加量は請求項1に記載した内容を満足していたものの、C脱酸が生じるAl濃度、Si濃度、真空槽内の圧力の条件を満たしていなかったため、C脱酸が十分に作用せず、本発明の効果が得られてない。
Heat13は溶鋼成分や真空槽内の圧力、FeO+MnOやMgO源添加量は請求項1に記載した内容を満足していたものの、CaO/Alが低く、C脱酸に伴うAl分解反応が十分に働かなかったため、本発明の効果が得られていない。このため、MgO源添加前に4<CaO/Alを満たす必要がある。
Heat15、16は溶鋼成分や真空槽内の圧力、スラグ組成は請求項1に記載した内容を満足していたものの、MgO源添加量が不足していたため、十分にスラグメタル反応を抑制できなかったため、本発明の効果が得られていない。このため、MgO源添加量は0.8kg/ton以上を満たす必要がある。また、本発明の効果が得られたHeat1〜8は全て減圧清浄化処理後のスラグ中MgO濃度が13.0%以上であり、本発明の効果を得るには、減圧清浄化処理後のスラグ中MgO濃度が13.0%以上であることが望ましい。

Claims (2)

  1. 製鋼炉から取鍋に出鋼した、質量%でsol.Al:0.005%以下、Si:0.005〜0.3%、O(全酸素濃度):0.02%以下を含有する溶鋼を、減圧清浄化処理として、環流型脱ガス装置において、(i)式を満たすAl濃度、C濃度および真空槽内圧力で10分間以上環流処理する清浄性の高い鋼材の製造方法において、前記取鍋内溶鋼上のスラグ組成が(ii)〜(iii)式を満たした状態で、MgO源をMgO純分で0.80kg/ton以上添加した後に減圧清浄化処理を開始することを特徴とする、清浄性の高い鋼材の製造方法。
    Al<0.0008×((101.325×C)/P0_former1.5
    ・・・(i)
    Al:溶鋼中sol.Al濃度(質量%)
    C:溶鋼中C濃度(質量%)
    0_former:減圧清浄化処理時の真空槽内圧力(kPa)
    0.6<(%CaO)/(%Al)・・・・(ii)
    10<(%FeO)+(%MnO)≦20・・・(iii)
    ここで、(%CaO)、(%Al)、(%FeO)、(%MnO)はそれぞれスラグ中のCaO、Al、FeO、MnOの濃度(質量%)である。
  2. 減圧清浄化処理後のスラグ中MgO濃度が13.0%以上であることを特徴とする、請求項1に記載の清浄性の高い鋼材の製造方法。
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